JP3772159B2 - 射出移送成形方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、殊にゴムの射出成形に適した射出移送成形方法に関し、さらに詳細には、本出願の発明者の発明になる特願2001−237148号及び同2002−341899号の発明を基礎とする射出成形装置による射出移送成形方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
前記ゴムの射出成形装置としては、例えば図14に示すようなものがある。これは一般にインジェクション成形装置と呼ばれているもので、金属ケース1内に、スクリュー2を備え可塑化計量機能をもつ押出機3と、該押出機3に逆止弁4をもつ通路5により連結した射出ポット6と、該射出ポット6内にて摺動するプランジヤ7とを設け、前記ポット6先端の射出通路となる部分(以下射出ポット先端部分という)8と、該射出ポット先端部分8の先端に装着した射出ノズル9とから構成され、前記金属ケース1の下端付近を金型10の上ダイプレート11に支持したものである。尚12は、前記上ダイプレート11とタイバー13により連結された下ダイプレートであり、14は断熱盤、15は熱盤を兼ねた下型を示す。
【0003】
そして、上記射出成形装置では、まず、原料ゴムを図14の矢印のように押出機3に投入して、スクリュー2により図14の左へ送りつつ可塑化し、このような可塑化ゴムを計量しつつ、逆止弁4を経て通路5により射出ポット6内へ送入し、プランジャ7を可塑化ゴムの投入圧力により上昇せしめる。次にプランジャ7を押下させて、射出ポット6内の可塑化ゴムを射出ポット先端部分8、射出ノズル9を経て前記金型10内に送入し、スプルー16、ランナー17、ゲート18を経て金型10内のキャビティ19、20に圧入し、加硫するのである。
【0004】
しかし、上記のようなスプルー16とゲート18間に固定容積型のランナー17を用いたものでは、キャビテイ19、20を多数設置した場合、各キャビテイへのランナーの長さの違い、ランナーの形状の差またはランナーに分岐がある場合等に可塑化ゴムの充填速度が異なり、キャビテイによっては充填過多でバリが生じたり、或いは充填不足で欠陥品が生ずる恐れがある。
【0005】
また上記のような場合は、キャビティ毎に充填後のゴム温度(射出せん断発熱)が異なるので、これが高いキャビティではスコーチ(部分的な材料焼け)しやすくなり、充填後のゴム温度が低いキャビテイでは加硫時間(熱硬化反応時間)が長く必要となり、結果的に当該金型で射出成形されるゴム製品の加硫時間が長くなり、生産性を著しく阻害する。
【0006】
更に、キャビテイ19、20を例えば矩形金型内に多数設置しようとする場合、キャビティによってはランナー17の長さが長くなるので、特に難流動性の可塑化ゴムの場合にはランナーの太さを太くする必要があるが、このため結果的にランナースクラップ量が増加し、仕損費が高くなり、スクラップの増加は地球環境にも悪影響を及ぼすことになる。
【0007】
上記を考慮して、図11に示すように矩形金型21内にキャビテイ22を金型21の中心から放射状に、且つ同心円状に配置し、中心のスプルーから図示しないランナーによって等距離且つ等角度の放射状にゲート23を介して接続する考えがある。また、図13に示す特開平10−100202号公報記載技術のように、矩形金型24内に添って同型に配置したキャビティ25に対し中心のスプルー26からランナー27で接続する場合に、すべてのランナーの長さが同一となるようスプルー26からの直線距離の短いキャビティ25aについてはランナー27に紆曲部27aを設ける考えもある。
【0008】
しかし前者は、矩形金型21内におけるキャビテイ22の配置数が少なく、スペース上の生産性が著しく悪いと言う問題がある。また、後者のランナー27も放射状でさらに紆曲部27aを形成するので、矩形金型内へのキャビティ25の配置数は少なく、金型内スペース上の生産性が著しく悪く。結果的に前者後者双方とも多数個取りできず、当該金型での生産性が悪いという問題がある。
【0009】
また前記図14に示す従来装置では、射出ポット6から射出する際に、射出ポット先端が全長に亘り断面直線テーパー形状ではないために、射出ノズル9に射出せん断発熱が集中して局部発熱を生じ、これによって注入ポットに射出された可塑化ゴムの温度が著しく不均一となりやすく、このような不均一な温度分布下で型締めして移送充填成形を行っても、各金型10への注入バランスが悪く、また前記スコーチも発生しやすく、実用的でない。
