JP3772507B2 - 廃棄対象の機器、および廃棄通報装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はエアコンや冷蔵庫、テレビ、洗濯機、パソコン等の家庭内にある機器の廃棄を連絡するときに使用者が手軽にその手続きができ、かつ確実に廃品の引取り者やその仲介者に必要な情報を伝送して廃品回収率・リサイクル率を高めることを実現する廃棄対象の機器、および廃棄通報装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、地球環境を守るという意識が製造者である企業、使用者である消費者ともに高まってきている。そのため、不法廃棄をなくし廃品を確実に回収する、回収した廃品を中古品として再利用する、あるいは部品や材料に分解して再生使用するといったリサイクルの考えが重要になってきている。
【0003】
ここで廃品回収のための情報処理システムに関する例をあげる。不法廃棄を監視することを目的としたものとして、特開平6−166416号公報等がある。これには廃棄者である医療機関が中心となって廃棄物を収集運搬する中間業者から廃品処理者への廃棄物の流れを管理監視する物流監視システムの記載がある。
【0004】
ところで、家庭内にある家電機器は、エアコンや冷蔵庫、テレビ、洗濯機をはじめとして廃品回収・処理の義務が製造者に求められつつある。近年これにに加えて、パソコンなど技術進歩の激しい情報機器においても消費者の買い換えスピードが早いことから廃品の問題が懸念されている。
【0005】
特にパソコンにおいては製造者義務が面倒と考えられる。たとえば、個人がマザーボードやCD−ROMドライブなどの機器を買い集めてきて組み立てたパソコンの回収・処理義務を請け負う製造者は明確でない。そこでパソコンの製造者が集まった共同団体において廃品回収と処理を受け持ち、処理したパソコンの製造者比率を求めて各製造者で費用負担すればよい。そのときに回収したパソコンの中の機器が各々どこの製造者のものかを調べる必要があるが、パソコンを分解してひとつひとつ実物を見て判別するようでは大変な労力がかかる。このように従来の考え方では製造者を容易に判断できないシステム機器が現れてきている。
【0006】
リサイクルにおいては、機器を分解して材料に分別する作業において、製造者、機種(場合によっては製造番号)毎にその手順を示したリサイクルマニュアルがある。そのためには機種番号や製造番号が正確を知る必要があり廃品処理においてはそれらの製品情報はきわめて重要である。
【0007】
廃品通報ではないが、機器が故障したときに修理部門に通報するものとして特開平5−316242号公報がある。これは機器が故障した時に電話回線を通じて故障監視センターに故障箇所の情報(故障箇所コード)と機器の情報(機器コード)と使用者の情報(ユーザーコード)とを自動的に通報するものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、これらの機器の廃棄を行う時に使用者が手軽にその手続きができ、かつ確実に廃品の引取り者やその仲介者に必要な情報を伝送して廃品回収率・リサイクル率を高めることである。
【0009】
上にあげた従来の技術ではこの目的を満足するものではなく、またそれを原点にして発想されるものではない。これを以下に説明する。
【0010】
上述の特開平6−166416号公報の物流監視システムでは医療廃品と家電機器廃品の点でいくつかの相違があるため家電機器廃品にはなじまないものである。たとえば、医療廃品は廃棄する者と廃棄の管理者とが同一であるが、家電機器において廃棄者は使用者であり監視者はたとえば製造者であり同一でない。家電機器では製造者は使用済み家電機器の回収率をどうやって向上させるか、そのために使用者に廃品を処理する際に協力してもらいやすいかシステムをつくることが課題である。
【0011】
また故障通報と異なる廃棄通報特有の課題がある。上述の特開平5−316242号公報ではこの点が解決されない。
