JP3777265B2 - 電磁弁 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、弁体と一体のプランジャをコアに吸着及び吸着保持させるためにコイルへ流す電流を制御する電磁弁に関し、特に、プランジャ吸着時に吸引力を高めるとともに、吸着保持するために流す電流を低電流にして不要な電力消費を削減した電磁弁に関する。
【0002】
【従来の技術】
電磁弁に用いられるソレノイドは、駆動電流が直流及び交流に関係なくコイルなどの構造に変化はなく、そのコイルへ通電する際に電源との接続に用いられていた制御回路において変化を有しているのみであった。そのため電磁弁は、従来から交流通電或いは直流通電のための制御回路を組み替えて、各通電方法による弁の開閉駆動が行われていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、交流通電及び直流通電による制御回路が必要であるため、異なる部品点数が多くなることなどによる電磁弁のコストアップとなっていた。
そして、そのような電磁弁にあって、交流通電によって制御するソレノイドの場合、発生する磁界の変動からプランジャとコアとの吸着力に強弱が生じて不安定になる。そのため、特にプランジャとコアとの間にゴミがつまっていたりすると、プランジャがコアから離れてしまってビビリが生じ、それがうなりとなって騒音を発生させていた。一方、このような騒音を抑える静音構造を電磁弁に施すことは困難であった。
また、つまったゴミによって確実にプランジャが固定コアに吸着されずに、電流値が下がらずにコイル焼けを起こしてしまう問題もあった。
また、交流通電の場合にプランジャがコアに吸着されるまでの電流値が吸着保持されたときの10〜20倍に達するが、上記のような磁界の変動に伴うロスが多いため、その電流値がすべて有効に作用する訳ではない。
【0004】
一方、直流通電の場合には、プランジャがコアに吸着されるまで及び吸着保持された際の状態にかかわらず一定であるため、吸着保持の際に不要な電力が消費されていた。
また、直流通電の場合には、プランジャをコイルへ吸着させるための大きな力を得ようとすれば大電流を流す必要がある反面、吸着保持された後も大電流が流されるため、前述したように無駄な電力を消費するのに加え、大電流によってコイルが発熱してしまうためにやけどなどへの注意が必要となるなど取り扱いが不便であった。
更に、交流電源又は直流電源の使い分けによって電磁弁自体をそれぞれに対応した制御回路を備えたものを用意する必要があった。
【0005】
そこで、本発明は、かかる問題を解消すべく、交流電源及び直流電源に共通に使用できるものであり、プランジャ吸着時には吸引力を高めるとともに、不要な電力消費を削減した電磁弁を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の電磁弁は、弁体が弁座に当接した閉弁状態から、コイルへの通電によって弁体と一体のプランジャをコアに吸着させて弁座から弁体を離間させて開弁させる際、そのコイルへの通電を制御する制御回路を備える電磁弁であって、前記制御回路が、交流通電を直流通電に変える全波整流回路部と、全波整流回路部によって直流化された電源電圧から一定値以上の電圧を取り出して平滑化する電源平滑部と、コイルへの通電・通電遮断を操作する比較演算部と、比較演算部の出力によりコイルへの通電・通電遮断を実行する駆動素子部と、プランジャをコアに吸着させるために必要な電流をコイルに流すように通電時間を比較演算部に指示する吸着電流指示部と、プランジャとコアとの吸着保持に必要な最低保持電流の2倍程度の電流をコイルへ流すようにコイルへの通電・通電遮断の時間を比較演算部に指示する吸着保持電流指示部と、コイルを流れる電流によって比較演算部及び吸着保持電流指示部の動作を実行させる駆動電流検出部とを有することを特徴とする。
【0008】
