JP3776377B2 - 検体検査装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、検体検査装置に関し、特に血液検体中の乳び等の被検物質を光学的に分析する機能を有するものに関する。
【0002】
【従来の技術】
血液中の血清を分析する検査は、被検者の健康状態やアレルギー体質などを検査する検体検査の分野で最も頻繁に使用される手法である。この血清の分析では、採血された血液から遠心分離により血清が分離され、その血清が分析項目ごとに分注され子検体が作成される。そして、子検体が分析装置で分析される。このとき、血清中にいわゆる妨害物質と呼ばれる溶血ヘモグロビン、ビリルビン、乳びが存在すると、検査結果に誤差を生じることが知られている。そのため、検体を分析装置にかける前段階で、これら妨害物質の有無、濃度などを調べ、分析結果に反映する必要がある。
【0003】
従来、この分析前の処理は、検査者が目視により行っていたが、処理速度に限界があり、例えば集団検診等の大量の検体を迅速に処理することは難しい。また目視検査は、検査者の違いや、同一検査者でも体調や環境などの影響を受け得ることなどにより、判定レベルの客観性、定量性を確保することが難しい。
【0004】
このような問題から特開平7−280814号公報には、分析前処理での判定を目視ではなく自動的に行う検体検査システムが提案されている。それに開示される技術は、遠心分離された元血清が入っている採血管の側面から光学測定を行うものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、元血清が入れられる真空採血管や、それを分注し小分けした子検体容器には、検体を識別するためのバーコード等を記載したラベルが病院や検査センタで作成され貼り付けられるため、側面からの光学測定は困難な場合が多いという問題がある。前記先行技術においても、この点を考慮して、わざわざバーコードラベルの貼られていない別容器に血清を移し替えて側面から測定する方法が開示されている。このような方法では、移し替えの余計な分注動作が必要であり、また別容器が必要であるという点で、処理速度が遅くなる、また検査コストが増大するという問題が生じる。
【0006】
また、子検体の量は少量である場合も多く、子検体容器内での子検体の高さが微小であり、側面からの光学的な透過率測定が困難である場合がある。
【0007】
さらに、検体容器を搬送するラックには、検体容器を2次元アレイ状に複数本、立てて保持するものがあり、その場合には、側方からの検査光の光路上に複数の検体容器が存在して、個々の検体容器に対する測定を行うことが不可能となる場合がある。
【0008】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、検体を迅速かつ精度良く分析すること、特に多数の検体また微量の検体に対しても迅速かつ精度良く分析することができる血液検査装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
このような目的は、下記(1)〜(21)の本発明により達成される。
【0010】
(1) 柱状の検体容器内に収容された検体に上下方向に検査光を入射する光照射部と、
前記検体からの透過光を検知する透過光検知部と、
前記検体の分注量を入力する分注量入力部と、
前記検体容器の形状と、前記分注量入力部から入力された前記分注量に関する情報とに基づいて、前記検体を透過する透過光の光路長を求める光路長決定手段と、
前記光路長決定手段により求められた光路長に基づいて、前記検体を分析する分析部とを有することを特徴とする検体検査装置。
【0011】
(2) 前記光路長決定手段は、前記検体容器の形状に対応した光路長テーブルから前記光路長を求めるよう構成されている上記(1)に記載の検体検査装置。
【0012】
(3) 前記分析部は、前記光路長に基づいて前記検体に含まれる被検物質の濃度を求める上記(1)または(2)に記載の検体検査装置。
【0013】
