JP3775594B2 - 昇華型プリンタ - Google Patents

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Description

【0001】
本発明は、媒体のインク受容層に昇華性インクによる画像を担持させるプリント部と、画像を担持したインク受容層に別の記録媒体を重ねた状態で加熱することによって、インク受容層のインク成分を昇華させ、記録媒体に転写定着する転写定着部とを備えた昇華型プリンタに関する。
【0002】
【従来の技術】
このような記録媒体の処理に関する技術の例として、当初からシート状の基材の面にインク受容層が貼付された記録媒体を用いる昇華型プリンタが提案されている。この昇華型プリンタは、この記録媒体のインク受容層側に昇華性インクによる画像を担持させるプリント部と、前記インク受容層に担持された染料を加熱によって基材面側に昇華させて定着する加熱定着部とを備えている。従って、インク受容層への画像出力から加熱による基材面への定着操作までが連続的に実施可能となる。
【0003】
しかし、この記録媒体処理技術では、基材上に形成された鮮明で解像度の高い画像を利用するために、加熱定着後に、インク受容層を基材から剥離する操作が必要であり、剥離されたインク受容層はそのままでは利用価値がないので、場合によっては処理の度に廃棄処理する必要があり、今日主流をなす省資源的な考えには必ずしも対応しない構成であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の目的は、上に例示した従来技術による記録媒体処理方法の持つ前述した欠点に鑑み、処理の度に廃棄処理する必要のある部材や材料の発生し難い、そして、よりコンパクトな昇華型プリンタを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る昇華型プリンタは、特許請求の範囲の欄の請求項1からに記された特徴構成を備えている。
すなわち、本発明の請求項1による昇華型プリンタは、
インク受容層を有する転写用媒体に昇華性インクによる画像を担持させるプリント部と、前記転写用媒体に記録媒体を重ねて加熱することによって、前記インク受容層のインク成分を昇華させ、前記記録媒体に転写定着する転写定着部と、前記転写用媒体を前記プリント部から前記転写定着部に搬送する搬送機構とを備え、前記転写用媒体に残留しているインク成分を除去するクリーニング部が前記転写定着部の下流側に設けられており、前記転写定着部は、回動不能に設けられた圧着部材と、前記圧着部材を加熱する熱源とを備え、前記搬送機構は前記転写用媒体と前記記録媒体とを、前記圧着部材に押付けながら、互いに一体的に移動させる押付け機構を構成していることを特徴構成としている。
【0006】
このような特徴構成を備えているために、本発明の特許請求の範囲の請求項1による昇華型プリンタでは、転写定着部を通過した転写用媒体にインク成分の一部が残留していても、これはクリーニング部によって除去されるので、転写用媒体を複数回使用することが可能となり、処理の度に廃棄処理する必要のある部材や材料が発生し難く、さらに、プリント部と転写定着部とクリーニング部が一つの昇華型プリンタに備わっているので、コンパクトで設置面積の小さな昇華型プリンタとなる、という効果が得られる。
【0007】
また、前記転写定着部は、回動不能に設けられた圧着部材と、前記圧着部材を加熱する熱源とを備え、前記搬送機構は前記転写用媒体と前記記録媒体とを、前記圧着部材に押付けながら、互いに一体的に移動させる押付け機構を構成しているので、転写用媒体と記録媒体の互いに重なり合った部位が、共に圧着部材に押付けられることで、自ずから互いに密接し、同時に、転写用媒体と記録媒体と圧着部材の三者が一体化することで、転写用媒体と記録媒体の双方が略圧着部材の温度まで加熱される。したがって、転写用媒体から記録媒体へのインク成分の転写操作が非常に円滑に進み、プリント部で転写用媒体に形成された画像が、迅速に且つ高い再現性で記録媒体に転写される。また、転写すなわちインク成分を昇華させるための熱エネルギーは、加熱された圧着部材から転写用媒体のインク受容層へと、物体内熱拡散に基づいて移動するので、空気中などへの熱損失が少なく、より効率的な定着処理がなされる。さらに、熱源が周辺空気を介して転写用媒体を加熱操作する構成に比して、転写定着部の温度制御を迅速且つ正確に行え、同時に、よりコンパクトな装置が得られる。また、このように構成すれば、記録媒体は押付け機構によって転写用媒体上に押付け保持されるので、先端と後端とを支持されていないカットされた記録媒体でも処理し易くなる。
