JP3774905B2 - 燃料噴射ポンプの噴射時期制御装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、内燃機関の運転に伴い燃料を燃料噴射ノズルに圧送する燃料噴射ポンプを備え、その燃料噴射時期を制御する燃料噴射ポンプの噴射時期制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の噴射時期制御装置では、所望のタイミングで燃料噴射ノズルから燃料噴射させるべく、燃料噴射ポンプのタイマにて燃料噴射時期が制御されるようになっており、従来より内燃機関の排気ガス(エミッション)の改善や出力の最適化のために多種多様な技術が提案されている。例えば、実際のタイマ位置を検出すると共に、該タイマ位置と機関運転状態から求められる目標タイマ位置との偏差をなくすよう、フィードバック制御を実施する噴射時期制御装置がある。しかしながら、このようなタイマ位置フィードバックを行う制御装置では、経時変化等による目標噴射時期と実際の噴射時期(実噴射時期)とのずれを補正することができない。具体的には、燃料噴射ノズルの劣化に起因する開弁圧変化時や、燃料温度の低温化,燃料の高粘性化に起因する噴射管内の残圧変化時には、燃料の圧送開始が早くなったり管内圧が高くなったりして、実噴射時期が進み側へずれる。また、燃料噴射ポンプ内での加圧漏れ時には、実噴射時期が遅れ側にずれる。この場合、最適な噴射時期制御を実現することはできない。
【0003】
また、上記タイマ位置フィードバック制御を行う噴射時期制御装置に対して、燃料噴射ノズルの針弁リフト量から求めた実噴射時期と、機関運転状態に応じて求めた目標噴射時期との偏差をなくすべく、フィードバック制御を実施するものがある。すなわち、この装置では、燃料噴射ノズルに設けた針弁リフトセンサにより実噴射時期を検出し、その実噴射時期を噴射時期制御に反映させている。このような噴射時期制御では、その制御精度をより一層精密にすることができる。例えば、特開昭62−210242号公報の噴射時期制御装置では、燃料噴射ノズルの開弁圧の低下を検出し、該開弁圧の低下量に相当する噴射時期補正を実施している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記のような実噴射時期のフィードバック制御であっても最適な噴射時期制御を実現することはできない。これは以下の理由による。図8は、目標噴射時期の噴射率曲線(図8の”A”)に対して実噴射時期が進み側にずれた場合の噴射率曲線(図8の”B”)と、実噴射時期が遅れ側にずれた場合の噴射率曲線(図8の”C”)とを示した図であり、その上段が補正前、下段が補正後の噴射率曲線である。この図8によれば、噴射率曲線が図8上段の”B”や”C”のように変化した場合、下段に示す如く噴射時期(噴射開始タイミング)を合わせただけでは、噴射終了タイミングに依然大きなずれが残る等、噴射時期補正が不十分であることが分かる。その結果、所望の燃焼を得られないという問題が生じる。
【0005】
この発明は、上記問題に着目してなされたものであって、その目的とするところは、噴射率の特性に基づいて適切に噴射時期フィードバック制御を行い、最適燃焼を実現することができる燃料噴射ポンプの噴射時期制御装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明では噴射時期の進み側若しくは遅れ側へのずれとその時の噴射率特性との関係に従い、噴射時期補正を実施している。つまり、上述の図8から分かるように、噴射時期が進み側にずれる場合(曲線Bの場合)、噴射期間が短くなると共に噴射率のピークが高くなり、噴射率の重心位置は実噴射時期と目標噴射時期とのずれよりも進み側にずれる。これは、上述したように実噴射時期の進み側へのずれが燃料の圧送開始の早期化や管内圧の上昇に起因するためである。また、逆に噴射時期が遅れ側にずれる場合(曲線Cの場合)、噴射期間が長くなると共に噴射率のピークが低くなり、噴射率の重心位置は実噴射時期と目標噴射時期とのずれよりも遅れ側にずれる。これは、実噴射時期の遅れ側へのずれが燃料噴射ポンプ内での燃料漏れに起因するためである。このことから、本発明では、噴射率の重心位置に着目して以下の如く噴射時期制御装置を構成する。
【0007】
請求項1に記載の発明では、図9に示すように、内燃機関M1の運転に伴い燃料の吸入及び加圧を行い、該加圧された高圧燃料を燃料噴射ノズルM2に供給する燃料噴射ポンプM3と、前記燃料噴射ノズルM2による実際の燃料噴射開始時期を検出するとともに、その検出結果に基づいて実噴射期間を演算する実噴射期間検出手段M4と、前記燃料噴射ポンプM3に設けられ、該燃料噴射ポンプM3による噴射開始時期を調整するためのタイマM5と、機関運転状態に応じて目標噴射開始時期及び目標噴射終了時期を演算する目標噴射期間演算手段M6と、前記実噴射期間検出手段M4により検出された実噴射期間での噴射率の重心位置が、前記目標噴射開始演算手段M6により演算された目標噴射期間での噴射率の重心位置よりも進み側若しくは遅れ側にある場合に、それら実噴射期間での重心位置と目標噴射期間での重心位置とが一致するよう、前記目標噴射開始時期を補正する噴射時期補正手段M7と、前記噴射時期補正手段M7による補正後の噴射開始時期に基づいて前記タイマM5を制御する噴射時期制御手段M8とを備えたことを要旨としている。