(4) 前記分析部は、前記光路長に基づいて前記被検物質による吸光度を求める吸光度決定手段と、前記吸光度に基づいて前記濃度を求める濃度決定手段とを有する上記(3)に記載の検体検査装置。
【0014】
(5) 前記濃度決定手段は、前記吸光度と前記濃度との関係を表す換算テーブルを有する上記(4)に記載の検体検査装置。
【0015】
(6) 前記光路長に基づいて、被検物質の濃度を換算または補正する上記(3)ないし(5)のいずれかに記載の検体検査装置。
【0016】
(7) 基準光路長に対する濃度データを持ち、前記光路長決定手段により求められた光路長に基づいて前記濃度データを換算または補正して実際の被検物質の濃度を決定する上記(6)に記載の検体検査装置。
【0017】
(8) 前記光照射部および前記透過光検知部は、1列または複数行複数列状に複数組配設されている上記(1)ないし(7)のいずれかに記載の検体検査装置。
【0018】
(9) 前記光照射部および前記透過光検知部は、測定波長が互いに同じであるものが複数組並設されている上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の検体検査装置。
【0019】
(10) 前記複数組の前記光照射部および前記透過光検知部と、複数行複数列状に複数個並べられた前記検体容器とを、前記光照射部および前記透過光検知部の配列方向と直交する方向に相対的に移動させながら、各列の前記検体容器内の検体に対し測定を順次行う上記(9)に記載の検体検査装置。
【0020】
(11) 前記移動は、その移動方向についての前記検体容器の配列ピッチずつ相対移動する上記(10)に記載の検体検査装置。
【0021】
(12) 前記光照射部および前記透過光検知部は、測定波長が互いに異なるものが複数組並設されている上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の検体検査装置。
【0022】
(13) 前記複数組の前記光照射部および前記透過光検知部と、前記検体容器とを、前記光照射部および前記透過光検知部の配列方向に相対的に移動させながら、前記検体容器内の検体に対し各組の前記光照射部および前記透過光検知部による測定を順次行う上記(12)に記載の検体検査装置。
【0023】
(14) 前記移動方向に沿って複数個並べられた前記検体容器内の検体に対し、各組の前記光照射部および前記透過光検知部により平行して測定を行う上記(13)に記載の検体検査装置。
【0024】
(15) 前記移動は、前記検体容器の配列ピッチずつ相対移動する上記(13)または(14)に記載の検体検査装置。
【0025】
(16) 前記光照射部および前記透過光検知部は、複数行複数列状に複数組配設され、一の方向に並ぶ複数組の前記光照射部および前記透過光検知部は、測定波長が互いに同じものであり、前記一の方向と直交する他の方向に並ぶ複数組の前記光照射部および前記透過光検知部は、測定波長が互いに異なるものである上記(1)ないし(8)のいずれかに記載の検体検査装置。
【0026】
(17) 前記複数行複数列状に並んだ複数組の前記光照射部および前記透過光検知部と、複数行複数列状に複数個並べられた前記検体容器とを、前記他の方向に相対的に移動させながら測定を行うことにより、前記各検体容器内の検体に対し、測定波長が互いに異なる各組の前記光照射部および前記透過光検知部による測定を順次行う上記(16)に記載の検体検査装置。
【0027】
(18) 前記移動は、その移動方向についての前記検体容器の配列ピッチずつ相対移動する上記(17)に記載の検体検査装置。
【0028】
(19) 前記光照射部および前記透過光検知部により前記検体に対し複数の測定波長での測定を行い、各測定波長の測定結果に基づいて、前記検体に含まれる複数の被検物質を分析する上記(1)ないし(18)のいずれかに記載の検体検査装置。
【0029】
(20) 前記複数の被検物質は、溶血ヘモグロビン、乳び、またはビリルビンを含む上記(19)に記載の検体検査装置。
【0030】
(21) 前記検体容器は、搬送用ラックに複数個並列配置され、
前記搬送用ラックは、前記検体容器の配置位置の上下方向に光を通過可能に構成され、
