JP3777692B2 - 狭開先用溶接トーチ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は狭開先溶接を行うのに適した狭開先用溶接トーチに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
部材を突き合わせて開先溶接する際に用いる従来のMIG、MAG、CO2 溶接トーチは、図7に一例を示す如く、送給ローラaによって送給される電極ワイヤbを電極チップcの中心部に挿通させ、且つ上記電極チップcの外周方部に、円筒形状のガスノズルdを同心状に組み付け、該ガスノズルdから突き合わせ配置した部材e間の開先fへ向けてシールドガスgを放出させつつ、電極ワイヤbの先端からアークhを発生させて電極ワイヤbを溶融させることにより、開先fの溶接が行われるようにしてある。
【0003】
上記のようにMIG、MAG、CO2 溶接トーチを用いて行う開先溶接では、溶接により必要な接合強度が得られるのであれば、溶接時間の面や熱変形量の面等から、部材e間の開先fは狭い方が望ましいものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来のMIG溶接トーチの場合、シールドガスgの放出を行うガスノズルdは必要不可欠なものであるが、ガスノズルdは円筒形状であるため、たとえば、図8に示すように、厚肉部材iの狭開先jを溶接しようとすると、奥深い位置を狙うことができず、操作自由度の柔軟性に欠ける問題が惹起される。そのため、ガスノズルdの外径を、電極チップcとの干渉を起さない範囲で小さくすることが考えられるが、その場合、上述したように、MIG溶接ではシールドガスgの放出が必要不可欠であることから、シールドの安定性が得られなくなってしまう。
【0005】
そこで、本発明は、狭開先の奥深い位置をも狙うことができ、且つ充分安定したシールド空間を確保することができるような狭開先用溶接トーチを提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、シールドガスを放出するためのガスノズルを、電極ワイヤを通す電極チップの外径と同一の厚みを有する扁平形状に形成すると共に、該扁平形状としたガスノズルの幅方向中央部に縦長のスリットを設けて、該スリット内に、上記電極チップを受容させるように配置した構成とする。
【0007】
扁平形状としたガスノズルの厚みが電極チップの外径と同じにしてあることから、狭開先に適用すると、奥深い位置を支障なく狙うことができるようになり、更に、シールドガスの放出量は扁平形状としたガスノズルにより確保されることから、安定したシールド空間が確保されることになる。
【0008】
又、ガスノズルの上端部に、ガス溜めを形成した構成とすることにより、シールドガスはガス溜め内にて一旦整流されてから、幅方向に亘り均一に放出される。
【0009】
更に、ガスノズルの外表面の少なくともスリットの位置を絶縁膜で被覆した構成とすることにより、溶接する部材に対する電極チップの干渉による通電を防ぐことができる。
【0010】
一方、ガスノズルをインナーガスノズルとし、該インナーガスノズルの幅方向両端部外側に、アウターシールドガスを放出するためのアウターガスノズルを着脱可能に組み付けた構成とすることにより、インナーガスノズルからのシールドガスの放出領域の外側に、アウターガスノズルからアウターシールドガスが二重に放出されるため、シールド空間をより安定して形成することができるようになる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0012】
図1乃至図4は本発明の実施の一形態を示すもので、内部にシールドガス2を導き且つ電極ワイヤ3の送給をガイドするようにしてある管状のトーチ本体1の先端部に、上記電極ワイヤ3を通す電極チップ4を、チップホルダー5を介して取り付け、又、上記トーチ本体1よりチップホルダー5周壁の複数の孔6を通して導かれたシールドガス2を先端(下端)の放出口より放出するためのガスノズル7を、上記電極チップ4の外径と同一(ほぼ同一を含む)の厚みを有する扁平形状に形成し、且つ該扁平形状としたガスノズル7の幅方向中央部に縦長のスリット8を設けて、該スリット8内に上記電極チップ4を受容させるように、ガスノズル7をトーチ本体1の先端部に組み付け、更に、上記ガスノズル7の外表面に、スリット8の位置を被覆するように絶縁テープの如き絶縁膜9を貼り付けて、電極チップ4がスリット8から外部へ露出しないようにさせる。
【0013】
上記ガスノズル7の上端部には、チップホルダー5の孔6を通して導かれたシールドガス2を一旦溜めて幅方向へ均一に分散させて整流させるようにするガス溜め10が設けてある。又、ガスノズル7は扁平形状としてあるが、通常の円筒形状とする場合の断面積とほぼ同じ断面積が得られるように設計してある。
【0014】
なお、図1において、11は、ガスノズル7の取り付けのためにガスノズル7の上端取付部7aとチップホルダー5との間に介在させた絶縁ブッシュを示す。
【0015】
図4に示す如き厚肉部材12の突き合わせ部に形成された狭開先13の溶接に採用すると、ガスノズル7が電極チップ4の外径に合わせて扁平に形成されているため、狭開先13の奥深い位置をも支障なく狙うことができる。この際、扁平形状としてあるガスノズル7の放出口からシールドガス2が放出されるが、ガスノズル7の断面積は所要のガス流量が得られるように設計されており、しかも、ガスノズル7の上端部にはガス溜め10が形成されているため、チップホルダー5の孔6を通して導入されたシールドガス2を、幅方向に均一に分散させるように整流作用を与えてから放出させることができ、したがって、シールド空間を安定した状態として確保することができる。
【0016】
上記において、ガスノズル7はスリット8の位置を絶縁膜9で被覆してあるため、溶接作業時に、電極チップ5が厚肉部材と直接干渉してスパークを発生させてしまうような事態を起すことはない。
【0017】
次に、図5及び図6は本発明の他の実施の形態を示すもので、上記実施の形態において、ガスノズル7をインナーガスノズルとし、該インナーガスノズル7の幅方向両端部外側に、アウターシールドガス2aを放出するためのアウターガスノズル14を着脱可能に組み付けたものである。すなわち、2本のアウターガスノズル14を、インナーガスノズル7の幅間隔を隔て平行に配置して、その上端部同士を、中心部に組付孔15を有する連結板16にて連結し、且つ上記2本のアウターガスノズル14の上端に、アウターガス供給管17の先端部を分岐させて接続してなる付設ノズル機構18を設けたものである。上記連結板16の組付孔15はインナーガスノズル17の上端取付部7aの外周部に嵌合するようにしてある。
