JP3776642B2 - 色調安定化方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、オフセット印刷機の色調安定化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、オフセット印刷機において、印刷物の色調を安定化させるための装置及び方法が種々開発されている。このような技術としては、例えば、特開平10−16193,特開平3−166947及び特開平8−183167等がある。ここで、このうちの最新の技術である特開平10−16193の装置について説明する。図5は、この装置の構成を示す模式図であり、図5を用いて各構成部の相互関係について簡単に説明すると、次の通りである。
【0003】
本刷りに使用する刷版がプレートスキャナー1によって計測され、これにより得られた刷版の絵柄面積率データが演算装置2に入力される。そして、演算装置2は、通常印刷時には、この絵柄面積率データに基づいてインキ元ローラ8の回転量,インキキー7の開度及びインキ呼び出しローラ9によるインキ呼び出し回数(以下、単に回数ともいう)の各目標値を計算し、この計算結果を制御指令としてインキ元ローラ回転量制御装置4,インキキー開度制御装置5及びインキ呼び出しローラ制御装置6にそれぞれ出力する。また、演算装置2には図示しない入力装置が接続されており、通常印刷を開始する前には、準備段階としてインキローラ群11に最低限のインキ膜厚を形成する(巻く)べく、インキ元ローラ回転量,インキキー開度及びインキ呼び出し回数の設定値が、この入力装置から演算装置2を介して各制御装置4〜6に入力される。
【0004】
なお、演算装置2は、インキ元ローラ回転量,インキキー開度及びインキ呼び出し回数だけでなく、印刷部10の他の運転設定値についても計算し、これを印刷部制御装置3に出力するようになっており、印刷部制御装置3はこの指令(出力値)に従って印刷部10の運転を制御する。なお、印刷部10は、インキキー7,インキ元ローラ8,インキ呼び出しローラ9,インキローラ群11,インキ着けローラ14及び版胴20等から構成される。
【0005】
また、インキ元ローラ回転量制御装置4は、演算装置2からの指令に従ってインキ元ローラ8の回転量を制御し、インキキー開度制御装置5は、演算装置2からの指令に従ってインキキー7の開度(インキキー7とインキ元ローラ8との隙間)を制御し、インキ呼び出しローラ制御装置6は、演算装置2からの指令に従ってインキ呼び出しローラ9によるインキ呼び出し回数を制御する。
【0006】
この装置による制御を、図6を用いて説明すると、先ず、印刷を開始する前の準備段階として、インキローラ群11に印刷中に必要とされる最低限のインキ膜厚を巻くため、図示しない入力装置から演算装置2に各設定値が入力される。つまり、インキ元ローラ8の回転量が演算装置2に入力され(ステップA1)、インキキー開度が演算装置2に入力され(ステップA2)、そして、インキ呼び出し回数が演算装置2に入力される(ステップA3)。なお、このようなインキローラ群11に最低限のインキ膜厚を巻くためのインキ元ローラ8の回転量,インキキー開度及びインキ呼び出し回数の各設定値は、予め実験を行なう等して得られるものである。
【0007】
次に、上述の入力値に基づき演算装置2から各制御装置3〜6に指令が出力されると、印刷部制御装置3により制御されて印刷部10は空転を開始し、その後、インキ元ローラ回転量制御装置4によりインキ元ローラ8の回転量が、インキキー開度制御装置5によりインキキー7の開度がそれぞれ制御される(ステップA4)。
【0008】
そして、インキ呼び出しローラ9は、インキ呼び出しローラ制御装置6に制御されてステップA3で入力された回数(インキ呼び出し回数)だけインキ呼び出しを実行し(ステップA5)、インキローラ群11に印刷中に必要とされる最低限のインキ量が供給される。
【0009】
次に、プレートスキャナー1で読み込んだ刷版の絵柄面積率データが演算装置2に入力され、演算装置2ではこの絵柄面積率データに基づいて、即ち、刷版の絵柄に応じて、インキ元ローラ回転量及びインキキー開度が演算され、この演算結果が制御指令値としてインキ元ローラ回転量制御装置4及びインキキー開度制御装置5に出力される。そして、この制御指令値に基づいて、インキ元ローラ8の回転量がインキ元ローラ回転量制御装置4により制御され、インキキー7の開度がインキキー開度制御装置5により制御されて、それぞれ本刷り時の設定値にセットされる(ステップA6)。
