JP3774020B2 - 不織布積層シート及びその成形品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、食品用包装容器、工業用梱包材等に用いられ、特に水分や油分の吸収性及び表面の柔軟性等の優れた不織布積層シート及びその成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から包装容器の材料として熱可塑性樹脂発泡シートに吸水性のシートを積層した積層シートが公知である。上記積層シートは各種の容器形状に成形し、成形品は包装容器等に用いられる。上記吸水性のシートとして例えば不織布等を用いたものが提案されている。積層シートに用いられる不織布は熱成形性を有する点から、熱可塑性樹脂(例えばポリエチレン等)の熱可塑性繊維から形成されたものが通常使用されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記不織布は熱可塑性であるため、成形に用いた場合、成形時の熱の影響を受けて溶融し易く、空隙が少なくなり密度が低下するといった問題があり、その結果、クッション性、吸水性、吸油性等の諸物性が低下してしまうという欠点があった。
【0004】
本発明は上記従来技術の欠点を解決するためのものであり、熱成形可能であり、表面クッション性、吸水性、及び吸油性等に優れ、更にそれらの諸特性が熱成形等の加熱後にも良好である不織布積層シート、及びその成形品を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(1)熱可塑性樹脂シートに不織布が積層されている不織布積層シートであって、該不織布が繊維長0.05〜5mmのパルプ繊維からなるマットの繊維がバインダーにより固着して形成されており、少なくとも熱可塑性樹脂シートの積層面側のバインダーが、ポリビニルアルコールを保護コロイドとする非架橋タイプのエマルジョンであるか、あるいは架橋タイプであってもヒートシール性を有するアイオノマーエマルジョンであるか、あるいは上記非架橋タイプのエマルジョンと上記アイオノマーエマルジョンとの混合物エマルジョン、あるいは上記混合物エマルジョンと他の架橋タイプのエマルジョンとの混合物エマルジョンであることを特徴とする吸水性又は吸油性を有する不織布積層シート、(2)熱可塑性樹脂シートに不織布が積層されている不織布積層シートであって、該不織布が繊維長0.05〜5mmのパルプ繊維層の片面にレーヨン繊維層を積層したマットの繊維がバインダーにより固着して形成されており、パルプ繊維層側を熱可塑性樹脂シート積層面側とし、少なくとも該積層面側のバインダーが、ポリビニルアルコールを保護コロイドとする非架橋タイプのエマルジョンであるか、あるいは架橋タイプであってもヒートシール性を有するアイオノマーエマルジョンであるか、あるいは上記非架橋タイプのエマルジョンと上記アイオノマーエマルジョンとの混合物エマルジョン、あるいは上記混合物エマルジョンと他の架橋タイプのエマルジョンとの混合物エマルジョンであることを特徴とする吸水性又は吸油性を有する不織布積層シート、(3)熱可塑性樹脂シートと不織布が接着剤により接着されている上記(1)又は(2)記載の不織布積層シート、(4)熱可塑性樹脂シートと不織布が熱により接着されている上記(1)又は(2)記載の不織布積層シート、(5)上記(1)乃至(4)のいずれかに記載の不織布積層シートを熱成形することにより凹部を形成し、不織布が該凹内面側に位置するように積層接着されていることを特徴とする不織布積層シート成形品、を要旨とするものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
図1に示すように本発明不織布積層シート1は、熱可塑性樹脂シート2に熱接着性を有する不織布3が積層されてなるシートである。不織布3は、熱可塑性樹脂シート2に接着していても、或いは熱可塑性樹脂シート2に接着せずに単に積層されているだけでも、何れでもよい。
