JP3773885B2 - ジャーナルのスラスト面フィルムラップ加工装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高精度な表面粗さ、形状精度、を要求する部品を仕上げるためのミクロ仕上げ機械である、ツールであるマイクロフィニッシングフィルムを用いたフィルムラップ加工装置に関し、特にクランクシャフトのジャーナル外周面及び外周面から立ち上がる一対のスラスト面を同時に加工できるジャーナルのスラスト面フィルムラップ加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のかかるミクロ仕上げ機械である、フィルムラップ加工装置は、例えば特許文献1の図10、図14において、本体に、ポリッシュツールであるマイクロフィニッシングフィルムをワークであるジャーナル外周面及び側壁部分に押し当てて通過させるものが開示されている。
【特許文献1】
特公平5−9225号 図10、図14、第12欄〜第14欄
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1のものでは、一個のマイクロフィニッシングフィルムがジャーナル外周面とその両側に立ち上がる側壁部分を加工するので、ワークであるジャーナル外周面と側壁部分との間のすみまる部分のフィルムラップ加工はできるが、側壁部分を高精度な表面粗さ、形状精度で仕上げることはできなかった。このため、ワークであるジャーナル外周面及びジャーナルスラスト面のフィルムラップ加工は別々のシューを使用し、別々のステーション、即ち別々の工程で行っていた。その為ステーション間でワークを移動させる装置が必要であり、スラスト加工用としてクランプアームユニット、フイルム巻取り装置が個別に必要であり、大きいスペースと設備コストがかかり、さらに多くの加工時間、加工コストがかかった。
【0004】
本発明の課題は、ツールであるマイクロフィニッシングフィルムを用いた、1つのステーションの1つのシューで、ジャーナル外周面及びジャーナルの一対のスラスト面を同時にフィルムラップ加工でき、ジャーナル外周面及びスラスト面の加工を別々のステーションで別々のシューを使用して行う必要がなく、ステーション間のワークを移動させる装置、スラスト加工用としてアームユニット、フイルム巻取り装置を個別に必要とせず、スペースと設備コスト、多くの加工時間、加工コストを節約したジャーナルのスラスト面フィルムラップ加工装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
このため本発明は、高精度な表面粗さ、形状精度を要求する部品を仕上げるツールであるマイクロフィニッシングフィルムを用いたジャーナル外周面及びジャーナル外周面から立ち上がる一対のスラスト面を同時にフィルムラップ加工するための、装置本体に開閉可能に支持されたクランプアームに取付けられたジャーナル外周面加工シューと、クランプアームにそれぞれ支持された、ジャーナル外周面に前記ジャーナル外周面加工シューにより押し当てるよう張られた第1のマイクロフィニッシングフィルムと、ジャーナルの一対のスラスト面に前記ジャーナル外周面加工シューに嵌めこまれ支持され前記一対のスラスト面に平行に配置された一対のスラスト面加工シューにより押し当てるよう前記一対のスラスト面に平行に張られた第2のマイクロフィニッシングフィルムと、を有し、前記ジャーナル外周面加工シューとそれに嵌めこまれ支持された前記スラスト面加工シューとは前記クランプアームに取付けられた一体もののジャーナル外周面及びスラスト面加工シューを形成し一体的に着脱可能にされ、前記一対のスラスト面加工シューの内側にはプルロッドに一端を連結されたくさび部が挿入され、加工中、前記くさび部がスラストクランプシリンダーのプルロッドにより引っ張られたとき、前記くさび部が前記一対のスラスト面加工シューのテーパ面をジャーナルの一対のスラスト面に向けて押し広げて前記一対のスラスト面加工シューを平行に移動させ、前記第2のマイクロフィニッシングフィルムの砥粒面を前記ジャーナルの一対のスラスト面に押圧クランプすることを特徴とするジャーナルのスラスト面フィルムラップ加工装置により上述した従来技術の課題を解決した。
【0006】
【発明の効果】
かかる構成により一体もののジャーナル外周面及びスラスト面加工シューを使用し、1つのステーションの1つのシューで、ジャーナル外周面及びジャーナルの一対のスラスト面を同時にフィルムラップ加工できるので、ジャーナル外周面及びスラスト面の加工を別々のステーションで別々のシューを使用して行う必要がなく、ステーション間のワークを移動させる装置、スラスト加工用としてクランプアームユニット、フイルム巻取り装置を個別に必要とせず、スペースと設備コスト、多くの加工時間、加工コストを節約したジャーナルのスラスト面フィルムラップ加工装置を提供するものとなった。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1(a) は本発明の実施の形態のジャーナルのスラスト面フィルムラップ加工装置の概略要部正面図、(b) は(a) のスラスト面加工シューの中央部の部分断面側面図、(c) は(a) のスラスト面加工シューの両側面のうちの1つの拡大部分断面平面図、をそれぞれ示す。