【0012】
機器を廃棄するときに使用者のプライバシーである使用者の情報(ユーザーコード)をどう扱うかという課題が発生する。故障通報でも廃棄通報でも「誰からの通報であるか」を示す使用者の氏名、住所、電話番号など使用者の情報を必要とし機器に登録する。しかし、機器を廃棄した後の使用者の情報をどう扱うかというプライバシー問題を解決しなければならない。たとえば、廃棄した機器から使用者自身の氏名や住所が割り出せるとなると使用者は自身の情報を提供することを嫌い、廃棄通報は利用されない。したがって廃棄通報を行なって正式な廃棄の手続きを踏んだ時に使用者情報は削除できなければならない。
【0013】
また家電機器の廃棄は有料であり、それを嫌って使用者が廃棄通報することなしに山中などに勝手に廃棄することがある。そこでそのような不法廃棄をどう防ぐかという課題がある。廃棄した機器に「誰が使っていたか」を示す使用者の情報が残っていれば不法廃棄の責任を問うことができる。したがって正式でない廃棄をした時には使用者情報は削除されてはならない。
【0014】
また、故障通報では通報する(修理する)/しないという使用者の選択が有り得るが、廃棄通報では使用者の意志に関わらず必ず所定の手続きを行なうことが要求される。また氏名や住所など情報を偽って廃棄通報することを防止する通報装置でなければならない。したがって使用者情報は正しいものでなければならない。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するために、機器の使用者の連絡先である使用者情報を記憶する記憶手段と、前記機器の廃棄時に廃棄通報の信号を出力する廃棄通報スイッチと、前記記憶手段に記憶された前記使用者情報を引き取り者または仲介者に送信する通信手段と、前記記憶手段と前記廃棄通報スイッチと前記通信手段とを制御する制御手段とを備え、前記廃棄通報スイッチから廃棄通報の信号を出力したときに、前記廃棄通報の信号を受信した前記通信手段は前記使用者情報を引き取り者または仲介者に送信し、前記使用者情報の送信が正常終了した後に消去許可信号を出力し、前記消去許可信号を受信した前記記憶手段は前記使用者情報を記憶から削除する廃棄対象の機器である。
【0016】
上記発明によれば、廃棄後は登録してある使用者情報を記憶手段から削除することができるようになるので廃棄した機器から自身のプライバシーを削除することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明は各請求項記載の形態で実施することができるものである。
【0018】
すなわち、請求項1記載の発明のように、機器の使用者の連絡先である使用者情報を記憶する記憶手段と、前記機器の廃棄時に廃棄通報の信号を出力する廃棄通報スイッチと、前記記憶手段に記憶された前記使用者情報を引き取り者または仲介者に送信する通信手段と、前記記憶手段と前記廃棄通報スイッチと前記通信手段とを制御する制御手段とを備え、前記廃棄通報スイッチから廃棄通報の信号を出力したときに、前記廃棄通報の信号を受信した前記通信手段は前記使用者情報を引き取り者または仲介者に送信し、前記使用者情報の送信が正常終了した後に消去許可信号を出力し、前記消去許可信号を受信した前記記憶手段は前記使用者情報を記憶から削除する廃棄対象の機器である。
【0019】
また、請求項2記載の発明のように、前記廃棄対象の機器は、暗証番号を入力する暗証番号入力手段を備え、前記制御手段は、前記暗証番号入力手段で入力される暗証番号を確認した後に前記記憶手段に前記使用者情報を記憶させ、前記使用者情報を記憶した後に出力される使用開始信号を受信して前記機器を使用可能とする廃棄対象の機器である。
【0020】
また、請求項3記載の発明のように、前記制御手段は、前記使用者情報を前記記憶手段から削除した後に出力される使用終了信号を受信して前記機器を使用不可能とする廃棄対象の機器である。
【0021】