【0008】
より具体的には、前記押付け機構は前記転写用媒体と前記記録媒体とを前記圧着部材に押付けながら回転駆動する無端状の押付けベルトを含み、前記押付けベルトと前記転写用媒体と前記記録媒体の3者の対応する部位が互いに一体化した状態で前記圧着部材の外周面に沿って摺動するように構成することができる。
【0009】
特に、前記クリーニング部は、前記転写用媒体を非接触で再加熱する加熱機構からなる構成とすることが可能である。
このように構成すれば、転写用媒体に残留しているインク成分即ち未昇華の染料や溶媒等の除去を、高温による昇華や気化により行え、言い換えれば、機械的な削(そ)ぎ取り操作に頼らずに実施できるため、転写用媒体が摩滅し難く、転写用媒体を複数回使用する上で特に都合である。
【0010】
前記クリーニング部の前記加熱機構は、前記転写用媒体を前記転写定着部における加熱温度を上回る温度に加熱する構成とすることが可能である。
このように構成すれば、転写用媒体に残留している前記インク成分をより確実に除去可能である。また、互いに転写用加熱温度の異なる複数種類のインクを使い分ける場合でも、クリーニング部における加熱温度もこれに連動して設定変更されることになるため、常にクリーニング部の本来の効果が発揮される。
【0011】
前記転写用媒体は無端状の転写用ベルトであり、前記搬送機構は、前記プリント部と前記転写定着部と前記クリーニング部とを含む回転軌道に沿って前記転写用ベルトを回転駆動する構成とすることが可能である。
このように構成すれば、転写用媒体は、プリント部で画像を担持させられた後で、転写定着部でインク成分を記録媒体へ転写され、引き続き、転写用媒体に残留しているインク成分はクリーニング部にて除去されて、再びプリント部で画像を担持可能な状態にまで再生されるという具合に、いわば永続的に使用できるので、非常に長尺の記録媒体の処理、或いは、多数枚の記録媒体の処理を、原則的に転写用媒体を途中で取り替えることなく実施できる。
【0012】
本発明によるその他の特徴および利点は、以下図面を用いた実施形態の説明により明らかになるであろう。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明による昇華型プリンタの一実施形態について、その具体的な実現例の一つとして記された図面を参照しながら解説する。
(昇華型プリンタの概略構成)
図1の昇華型プリンタ100は、無端状の転写ベルトS(転写用媒体の一例)にインクで画像を出力するプリント部Pと、転写ベルトSに記録シートM(記録媒体の一例)を重ねた状態で加熱する転写定着部Fを有し、さらに、転写定着部Fを通過後の転写ベルトSに残留しているインク成分を除去するクリーニング部C、並びに、上記各部の動作を制御する制御部Jが設けられている。
【0014】
(インクの構成)
プリント部Pで画像を出力する際に用いられるインクは、例えば、“黒”、“シアン”、“マゼンタ”、“イエロー”、“ライトシアン”、“ライトマゼンタ”の6色の各インクからなり、いずれも、昇華性の染料を含む基本的に水性のインクである。
【0015】
(転写ベルトSの構成)
図2(ロ)に示すように、転写ベルトSの少なくとも片面には、水溶性のインクとの親和性があり厚さが例えば約40μmのインク受容層Rが形成されており、プリント部Pでは、昇華性の染料を含む水性のインクが噴射されることによって、このインク受容層Rの表面付近に常温で昇華性インクによる画像が担持される。但し、転写ベルトSはその厚さの全体がインクを受容並びに保持し易い材質からなる構成であっても良い。