【0008】
請求項2に記載の発明では、前記噴射時期補正手段M7は、実噴射開始時期が目標噴射開始時期よりも進み側若しくは遅れ側にあれば両者の差分よりも大きな量の補正を行う。
【0009】
請求項3に記載の発明では、前記噴射時期補正手段M7は、内燃機関M1の運転負荷が大きいほど若しくは機関回転数が小さいほど、前記補正の量を過剰方向に大きくする。
【0010】
請求項4に記載の発明は、燃料噴射ポンプM3には、内燃機関M1の基準クランク角度に対するポンプ基準角度が設定される請求項1〜3に記載の燃料噴射ポンプの噴射時期制御装置において、前記燃料噴射ポンプM3の実際のポンプ基準角度を検出する実基準角度検出手段と、前記実基準角度検出手段による実際のポンプ基準角度と、予め設定されている目標ポンプ基準角度とのずれを演算する基準角度ずれ量演算手段とを備え、前記目標噴射期間演算手段M6は、前記ポンプ基準角度に対する目標噴射開始時期及び目標噴射終了時期を演算し、前記噴射時期補正手段M7は、前記基準角度ずれ量演算手段によるポンプ基準角度のずれ量に応じて前記目標噴射開始時期を補正する。
請求項5に記載の発明では、図9に示すように、内燃機関M1の運転に伴い燃料の吸入及び加圧を行い、該加圧された高圧燃料を燃料噴射ノズルM2に供給する燃料噴射ポンプM3と、前記燃料噴射ノズルM2による実際の燃料噴射時期を検出するための実噴射時期検出手段M4と、前記燃料噴射ポンプM3に設けられ、該燃料噴射ポンプM3による噴射時期を調整するためのタイマM5と、機関運転状態に応じて目標噴射時期を演算する目標噴射時期演算手段M6と、前記実噴射時期検出手段M4により検出された実噴射時期に前記燃料噴射ノズルによって燃料噴射が行われた際の実噴射率の重心位置が、前記目標噴射時期演算手段M6により演算された目標噴射時期に前記燃料噴射ノズルによって燃料噴射が行われた際の目標の噴射率の重心位置よりも進み側若しくは遅れ側にある場合に、それら実際の噴射率の重心位置と目標の噴射率の重心位置とを一致させるための係数を算出し、この係数に基づいて前記目標噴射時期を補正する噴射時期補正手段M7と、前記噴射時期補正手段M7による補正後の噴射時期に基づいて前記タイマM5を制御する噴射時期制御手段M8とを備えたことを要旨としている。
請求項6に記載の発明では、前記噴射時期補正手段M7は、実噴射時期が目標噴射時期よりも進み側若しくは遅れ側にあれば両者の差分よりも大きな量の補正を行う。
請求項7に記載の発明では、前記噴射時期補正手段M7は、内燃機関M1の運転負荷が大きいほど若しくは機関回転数が小さいほど、前記補正の量を過剰方向に大きくするように前記係数を算出する。
請求項8に記載の発明は、燃料噴射ポンプM3には、内燃機関M1の基準クランク角度に対するポンプ基準角度が設定される請求項5〜7に記載の燃料噴射ポンプの噴射時期制御装置において、前記燃料噴射ポンプM3の実際のポンプ基準角度を検出する実基準角度検出手段と、前記実基準角度検出手段による実際のポンプ基準角度と、予め設定されている目標ポンプ基準角度とのずれを演算する基準角度ずれ量演算手段とを備え、前記目標噴射時期演算手段M6は、前記ポンプ基準角度に対する目標噴射時期を演算し、前記噴射時期補正手段M7は、前記基準角度ずれ量演算手段によるポンプ基準角度のずれ量に応じて前記目標噴射時期を補正する。
【0011】
【作用】
請求項1に記載の発明によれば、燃料噴射ポンプM3は、内燃機関M1の運転に伴い燃料の吸入及び加圧を行い、該加圧された高圧燃料を燃料噴射ノズルM2に供給する。実噴射期間検出手段M4は、燃料噴射ノズルM2による実際の燃料噴射期間(実噴射開始時期及び実噴射終了時期)を検出する。目標噴射期間演算手段M6は、機関運転状態に応じて目標噴射期間(目標噴射開始時期及び目標噴射終了時期)を演算する。噴射時期補正手段M7は、実噴射期間検出手段M4により検出された実噴射期間での噴射率の重心位置が、目標噴射期間演算手段M6により演算された目標噴射期間での噴射率の重心位置よりも進み側若しくは遅れ側にある場合に、それら実噴射期間での重心位置と目標噴射期間での重心位置とが一致するよう、目標噴射開始時期を補正する。噴射時期制御手段M8は、噴射時期補正手段M7による補正後の噴射開始時期に基づいてタイマM5を制御する。
【0012】
