JP3775015B2 - 左右輪駆動力分配機構 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は左右輪駆動力分配機構に係り、特に、車両旋回時に左右の駆動輪のトルク配分を制御できる簡単且つコンパクトな分配機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
駆動源から伝達された駆動力を左右の駆動輪に分配する分配機構は、車両旋回時における左右輪の回転速度差を吸収するために、傘歯車式または遊星歯車式の差動装置を備えているのが普通である。また、中低速走行の旋回時に外側の車輪のトルクを増加させて旋回性能を向上させたり、高速走行の旋回時に内側の車輪のトルクを増加させて走行安定性を向上させたりすることが考えられている。特開平8−114255号公報に記載されている装置はその一例で、(a) 左右の駆動輪の間に配設され、一方の駆動輪に対して他方の駆動輪を増速または減速させる変速機構と、(b) その変速機構を増速状態とする増速側クラッチと、(c) その変速機構を減速状態とする減速側クラッチとを含んで構成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記変速機構は、所定の増速比および減速比を得るために3組の遊星歯車装置を組み合わせて構成されており、構造が複雑で大きな配設スペースが必要であるという問題があった。
【0004】
なお、左右輪に対してそれぞれ変速機構およびクラッチを配設し、左駆動輪および右駆動輪の何れか一方を増速または減速するようにしたものもあるが、変速機構およびクラッチが左右2組必要であるため、同じく構造が複雑で大きな配設スペースが必要である。
【0005】
本発明は以上の事情を背景として為されたもので、その目的とするところは、車両旋回時等に左右の駆動輪のトルク配分を制御できる分配機構を簡単且つコンパクトに構成することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、第1発明は、駆動源から伝達された駆動力を左右の駆動輪に分配する分配機構であって、(a) 前記駆動力によってリングギヤが回転駆動されることにより、前記左右の駆動輪の一方および他方に連結されたキャリアおよびサンギヤへその駆動力を分配するダブルピニオンプラネタリ式差動装置と、(b) 前記駆動力によって回転駆動される入力部材の回転を一定の変速比で変速し、前記ダブルピニオンプラネタリ式差動装置のリングギヤと異なる回転速度で出力部材を回転させる単一の変速機構と、(c) 前記出力部材と前記ダブルピニオンプラネタリ式差動装置のキャリアとの間でトルクを伝達、遮断するスリップ係合可能な第1クラッチと、(d) 前記出力部材と前記ダブルピニオンプラネタリ式差動装置のサンギヤとの間でトルクを伝達、遮断するスリップ係合可能な第2クラッチとを有することを特徴とする。
【0007】
第2発明は、第1発明において、前記変速機構は、所定の減速比で減速する第1遊星歯車装置と、所定の増速比で増速する第2遊星歯車装置とを組み合わせたもので、前記ダブルピニオンプラネタリ式差動装置と同軸に配設されるとともに、入力部材がそのダブルピニオンプラネタリ式差動装置のリングギヤに一体的に連結されて回転駆動されることにより、その入力部材の回転を前記一定の変速比で変速して出力部材から出力するものであることを特徴とする。
【0008】
【発明の効果】
このような左右輪駆動力分配機構においては、駆動源から伝達される駆動力によって回転駆動される入力部材の回転を一定の変速比で変速し、ダブルピニオンプラネタリ式差動装置のリングギヤと異なる回転速度で出力部材を回転させるとともに、第1クラッチまたは第2クラッチを介してキャリアまたはサンギヤへ伝達することにより、左右の駆動輪のトルク配分を制御するため、変速機構は一定の変速比で変速するだけで良く、簡単且つコンパクトに構成される。すなわち、ダブルピニオンプラネタリ式差動装置を採用しているため、その右側或いは左側に配設される単一の変速機構の出力を、ダブルピニオンプラネタリ式遊星歯車装置のキャリアまたはサンギヤを介して左右の駆動輪に伝達できるのである。