【0010】
この点、前記特願に係る発明による射出成形機構造であれば、前記射出ノズルにおける局部発熱がなく、均一な温度で射出せん断発熱させることができ、上記の不具合の発生がないのである。
【0011】
本発明の解決しようとする基本的課題は、金型内へのキャビティの配置を効率的に行うことができ、スプルーからの距離の如何にかかわらず、せん断発熱により高温化してキャビティへの充填を均等、迅速且つ正確に行い、更にゴムの加硫時間を短くし得る射出移送成形方法を提供することにあるが、先行例として以下に示すものがある。
【0012】
即ち、これは特開平4−35918号公報に示された成形用移送装置および成形方法と称されるものであり、成形用移送装置としては、成形材料をキャビティ(31)内に圧送するための複数のノズル(19a、19b)と、前記複数のノズルに連通する円環状のチャンバー(23)を有するポット(22)と、前記チャンバー内に成形材料を送り込むための流路(33)と、前記ポットに設けられ、前記チャンバーの容積を可変して当該チャンバー内の成形材料を前記ノズルを介して前記キャビティ内に圧入するための円環状のフリーピストン(17)と、前記フリーピストンを押圧するベース板(18)とを有してなり、成形方法としては、複数のノズル(19a、19b)に連通する円環状のチャンバー (23)内に成形材料を送り込むための流路(33)と、前記チャンバー内に嵌入して当該チャンバーの容積を可変可能に設けられた円環状のフリーピストン(17)とを有し、成形材料を移送方式でキャビティ(31)内に圧入する成形方法であって、成形材料を前記流路(33)を介してチャンバー(23)内に送り込む工程と、前記フリーピストン(17)を押圧して前記チャンバー内の成形材料を前記ノズル(19a、19b)を介してキャビティ(31)内に圧入する工程を含んでなる成形方法である〔( )内符号は前記特開平公報にて使用の符号〕。
【0013】
上記成形装置による成形方法は、次の通りと説明されている。即ち、「まず、型締装置の高速シリンダによる弱い力で移送装置(2)および金型(1)が閉じられる。このときには取付けベース(12)とシリンダプレート(15)及びシリンダプレート(16)が当接する。インジェクションヘッドが下降し、その先端に取り付けられた1次ノズル(3a)が圧抜きノズル(21)に当接し、その後、1次ノズル(3a)から、流通穴(21a)、同(20a)、流路(33)を経てチャンバー(23)内に一定量の成形材料が送り込まれる。これによって、チャンバー(23)内の圧力が上昇し、その圧力によってピストンリング=フリーピストン(17)は上方向へ押圧され、これに伴って、型締装置の型締力に抗して取付けベース(18)とシリンダプレート(15)との間が開く。次に型締装置の低速シリンダによる強い力で移送装置2及び金型1がクランプされる。これによって、ピストンリング(17)ポット(22)内の成形材料がノズル穴(19b、19a)を経てキャビティ(31)内に圧入される。キャビティ(31)内に成形材料が圧入された後は、加圧状態で一定の時間放置され、これによって成形材料が硬化する〔( )内符号は前記特開平公報にて使用の符号〕。」
【0014】
しかし、上記のような特開平4−35918号公報に示された成形方法では、前記のように1次ノズル(3a)から、流通穴(21a)、同(20a)、流路(33)を経てチャンバー(23)内に一定量の成形材料が送り込まれるが、一般的な移送成形には用いることの少ない流路(33)が在るため型締め機構の初動型締め力を低く設定しておけば、前記ポット(22)を可及的に存在空気量を少なくした状態に設定し予め隙間を設けておく配慮がなくても流路(33)が充満すると、その充満ゴム圧力による型開力(ゴム充満圧力×流路の投影面積)が低圧に設定しておいた型締め力より高くなった時点で、ポット(22)は開き方向に下降することは可能だが、その場合、流路(33)の投影面積を大きく確保する必要があり、該流路(33)分のスクラップが多量に発生することになる。又、チャンバー(23)の内側に流路(33)をもたない本願のような一般的な移送成形の場合、前記ポット22)に可及的に存在空気量を少なくした状態に設定し予め隙間を設けておく配慮がないとチャンバー(23)に成形材料を送り込むことができない。