よって、本発明の電磁弁では、全波整流回路部による直流通電によって、コイルに対してプランジャをコアに吸着させるために必要な電流が流れ、コイルに発生する磁界により励磁されたコアにプランジャが吸着する。そして、比較演算部からの出力に基づいて駆動素子部によるコイルへの通電・通電遮断が操作され、プランジャがコアに吸着するのに必要な電流が流されて吸着した後、通電遮断が行われて吸着保持に必要な最低保持電流の2倍程度の電流が流されることによって吸着保持が行われる。その際、最初の吸着に必要な電流をコイルへ流す通電時間が吸着電流指示部によって決定され、吸着後の吸着保持に必要な電流をコイルへ通電・通電遮断する時間が吸着保持電流指示部によって決定される。
そのため、本発明の電磁弁によれば、交流電源及び直流電源に共通に使用でき、プランジャがコアに吸着保持された際に、コイルに流れる電流が低電流になって不要な電力消費が削減される。
【0009】
【0010】
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、本発明にかかる電磁弁の一実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、電磁弁の一例を示す断面図である。電磁弁(以下、単に電磁弁という)1は、弁を駆動させるソレノイド2と、流体の流れる流路を備えた弁部3とから構成されている。ソレノイド2は、円筒形のコイルボビン11にコイル12が巻回され、その周りがヨーク13によって包まれるように画設されている。ソレノイド2は、樹脂ケース14内に構成され、その樹脂ケース14にナット15で固定されたコア16が、コイルボビン11内に挿入されている。コイルボビン11、コイル12及びヨーク13は、樹脂ケース14内にモールド固定されている。
また、コイルボビン11内には下方からプランジャ17が挿入され、上下方向に移動自在に設けられている。そしてソレノイド2には、コイル12への通電を制御するための後述する制御回路を搭載した端子箱18が、樹脂ケース14に固定されている。
【0012】
一方、電磁弁1の弁部3は、ボディ21がソレノイド2と一体に連結固定されている。ボディ21には、側面部の対称位置に入力ポート22と出力ポート23とが開設され、上面に開口する流路24,25に連続されている。そして、流路25の開口部には弁座26がボディ21上面に形成され、プランジャ17下端に保持された弁体27が、その弁座26に当接・離間して弁の開閉を行うよう構成されている。
ところで、この電磁弁1は、プランジャ17がスプリング28によって弁座26側へ付勢されて閉弁されるノーマルクローズ型である。
【0013】
次に図2は、電磁弁1を駆動させる制御回路の動作概念を示す図である。本実施の形態では、電磁弁1を駆動させるソレノイド2に対し、交流電源5を利用して動作させる場合を例に挙げて説明する。なお、以下に記すソレノイド2の構成部品については適宜図1を参照する。
本実施の形態の制御回路は、交流電源及び直流電源に関わらず使用することができるが、特に交流電源を直流化して通電するように構成したものである。そこで、全波整流回路部31を介して交流電源5による交流通電を直流通電に変えてコイル12を通電し、ソレノイド2を動作させる。このときコイル12に流される電流は、プランジャ17をコア16に吸着させるのに必要な電流値である。プランジャ17をコア16に引きつけるための吸引力は磁界の大きさに比例し、磁界はコイル12を流れる電流の大きさに比例するからである。
一方、全波整流回路部31によって直流化された電圧は、電源平滑部33によって一定値以上の電圧が取り出されて比較演算部34にかかる電圧が平滑化されている。
【0014】
そして、ソレノイド2では、コイル12への通電によりプランジャ17がコア16に吸着するが、吸着が完了する所定のタイミングで吸着電流指示部35から比較演算部34へ動作信号が入力される。そして、動作信号の入力により比較演算部34が駆動素子部36を動作させてコイル12の通電遮断が行われる。