【0009】
第2発明では、ダブルピニオンプラネタリ式差動装置と同軸に配設された第1遊星歯車装置および第2遊星歯車装置の組み合わせによって変速機構が構成されるため、それ等一対の遊星歯車装置をダブルピニオンプラネタリ式差動装置と並べて配設すれば良く、装置が全体として一層コンパクトに構成される。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の左右輪駆動力分配機構は、例えばFF(フロントエンジン・フロントドライブ)車両の左右前輪やFR(フロントエンジン・リヤドライブ)車両の左右後輪、通常の4輪駆動車両(前後輪の駆動力を機械的に分配する4輪駆動車両)の左右後輪或いは前輪、前後輪の一方をエンジン駆動で他方を電動モータ駆動としたペラレス4輪駆動車両の左右後輪或いは前輪など、種々の駆動形式の車両に適用され得る。駆動源としては、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、電動モータなどが好適に用いられる。
【0011】
ダブルピニオンプラネタリ式差動装置のギヤ比、すなわちサンギヤの歯数Zs とリングギヤの歯数Zr との比Zs /Zr は、通常は0.5に設定される。
【0012】
第1クラッチおよび第2クラッチは、係合トルクを連続的に変化させることができる摩擦クラッチや電磁クラッチなどが好適に用いられ、スリップ制御手段により係合トルクを制御して、左右輪のトルク配分を調整できるようにすることが望ましい。
【0013】
変速機構は、第2発明のようにギヤ比が異なる一対の遊星歯車装置の組合せによって好適に構成されるが、互いに噛み合わされた一対の歯車を有する平行2軸式の変速機構など、種々の態様を採用できる。一対のシンプルプラネタリ式遊星歯車装置の組合せによって変速機構を構成する場合、例えばサンギヤ同士を一体的に連結して回転不能に固定し、キャリア同士を一体的に連結し、一方のリングギヤを入力部材とし、他方のリングギヤを出力部材としたり、サンギヤ同士を一体的に連結して回転不能に固定し、リングギヤ同士を一体的に連結し、一方のキャリアを入力部材とし、他方のキャリアを出力部材としたりするなど、2組の同じ回転要素を互いに連結するとともにその一方を回転不能に固定し、残りの1組の回転要素の一方を入力部材、他方を出力部材とすれば良い。ダブルピニオンプラネタリ式遊星歯車装置を用いることもできるし、シンプルプラネタリ式遊星歯車装置とダブルピニオンプラネタリ式遊星歯車装置とを組み合わせて変速機構を構成することもできる。また、変速機構の変速比は、例えば入力部材の回転を10%〜25%程度増速または減速して出力部材から出力するように設定される。
【0014】
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、センタデフによって前後輪に駆動力が分配される4輪駆動車両の左右後輪の駆動力分配機構10を説明する骨子図で、エンジン等の駆動源12により図示しないセンタデフを介して回転駆動されるプロペラシャフト14は、傘歯車16,17を介してダブルピニオンプラネタリ式差動装置18のリングギヤ18rを回転駆動する。差動装置18のギヤ比ρ18(=サンギヤの歯数Zs /リングギヤの歯数Zr )は0.5で、リングギヤ18rに伝達されたトルクを、左後輪20に連結されたキャリア18cおよび右後輪22に連結されたサンギヤ18sに均等に分配し、それ等を同じ方向へ回転駆動する。
【0015】
上記差動装置18のリングギヤ18rには、連結部材24を介して変速機構26が連結されている。変速機構26は、ギヤ比が異なる一対のシンプルプラネタリ式遊星歯車装置28および30を組み合わせたもので、差動装置18の右側、すなわちサンギヤ18sに連結された駆動輪側に隣接して同軸に配設されており、それ等のキャリア28cおよび30cは互いに一体的に連結され、サンギヤ28sおよび30sは互いに一体的に連結され、遊星歯車装置28のリングギヤ28rは出力部材32に一体的に連結され、遊星歯車装置30のリングギヤ30rは連結部材24に一体的に連結されている。そして、上記サンギヤ28sおよび30sは連結部材34を介して位置固定のケース36に固定され、反力受け要素として機能させられるようになっており、リングギヤ18rと一体回転させられるリングギヤ30rの回転は、遊星歯車装置30のギヤ比ρ30に応じて減速されてキャリア30cからキャリア28cに伝達され、そのキャリア28cの回転は遊星歯車装置28のギヤ比ρ28に応じて増速されてリングギヤ28rから出力部材32に伝達される。なお、差動装置18や変速機構26は軸心に対して略対称的に構成されており、図1では下半分が省略されている。図2、図4、図5についても同様である。