【0010】
次に、インキローラ群11に刷版の絵柄に応じたインキ膜厚を巻くためのインキ呼び出し回数が、図示しない入力装置から演算装置2を介してローラ制御装置6に入力される(ステップA7)。なお、絵柄に応じたインキ膜厚を巻くためのインキ呼び出し回数の設定値は、予め実験等を行なって求められるものである。
そして、演算装置2からの制御指令値に基づきインキ呼び出しローラ9がインキ呼び出しローラ制御装置6により制御されて所定の回数だけインキ呼び出しが実行され、これにより、インキが、インキ呼び出しローラ9,インキローラ群11及びインキ着けローラ14に供給される(ステップA8)。そして、色調安定化装置が停止されて各制御装置3〜6による色調安定化のため調整制御が終了し(ステップA9)、用紙を印刷部10にセットして試し刷りが行われる(ステップA10)。そして、その後、印刷された色が色見本に合っているか確認が行なわれる。
【0011】
このように、この装置では、試し刷りを行なう前に、インキローラ群11に印刷中に必要とされる最低限のインキ量を供給するとともに、プレートスキャナー1で刷版の絵柄面積率データを読み込み、この絵柄面積率データに基づいて各設定を行なうことにより、印刷の色調の早期安定化を図っている。
なお、印刷部10には、図示しない湿し装置がそなえられており、この湿し装置から版胴20に湿し水が供給され、この湿し水により油性のインキが弾かれて版胴20の絵柄のない部分にはインキを付着させないようにしている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の色調安定化装置では、版胴20やインキローラ11等のインキプロファイル(軸方向のインキ膜厚分布)及び湿し水プロファイル(軸方向の湿し水の膜厚分布)を直接的に把握できないため、実際に試し刷りを行なってみるまでは印刷結果が予測できず、例えば、以下のような場合、印刷に濃度ムラが生じて印刷された色と色見本とが一致しなくなってしまうという課題がある。
【0013】
つまり、インキキー7の0点異常、インキキー7の制御指令値に対する開度不良、インキローラ群11の棒圧不良等が生じると、インキローラ群11上のインキプロファイルひいては版胴20のインキプロファイルが不均一となり、印刷幅方向(インキローラ群11を構成する各ローラの軸方向)に濃度ムラが生じてしまう。また、湿し装置が調整不良だと、版胴20上の湿し水プロファイルが不均一となり、印刷幅方向にインキ転移不良を起こし、やはり濃度ムラが生じてしまうのである。
【0014】
本発明は、このような課題に鑑み創案されたもので、インキプロファイル及び湿し水プロファイルを監視しながらインキプロファイル及び湿し水プロファイルの調整を精度良く行なって濃度ムラが生じてしまうことを防止できるようにして、印刷の色調を早期に安定させることができるようにした、色調安定化方法を提供することを目的とする。
【0018】
請求項1記載の色調安定化方法は、版胴にインキを供給するインキ供給ローラ及び該版胴に湿し水を供給する湿し水供給ローラに対して離接可能なブリッジローラと、該インキ供給ローラに接触しインキを供給するインキローラ上のインキプロファイル及び湿し水プロファイルを検出するインキ・水量計と、をそなえた印刷機の色調安定化方法であって、該ブリッジローラを該インキ供給ローラ及び該湿し水供給ローラの両方から離隔させて、該インキ・水量計を用いて、該インキ供給ローラにインキを供給するインキローラのインキプロファイルを検出する第1のステップと、該第1のステップにより検出された該インキプロファイルが所望のプロファイルとなるように、該インキローラへの該インキの供給を調整する第2のステップと、該第2のステップの後、該ブリッジローラを該インキ供給ローラ及び該湿し水供給ローラの両方に当接させて、湿し水供給ローラから該インキ供給ローラを介して該インキローラに該湿し水を供給する第3のステップと、該第3のステップの後、該インキ・水量計を用いて、該インキローラの湿し水プロファイルを検出する第4のステップと、該第4のステップにより検出された該湿し水プロファイルが所望のプロファイルとなるように、該湿し水供給ローラへの該湿し水の供給を調整する第5のステップとからなることを特徴としている。
