JP3773611B2 - 液圧レギュレータ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液圧レギュレータに係り、特に、メタリック塗料、磁性塗料などの沈殿しやすい液体の減圧に好適な液圧レギュレータに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ダイヤフラムを用いて加圧された液体を一定の圧力に減圧して吐出することのできる液圧レギュレータが知られている。この種の従来の液圧レギュレータについて、自動車などの塗装ラインにおいて、ハンドガン、スプレーガンなどと称される塗工手段の塗工ノズルから吐出する液体たるメタリック塗料を所定の流量となるように一定の圧力に減圧して吐出するように塗工手段に接続して用いられる液圧レギュレータを例示して説明する。
【0003】
図5および図6は従来の液圧レギュレータの一例を示すものであり、従来の液圧レギュレータ1は、平面ほぼU字形状に形成された本体2とボンネット3との間にダイヤフラム4を挟持するように形成されている。
【0004】
前記ダイヤフラム4は、ゴム様弾性体などによりほぼ円環状に形成されている。このダイヤフラム4の中心部には、ほぼ円環状に形成された上下1対のプレート5a,5bがダイヤフラム4を介して相互に対向するようにして配設されている。そして、上下1対のプレート5a,5bのうち図5においてダイヤフラム4の下方に示す一方は、本体2側に位置する下プレート5aとされ、図5においてダイヤフラム4の上方に示す他方は、ボンネット3側に位置する上プレート5bとされている。そして、下プレート5aおよび上プレート5bは、ダイヤフラム4の外径より小径のほぼ円環状に形成されており、締結体6を下プレート5aの下方から上プレート5bの上方に突出するように挿通し、この締結体6の上端に形成された雄ねじ部6aにナット7を螺合することにより、下プレート5aおよび上プレート5bがダイヤフラム4の中心部を挟持するようにして取着されている。また、下プレート5aの軸心部を下方から挿通する締結体6の下部には、ほぼ四角枠状に形成された支持枠6bが配設されている。そして、上プレート5bの上面には、ダイヤフラム4の作動圧を制御するための付勢手段たるスプリング8の下端が装着可能な座面9が形成されている。このスプリング8の上端には、スプリング8の付勢力を調整するための調整ねじ10の下端に位置する尖端がスプリング8のほぼ軸心位置を保持することのできるねじ受け部材11が配設されている。
【0005】
前記本体2は、ほぼ円環状に形成されたダイヤフラム4の外周縁を下方から支持するとともに、ダイヤフラム4の一面側たる下面側にダイヤフラム室12を形成するためのものであり、この本体2は、平面ほぼU字形状の基体部13の下部に平面ほぼT字形状の取付部14を一体に形成することにより構成されている。そして、基体部13の上部には、ダイヤフラム4の外周縁を下方から支持するための平面ほぼU字形状に形成された下フランジ部15が形成されている。この下フランジ部15は、ダイヤフラム4の外径より大きく形成されており、図5上方に示す上面がダイヤフラム4を下方から支持可能な下支持面15aとされている。さらに、下フランジ部15のダイヤフラム4の外周縁より径方向外側には複数のねじ穴16(一部のみ図示)が形成されている。
【0006】
前記下フランジ部15のほぼ中央部には、ダイヤフラム室12を形成するための上部が開口とされたほぼ円形の下有底穴17が形成されている。この下有底穴17は、ダイヤフラム4の外周縁より小さく、下プレート5aの外径より大きく形成されており、その軸心部の下方には、図6に示すように、ダイヤフラム室12の液体の流入口としての平面ほぼ長方形状に形成された有底の液体供給部18が形成されている。この液体供給部18には、前記締結体6の下部に形成された支持枠6の下部が上下方向に移動可能に配設されている。そして、液体供給部18の上下方向のほぼ中央部には、液体供給部18を図5において左右方向に貫通する液体誘導部材19が配設されている。この液体誘導部材19の内部には、その右端部に液体入口20を有し、液体供給部18に位置する部位の外周面に液体出口21を有する連通路22が形成されており、液体誘導部材19の液体入口20は、本体2の内部の右方に形成された平面長方形状の液体流入室23に接続されている。