【0007】
熱可塑性樹脂シート2は、発泡樹脂シート又は非発泡樹脂シートが用いられる。発泡樹脂シートの場合は耐熱性に優れるため好ましく、特に厚み0.3〜3mm、密度0.3〜0.06g/cm3 が好ましい。また発泡樹脂シートの基材樹脂としては、ポリスチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂等が挙げられる。特にポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリプロピレン系共重合体、無水マレイン酸変性ポリスチレン、アクリル酸変性ポリスチレン、メタクリル酸変性ポリスチレン、ポリフェニレンオキサイド変性ポリスチレン等の耐熱性樹脂を基材とするものが好ましい。
【0008】
熱可塑性樹脂シートが非発泡樹脂シートの場合には、シート厚みは0.08〜2mmが好ましく、基材樹脂としては発泡樹脂シートと同様の樹脂、或いは塩化ビニル系樹脂などが用いられる。
【0009】
熱接着性及び熱成形性を有する不織布3は、パルプ繊維を主体とする繊維が分散堆積されマット状或いはシート状に形成されたパルプ繊維マットをバインダーで結合して、パルプ繊維を固着してなるものであり、少なくとも熱可塑性樹脂シート2と積層される側のバインダーにポリビニルアルコールを保護コロイドとする非架橋タイプのエマルジョンか、あるいは架橋タイプであってもヒートシール性を有するアイオノマーエマルジョンであるか、あるいは上記エマルジョンの混合物エマルジョン、あるいは上記エマルジョンと架橋タイプのエマルジョンとの混合物エマルジョンを用いたものである。
【0010】
不織布3に用いられるパルプ繊維は、繊維長が0.05〜5mmである。繊維長が0.05mm未満の場合、不織布の伸びが不十分になる。また繊維長が5mmを超える場合、パルプ繊維から不織布を製造することが困難である。パルプ繊維不織布の厚みは0.2〜5mm、目付量40〜300g/m2 のものが風合、吸水性、吸油性、熱成形性において優れているため好ましい。尚、本発明で使用されるパルプ繊維からなる不織布は、100%パルプ繊維からなるものでなくてもよく、パルプ繊維を主体とするものであればよい。
【0011】
一般にパルプ繊維を用いた不織布は、熱可塑性繊維(例えばポリエチレン等)を用いた不織布と比べ、吸水性、吸油性及び風合等の点が優れているが、加熱引張伸びが熱可塑性繊維と比較して不十分であり熱成形することはできない。しかし本発明において使用される不織布は、パルプ繊維を主体とするものでありながら、十分な加熱引張伸びを有する特殊なものであり熱成形が可能である。更に、本発明で使用されるパルプ繊維は、熱可塑性繊維のように熱成形、熱接着等の加工の際に繊維自体が溶融することがないため、不織布自体の密度の上昇が小さく、加工後の軽量性、緩衝性、吸水性等が良好である。
【0012】
本発明において不織布に用いられるバインダーは、ポリビニルアルコール(PVA)を保護コロイドとする非架橋タイプのエマルジョンであるか、あるいは架橋タイプであってもヒートシール性を有するアイオノマーエマルジョンであるか、あるいは上記エマルジョンの混合物エマルジョンであるか、あるいは上記エマルジョンと架橋タイプのエマルジョンとの混合物エマルジョンである。具体的には、PVAを保護コロイドとする非架橋タイプのエマルジョンとしては、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリ酢酸ビニル、酢酸ビニル−アクリル共重合体等が挙げられ、上記アイオノマーエマルジョンとしては、エチレン−メタクリル酸共重合物の金属塩エマルジョン等が挙げられる。また、架橋タイプのエマルジョンとしては、EVA、ポリ酢酸ビニル、アクリル、酢酸ビニル−アクリル共重合体、スチレン−ブタジエンラテックス等が挙げられる。