【0015】
又、上記特開平成形方法では、金属ケースに、射出ノズルを設けた射出ポットと該ポット内へ可塑化状態にある流動性材料を側方から供給する投入通路とを形成し、前記射出ポット内に摺動可能にプランジャを配設するとともに、前記射出ポット先端及び前記プランジャ先端を全長に亘り断面直線テーパー形状として、射出完了時に前記射出ポット先端の断面直線テーパー部にプランジャ先端の断面直線テーパー部が嵌入する構造の射出機を用いる配慮が無いので、成形材料を均一な温度に射出せん断発熱させることが出来ず、充填が不均等でスコーチを生じやすく、加硫時間を短くすることは出来ない。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
よって、本発明の解決しようとする課題は、スプルーから金型内のキャビティまでの距離の如何にかかわらず、ゴムを射出せん断発熱により均一な温度に高温化してキャビティへの充填が均等、迅速且つ正確に行え、更にゴムの加硫時間を短くし得る射出移送成形方法を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための本発明射出移送成形方法は、金属ケースに、射出ノズルを設けた射出ポットと該ポット内へ可塑化状態にある流動性材料を側方から供給する投入通路とを形成し、前記射出ポット内に摺動可能にプランジャを配設するとともに、前記射出ポット先端及び前記プランジャ先端を全長に亘り断面直線テーパー形状として、射出完了時に前記射出ポット先端の断面直線テーパー部にプランジャ先端の断面直線テーパー部が嵌入する構造の射出機の、前記射出ノズルを押え金に形成したスプルーに接続し、且つ多数の任意配置のキャビティを形成した型締め機構付製品型における上型と前記押え金との間に容積変化する注入ポットを形成せしめるとともに、該注入ポットと前記キャビティ間を各々ゲートにより連結せしめた射出移送成形装置を用い、先ず射出成形時における前記型締め機構の初動型締め力を、専ら前記射出ポットから注入ポットへの射出充填による、注入ポット内にかかる流動性材料の充満圧力によるのみで注入ポット容積が拡大する程度まで低く設定し、且つ前記注入ポットを前記キャビティの全容積以下で可及的に存在空気量を少なくした状態とした上、この状態で流動性材料を前記射出ポットから前記注入ポット内に射出充填して、その時の流動性材料の充満圧力により製品型を開き方向へ移動させ、注入ポット容積を拡大しつつ必要量を充填し、この充填が完了して製品型の移動が停止した後、前記型締め機構により本格的な高圧型締めを行い、該型締め力によって注入ポットを加圧して前記流動性材料を各ゲートを介してキャビテイ内へ移送充填せしめることを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の好ましい実施の形態を、図1乃至図10により説明すると、本発明の射出移送成形方法に使用する装置は、金属ケース1に、射出ノズル43を設けた射出ポット32と該ポット内へ可塑化状態にある流動性材料を側方から供給する投入通路とを形成し、前記射出ポット32内に摺動可能にプランジャ31を配設するとともに、前記射出ポット32先端及び前記プランジャ31先端を全長に亘り断面直線テーパー部31aとして、射出完了時に前記射出ポット32先端の面直線テーパー部にプランジャ31先端の面直線テーパー部が嵌入する構造の射出機の、前記射出ノズル43を押え金33に形成したスプルー34に接続し、且つ多数の任意配置のキャビティ35を形成した型締め機構付製品型における上型36と前記押え金33との間に容積変化する注入ポット40を形成せしめるとともに、該注入ポット40と前記キャビティ35間を各々ゲート41により連結せしめたものである。
【0019】