前記光照射部および前記透過光検知部は、前記検体容器および前記搬送用ラックを挟んで対向配置される上記(1)ないし(20)のいずれかに記載の検体検査装置。
【0031】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施形態である検体検査装置(血液検査装置)について図面を参照して説明する。本装置は、試験管形状の子検体容器(検体容器)6に分注された血清の子検体を検査対象とし、血清に含まれ得る妨害物質である溶血ヘモグロビン、ビリルビンおよび乳びの濃度を測定するものである。
【0032】
本装置では、光学測定部が設けられた位置へ搬送用ラック4が搬送されると、搬送用ラック4が光学測定部に対し、子検体容器6を保持する試験管ホールのピッチすなわち子検体容器6の配列ピッチずつ相対移動(ピッチ送り)され、搬送用ラック4に配列された子検体容器6が順にスキャンされる。図1は、このスキャン方向に沿った平面上での光学測定部の断面図である。光学測定部は、子検体血清(検体)30に検査光を入射する光照射部2と、当該検査光が子検体血清30を透過して得られる透過光を検知する透過光検知部8とからなる。本装置は、透過光を観察し、検査光に対比した当該透過光での変化に基づいて被検物質の濃度を求める。
【0033】
本装置では、検査光が検体に上下方向に沿って入射される点が特徴的である。図1に示す例では、光照射部2が搬送用ラック4に立てられる子検体容器6の上方に配置され、下向きに検査光を出射する。透過光検知部8は搬送用ラック4の下方に配置され、上方からの光を検知する。すなわち、子検体血清30は、試験管のような縦長のチューブ状の子検体容器6に収容され、この子検体血清30に対し上下方向に検査光が透過される。透過方向は上から下へ、および下から上へのいずれでもよい。子検体容器6が柱状である場合、一般にその上面および底面は開口であったり面積が小さいため、ラベル貼り付けなどのために利用されず、光を透過可能に構成することが容易である。また、検査光の照射位置や透過光の観察位置は、基本的に子検体血清30の量に拘わらず子検体容器6の水平断面開口に定まり、検体量に応じた観察位置の調節が不要である。搬送用ラック4の底面は、子検体容器6が立てられる位置に、光を透過可能な光透過孔10が設けられる。光透過孔10は、開口、または透明部材で構成される。
【0034】
このような構成により、子検体容器6にそれぞれ保持された複数の子検体血清30を、搬送用ラック4に立てたまま分析することができる。光照射部2および透過光検知部8と搬送用ラック4とを相対的に移動させることにより搬送用ラック4に保持された複数の子検体血清30に対する透過光の測定が行われる。本発明では、光を上下方向に透過させるため、搬送用ラック4に子検体容器6が2次元アレイ状(行列状)に配列されている場合でも、光の透過が他の子検体容器6によって遮られることがない。
【0035】
光照射部2は、LED(Light Emission Diode)20、レンズ22、アイリス24,26、およびレンズ28を含んで構成される。LED20からの光は、順にレンズ22、アイリス24,26、およびレンズ28を経て、鉛直下向きに集束される。集束された検査光は、搬送用ラック4に立設された子検体容器6の上部開口を経て子検体容器6内に収容された子検体血清30に入射し、子検体血清30および子検体容器6の底面を通過して透過光として出力される。透過光検知部8は、スキャナプレート40、レンズ42、フィルタ44、光検出器46を含んで構成される。光検出器46には、スキャナプレート40でコリメートされ、レンズ42で集束された透過光が入射する。
【0036】