また、請求項4記載の発明のように、前記廃棄対象の機器は、所定時間を計時するタイ マー手段と、前記記憶手段と前記制御手段との接続確認の通信を行う接続確認手段とを備え、前記接続確認手段は前記所定時間で接続確認の通信ができないときにその旨の報知を行う廃棄対象の機器である。
【0022】
また、請求項5記載の発明のように、機器の使用者の連絡先である使用者情報を記憶する記憶手段と、前記機器の廃棄時に廃棄通報の信号を出力する廃棄通報スイッチと、前記記憶手段に記憶された前記使用者情報を引き取り者または仲介者に送信する通信手段と、前記記憶手段と前記廃棄通報スイッチと前記通信手段とを制御する制御手段とを備え、前記廃棄通報スイッチから廃棄通報の信号を出力したときに、前記廃棄通報の信号を受信した前記通信手段は前記使用者情報を引き取り者または仲介者に送信し、前記使用者情報の送信が正常終了した後に消去許可信号を出力し、前記消去許可信号を受信した前記記憶手段は前記使用者情報を記憶から削除する廃棄通報装置である。
【0023】
また、請求項6記載の発明のように、請求項1〜4のいずれか1項に記載の廃棄対象の機器をコンピュータに実現させるプログラムを記録した記録媒体である。
【0024】
また、請求項7記載の発明のように、請求項5記載の廃棄通報装置をコンピュータに実現させるプログラムを記録した記録媒体である。
【0025】
【実施例】
以下、本発明の実施例について図面を用いて説明する。
【0026】
(実施例1)
図1は本発明の実施例1である廃棄通報装置の概念図である。図1において、ある家庭に機器としての冷蔵庫1がある。冷蔵庫1は廃棄通報装置2と接続され、冷蔵庫1と廃棄通報装置2とはとりはずすことはできず一緒に廃棄するものである。また機器本体の内部に組み込んで一体化としてもよい。廃棄通報装置2には使用者情報、製品情報、引取り者情報、機器使用情報を記憶している。ここで使用者情報とは、使用者の氏名、住所、電話番号などである。製品情報とは、機器本体の種類(たとえば冷蔵庫)や製造者や機種番号、製造番号などである。引取り者情報とは引取り者やその仲介者の名前や住所・連絡先、取り扱い機器などの情報である。機器使用情報とは、機器の使用実態情報や運転履歴情報
などでありたとえば運転時間・使用回数とか故障と修理の履歴である。
【0027】
図7のフローチャートを用いて廃棄通報を行なう手順を説明する。廃棄したい時に使用者はたとえば押しボタンスイッチによって廃棄通報装置2を起動させる(ステップ101)。廃棄通報装置2は使用者情報や製品情報、機器使用情報を参照してその機器を廃棄するときにもっとも適当な引取り者やその仲介者を引取り者情報から検索する(ステップ102)。そして電話回線3など通信回線を使って検索結果である廃品処理者4や中古品売買者5に使用者情報、製品情報、機器使用情報などを通報する(ステップ103)。廃棄通報装置2は引取り者やその仲介者への連絡が正常であったことを判断して(ステップ104)、記憶している使用者情報を記憶手段から削除することを許可する(ステップ105)。あるいは廃棄通報装置2は引取り者が引取りに来たことを判断してもよい。(ステップ104)。以上は廃棄した機器の廃棄通報装置に自身のプライバシーを残さないためで、削除操作は機器を引取りに来た時に引取り者が行なう形でもよいし、連絡後に使用者が行なう形でもよい。なお廃品処理者4には処理設備の点からいくつかの専門処理者に別れ、たとえばフロン専門者4a、ガラス管専門者4b、その他一般4cがある。
【0028】
以上によって、廃棄した機器に使用者自身の氏名や住所が残らないので使用者は自身の情報を提供するに抵抗感がなく廃棄通報装置が普及する。同様に使用者の生活がわかるような使用実態情報や運転履歴情報についても引取り者やその仲介者に連絡後、消去を許可する。
【0029】