ソレノイド2が通電遮断されれば、吸着のために流されていた電流の電流値が、コイル12のインダクタンスに伴って低下するが、電流値がゼロになってしまえばプランジャ17が落下してしまう。そこで、続いて吸着保持電流指示部37から比較演算部34へ動作信号が入力され、吸着保持に必要な低電流がコイル12に流される。この低電流駆動は、吸着保持電流指示部37への動作信号の入力により比較演算部34が駆動素子部36を動作させて、吸着保持に必要なだけの電流値を下回らないようにコイル12の通電・通電遮断が繰り返されて実行される。
このようにソレノイド2の吸着及び吸着保持を実行するためにコイル12の通電及び通電遮断が行われるが、その際、駆動電流検出部38がソレノイド2を電流が流れていることによって、比較演算部34及び吸着保持電流指示部37の動作を実行させている。
【0015】
続いて図3は、電磁弁1の端子箱18内に搭載される制御回路を示す回路図である。
制御回路は、交流成分を直流化させる全波整流回路部31が交流電源5に接続されている。全波整流回路部31は、ダイオード51,52,53,54からなるダイオードブリッジ回路で構成されている。そして、その全波整流回路部31に接続された電源線50とグランド線70との間に、電源平滑部33及びソレノイド2が並列に接続されている。ソレノイド2には、コイル12とフライホイールダイオード55とが並列接続されている。
一方、電源平滑部33は、電源線50とグランド線70との間にダイオード61、抵抗62及びツェナーダイオード63が直列に接続され、更にコンデンサ64がツェナーダイオード63と並列に接続されている。そして、そのような電源平滑部33には、ツェナーダイオード63の高電圧側に接続された定電圧線60に吸着電流指示部35が接続されている。
【0016】
吸着電流指示部35は、先ず抵抗66と、RC回路を構成する抵抗67及びコンデンサ68とが、定電圧線60とグランド線70の間に直列に接続されている。そして、エミッタ端子を定電圧線60に接続したトランジスタ69が、コレクタ端子に抵抗73を接続し、ベース端子を抵抗67に接続して構成されている。また、定電圧線60とグランド線70との間には、抵抗71及び抵抗72が直列に接続され、その抵抗71と並列になるようにトランジスタ回路をなす抵抗73が抵抗72に接続されている。
続いて、制御回路の比較演算部34は、オペアンプ75から構成されたものであり、その非反転入力端子が抵抗71の低電圧側に接続され、反転入力端子がコンデンサ76を介してグランド線70へと接続されている。また、オペアンプ75の出力端子は、駆動素子部36である電界効果トランジスタ32のゲート端子へ接続され、抵抗77を介して正帰還が施されている。電界効果トランジスタ32のゲート端子には、定電圧線60が抵抗78を介して接続されている。
【0017】
一方、ソレノイド2は、そのコイル12が駆動素子部36及び駆動電流検出部38を介してグランド線70に接続されている。駆動素子部36を構成する電界効果トランジスタ32は、そのゲート端子が比較演算部34に接続され、ドレイン端子がコイル12に、そしてソース端子が駆動電流検出部38を構成する抵抗74に接続されている。
また、オペアンプ75の反転入力端子に接続されたコンデンサ76には、抵抗74との間に抵抗81及びダイオード82と、抵抗83との並列回路が接続されている。このコンデンサ76、抵抗81、ダイオード82及び抵抗83とから吸着保持電流指示部37が構成されている。
【0018】
よって、このような構成からなる制御回路は、図2をもって前述した動作に基づいて、電磁弁1の開閉を省電力で操作すべくソレノイド2を駆動させる。
先ず、交流電源5からの交流通電は、全波整流回路部31のダイオード51〜54によって交流から直流に整流されて直流通電となる。従って、全波整流回路部31を介して供給された直流化電源がコイル12へ加わる。このとき、オペアンプ75の非反転入力端子が接続されたb接点と、反転入力端子が接続されたc接点とは電圧差が生じているため、電界効果トランジスタ32のゲート端子には電圧がかけられている。そのため、コイル12には電流が流れ、発生した磁界によってプランジャ17がコア16へ引き上げられて吸着が行われる。なお、コイル12のインダクタンスにより起電力が誘導されるため、フライホイールダイオード55の働きにより、コイル12を流れる脈動電流がゼロになることはない。