【0007】
また、液体誘導部材19の液体出口21は、弁座を兼用するように形成されており、前記支持枠6bの最も下方に位置する下桁24の上面の長手方向のほぼ中央部に下部が支持されたボール体25の上部が接離可能とされている。そして、液体出口21にボール体25の上部が当接した際には、液体誘導部材19の内部を通過した液体は、ボール体25により遮断されて液体供給部18、すなわち、ダイヤフラム室12へ供給することができないように構成されており、液体出口21とボール体25とが離間している際には、液体誘導部材19の内部を通過した液体が液体出口21を通過して液体供給部18、すなわち、ダイヤフラム室12へ供給することができるように構成されている。また、液体流入室23には、図6に示すように、本体2の右方に突出するようにして相互に平行に配設された2つの供給ポート26が接続されている。さらに、本体2の右端部には、液体誘導部材19を配設するために液体流入室23の右壁に穿設した通し穴34を閉塞するプラグ35が取着されている。
【0008】
前記ダイヤフラム室12の一部を形成する下有底穴17の図5左方には、下方に向かって延出された液体吐出穴27が形成されており、この液体吐出穴27は、本体2の左方に突出するようにして配設された吐出ポート28に接続されている。
【0009】
前記ボンネット3は、ほぼ円環状に形成されたダイヤフラム4の外周縁を上方から支持するとともに、ダイヤフラム4の上面側にスプリング8を収納するスプリング室29を形成するためのものであり、このボンネット3は、前記本体2と同様に平面ほぼU字形状に構成されている。そして、ボンネット3の下部には、ダイヤフラム4の外周縁を上方から支持するための平面ほぼU字形状に形成された上フランジ部30が形成されている。この上フランジ部30は、ダイヤフラム4の外径より大きく形成されており、図5下方に示す下面がダイヤフラム4を上方から支持可能な上支持面30aとされている。さらに、上フランジ部30のダイヤフラム4の外周縁より径方向外側には、板厚方向に貫通する複数の貫通孔31が形成されており、この貫通孔31に挿通される固定ねじ32を前記本体2の下フランジ部15のねじ穴16に螺入させることにより、ボンネット3を前記本体2へ取着するように形成されている。そして、上フランジ部30のほぼ中央部には、下部が開口とされスプリング室29を形成するためのほぼ円形の上有底穴33が形成されている。この上有底穴33の底部、すなわち、ボンネット3の頂部には、スプリング8の付勢力を調整するための調整ねじ10がその上端を外部に突出するようにして螺合されており、調整ねじ10の上部には、調整ねじ10を固定するロックナット34が取着されている。
【0010】
このような構成からなる従来の液圧レギュレータ1においては、吐出ポート28側の圧力が調整ねじ10をもって調整されたスプリング8の付勢力によるダイヤフラム4の作動圧より低下するとダイヤフラム4が図5下方に移動し、これにより、液体出口21とボール体25とを離間させ、供給ポート26から供給され液体誘導部材19の内部を通過した液体が液体出口21を通過して液体供給部18、すなわち、ダイヤフラム室12へ供給される。また、吐出ート28側の圧力が調整ねじ10をもって調整されたスプリング8の付勢力によるダイヤフラム4の作動圧より上昇するとダイヤフラム4が図5上方に移動し、これにより、液体出口21とボール体25とを当接させ、供給ポート26から供給され液体誘導部材19の内部を通過した液体が液体出口21で遮断することができるようになっている。その結果、圧送されるメタリック塗料を所定の流量となるように一定の圧力に減圧して吐出ポート26から塗工手段へ供給することができるようになっている。