【0018】
図5及び図6に示す付設ノズル機構18を、アウターガスノズル14がインナーガスノズル7の外側に並ぶように組み付けた状態として狭開先溶接に用いると、インナーガスノズル7から放出されるシールドガス2の外側に、アウターガスノズル14からアウターシールドガス2aが二重に放出されるため、ガスシールド効果を更に高めることができ、シールド空間をより安定して形成することができる、という利点がある。
【0019】
なお、上記実施の形態では、絶縁膜9をガスノズル7のスリット8の位置のみに貼り付けるようにした場合を示したが、ガスノズル7の全周に巻き付けるようにしてもよいこと、その他本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0020】
【発明の効果】
以上述べた如く、本発明の狭開先用溶接トーチによれば、次の如き優れた効果を発揮する。
(1) シールドガスを放出するためのガスノズルを、電極ワイヤを通す電極チップの外径と同一の厚みを有する扁平形状に形成すると共に、該扁平形状としたガスノズルの幅方向中央部に縦長のスリットを設けて、該スリット内に、上記電極チップを受容させるように配置した構成としてあるので、狭開先に適用した場合に操作の自由度が得られて奥深い位置をも支障なく狙うことができ、且つ安定したシールド空間を確保することができる。
(2) ガスノズルの上端部に、ガス溜めを形成した構成とすることにより、ガスノズルの放出口より放出させるシールドガスを幅方向に整流することができる。
(3) ガスノズルの外表面の少なくともスリットの位置を絶縁膜で被覆した構成とすることにより、溶接する部材に対する電極チップの干渉による通電を防止することができる。
(4) ガスノズルをインナーガスノズルとし、該インナーガスノズルの幅方向両端部外側に、アウターシールドガスを放出するためのアウターガスノズルを着脱可能に組み付けた構成とすることにより、シールドガスを二重に放出することができ、シールドガス効果を更に高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の狭開先用溶接トーチの実施の一形態を示す概要図である。
【図2】図1のA−A矢視図である。
【図3】図1のB−B矢視図である。
【図4】狭開先溶接作業を行っている状態の概略図である。
【図5】本発明の他の実施の形態を示す概要図である。
【図6】図5のC−C矢視図である。
【図7】従来のMIG溶接トーチの一例を示す概略図である。
【図8】従来のMIG溶接トーチを狭開先に適用した状態の概略図である。
【符号の説明】
2 シールドガス
2a アウターシールドガス
3 電極ワイヤ
4 電極チップ
7 ガスノズル(インナーガスノズル)
8 スリット
9 絶縁膜
10 ガス溜め
14 アウターガスノズル
Claims (4)
- シールドガスを放出するためのガスノズルを、電極ワイヤを通す電極チップの外径と同一の厚みを有する扁平形状に形成すると共に、該扁平形状としたガスノズルの幅方向中央部に縦長のスリットを設けて、該スリット内に、上記電極チップを受容させるように配置した構成を有することを特徴とする狭開先用溶接トーチ。
- ガスノズルの上端部に、ガス溜めを形成した請求項1記載の狭開先用溶接トーチ。
- ガスノズルの外表面の少なくともスリットの位置を絶縁膜で被覆した請求項1又は2記載の狭開先用溶接トーチ。
- ガスノズルをインナーガスノズルとし、該インナーガスノズルの幅方向両端部外側に、アウターシールドガスを放出するためのアウターガスノズルを着脱可能に組み付けた請求項1、2又は3記載の狭開先用溶接トーチ。
Priority Applications (1)
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JP35647796A JP3777692B2 (ja) | 1996-12-26 | 1996-12-26 | 狭開先用溶接トーチ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP35647796A JP3777692B2 (ja) | 1996-12-26 | 1996-12-26 | 狭開先用溶接トーチ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH10180447A JPH10180447A (ja) | 1998-07-07 |
JP3777692B2 true JP3777692B2 (ja) | 2006-05-24 |
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ID=18449216
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP35647796A Expired - Lifetime JP3777692B2 (ja) | 1996-12-26 | 1996-12-26 | 狭開先用溶接トーチ |
Country Status (1)
Country | Link |
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Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN1308111C (zh) * | 2004-10-21 | 2007-04-04 | 武汉大学 | 一种超窄间隙熔化极气体保护自动焊焊矩及其制造方法 |
-
1996
- 1996-12-26 JP JP35647796A patent/JP3777692B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
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JPH10180447A (ja) | 1998-07-07 |
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