また本発明の射出移送成形方法は、前記射出移送成形装置を用いて、先ず射出成形時における前記型締め機構の初動型締め力を、専ら前記射出ポット32から注入ポット40への射出充填による注入ポット40内にかかる流動性材料の充満圧力によって、注入ポット40容積が拡大する程度(即ちこのとき、型開力=注入ポット40内のゴム充満圧力×注入ポット投影面積)まで低く設定し、且つ前記注入ポット40を前記キャビティ35の全容積以下で可及的に存在空気量を少なくした状態としておき、この状態で流動性材料を前記射出ポット32から前記注入ポット40内に射出充填して、その時の流動性材料の充満圧力により製品型38を開き方向へ移動させ、注入ポット40容積を拡大しつつ必要量を充填し、この充填が完了して製品型38の移動が停止した後、前記型締め機構により本格的型締めを行い、該高圧型締め力によって注入ポット40を加圧して前記流動性材料を各ゲート41を介してキャビテイ35内へ移送充填せしめるものである。
【0020】
図1乃至図10に示す実施例について更に詳細に説明すると、前記プランジヤ31は、その先端が断面直線テーパ−部31aをなしており、またその基端にはピストン31bが形成されて、上方に設けたシリンダ42内で油圧等を受けるよう構成されている。
【0021】
前記射出ポット32は、その先端において射出ノズル43にかけて、前記プランジャ31の先端と合致する断面直線テーパー部をなしており、その側部に材料押出し機44を連結して、該押出し機44によってゴム等の流動材料を通路を介し射出ポット32内へ圧入するように構成する。
【0022】
前記押え金33は、この例では上型36の上面に形成した凹所39に滑合するが、その中心には、スプルー34が貫通して開けられており、図の例では下に拡大する穴となっている。製品型38は凹所39により押え金33と滑合して上下に移動するが、製品型38の型締めによる移送成形制御は、例えば図9のように、キャビティ35の下方に設けた押圧力感知部48と接続した圧力センサ45によりキャビティ35内圧力を感知して行われる。なお、上記の如く押え金33を上型36の上面に形成した凹所39に滑合して注入ポット40を構成するほか、図10に示すように、押え金33の下面に凹所49を形成し、ここに前記上型36上面を嵌入するようにして注入ポット40を形成してもよい。
【0023】
前記キャビティ35は、上型36と下型37(図示しない中型がある場合は、上型36、中型及び下型37)にかけて形成されており、その配置は図1に示すように、金型38内に縦横に整然と配置され、これらのキャビティ35の各々に対して前記注入ポット40からゲート41が貫通している。なおこのゲート41は、図示の例では下方に尖鋭な穴としている。
【0024】
図10は、流動材料Wがキャビティ35内に充填された状態で、前記スプルー34、ゲート41内に流動材料Wが残留しないように、上記状態において前記スプルー34、ゲート41内に完全に挿入される分流子46、47を示したものである。上記分流子46、47は、この例ではそれぞれ上型36、押え金33に形成されているが、必要に応じて上型36、押え金33の一方でもよい。
【0025】
本発明者の研究によれば、上記射出移送成形においても、前記スプルー34と各ゲート41までの距離を等距離とすることが考えられ、例えば図11に示すように、上型に設置するゲートを押え金のスプルーを中心とする円周上で、且つ等間隔に配置することにより、注入ポットを従来のランナー的流路としての働きをさせることができる。
【0026】
この場合、注入ポットの容積は製品キャビティの全容量分は必要でなく、流動性材料を射出ポット32から製品キャビテイへの射出充填に必要な隙間分開けておき、射出ポット内の計量した流動性材料を射出完了と同時に、ランナー的流路としての注入ポット40内の残留ゴム分を型締めによって製品キャビテイに移送充填成形することで、小さめの容量の注入ポットでもキャビテイごとに均等な充填が可能となり、さらに注入ポット40内のスクラップとなる残留ゴム量をランナーを用いたものに比して半減でき、特に図11のように金型21内にキャビテイ22、23を金型21の中心である押え金33のスプールから放射状に、且つ同心円状に、さらに等間隔に配置し、ゲート23を介して3個づつまとめて接続するようにすれば、金型スペース上の生産性の減少も少なく、注入ポットが薄型のシンプルな射出移送成形装置が可能となる。
【0027】
上記のように構成した本発明射出移送成形装置によりゴム製品の成形を行うときは、まず製品型38の初動型締め力を前記のように低くした状態で、図2に示すように、材料押出し機44により射出ポット32内に流動性材料Wを必要量計量し、射出ポット先端ノズル43を押え金のスプルー34にノズルタッチさせ、図示しないノズルタッチシリンダによりノズルタッチ圧力をかけ、射出ポット32から注入ポット40に高速高圧射出充填する。