また、この液圧レギュレータ1においては、供給ポート26が2つ配設されており、液体としてのメタリック塗料を供給側において循環使用することができるようになっている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述した従来の液圧レギュレータ1においては、液体として固形分が沈殿しやすいメタリック塗料を用いた場合に、流路の一部を構成するダイヤフラム室4の内部の隅にメタリック塗料の流動を阻害する非流動部、いわゆるデッドスペースが多く形成され、ダイヤフラム室4の内部に固形分が徐々に沈殿してしまうという問題点があった。そして、デッドスペースに沈殿した固形分は、沈殿した部位の表面が流動する新しいメタリック塗料に接しているので、ダイヤフラム室4に沈殿した固形分が時々剥離して吐出され、その結果、塗装品質を低下させるという不都合を生じることになる。また、従来の液圧レギュレータ1においては、液体流入室23においても、同様に、デッドスペースの形成および固形分の沈殿が生じてしまうという問題点があった。
【0012】
そこで、液体の流路に沈殿が生じるのを防止することができ、メタリック塗料や磁性塗料などの沈殿しやすい固形分を含有する液体の減圧に用いることのできるものが望まれていた。
【0013】
また、従来の液圧レギュレータ1においては、本体2とボンネット3とがダイヤフラム4の外周縁より外側の部位で固定ねじ32により固定される構成とされているために、ダイヤフラム4の外周縁より外側の部位の面積が大きく、近年の各種機器に求められている、小型化、軽量化を図るうえでの阻害要因となっているという問題点があった。また、この場合には、本体2とボンネット3との間にダイヤフラム4を挟持する際に、複数の固定ねじ32による均等なねじ締めを要し、複数の固定ねじ32を均等に締結するには、多大な労力と時間とを要するとともに熟練を要し、生産性がよくないという問題点があった。さらにまた、複数の固定ねじ32を用いた場合には、液圧レギュレータ1を分解して洗浄する際に、固定ねじ32を紛失しやすく、取扱性がよくないという問題点もあった。
【0014】
本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、メタリック塗料や磁性塗料などの沈殿しやすい固形分を含有する液体の減圧に用いた場合に、液体の流路に沈殿が生じるのを防止することができる液圧レギュレータを提供することを第1の目的とし、小型化、軽量化を図るとともに生産性、取扱性に優れた液圧レギュレータを提供することを第2の目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
前述した目的を達成するため特許請求の範囲の請求項1に記載の本発明の液圧レギュレータの特徴は、本体とボンネットとの間にダイヤフラムを挟持するとともに、このダイヤフラムの一面側にダイヤフラム室を形成し、このダイヤフラム室に供給された液体を所定の流量となるように一定の圧力に減圧して吐出する液圧レギュレータにおいて、前記ダイヤフラム室の底壁全体に液体の流動を阻害するデッドスペースの形成を防止可能なシートリングを装着するとともに、このシートリングに前記ダイヤフラムとの間に液体の流動経路を規制する誘導路が形成されており、前記誘導路は、前記シートリングの軸心部に設けられた貫通孔を通過した液体を前記貫通孔の軸心方向に対して直交する方向に誘導する凹溝と、この凹溝に連通する環状の逃げ溝とを具備しており、前記逃げ溝には、前記ダイヤフラム室の底壁に形成された吐出ポートに接続する吐出穴に連通する液体吐出穴が形成されており、液体が前記ダイヤフラム室を流動する際に、液体が前記シートリングに形成された前記誘導路の一部を構成する凹溝、前記ダイヤフラム室の一部を形成するとともに前記誘導路の一部を構成する逃げ溝、および、液体吐出穴をこの順に通過して前記吐出ポートに流動するように形成されている点にある。そして、このような構成を採用したことにより、流路の一部を構成するダイヤフラム室の内部を通過する液体を円滑に流動させることができる。
【0016】
また、特許請求の範囲の請求項2に記載の本発明の液圧レギュレータの特徴は、請求項1において、前記シートリングが樹脂により形成されている点にある。そして、このような構成を採用したことにより、流路の一部を構成するダイヤフラム室の内部を通過する液体をより円滑に流動させることができる。
