JP3774544B2 - 空気入りタイヤ及び空気入りタイヤ用チューブ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、内側にチューブを挿入した空気入りタイヤ及びそのチューブに関し、さらに詳しくは、ラリー用タイヤにおける糸切れやチューブ切れによるパンクを効果的に防止可能にする空気入りタイヤ用チューブに関する。
【0002】
【従来の技術】
ラリー用タイヤのように主として荒地走行に使用される空気入りタイヤでは、岩石や縁石に接触したときにリム外れを生じる虞があるので、このリム外れによって空気漏れを生じないように内圧保持手段としてチューブを使用する場合が多い。このチューブとしては、通常、均一の厚さのものが使用されていた。
【0003】
しかしながら、上記のような空気入りタイヤのパンクでは、岩石や縁石に乗り上げたときにタイヤが径方向に押し潰されて路面(岩石や縁石など)とリムフランジとの間にタイヤサイド部及びチューブが挟み込まれることにより、タイヤサイド部において糸切れやチューブ切れを生じることが原因になっていた。
従来、このパンク対策として、タイヤサイド部に補強層を挿入したり、タイヤサイド部におけるゴム層を厚くしたり、タイヤサイド部におけるゴム層のモジュラスを改善したり、或いはタイヤサイド部の外周面に蛇腹状のプロテクトバーをタイヤ周方向に沿って延在するように設けるなど、主としてタイヤの構造面からの対策が行われている。
【0004】
しかし、上記のようにタイヤ自体に改良を加える対策は、金型を変更したり、タイヤ構造設計上の特殊な対応が必要になるので、空気入りタイヤの製造コストを大幅に増大させてしまうという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、空気入りタイヤの製造コストを増大させることなく、パンクを効果的に防止することを可能にする空気入りタイヤ及び空気入りタイヤ用チューブを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の空気入りタイヤは、内側にチューブを挿入した空気入りタイヤにおいて、前記チューブのタイヤサイド部に相当する部分の肉厚を最大ゲージにし、該厚肉部分からそれぞれビード部とショルダー部との両側部分に向けて徐々にゲージダウンした三カ月状のプロファイルにすると共に、前記タイヤサイド部に相当する部分の最大ゲージをタイヤクラウン部に相当する部分のゲージの4〜7倍にしたことを特徴とするものである。
【0007】
また、上記目的を達成するための本発明の空気入りタイヤ用チューブは、空気入りタイヤの内側に挿入されるチューブにおいて、タイヤサイド部に相当する部分の肉厚を最大ゲージにし、該厚肉部分からそれぞれビード部とショルダー部との両側部分に向けて徐々にゲージダウンした三カ月状のプロファイルにすると共に、前記タイヤサイド部に相当する部分の最大ゲージをタイヤクラウン部に相当する部分のゲージの4〜7倍にしたことを特徴とするものである。
【0008】
このようにチューブのタイヤサイド部に相当する部分の肉厚を最大ゲージにし、該厚肉部分からそれぞれビード部とショルダー部との両側部分に向けて徐々にゲージダウンした三カ月状のプロファイル(断面形状)にしたことにより、インフレート状態において、チューブにかかる張力分布は前記厚肉部分にかかる張力がそれ以外の部分にかかる張力よりも小さくなるので、最も傷を受けやすいタイヤサイド部に相当する部分に小さな傷が形成されても、その傷がチューブを破壊するような大きな傷に成長することを抑制することができる。また、上記三カ月状のプロファイルによってタイヤサイド部におけるクッション性が向上するので、岩石や縁石に乗り上げたときに路面とリムフランジとの間にタイヤサイド部と共にチューブが挟み込まれても、タイヤサイド部において糸切れやチューブ切れを生じにくくなる。
【0009】
従って、本発明によれば、タイヤのパンクを効果的に防止することが可能である。また、本発明はチューブの構造によってパンク対策をとるので、タイヤサイズさえ適合すれば各種のタイヤに適用可能であり、タイヤ自体の構造等を変更する必要がないので、空気入りタイヤの製造コストを増大させることはない。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成について添付の図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の実施形態からなる空気入りタイヤ用チューブを例示するものである。図において、ホイールのリムRには空気入りタイヤTがリム組みされるようになっている。なお、FはリムRのフランジである。