フィルタ44は、透過光の特定の波長域を選択的に透過させるものであり、その波長域は、測定対象とする妨害物質(被検物質)に応じて定められる。本装置では上述の3種類の妨害物質の濃度を測定するために4種類の波長で分析を行う。これに対応して光照射部2と透過光検知部8とは4対(4組)設けられ、それぞれのLED20、フィルタ44の波長特性は受け持つ測定波長に対応したものとされる。4種類の波長に対応して設けられる4対の光照射部2および透過光検知部8は、搬送用ラック4と光学測定部との相対運動方向(相対移動方向)に並べて配置される。これにより、搬送用ラック4と光学測定部とが相対移動すると、各子検体血清30は順次、これら4つの波長に関する測定を受け、4つの測定波長それぞれについての受光信号が各子検体血清30ごとに得られる。
【0037】
搬送用ラック4の試験管ホールは、スキャン方向すなわち相対移動方向に複数配列されると共に、スキャン方向と直交する方向にも複数配列され、子検体容器6は2次元アレイ状(行列状)に配列されている。本装置では上述したように、検査光の照射およびその透過光の検知を子検体容器6の上下方向に行うため、水平面内で2次元アレイ状に複数配列された子検体血清30に対する測定を個別に行うことが可能である。図2は、搬送用ラックと光学測定部とを示す模式的な斜視図である。図示する搬送用ラック4にはスキャン方向に直交する方向に沿って5つの試験管ホールが設けられる。本装置では、これに対応して、スキャン方向と直交する方向に、各測定波長の光照射部2および透過光検知部8がそれぞれ5つ並列配置される。すなわち、光照射部2および透過光検知部8は、搬送用ラック4の相対移動方向と直交する方向に、測定波長が互いに同じであるものが5組(複数組)並設されており、全体として、4組×5組で20組の光照射部2および透過光検知部8が行列状に配設されている。これにより、各測定波長についてそれぞれ5本の子検体容器6に対する測定を同時に行うことができ、スループットが向上する。
【0038】
図3は、本装置の概略のブロック構成図である。本装置は、上述した光照射部2、透過光検知部8の他に、光源駆動回路50、ラック駆動回路52、I−V変換器54、ADC(Analog-to-Digital Converter)56、分析部58、分注量入力部60、出力部62を含んで構成される。分析部58は、CPU(Central Processing Unit)64、検量線テーブル66、光路長テーブル68を含んで構成される。
【0039】
光源駆動回路50は、光照射部2のLED20を駆動させる回路であり、CPU64からの指示に従ってLED20を点滅させる。
【0040】
ラック駆動回路52は、搬送用ラック4を移動させる駆動機構(図示せず)を動作させる回路であり、例えば、光学測定部の位置においては試験管ホールのピッチすなわち相対移動方向についての子検体容器6の配列ピッチずつ搬送用ラック4を移動させる。CPU64は、光学測定部での検査光の照射およびその透過光の検知を行う処理周期に同期して、搬送用ラック4を移動させるようにラック駆動回路52に対し指示を与える。このような構成により、本実施形態では、子検体容器6が光照射部2および透過光検知部8に対し停止した状態で測定を行うことができることから、より確実に、より高精度で測定を行うことができる。
【0041】
I−V変換器54は、透過光検知部8の光検出器46の出力電流信号を電圧信号に変換する。この電圧信号は、ADC56によりデジタル信号に変換され、CPU64へ入力される。
【0042】
検量線テーブル66には、測定対象とする各妨害物質について、その濃度と吸光度との関係である検量線データがあらかじめ測定され記憶されている。この検量線データは、検査光が通過する検体中の光路長が所定の基準光路長である場合のものである。
【0043】
測定される吸光度は、実際の透過光の光路長(吸収を生じる物質中での光路長)に依存する。すなわち、検体中の被検物質の濃度が同じ場合、光路長が長くなれば吸光度は大きくなり、光路長が短くなれば吸光度は小さくなる。従って、本発明では、光路長決定手段により透過光の光路長を求め、これに基づいて被検物質の濃度を求めることにより、より正確な分析、測定が可能となる。
【0044】
一般に、検体の量が多くなると、検体容器内での検体の高さ(液面位置)が高くなる。その高さは、検体容器の収容部の形状に依存する。本発明では、光が上下方向に透過されるため、その光路長は、基本的には検体容器内での検体の高さとなる。そして、検体容器の形状および検体の量から検体容器内での検体の高さを求めることにより、光路長を定めることができる。