【0017】
また、特許請求の範囲の請求項3に記載の本発明の液圧レギュレータの特徴は、請求項1または請求項2において、前記ダイヤフラム室の液体の流入口に、液体が流入可能な複数の供給ポートが接続されている点にある。そして、このような構成を採用したことにより、ダイヤフラム室に供給する前の液体を円滑に流動させることができる。
【0018】
また、特許請求の範囲の請求項4に記載の本発明の液圧レギュレータの特徴は、請求項1乃至請求項3の何れか1項において、前記本体と前記ボンネットとを直接螺合させることによりダイヤフラムを挟持可能に形成した点にある。そして、このような構成を採用したことにより、小型化、軽量化を図るとともに生産性、取扱性を向上させ、かつ、液体を円滑に流動させることができる。
【0019】
また、特許請求の範囲の請求項5に記載の本発明の液圧レギュレータの特徴は、請求項1乃至請求項4の何れか1項において、前記吐出穴と液体吐出穴とを連通するパイプ状のインサートが配設されている点にある。そして、このような構成を採用したことにより、吐出穴と液体吐出穴との位置決めを容易に行うことができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示す実施の形態により説明する。
【0021】
本実施の形態の液圧レギュレータは、自動車などの塗装ラインおいて、公知のハンドガン、スプレーガンなどと称される塗工手段の塗工ノズルから吐出する液体たるメタリック塗料を所定の流量となるように一定の圧力に減圧して吐出するように塗工手段に接続して用いられるものである。
【0022】
図1から図3は本発明に係る液圧レギュレータの要部を示すものであり、図1は縦断面図であり、図2は図1の平面図であり、図3は図1の一部切断下面図である。
【0023】
図1から図3に示すように、本実施の形態の液圧レギュレータ41は、平面ほぼ円形形状に形成された本体42とボンネット43との間に公知のゴム様弾性体などによりほぼ円環状に形成されたダイヤフラム44を挟持するように形成されている。
【0024】
前記ダイヤフラム44の中心部には、ほぼ円環状に形成された上下1対のプレート45a,45bがダイヤフラム44を介して相互に対向するようにして配設されている。そして、上下1対のプレート45a,45bのうち図1においてダイヤフラム44の下方に示す一方は、本体42側に位置する下プレート45aとされ、図1においてダイヤフラム44の上方に示す他方は、ボンネット43側に位置する上プレート45bとされている。そして、下プレート45aおよび上プレート45bは、ダイヤフラム44の外径より小径のほぼ円環状に形成されており、下プレート45aの上面の軸心部に突設された係合凸部46を上プレート45bの下面に凹設された係合凹部47に嵌合することにより相互間の径方向への位置決めが施されている。
【0025】
前記下プレート45aの軸心部には、ねじ穴48が形成されており、上プレート45bの軸心部には、貫通孔49が形成されている。また、下プレート45aおよび上プレート45bの軸心部には、ほぼ円柱形状のプレート締結部材50が配設されている。このプレート締結部材50は、図1において最も上方に示す大径部50aと、その下方に位置する中径部50bと、図1において最も下方に示す小径部50cとにより、下方に向かって順に小径とされた上下方向3段に形成されている。そして、大径部50aの下面が上プレート45bの上面の軸心部近傍に形成された座面51に当接されている。さらに、中径部50bの外周面には、雄ねじが形成されており、この雄ねじを下プレート45aの軸心部に形成されねじ穴に螺合させることにより、下プレート45aと上プレート45bとがダイヤフラム44の中心部近傍の周囲を挟持するようにして締結されている。また、下プレート45aの下面の外周縁より内側は、凹状の平滑な当接面52とされている。
【0026】