不織布3の熱可塑性樹脂シート側のバインダーとして、ポリビニルアルコールを保護コロイドとする非架橋タイプのエマルジョンであるか、あるいは架橋タイプであってもヒートシール性を有するアイオノマーエマルジョンであるか、あるいは上記エマルジョンの混合物エマルジョン、あるいは上記エマルジョンと架橋タイプのエマルジョンとの混合物エマルジョンを用いたことにより、パルプ繊維からなる不織布を用いた不織布積層シートであっても、熱成形性が可能であり、且つパルプ繊維からなる不織布の持つ風合、吸水性、吸油性、クッション性等を良好に有する積層シートが得られた。これに対し、不織布の熱可塑性樹脂シート側に架橋タイプのバインダーを用いた場合、不織布積層シートの熱成形時の伸び及び接着性がない。上記エマルジョンの中で特にPVAを保護コロイドとする非架橋タイプのものが伸び、接着性の面で好ましい。
【0013】
不織布は少なくとも熱可塑性樹脂シートと積層される面側のバインダーが、ポリビニルアルコールを保護コロイドとする非架橋タイプのエマルジョンであるか、あるいは架橋タイプであってもヒートシール性を有するアイオノマーエマルジョンであるか、あるいは上記エマルジョンの混合物エマルジョン、あるいは上記エマルジョンと架橋タイプのエマルジョンとの混合物エマルジョンであればよい。また熱可塑性樹脂シート非積層面側のバインダーは、非架橋タイプのエマルジョン、あるいは架橋タイプであっても架橋密度が低いエマルジョン、あるいは架橋タイプであってもヒートシール性を有するアイオノマーエマルジョン、あるいは非架橋タイプエマルジョンとアイオノマーエマルジョンとの混合物エマルジョン、あるいは上記エマルジョンと架橋タイプのエマルジョンとの混合物エマルジョン、更に架橋タイプのエマルジョンのいずれでもよいが、架橋タイプのエマルジョンの量が多くなる程、耐水強度が向上する。架橋タイプのエマルジョンとしては、EVA、SBR、アクリル系ラテックス等が用いられる。
【0014】
本発明において用いる熱接着性を有する不織布は、従来公知の不織布製造装置を用いて製造することができる。図2は不織布製造装置の概略を示す説明図である。以下、図2に示す装置を用いた不織布の製造方法の1例を説明する。まず、巻取装置11にドラム状に巻かれた天然木材パルプがパルプ粉砕機12に供給される。パルプ粉砕機12により粉砕されたパルプ繊維はダクト13でマットフォーマー14に送られる。このマットフォーマー14の下には長繊維分繊機15を前後に有するベルト装置16が配置され、このベルト装置16のベルト上にパルプ繊維がマット状に積層される。この積層されたマットはベルト装置16の回転とともに次のベルト装置17上に送られ、バインダースプレー装置18によりバインダーが吹きつけられる。そして、ドライヤー19を通過して乾燥され、次の折り返しベルト装置20に送られる。そして再びバインダースプレー装置18とドライヤー19を有するベルト装置21に送られ、今度はマットの裏面にバインダースプレー装置18からバインダーが吹き付けられ、ドライヤー19により乾燥され巻取装置22のドラムにより巻き取られ、熱接着性を有する不織布3が得られる。
【0015】
不織布3と熱可塑性樹脂シート2とを予め接着しておく場合は、不織布3と熱可塑性樹脂シート2とを積層し加熱加圧することで接着できる。加熱加圧により、不織布の熱可塑性樹脂シートの積層面側のポリビニルアルコールを保護コロイドとする非架橋タイプのエマルジョン、あるいは架橋タイプであってもヒートシール性を有するアイオノマーエマルジョン、あるいは上記エマルジョンの混合物エマルジョン、あるいは上記エマルジョンと架橋タイプのエマルジョンとの混合物エマルジョンのバインダーが溶融し、不織布が熱可塑性樹脂シートと接着する。上記加熱温度は、後工程で熱成形することを考慮すると、熱成形時に実用的な強度で接着されればよいという理由から十分な接着は、必ずしも必要はなく、100〜160℃が好ましい。また、不織布3と熱可塑性樹脂シート2は接着剤を用いて予め接着しておいてもよい。この場合の接着剤は、本発明の目的が達成される範囲で従来周知のものが用いられる。