廃棄通報装置2は引取り者情報によって、使用者の住所・電話番号と照らし合わせて一番身近の引取り者やその仲介者を、機器の種類をみて冷蔵庫専門の引取り者やその仲介者を選択しその引取り者やその仲介者の連絡先に電話をかける。以上によって、使用者は引取り者やその仲介者の連絡先を調べる手間が省ける。また廃棄する機器に応じて最適な引取り者やその仲介者を自動的に選択できるとともに、正規の引取り者やその仲介者以外に廃棄機器を渡すことをなくすことができる。従来は使用者が電話帳などで引取り者やその仲介者を調べていたため、フロン処理装置を持っている引取り者やその仲介者を捜すことが大変であったし、正規の廃品処理を行なっていない不認可業者へ渡してしまう恐れがあった。
【0030】
なお、廃品通報装置2が持っている引取り者情報は、CD−ROMのように記録媒体に記憶して配布する。あるいは電話回線3を通じてダウンロードし、定期的に更新する。これら引取り者情報は、使用者の居住地区に応じた、きちんした処理を行なう者としてと認可された廃品処理者4や中古売買者5だけを登録している。
【0031】
一方、廃品処理者4は送られてきた使用者情報を見て使用者に電話連絡し、相談した引取り日時にその住所に取りに行く。以上によって使用者は自ら電話して自身の氏名や住所、電話番号などを説明する手間が省ける。
【0032】
また廃品処理者4は送られてきた製品情報を見てどのような機器を引取りに行くのか事前にわかる。以上によって、機種番号や製造番号など細かな情報が事前に正確にわかる。従来は使用者が機器を調べていたため機器の種類と製造者が事前にわかる程度で機種番号がわからず、引取り者やその仲介者は廃品を引取りに行って初めて自分の希望する機種かどうかがわかるのが現状であった。
【0033】
また、製造者が第三者に知らせたくないような情報、たとえば機器本体の制御ソフトのバージョン情報や販売ルート情報を製品情報として含めておけば、使用者やあるいは他製造者に知られることなく製造者は引取り者やその仲介者を通してこれらを回収することができる。
【0034】
廃品処理者4は機器使用情報を見てこの機器のどの部分がどれだけ使用されてきたか、どの部分が交換して新しいかの目安を得ることができ、機器毎に部分毎に有用な廃品処理をとることができる。また運転時間・使用回数が極端に少ない時は廃棄通報装置2は中古売買者5に通報する。中古売買者5は機器の使用実態情報や運転履歴情報を得て的確な中古品の価格を決めることができる。以上のように、引取り者やその仲介者はその機器がどのような状態で使用されてきたか等を知ることで再使用(中古品として使用)する部品と再利用(部品や材料に分解して使用)処理する部品とを的確に判別することができる。
【0035】
以上のように本発明によれば、機器の廃棄を連絡する時に使用者が手軽にその手続きができ、かつ確実に廃品の引取り者やその仲介者に必要な情報を伝送して廃品回収率・リサイクル率を高めることができる。
【0036】
(実施例2)
図2は図1をさらに発展させた廃棄通報装置の概念図である。機器としての冷蔵庫1のほかにテレビ(TV)10、洗濯乾燥機11、エアコン12、照明機器13がある。廃品通報装置2は一家に1台であり、各機器からの情報は無線信号によって廃品通報装置2に伝送される。このようにすれば各々の機器を電話回線3と接続する必要がない上、使用者が所有しているすべての機器の集中管理を行なうことができる。たとえば、機器毎の製品番号、製造番号のほかに機器毎の購入時期とか保証期間、保証契約番号、月別の電力消費量や今までの運転時間累計などを一覧表で得ることができる。なお、廃品通報装置2と各機器との通信は無線に限らず電灯線通信でも構わないし、無線は電波でも赤外線でもよい。
【0037】
図1と異なるのは廃棄通報装置2から仲介者である通報センター装置6を通じて廃品処理者4や中古品売買者5に送信することである。図1では、引取り者の情報を各家庭の廃棄通報装置2に持たせて検索させると、その情報のデータ量に限りがあるうえその更新管理が大変である。そこでそのような引取り者の情報を通報センター装置6に持たせ、廃棄通報装置2はいつでも通報センター装置6に通報する。このようにすれば引取り者の情報の更新管理は通報センター装置6内でのみ行なえばよい。また廃棄通報で送られてくる情報から有用な情報をひとまとめにして他に送ることができる。たとえば製品情報と機器使用情報とから機種別の使用実態情報を抽出して製造者へ送信することが容易にできる。