前記上プレート45bの上面の座面51には、ダイヤフラム44の作動圧を制御するための付勢手段たるスプリング53が配設されている。このスプリング53の下端部は、前記プレート締結部材50の大径部50aに外挿されている。そして、スプリング53の上端には、スプリング53の付勢力を調整するための作動圧調整ねじ54の下端に位置する尖端がスプリング53のほぼ軸心位置を保持するように当接可能なねじ受け部材55が配設されている。
【0027】
前記本体42は、ほぼ円環状に形成されたダイヤフラム44の外周縁の下端を下方から支持するとともに、ダイヤフラム44の一面側たる下面側にダイヤフラム室56を形成するためのものであり、この本体42は、上部が開口の有底円筒形状に形成された基体部57の下部に平面ほぼ長穴形状の取付部58を一体に形成することにより構成されている。そして、基体部57は、その外径がダイヤフラム44の外径とほぼ同一かもしくは若干大きく形成されており、その外周面には、ボンネット43を直接螺合するための雄ねじ部59が形成されている。また、基体部57の上面は、ダイヤフラム44の外周縁の下端を下方から支持可能な下支持面60とされている。
【0028】
前記基体部57のほぼ中央部には、ダイヤフラム室56を形成するための上部が開口とされたほぼ円形の下有底穴61が形成されている。この下有底穴61は、ダイヤフラム44の外周縁より小さく、下プレート45aの外径より大きく形成されている。この下有底穴61には、ダイヤフラム室56の内部にメタリック塗料の流動を阻害するデッドスペースの形成を防止可能な樹脂により形成された上部が開口のカップ状のシートリング62が装着されている。すなわち、ダイヤフラム室56の底壁全体にシートリング62が装着されている。このシートリング62の軸心部には、前記プレート締結部材50の小径部50cが遊嵌される貫通孔63が形成されている。そして、シートリング62の底壁62aの貫通孔63の周囲には、前記下プレート45aの当接面52に接離可能な接離面64が形成されている。さらに、接離面64の周囲には、前記下プレート45aの当接面52に接離面64が当接した際に、前記下プレート45aの外周縁側の下端がシートリング62の底壁62aに接触して、下プレート45aの当接面52に接離面64が当接するのを阻害するのを防止するための環状の逃げ溝65が形成されている。この逃げ溝65の図1左方に示す一部には、液体吐出穴66が形成されており、この液体吐出穴66は、本体42の基体部57の底壁57aに形成された吐出穴67に連通されている。
【0029】
なお、本実施の形態においては、シートリング62に形成した液体吐出穴66と本体42に形成した吐出穴67との位置決めを行うために、液体吐出穴66および吐出穴67を連通するパイプ状のインサート82が配設されている。
【0030】
また、シートリング62の軸心部に位置する貫通孔63の下部には、弁座68が配設されている。さらにまた、前記接離面64の図1右方に示す一部には、凹溝69が軸心方向に対して直交するように形成されている。この凹溝69は複数であってもよい。また、シートリング62の図1上方に示す外周面の上部には、ダイヤフラム室56内に位置するメタリック塗料の漏洩防止を行うためのOリング70が配設されている。
【0031】
前記凹溝69および逃げ溝65により、本実施の形態の液体たるメタリック塗料の流動経路を規制する誘導路71が構成されている。
【0032】
前記本体42の下有底穴61の軸心部の下方に位置する取付部58には、ダイヤフラム室56への液体たるメタリック塗料の流入口としての平面ほぼ長穴形状に形成された上部が開口の有底の液体供給室72が形成されている。この液体供給室72の底壁72aには、コイルばね73の下端が当接するようにして配設されており、このコイルばね73の上端には、前記弁座68に接離可能とされたボール体74が配設されている。すなわち、ボール体74は、常にはコイルばね73の付勢力をもって弁座68に当接するようにして下方から支持されており、ボール体74が弁座68に当接している際には、液体供給室72に位置するメタリック塗料がシートリング62の貫通孔63を介してダイヤフラム室56へ流動するのを遮断することができるようになっている。
