JP3772960B2 - ガスレーザ装置 - Google Patents

ガスレーザ装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3772960B2
JP3772960B2 JP2000175600A JP2000175600A JP3772960B2 JP 3772960 B2 JP3772960 B2 JP 3772960B2 JP 2000175600 A JP2000175600 A JP 2000175600A JP 2000175600 A JP2000175600 A JP 2000175600A JP 3772960 B2 JP3772960 B2 JP 3772960B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gas
laser
discharge electrode
linear discharge
electrode
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2000175600A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001358385A (ja
Inventor
基尋 新井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ushio Denki KK
Original Assignee
Ushio Denki KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ushio Denki KK filed Critical Ushio Denki KK
Priority to JP2000175600A priority Critical patent/JP3772960B2/ja
Publication of JP2001358385A publication Critical patent/JP2001358385A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3772960B2 publication Critical patent/JP3772960B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Lasers (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガスレーザ装置に関し、特に、静電集塵機を備えたガスレーザ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体集積回路の微細化、高集積化につれ、投影露光装置においては解像力の向上が要請されている。このため、露光用光源から放出される露光光の短波長化が進められており、次世代の半導体リソグラフィー用光源として、波長193nmのArFエキシマレーザ装置や波長157nmのF2 レーザ装置等の放電励起ガスレーザ装置が有力である。
【0003】
ArFエキシマレーザ装置においては、レーザチェンバ内にフッ素(F2 )やアルゴン(Ar)、ネオン(N2 )等のレーザガスが数百kPaで封入されている。また、F2 レーザ装置においては、レーザチェンバ内にフッ素(F2 )やヘリウム(He)、ネオン(Ne)等のレーザガスが数百kPaで封入されている。レーザチェンバ内部にはレーザ光軸方向に延び、所定間隔だけ離間して対向した一対の主放電電極が設けられている。この主放電用電極間に立上りの速い高電圧パルスを印加して放電を発生させることにより、レーザ媒質であるレーザガスが励起される。
【0004】
主放電発生後、主放電空間には熱的撹乱や音響学的撹乱(衝撃波等)が発生し、この状態が維持されたままでは、次の主放電が不安定となって、主電極間でアーク放電が発生し、レーザ出力が不安定となる。
【0005】
このような不具合を避けるためには、次の放電が発生する前に主放電空間のガスを交換する必要がある。具体的には、レーザチェンバ内にファンを設け、レーザチェンバ内のレーザガスを高速循環させている。また、風の流れの下流側には、放電により発生する熱により加熱されたレーザガスを冷却するための熱交換器が設けられている。
【0006】
また、レーザ発振が繰り返し行われるにつれて、レーザチェンバ内に塵が発生する。これらの塵は、例えば放電により主放電電極が削られて発生した粒子がレーザガスと反応した化合物であり、それらの一部はレーザガス中を浮遊し、レーザチェンバに備えられたレーザ光を取り出すための窓材に付着する。そのため、レーザ出力は徐々に低下する。また、ファンを回転可能に支持する軸受部に上記の塵が混入し、ファンの回転に不具合が生じることもある。
【0007】
このような塵を捕捉してレーザ出力の低下を抑制するために、例えば、特開平8−335734号に記載されているように、静電集塵機が使用される。図8にこのような静電集塵機を備えたガスレーザ装置の一例を示す。
【0008】
図8(a)はレーザ発振方向に平行な断面図、図8(b)はレーザ発振方向に垂直な断面図であり、レーザチェンバ1の外に配置される共振器を構成する狭帯域化モジュール、出力鏡等の図示は省いてある。レーザチェンバ1内には、レーザチェンバ1内に矢印で示したレーザガス(ArFエキシマレーザの場合は、ArガスとF2 ガスとNeガスの混合ガス)のガス流を形成するためのファン2、そのレーザガスを冷却するための熱交換器3、レーザガスを励起する一対の電極4が設けられており、電極4は、レーザチェンバ1内の上部にあって互いに対向する位置に設けられ、レーザ発振に必要な放電を行う。電極4の放電領域で発振されたレーザ光は、レーザチェンバ1の対向する壁面に設けられた窓部5の窓材6から外へ出ると共に、共振器の狭帯域化モジュール、出力鏡で反射されたレーザ光はこれら窓材6を通って電極4間の放電領域へ戻り増幅される。