要するに、燃料噴射ノズルM2の劣化等、経時変化に伴う目標噴射期間と実噴射期間とのずれが生じる場合、噴射率の特性が変化し、噴射率の重心位置が進み側或いは遅れ側にずれる。しかし、本構成によれば、目標噴射期間での噴射率の重心位置と実噴射期間での噴射率の重心位置とを一致させるべく噴射開始時期を補正するため、噴射率特性が変化しても、所望の燃焼が実現される。
【0013】
請求項2に記載の発明によれば、噴射時期補正手段M7は、実噴射開始時期が目標噴射開始時期よりも進み側若しくは遅れ側にあれば両者の差分よりも大きな量の補正を行う。つまり、上述したように、噴射率の重心位置は、噴射開始時期が進み側にずれる場合には実噴射開始時期と目標噴射開始時期との差分よりもさらに進み側にずれ、逆に、噴射開始時期が遅れ側にずれる場合には実噴射開始時期と目標噴射開始時期との差分よりもさらに遅れ側にずれる。従って、上記両噴射開始時期の偏差よりも過剰に補正を行うことで、より正確な噴射時期補正が可能となる。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、噴射時期補正手段M7は、内燃機関M1の運転負荷が大きいほど若しくは機関回転数が小さいほど、前記補正の量を過剰方向に大きくする。つまり、内燃機関M1の運転負荷が大きい時や機関回転数が小さい時には、燃料圧の上昇や燃料漏れによる噴射率の変化(重心位置のずれ)が大きくなるが、上記補正を行うことで、より適切な噴射時期制御が実現される。
【0015】
請求項4に記載の発明によれば、実基準角度検出手段は、内燃機関M1の基準クランク角度に対する燃料噴射ポンプM3の実際のポンプ基準角度を検出する。基準角度ずれ量検出手段は、実基準角度検出手段による実際のポンプ基準角度と、予め設定されている目標ポンプ基準角度とのずれを演算する。目標噴射期間演算手段M6は、ポンプ基準角度に対する目標噴射開始時期及び目標噴射終了時期を演算し、噴射時期補正手段M7は、基準角度ずれ量演算手段によるポンプ基準角度のずれ量に応じて目標噴射開始時期を補正する。つまり、内燃機関M1の基準クランク角度に対する目標噴射期間にて燃料噴射ポンプM3による噴射開始時期を制御する場合、燃料噴射ポンプM3の組付誤差等、固体差等により噴射時期のずれを生じることがある。しかし、本構成によれば、それらの不都合が解消される。
請求項5に記載の発明によれば、燃料噴射ポンプM3は、内燃機関M1の運転に伴い燃料の吸入及び加圧を行い、該加圧された高圧燃料を燃料噴射ノズルM2に供給する。実噴射時期検出手段M4は、燃料噴射ノズルM2による実際の燃料噴射時期を検出する。目標噴射時期演算手段M6は、機関運転状態に応じて目標噴射時期を演算する。噴射時期補正手段M7は、実噴射時期検出手段M4により検出された実噴射時期に前記燃料噴射ノズルによって燃料噴射が行われた際の実噴射率の重心位置が、目標噴射時期演算手段M6により演算された目標噴射時期に前記燃料噴射ノズルによって燃料噴射が行われた際の目標噴射率の重心位置よりも進み側若しくは遅れ側にある場合に、それら実際の噴射率の重心位置と目標の噴射率の重心位置とを一致させるための係数を算出し、この係数に基づいて目標噴射時期を補正する。噴射時期制御手段M8は、噴射時期補正手段M7による補正後の噴射時期に基づいてタイマM5を制御する。
要するに、燃料噴射ノズルM2の劣化等、経時変化に伴う目標噴射時期と実噴射時期とのずれが生じる場合、噴射率の特性が変化し、噴射率の重心位置が進み側或いは遅れ側にずれる。しかし、本構成によれば、目標噴射時期に燃料噴射ノズルによって燃料噴射が行われた際の目標噴射率の重心位置と、実噴射時期に燃料噴射ノズルによって燃料噴射が行われた際の実噴射率の重心位置とを一致させるための係数を算出し、この係数に基づいて目標噴射時期を補正するため、噴射率特性が変化しても、所望の燃焼が実現される。
請求項6に記載の発明によれば、噴射時期補正手段M7は、実噴射時期が目標噴射時期よりも進み側若しくは遅れ側にあれば両者の差分よりも大きな量の補正を行う。つまり、上述したように、噴射率の重心位置は、噴射時期が進み側にずれる場合には実噴射時期と目標噴射時期との差分よりもさらに進み側にずれ、逆に、噴射時期が遅れ側にずれる場合には実噴射時期と目標噴射時期との差分よりもさらに遅れ側にずれる。従って、上記両噴射時期の偏差よりも過剰に補正を行うことで、より正確な噴射時期補正が可能となる。
請求項7に記載の発明によれば、噴射時期補正手段M7は、内燃機関M1の運転負荷が大きいほど若しくは機関回転数が小さいほど、前記補正の量を過剰方向に大きくするように前記係数を算出する。つまり、内燃機関M1の運転負荷が大きい時や機関回転数が小さい時には、燃料圧の上昇や燃料漏れによる噴射率の変化(重心位置のずれ)が大きくなるが、上記補正を行うことで、より適切な噴射時期制御が実現される。