【0045】
すなわち、本装置では、実際の光路長は、子検体容器6に小分けされる検体の分注量と子検体容器6の形状(内側空間の形状)に依存する。光路長テーブル68は、この関係を記憶したテーブルである。図4は、光路長テーブル68に格納される、分注量と検体内の光路長との関係の一例を示すグラフであり、子検体容器6が内径10mmの試験管である場合のグラフである。分析部58には、用いられる子検体容器6に応じた光路長テーブル68があらかじめ用意される。一方、各子検体容器6の分注量の情報は、分注量入力部60が分注装置から取得してCPU64へ入力する。CPU64は分注量入力部60から得られる分注量に対応する光路長を光路長テーブル68から読み出す。
【0046】
出力部62は、CPU64により算出される妨害物質の濃度を数値表示したり、その濃度が所定の異常判定閾値を超えた場合にアラーム出力するといった機能を有する。
【0047】
次に、本装置の動作について説明する。ラック駆動回路52は、搬送手段により移動される搬送用ラック4の先頭部分が、光照射部2および透過光検知部8が上下に対向配置される位置まで運ばれたことをセンサにより検知すると、搬送用ラック4をその搬送方向に関する試験管ホールの配列ピッチずつステップ駆動(ピッチ送り)する。このステップ駆動により、各試験管ホールに保持された子検体容器6は、測定波長がそれぞれ異なる4対(4組)の光照射部2および透過光検知部8の間に順に移動され、透過光強度の測定が行われる。
【0048】
搬送用ラック4の搬送方向(相対移動方向)に並んだそれぞれ異なる測定波長に対応する4対の光照射部2および透過光検知部8は、搬送用ラック4の搬送方向に並んだ4つの検体についての透過光測定を並列して(平行して)行う。これにより、より高い効率で測定を行うことができ、検査作業のさらなる高速化(迅速化)が図れる。各検体についての4種類の測定波長に関する透過光の測定結果は、時間差で得られる。CPU64は、この時間差で得られる各検体についての透過光の測定結果を1組のデータとして取り扱う。
【0049】
CPU64は、透過光の測定結果から各測定波長での吸光度Aを算出する。一般に、吸光度Aは入射光、透過光の強度をそれぞれI0、Iとして、A≡log10(I0/I)で算出される。
【0050】
次にCPU64は、算出した吸光度をキーにして検量線テーブル66を検索し、当該テーブルに格納された濃度データを取得する。この濃度データは、溶血ヘモグロビン、ビリルビンおよび乳びの3つの妨害物質それぞれについて取得される。
【0051】
検量線テーブル66に格納されている濃度データは、所定の基準光路長に対するものであるため、CPU64はこの濃度データを検体内の実際の光路長に応じたものに換算(補正)する。CPU64は、分注装置から得られる分注量データのうち、処理対象としている検体のデータを読み出す。そして、その分注量をキーとして光路長テーブル68を検索し、使用されている子検体容器6に応じた実際の光路長を取得し、上記換算を行う。
【0052】
例えば、吸光度Aと吸収層の厚さdとの間の関係として、A=εcdというランバート・ベールの法則が知られている。ここでεは分子吸光係数、cは濃度である。CPU64はこのような法則に基づいて、基準光路長での濃度データから実際の光路長に応じた実際の濃度への換算を行う。
【0053】
本実施形態の検体検査装置は、1つの検体について複数の波長に関する測定データが得られ、その複数波長の測定データに基づいて検体中の複数の被検物質の例えば濃度決定等の分析が行われる。例えば、光照射部では複数波長を混合して1つの照射光として、透過光検知部が透過光から各波長の光を弁別して検知するように構成することができる。また反対に、光照射部で複数波長を別個の照射光として出射し、透過光検知部でフィルタ等を用いて波長弁別を行ってもよい。また、それぞれ異なる波長に対応した光照射部および透過光検知部を複数組、設けてもよいし、1つの組で光照射部および透過光検知部のいずれかの波長特性を時分割で変える構成とすることもできる。