【0009】
レーザチェンバ1内に設けられたファン2により送出されるレーザガスは、電極4間を通過する。ファン2により生じたレーザガス流により放電空間から移動した放電後のレーザガスは、熱交換器3間を通過することにより冷却され、再びファン2へ戻る。
【0010】
ファン2から電極4間へ至るガス流の途中のレーザチェンバ1側壁には開口8が設けられており、静電集塵機10のガス導入口11がこの開口8と連通するように設置される。したがって、ファン2から電極4間へ至るガス流の一部は、レーザチェンバ1の開口8、静電集塵機10のガス導入口11を通過して、静電集塵機10内部へ導入される。そのため、レーザ発振時に発生しレーザガス中を浮遊する塵も静電集塵機10内に導入される。
【0011】
静電集塵機10内部には、複数の細線(放電電極)12が配置されている。これらの細線12の一端は絶縁部材で形成されている細線支持絶縁体13により支持され、他端は絶縁体18に一端が片持ちされていて弾性を有する弾性金属体14により支持されている。細線12はこの弾性金属体14により張力が与えられ、また、この弾性金属体14を介して、高電圧電源に接続されている負電圧導入部材15と電気的に接続され、高電圧に維持される。
【0012】
また、静電集塵機10内部には、各細線12を包囲するように、円筒状金属(集塵電極)16が配置される。これらの円筒状金属16はアース電位に保持される。
【0013】
このような構成であるので、静電集塵機10内部に進入したレーザガス中の塵は、細線12の放電電極により負に帯電する。その後、細線12を囲む円筒状金属16に沿って移動する間に、帯電した塵は円筒状金属16の集塵電極に捕捉される。
【0014】
塵が捕捉されたクリーンなレーザガスは、ガス流として静電集塵機10のガス排出口17、レーザチェンバ1に設けられた開口9を通り、ファン2の軸受部7、レーザチェンバ1の窓部5を経由してレーザチェンバ1内に戻る。そのため、クリーンなガス流により、塵がレーザチェンバ1に備えられた窓材6に付着したり、ファン2を回転可能に支持する軸受部7に混入するのが防止される。
【0015】
ここで、静電集塵機10の細線(放電電極)12が腐食等で断線を起こすと、放電電極の細線12と集塵電極の円筒状金属16とが接触して電気的に短絡する可能性があるという問題がある。このような問題に対して、断線時、細線と高電圧電源との電気的な接触を遮断する短絡通電素子機構が、上記した特開平8−335734号や特開平3−56154号等に記載されている。
【0016】
特開平8−335734号に記載されている短絡通電素子機構の一例を図9を用いて説明する。図8と同一部材には同一符号を付してある。細線12断線時、細線12に張力を与えていた弾性金属体14は、弾性により高電圧電源に接続されている負電圧導入部材15との接触が解除される方向に変形する。このような機構により、細線12と高電圧電源との電気的な接触は遮断される。また、他の断線していない細線12の動作には何ら影響を与えないので、ある一部の細線12の断線後も、残りの細線(放電電極)12と円筒状金属(集塵電極)16との間で集塵動作が継続される。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術においては、細線断線時の電気的短絡を阻止することは可能であり、断線していない他の細線(放電電極)と円筒状金属(集塵電極)の集塵作用により静電集塵機としての機能は継続する。
【0018】
しかしながら、細線断線後、集塵機能を喪失した円筒状金属中を集塵されないガスはそのまま通過するので、静電集塵機のガス排出孔(図8、図9の符号17)から排出されるガスの一部に塵がどうしても混入してしまうことになる。そのため、窓材6にその塵が付着したり、軸受部7にその塵が混入してしまい、前記のような不具合が生じる可能性がある。
【0019】
本発明は従来技術のこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ガスレーザ装置の静電集塵機の断線した放電電極を包囲する集塵電極を塵混入ガスが通過してファン軸受部、窓部へ進入するのを防止するようにすることである。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明のガスレーザ装置は、電源と電気的に接続され高電圧が印加された線状放電電極と、これらの線状放電電極を包囲するように配置された円筒状集塵電極とを有し、前記円筒状集塵電極内をレーザガスが通過する際、レーザガス中を浮遊する塵を前記線状放電電極により帯電させて前記円筒状集塵電極により集塵する静電集塵機を備えたガスレーザ装置において、
前記線状放電電極と前記円筒状集塵電極に、前記線状放電電極が断線した際に、前記円筒状集塵電極のレーザガス導入開口又はレーザガス導出開口を閉塞して前記円筒状集塵電極内のレーザガスの流れを遮断するガス流れ遮断手段を設けたことを特徴とするものである。
【0021】
この場合に、線状放電電極の一端が導電性の弾性体と接続され、この導電性の弾性体が電源からの高電圧を導入する高電圧導入手段と接触していて、線状放電電極が断線した際、その導電性の弾性体と高電圧導入手段との接触が断たれるように構成されていることが望ましい。