コイル12を流れた電流は、駆動電流検出部38を構成する抵抗74を流れ、また抵抗81,83の並列回路を通ってコンデンサ76が充電される。従って、オペアンプ75の反転入力端子が接続されたc接点がd接点と等電圧となる。
【0019】
一方、全波整流回路部31から得た直流成分の電圧は、電源平滑部33で更に平滑化されて定電圧線60に発生する。電源平滑部33では、全波整流回路部31で直流に変換され脈動する電源電圧は、ツェナーダイオード63によって所定値以上の定電圧が得られる。また、コンデンサ64によって脈動電流を充電して負荷側(定電圧線60)へ流すため、なめらかな直流の電圧及び電流が得られる。
そして、吸着電流指示部35では、抵抗67を通ってコンデンサ68に電流が流れ、ベース端子にバイアス電圧がかけられたトランジスタ69が作動し、トランジスタ69のコレクタ及びエミッタ間、そして抵抗73を通って更に抵抗72へと電流が流れる。
一方、定電圧線60とグランド線70との間で、抵抗71及び抵抗72を通って電流が流れ、抵抗71と吸着電流指示部35の抵抗73とで並列回路となっている。そのため、オペアンプ75の非反転入力端子が接続されたb接点の電圧値は、抵抗71と抵抗73とで並列回路による電圧降下によって決定される。そして、この状態で生じるb接点とc接点との電圧差によって、オペアンプ75から電圧が出力され、電界効果トランジスタ32を電流が流れ、これによってコイル12に電流が流れる。
【0020】
ここで図4は、コイル12を流れる電流値の変化を示した図である。吸着電流指示部35では、この吸着電流I1を流す通電時間T1が調節される。吸着電流I1は、プランジャ17をコア16に引き上げて吸着させるのに必要な電流値を示し、通電時間T1は、プランジャ17をコア16に吸着させるまでの時間を示している。そこで、このように交流電源5の通電によってコイル12へは吸着電流I1がT1時間流される。
なお、吸着電流I1は、プランジャ17をコア16側へ引き上げる際の最高使用圧力での直流電流を測定して設定している。プランジャ17をコア16に吸着させるのに必要な吸着力を得るための磁界の強さは、コイル12の巻き数とそこに流れる電流値で決定されるからである。また、通電時間T1は、200〜500msec程度である。
【0021】
この通電時間T1は、抵抗67及びコンデンサ68からなるRC回路の時定数によって設定されている。即ち、コンデンサ68が充電されるとa接点の電圧値が上がってトランジスタ69にバイアス電圧が働かなくなる。そのため、トランジスタ69のエミッタ・コレクタ間を電流が流れなくなり、b接点の電圧値が抵抗71,73の並列回路から抵抗71のみによる回路の電圧降下に切り替えられる。これによって、b接点とc接点との電圧差がなくなり、オペアンプ75の出力が止められ、電界効果トランジスタ32の電流の流れが遮断され、コイル12の通電遮断が実行される。
通電遮断後コイル12に流れる電流値は、コイル12の時定数により放電されて図4に示すような曲線を描て減少していく。しかし、コイル12に電流が流れなくなってしまったのでは、吸着されたプランジャ17がコア16から離れて落ちてしまうので、コイル12には吸着保持に必要なだけの電流を流し続ける必要がある。そこで、本実施の形態の制御回路では、図4のP部に示すような低電流をコイル12へ一定して流すことを行う。ここで、図5は、図4のP部に示す保持電流の電流波形を拡大した図である。
【0022】