【0054】
以上、本発明の検体検査装置を図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、検体検査装置を構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。
【0055】
また、複数組行列状に配列された光照射部および透過光検知部の行の数および列の数は、それぞれ、いくつでも良く、1以上の任意の数にすることができる。
【0056】
また、検体容器は、図示のような円筒状で底部が丸みを帯びた試験管形状のものに限らず、直方体状、角柱状など上下方向に長い柱状をなすものであればいかなる形状のものでもよい。
【0057】
また、複数組の光照射部および通過光検知部が行列状に配設されている場合、それらは、ハニカムのように、列が1列置きに位置をずらして配置されているようなものでもよい。
【0058】
また、本発明において、光路長決定手段は、上記の構成のものに限定されず、検体を透過する透過光の光路長を求めることができるものであれば、いかなる構成のものでもよい。例えば、検体容器内の検体の液面位置を光学的に検出する構成や、検体の分注量の情報に代わり、重量センサーを用いて検体の重量を測定し、この重量と前記検体容器の形状とから光路長を求める構成であってもよい。
【0059】
【発明の効果】
本発明の検体検査装置によれば、上下方向に検査光を入射させるので、検体容器の側面にラベルが貼られていたり、多数の検体容器が並列配置されていても、透過光を測定することができ、当該透過光を用いた検体の分析を容易に行うことができる。
【0060】
また、光路長決定手段を有するので、検体容器内の検体量にかかわらず、正確な分析を行なうことができ、特に、検体容器内の検体量が少なくても、検査光を検体に入射させることができ、検体の分析を容易かつ正確に行なうことができる。
【0061】
また、複数組の光照射部および透過光検知部が並設されていることにより、複数個並べられた検体容器内の検体に対し高い効率(スループット)で測定を行うことができ、検査作業の高速化が図れる。特に、複数組の光照射部および透過光検知部と、行列状に並べられた検体容器とを相対的に移動させながら測定する場合には、多数の検体に対し特に高い効率で迅速に検査を行うことができる。
【0062】
また、光照射部および透過光検知部と、複数個並べられた検体容器とを検体容器の配列ピッチずつ相対移動しながら測定を行う場合には、より確実に、より高い精度で測定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】スキャン方向に沿った平面上での光学測定部の断面図である。
【図2】搬送用ラックと光学測定部とを示す模式的な斜視図である。
【図3】本発明の実施形態である検体検査装置の概略のブロック構成図である。
【図4】光路長テーブルに格納される、分注量と検体内の光路長との関係の一例を示すグラフである。
【符号の説明】
2 光照射部
4 搬送用ラック
6 子検体容器
8 透過光検知部
10 光透過孔
20 LED
22 レンズ
24 アイリス
26 アイリス
28 レンズ
30 子検体血清
40 スキャナプレート
42 レンズ
44 フィルタ
46 光検出器
50 光源駆動回路
52 ラック駆動回路
54 I−V変換器
56 ADC
58 分析部
60 分注量入力部
62 出力部
64 CPU
66 検量線テーブル
68 光路長テーブル
Claims (21)
- 柱状の検体容器内に収容された検体に上下方向に検査光を入射する光照射部と、
前記検体からの透過光を検知する透過光検知部と、
前記検体の分注量を入力する分注量入力部と、
前記検体容器の形状と、前記分注量入力部から入力された前記分注量に関する情報とに基づいて、前記検体を透過する透過光の光路長を求める光路長決定手段と、
前記光路長決定手段により求められた光路長に基づいて、前記検体を分析する分析部とを有することを特徴とする検体検査装置。 - 前記光路長決定手段は、前記検体容器の形状に対応した光路長テーブルから前記光路長を求めるよう構成されている請求項1に記載の検体検査装置。
