JP3775696B2 - 女性胸部用パッド - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ブラジャー、水着、レオタードなどの乳房部内部に挿着し、乳房外形を矯正するための女性胸部用パッドに関する。
【0002】
【発明の技術分野】
従来から胸部用パッドとして、厚手の布地を素材として乳房全体を被覆するほぼ円錐状のもの、薄く正面形状がレモン状(眼状)または三日月状の柔軟で弾性質のものを乳房部下半分の前面に位置させて、乳房を上向きに矯正するものなどが知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前者の乳房全体を被覆するパッドは、このパッド自体の外形が直接胸部に隆起した形状として表現されるため、単に厚さまたは大きさを増すだけで乳房としての自然の外観から遊離してしまっている。また、後者の乳房部下半分の前面に位置させるパッドは、単に厚さを増やすものであるため薄いプラジャーに挿着した場合このパッドの外形が段差として露呈し、乳房を不自然に持ち上げているため全体として不自然に厚みが付いた形状になってしまう。
【0004】
そこで、本発明の目的は乳房の下半分を上向きに矯正して全体的な形状を自然で美しくするばかりでなく、特に乳頭から下方に向けた側面形状を直線的なラインをもって上向きに矯正し、すっきりとしたシャープなラインを被服の上から現出させることのできる女性胸部用パッドを提供することにある。
【0005】
本発明の他の目的は、両乳房の両外側面を中央部に向けて押圧矯正が可能な女性胸部用パッドを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の特徴は、上辺と下辺と屈折部とから構成され、上記上辺は、乳頭部近傍を被覆する被覆部を含む曲線であり、上記下辺は、乳房の下線に沿う曲線であり、上記屈折部は、上記被覆部を頂部としてこの被覆部から下方に向けて所定角度の広がりを有する複数の屈折用ラインを有する肉薄のほぼ三角形状であるところにある。
【0007】
上記乳頭部近傍を被覆する被覆部におけるこの近傍とは、乳頭を完全に被覆する場合に限定するものではなく、乳頭部の一部を被覆する場合、ブラジャーの形状によっては乳頭を被覆しない場合も含まれる。また、上記所定角度とは乳頭部から下方を上記屈折部により平坦状にして、胸部に隆起する乳房の側面形状を直線的なラインで上向きに矯正するに十分な角度のことで、ほぼ20〜50度の範囲のことである。
【0008】
第2の特徴は、上記第1の特徴に切込み部を付設したもので、この切込み部は、上記上辺を構成する長い曲線と短い曲線との連結部に形成してあり、この短い曲線の長さはこの短い曲線を上辺とする押圧用のパッドが乳房を外側から内方に向けて押圧し矯正可能なものであるところにある。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して本発明の実施の形態を説明すると、本発明にかかる女性胸部用パッドは、全体的に弾性質で軟質の合成樹脂を素材、例えば発泡性ポリウレタンにより形成してあり、乳房の下半分を被覆する形状で、その外周全面は、図4に示すように肌触りのよい吸湿性のある軟質の布地素材、例えばポリエステルの布地6で被覆してある。図1に示すパッドは、右乳房用のもので、これを反転すれば左乳房用として使用可能である。パッドの上辺1は右端の内端部3から形成してある長い曲線11と左端の外端部4から形成された短い曲線12とからなり、この長い曲線と短い曲線との連結部は、緩かな曲線からなるV字状に切込み部13になっている。そして、長い曲線11は乳頭部を被覆する被覆部14を含むもので、下辺2は乳房の外形の下線に沿う曲線である。このようにパッド全体の形状は眼状または二枚貝状であって、このパッドの内端部3は乳房の内側外周縁まで被覆可能であり、また、このパッドの外端部4は乳房の外側外周縁つまり脇部または脇部近傍にまで被覆可能となっている。通常のサイズのもので、パッドの横幅は15cm程度であり、上下の長さは9cm程度である。
【0010】
さらに、乳頭の被覆部14を頂部としてこの被覆部から下方に向けて所定角度θの広がりを有するほぼ三角形の屈折部5が形成してあり、この屈折部は複数本、図1では放射状に形成された3本の屈折用ライン51,52,53を有するものである。この屈折部5の角度はほぼ20〜50度の範囲、望ましくは25度程度であり、この屈折用ラインはプレス加工により形成されたもので、図2、図3に示すように屈折部5の肉厚は、その両側のパッド部の肉厚度に比較して3〜4分の1にまで圧縮された肉薄部になっており、この屈折用ライン51,52,53は、図3に示すようにさらに肉薄になっており、このラインに沿って屈折自在である。
【0011】