【0011】
この空気入りタイヤTは、トレッドを構成するクラウン部Cと、該クラウン部Cの左右両側に位置するショルダー部SHと、リムRに勘合する左右一対のビード部Bと、該ビード部Bとショルダー部SHとの間を連結するサイド部Sとを有している。また、サイド部Sの外周面には子午線断面視で蛇腹状のプロテクトバーPがタイヤ周方向に沿って延在するように設けられている。このプロテクトバーPは、岩石や縁石に衝突した際の衝撃力を緩和することにより、サイド部Sにおける糸切れやチューブ切れの防止に寄与するようになっている。
【0012】
上記空気入りタイヤTの内側には、ブチルゴム等を主体とする低空気透過性ゴムからなる環状のチューブ1が挿入されている。また、リムRの底部近傍には開口部が設けられており、この開口部を介してエアバルブ2がチューブ1に連結されている。このチューブ1はエアバルブ2から空気が充填されると、空気入りタイヤT及びリムRの内面に密着しながら内圧を保持するようになっている。
【0013】
チューブ1において、タイヤサイド部Sに相当する部分3の肉厚を最大ゲージt1 にし、この厚肉部分3からそれぞれビード部Bとショルダー部SHに向けて徐々にゲージダウンした三カ月状のプロファイルを形成している。タイヤサイド部Sに相当する厚肉部分3の最大ゲージt1 はタイヤクラウン部Cに相当する部分のゲージt2 の4〜7倍になっている。また、ビード部Bに相当する部分のゲージt3 はタイヤクラウン部Cに相当する部分のゲージt2 と略同一になっている。
【0014】
本発明によれば、チューブ1のタイヤサイド部Sに相当する部分3のゲージを最大ゲージt1 にし、この厚肉部分3からそれぞれビード部Bとショルダー部SHの両側部分に向けて徐々にゲージダウンした三カ月状のプロファイルを設けているので、タイヤサイド部Sにおけるクッション性が優れている。そのため、岩石や縁石に乗り上げたときに空気入りタイヤTが径方向に押し潰されて路面(岩石や縁石など)とリムフランジFとの間にタイヤサイド部S及びチューブ1が挟み込まれても、タイヤサイド部Sにおいて糸(カーカスコード)切れやチューブ切れを生じにくくなる。
【0015】
しかも、空気入りタイヤTのインフレート状態において、厚肉部分3にかかる張力はそれ以外の部分にかかる張力よりも小さくなるので、仮に厚肉部分3に小さな傷が形成されても、その傷がチューブを破壊するような大きな傷に成長することを抑制することができる。すなわち、テンションをかけて使用されるチューブでは、小さな傷であっても大きく成長する虞があるが、上記厚肉部分3ではそのような傷の成長を抑制することが可能である。
【0016】
従って、本発明のチューブ1は、上述のようにタイヤサイド部Sにおいて糸切れやチューブ切れを生じにくく、しかも仮に傷ついてもその傷の成長を抑制可能であるので、空気入りタイヤTのパンクやバーストを効果的に防止することが可能である。また、上記チューブ1はタイヤサイズさえ適合すればトレッドパターン等の外面形状に拘らず各種のタイヤに適用可能である。そのため、タイヤ自体の構造等を変更しないでパンクやバーストの防止効果を得られるので、空気入りタイヤの製造コストを増大させることはない。なお、本発明によれば、タイヤサイド部Sのクッション性の向上によって操縦安定性を向上するという作用効果も得られる。
【0017】
本発明において、タイヤサイド部Sに相当する厚肉部分3の最大ゲージt1 はタイヤクラウン部Cに相当する部分のゲージt2 の4〜7倍、さらに好ましくは4.5〜6倍にすることが望ましい。この厚肉部分3の最大ゲージt1 がゲージt2 の4倍未満であるとタイヤサイド部Sにおけるクッション性が不十分になるためパンクやバーストの防止効果が得られず、逆に7倍を超えるとパンクやバーストの防止効果が飽和し、それ以上厚くしても単に重量増加を招くだけである。また、タイヤクラウン部Cに相当する部分のゲージt2 は、例えば1.0〜1.3mmにすればよい。
【0018】