請求項2記載の色調安定化方法は、請求項1記載の方法において、該第5のステップの後、該ブリッジローラを該インキ供給ローラ及び該湿し水供給ローラから離隔して該インキローラへの湿し水の供給を停止することを特徴としている。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1〜図4は本発明の一実施形態のプロファイル検出装置及び色調安定化装置並びに色調安定化方法について示す図であり、図1はその構成を印刷装置のローラ群とともに示す機能ブロック図、図2はその制御の流れを示すフローチャート、図3はインキローラのインキプロファイルの調整方法を説明するための図であって、(A)はインキローラのインキプロファイルの一例を示す模式図、(B)はインキ元ローラ及びインキキーの構成を示す模式図(図1のX1矢視図)、図4はインキローラの湿し水プロファイルの調整方法を説明するための模式図であって、(A)はインキローラの湿し水プロファイルの一例を示す模式図、(B)は水着けローラ,水渡しローラ及び水元ローラの構成を示す模式図(図1のX2矢視図)である。
【0020】
本実施形態にかかる印刷装置は、図1に示すような印刷部10をそなえており、印刷部10は、インキキー7と、インキキー7との隙間から供給されたインキを送り出すインキ元ローラ8と、インキ元ローラ8から送り出されたインキを後段の複数のインキローラ11に供給する(呼び出す)インキ呼び出しローラ9と、インキ呼び出しローラ9とインキ着けローラ14との間に介装されインキ呼び出しローラ9からのインキをインキ着けローラ14に供給する複数のインキローラ11と、版胴20と当接してインキローラ11からのインキを版胴20に供給する複数のインキ着けローラ(インキ供給ローラ)14と、版胴20と、版胴20に湿し水を供給するための湿し装置とをそなえて構成される。湿し装置は、水元ローラ19,水渡しローラ18,水着けローラ(湿し水供給ローラ)13から構成される。なお、湿し水は、版胴20において絵柄のない部分に油性のインキが付着しないように、油性のインキを弾くべく版胴20に供給されるものである。
【0021】
インキキー7は、図3に示すようにインキ元ローラ8の幅方向(軸方向)に沿って複数配設されるとともに、各インキキー7は、インキキー7とインキ元ローラ8との隙間(インキキー開度)を調整できるようになっている。これにより、インキキー開度及びインキ元ローラ8の回転数を制御することにより後段のインキ呼び出しローラ9に供給するインキ量を調整でき、また、各インキキー7の開度を個別に制御することにより、インキ呼び出しローラ9,インキローラ11,インキ着けローラ14、ひいては版胴20のインキプロファイルを調整できるようになっている。
【0022】
また、インキ呼び出しローラ9は、その回数(呼び出し回数)に応じて所定回数(呼び出し回数)だけ、インキキー7及びインキ元ローラ8から供給されたインキをインキローラ11に供給するようになっている。また、複数のインキローラ11は隣り合うインキローラ11が互いに当接するようにインキ呼び出しローラ9とインキ着けローラ14との間に配設されており、インキ呼び出しローラ9に供給されたインキは、インキローラ11を介して、インキ着けローラ14ひいては版胴20に供給されるようになっている。なお、インキローラ11を複数段設けているのは、複数のインキローラ11を通過していく過程でインキを徐々に所定の膜厚まで薄くして版胴20に供給するためである。
【0023】
また、水元ローラ19は図示しないが水(湿し水)に浸されるように配設され、水元ローラ19から送り出された湿し水が、水渡しローラ18を介して、版胴20と当接する水着けローラ13に供給され、湿し水は、水着けローラ13により薄膜状にされて版胴20に供給されるようになっている。なお、水元ローラ19は、回転量により版胴20に供給する湿し水量を制御し、軸方向に対する棒圧(対向する水渡しローラ18に押圧される圧力)の分布を調整することにより版胴20の水量プロファイル(軸方向に対する水膜の厚み分布)を制御するようになっている。
【0024】
そして、このような印刷部10の制御部として、刷版から絵柄面積率データを読みとるプレートスキャナー1と、プレートスキャナー1により検出された絵柄面積率データに基づき印刷部10の運転設定値(インキ元ローラ8の回転量や、インキキー開度や、インキ呼び出し回数等の各運転目標値、運転目標として設定した値であるから、以下、目標設定値ともいう)を演算する演算装置2と、印刷部制御装置3と、インキ元ローラ回転量制御装置4と、インキキー開度制御装置5と、インキ呼び出しローラ制御装置6とがそなえられている。
【0025】