【0033】
前記本体42の基体部57の底壁57aの液体供給室72の周囲には、液体供給室72に位置するメタリック塗料が本体42の基体部57の底壁57aとシートリング62の下面との間から漏洩するのを防止するためのOリング75が配設されている。また、ボール体74の図1にて上方に示す頂部には、プレート締結部材50の小径部50cの先端面が接離可能とされており、前記ダイヤフラム44が作動して図1下方へ移動した際に、弁座68に当接しているボール体74を図1下方に移動させ、弁座68からボール体74を離間させ、液体供給室72に位置するメタリック塗料をシートリング62の貫通孔63を介してダイヤフラム室56へ流動させることができるように構成されている。
【0034】
前記ダイヤフラム室56の流入口たる液体供給室72の図1右側には、図3に詳示するように、本体42の右方に突出するようにして2つの供給ポート76が直接接続されている。なお、供給ポート76の数は、必要に応じて増減すればよく、特に、本実施の形態の数に限定されるものではない。
【0035】
前記取付部58の図1左側には、前記シートリング62の液体吐出穴66に連通する有底の吐出穴67が形成されており、この吐出穴67は、取付部58の左方に突出するようにして配設された吐出ポート78に接続されている。また、吐出穴67の上部には、前記インサート82の下部が取着されている。
【0036】
前記ボンネット43は、下部が開口とされ上部が小径の有底のほぼ円筒形状に形成されており、ダイヤフラム44の外周縁を上方から支持するとともに、ダイヤフラム44の上方に前記スプリング53を収納するスプリング室79が形成されている。そして、ボンネット43の下部の内周面には、雌ねじ部80が形成されており、この雌ねじ部80と前記本体42の基体部57の外周面に形成された雄ねじ部59とを螺合することにより、本体42とボンネット43とを直接螺合させてダイヤフラム44を挟持することができるようになっている。また、ボンネット43の図1上方に示す頂部には、ダイヤフラム44に対するスプリング53の付勢力を調整するための作動圧調整ねじ54がその上端を外部に突出するようにして螺合されており、この作動圧調整ねじ54の上部には、作動圧調整ねじ54を固定するロックナット81が取着されている。
【0037】
つぎに、前述した構成からなる本実施の形態の作用について図1から図4により説明する。
【0038】
図1から図3は吐出ポート側の圧力がスプリングにより調整されたダイヤフラムの作動圧より上昇してボール体が弁座に当接し、液体供給室に位置する液体がダイヤフラム室へ流動するのを遮断した液体遮断状態を示しており、図4は吐出ポート側の圧力がスプリングにより調整されたダイヤフラムの作動圧より低下してボール体が弁座から離間し、液体供給室に位置する液体がダイヤフラム室へ流動する液体流動状態を示す縦断面図である。
【0039】
本実施の形態の液圧レギュレータ41によれば、吐出ート78側の圧力が作動圧調整ねじ54をもって調整されたスプリング53の付勢力によるダイヤフラム44の作動圧より上昇すると、図1に示すように、ダイヤフラム44がほぼ水平となり、プレート締結部材50の小径部50cの先端がボール体74の頂部から離間し、ボール体74は、コイルばね73の付勢力により頂部が弁座68に当接する。その結果、供給ポート76から液体の流入口としての液体供給室72へ流入しているメタリック塗料は、ボール体74と弁座68との当接部位でダイヤフラム室56へ流動するのを遮断され遮断状態となる。
【0040】
また、吐出ート78側の圧力が作動圧調整ねじ54をもって調整されたスプリング53の付勢力によるダイヤフラム44の作動圧より低下するとダイヤフラム44が図4に示すように下方に移動し、シートリング62の底壁62の接離面64と下プレート45aの当接面52とが当接するとともに、プレート締結部材50の小径部50cの先端がボール体74の頂部に当接してコイルばね73の付勢力に抗してボール体74を図4下方に移動させ、ボール体74が弁座68から離間する。その結果、供給ポート76から流入口としての液体供給室72へ流入しているメタリック塗料は、ボール体74と弁座68と隙間からダイヤフラム室56へ向かって流動可能な液体流動状態となる。