【0022】
また、線状放電電極と円筒状集塵電極が複数組あって、線状放電電極の電圧を検出する電圧検出器と、制御装置とを設け、その制御装置は、線状放電電極が断線したときの電圧検出器からの信号を異常信号と判断し、異常信号判断時に断線していない線状放電電極へ供給する電流値Iを下式に基いて設定するように電源を制御するようにすることもできる。
【0023】
I=(断線していない線状放電電極の数/線状放電電極の総数数)×(線状放電電極が全て断線していないときに供給する電流値)
また、線状放電電極と円筒状集塵電極が複数組あって、電源は出力電圧信号を外部に送出する定電流電源であって、さらに制御装置を備え、その制御装置は、出力電圧信号を受信し、線状放電電極が断線したときに生じる出力電圧信号の急峻な上昇を異常信号と判断し、異常信号判断時に出力電圧が所定値となるようその定電流電源が線状放電電極へ供給する電流値を再設定するようにすることもできる。
【0024】
なお、本発明のガスレーザ装置は、ArFエキシマレーザ装置若しくはフッ素レーザ装置の何れかに適用することができる。
【0025】
本発明においては、線状放電電極と円筒状集塵電極に、線状放電電極が断線した際に、円筒状集塵電極のレーザガス導入開口又はレーザガス導出開口を閉塞して円筒状集塵電極内のレーザガスの流れを遮断するガス流れ遮断手段を設けたので、断線した線状放電電極を包囲する円筒状集塵電極内に塵が混入したレーザガスが流れることはなく、他の断線していない線状放電電極を包囲する円筒状集塵電極内のみを通過するようになるので、線状放電電極が断線していない静電集塵機の残りの部分を機能させてレーザガス内の塵の除去を継続することができ、ガスレーザ装置のファンの軸受部、レーザチェンバの窓部等へ塵が進入するのを防止することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
本発明のガスレーザ装置の静電集塵機10の実施例1の構成を図1〜4に示す。この実施例の静電集塵機10は、図8に示したような構成のレーザチェンバ1に、レーザチェンバ1の開口8と静電集塵機10のガス導入口11が、レーザチェンバ1の開口9と静電集塵機10のガス排出口17がそれぞれ連通するように接続されて本発明のガスレーザ装置が構成される。そして、この実施例の静電集塵機10のガスレーザ装置に対する作用は、図8に関して説明した従来技術の場合と同様、レーザガス中の塵を集塵し、集塵後のクリーンガスを図8のようにファン2の軸受部7、レーザチェンバ1の窓部5を経由させ、レーザチェンバ1内に戻すものである。以下、この静電集塵機10について説明する。
【0027】
図1は実施例1の静電集塵機10の全体の構成を示す断面図であり、図2は図1の中央のガス導入口11近傍の拡大断面図、図3は図1の左端部近傍の拡大断面図、図4は図1の右端部近傍の拡大断面図である。
【0028】
静電集塵機10内部には、複数の細線(放電電極)12が配置されている。これらの細線12の右のレーザガス排出口17側の一端は固定部材21に接続され、固定部材12は絶縁部材で形成されている細線支持絶縁体13により支持されている。細線12の左のレーザガス排出口17側は、絶縁性材質からなる支持部材22を貫通し、その端部は導電性の固定部材23に接続されている。この固定部材23は弾性を有する導電性の接触用ばね(導電性の弾性体)24を介して支持部材22に支持されている。なお、接触用ばね24は拡張性のコイルばねからなり、その拡張時の長さは後記する。
【0029】
静電集塵機10の左の電圧導入側の壁25には、絶縁部材からなる電圧導入部材26が貫通して取り付けられている。さらに、この電圧導入部材26を高電圧電源に接続されている電圧導入金属(高電圧導入手段)27が貫通している。この電圧導入金属27の電圧導入側と反対側の端部27’は平面形状であり、支持部材22に当接している。
【0030】
細線12の左の端部に接続された導電性の固定部材23と支持部材22との間に配置された導電性の接触用ばね24は、支持部材22と当接している電圧導入金属27の端部27’と接触するように配置される。そのため、細線12は、導電性の固定部材23、接触用ばね24を介して、高電圧電源に接続されている電圧導入金属27と電気的に接続され、高電圧に維持される。また、この接触用ばね24は圧縮された状態であり、そのため、細線12には張力が与えられる。
【0031】
従来技術と同様に、各細線12を包囲するように円筒状金属(集塵電極)16が配置されている。これらの円筒状金属16は、レーザガス導入口11近傍で左右に分割された配置となっており、左側の円筒状金属(集塵電極)16は、支持部材28(支持部材22と同一部材)、支持部材29により支持され、右側の円筒状金属(集塵電極)16は、支持部材30、支持部材31(細線支持絶縁体13も支持)により支持されている。これらの円筒状金属16はアース電位に保持される。
【0032】
静電集塵機10内部に進入したレーザガス中の塵は放電電極の細線12により負に帯電する。その後、細線12を囲む円筒状金属16に沿って移動する間に、帯電した塵は集塵電極の円筒状金属16に捕捉される。
【0033】
図2に示すように、各円筒状金属16の一端部を支持する支持部材29、30は、各円筒状金属16に対応して円筒状金属16の軸方向に伸びる複数の突出部29’、30’を有する形状であり、突出部29’、30’には各円筒状金属16の開口を閉塞する蓋32が軸方向に移動自在に嵌合している。また、細線12の右端の固定部材21に一端が接続されている可動棒33の他端(左端)が突出部30’に嵌合している蓋32に当接し、細線12の左端の固定部材23に一端が接続されている可動棒34の他端(右端)が突出部29’に嵌合している蓋32に当接している。