インキ元ローラ回転量制御装置4は、インキ元ローラ8の回転量が、演算装置2により演算された所定回転量になるようにインキ元ローラ8の作動を制御し、インキキー開度制御装置5は、インキキー開度が、演算装置2により演算され設定された設定開度となるようにインキキー7の作動を制御し、インキ呼び出しローラ制御装置6は、インキの呼び出しが、演算装置2により演算された所定回数(インキ呼び出し回数)だけ行なわれるようにインキ呼び出しローラ9の回転数を制御するようになっている。また、印刷部制御装置3は、演算装置2により演算されたこの他の運転設定値に基づき印刷部10の運転を制御するとともに、後述するブリッジローラ12の作動を制御するようになっている。
【0026】
なお、演算装置2には、図示しない入力装置が接続されており、この入力装置からインキ元ローラ8の回転量や、インキキー7の開度や、インキ呼び出し回数等の目標設定値を入力できるようになっている。そして、試し刷りを行なう前には、印刷中に必要とされる最低限のインキ膜厚をインキローラ11に巻くためのインキ元ローラ回転量,インキキー開度及びインキ呼び出し回数の目標設定値が、この入力装置より入力されるようになっている。このように予め最低限のインキ膜厚をインキローラ11に巻いておくことにより、絵柄面積率データに基づいてその後行なわれる印刷において色調を早期に安定化できるようにしているのである。なお、最低限のインキ膜厚を形成するためのインキ元ローラ回転量,インキキー開度及びインキ呼び出し回数の各目標設定値は、それぞれ実験等により求められるものである。
【0027】
さて、従来技術の課題として先述したように、版胴20のインキプロファイルと水量プロファイルとが不均一になると、印刷幅方向(版胴20の軸方向)に濃度ムラが生じてしまう。そこで、この印刷装置にはインキプロファイル及び水量プロファイルを検出すべくプロファイル検出装置がそなえられている。このプロファイル検出装置は、図1に示すようにブリッジローラ12と、インキ・水量計15と、プロファイル表示装置(以下、単に表示装置ともいう)16とをそなえて構成されている。
【0028】
以下、ブリッジローラ12,インキ・水量計15及び表示装置16について説明する。
先ず、ブリッジローラ12について説明すると、ブリッジローラ12は、水着けローラ13及びインキ着けローラ14に対して離接可能に設けられており、印刷を行なうときには、ブリッジローラ12をローラ13,14から離隔させ、印刷前の調整運転時には、ブリッジローラ12をローラ13,14の両方に当接させて、湿し水を、水着けローラ13からインキ着けローラ14ひいてはインキローラ11に供給するようになっている。
【0029】
次にインキ・水量計15について説明すると、インキ・水量計15は、例えば赤外線を使用してインキに含まれるCH基及び水(湿し水)に含まれるOH基による赤外線の吸収を計測することによりインキ量(インキ膜厚)及び水の量(湿し水の膜厚)を測定するものであり、ここでは、所定のインキローラ11Aの幅方向(インキローラ11Aの軸方向)に沿って複数設けられている。
【0030】
これにより、所定のインキローラ11Aにおいて、幅方向に対するインキ膜厚分布、即ちインキプロファイルと、幅方向に対する湿し水の膜厚分布、即ち湿し水プロファイルを計測できるようになっている。
なお、インキ・水量計15は、複数のインキローラ11の中の1つのインキローラ11Aに向けて配設されているが、インキ・水量計15を配設するインキローラ11は版胴20に近いものや水着けローラ13に近いものが望ましい。もちろん、周囲にインキ・水量計15を配設するのに十分なスペースをそなえていることが必要である。
【0031】
また、ここでは複数のインキ・水量計15をインキローラ11の幅方向に沿って設けているが、一つのインキ・水量計15を幅方向に沿って移動させる(スキャンする)ように構成してもよい。
【0032】
次に表示装置16について説明すると、表示装置16は、インキ・水量計15によって計測されたインキローラ11(ここではインキローラ11A)のインキプロファイル及び湿し水プロファイルを例えば図3(A)及び図4(A)に示すように表示するもので、印刷部10又は演算装置2の周辺に配置され、オペレータは、表示装置16に表示されたインキプロファイル及び湿し水プロファイルを見ながら、印刷部10の運転状況を観察したり、各種設定値を演算装置2に入力できるようになっている。
【0033】