【0016】
(記録シートMの構成)
他方、記録シートMは、やはり図2(ロ)に示すように、厚さが例えば約210μm程度でPET(ポリエチレンテレフタレート)等の合成樹脂材料などで形成されたベースシートBと、ベースシートBの上面に一体的に設けられた保護層Tとからなる。保護層Tは、水性のインクとの親和性が低いが、透明性があり耐候性の高い材料、例えばフッ素樹脂などで形成されている。
【0017】
(プリント部Pの構成)
プリント部Pは、転写ベルトSや記録シートMの巾方向(副走査方向と一致)に沿って延びたガイドロッド(不図示)に摺動自在に支持されたインクジェット型のプリントヘッド4と、このプリントヘッド4を主走査方向に沿って往復移動操作する走査用ステッピングモータ(不図示)とを有する。プリントヘッド4は、インクの各色毎に設けられた多数の微細なインクノズルと、これらのインクノズルからのインクの噴射量を制御する階調制御機構が設けられている。後述する制御部Jは、これらの階調制御機構の動作、並びに、プリントヘッド4の主走査方向での移動操作を、後述する画像処理システム90(図1を参照)から与えられたプリントデータに従って制御する。
尚、転写定着部Fでは、画像が出力された側の転写ベルトSの面が記録シートMと向き合うように重ね合わされて転写が行われるので、転写ベルトSに出力されるプリントデータは、最終的に記録シートMに形成すべき画像の鏡像を構成するように作られており、記録シートMへの転写に際して正像に戻る。
【0018】
(転写定着部Fの構成)
転写定着部Fは、プリントヘッド4の主走査方向に沿って延びた金属製で円筒状の圧着ドラム6(圧着部材の一例)と、圧着ドラム6の内部に配置された複数本の発熱素子8(熱源の一例)を有する。発熱素子8はニクロム線などで構成することが可能である。圧着ドラム6は回動不能に設けられている。
圧着ドラム6の外周面の一部(図2において×で示された部位)は、加熱領域6aを構成しており、発熱素子8は、加熱領域6aを所定温度(約180℃)に加熱するために、この加熱領域6aの内面付近に配置されている。そして、転写用ベルトSと記録媒体Mとは、後述する搬送機構9によって、この加熱領域6aに押付けられながら、且つ、加熱領域6aの周面上を摺動しながら、一体的に回転移動操作される。転写用ベルトSと記録媒体Mとが加熱領域6a上を円滑に摺動できるように、加熱領域6aは特に滑らかに形成されている。この加熱領域6a上を摺動操作される過程で、転写用ベルトSと記録媒体Mとは、圧着ドラム6の加熱領域6aから与えられる熱によって、約180℃×2minの加熱履歴を受ける。
【0019】
尚、加熱領域6aの少なくとも1箇所には、加熱領域6aの温度を検出するための、シース熱電対などで構成された第1温度センサG1が例えば圧着ドラム6の壁面内に埋め込まれる形で設けてあり、制御部Jは、これらのセンサによる温度検出結果が約180℃となるように発熱素子8に電流を供給する。尚、ここでは、転写用ベルトSと記録媒体Mとを300mm/minの搬送速度で移動させた時に、約180℃×2minの加熱履歴を受けるように圧着ドラム6の加熱領域6aの長さ(円周に沿った長さ)が設定されている。
【0020】
(転写定着部Fにおける昇華性染料の挙動)
転写定着部Fでは、少なくとも転写ベルトSの各単位領域を約180℃×2minの温度条件に保持する操作が行われ、その熱の作用で、転写ベルトSのインク受容層Rの表面付近に担持されたインクから昇華性の染料が昇華(気化)して、少なくともその一部または大半が記録シートMの保護層Tを通過し、さらに、ベースシートBと保護層Tの界面、乃至は、ベースシートBの上面近くの内部まで到達して、ここに定着される。ベースシートB内に定着された染料は、表面からは耐候性の保護層Tによって、裏面からはベースシートBによって保護され、同時に、少なくとも記録シートMの表面側からは透明性の高い保護層Tを介して良く透視できる形になる。上記の加熱定着の過程で、原則的に転写ベルトSのインクの略全量が昇華し、その大半が記録シートM側に定着されるが、転写定着部Fから抜け出てきた転写ベルトSにインク成分の一部が残留している場合もある。