なお、上記実施形態において、チューブ1のエアバルブ2との連結部分は他の部分に比べて厚くなっているが、このように機械的強度を必要とする部分を若干厚く形成することは特に差し支えない。
【0019】
【実施例】
タイヤサイズ195/65R15 90Qの空気入りタイヤとリムサイズ15×6・1/2 Jのホイールとの組み合わせからなる車輪に適合すると共に、図1に示すようにタイヤサイド部に相当する部分の肉厚を最大ゲージにし、この厚肉部分からそれぞれビード部とショルダー部との両側部分に向けて徐々にゲージダウンした三カ月状のプロファイルを有する本発明チューブと、図2に示すようにタイヤ内面に相当する部分のゲージを均一にした従来チューブとを製作した。なお、本発明チューブにおいてt1 =4.5mm、t2 =1mm、t3 =1mmとし、従来チューブにおいてt=1mmとした。
【0020】
これら本発明チューブ及び従来チューブについて、下記の縁石乗り越し試験を行い、その結果を表1に示した。
縁石乗り越し試験:
試験チューブをそれぞれ上記車輪の空気入りタイヤの内側に挿入し、空気圧210kPaとしてラリー仕様車に装着し、路面からの高さ100mmの縁石を進入角度45°、速度20km/hで乗り越した。この縁石乗り越し試験を各チューブについて10回行い、パンクの発生状況を調べた。
【0021】
【0022】
この表1から明らかなように、本発明チューブは10回の縁石乗り越し試験においてパンクを生じることはなく、従来チューブと比較してパンク防止性能が優れていた。
【0023】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、チューブのタイヤサイド部に相当する部分の肉厚を最大ゲージにし、該厚肉部分からそれぞれビード部とショルダー部との両側部分に向けて徐々にゲージダウンした三カ月状のプロファイルにすると共に、タイヤサイド部に相当する部分の最大ゲージをタイヤクラウン部に相当する部分のゲージの4〜7倍にしたことにより、空気入りタイヤのパンクを効果的に防止することが可能になり、しかも空気入りタイヤの製造コストを増大させることはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態からなる空気入りタイヤ及びそのチューブを例示する断面図である。
【図2】従来の空気入りタイヤ及びそのチューブを例示する断面図である。
【符号の説明】
1 チューブ
3 厚肉部分
T 空気入りタイヤ
B ビード部
S タイヤサイド部
SH ショルダー部
Claims (4)
- 内側にチューブを挿入した空気入りタイヤにおいて、前記チューブのタイヤサイド部に相当する部分の肉厚を最大ゲージにし、該厚肉部分からそれぞれビード部とショルダー部との両側部分に向けて徐々にゲージダウンした三カ月状のプロファイルにすると共に、前記タイヤサイド部に相当する部分の最大ゲージをタイヤクラウン部に相当する部分のゲージの4〜7倍にした空気入りタイヤ。
- 前記タイヤクラウン部に相当する部分のゲージを1.0〜1.3mmにした請求項1に記載の空気入りタイヤ。
- 空気入りタイヤの内側に挿入されるチューブにおいて、タイヤサイド部に相当する部分の肉厚を最大ゲージにし、該厚肉部分からそれぞれビード部とショルダー部との両側部分に向けて徐々にゲージダウンした三カ月状のプロファイルにすると共に、前記タイヤサイド部に相当する部分の最大ゲージをタイヤクラウン部に相当する部分のゲージの4〜7倍にした空気入りタイヤ用チューブ。
- 前記タイヤクラウン部に相当する部分のゲージを1.0〜1.3mmにした請求項3に記載の空気入りタイヤ用チューブ。
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JP16119897A JP3774544B2 (ja) | 1997-06-18 | 1997-06-18 | 空気入りタイヤ及び空気入りタイヤ用チューブ |
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1997
- 1997-06-18 JP JP16119897A patent/JP3774544B2/ja not_active Expired - Fee Related
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