【0041】
そして、液圧レギュレータ41は、吐出ート78側の圧力に応じてダイヤフラム44を動作させて遮断状態と液体流動状態とを繰り返すことにより、圧送されるメタリック塗料を所定の流量となるように一定の圧力に減圧して吐出ポート78から塗工手段へ供給することができるようになっている。
【0042】
さらに、本実施の形態の液圧レギュレータ41においては、供給ポート26が2つ配設されており、メタリック塗料を循環使用することができるようになっている。
【0043】
また、本実施の形態の液圧レギュレータ41によれば、液体流動状態において、図4に示すように、液体供給室72からシートリング62の貫通孔63を通過したメタリック塗料は、シートリング62の底壁62の接離面64と下プレート45aの当接面52とが当接しているので、誘導路71の一部を構成する凹溝69を通過して、ダイヤフラム室56の一部を構成するとともに誘導路71の一部を構成する環状の逃げ溝65へ達し、その後、インサート82の内部を液体吐出穴66、吐出穴67の順に通過して吐出ート78へ流動する。
【0044】
すなわち、メタリック塗料は、ダイヤフラム室56を通過する際に、ダイヤフラム室56の内部に装着されたシートリング62に形成された誘導路71を通過することになるので、流路の一部を構成するダイヤフラム室56を通過するメタリック塗料の流動を阻害するデッドスペースの形成が極めて少なく、ダイヤフラム室56の内部を通過するメタリック塗料を円滑に流動させることができ、実用上、ダイヤフラム室56の内部にメタリック塗料の固形分が沈殿するのを確実に防止することができる。
【0045】
また、本実施の形態の液圧レギュレータ41によれば、シートリング62が樹脂により形成されているので、メタリック塗料などの液体に対する摩擦抵抗を少なくすることができ、ダイヤフラム室56の内部を通過するメタリック塗料をより円滑に流動させることができる。また、このことは、液圧レギュレータ41を分解して洗浄する際に、シートリング62に付着したメタリック塗料を容易に分離することができ、液圧レギュレータ41の洗浄性および取扱性を確実に向上させることができる。
【0046】
さらに、本実施の形態の液圧レギュレータ41によれば、従来と異なり、液体の流入口たる液体供給室72に液体たるメタリック塗料が流入可能な複数の供給ポート76が直接接続されているので、ダイヤフラム室56に供給する前の液体たるメタリック塗料を円滑に流動させることができるとともに、取付部58を従来より小さくすることができ、小型化、軽量化を図ることができる。
【0047】
さらにまた、本実施の形態の液圧レギュレータ41によれば、従来と異なり、本体42の基体部57の外周面に形成した雄ねじ部59と、ボンネット43の下部の内周面に形成した雌ねじ部80とを直接螺合させることによりダイヤフラム44を挟持するように形成されているので、雄ねじ部59と雌ねじ部80とを螺合するという簡単な動作により、本体42とボンネット43との間にダイヤフラム44を容易かつ均一に挟持することができるので、品質および生産性を向上させることができる。そして、雄ねじ部59と雌ねじ部80とを螺合するという構成は、ダイヤフラム44の外周縁より外側に位置する部位を小さくすることができるので、小型化、軽量化を図ることができる。また、雄ねじ部59と雌ねじ部80とを螺合するという簡単な動作により本体42とボンネット43とが締結されているので、液圧レギュレータ41を分解して洗浄する際の取扱性を向上させることができる。
【0048】
さらに、シートリング62の図1上方に示す外周面の上部角部にOリング70を装着することができるので、ダイヤフラム室56の内部に位置するメタリック塗料が本体42とボンネット43との間から漏洩するのをより確実に防止することができる。
【0049】
また、本実施の形態の液圧レギュレータ41によれば、ダイヤフラム44の外径サイズが同一の従来の液圧レギュレータ1に比較して、本体42およびボンネット43の投影面積を20%程度低減し、全体の重量を10%程度低減することができた。