請求項8に記載の発明によれば、実基準角度検出手段は、内燃機関M1の基準クランク角度に対する燃料噴射ポンプM3の実際のポンプ基準角度を検出する。基準角度ずれ量検出手段は、実基準角度検出手段による実際のポンプ基準角度と、予め設定されている目標ポンプ基準角度とのずれを演算する。目標噴射時期演算手段M6は、ポンプ基準角度に対する目標噴射時期を演算し、噴射時期補正手段M7は、基準角度ずれ量演算手段によるポンプ基準角度のずれ量に応じて目標噴射時期を補正する。つまり、内燃機関M1の基準クランク角度に対する目標噴射時期にて燃料噴射ポンプM3による噴射時期を制御する場合、燃料噴射ポンプM3の組付誤差等、固体差等により噴射時期のずれを生じることがある。しかし、本構成によれば、それらの不都合が解消される。
【0016】
【実施例】
以下、この発明をディーゼルエンジン用燃料噴射ポンプの燃料噴射制御装置に具体化した一実施例を図面に従って説明する。
【0017】
図1は、本実施例における燃料噴射制御装置の概略構成を示している。図1に示す電磁スピル式分配型の燃料噴射ポンプ1において、ポンプハウジング2にはドライブシャフト3が回転可能に支持されており、このドライブシャフト3の一端部はポンプハウジング2の外部に露出している。ポンプハウジング2内にはベーン式フィードポンプ4(図1には90度展開して示す)が設けられており、同フィードポンプ4はドライブシャフト3の回転により燃料を吸い上げて燃料室5に送る。ドライブシャフト3には、外周面に複数の歯を有するパルサ6が取り付けられ、さらにその先端部には図示しないカップリングを介してカムプレート7が接続されている。
【0018】
パルサ6とカムプレート7との間には、ローラリング8が配置され、同ローラリング8にはカムプレート7のフェイスカム7aに対向する複数のカムローラ9が取り付けられている。フェイスカム7aはディーゼルエンジンの気筒数と同数だけ設けられている。カムプレート7はスプリング12によって常にカムローラ9に付勢接触している。ポンプハウジング2の右側部に配設されたシリンダ10には、プランジャ11が配置され、プランジャ11はカムプレート7に一体回転可能に支持されている。従って、カムプレート7及びプランジャ11はドライブシャフト3の回転に伴い回転運動すると共に、カムローラ9によって図中左右方向に往復運動する。このとき、プランジャ11の回転及び往復運動により吸入通路13を通して燃料が加圧室14に吸入されて加圧される。そして、その加圧燃料が分配通路15、デリバリバルブ16を通してエンジン33の燃料噴射ノズル34に供給される。
【0019】
また、前記吸入通路13(燃料室5と加圧室14との連通路)の途中には、燃料カット弁(FCV)17が配置されている。この燃料カット弁17は、コイル18の通電(オン)により弁体19を開放位置に移動させ、燃料室5から加圧室14への燃料の吸入を許容する。また、コイル18の非通電(オフ)時には弁体19を閉鎖位置に移動させて燃料の吸入を停止させる。
【0020】
さらに、ポンプハウジング2には、燃料室5と加圧室14とを連通するスピル通路20が形成されており、同スピル通路20の途中には電磁スピル弁21が配置されている。この電磁スピル弁21は、コイル22の非通電(オフ)時には弁体23を開放位置に移動させて加圧室14内の燃料をスピル通路20を通じて燃料室5へスピルさせる。また、コイル22の通電(オン)時には弁体23を閉鎖位置に移動させ、加圧室14から燃料室5への燃料のスピルを停止させる。この電磁スピル弁21の開閉動作により後述する燃料噴射ノズル34の燃料噴射量が所定量に調整されるようになっている。
【0021】
さらに、ポンプ下部には、燃料噴射時期を調整するための油圧式タイマ25(図1では90度展開して示す)が内蔵されている。同タイマ25は燃料室5の燃料圧によって作動するものであり、タイマハウジング26内に配置されたタイマピストン27は、スライドピン28を介して前記ローラリング8と連結されている。そして、タイマピストン27は、フィードポンプ4による送油圧の変化とタイマスプリング29のバネ力とのバランスにより図示左右方向に摺動し、この動きによりローラリング8が回転する。
【0022】
タイマ25の燃料圧力は、デューティ比制御によるタイマ制御弁(TCV)30の開閉動作により調整される。そして、タイマ制御弁30による燃料圧力調整に伴いタイマピストン27の位置が調整される。そして、ローラリング8の回転に応じてプランジャ11のリフトタイミングが調整され、燃料噴射時期が制御される。なお、タイマ制御弁30の駆動(オン)時間が長い程、すなわち指令デューティ比信号が大きい程、燃料噴射時期は遅角側に制御され、駆動(オン)時間が短い程、すなわち指令デューティ比信号が小さい程、燃料噴射時期は進み側に制御される。
【0023】