【0034】
細線12の長さで決まる限界により、固定部材21、23に接続された可動棒33、34は、各蓋32を円筒状金属16の開口を閉塞しない位置に保持(制限)すると共に、各蓋32と突出部29’、30’の先端の間に配置された拡張性のコイルばねの蓋移動用ばね35を圧縮保持する。そして、各蓋32は蓋移動用ばね35により円筒状金属16の開口を閉塞する方向に付勢されている。
【0035】
ここで、接触用ばね24の縮小時の長さと拡張時の長さの差が、蓋移動用ばね35の縮小時の長さと蓋32が円筒状金属16の開口を閉塞したときの長さの差より小さくなるように、接触用ばね24の拡張時の長さが設定されている。
【0036】
このような構成の静電集塵機10において、細線(放電電極)12が腐食等で断線したときの動作を以下に説明する。
【0037】
細線12が断線すると、導電性の固定部材23と支持部材22との間に配置された導電性の接触用ばね24が圧縮状態から解放されて伸びると共に、それに伴って、細線12の張力もなくなるので、固定部材23、21に接続された可動棒34、33の各蓋32を円筒状金属16の開口を閉塞しない位置に保持(制限)する保持力もなくなり、蓋32と突出部29’、30’の先端との間に配置された蓋移動用ばね35が圧縮状態から解放され、蓋32及び可動棒34、33は蓋移動用ばね35により円筒状金属16の開口を閉塞する方向に移動して、蓋32は円筒状金属16の開口を閉塞する。この際、蓋移動用ばね35の縮小時の長さと蓋32が円筒状金属16の開口を閉塞したときの長さの差が、接触用ばね24の縮小時の長さと拡張時の長さの差より大きくなるように、接触用ばね24の拡張時の長さが設定されているので、可動棒34の蓋移動用ばね35による強制移動により、接触用ばね24は支持部材22から外れ、接触用ばね24と電圧導入金属27の端部27’との接触が解除され、細線12の高電圧電源に接続されている電圧導入金属27との電気的な接続も解除される。したがって、断線した細線12が円筒状金属16と接触しても、高電圧側とアース側との短絡は発生しない。
【0038】
このようにして、細線12が断線すると、それを包囲する円筒状金属16の開口は蓋32により閉塞されるため、その円筒状金属16内にはレーザガス導入孔11から導入された塵が混入したガスは進入せず、他の断線していない細線12を包囲する円筒状金属16内のみを通過するようになるので、断線していない部位の集塵作用により、レーザガス排出孔17から排出されるガス内の塵は除去されていて、ファン2の軸受部7、レーザチェンバ1の窓部5へ塵が進入するのが防止されると共に、放電電極の細線12と集塵電極の円筒状金属16とが接触して電気的に短絡するのが防止される。
【0039】
次に、別の実施例2の静電集塵機10の全体の構成を示す断面図を図5に示す。この実施例2においては、細線12の断線を電圧検知器36で検出し、蓋32を円筒状金属16の開口を閉塞しない位置に保持するストッパー37を電磁コイル38により外して、蓋移動用ばね35の拡張力により蓋32を移動させて円筒状金属16の開口を閉塞するようにするものである。実施例1と異なる部分についてのみ説明する。
【0040】
各円筒状金属16の一端部を支持する支持部材29、30は、各円筒状金属16に対応して円筒状金属16の軸方向に伸びる複数の突出部29’、30’を有する形状であり、突出部29’、30’には各円筒状金属16の開口を閉塞する蓋32が軸方向に移動自在に嵌合している。各蓋32は、円筒状金属16の開口を閉塞しない位置にストッパー37によって保持(制限)されていると共に、各蓋32と突出部29’、30’の先端の間に蓋移動用ばね35が圧縮保持される。そのため、各蓋32は蓋移動用ばね35により円筒状金属16の開口を閉塞する方向に付勢されている。
【0041】
ストッパー37の先端は、支持部材29、30の突出部29’、30’に嵌合している蓋32の円筒状金属16の開口と対向する各面を挟むように配置されており、ストッパー37の根元部が電磁コイル38の動作により矢印方向へ引き込まれると、円筒状金属16の開口を閉塞する方向に付勢されている各蓋32の抑えが外れる方向に移動する。
【0042】
また、細線12の左のレーザガス排出口17側に接続された固定部材23は、絶縁性材質からなる支持部材22に一端で片持ちに取り付けられた金属製板ばね40により支持されている。細線12はこの金属製板ばね40により張力が与えられており、また、この金属製板ばね40の他端の接触部40’は、細線12に張力が係る間のみ弾性に抗して電圧導入金属27の端部27’と接触するように形成されている。
【0043】
また、細線12の右のレーザガス排出口17側に接続された固定部材21には、電圧検知器36が接続されている。この電圧検知器36は、細線12に印加される電圧値を検出し、制御装置39に電圧信号を送出する。制御装置39は、受信した電圧信号を基に電磁コイル38を動作させる電力を供給するように構成されている。
【0044】
このような構成の静電集塵機10において、細線(放電電極)12が腐食等で断線したときの動作を以下に説明する。
【0045】