【0038】
なお、廃棄通報装置2は廃棄したい時に引取り者やその仲介者に連絡したのち、記憶している製品情報を記憶手段から削除することを許可するので機器を紛失してしまった場合や通報することなしに機器を廃棄した場合にその機器の情報が記録手段に永久に残り、後にチェックできる。削除するのは連絡がきちんとできたときに使用者が行なう形でもよいし、引取り者やその仲介者が引取りに来た時に行なう形でもよい。またすでに不要となった機器が一覧表に残っていたときは、その場で廃棄通報を行なって廃棄処分することもできる。
【0039】
(実施例3)
図1、図2記載の廃棄通報装置の構成ブロック図を図3に示す。図3には廃棄通報装置2と通報センター装置6、通報センター装置6からの転送先として廃品処理4に設置される端末装置7とで説明する。
【0040】
廃棄通報装置2は、記憶手段21と通信手段22、記憶手段に情報を入力したりその情報を見るための情報入出力手段23、使用者が廃棄したい時に操作する廃棄通報スイッチ24とから構成される。
【0041】
記憶手段21には、情報入出力手段23から使用者情報、製品情報が登録される(a)。また廃棄したい時の通報先情報をあらかじめ記憶している。そして廃棄通報スイッチ24が操作された時(b)にこれらの情報が通信手段22に出力される(c)。通信手段22はこれを受け取り電話回線など通信回線と接続して、通報先情報のところへ廃棄通報する(d)。このとき廃棄通報が正常終了すると通信手段22から記憶手段21に使用者情報の消去許可信号(図1のとき)や通報した製品情報の消去許可信号(図2のとき)を出力して(e)おのおのの情報を削除することができるようになる。廃棄通報が異常であるときはこれを再度繰り返し、最終的に通報ができなかったときは使用者情報や製品情報の消去許可信号(e)は出力しない。
【0042】
通報センター装置6は、廃棄通報装置2からの廃棄通報を受信する受信手段31と、受信した情報から通報先である引取り者やその仲介者を選択する通報先決定手段32と、その引取り者やその仲介者に使用者からの情報(f)を連絡(g)する第一の連絡手段33とから構成される。
【0043】
これを受ける引取り者やその仲介者の端末装置7は、通報センター装置6からの連絡(g)をうける第二の連絡装置41とその内容を表示したり印刷する表示手段42とから構成される。なお、第一の連絡手段33と第二の連絡手段31との連絡は電話回線でも専用回線などの通信でも、あるいは郵便など書面でもよい。
【0044】
以上のように本発明によれば、機器を廃棄した時に廃棄した機器の廃棄通報装置から使用者のプライバシーを削除することができ、通報することなしに機器を廃棄したり紛失した機器をチェックできる。
【0045】
なお廃棄通報装置2の記憶手段21の一部は電話機器やFAX機器、モデム付き電話などと共有するとよい。これは使用者が引越しをしたときに使用者が電話機器等に登録してある電話番号を変更したときに廃棄通報に必要な使用者情報も変更される。したがって廃棄通報時の情報が実際と異なる、つまり使用者情報を変更し忘れることがなくなる。電話番号の登録を変更した時に住所や氏名情報の確認を使用者に促してもよい。
【0046】
(実施例4)
別の実施例を図4で説明する。図3と同じものは同じ番号をつけて詳細な説明を省略する。廃棄通報装置2に冷蔵庫などの機器本体1を接続して機器本体1から製品情報を送信する。また廃棄通報装置21内に暗証番号入力手段25を設けた。以上によって、廃棄通報時に重要な情報を勝手に変更したり削除することを防ぐ。
【0047】
製品情報を使用者が勝手に変更すると次のような不法廃棄が考えられる。廃棄通報装置が図2のように複数機器の情報を一括管理していて、使用者が冷蔵庫の情報を勝手にアイロンに書き換えそのアイロンを紛失したことにすれば廃棄通報なしに冷蔵庫を廃棄しても記録はアイロンでしか残らない。