【0021】
(クリーニング部Cの構成)
クリーニング部Cは、転写定着部Fの下流側(プリント部Pの上流側とも言える)に設けられており、転写用ベルトSを再加熱する加熱ユニット14(加熱機構の一例)からなる。この加熱ユニット14は、転写用ベルトSの両面と対向する一対の長尺の筐体14a,14aと、各筐体14a,14a内に配置されたニクロム線等の発熱素子15(熱源の一例)、発熱素子15で暖められた空気を均一に攪拌しながら転写用ベルトSに吹き付ける回転ファン16、及び、転写用ベルトSの温度を検出する放射温度計などからなる第2温度センサG2を有する。加熱ユニット14は、転写用ベルトSを、転写定着部Fにおける加熱温度(約180℃)を約40℃だけ上回る温度である220℃に加熱することで、残留しているインク成分を除去する。但し、ここでは、残留インク成分の除去とは、必ずしも完全な除去である必要はなく、新たにプリント部Pで担持され、転写定着部Fで記録媒体Mに転写定着される画像に視認可能なノイズを与えない程度に除去されれば良い。
ここでは、制御部Jは、転写定着部Fの加熱領域6aに配置されている第1温度センサG1の検出結果を40℃だけ上回る温度を第2温度センサG2が検出するように、発熱素子15、或いは、発熱素子15と回転ファン16に電流を供給する構成となっている。
【0022】
(転写用ベルトS用の搬送機構の構成)
図2(イ)に示すように、昇華型プリンタ100には、無端状の転写用ベルトSを、プリント部Pと転写定着部Fとクリーニング部Cを含む回転軌道に沿って回転駆動する搬送機構9が設けられている。
搬送機構9は、プリント部Pの上流側に隣接配置された第1駆動ローラ9aと、クリーニング部Cの下流側に隣接配置された第2駆動ローラ9bと、これらの駆動ローラ9a,9bを回転駆動するステッピングモータE1(図1を参照)とを有する。そして、転写用ベルトSの一端はこれらの駆動ローラ9a,9bに張架されており、転写用ベルトSの他端は、転写定着部Fの圧着ドラム6の周面(特にその加熱領域6a)上に圧着されるように張架されている(すなわち、駆動ローラ9a,9bと圧着ドラム6は、転写用ベルトSを転写用ベルトSの内面側から支持している)。これによって、第1駆動ローラ9aを発した転写用ベルトSの部位は、搬送機構9によって、先ず、プリント部Pに至り、次に、圧着ドラム6の周面、クリーニング部C、そして、第2駆動ローラ9bを経て、再び第1駆動ローラ9aに戻る、という無端状の回転軌道上を繰り返し回転駆動される。尚、第1駆動ローラ9aと第2駆動ローラ9bの間には、転写用ベルトSにコイルスプリング11などによる付勢力に基づく適当な張力を与えるテンションローラ10が設けられている。
【0023】
制御部Jは、転写用ベルトSが転写定着部Fにて約180℃×2minの加熱履歴を受けるように、ステッピングモータE1を駆動制御する。プリント部Pにおける転写用ベルトSの移動速度、すなわち、副走査方向の搬送速度は、与えられたプリント情報の特性と無関係に、この転写用ベルトSの転写定着部Fでの移動速度と一致する。したがって、制御部Jは、プリントヘッド4の主走査方向の移動タイミングをも、ステッピングモータE1による転写用ベルトSの移動速度(300mm/min)に同期するタイミングで駆動制御する必要がある。すなわち、プリントヘッド4が前記ガイドロッド上を往復移動するストロークの一方の端部には、プリントヘッド4のためのホームポジションが設定されている。そして、プリントヘッド4は搬送機構9が停止している極く短い時間内にホームポジションと例えば他方の端部の間を主走査方向に往復移動して印字制御するように構成されている。他方、搬送機構9は、プリントヘッド4がこのホームポジションに戻って静止している短い時間内に、或いは、印字を終えてホームポジションに戻る間に副走査方向に1ピッチだけ記録媒体を送る。
【0024】
(記録シートM用の補助搬送機構の構成)
記録シートMは、巾が約1m、長さが数十mのものが1本に巻き取られたロール状で入手されるものとする。記録シートMのロールは、水平に延びた支持ロッド19に回転可能に支持される。