【0028】
射出ポット32から注入ポット40への射出充填時にやってはいけない充填方法を図8に示すと、先ず注入ポット40を、図8のようにキャビテイ35の合計容量に等しくしておき、ここに流動材料Wを送入すると、射出された流動材料(ゴム材料)は同図のようにスパゲテイ状W’になり注入ポット40内空気を大量に巻き込んで製品に大量の気泡を含んだ製品となってしまう。
【0029】
そこで、注入ポット40を前記キャビティ35の全容積以下で可及的に存在空気量を少なくした状態(例えば20ミリメートル程度のすき間とする等)とし、この状態から流動材料Wを前記ポット40内に高速高圧射出充填すると、図2に示すように流動性材料はスパゲテイ状になることなく、空気の混入のない塊状の充填形態で充填され、最初に設定した容積の注入ポットが充満すると、その充満ゴム圧力による型開力(ゴム充満圧力×注入ポットの投影面積)が低圧に設定しておいた製品型型締め力より高くなった時点で、製品型38は開き方向に下降し、注入ポット40には射出ポット32に計量しておいた流動性材料Wの必要分すべてが、空気の混入なしに充填される(図3)。
【0030】
次に、図4のように図示しない型締め機構により製品型38を矢印のように移動させて本格的型締めを行い、注入ポット40内に充填させておいた流動性材料Wをゲート41を介しキャビティ35内に移送成形を行い、このとき例えば図9のようにキャビテイ35に設けた押圧感知子48が圧力変化を捉えて圧力センサ45を経て矢印の如き型締めを停止し、移送充填を完了するようにすれば、余分なゴムをキャビテイ35に送り込むこともなく、製品仕上げの不要なバリのない理想的な成形が可能となる(図4)。
【0031】
キャビティ35への移送充填成形が完了すると、この状態のまま加硫(熱硬化)に入り、この加硫中に材料押出し機44により射出ポット32に必要量の可塑化計量をしておき(図5)、加硫が完了したとき図示しない型締め機構により製品型38を大きく降下させて、上型36と下型37間を開き(図6)、製品Mを取り出し、その後押え金33と上型36間を図示しないサイドシリンダ等で開き、注入ポット40内の残ゴムを取り除き一連の作業は完了する。
【0032】
【発明の効果】
本発明射出移送成形方法では、金属ケースに、射出ノズルを設けた射出ポットと該ポット内へ可塑化状態にある流動性材料を側方から供給する投入通路とを形成し、前記射出ポット内に摺動可能にプランジャを配設するとともに、前記射出ポット先端及び前記プランジャ先端を全長に亘り面直線テーパー形状として、射出完了時に前記射出ポット先端の面直線テーパー部にプランジャ先端の面直線テーパー部が嵌入する構造の射出機の、前記射出ノズルを押え金に形成したスプルーに接続し、且つ多数の任意配置のキャビティを形成した型締め機構付製品型における上型と前記押え金との間に容積変化する注入ポットを形成せしめるとともに、該注入ポットと前記キャビティ間を各々ゲートにより連結せしめた射出移送成形装置を用い、先ず射出成形時における前記型締め機構の初動型締め力を、専ら前記射出ポットから注入ポットへの射出充填による、注入ポット内にかかる流動性材料の充満圧力によるのみで注入ポット容積が拡大する程度まで低く設定し、且つ前記注入ポットを前記キャビティの全容積以下で可及的に存在空気量を少なくした状態とした上、この状態で流動性材料を前記射出ポットから前記注入ポット内に射出充填して、その時の流動性材料の充満圧力により製品型を開き方向へ移動させ、注入ポット容積を拡大しつつ必要量を充填し、この充填が完了して製品型の移動が停止した後、前記型締め機構により本格的な高圧型締めを行い、該型締め力によって注入ポットを加圧して前記流動性材料を各ゲートを介してキャビテイ内へ移送充填せしめるので、スプルーから金型内のキャビティまでの距離の如何にかかわらず、ゴムを射出せん断発熱により均一な温度に高温化してキャビティへの充填が均等、迅速且つ正確に行われてゴムの加硫時間を短くし得、金型内のキャビティの配置を、各キャビティとスプルーとの距離の差を考慮せずに効率的に行うことができる射出移送成形方法を提供する効果がある。
【0033】