なお、実際に印刷を行なう際には、湿し水は、水着けローラ13から版胴20に供給される。したがって、本来ならばインキローラ11でなく水着けローラ13の湿し水プロファイルを測定するほうが好ましいが、本装置では、構成を簡素化すべく、インキローラ11における湿し水プロファイルを測定するようにしている。このため、版胴20に供給される湿し水プロファイル自体を精度良く表示しようとする場合、インキローラ11と水着けローラ13とにおいて予想される湿し水プロファイルの差を補正した上で、版胴20の湿し水プロファイルとして表示装置16に表示させるようにしても良い。
【0034】
このようなプロファイル検出装置を設けることにより、試し刷り前の調整運転時には、ブリッジローラ12を水着けローラ13及びインキ着けローラ14に当接させて湿し水を各インキローラ11に供給し、これらのインキローラ11のうち所定のインキローラ11Aのインキプロファイル及び湿し水プロファイルを検出して表示装置16に表示させ、これを版胴20のインキプロファイル及び湿し水プロファイルと見立てて、これらのプロファイルが所望のプロファイルとなるように印刷部10の調整を行なえるようになっている。また、ブリッジローラ12を水着けローラ13及びインキ着けローラ14に当接させて湿し水をインキローラ11に供給することにより、インキ・水量計15で所定のインキローラ11Aを測定することで、インキプロファイルだけでなく湿し水プロファイルをも測定することができるようになっている。
【0035】
本発明の一実施形態としての印刷装置及びプロファイル検出装置は上述のように構成されており、例えば図2に示すような手順(本実施形態にかかる色調安定化方法)で色調の安定化が行なわれる。なお、従来技術の説明として前述した図6に示す制御フローと同一のステップについては同じ符号を付し詳細な説明を省略する。
【0036】
先ず、印刷を開始する前の準備段階として、最低限のインキ膜厚をインキローラ11に巻くために、インキ元ローラ8の回転量,インキキー7の開度及びインキ呼び出し回数が、図示しない入力装置から演算装置2に入力される(ステップA1〜A3)。その後、印刷部10の空転が開始されると、かかる入力に基づき、インキ元ローラ8の回転量及びインキキー7の開度が設定され(ステップA4)、所定回数だけインキの呼び出しが行なわれて(ステップA5)、これによりインキローラ11に印刷中に必要とされる最低限のインキ膜厚が形成される。
【0037】
その後、インキプロファイルが安定するのに十分な時間が経過した後、プロファイル検出装置(インキ・水量計15)により、所定のインキローラ11Aのインキプロファイルが検出され、表示装置16に表示される(ステップB1,第1のステップ)。
そして、このインキプロファイルが、例えば図3(A)に示すように目標とする所望のプロファイル〔ターゲット(Target)インキプロファイル,ここでは均等なプロファイル〕になっていない場合は、オペレータは、表示装置16に表示されるインキプロファイルを確認しながら、このインキプロファイルがターゲットインキプロファイルに略一致するように暫定的にインキキー7の開度制御を行なう(ステップB2,第2のステップ)。この場合は、図3(A)中で左側のインキプロファイルが、ターゲットインキプロファイルよりも低くなっている(インキ膜厚が薄くなっている)ので、インキ供給量を増加させるべく図3(B)中で左側のインキキー7の開度を広げる。このようにオペレータは表示装置16に表示されたインキプロファイルを確認しながらインキの供給を行なえるので、精度良くインキプロファイルの調整を行なうことが可能となる。
【0038】
そして、インキプロファイルの調整が完了したら、ブリッジローラ12をローラ13,14の両方に当接させて(ブリッジローラをオンさせて)、湿し水をローラ13,14を介してインキローラ11に供給し(ステップB3,第3のステップ)、その後、湿し水プロファイルが安定するのに十分な時間が経過した後、プロファイル検出装置(インキ・水量計15)により、所定のインキローラ11Aの湿し水プロファイルが検出され、表示装置16に表示される(ステップB4,第4のステップ)。
【0039】