【0016】
ここで、上記遊星歯車装置30のギヤ比ρ30は0.4程度で、その変速比(=入力部材の回転数/出力部材の回転数)は1.4程度である一方、遊星歯車装置28のギヤ比ρ28は0.66程度で、その変速比は0.6程度であり、変速機構26全体の変速比は1.4×0.6=0.84程度となる。すなわち、連結部材24の回転数に対して、19%程度増速して出力部材32を回転駆動することになる。一般に、単一の遊星歯車装置では30%〜40%程度の増速或いは減速しか得られないが、このように一対の遊星歯車装置28および30を組み合わせることにより、それ等の径寸法を小さく維持しつつ10%〜25%程度の小さな増速或いは減速を行うことができる。本実施例では、連結部材24が入力部材に相当し、遊星歯車装置30が第1遊星歯車装置に相当し、遊星歯車装置28が第2遊星歯車装置に相当する。
【0017】
上記出力部材32は、第1クラッチ38を介して前記差動装置18のキャリア18cに連結されるとともに、第2クラッチ40を介してサンギヤ18sに連結されるようになっている。これらのクラッチ38,40は、何れも油圧アクチュエータによって摩擦係合させられるスリップ係合可能な多板式の摩擦係合装置で、コントローラ42によって油圧回路44が切り換えられることによりそれぞれ係合或いは解放されるとともに、必要に応じて油圧制御が行われることによりスリップ係合時の伝達トルクが制御される。そして、例えば中低速走行中の右旋回時に第1クラッチ38を係合させて外側の左後輪20の駆動力を増加させたり、中低速走行中の左旋回時に第2クラッチ40を係合させて外側の右後輪22の駆動力を増加させたりすることにより、旋回性能を向上させることができる。また、高速走行中の右旋回時に第2クラッチ40を係合させて内側の右後輪22の駆動力を増加させたり、高速走行中の左旋回時に第1クラッチ38を係合させて内側の左後輪20の駆動力を増加させたりすることにより、走行安定性を向上させることができる。
【0018】
このような本実施例の駆動力分配機構10によれば、駆動源12から伝達される駆動力によって差動装置18のリングギヤ18rと一体的に回転駆動される連結部材24の回転を0.84程度の一定の変速比で変速し、第1クラッチ38または第2クラッチ40を介してキャリア18cまたはサンギヤ18sへ伝達することにより、左右の駆動輪20,22のトルク配分を制御するため、変速機構26は一定の変速比で変速するだけで良く、簡単且つコンパクトに構成される。すなわち、ダブルピニオンプラネタリ式差動装置18を採用しているため、その右側に配設される単一の変速機構26の出力を、ダブルピニオンプラネタリ式遊星歯車装置18のキャリア18cまたはサンギヤ18sを介して左右の駆動輪20または22に伝達できるのである。
【0019】
また、本実施例の変速機構26は、一対の遊星歯車装置28および30を組み合わせたもので、ダブルピニオンプラネタリ式差動装置18に隣接して同軸に配設されているため、装置が全体として一層コンパクトに構成される。
【0020】
次に、本発明の他の実施例を説明する。なお、以下の実施例において上記第1実施例と実質的に共通する部分には同一の符号を付して詳しい説明を省略する。
【0021】
図2の駆動力分配機構50は、FF車両の左右前輪52および54に駆動力を分配するもので、エンジン等の駆動源から変速機56および円筒歯車58,60を介してダブルピニオンプラネタリ式差動装置18のリングギヤ18rに駆動力が伝達されるようになっており、その差動装置18のキャリア18cおよびサンギヤ18sを介して左右の前輪52および54に駆動力が均等に分配される。リングギヤ18rには連結部材24を介して変速機構62が連結されている。この変速機構62は、前記遊星歯車装置28および30を組み合わせたものであるが、遊星歯車装置28のリングギヤ28rが連結部材24に連結され、遊星歯車装置30のリングギヤ30rが出力部材32に連結されている。