細線12が断線すると、細線12に張力がなくなるので、金属製板ばね40の接触部40’と高電圧電源に接続されている電圧導入金属27の端部27’との電気的な接続もその弾性により解除され、導電性の固定部材21に接続された電圧検知器36が検出する電圧値も0となる。制御装置39は、電圧検知器36から受信した電圧信号を異常信号と判断し、電磁コイル38に電力を供給してそれを動作させてストッパー37を引き込み、円筒状金属16の開口を閉塞する方向に付勢されている各蓋32の抑えを外す。ストッパー37の抑えが外れると、圧縮されていた蓋移動用ばね35の反発力により各蓋32は円筒状金属16の開口を閉塞する方向に移動して、蓋32は円筒状金属16の開口を閉塞する。この際、金属製板ばね40の弾性によりその接触部40’と電圧導入金属27の端部27’との接触が解除され、細線12の高電圧電源への接続も解除されるので、断線した細線12が円筒状金属16と接触しても、高電圧側とアース側との短絡は発生しない。
【0046】
このようにして、細線12が断線すると、それを包囲する円筒状金属16の開口は蓋32により閉塞されるため、その円筒状金属16内にはレーザガス導入孔11から導入された塵が混入したガスは進入せず、他の断線していない細線12を包囲する円筒状金属16内のみを通過するようになるので、断線していない部位の集塵作用により、レーザガス排出孔17から排出されるガス内の塵は除去されていて、ファン2の軸受部7、レーザチェンバ1の窓部5へ塵が進入するのが防止されると共に、放電電極の細線12と集塵電極の円筒状金属16とが接触して電気的に短絡するのが防止される。
【0047】
なお、上記実施例の場合に、何れかの細線12が断線した場合の、他の断線していない細線12に過電流あるいは過電圧が印加されないような工夫を施すことが望ましい。
【0048】
図6は、電圧検知器36が設けられた実施例2のような静電集塵機10の放電電極の細線12に過電流が流れないようにする構成例を示すブロック図であり、静電集塵機10内の何れかの細線12が切断したとき、その細線12の切断部の電圧検知器36からの異常信号により制御装置39が作動し、図5に示したように外部に信号を発すると共に、細線12に電圧を加えている高圧電源41に信号を送り、断線前の元の電流値iを下記電流値Iまで下げ、断線していない残りの細線12に過電流が流れないようにする。
【0049】
I=(残りの細線数/細線の含計数)×i
図7は、細線12が断線したことを検知する電圧検知器が設けられていない実施例1のような静電集塵機10の放電電極の細線12に過電圧が加わるのを防止する構成例を示すブロック図である。静電集塵機10は、効率良い集塵を行うために細線12に流れる電流値を一定になるように電源41として定電流電源を使用しているので、細線12の切断時、電流値を保持するように電源電圧が上昇し、断線していない残りの細線12に過電圧が加わる。これを防ぐために、電源41に付属して制御回路42を設け、この制御回路42は電源41からの電圧信号に基づいて電圧の急峻な上昇を検知し、電源41の電流値を低レベルに再設定するようにする。
【0050】
以上、本発明のガスレーザ装置を実施例に基づいて説明してきたが、本発明はこれら実施例に限定されず種々の変形が可能である。また、ArFエキシマレーザ装置等のエキシマレーザ装置に限らず、フッ素レーザ装置に適用することもできる。
【0051】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明のガスレーザ装置によると、線状放電電極と円筒状集塵電極の組各々に、線状放電電極が断線した際に、円筒状集塵電極のレーザガス導入開口又はレーザガス導出開口を閉塞して円筒状集塵電極内へのレーザガスの流入を遮断するガス流入遮断手段を設けたので、断線した線状放電電極を包囲する円筒状集塵電極内に塵が混入したレーザガスが入り込まず、他の断線していない線状放電電極を包囲する円筒状集塵電極内のみを通過するようになるので、線状放電電極が断線していない静電集塵機の残りの部分を機能させてレーザガス内の塵の除去を継続することができ、ガスレーザ装置のファンの軸受部、レーザチェンバの窓部等へ塵が進入するのを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の静電集塵機の全体の構成を示す断面図である。
【図2】図1の中央のガス導入口近傍の拡大断面図である。
【図3】図1の左端部近傍の拡大断面図である。
【図4】図1の右端部近傍の拡大断面図である。
【図5】実施例2の静電集塵機の全体の構成を示す断面図である。
【図6】放電電極の細線に過電流が流れないようにする構成例を示すブロック図である。
【図7】放電電極の細線に過電圧が加わるのを防止する構成例を示すブロック図である。
【図8】静電集塵機を備えたガスレーザ装置の一例を示すレーザ発振方向に平行な断面図とレーザ発振方向に垂直な断面図である。
【図9】従来の短絡通電素子機構の一例を説明するための図である。
【符号の説明】
1…レーザチェンバ
2…ファン
3…熱交換器
4…放電電極
5…窓部
6…窓材
7…軸受部
8…開口
9…開口
10…静電集塵機
11…ガス導入口
12…細線(放電電極)
13…細線支持絶縁体
16…円筒状金属(集塵電極)
17…ガス排出口
21…固定部材
22…支持部材
23…固定部材
24…接触用ばね
25…電圧導入側の壁
26…電圧導入部材
27…電圧導入金属
27’…電圧導入金属の端部
28、29、30、31…支持部材
29’、30’…突出部
32…蓋
33、34…可動棒
35…蓋移動用ばね
36…電圧検知器
37…ストッパー
38…電磁コイル
39…制御装置
40…金属製板ばね
40’…金属製板ばねの接触部
41…高圧電源
42…制御回路