そして、この湿し水が、例えば図4(A)に示すように所望のプロファイル(ここでは均等なプロファイル)になっていない場合、オペレータは、表示装置16に表示される湿し水プロファイルを確認しながら、この湿し水プロファイルが均等となるように、湿し水の供給を行なう水元ローラ19の棒圧の調整を行なう(ステップB5,第5のステップ)。この場合は、インキローラ11Aの図4(A)中で右側の湿し水プロファイルが他に比べ低くなっている(水膜厚が薄くなっている)ので、水元ローラ19の図4(B)中で左側の軸端を上げるようにしてポイント19a,19bの棒圧を上げて、水渡しローラ18,水元ローラ19間においてポイント19a,19bから供給される湿し水量を減少させ、これにより、インキローラ11Aの図4(A)中で左側の湿し水プロファイルを下げてやれば良い。或いは、水元ローラ19の図4(B)中で右側の軸端を下げるようにして、図4(B)に示すポイント19cの棒圧を下げて、ポイント19cから供給される湿し水量を増加させて、湿し水プロファイルを上げてやれば良い。このようにオペレータは表示装置16に表示された湿し水プロファイルを確認しながら、水元ローラ19の棒圧調整(湿し水の供給量調整)を精度良く行なうことができる。
【0040】
そして、湿し水プロファイルの調整が終了後、ブリッジローラ12をローラ13,14から離隔させて(ブリッジローラ12をオフさせて)、インキローラ11への湿し水の供給を停止するとともにインキローラ11から不要な湿し水を蒸発させる(ステップB6)。
そして、以降、従来と同様に試し刷りが行なわれる。つまり、プレートスキャナー1により読み取られた刷版の絵柄面積率データに基づいて、インキ元ローラ回転量制御装置4によりインキ元ローラ回転量が、インキキー開度制御装置5によりインキキー7の開度が、それぞれ本刷り時の設定値に予めセットされ(ステップA6)、インキローラ群11に刷版の絵柄に応じたインキ膜厚を巻くためのインキ呼び出し回数がローラ制御装置6に入力され(ステップA7)、所定の回数だけインキ呼び出しが実行され(ステップA8)、プロファイル検出装置が停止され(ステップA9)、そして、用紙を印刷部10にセットして試し刷りが行なわれ(ステップA10)、その後、印刷された色が色見本に合っているか確認が行なわれる。
【0041】
したがって、本プロファイル検出装置によれば、版胴20のインキプロファイル及び湿し水プロファイルと同様の傾向を有するインキローラ11のインキプロファイル及び湿し水プロファイルを検出することができるので、インキキー7の0点異常や、インキキー7の指令データに対する開度不良や、インキローラ11の棒圧不良や、湿し装置の調整不良等があったとしても、表示装置16に表示されたインキプロファイル及び湿し水プロファイルを監視しながらインキキー7の開度及び水元ローラ19の棒圧を調整して、インキプロファイル及び湿し水プロファイルを所望のプロファイルとすることができる。したがって、印刷を実行する前にこれらプロファイルを予め調整することにより、幅方向(版胴20の軸方向)に濃度ムラが生じてしまうことを防止して色調を早期に安定させることができるという利点がある。
【0042】
なお、上述のプロファイル検出装置に図1中に2点差線で示すような調整装置17を追加して、インキプロファイル及び湿し水プロファイルの調整を自動で行なう色調安定化装置として構成しても良い。つまり、上述の実施形態では、プロファイル検出装置によりインキプロファイル及び湿し水プロファイルを検出し、オペレータが、これらのプロファイルが所望のプロファイルになるようにインキローラ11へのインキ供給量や水元ローラ19の棒圧等を手動操作により調整するようにしているが、かかる調整を、調整装置17により自動で行なうように構成しても良い。
【0043】
この場合、図示しないが、水元ローラ19の棒圧を自動調整しうる棒圧制御装置を設けた上で、インキ・水量計15により検出されたインキプロファイル及び湿し水プロファイルが調整装置17に出力されるように構成される。そして、調整装置17では、インキプロファイルが所望のプロファイルとなるようにインキキー開度制御装置5に制御指令を出力し、湿し水プロファイルが所望のプロファイルとなるように棒圧制御装置に制御指令を出力する。これにより、インキキー開度制御装置5によりインキキー7の開度が所定開度に制御され、また、棒圧制御装置により水元ローラ19の各ポイント19a,19b,19cの棒圧が所定圧力に制御されて、インキプロファイル及び湿し水プロファイルが自動で調整されるようになっている。
【0045】
なお、インキプロファイル及び湿し水プロファイルの調整方法は上述の実施形態のものに限定されない。例えば、上述の実施形態では、インキプロファイルの調整をインキキー7の開度制御により行なうようにしているが、インキキー7の0(ゼロ)点,インキキー7のゲイン及びインキローラ11Aの棒圧等の調整によりインキプロファイルの調整を行なってもよい。また、上述の実施形態では、湿し水プロファイルの調整を水元ローラ19の棒圧調整により行なっているが、水元ローラ19の前段に軸方向に沿って複数のキーを設け、このキーを個別制御することにより水元ローラ19への湿し水の供給量を制御して湿し水プロファイルを調整するように構成しても良い。