【0022】
したがって、リングギヤ18rと一体回転させられるリングギヤ28rの回転は、遊星歯車装置28のギヤ比ρ28に応じて減速されてキャリア28cからキャリア30cに伝達され、そのキャリア30cの回転は遊星歯車装置30のギヤ比ρ30に応じて増速されてリングギヤ30rから出力部材32に伝達される。遊星歯車装置28のギヤ比ρ28は0.66程度で、その変速比は1.66程度である一方、遊星歯車装置30のギヤ比ρ30は0.4程度で、その変速比は0.71程度であり、変速機構62全体の変速比は1.66×0.71=1.18程度となる。すなわち、連結部材24の回転数に対して、15%程度減速して出力部材32を回転駆動することになる。本実施例では、遊星歯車装置28が第1遊星歯車装置に相当し、遊星歯車装置30が第2遊星歯車装置に相当する。
【0023】
この場合は、変速機構62の出力部材32が差動装置18のリングギヤ18rよりも遅い速度で回転させられるため、例えば右旋回時に第2クラッチ40を係合させることにより、右前輪54の駆動力を低下させるとともに左前輪52の駆動力を増大させたり、左旋回時に第1クラッチ38を係合させることにより、左前輪52の駆動力を低下させるとともに右前輪54の駆動力を増大させたりして、FF車両の特性であるアンダーステアを抑制して走行安定性を向上させることができる。なお、駆動力分配機構50を簡単且つコンパクトに構成できる点は、前記第1実施例と同様である。
【0024】
図3はペラレス式の4輪駆動車両で、前輪70および72は、通常のFF車両と同様にエンジン74により自動変速機76およびフロント差動装置78を介して回転駆動される一方、後輪80および82は電動モータ84により本発明の一実施例である駆動力分配機構86を介して回転駆動される。駆動力分配機構86は、例えば図2の駆動力分配機構50と同様に構成され、駆動源としての電動モータ84は前記変速機56の代わりに配設される。エンジン76はコントローラ88によって制御されるとともに、電動モータ84はコントローラ88によりインバータ90を介して制御されるようになっている。インバータ90にはジェネレータ92および蓄電装置94が接続されており、ジェネレータ92によって発生させられた電気エネルギーや蓄電装置94の電気エネルギーで電動モータ84を作動させるとともに、ジェネレータ92や電動モータ84で発生させられた電気エネルギーを蓄電装置94に充電するようになっている。このような4輪駆動車両は、左右の後輪80,82をそれぞれ別個の電動モータで独立に駆動する場合に比較して、低コストでコンパクトに構成される。
【0025】
図4の駆動力分配機構100は、前記図1の駆動力分配機構10に比較して変速機構102の構成が異なる。この変速機構102は、一対の遊星歯車装置28,30のリングギヤ28rおよび30rが一体的に連結され、キャリア30cが入力部材としての連結部材24に連結され、キャリア28cが出力部材32に連結されている。したがって、リングギヤ18rと一体回転させられるキャリア30cの回転は、遊星歯車装置30のギヤ比ρ30に応じて増速されてリングギヤ30rからリングギヤ28rに伝達され、そのリングギヤ28rの回転は遊星歯車装置28のギヤ比ρ28に応じて減速されてキャリア28cから出力部材32に伝達される。この場合の遊星歯車装置30の増速比、遊星歯車装置28の減速比、および変速機構102全体の変速比は図2の変速機構50と同じで、遊星歯車装置28は第1遊星歯車装置に相当し、遊星歯車装置30は第2遊星歯車装置に相当する。
【0026】