Claims (5)

  1. 電源と電気的に接続され高電圧が印加された線状放電電極と、これらの線状放電電極を包囲するように配置された円筒状集塵電極とを有し、前記円筒状集塵電極内をレーザガスが通過する際、レーザガス中を浮遊する塵を前記線状放電電極により帯電させて前記円筒状集塵電極により集塵する静電集塵機を備えたガスレーザ装置において、
    前記線状放電電極と前記円筒状集塵電極に、前記線状放電電極が断線した際に、前記円筒状集塵電極のレーザガス導入開口又はレーザガス導出開口を閉塞して前記円筒状集塵電極内のレーザガスの流れを遮断するガス流れ遮断手段を設けたことを特徴とするガスレーザ装置。
  2. 前記線状放電電極の一端が導電性の弾性体と接続され、この導電性の弾性体が前記電源からの高電圧を導入する高電圧導入手段と接触していて、前記線状放電電極が断線した際、前記導電性の弾性体と前記高電圧導入手段との接触が断たれるように構成されていることを特徴とする請求項1記載のガスレーザ装置。
  3. 前記線状放電電極と前記円筒状集塵電極が複数組あって、前記線状放電電極の電圧を検出する電圧検出器と、制御装置とを設け、前記制御装置は、前記線状放電電極が断線したときの電圧検出器からの信号を異常信号と判断し、異常信号判断時に断線していない線状放電電極へ供給する電流値Iを下式に基いて設定するように前記電源を制御することを特徴とする請求項1又は2記載のガスレーザ装置。
    I=(断線していない線状放電電極の数/線状放電電極の総数数)×(線状放電電極が全て断線していないときに供給する電流値)
  4. 前記線状放電電極と前記円筒状集塵電極が複数組あって、前記電源は出力電圧信号を外部に送出する定電流電源であって、さらに制御装置を備え、前記制御装置は、前記出力電圧信号を受信し、前記線状放電電極が断線したときに生じる前記出力電圧信号の急峻な上昇を異常信号と判断し、異常信号判断時に出力電圧が所定値となるよう前記定電流電源が前記線状放電電極へ供給する電流値を再設定することを特徴とする請求項1又は2記載のガスレーザ装置。
  5. 前記ガスレーザ装置がArFエキシマレーザ装置若しくはフッ素レーザ装置の何れかであることを特徴とする請求項1から4の何れか1項記載のガスレーザ装置。
JP2000175600A 2000-06-12 2000-06-12 ガスレーザ装置 Expired - Lifetime JP3772960B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000175600A JP3772960B2 (ja) 2000-06-12 2000-06-12 ガスレーザ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000175600A JP3772960B2 (ja) 2000-06-12 2000-06-12 ガスレーザ装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001358385A JP2001358385A (ja) 2001-12-26
JP3772960B2 true JP3772960B2 (ja) 2006-05-10