【0047】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1,2記載の本発明の色調安定化方法では、インキローラのインキプロファイルが所望のプロファイルとなるようにインキの供給量が調整されるとともに、インキローラの湿し水プロファイルが所望のプロファイルとなるように湿し水の供給量が調整される。したがって、インキプロファイル及び湿し水プロファイルが所望のプロファイルとなるように印刷実行前に予め調整できるので、濃度ムラが生じてしまうことを防止できるようにして、印刷の色調を早期に安定させることができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としてのプロファイル検出装置及び色調安定化装置の構成を印刷装置のローラ群とともに示す機能ブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態としての色調安定化方法の流れを示すフローチャートである。
【図3】本発明の一実施形態にかかるインキローラのインキプロファイルの調整方法を説明するための図であって、(A)はインキローラのインキプロファイルの一例を示す模式図、(B)はインキ元ローラ及びインキキーの構成を示す模式図(図1のX1矢視図)である。
【図4】本発明の一実施形態にかかるインキローラの湿し水プロファイルの調整方法を説明するための模式図であって、(A)はインキローラの湿し水プロファイルの一例を示す模式図、(B)は水着けローラ,水渡しローラ及び水元ローラの構成を示す模式図(図1のX2矢視図)である。
【図5】従来の色調安定化装置の構成を印刷装置のローラ群とともに示す機能ブロック図である。
【図6】従来の色調安定化方法の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 プレートスキャナー
2 演算装置
3 印刷部制御装置
4 インキ元ローラ回転量制御装置
5 インキキー開度制御装置
6 インキ呼び出しローラ制御装置
7 インキキー
8 インキ元ローラ
9 インキ呼び出しローラ
10 印刷部
11 インキローラ
12 ブリッジローラ
13 水着けローラ(湿し水供給ローラ)
14 インキ着けローラ(インキ供給ローラ)
15 インキ・水量計
16 プロファイル表示装置
17 調整装置
18 水渡しローラ
19 水元ローラ
19a,19b,19c 水元ローラのポイント
20 版胴
Claims (2)
- 版胴にインキを供給するインキ供給ローラ及び該版胴に湿し水を供給する湿し水供給ローラに対して離接可能なブリッジローラと、該インキ供給ローラに接触しインキを供給するインキローラ上のインキプロファイル及び湿し水プロファイルを検出するインキ・水量計と、をそなえた印刷機の色調安定化方法であって、
該ブリッジローラを該インキ供給ローラ及び該湿し水供給ローラの両方から離隔させて、該インキ・水量計を用いて、該インキ供給ローラにインキを供給するインキローラのインキプロファイルを検出する第1のステップと、
該第1のステップにより検出された該インキプロファイルが所望のプロファイルとなるように、該インキローラへの該インキの供給を調整する第2のステップと、
該第2のステップの後、該ブリッジローラを該インキ供給ローラ及び該湿し水供給ローラの両方に当接させて、該湿し水供給ローラから該インキ供給ローラを介して該インキローラに該湿し水を供給する第3のステップと、
該第3のステップの後、該インキ・水量計を用いて、該インキローラの湿し水プロファイルを検出する第4のステップと、
該第4のステップにより検出された該湿し水プロファイルが所望のプロファイルとなるように、該湿し水供給ローラへの該湿し水の供給を調整する第5のステップとからなる
ことを特徴とする、色調安定化方法。 - 該第5のステップの後、該ブリッジローラを該インキ供給ローラ及び該湿し水供給ローラから離隔して該インキローラへの湿し水の供給を停止する
ことを特徴とする、請求項1記載の色調安定化方法。
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