図5の駆動力分配機構110は、前記図2の駆動力分配機構50に比較して変速機構112の構成が異なる。この変速機構112は平行2軸式で、前記変速機56の出力軸114には前記円筒歯車58とは別に円筒歯車116が取り付けられ、出力部材32に一体的に設けられた円筒歯車118と噛み合わされている。円筒歯車116は円筒歯車58よりも小径で、出力部材32は差動装置18のリングギヤ18r(円筒歯車60)よりも10%〜25%程度だけ遅い回転速度で回転させられる。これにより、機能的には図2の駆動力分配機構50と同様の作用が得られるが、本実施例では一対の歯車116,118によって変速機構112が構成されているため、軸方向すなわち図5の左右方向の寸法を小さくできる。但し、変速機56の軸線上に歯車116を配設する必要があるため、車両の搭載スペースや強度条件などを総合的に判断して、駆動力分配機構50または110を適宜選択することになる。上記円筒歯車116は入力部材に相当する。
【0027】
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明は他の態様で実施することもできる。
【0028】
例えば、前記実施例では一対のサンギヤ28sおよび30sを反力受け要素としてケース36に固定した場合について説明したが、一対のキャリア28cおよび30c、或いはリングギヤ28rおよび30rを反力受け要素としてケース36に固定するようにしても良い。
【0029】
また、前記実施例では変速機構26、62、102、112が何れも差動装置18の右側に配設されていたが、例えばサンギヤ18sが左側の駆動輪に連結されている場合には、それ等の変速機構26等を差動装置18の左側に配設できる。
【0030】
また、前記実施例では差動装置18のキャリア18cが左車輪20または52に連結され、サンギヤ18sが右車輪22または54に連結されていたが、キャリア18cを右車輪22または54に連結し、サンギヤ18sを左車輪20または52に連結するようにしても良い。
【0031】
その他一々例示はしないが、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更,改良を加えた態様で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である左右輪駆動力分配機構の骨子図である。
【図2】本発明の別の実施例を説明する骨子図である。
【図3】本発明がペラレス式の4輪駆動車両に適用された場合を説明する図である。
【図4】本発明の更に別の実施例を説明する骨子図である。
【図5】本発明の更に別の実施例を説明する骨子図である。
【符号の説明】
10、50、86、100、110:駆動力分配機構
12:駆動源
18:ダブルピニオンプラネタリ式差動装置
24:連結部材(入力部材)
26、62、102、112:変速機構
28,30:遊星歯車装置
32:出力部材
38:第1クラッチ
40:第2クラッチ
84:電動モータ(駆動源)
116:円筒歯車(入力部材)
Claims (2)
- 駆動源から伝達された駆動力を左右の駆動輪に分配する分配機構であって、
前記駆動力によってリングギヤが回転駆動されることにより、前記左右の駆動輪の一方および他方に連結されたキャリアおよびサンギヤへ該駆動力を分配するダブルピニオンプラネタリ式差動装置と、
前記駆動力によって回転駆動される入力部材の回転を予め定められた一定の変速比で変速し、前記ダブルピニオンプラネタリ式差動装置のリングギヤと異なる回転速度で出力部材を回転させる単一の変速機構と、
前記出力部材と前記ダブルピニオンプラネタリ式差動装置のキャリアとの間でトルクを伝達、遮断するスリップ係合可能な第1クラッチと、
前記出力部材と前記ダブルピニオンプラネタリ式差動装置のサンギヤとの間でトルクを伝達、遮断するスリップ係合可能な第2クラッチと
を有することを特徴とする左右輪駆動力分配機構。 - 前記変速機構は、所定の減速比で減速する第1遊星歯車装置と、所定の増速比で増速する第2遊星歯車装置とを組み合わせたもので、前記ダブルピニオンプラネタリ式差動装置と同軸に配設されるとともに、入力部材が該ダブルピニオンプラネタリ式差動装置のリングギヤに一体的に連結されて回転駆動されることにより、該入力部材の回転を前記一定の変速比で変速して出力部材から出力するものである
ことを特徴とする請求項1に記載の左右輪駆動力分配機構。
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