本発明の実施の形態のジャーナルのスラスト面フィルムラップ加工装置は、高精度な表面粗さ、形状精度を要求する部品を仕上げるツールであるマイクロフィニッシングフィルムを用いたワークであるクランクシャフトのジャーナル2の外周面3及びジャーナル外周面3の両側に立ち上がる一対のスラスト面4を同時又は個別にフィルムラップ加工するための、図示しない装置本体に開閉可能に支持されたクランプアーム1に取付けられたジャーナル外周面面加工シュー14と、クランプアーム1にされぞれ支持されたワークであるジャーナル外周面2にジャーナル外周面面加工シュー14により押し当てるよう張られた第1のマイクロフィニッシングフィルム6と、ジャーナル2の一対のスラスト面4にジャーナル外周面面加工シュー14に嵌めこまれ支持された一対のスラスト面4、4に平行に配置された一対のスラスト面加工シュー7により押し当てるよう一対のスラスト面4、4に平行に張られた第2のマイクロフィニッシングフィルム8と、を有する。ジャーナル外周面加工シュー14とそれに嵌めこまれ支持された前記スラスト面加工シュー7とはクランプアーム1に取付けられた一体もののジャーナル外周面及びスラスト面加工シュー5を形成し、一体的に着脱可能にされる。第1及び第2のマイクロフィニッシングフィルム6、8は、それぞれ図示しない第1及び第2のフイルム巻取り装置により作動される。第2のマイクロフィニッシングフィルム8は第1のマイクロフィニッシングフィルム6とは別体にされ、特許文献1の図10、図14で一個のマイクロフィニッシングフィルムがジャーナル外周面の両側に立ち上がってジャーナルの外周面及び側壁部分を加工するのとは異なる。
【0008】
図1(b) で示すスラスト面加工シュー7の中央部の部分断面側面図は、図1(a) のスラスト面4のほぼ中央部分でかつ側面からみた部分断面図として示す。図1(b) の一対のスラスト面加工シュー7、7の内側にはスラストクランプシリンダー9のプルロッド10に一端を連結されたくさび部11が挿入され、加工中、前記くさび部11がプルロッド10により点線iiからi に示す位置まで引っ張られたとき、くさび部11が一対のスラスト面加工シュー7、7のテーパ面12、12をジャーナル2の一対のスラスト面4、4に向けて一対のスラスト面加工シュー7、7を平行に移動させ、押し広げて、第2のマイクロフィニッシングフィルム8の図1(a) でみて正面側及び裏面側となる砥粒面13、13をジャーナル2の一対のスラスト面4、4に押圧クランプするようにされている。
【0009】
図1(a) では省略されているが、反クランプアーム1側に、各一組の、共に図示しない、第2のジャーナル外周面加工シュー及びジャーナルの外周面に第2のジャーナル外周面加工シューにより押し当てるよう張られた第3のマイクロフィニッシングフィルムとが、図1(a) のそれらと面対象位置に設けられ、ジャーナル2の外周面4は、上下から挟んでフィルムラップ加工される。
【0010】
作動においては、まずクランプアーム1が図1(a) でみて上方にはね上げられ、ワークであるクランクシャフトのジャーナル2が図示の位置に図示しない装置によりクランプされた後、クランプアーム1が閉じられ、ジャーナル2に上下から一体もののジャーナル外周面及びスラスト面加工シュー5及び図示しない第2のジャーナル外周面加工シューにより押し当てられた第1のマイクロフィニッシングフィルム6及び図示しない第3のマイクロフィニッシングフィルムとをジャーナル2に対してクランプする。次にスラストクランプシリンダー9のプルロッド10が図1(b) で示す点線iiから点線i に示す位置まで引っ張られたとき、くさび部11が一対のスラスト面加工シュー7、7のテーパ面12、12をジャーナル2の一対のスラスト面4、4に向けて押し広げて、第2のマイクロフィニッシングフィルム8の砥粒面13、13をジャーナル2の一対のスラスト面4、4に押圧クランプする。その後で、一対の第1のマイクロフィニッシングフィルム6と図示しない第3のマイクロフィニッシングフィルム、及び第2のマイクロフィニッシングフィルム8が、同時又は個別に作動され、ジャーナル2の外周面3及びジャーナル外周面2の両側に立ち上がるジャーナルの一対のスラスト面4を同時にフィルムラップ加工される。
【0011】
かかる構成により、一体もののジャーナル外周面及び一対のスラスト面加工シュー5を使用し、1つのステーションの1つのシューで、ジャーナル外周面及びジャーナルの一対のスラスト面を同時にフィルムラップ加工できるので、ジャーナル外周面及びスラスト面の加工を別々のステーションで別々のシューを使用して行う必要がなく、ステーション間のワークを移動させる装置、スラスト加工用としてクランプアームユニット、フイルム巻取り装置を個別に必要とせず、スペースと設備コスト、多くの加工時間、加工コストを節約したジャーナルのスラスト面フィルムラップ加工装置を提供するものとなった。
【0012】