【0016】
図3は本発明不織布積層シートの他の例を示す縦断面図である。図3に示すように不織布積層シートは、パルプ繊維層4の片面にレーヨン繊維層5を積層したマットをバインダーにより固着して形成してなる不織布3を用いて構成してもよい。レーヨン繊維層が積層された不織布は、パルプ繊維のみからなる不織布と比較して、強度に優れると共にレーヨン繊維が構造上親水基を持つため吸水性に優れている。従って、レーヨン繊維層がパルプ繊維層に積層されてなる不織布を用いた不織布積層シートは、吸水性が良好であると共に、耐水性が良好であり、さらに層間剥離強度も強く層間剥離しにくい。上記レーヨン繊維積層不織布は、パルプ繊維層側のバインダーに、ポリビニルアルコールを保護コロイドとする非架橋タイプのエマルジョンであるか、あるいは架橋タイプであってもヒートシール性を有するアイオノマーエマルジョンであるか、あるいは上記エマルジョンの混合物エマルジョン、あるいは上記エマルジョンと架橋タイプのエマルジョンとの混合物エマルジョンが用いられ、パルプ繊維層側が熱可塑性樹脂シート積層面側となる。また、上記不織布のレーヨン繊維層側のバインダーは、非架橋タイプのエマルジョン、あるいは架橋タイプであっても架橋密度が低いエマルジョン、あるいは架橋タイプであってもヒートシール性を有するアイオノマーエマルジョン、あるいは非架橋タイプのエマルジョンとアイオノマーエマルジョンとの混合物エマルジョン、あるいは上記エマルジョンと架橋タイプのエマルジョンとの混合物エマルジョン、架橋タイプのエマルジョンのいずれでもよいが、架橋タイプのエマルジョンを用いた場合、耐水強度が良好である。
【0017】
レーヨン繊維積層不織布を図2に示す装置で製造するには、まずレーヨン繊維をマットフォーマット14に供給し、レーヨン繊維層5を形成する。次にこの上にパルプ繊維をダクト13でマットフォーマー14に送りパルプ繊維層4を形成する。そしてバインダーをバインダースプレー装置18から吹き付けることで、レーヨン繊維積層不織布3が得られる。
【0018】
図4は不織布積層シートを用いた成形品の1例を示す断面図である。不織布積層シート1は図4に示すように例えばトレー、丼や箱体、或いはそれらの蓋体等の容器形状に成形する際、熱可塑性樹脂シート2が容器外面側となり不織布3が容器内面側となるように、熱成形により凹部を形成し、成形品6を構成するのが好ましい。熱可塑性樹脂シート2と不織布3とを接着させずに、単に両者を積層しただけの不織布積層シートの場合、この成形時の熱により不織布3の熱可塑性樹脂シートと接している側の、ポリビニルアルコールを保護コロイドとする非架橋タイプのエマルジョン、あるいは架橋タイプであってもヒートシール性を有するアイオノマーエマルジョン、あるいは上記エマルジョンの混合物エマルジョン、あるいは上記エマルジョンと架橋タイプのエマルジョンとの混合物エマルジョンのバインダーと熱可塑性樹脂とが接着するため、不織布と熱可塑性樹脂シートは接着一体化する。
また、熱可塑性樹脂シートと不織布とを積層接着させた不織布積層シートの場合には、不織布積層シートの不織布と熱可塑性樹脂シートとの積層面は、ポリビニルアルコールを保護コロイドとする非架橋タイプのエマルジョンであるか、あるいは架橋タイプであってもヒートシール性を有するアイオノマーエマルジョンであるか、あるいは上記エマルジョンの混合物エマルジョン、あるいは上記エマルジョンと架橋タイプのエマルジョンとの混合物エマルジョンからなるバインダーによって強固に接着される。
【0019】
上記不織布積層シート1は、パルプを主体とする不織布を使用したにもかかわらず十分な加熱伸びを示すため、各種の成形手段を用いて容器形状に成形可能である。成形手段としては、従来周知の成形方法を適宜採用することができる。そのなかでも特に、マッチモールド成形が好ましい。また、容器形状としては、トレー状、箱体、丼、それらの蓋体等が挙げられる。