そして、支持ロッド19上のロールから引き出された記録シートMは、転写定着部Fの圧着ドラム6の周面上で転写用ベルトSと一体的に移動することで、転写用ベルトS上に担持された画像の転写定着操作を受ける。そのために、搬送機構9によって圧着ドラム6上を移動する転写用ベルトSと同期した速度で記録シートMを移動させる補助搬送機構20が設けられている。補助搬送機構20は、支持ロッド19と圧着ドラム6の間に設けられた複数組の搬入ローラ対21と、圧着ドラム6の下方に配置された搬出ローラ対22とを有する。搬出ローラ対22の配置は、圧着ドラム6や後述する押付け機構30から抜け出た記録シートMを転写用ベルトSから引き剥がす作用を及ぼすように設定されている。
搬出ローラ対22によって搬送された記録シートMは、巻き取りロッド24上に再びロール状に巻き取られる。巻き取りロッド24には、搬出ローラ対22によって送られる記録シートMを弛まないように巻き取るための回転駆動機構(不図示)が連結されている。但し、搬出ローラ対22の下流に設けたカッタ(不図示)によって矩形シート状に切断し、例えば水平に配置したトレー(不図示)などに受け入れても良い。
【0025】
(押付け機構の構成)
昇華型プリンタ100には、記録シートMを、圧着ドラム6上の転写用ベルトSに押付け保持する、言い換えれば、互いに一体的に移動する転写用ベルトSと記録シートMの部位を圧着ドラム6上に面状に押付ける押付け機構30が設けられている。押付け機構30は、無端状の押付けベルト31と、押付けベルト31をその内面側から支持する4個の回転ローラ32a,32b,32c,32dとを有する。押付けベルト31は、その外面側からは、圧着ドラム6によって(実際には圧着ドラム6上の転写用ベルトSの上、或いは、その転写用ベルトS上の記録シートM上に)張架されている。また、4個の回転ローラの少なくとも一つ(ここでは回転ローラ32bと32c)は、コイルスプリング33などによって圧着ドラム6から離間する方向に付勢されることで、押付けベルト31に適当な張力を与えるテンションローラの役割を兼ねている。そして、押付けベルト31が転写用ベルトSと同期した速度で回転駆動されるように、4個の回転ローラの少なくとも一つは、図示されない伝動機構によって得られるステッピングモータE1からの回転駆動力によって回転駆動される。その結果、押付けベルト31は、補助搬送機構20によって供給される記録シートMを、圧着ドラム6上を摺動する転写用ベルトSに対して、記録シートMと転写用ベルトSとが相対移動しないように押付ける。実際には、押付けベルト31と記録シートMと転写用ベルトSの3者の対応する各部位が互いに一体化した状態で圧着ドラム6上に押付けられたまま圧着ドラム6の外周面に沿って移動することになる。
【0026】
(画像処理システム90の構成)
図1に示すように、昇華型プリンタ100は、汎用のコンピュータ46、モニター47、キーボード48、マウス49、並びに、現像済みの写真フィルムPfの画像情報を光電変換するフィルムスキャナー50等を備えた画像処理システム90と連結されている。コンピュータ46には、MO、コンパクトフラッシュカードなど、種々の電子データ記録メディアから画像データなどを取り出すメディアドライブ46aが付設されている。電子データ記録メディア内に格納された画像データ、或いは、写真フィルムPfからデジタル化した画像データは、この画像処理システム90で処理され、目的とする画像に対して鏡像となる画像の画像データが昇華型プリンタ100の制御部Jに転送され、この転送された画像データに基づく画像が、プリント部Pで転写用ベルトSに出力(印字)される。
【0027】
(制御部Jの構成)
昇華型プリンタ100の制御部Jにはマイクロプロセッサ(不図示)が内蔵されており、コンピュータ46から転送される画像データを入力するデータ入力系を形成し、且つ、転写定着部Fの第1温度センサG1、及びクリーニング部Cの第2温度センサG2からのフィードバック信号を受ける信号入力系を形成している。また、制御部Jは、搬送機構9と補助搬送機構20と押付け機構30を駆動するステッピングモータE1、プリントヘッド4の吐出機構ならび前記走査用ステッピングモータ、転写定着部Fの発熱素子8、クリーニング部Cのニクロム線15、及び、補助搬送機構20の下流側に記録シートMを切断するカッタが設けてある場合にはこのカッタの操作用モータ(不図示)に対して制御信号を出力する信号出力系を備えている。