【0050】
なお、本実施の形態の液圧レギュレータ41は、メタリック塗料だけでなく、磁性塗料、2液性塗料などの沈殿、凝集、固化しやすい固形分を含有する液体に用いることができる。
【0051】
また、本発明は、前記実施の形態に限定されるものではなく、必要に応じて変更することができる。
【0052】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の液圧レギュレータによれば、メタリック塗料や磁性塗料などの沈殿しやすい固形分を含有する液体を用いた場合においても、液体の流路に沈殿が生じるのを確実に防止することができるとともに、生産性、取扱性を向上させ、かつ、小型化、軽量化を図ることができることができるという極めて優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る液圧レギュレータの実施の形態の液体遮断状態における要部を示す縦断面図
【図2】 図1の平面図
【図3】 図1の一部切断下面図
【図4】 本発明に係る液圧レギュレータの実施の形態の液体流動状態における要部を示す縦断面図
【図5】 従来の液圧レギュレータの要部を示す縦断面図
【図6】 図5の一部切断下面図
【符号の説明】
41 液圧レギュレータ
42 本体
43 ボンネット
44 ダイヤフラム
45a 下プレート
50 プレート締結部材
50c 小径部
52 当接面
53 スプリング
54 作動圧調整ねじ
56 ダイヤフラム室
57 基体部
58 取付部
59 雄ねじ部
62 シートリング
64 接離面
65 逃げ溝
66 液体吐出穴
67 吐出穴
68 弁座
69 凹溝
71 誘導路
72 (流入口としての)液体供給室
76 供給ポート
78 吐出ポート
79 スプリング室
81 ロックナット
82 インサート

Claims (5)

  1. 本体とボンネットとの間にダイヤフラムを挟持するとともに、このダイヤフラムの一面側にダイヤフラム室を形成し、このダイヤフラム室に供給された液体を所定の流量となるように一定の圧力に減圧して吐出する液圧レギュレータにおいて、
    前記ダイヤフラム室の底壁全体に液体の流動を阻害するデッドスペースの形成を防止可能なシートリングを装着するとともに、このシートリングに前記ダイヤフラムとの間に液体の流動経路を規制する誘導路が形成されており、
    前記誘導路は、前記シートリングの軸心部に設けられた貫通孔を通過した液体を前記貫通孔の軸心方向に対して直交する方向に誘導する凹溝と、この凹溝に連通する環状の逃げ溝とを具備しており、
    前記逃げ溝には、前記ダイヤフラム室の底壁に形成された吐出ポートに接続する吐出穴に連通する液体吐出穴が形成されており、
    液体が前記ダイヤフラム室を流動する際に、液体が前記シートリングに形成された前記誘導路の一部を構成する凹溝、前記ダイヤフラム室の一部を形成するとともに前記誘導路の一部を構成する逃げ溝、および、液体吐出穴をこの順に通過して前記吐出ポートに流動するように形成されていることを特徴とする液圧レギュレータ。
  2. 前記シートリングが樹脂により形成されていることを特徴とする請求項1に記載の液圧レギュレータ。
  3. 前記ダイヤフラム室の液体の流入口に、液体が流入可能な複数の供給ポートが接続されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液圧レギュレータ。
  4. 前記本体と前記ボンネットとを直接螺合させることによりダイヤフラムを挟持可能に形成したことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の液圧レギュレータ。
  5. 前記吐出穴と液体吐出穴とを連通するパイプ状のインサートが配設されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の液圧レギュレータ。
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