ポンプハウジング2内の燃料室5には、電磁ピックアップコイルよりなる回転角センサ31が設けられている。回転角センサ31は、磁性体からなるパルサ6の外周部に設けられた歯の通過を検知する。なお、パルサ6には、例えば3.75°(7.5°CAに相当する)毎に凸状の歯が形成されると共に、エンジン気筒数と同数だけ、等間隔に前記歯を数個切り欠いた欠歯部が設けられている。従って、ドライブシャフト3と共にパルサ6が回転すると、回転角センサ31は歯の通過毎にパルス信号を出力する。ここで、パルサ6は、プランジャ11によって加圧室14が最小となるポンプTDC位置(ポンプ基準角度)で欠歯部の1つが回転角センサ31に接近してポンプTDC信号が出力されるよう、その相対位置が設定されている。
【0024】
一方、エンジン33には、燃料噴射ポンプ1から圧送される燃料をエンジン33に噴射供給するための燃料噴射ノズル34が配設されている。燃料噴射ノズル34には、針弁リフトに伴う渦損失を計測する針弁リフトセンサ35が設けられており、同リフトセンサ35は針弁リフト量に対応した電圧信号を出力する。また、エンジン33の周辺には、アクセル開度を検出するアクセルセンサ36、エンジン冷却水の温度を検出する水温センサ37、及びエンジンTDC信号(基準クランク角度信号)を出力するエンジンTDCセンサ38が設けられている。
【0025】
電子制御装置(以下、ECUという)40は、CPU、メモリ、入出力インターフェイス等を備えたマイクロコンピュータ(図示略)を中心に構成されている。ECU40は、回転角センサ31、アクセルセンサ36、水温センサ37及びエンジンTDCセンサ38等の各種センサからの入力信号に基づいてエンジン運転情報を検知する。また、ECU40は、針弁リフトセンサ35の出力信号に基づいて実際に燃料噴射が開始されるタイミング(実噴射時期)を検出する。
【0026】
なお、本実施例では、針弁リフトセンサ35及びECU40により実噴射時期検出手段が構成され、ECU40により目標噴射時期演算手段,噴射時期補正手段,噴射時期制御手段が構成されている。また、回転角センサ31により実基準角度検出手段が構成され、ECU40により基準角度ずれ量演算手段が構成されている。
【0027】
次いで、上記のように構成された燃料噴射制御装置の作用を説明する。
図2は本実施例における燃料噴射時期制御ルーチンを示したフローチャートであり、同ルーチンはECU40によって所定時間毎に実行される。図3は燃料噴射に関する各種信号を示したタイミングチャートである。
【0028】
先ず図3を用いて本燃料噴射制御の概略を説明する。図3において、実際のポンプTDCはエンジンTDCに対してθT (以下、TDC実進角量θT とする)だけ進角側にずれている。また、設計上ではθTO(以下、TDC目標進角量θTOとする)の進角が予め与えられている。このとき、実ポンプTDCと設計上の目標ポンプTDCとはΔθT (以下、第1の進角補正量ΔθT とする)だけずれることになる。
【0029】
また、目標噴射時期θPO及び実噴射時期θP は実際のポンプTDCに対して設定され、両噴射時期の差(θPO−θP )が第2の進角補正量ΔθP となっている。そして、前記第1の進角補正量ΔθT と第2の進角補正量ΔθP とにより噴射時期補正が実施される。
【0030】
以下、図2のフローチャートに従い燃料噴射時期制御ルーチンを説明する。さて、本ルーチンがスタートすると、ECU40は、先ずステップ100〜106で各種センサの検出データを入力する。詳しくは、ステップ100では回転角センサ31の検出結果に基づくエンジン回転数データが、ステップ101ではアクセルセンサ36の検出結果に基づくアクセル開度データが、ステップ102では水温センサ37の検出結果に基づく冷却水温データが、ステップ103ではエンジンTDCセンサ38の検出結果に基づくエンジンTDCデータが、ステップ104では回転角センサ31の検出結果に基づく実ポンプTDCデータが、ステップ105では同じく回転角センサ31の検出結果に基づくポンプ位相角度データが、ステップ106では針弁リフトセンサ35の検出結果に基づく燃料噴射ノズル34の針弁リフトデータが、それぞれ入力される。
【0031】
その後、ECU40は、ステップ107で予め設定されているTDC目標進角量θTOと、上記ステップ103,104の入力データ(エンジンTDCデータ,実ポンプTDCデータ)から求められるTDC実進角量θT とを読み込む。そして、ECU40は、続くステップ108で上記TDC目標進角量θTOからTDC実進角量θT を減算して第1の進角補正量ΔθT を算出する(ΔθT =θTO−θT )。ここで、第1の進角補正量ΔθT は、燃料噴射ポンプ1の組付時におけるパルサ6,ローラリング8等の組付誤差に相当し、該誤差がなければ上記TDC目標進角量θTO及びTDC実進角量θT が一致しΔθT =0になる。
【0032】
また、ECU40は、ステップ109でポンプTDCに対する目標噴射時期θPOと、同じくポンプTDCに対する実噴射時期θP とを算出する。ここで、目標噴射時期θPOは、メモリに記憶されている算出マップを用いその時のエンジン回転数とアクセル開度と冷却水温とに応じて求められる。また、実噴射時期θP は針弁リフトセンサ35による針弁リフト信号の微分にて求められる。続いて、ECU40は、ステップ110で上記目標噴射時期θPOから実噴射時期θP を減算して第2の進角補正量ΔθP を算出する(ΔθP =θPO−θP )。