【0020】
図4に示すようにレーヨン繊維層が積層された不織布を用いた不織布積層シートの成形品6は、熱可塑性樹脂シート2が容器外面側となり不織布レーヨン繊維層5が内面側に位置するように成形するのが好ましい。レーヨン繊維積層不織布を用いた不織布積層シートは、パルプ繊維からなる不織布の耐水性を向上させ、パルプ繊維の持つ吸水性、吸油性、風合等を低下させない。またレーヨン繊維層が積層されていると、層間剥離強度が強くなるため不織布積層シートが圧力を受けた場合、層間剥離しにくく、吸油、吸水時の強度が優れる為、耐油性、耐水性が要求される分野には最適である。
【0021】
本発明不織布積層シートから形成される成形品は、ドリップの発生する食品の包装容器や、調理済み揚物冷凍食品(例えば海老フライ、コロッケ)等をそのまま電子レンジで加熱するための包装容器として最適である。不織布積層シートの天然パルプからなる不織布が調理済食品から出る油や水分を良好に吸収して、カラッとした状態に食品を維持できる。また、不織布積層シートをピッツア、ウナ重等の保温容器の蓋材として用いた場合には、加熱されている食品から出る湯気等が不織布に吸収されるため、蓋体内側に凝縮した湯気が食品に滴下するのを防止できる。また、不織布積層シートは表面柔軟性を必要とする工業用梱包材等に最適に利用できる。
【0022】
【実施例】
実施例1
繊維長が0.05〜5mmのパルプ繊維を主材料とする王子製紙社製NBKP巻取パルプをマットフォーマーにより均一に散布して層状に形成し、その上にバインダースプレー装置から住友化学工業社製S−471・非架橋タイプのEVAエマルジョンと三井石油化学工業社製ケミパールS−120・エチレンメタクリル酸共重合物の金属塩エマルジョンとの混合物を吹き付けて目付量50g/m2 (固形分)の不織布を製造した。上記不織布と厚み1.2mm、密度0.14g/cm3 のポリスチレン発泡シートを接着していない状態のまま重ね合わせ、加熱温度140℃、成形時間4秒の条件にて単発成形機により直径135mm、最大深さ25mmの円形の容器蓋を成形した。得られた容器蓋は、内面側に積層された不織布が破れることなく均一に伸ばされ、発泡シートに完全に接着しており、剥離テストにおいては不織布の材料破壊が起き強い接着性を示した。
【0023】
実施例2
目付量3g/m2 のレーヨン繊維層を形成し、その上に繊維長が0.05〜5mmのパルプ繊維を主体とする王子製紙社製NBKP巻取パルプをマットフォーマーにより均一に散布して層状に形成し、その上にバインダースプレー装置から住友化学工業社製S−471・非架橋タイプのEVAエマルジョンを吹き付けて目付量70g/m2 の不織布を製造した。上記不織布と、厚み2.0mm、密度0.084g/cm3 のポリスチレン発泡シートとを加熱ロール間(上ロール200℃、下ロール120℃)に不織布を上側にしてラインスピード7m/min、ロールクリアランス2.7mmの条件にて通し接着させて不織布積層シートを得た。得られた不織布積層シートは、不織布が発泡シートに完全に接着しており、剥離テストにおいては不織布の材料破壊が起き強い接着性を示した。
【0024】
実施例3
実施例2で得られた不織布積層ポリスチレン発泡シートを連続成形機に通し加熱温度150℃、成形時間5.5秒の条件にて縦240mm、横135mm、深さ20mmの格子状のリブを設けたトレーを成形した。内面側に積層された不織布はリブ形成部においても破れること無く伸ばされ、発泡シートに完全に接着しており、剥離テストにおいては不織布の材料破壊が起き強い接着性を示した。
【0025】
【発明の効果】