【0048】
これを防ぐために、機器本体1には機器本体1自身の製品情報をあらかじめ記憶した第一の記憶手段52を設ける。第一の記憶手段52には製造者が工場にて機種番号や製造番号ほかの情報を記憶させ、この情報を制御手段51を通じて第二の記憶手段21に記憶させる。以上によって、廃棄通報時の製品情報を使用者に製品情報を入力させる手間がなくなり、また勝手に変更することができなくなり、廃棄通報時に誤った機器情報を通報することがなくなる。なお製造者の都合で機種番号や製造番号以外の情報を製品情報として第一の記憶手段52に記憶させ廃棄通報を通じてこれらを回収することも可能である。
【0049】
同様の課題から、廃棄通報装置2に暗証番号入力手段25を備えて、使用者情報や製品
情報など廃棄通報に重要な情報を登録したり変更するときに暗証番号を必要とする。暗証番号はたとえば近くの電気店が管理し、情報が正しいことを確認して用いる。その結果、使用者情報にでたらめな氏名や住所が入力されることがなくなり、廃棄通報が有効となるものである。
【0050】
あるいは、通信手段を通じてのみ使用者情報や製品情報などの情報を登録したり変更することができるものがよい。つまり暗証番号は通信手段を通じて製造者関係者が管理し、使用者情報が正しいことを確認してその情報を登録する。たとえば、使用者から電話で使用者情報を聞いて通報センター装置6で入力、通信手段31、22を通じて第二の記憶手段21に記憶させる(図失せず)。こうすれば、使用者がわずらわしい入力作業を行なうことがなく、電気店員がわざわざ使用者宅に行くことがなく、使用者の目の前で暗証番号を入力することがなく、効率よく加えてセキュリティの点からも望ましい形で実施できる。
【0051】
以上のように、暗証番号がなければ使用者情報や製品情報などの情報を登録・変更できないので勝手に不適当な使用者情報に変更したり製品情報を削除することができず誤った廃棄通報や不法廃棄を防ぐことができる。また同様に、通信手段を通じて使用者情報や製品情報の登録・修正を第三者が監視できるので勝手に不適当な使用者情報に変更したり製品情報を削除することができず無効な廃棄通報や不法廃棄を防ぐことができる。
【0052】
(実施例5)
別の実施例を図5で説明する。図3と同じものは同じ番号をつけて詳細な説明を省略する。廃棄通報装置2に機器動作許可・不許可設定手段26、機器接続確認手段27、タイマー手段28を設ける。以上によって、廃棄通報の設定を行なわないで使用したり、機器を紛失してしまうことを防ぐ。
【0053】
本発明の目的のひとつは廃棄通報装置により、廃品の回収率を高めるために使用者が廃品を処理する際に協力してもらいやすくすることである。そのために可能である限りすべての機器に対して使用者にこの廃棄通報装置を利用してもらうことが望ましい。
【0054】
そこで、まず廃棄通報装置2の第二の記憶手段21に製品情報や使用者情報、引取り者情報など必要な情報を登録した後、機器動作許可・不許可設定手段26から機器本体1の制御手段51に使用開始信号iを出力して機器1を使用可能な状態とする。また廃棄通報スイッチによって廃棄通報装置2は引取り者やその仲介者に連絡したのちに機器動作許可・不許可設定手段26から機器本体1の制御手段51に使用終了信号Jを出力して機器1を使用不能な状態とする。ただし廃棄通報がうまくいかなかったときは使用終了信号Jを出力しない。
【0055】
そして、廃棄通報装置に必要な情報を登録しなければ機器が使用可能な状態にならないので、すべての機器が必ず廃棄通報装置に登録されることになり廃棄機器の回収率を向上させることができる。また、廃棄通報をした後は機器が使用不可能となるので、一度廃棄した機器を中古品として再使用する際にもすべての機器が必ず廃棄通報装置に登録されることになり廃棄機器の回収率を向上させることができる。
【0056】