【0033】
その後、ECU40は、ステップ111で第1の進角補正量ΔθT に、第2の進角補正量ΔθP を係数α倍(但し、1<α<2)した補正量を加算して最終進角補正量Δθを求める(Δθ=ΔθT +α・ΔθP )。ここで、係数αは、目標噴射率の重心位置と実噴射率の重心位置とを一致させるための係数であり、図4のテーブルを用いて算出される。図4のテーブルでは、負荷(アクセル開度)が大きいほど、又はエンジン回転数が小さいほど、係数αが大きくなるように設定されている。これは、エンジン負荷が大きい時やエンジン回転数が小さい時には、燃料圧の上昇や燃料漏れによる噴射率の変化(重心位置のずれ)が大きくなるためである。
【0034】
最後に、ECU40は、ステップ112で最終進角補正量Δθを出力し、タイマ制御弁30を駆動させる。
次いで、上記処理により得られる効果について図5を用いて説明する。図5(a)は実噴射時期が目標噴射時期よりも進み側にある場合を、図5(b)は同じく遅れ側にある場合を示している。また、図5(a),(b)において、実線は目標噴射率曲線を、破線は実際の噴射率曲線を示すと共に、その上段は補正前の噴射率曲線を、下段は補正後の噴射率曲線を示している。この図5(a),(b)によれば、噴射時期を遅れ側若しくは進み側に補正する場合において、目標噴射時期と実噴射時期との差(ΔθP )よりも大きな値(α・ΔθP )にて補正が行われているのが分かる。
【0035】
つまり、図5(a)の場合、実際の噴射率曲線(破線)では目標の噴射率曲線(実線)よりも噴射期間が短く、また、実際の噴射率曲線のピークは目標の噴射率曲線のピークよりも高くなっている。すなわち、噴射率の重心位置は噴射時期の進み量よりもさらに進み側にずれている。これは、実噴射時期が進み側にずれる理由が、主に燃料噴射ノズル34の劣化等に起因する燃料噴射開始の早期化や管内圧の上昇によるためである。従って、この場合、目標噴射時期と実噴射時期との差(ΔθP )だけを補正したのでは、不十分であり、実際の噴射率曲線に基づいた過剰な補正が行われている。
【0036】
一方、図5(b)の場合、実際の噴射率曲線(破線)では目標の噴射率曲線(実線)よりも噴射期間が長く、また、実際の噴射率曲線のピークは目標の噴射率曲線のピークよりも低くなっている。すなわち、噴射率の重心位置は噴射時期の遅れ量よりもさらに遅れ側にずれている。これは、実噴射時期が遅れ側にずれる理由が、主に燃料噴射ポンプ1におけるプランジャ11周りの燃料漏れ等によるためであり、この場合にも上記同様、過剰補正が行われている。
【0037】
以上詳述したように本実施例の噴射時期制御装置によれば、実噴射時期が目標噴射時期よりも進み側或いは遅れ側にある場合、両噴射時期の差分よりも大きな量の補正を行うようにした。その結果、実噴射時期に燃料噴射が行われた際の実噴射率の重心位置と、目標噴射時期に燃料噴射が行われた際の目標噴射率の重心位置とをほぼ一致させることができ、燃料噴射ノズル34の劣化時等、噴射率の特性が変化する場合であっても適切に噴射時期フィードバック制御を行うことができる。そして、最適燃焼を実現することができる。
【0038】
また、本実施例では、エンジン負荷が大きいほど若しくはエンジン回転数が小さいほど、補正量を過剰方向に大きくした。つまり、エンジン負荷が大きい時やエンジン回転数が小さい時には、燃料圧の上昇や燃料漏れによる噴射率の変化が大きくなるが、上記補正を行うことで、より適切な噴射時期制御を実現することができる。
【0039】
さらに、本実施例では、実ポンプTDCと目標ポンプTDCとのずれを演算し、該ずれ量を噴射時期補正に反映させた。つまり、エンジンTDCに対する目標噴射時期にて燃料噴射ポンプ1による噴射時期を制御する場合、燃料噴射ポンプ1の組付誤差による固体差等により噴射時期のずれを生じることがあるが、本構成によれば、それらの不都合が解消される。
【0040】
(第2実施例)
以下、第2実施例における噴射時期制御装置について、第1実施例との相違点を中心に説明する。
【0041】
図6のフローチャートは、第2実施例における燃料噴射時期制御ルーチンを示している。このルーチンは前述した図2のルーチンのステップ100〜108及びステップ112を共通部分としており、図2のステップ109〜111を図6のステップ200〜203に置き換えたものである。
【0042】
さて、図6において、ECU40は、前記図2のステップ108に続くステップ200で、目標噴射期間の中心位置(これを、目標中心角度θXOとする)を算出する。つまり、ECU40は、その時のエンジン運転状態(エンジン回転数、アクセル開度、冷却水温)に応じて燃料噴射の目標噴射期間(目標噴射開始時期及び目標噴射終了時期)を算出すると共に、その目標噴射開始時期と目標噴射終了時期との中間値である目標中心角度θXOを算出する。このとき、目標中心角度θXOは、目標噴射期間での噴射率の重心位置にほぼ一致する。