制御部Jは、転写定着部Fの第1温度センサG1から送られて来る温度検出信号に基づいて、転写定着部Fの発熱素子8のON/OFF状態および発熱量を制御して、転写定着部Fを通過中の転写用ベルトSと記録シートMの実質的に全ての領域が180℃×2分の加熱履歴を受けるようにする。
【0028】
〔別実施形態〕
<1>クリーニング部は、必ずしも、残存インク成分を加熱によって除去する構成とする必要はない。例えば、残存インク成分の少なくとも一部を機械的に削ぎ取るスクレーパ機構で構成したり、スクレーパ機構と加熱による除去機構とを組合わせた構成としても良い。
【0029】
<2>転写用媒体は、必ずしも無端状の転写用ベルトSで構成する必要はない。例えば、本発明の別実施形態として例示された図3の昇華型プリンタ200では、プリント部Pの上流側に配置された第1巻取り体101a上に後端を支持され、クリーニング部Cの下流側に配置された第2巻取り体101b上に先端を支持された転写用ベルトS2が用いられている。そして、第1巻取り体101a上に形成されたロールから転写用ベルトS2の部位を引き出し、プリント部Pと転写定着部Fとクリーニング部Cとを含む軌道を経て、第2巻取り体101b上に巻き取らせる搬送機構48が設けてある。搬送機構48は、第1巻取り体101aとプリント部Pの間に設けられた第1駆動ローラ対102a、クリーニング部Cと第2巻取り体101bの間に設けられた第2駆動ローラ対102b、及び、第1駆動ローラ対102aと第2駆動ローラ対102bを回転駆動させるステッピングモータE2を備えている。ステッピングモータE2は、搬送機構48によって圧着ドラム6上を移動する転写用ベルトSと同期した速度で記録シートMを移動させる補助搬送機構20のための駆動源の役割をも果たしている。ステッピングモータE2の回転駆動力を補助搬送機構20に伝える伝動機構は図示されていない。
転写定着の操作が進行して、第1巻取り体101a上に転写用ベルトS2が無くなれば、クリーニング部Cによるクリーニングが完了し、第2巻取り体101b上に巻き取られている転写用ベルトS2のロールを取り外して、これを第1巻取り体101a上に戻せば、新たな転写定着が可能になる。
【0030】
<3>上記の各実施形態では、転写定着部Fの圧着ドラム6を回動不能に設けてあるが、圧着ドラム6をその幾何形状上の中心の廻りで回動自在、特に転写定着部Fにおいて互いに一体的に移動操作される転写用ベルトS,S2並びに記録シートMなどの部位と一体回転するように設けても良い。この場合、発熱素子8は飽くまで固定された状態で設けて、転写定着部Fにおいて互いに一体的に移動操作される転写ベルトS,S2及び記録シートMの部位が押付けられる圧着ドラム6の領域のみを加熱するように構成することができる。但し、複数の発熱素子を圧着ドラム6の内面の全周に沿って配置して、圧着ドラム6の全周を一様に加熱するように構成しても良い。この場合さらに、発熱素子を圧着ドラム6の内面に固定しても良く、或いは、圧着ドラム6を構成する壁面内に発熱素子を埋め込んでも良い。
【0031】
<4>押付けベルト31からなる押付け機構30を用いることなく、記録シートMが、搬入ローラ対21と搬出ローラ対22との協動作用で圧着ドラム6上の転写用ベルトSに押付け保持されるように構成しても良い。
【0032】