また、機器接続確認手段27と制御手段51とで通信を行なって製品情報を登録してある機器の存在を所定時間に確認する。所定時間はタイマー手段28で計時し、たとえば100時間間隔でもよいし、毎月1日の午前零時というようにある日時でもよい。そして、廃棄通報装置に登録後も所定時間に機器の存在を確認するので、機器を紛失してしまったり、廃棄通報なしに廃棄したことがすぐにチェックできる。接続確認手段27によって機器が接続されていないことを検出した時は使用者に直接報知してもよいし、また通報手段
22を通じて通報センター装置6に通報して通報センター装置6から使用者に通知してもよい。
【0057】
以上によって、可能である限りすべての機器について廃棄通報装置が有効となり、その結果廃棄通報によって回収率を向上させることができる。
【0058】
(実施例6)
最後に別の実施例を図6で説明する。図1、図2と同じものは同じ番号をつけて詳細な説明を省略する。廃棄通報装置2aはモデム付きパソコンである。モデム付きパソコン2aはパソコン通信を行なえるようにあらかじめ通信手段であるモデムを備え電話回線3と接続されている。また、記憶手段としてハードディスクを、情報入出力手段としてキーボードとディスプレイを備える。パソコン本体は基本ソフトであるOSの機能によって、どの製造者のどの製品が接続されているかを自動的に把握している。たとえば、ディスプレイやプリンタ、スキャナなどである。
【0059】
本発明では、モデム付きパソコン2aに基本ソフト(OS)をインストールする時に、使用者に氏名や住所、電話番号の入力を求める。この使用者情報と上述のように接続されている機器を自動判別した情報(製品情報)とを記憶手段であるハードディスクに記憶する。この後、モデムを用いて通報センター装置6に電話し使用者情報と製品情報とを送信して通報センター装置6の記憶装置(図示せず)にユーザー登録を行なう。通報センター装置6は使用者情報・製品情報に誤りがないかを確認してパソコン2aに応答信号を返送し、パソコン2aの基本ソフトは以上の処理を正常終了して初めて使用者が他のソフトを自由自在に使用できる状態にする。
【0060】
以上のように、廃棄通報に必要な情報をあらかじめ登録しなければパソコンの基本ソフトが使用可能な状態にならないので、すべてのパソコンが必ず廃棄通報装置として機能することになり廃棄パソコンの回収率を向上させることができる。
【0061】
また、モデム付きパソコン2aを廃棄するときは、廃棄通報して引取り者やその仲介者に連絡したのちに使用者情報を消去するとともに、基本ソフトを使用不能な状態とする。すなわち基本ソフトは一個人の使用を前提にソフト製作者が契約したもので、一度廃棄したパソコンを中古品として別のひとが使用する際は再び上述のように使用者情報を入力しユーザー登録などの手順を踏まねばならなくなる。
【0062】
以上のように、廃棄通報をした後は基本ソフトが使用不可能となるので一度廃棄したパソコンを中古品として再使用する際にもすべてのモデム付きパソコンが新たな使用者のもとで必ず廃棄通報装置として機能されることになり廃棄パソコンの回収率を向上させることができる。また廃棄する時にハードディスクを初期化するようにしてもよい。今まで使用していたソフトや個人のデータが完全に消去されるので著作権に絡んだ違法使用や秘密漏洩の恐れがなくなる。
【0063】
さらに、モデム付きパソコンを使って、他の機器である家庭電化機器の廃棄通報を行なえるようにしてもよい。すなわち、パソコンに使用者が製品情報を入力したり、家庭電化機器とパソコンが直接通信したりすることでパソコンに製品情報が集めれば、冷蔵庫などの家庭電化機器の廃棄を連絡する時にパソコンで廃棄通報が可能となる。使用者はパソコンで自身の使用している機器の集中管理を行ない、機器を廃棄するときだけでなく、故障したとき、使い方がわからないときなどパソコンで通報センターに連絡できる。さらにパソコンのメリットとしてインターネットなどのネットワークを活用し、自分と同じ機器を使っている人の情報を検索して収集すること、それに対して自分から情報発信することが容易となる。以上のように、パソコンは廃棄通報をはじめとして家庭電化機器全般のツー
ルボックスとなりうる。