前記したように、上辺1の長い曲線11と短い曲線12との連結部は切込み部13になっている。即ち、乳房の外側面に位置する上辺1と下辺2との合致点、つまり外端部4から短い曲線12の長さだけ内部の箇所に切込み部13が形成してある。この短い曲線12の長さは、この短い曲線を上辺とする押圧用のパッド部12aによって、乳房や脇部の肉部を通常状態から内方に向けて押圧し、乳房を大きく見せるように矯正が可能な長さのもので、前記した通常のサイズのパッドでは3〜4cm程度あればよい。
【0012】
そこで、本発明にかかるパッドの着用状態について説明する。
ブラジャーに挿着する場合は、ブラジャーの内部に袋部(ポケット)を形成し、この袋部内にパッドを着脱可能に挿入する。そこで、このブラジャーを着用すると、被覆部14は乳頭を被覆し、乳房の下半分を被覆するパッドは、この下半分の形状に応じて屈曲し、それによって乳房全体を持上げる。この時、被覆部14から下方に向けて屈折用ライン51,52,53が乳房の外形に沿って屈折し、肉薄の屈折部5全体はほぼ三角形状の平坦面となる。そのため、図5に示すように乳房の下半分の側面形状は直線状になり、すっきりしたシャープなラインが現出する。なお、屈折部5の角度θが50度を越えると、着用した時、平坦状でなくなり、そのため側面形状が直線的なシャープなラインでなくなる可能性があり、逆に20度以下ではこの屈折部による平坦面がなくなり、直線的ラインが前方へ過度に突出し自然ではなくなる。
【0013】
同時に、パッドの外端部4は乳房の外側から脇下付近に位置し、そして切込み部13によって短い曲線12を上辺とする押圧用のパッド部12aは、図1の鎖線a付近から内方に屈曲し、乳房の外側の脇下部分の肉部を内方に向けて押圧して乳房を大きく見せるように矯正する。この場合、このパット部12aが内方に屈曲しても、この屈曲箇所は切込み部13になっているため、屈曲箇所がブラジャーの外形ラインから外方に突出して余分なラインが出てくることなく、乳房を自然な状態で、かつ大きく見えるように矯正する。さらに、押圧用のパット部12aはブラジャーの外端部にあるワイヤー先端部を皮膚に当接するのを防止する。なお、短い曲線12の寸法が、例えば1cm以下では乳房の外側から脇下の肉部を内方に向けて押圧することができなくなるばかりでなく、狭い幅のパッド部12aが内方に屈曲した時、外端部4が皮膚に食入ることがあり、この外端部の位置は人によって副乳ゾーンに位置する場合があり、このゾーンは皮膚感覚がするどく着用感覚を阻害する可能性が高い。
【0014】
【発明の効果】
本発明によると、乳房の上半分は自然のままの形状であるが、乳房の下半分を上向きに矯正して全体的な形状を自然で美しくし、さらに、屈折部によって乳頭から下方に向けた面の側面形状を直線的なラインで上向きに矯正して長くし、すっきりとしたシャープなラインを現出させることができる。また、切込み部により両乳房の両外側面を中央部に向けて押圧して、乳房を大きく豊に見せるように矯正できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】パッド全体の正面図である。
【図2】底面図である。
【図3】図1のA−A線断面図である。
【図4】図3のB−B線拡大断面図である。
【図5】パッドを着用した状態の斜視図である。
【符号の説明】
1 上辺
11 長い上辺
12 短い上辺
12a 押圧用のパッド部
13 切込み部
14 被覆部
2 下辺
3 内端部
4 外端部
5 屈折部
51,2,53 屈折用ライン

Claims (2)

  1. 全体的に弾性質素材により形成してあり、乳房の下半分を被覆する形状のパッドにおいて、上辺と下辺と屈折部とから構成され、
    上記上辺は、乳頭部近傍を被覆する被覆部を含む曲線であり、
    上記下辺は、乳房の下線に沿う曲線であり、
    上記屈折部は、上記被覆部を頂部としてこの被覆部から下方に向けて所定角度の広がりを有する複数の屈折用ラインを有する肉薄のほぼ三角形状である
    ことを特徴とする女性胸部用パッド。
  2. 全体的に弾性質素材により形成してあり、乳房の下半分を被覆する形状のパッドにおいて、上辺と下辺と屈折部と切込み部とから構成され、
    上記上辺は、乳頭部近傍を被覆する被覆部を含む曲線であり、
    上記下辺は、乳房の下線に沿う曲線であり、
    上記屈折部は、上記被覆部を頂部としてこの被覆部から下方に向けて所定角度の広がりを有する複数の屈折用ラインを有する肉薄のほぼ三角形状であり、
    上記切込み部は、上記上辺を構成する長い曲線と短い曲線との連結部に形成してあり、この短い曲線の長さはこの短い曲線を上辺とする押圧用のパッドが乳房を外側から内方に向けて押圧し矯正可能なものである
    ことを特徴とする女性胸部用パッド。
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