【0043】
ECU40は、ステップ201で実際の燃料噴射期間の中心位置(これを、実中心角度θX とする)を算出する。つまり、ECU40は、針弁リフトセンサ35の出力信号から実際の噴射期間(実噴射開始時期と実噴射終了時期)を算出すると共に、その実噴射開始時期と実噴射終了時期との中間値である実中心角度θX を算出する。このとき、実中心角度θX は、実噴射期間での噴射率の重心位置にほぼ一致する。なお、目標中心角度θXO及び実中心角度θX は、ポンプTDCに対する角度である。
【0044】
そして、ECU40は、ステップ202で前記目標中心角度θXOから実中心角度θX を減算して第3の進角補正量ΔθX を算出する(ΔθX =θXO−θX )。さらに、ECU40は、ステップ203で図2のステップ108で算出した第1の進角補正量ΔθT とステップ202で算出した第3の進角補正量ΔθX とを加算して最終進角補正量Δθを算出する(Δθ=ΔθT +ΔθX )。その後、ECU40は、図2のステップ112で最終進角補正量Δθを出力し、タイマ制御弁30を駆動させる。
【0045】
図7は噴射期間のタイミングを示す図であり、図7(a)は実噴射時期が目標噴射時期よりも進み側にある場合を、図7(b)は実噴射時期が目標噴射時期よりも遅れ側にある場合を示している。また、図7(a),(b)において、実線は目標噴射期間を、破線は実噴射期間を示すと共に、その上段は補正前を、下段は補正後を示している。つまり、図7(a)の場合、目標噴射期間(実線)の中心角度をt1、実噴射期間(破線)の中心角度をt2としたとき、t2がt1に一致するように噴射時期が補正される。また、図7(b)の場合、目標噴射期間(実線)の中心角度をt3、実噴射期間(破線)の中心角度をt4としたとき、t4がt3に一致するように噴射時期が補正される。
【0046】
以上のように本第2実施例においても、上記第1実施例と同様に本発明の目的を達成することができる。なお、第2実施例の構成では、目標噴射期間の中心と実噴射期間の中心とからそれぞれについて噴射率の重心位置を直接求め、その重心位置を一致させるようにしたため、第1実施例の係数α(図4のテーブル参照)を設定する必要はない。
【0047】
なお、本発明は上記実施例の他に、次の様態にて具体化することができる。
(1)上記各実施例では、実噴射時期検出手段として、燃料噴射ノズル34の針弁リフトを検出する針弁リフトセンサ35を設け、該検出結果に従い実噴射時期を検出したが、燃料噴射ノズル34に給送される燃料圧力を検出する燃料圧力センサを設け、該センサの検出結果に基づいて実噴射時期を決定するようにしてもよい。
【0048】
(2)上記実施例では、フェイスカム式の燃料噴射ポンプ1に具体化したが、インナカム式の燃料噴射ポンプに具体化することも可能である。
(3)上記各実施例では、ディーゼルエンジンに具体化したが、高圧燃料を噴射供給する他のタイプの内燃機関に具体化することも可能である。
【0049】
【発明の効果】
請求項1及び5に記載の発明によれば、噴射率の特性に基づいて適切に噴射時期フィードバック制御を行い、最適燃焼を実現することができるという優れた効果を発揮する。
【0050】
請求項2及び6に記載の発明によれば、噴射時期の進み側への補正時又は遅れ側への補正時において、噴射率の重心位置に基づいた適切な補正を実現することができる。
【0051】
請求項3及び7に記載の発明によれば、機関運転状態に対する噴射率の変化が補正に反映され、より適切な噴射時期制御を実現することができる。請求項4及び8に記載の発明によれば、燃料噴射ポンプの組付誤差等、固体差等による噴射時期のずれを解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例におけるディーゼルエンジン用燃料噴射ポンプの噴射制御装置を示す概略構成図である。
【図2】第1実施例における燃料噴射時期制御ルーチンを示すフローチャートである。
【図3】燃料噴射に関する各種信号を示すタイミングチャートである。
【図4】負荷及びエンジン回転数に対応する係数を算出するためのテーブルである。
【図5】第1実施例における噴射率曲線を示すタイミングチャートであり、(a)は実噴射時期が進み側にずれた場合を、(b)は実噴射時期が遅れ側にずれた場合を示している。
【図6】第2実施例における燃料噴射時期制御ルーチンの一部を示すフローチャートである。
【図7】第2実施例における噴射率曲線を示すタイミングチャートであり、(a)は実噴射時期が進み側にずれた場合を、(b)は実噴射時期が遅れ側にずれた場合を示している。
【図8】従来技術の問題点を説明するためのタイミングチャートである。
【図9】クレームに対応するブロック図である。