Family

ID=18677455

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000175600A Expired - Lifetime JP3772960B2 (ja) 2000-06-12 2000-06-12 ガスレーザ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3772960B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2001358385A (ja) 2001-12-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2149215C (en) Apparatus for, and method of, maintaining a clean window in a laser
US10459342B2 (en) Radiation source, lithographic apparatus device manufacturing method, sensor system and sensing method
JP5433124B2 (ja) ガス放電レーザの長寿命電極
JP3524367B2 (ja) 高パルス繰返し速度エキシマーレーザーのための空気力学的チャンバー設計
US6989629B1 (en) Method and apparatus for debris mitigation for an electrical discharge source
JPH10308547A (ja) 極狭帯域KrFレーザ
US6963071B2 (en) Debris mitigation device
JP2008277481A (ja) 極端紫外光源装置
JP3771272B2 (ja) 気体放電レーザ用静電集塵器
JP3772960B2 (ja) ガスレーザ装置
US6363094B1 (en) Gas discharge laser electrode with reduced sensitivity to adverse boundary layer effects
JP5063341B2 (ja) ガス放電レーザチャンバの改善
JP2018126714A (ja) 電気集塵装置および送風機
KR100341635B1 (ko) 일체형 먼지하전 여과집진장치
CA2066875C (en) Discharge-pumped gas laser with baffle partition for controlled laser gas flow at preionizers
JP2965952B2 (ja) トンネル用電気集塵装置
JPH02240986A (ja) ガスレーザ装置
JPS6281078A (ja) レ−ザ発振装置
JPH0714092B2 (ja) 気体ガスレーザ発振装置
JPH08335734A (ja) 放電励起エキシマレーザ装置
JPH09117693A (ja) 空気清浄機
JPH07232098A (ja) 湿式電気集じん装置
JP2005262002A (ja) 放電装置
JPH08257437A (ja) 空気清浄機
CN117859094A (zh) 用于制备和清洁部件的设备和方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20041125

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20051128

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060125

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060207

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 3772960

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090224

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100224

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100224

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110224

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120224

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130224

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130224

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140224

Year of fee payment: 8

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term