駆動電流検出部38をなす抵抗74に電流が流れなくなると、充電されたコンデンサ76から電流が抵抗83及び抵抗74を通って流れることとなる。そのため、オペアンプ75の非反転入力端子(b接点)と反転入力端子(c接点)との電圧差が生じてオペアンプ75の出力端子から電圧が出力され、電界効果トランジスタ32に再び電流が流れてコイル12が通電状態となる。コイル12へ流される電流は、図5に示すように時間T2の間に上昇することとなる。
そして、吸着保持電流指示部37では、電流が抵抗81,83の並列回路を流れてコンデンサ76が充電される。その時間は、図5に示す時間T2である。そこで、コンデンサ76が充電されと、再度オペアンプ75の非反転入力端子(b接点)と反転入力端子(c接点)との電圧差がなくなり、電界効果トランジスタ32を流れる電流が遮断され、コイル12の通電が遮断される。そして、充電されたコンデンサ76から電流が抵抗83を通って放電される。この時の放電時間は、図5に示す時間T3である。
【0023】
このような通電(T2)及び通電遮断(T3)は、コイル12のインダクタンスに応じて設定されている。具体的には、通電が行われる場合には、吸着保持電流指示部37のコンデンサ76と抵抗81及び抵抗83とからなるRC回路の時定数によって設定され、そして通電遮断の場合には、コンデンサ76と抵抗83とからなるRC回路の時定数によって設定されている。なお、通電する時間T2は約1msecであり、通電遮断する時間T3は約5msecである。また、このような通電は、プランジャ17をコア16に吸着保持させるのに必要な最低保持電流の2倍程度である電流I2になるように設定されている。
よって、コイル12は、時間T2及びT3で通電及び通電遮断が繰り返えされ、プランジャ17を吸着保持するための約I2の低電流が一定して流されることとなる。
【0024】
よって、本実施の形態の電磁弁1では、プランジャ17がコア16へ吸着するまでは吸着電流I1を流し、吸着後には吸着保持電流I2の低電流を一定して流すようにしたので、これまで吸着保持時に消費していた不要な電力を削減することができた。具体的には、従来の交流電源による消費電力の3分の1にまで省電力化することができた。
また、吸着保持の場合には低電流とする一方で吸着時の電流を大きくすることができるので、プランジャ17をコア16へ吸着させるための大きな磁界を得ることができ、電磁弁1の開閉の応答性を上げることができた。
なお、直流で大電流を流すとコイル12の発熱量が大きくなるが、吸着保持電流を低電流としたので発熱量は抑えられる。
また、直流通電によってソレノイド2を駆動させるため、従来の交流通電のように吸着力が時間とともに変化することがなく、プランジャ17とコア16との間の振動(うなりの発生)が解消された。
また、電磁弁自体の構造は交流と直流とでかわることがなく、また実施の形態では交流電源5をもって説明したが直流電源にも使用できるので、この電磁弁1は、交流電源及び直流電源に共用が可能である。
また、吸着時に電流I1、吸着保持時に電流I2の定電流駆動としたため、電源電圧が変動しても電磁弁の省電力化駆動が可能となった。
【0025】
なお、本発明は、前述した実施の形態のものに限定されるわけではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
【0026】
次に、上記の実施形態から把握される技術思想をその効果とともに以下に記載する。
(1)その弁座26の口径(オリフィス)が大径化(従来比)されても、その口径に必要な電流、および通電時間を実測した上、吸着時の電流I1を設定することにより、コイル12を交換や大型化することなく、そのプランジャ17の吸着力を増大するので、増大した流体流量を開閉制御できる電磁弁が得られる。
その吸着時の電流I1はコイル12が焼損、または短絡しない範囲で設定できる。しかも、吸着後には吸着保持電流I2の低電流を一定して流すようにしたので、電力消費が少ない。
(2)また、電磁弁が制御する流体の圧力が高圧化されても、その流体の圧力に必要な電流、および通電時間を実測した上、吸着時の電流I1を設定することにより、コイル12の交換や大型化をすることなく、そのプランジャ17の吸着力を増大するので、高い圧力の流体を開閉制御できる電磁弁が得られる。