<5>転写定着部Fは、必ずしも圧着ドラム6を用いる構成に限られるものではない。例えば、本発明の別実施形態として例示された図4の昇華型プリンタ300は、転写定着部F2として、断熱部材などで構成された加熱筐体K、加熱筐体K内に設けられた多数の圧着ローラ対105(圧着手段の一例)、加熱筐体K内の特に圧着ローラ対105近傍の空気を約180℃に加熱保持するためのニクロム線などの発熱素子106(熱源の一例)、発熱素子106からの輻射熱から記録シートMを保護するために発熱素子106と圧着ローラ対105の間に設けられたシールド板108、及び、このシールド板108の廻りを循環する空気の対流を形成するためのファン107を有する。加熱筐体K内の多数の圧着ローラ対105は、無端状の転写用ベルトSの所定長さの領域を記録シートMに押付ける。尚、プリント部Pの上流側とクリーニング部Cの下流側には、それぞれ遊転ローラ104a,104bが回転自在に支持されており、転写用ベルトSは、多数の圧着ローラ対105を構成するヒータ106側の各ローラと、遊転ローラ104a,104bとの上に張架されている。
支持ロッド119に支持されたロール状の記録シートMは、搬入ローラ対121によって引き出されて、加熱筐体K内の圧着ローラ対105へ供給され、転写定着部F2にて所定の転写定着を受けた後、搬出ローラ対122によって転写用ベルトSから引き剥がされ、同じく搬出ローラ対122によって加熱筐体K外に搬出されて、巻き取りロッド124上にロール状に巻き取られる。
加熱筐体Kには、転写用ベルトSを受け入れるためのスリット、転写用ベルトSの搬出を許すスリット、同様に、記録シートMを受け入れるためのスリット、記録シートMの搬出を許すスリットが形成されている。
また、加熱筐体Kの壁面の少なくとも一箇所には、転写用ベルトSの外表面、乃至は、転写用ベルトS上の記録シートMの表面の温度を検出するための放射温度計などからなる温度センサG3が設けられており、この場合、制御部Jは、温度センサG3が180℃を検出するようにヒータ108に対する電流量を制御する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る昇華型プリンタの概略構成を示す斜視図
【図2】 図1の昇華型プリンタの要部を模式的に示す側面図
【図3】 別実施形態による昇華型プリンタの側面図
【図4】 さらに別の実施形態による昇華型プリンタの側面図
【符号の説明】
M 記録シート(記録媒体)
B ベースシート
T 保護層
S,S2 転写用ベルト(転写用媒体)
R インク受容層
P プリント部
F 転写定着部
6 圧着ドラム(圧着部材)
8 発熱素子(熱源)
C クリーニング部
15 発熱素子(熱源)
9,48 搬送機構
20 補助搬送機構
30 押付け機構

Claims (5)

  1. インク受容層を有する転写用媒体に昇華性インクによる画像を担持させるプリント部と、前記転写用媒体に記録媒体を重ねて加熱することによって、前記インク受容層のインク成分を昇華させ、前記記録媒体に転写定着する転写定着部と、前記転写用媒体を前記プリント部から前記転写定着部に搬送する搬送機構とを備え、前記転写用媒体に残留しているインク成分を除去するクリーニング部が前記転写定着部の下流側に設けられており、
    前記転写定着部は、回動不能に設けられた圧着部材と、前記圧着部材を加熱する熱源とを備え、前記搬送機構は前記転写用媒体と前記記録媒体とを、前記圧着部材に押付けながら、互いに一体的に移動させる押付け機構を構成している昇華型プリンタ。
  2. 前記押付け機構は前記転写用媒体と前記記録媒体とを前記圧着部材に押付けながら回転駆動する無端状の押付けベルトを含み、前記押付けベルトと前記転写用媒体と前記記録媒体の3者の対応する部位が互いに一体化した状態で前記圧着部材の外周面に沿って摺動するように構成されている請求項1記載の昇華型プリンタ。
  3. 前記クリーニング部は、前記転写用媒体を非接触で再加熱する加熱機構からなる請求項1または2記載の昇華型プリンタ。
  4. 前記クリーニング部の前記加熱機構は、前記転写用媒体を前記転写定着部における加熱温度を上回る温度に加熱する請求項記載の昇華型プリンタ。
  5. 前記転写用媒体は無端状の転写用ベルトであり、前記搬送機構は、前記プリント部と前記転写定着部と前記クリーニング部とを含む回転軌道に沿って前記転写用ベルトを回転駆動する請求項1から4のいずれか1項記載の昇華型プリンタ。
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