【符号の説明】
1…燃料噴射ポンプ、25…タイマ、31…実基準角度検出手段としての回転角センサ、33…エンジン(内燃機関)、34…燃料噴射ノズル、35…実噴射期間検出手段及び実噴射時期検出手段としての針弁リフトセンサ、40…実噴射期間検出手段及び実噴射時期検出手段,目標噴射期間演算手段及び目標噴射時期演算手段,噴射時期補正手段,噴射時期制御手段,基準角度ずれ量演算手段としてのECU。
Claims (8)
- 内燃機関の運転に伴い燃料の吸入及び加圧を行い、該加圧された高圧燃料を燃料噴射ノズルに供給する燃料噴射ポンプと、
前記燃料噴射ノズルによる実際の燃料噴射開始時期を検出するとともに、その検出結果に基づいて実噴射期間を演算する実噴射期間検出手段と、
前記燃料噴射ポンプに設けられ、該燃料噴射ポンプによる噴射開始時期を調整するためのタイマと、
機関運転状態に応じて目標噴射開始時期及び目標噴射終了時期を演算する目標噴射期間演算手段と、
前記実噴射期間検出手段により検出された実噴射期間での噴射率の重心位置が、前記目標噴射期間演算手段により演算された目標噴射期間での噴射率の重心位置よりも進み側若しくは遅れ側にある場合に、それら実噴射期間での重心位置と目標噴射期間での重心位置とが一致するよう、前記目標噴射開始時期を補正する噴射時期補正手段と、
前記噴射時期補正手段による補正後の噴射開始時期に基づいて前記タイマを制御する噴射時期制御手段と
を備えたことを特徴とする燃料噴射ポンプの噴射時期制御装置。 - 前記噴射時期補正手段は、実噴射開始時期が目標噴射開始時期よりも進み側若しくは遅れ側にあれば両者の差分よりも大きな量の補正を行う請求項1に記載の燃料噴射ポンプの噴射時期制御装置。
- 前記噴射時期補正手段は、内燃機関の運転負荷が大きいほど若しくは機関回転数が小さいほど、前記補正の量を過剰方向に大きくする請求項2に記載の燃料噴射ポンプの噴射時期制御装置。
- 燃料噴射ポンプには、内燃機関の基準クランク角度に対するポンプ基準角度が設定される請求項1〜3に記載の燃料噴射ポンプの噴射時期制御装置において、
前記燃料噴射ポンプの実際のポンプ基準角度を検出する実基準角度検出手段と、
前記実基準角度検出手段による実際のポンプ基準角度と、予め設定されている目標ポンプ基準角度とのずれを演算する基準角度ずれ量演算手段とを備え、
前記目標噴射期間演算手段は、前記ポンプ基準角度に対する目標噴射開始時期及び目標噴射終了時期を演算し、
前記噴射時期補正手段は、前記基準角度ずれ量演算手段によるポンプ基準角度のずれ量に応じて前記目標噴射開始時期を補正する燃料噴射ポンプの噴射時期制御装置。 - 内燃機関の運転に伴い燃料の吸入及び加圧を行い、該加圧された高圧燃料を燃料噴射ノズルに供給する燃料噴射ポンプと、
前記燃料噴射ノズルによる実際の燃料噴射時期を検出するための実噴射時期検出手段と、
前記燃料噴射ポンプに設けられ、該燃料噴射ポンプによる噴射時期を調整するためのタイマと、
機関運転状態に応じて目標噴射時期を演算する目標噴射時期演算手段と、
前記実噴射時期検出手段により検出された実噴射時期に前記燃料噴射ノズルによって燃料噴射が行われた際の実噴射率の重心位置が、前記目標噴射時期演算手段により演算された目標噴射時期に前記燃料噴射ノズルによって燃料噴射が行われた際の目標噴射率の重心位置よりも進み側若しくは遅れ側にある場合に、それら実際の噴射率の重心位置と目標の噴射率の重心位置とを一致させるための係数を算出し、この係数に基づいて前記目標噴射時期を補正する噴射時期補正手段と、
前記噴射時期補正手段による補正後の噴射時期に基づいて前記タイマを制御する噴射時期制御手段とを備えたことを特徴とする燃料噴射ポンプの噴射時期制御装置。 - 前記噴射時期補正手段は、実噴射時期が目標噴射時期よりも進み側若しくは遅れ側にあれば両者の差分よりも大きな量の補正を行う請求項5に記載の燃料噴射ポンプの噴射時期制御装置。
- 前記噴射時期補正手段は、内燃機関の運転負荷が大きいほど若しくは 機関回転数が小さいほど、前記補正の量を過剰方向に大きくするように、前記係数を算出する請求項6に記載の燃料噴射ポンプの噴射時期制御装置。
- 燃料噴射ポンプには、内燃機関の基準クランク角度に対するポンプ基準角度が設定される請求項5〜7に記載の燃料噴射ポンプの噴射時期制御装置において、 前記燃料噴射ポンプの実際のポンプ基準角度を検出する実基準角度検出手段と、
前記実基準角度検出手段による実際のポンプ基準角度と、予め設定されている目標ポンプ基準角度とのずれを演算する基準角度ずれ量演算手段とを備え、
前記目標噴射時期演算手段は、前記ポンプ基準角度に対する目標噴射時期を演算し、 前記噴射時期補正手段は、前記基準角度ずれ量演算手段によるポンプ基準角度のずれ量に応じて前記目標噴射時期を補正する燃料噴射ポンプの噴射時期制御装置。
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