【0064】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように本発明の廃棄対象の機器、および廃棄通報装置によれば、廃棄後は登録してある使用者情報を記憶手段から削除することができるようになるので廃棄した機器から自身のプライバシーを削除することができる。正式な廃棄の手続きを踏んだ時に使用者情報は削除が可能となり、正式でない廃棄をした時には使用者情報は削除は不可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1における廃棄通報装置の構成概念図
【図2】 本発明の実施例2における廃棄通報装置の構成概念図
【図3】 本発明の実施例3における廃棄通報装置の機能ブロック図
【図4】 本発明の実施例4における廃棄通報装置の機能ブロック図
【図5】 本発明の実施例5における廃棄通報装置の機能ブロック図
【図6】 本発明の実施例6における廃棄通報装置の構成概念図
【図7】 本発明の実施例1における廃棄通報装置の動作を示すフローチャート
【符号の説明】
1,10,11,12,13 機器
2 廃棄通報装置
3 通信回線
4 廃品処理者
5 中古品売買者
6 通報センター装置
7 端末装置
21 記憶手段
22 通信手段
24 廃棄通報スイッチ
25 暗証番号入力手段
26 機器動作許可・不許可設定手段
27 機器接続確認手段
Claims (7)
- 機器の使用者の連絡先である使用者情報を記憶する記憶手段と、前記機器の廃棄時に廃棄通報の信号を出力する廃棄通報スイッチと、前記記憶手段に記憶された前記使用者情報を引き取り者または仲介者に送信する通信手段と、前記記憶手段と前記廃棄通報スイッチと前記通信手段とを制御する制御手段とを備え、
前記廃棄通報スイッチから廃棄通報の信号を出力したときに、前記廃棄通報の信号を受信した前記通信手段は前記使用者情報を引き取り者または仲介者に送信し、前記使用者情報の送信が正常終了した後に消去許可信号を出力し、前記消去許可信号を受信した前記記憶手段は前記使用者情報を記憶から削除する廃棄対象の機器。 - 前記廃棄対象の機器は、暗証番号を入力する暗証番号入力手段を備え、前記制御手段は、前記暗証番号入力手段で入力される暗証番号を確認した後に前記記憶手段に前記使用者情報を記憶させ、前記使用者情報を記憶した後に出力される使用開始信号を受信して前記機器を使用可能とする請求項1記載の廃棄対象の機器。
- 前記制御手段は、前記使用者情報を前記記憶手段から削除した後に出力される使用終了信号を受信して前記機器を使用不可能とする請求項1記載の廃棄対象の機器。
- 前記廃棄対象の機器は、所定時間を計時するタイマー手段と、前記記憶手段と前記制御手段との接続確認の通信を行う接続確認手段とを備え、前記接続確認手段は前記所定時間で接続確認の通信ができないときにその旨の報知を行う請求項1に記載の廃棄対象の機器。
- 機器の使用者の連絡先である使用者情報を記憶する記憶手段と、前記機器の廃棄時に廃棄通報の信号の出力する廃棄通報スイッチと、前記記憶手段に記憶された前記使用者情報を引き取り者または仲介者に送信する通信手段と、前記記憶手段と前記廃棄通報スイッチと前記通信手段とを制御する制御手段とを備え、
前記廃棄通報スイッチから廃棄通報の信号を出力したときに、前記廃棄通報の信号を受信した前記通信手段は前記使用者情報を引き取り者または仲介者に送信し、前記使用者情報の送信が正常終了した後に消去許可信号を出力し、前記消去許可信号を受信した前記記憶手段は前記使用者情報を記憶から削除する廃棄通報装置。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載の廃棄対象の機器をコンピュータに
実現させるプログラムを記録した記録媒体。 - 請求項5記載の廃棄通報装置をコンピュータに実現させるプログラムを記録した記録媒体。
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