- 前記分析部は、前記光路長に基づいて前記検体に含まれる被検物質の濃度を求める請求項1または2に記載の検体検査装置。
- 前記分析部は、前記光路長に基づいて前記被検物質による吸光度を求める吸光度決定手段と、前記吸光度に基づいて前記濃度を求める濃度決定手段とを有する請求項3に記載の検体検査装置。
- 前記濃度決定手段は、前記吸光度と前記濃度との関係を表す換算テーブルを有する請求項4に記載の検体検査装置。
- 前記光路長に基づいて、被検物質の濃度を換算または補正する請求項3ないし5のいずれかに記載の検体検査装置。
- 基準光路長に対する濃度データを持ち、前記光路長決定手段により求められた光路長に基づいて前記濃度データを換算または補正して実際の被検物質の濃度を決定する請求項6に記載の検体検査装置。
- 前記光照射部および前記透過光検知部は、1列または複数行複数列状に複数組配設されている請求項1ないし7のいずれかに記載の検体検査装置。
- 前記光照射部および前記透過光検知部は、測定波長が互いに同じであるものが複数組並設されている請求項1ないし8のいずれかに記載の検体検査装置。
- 前記複数組の前記光照射部および前記透過光検知部と、複数行複数列状に複数個並べられた前記検体容器とを、前記光照射部および前記透過光検知部の配列方向と直交する方向に相対的に移動させながら、各列の前記検体容器内の検体に対し測定を順次行う請求項9に記載の検体検査装置。
- 前記移動は、その移動方向についての前記検体容器の配列ピッチずつ相対移動する請求項10に記載の検体検査装置。
- 前記光照射部および前記透過光検知部は、測定波長が互いに異なるものが複数組並設されている請求項1ないし8のいずれかに記載の検体検査装置。
- 前記複数組の前記光照射部および前記透過光検知部と、前記検体容器とを、前記光照射部および前記透過光検知部の配列方向に相対的に移動させながら、前記検体容器内の検体に対し各組の前記光照射部および前記透過光検知部による測定を順次行う請求項12に記載の検体検査装置。
- 前記移動方向に沿って複数個並べられた前記検体容器内の検体に対し、各組の前記光照射部および前記透過光検知部により平行して測定を行う請求項13に記載の検体検査装置。
- 前記移動は、前記検体容器の配列ピッチずつ相対移動する請求項13または14に記載の検体検査装置。
- 前記光照射部および前記透過光検知部は、複数行複数列状に複数組配設され、一の方向に並ぶ複数組の前記光照射部および前記透過光検知部は、測定波長が互いに同じものであり、前記一の方向と直交する他の方向に並ぶ複数組の前記光照射部および前記透過光検知部は、測定波長が互いに異なるものである請求項1ないし8のいずれかに記載の検体検査装置。
- 前記複数行複数列状に並んだ複数組の前記光照射部および前記透過光検知部と、複数行複数列状に複数個並べられた前記検体容器とを、前記他の方向に相対的に移動させながら測定を行うことにより、前記各検体容器内の検体に対し、測定波長が互いに異なる各組の前記光照射部および前記透過光検知部による測定を順次行う請求項16に記載の検体検査装置。
- 前記移動は、その移動方向についての前記検体容器の配列ピッチずつ相対移動する請求項17に記載の検体検査装置。
- 前記光照射部および前記透過光検知部により前記検体に対し複数の測定波長での測定を行い、各測定波長の測定結果に基づいて、前記検体に含まれる複数の被検物質を分析する請求項1ないし18のいずれかに記載の検体検査装置。
- 前記複数の被検物質は、溶血ヘモグロビン、乳び、またはビリルビンを含む請求項19に記載の検体検査装置。
- 前記検体容器は、搬送用ラックに複数個並列配置され、
前記搬送用ラックは、前記検体容器の配置位置の上下方向に光を通過可能に構成され、
前記光照射部および前記透過光検知部は、前記検体容器および前記搬送用ラックを挟んで対向配置される請求項1ないし20のいずれかに記載の検体検査装置。
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