(3)また、プランジャ17を弁座26に押圧する力を強くするためスプリング28の弾発力を強化しても、その強化されたスプリング28に打ち勝つのに必要な電流、および通電時間を実測した上、吸着時の電流I1を設定することにより、プランジャ17を吸着操作する。したがって、下流側の出力ポート23の流体圧力が変動して入力ポート22側より高くなるような、所謂逆圧の場合が生じても、弁を誤開することのない高信頼性の電磁弁が得られる。
【0027】
【発明の効果】
本発明は、弁体が弁座に当接した閉弁状態から、コイルへの通電によって弁体と一体のプランジャをコアに吸着させて弁座から弁体を離間させて開弁させる際、そのコイルへの通電を制御する制御回路を備える電磁弁であって、前記制御回路は、交流通電を直流通電に変える全波整流回路部と、全波整流回路部によって直流化された電源電圧から一定値以上の電圧を取り出して平滑化する電源平滑部と、コイルへの通電・通電遮断を操作する比較演算部と、比較演算部の出力によりコイルへの通電・通電遮断を実行する駆動素子部と、プランジャをコアに吸着させるために必要な電流をコイルに流すように通電時間を比較演算部に指示する吸着電流指示部と、プランジャとコアとの吸着保持に必要な最低保持電流の2倍程度の電流をコイルへ流すようにコイルへの通電・通電遮断の時間を比較演算部に指示する吸着保持電流指示部と、コイルを流れる電流によって比較演算部及び吸着保持電流指示部の動作を実行させる駆動電流検出部とを有する構成とした。したがって、本発明の電磁弁によれば、コイルへの通電電流を最大限まで増大できるので、電磁弁のコイルを大型化することなく、高圧、または大流量の流量を開閉制御でき、また、圧力変動のある流体でも安定して制御できる。しかも、本発明によれば、交流電源及び直流電源に共通に使用でき、プランジャがコアに吸着保持された際に、コイルに流れる電流が低電流になって不要な電力消費を削減した電磁弁を提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる電磁弁の一例を示す断面図である。
【図2】 電磁弁1を駆動させる制御回路の動作概念を示す図である。
【図3】 電磁弁1の端子箱18内に搭載される制御回路を示す回路図である。
【図4】 コイル12を流れる電流値の変化を示した図である。
【図5】 図4のP部に示す保持電流の電流波形を拡大した図である
【符号の説明】
1 電磁弁
2 ソレノイド
3 弁部
5 交流電源
12 コイル
16 コア
17 プランジャ
18 端子箱
26 弁座
27 弁体
31 全波整流回路部
33 電源平滑部
34 比較演算部
35 吸着電流指示部
36 駆動素子部
37 吸着保持電流指示部
38 駆動電流検出部
Claims (1)
- 弁体が弁座に当接した閉弁状態から、コイルへの通電によって弁体と一体のプランジャをコアに吸着させて弁座から弁体を離間させて開弁させる際、そのコイルへの通電を制御する制御回路を備える電磁弁であって、
前記制御回路は、交流通電を直流通電に変える全波整流回路部と、
全波整流回路部によって直流化された電源電圧から一定値以上の電圧を取り出して平滑化する電源平滑部と、
コイルへの通電・通電遮断を操作する比較演算部と、
比較演算部の出力によりコイルへの通電・通電遮断を実行する駆動素子部と、
プランジャをコアに吸着させるために必要な最低保持電流の2倍程度の電流をコイルに流すように通電時間を比較演算部に指示する吸着電流指示部と、
プランジャとコアとの吸着保持に必要な電流をコイルへ流すようにコイルへの通電・通電遮断の時間を比較演算部に指示する吸着保持電流指示部と、
コイルを流れる電流によって比較演算部及び吸着保持電流指示部の動作を実行させる駆動電流検出部とを有することを特徴とする電磁弁。
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