以上説明したように本発明不織布積層シートは、熱可塑性樹脂シートに不織布が積層されている積層シートであって、該不織布が繊維長0.05〜5mmのパルプ繊維からなるマットをバインダーにより固着して形成されており、少なくとも熱可塑性樹脂シートの積層面側のバインダーがポリビニルアルコールを保護コロイドとする非架橋タイプのエマルジョンであるか、あるいは架橋タイプであってもヒートシール性を有するアイオノマーエマルジョンであるか、あるいは上記エマルジョンの混合物エマルジョン、あるいは上記エマルジョンと架橋タイプのエマルジョンとの混合物エマルジョンである構成を有しているため、従来の熱可塑性繊維からなる不織布を用いた積層シートと比べ、不織布を構成する繊維自体はパルプであることから表面クッション性、吸水性、及び吸油性に優れる。
しかも不織布に上記バインダーが使用されている為、熱成形が可能であり熱接着性を示すと共に、不織布の繊維自体は熱溶融性のないパルプであるため、熱処理後の密度の上昇が小さく、成形等の加熱処理後であってもクッション性、吸水性、及び吸油性等の物性が良好に維持される。
【0026】
またパルプ繊維層にレーヨン繊維層が積層された不織布を用いた本発明不織布積層シートは、上記の効果に加えて耐水性が良好であり、更に層間剥離強度も強く層間剥離しにくい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明不織布積層シートの1例を示す要部縦断面図である。
【図2】不織布の製造装置の概略を示す説明図である。
【図3】本発明不織布積層シートの他の例を示す要部縦断面図である。
【図4】本発明不織布積層シート成形品の1例を示す要部縦断面図である。
【符号の説明】
1 不織布積層シート
2 熱可塑性樹脂シート
3 不織布
4 パルプ繊維層
5 レーヨン繊維層
6 不織布積層シートの成形品
Claims (5)
- 熱可塑性樹脂シートに不織布が積層されている不織布積層シートであって、該不織布が繊維長0.05〜5mmのパルプ繊維からなるマットの繊維がバインダーにより固着して形成されており、少なくとも熱可塑性樹脂シートの積層面側のバインダーが、ポリビニルアルコールを保護コロイドとする非架橋タイプのエマルジョンであるか、あるいは架橋タイプであってもヒートシール性を有するアイオノマーエマルジョンであるか、あるいは上記非架橋タイプのエマルジョンと上記アイオノマーエマルジョンとの混合物エマルジョン、あるいは上記混合物エマルジョンと他の架橋タイプのエマルジョンとの混合物エマルジョンであることを特徴とする吸水性又は吸油性を有する不織布積層シート。
- 熱可塑性樹脂シートに不織布が積層されている不織布積層シートであって、該不織布が繊維長0.05〜5mmのパルプ繊維層の片面にレーヨン繊維層を積層したマットの繊維がバインダーにより固着して形成されており、パルプ繊維層側を熱可塑性樹脂シート積層面側とし、少なくとも該積層面側のバインダーが、ポリビニルアルコールを保護コロイドとする非架橋タイプのエマルジョンであるか、あるいは架橋タイプであってもヒートシール性を有するアイオノマーエマルジョンであるか、あるいは上記非架橋タイプのエマルジョンと上記アイオノマーエマルジョンとの混合物エマルジョン、あるいは上記混合物エマルジョンと他の架橋タイプのエマルジョンとの混合物エマルジョンであることを特徴とする吸水性又は吸油性を有する不織布積層シート。
- 熱可塑性樹脂シートと不織布が接着剤により接着されている請求項1又は2記載の不織布積層シート。
- 熱可塑性樹脂シートと不織布が熱により接着されている請求項1又は2記載の不織布積層シート。
- 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の不織布積層シートを熱成形することにより凹部を形成し、不織布が該凹部内面側に位置するように積層接着されていることを特徴とする不織布積層シート成形品。
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