従来の射出成形装置による成形方法と本発明射出移送成形方法との生産性比較を示す図13によれば、例えばキャビテイを32個設けた場合(32個取り)において、本発明によれば、加硫時間は従来のものの約37%、またサイクルタイムは約50%であり、成形能力は約2倍となり、生産性比で1.84倍である。また、キャビテイを100個設ける場合(100個取り)は、従来技術では不可能であるのに対し、本発明では可能であり、従来のものとは他のデータ比較はできないが、生産性比で3.45倍となるなど著しい効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に使用する射出移送成形装置の一実施例の要部平面略図
【図2】本発明に使用する射出移送成形装置の一実施例における要部断面図で、第1の作動状態を示すもの
【図3】本発明に使用する射出移送成形装置の一実施例における要部断面図で、第2の作動状態を示すもの
【図4】本発明に使用する射出移送成形装置の一実施例における要部断面図で、第3の作動状態を示すもの
【図5】本発明に使用する射出移送成形装置の一実施例における要部断面図で、第4の作動状態を示すもの
【図6】本発明に使用する射出移送成形装置の一実施例における要部断面図で、第5の作動状態を示すもの
【図7】本発明に使用する射出移送成形装置の一実施例における要部断面図で、第6の作動状態を示すもの
【図8】図2と同じ作動状態における不具合を示す断面略図
【図9】本発明に使用する射出移送成形装置の他の実施例における、図4に相当する作動状態を示す断面略図
【図10】本発明に使用する射出移送成形装置の更に他の実施例における要部断面図
【図11】本発明に使用する射出成形装置の各キャビティとスプルー間の距離を各々等しくするための、キャビテイの配置案を示す平面略図
【図12】従来の射出成形装置と本発明に使用した射出移送成形装置との生産性比較を示すもの
【図13】射出成形装置における各キャビティとスプルー間の距離を各々等しくするためのアイデアを示す図
【図14】従来の射出成形装置を示す断面図。
【符号の説明】
1 金属ケース 2 スクリュー 3 押出機 4 逆止弁
5 通路 6、32 射出ポット
7、31 プランジャ31a 断面単一直線テーパー形状(部)
8 射出ポット先端部分 9 射出ノズル 10 金型
11 上ダイプレート 12 下ダイプレート
13 タイバー 14 断熱盤 15 熱盤を兼ねた下型
16、26、34 スプルー 17、27 ランナー
18、23、41 ゲート
19、20、22、23、25、35 キャビテイ
21、24 矩形金型 33 押え金 36 上型 37 下型
38 製品型 39、49 凹所 40 注入ポット 42 シリンダ
43 射出ノズル 44 材料押出し機 45 圧力センサ
46、47 分流子 48 押圧力感知部 W 流動材料 M 製品
S スクラップ。

Claims (1)

  1. 金属ケースに、射出ノズルを設けた射出ポットと該ポット内へ可塑化状態にある流動性材料を側方から供給する投入通路とを形成し、前記射出ポット内に摺動可能にプランジャを配設するとともに、前記射出ポット先端及び前記プランジャ先端を全長に亘り断面直線テーパー形状として、射出完了時に前記射出ポット先端の面直線テーパー部にプランジャ先端の面直線テーパー部が嵌入する構造の射出機の、前記射出ノズルを押え金に形成したスプルーに接続し、且つ多数の任意配置のキャビティを形成した型締め機構付製品型における上型と前記押え金との間に容積変化する注入ポットを形成せしめるとともに、該注入ポットと前記キャビティ間を各々ゲートにより連結せしめた射出移送成形装置を用い、先ず射出成形時における前記型締め機構の初動型締め力を、専ら前記射出ポットから注入ポットへの射出充填による、注入ポット内にかかる流動性材料の充満圧力によるのみで注入ポット容積が拡大する程度まで低く設定し、且つ前記注入ポットを前記キャビティの全容積以下で可及的に存在空気量を少なくした状態とした上、この状態で流動性材料を前記射出ポットから前記注入ポット内に射出充填して、その時の流動性材料の充満圧力により製品型を開き方向へ移動させ、注入ポット容積を拡大しつつ必要量を充填し、この充填が完了して製品型の移動が停止した後、前記型締め機構により本格的な高圧型締めを行い、該型締め力によって注入ポットを加圧して前記流動性材料を各ゲートを介してキャビテイ内へ移送充填せしめることを特徴とする射出移送成形方法。
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