図1(c) に示す、図1(a) のスラスト面加工シュー7を正面から見た両端部分のうちの1つを側面から見た拡大部分断面側面図を示し、ジャーナル2のスラスト面4方向でみて、スラスト面加工シュー7の両端には、スプリング受け16を内周内方にそれぞれ有する一対の貫通穴19、19を有し、一対の貫通穴19、19には、外周端部にそれぞれスプリング受け17を有する一対のワシャー部材15a,15b がボルト20で止められて挿入され、かつ各内周内方スプリング受け16、16及び外周端部スプリング受け17、17間にコイルばね18、18が配置され、スラスト面加工シュー7の両端の一対の貫通穴19、19の中間の位置に、図1(b) に示す、スラスト面加工シュー7のテーパ面12、12が配置されている(図1(c) には示されていない)。かかる構成により、スラストクランプシリンダー9のプルロッド10が図1(b) で示す点線iiから点線i に示す位置まで引っ張られたとき、くさび部11が一対のスラスト面加工シュー7、7のテーパ面12、12を押し広げ、コイルばね18、18を圧縮させ、一対のワシャー部材 15a,15b が一対の貫通穴19、19に案内されてスラスト面加工シュー7、7を一対のスラスト面4、4に向けて平行に移動させる。逆にスラストクランプシリンダー9のプルロッド10が図1(b) でみて下方に押し下げられたとき、コイルばね18、18が復元方向にスラスト面加工シュー7、7を押して原位置まで復帰させる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a) は本発明の実施の形態のジャーナルのスラスト面フィルムラップ加工装置の概略要部正面図、(b) は(a) のスラスト面加工シューの中央部の部分断面側面図、(c) は(a) のスラスト面加工シューの正面から見た両端部分のうちの1つを側面から見た拡大部分断面側面図、をそれぞれ示す。
【符号の説明】
1 クランプアーム、2 ジャーナル、3 外周面、4 スラスト面
5 一体もののジャーナル外周面及び一対のスラスト面加工シュー、6 第1のマイクロフィニッシングフィルム、7 一対のスラスト面加工シュー、8 第2のマイクロフィニッシングフィルム、9 スラストクランプシリンダー、10 プルロッド、11 たくさび部、12 テーパ面、13 砥粒面、14 ジャーナル外周面加工シュー
Claims (3)
- 高精度な表面粗さ、形状精度を要求する部品を仕上げるツールであるマイクロフィニッシングフィルムを用いたジャーナル外周面及びジャーナル外周面から立ち上がる一対のスラスト面を同時にフィルムラップ加工するための、装置本体に開閉可能に支持されたクランプアームに取付けられたジャーナル外周面加工シューと、クランプアームにそれぞれ支持された、ジャーナル外周面に前記ジャーナル外周面加工シューにより押し当てるよう張られた第1のマイクロフィニッシングフィルムと、ジャーナルの一対のスラスト面に前記ジャーナル外周面加工シューに嵌めこまれ支持され前記一対のスラスト面に平行に配置された一対のスラスト面加工シューにより押し当てるよう前記一対のスラスト面に平行に張られた第2のマイクロフィニッシングフィルムと、を有し、前記ジャーナル外周面加工シューとそれに嵌めこまれ支持された前記スラスト面加工シューとは前記クランプアームに取付けられた一体もののジャーナル外周面及びスラスト面加工シューを形成し一体的に着脱可能にされ、前記一対のスラスト面加工シューの内側にはプルロッドに一端を連結されたくさび部が挿入され、加工中、前記くさび部がスラストクランプシリンダーのプルロッドにより引っ張られたとき、前記くさび部が前記一対のスラスト面加工シューのテーパ面をジャーナルの一対のスラスト面に向けて押し広げて前記一対のスラスト面加工シューを平行に移動させ、前記第2のマイクロフィニッシングフィルムの砥粒面を前記ジャーナルの一対のスラスト面に押圧クランプすることを特徴とするジャーナルのスラスト面フィルムラップ加工装置。
- 前記スラスト面加工シューは、ジャーナルのスラスト面方向でみて両端にスプリング受けを内周内方にそれぞれ有する一対の貫通穴を有し、前記一対の貫通穴に外周端部にそれぞれスプリング受けを有する一対のワシャー部材がボルト止めされて挿入され、かつ前記各内周内方及び外周端部スプリング受け間にコイルばねが配置され、前記一対の貫通穴の中間の位置に前記一対のスラスト面加工シューのテーパ面が配置されていることを特徴とする請求項1記載のジャーナルのスラスト面フィルムラップ加工装置。
- 反クランプアーム側に、第2のジャーナル外周面加工シュー及び前記ジャーナル外周面に第2のジャーナル外周面加工シューにより押し当てるよう張られた第3のマイクロフィニッシングフィルムが設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のジャーナルのスラスト面フィルムラップ加工装置。
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JP2002272882A JP3773885B2 (ja) | 2002-09-19 | 2002-09-19 | ジャーナルのスラスト面フィルムラップ加工装置 |
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