JP3771384B2 - 磁気記録再生装置におけるテープ引出し部材の係止構造 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はローディング機構の作動に伴って、カセットから引き出された磁気テープをシリンダーの外周に巻回して信号を記録再生する磁気記録再生装置において、特に、シャーシーに形成された案内溝に沿って摺動し、磁気テープをカセットから引き出してシリンダーの外周に巻回する垂直引出しピン及び補正ポストが立設されたテープ引出し部材の係止構造の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ローディング機構の作動に伴いシャーシーに形成された案内溝に沿って摺動するテープ引出し部材に立設された垂直引出しピン及び補正ポストによって、カセットから磁気テープを引き出し、シリンダーに所定の角度磁気テープを巻回して信号の記録再生を行う磁気記録再生装置において、シリンダーに対するローディング完了位置、すなわち、案内溝の終端部においてテープ引出し部材を係止して前後・左右・上下の動きを規制することは磁気テープをシリンダーに対して正しく当接して記録再生を行う上から極めて重要である。
【0003】
そのため例えば特公昭57−23334号において開示されているごとく、案内溝の終端部においてストッパーを設け、このストッパーに垂直引出しピンが嵌入係止されるV溝、テープ引出し部材の突出片が嵌入係止される凹部及び垂直引出しピンの下方が嵌入係止されるU溝を形成して前後・左右・上下の動きを規制していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
すなわち、案内溝の終端部において、V溝、凹部及びU溝を形成したストッパーを設け、テープ引出し部材側の対応部を嵌入係止させていたのであるが、係止部材として格別に加工を必要とするストッパーを設けているので、部品点数及び組立作業点数が増加し、加工費も増加して、コストアップ要因となっていた。
【0005】
そこで本発明の目的とするところは、格別のストッパーを設ける必要なく、案内溝の終端部においてテープ引出し部材を動きを規制し得る係止構造を提供し、コストダウンを図るところにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明においては、案内溝の終端部とテープ引出し部材そのものに係止構造を具有させ、ストッパーを不要としたものである。
【0007】
すなわち、本発明に係る磁気記録再生装置におけるテープ引出し部材の係止構造は、ローディング機構の作動に伴ってシャーシーに形成された案内溝に沿って摺動し、磁気テープをカセットから引き出し、シリンダーの外周にテープを巻回する垂直引出しピン及び補正ポストが立設されたテープ引出し部材に、案内溝の溝幅とほぼ等しく案内溝内を摺動するボス部と、シャーシー表面と対面する壁面に突設されシャーシー表面を滑り移動する上側規制突部と、シャーシー裏面側に位置して案内溝を横切って延びる抜け止め片を設け、さらに案内溝の終端部に略V字溝を形成するとともに、テープ引出し部材のシャーシー裏面側における前端部に上方に突出する略円錐状突部を設け、
テープ引き出し部材が案内溝の終端部に達すると、該テープ引出し部材にローディング機構を介して付与されるバネ力を作用させることにより、
テープ引出し部材の略円錐状突部の傾斜曲面をなす側面を案内溝の終端部の略V字溝の両側縁に圧接させ、テープ引出し部材をシャーシー側に押し付ける力を生ぜしめてテープ引出し部材の前記上側規制突部をシャーシー表面に押し付けることにより、テープ引出し部材の上下方向の動きを規制するとともに、
テープ引出し部材の前記ボス部を前記案内溝の側壁に押し付けるとともにテープ引出し部材の前記略円錐状突部を略V字溝の両側縁に圧接することにより、テープ引出し部材の左右方向の動きも規制し、
前記案内溝の終端部においてテープ引出部材の左右上下方向の動きを確実に規制して該テープ引出し部材を係止することにより、磁気テープを正確にシリンダーに当接させて記録再生を行うようにしたことを特徴としている。
【0008】
テープ引出し部材は、案内溝の溝幅とほぼ等しいボス部が案内溝内に位置しており、シャーシー表面を滑り移動する上側規制突部とシャーシー裏面を滑り移動する案内突部によって円滑に案内移動されるとともに、ローディング完了位置、すなわち、案内溝の終端部に達した際には、ローディング機構を介して付与されるバネ力を受けて、シャーシー裏面側の前端部に形成した略円錐状突部の傾斜曲面が案内溝の終端部に形成した略V字溝の両側縁に圧接されることにより、テープ引出し部材をシャーシー側に押し付ける力が生じ、前記上側規制突部がシャーシー表面に押し付けられるため、テープ引出し部材の上下方向の動きが規制される。また、ローディング機構を介して付与されるバネ力を受けて、テープ引出し部材のボス部が案内溝の側壁に押し付けられるとともに略円錐状突部が略V字溝の両側縁に圧接されるので、左右方向の動きも規制され、テープ引出し部材の左右上下方向の動きが確実に規制され、磁気テープを正確にシリンダに当接させて記録再生が行われる。
【0009】
案内溝内を摺動するボス部は、シャーシー裏面側に位置して案内溝を横切って延びる抜け止め片を挟んで前後に形成するとテープ引出し部材が案内溝を摺動する際、左右の揺れを規制することができる。この場合、案内溝の終端部に形成した略V字溝に嵌入する略円錐状突部は前側のボス部に設ければ良い。また、この場合、テープ引出し部材が案内溝の終端部に達した際に、ローディング機構を介して付与されるバネ力を受けて、案内溝の側壁に押し付けられるテープ引出し部材の前記ボス部は後側に位置するボス部がこれに該当する。
【0010】
シャーシー表面に対面する壁面に突設されシャーシー表面を滑り移動する上側規制突部は、シャーシー裏面を滑り移動する下側規制突部を設けた抜け止め片を挟んで前後の位置で案内溝の両側に形成すると上下動を有効に規制することができる。
【0011】
この場合、前方に位置する上側規制突部を、シャーシーの表面側において案内溝を挟んで略コ字形に突設した一対の突片のシャーシー表面に対面する壁面に形成し、前記略円錐状突部を上記一対の突片間に位置して前側のボス部から突設すると、前後に位置する上側規制突部の距離を長くとることができ、また、前方に位置する上側規制突部とシャーシー裏面側の略円錐状突部との上下の位置関係によって案内溝の終端部における係止状態がより一層確実となる。
【0012】
上記のような構成を採用した本発明の係止構造によれば、従来格別に設けられていたストッパーが不要であり、部品点数を削減し、コストダウンを図り得るものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明は、ローディング機構の作動に伴って、カセットから引き出された磁気テープをシリンダーの外周に巻回して信号を記録再生する従来周知の磁気記録再生装置において、特に、シャーシーに形成された案内溝に沿って摺動し、磁気テープをカセットから引き出してシリンダーの外周に巻回する垂直引出しピン及び補正ポストが立設されたテープ引出し部材の係止構造の改良に関するもので、以下この点について実施態様を示した図面に従って説明する。
【0014】
図1はテープ引出し部材1がローディング完了位置に至る中途段階にある要部概略図、図2はローディング完了位置における要部概略図で、テープ引出し部材1は、ローディング機構の作動に伴ってシャーシー2に形成された案内溝3に沿って摺動可能に設けられ、磁気テープをカセットから引き出し、シリンダー4の外周にテープを巻回する垂直引出しピン5及び補正ポスト6が立設されている。テープ引出し部材1はローディングモータの回動に伴い作動するローディングアーム7に裏面に突設したピン8において連係され、また、案内溝2の終端部においてはローディングアーム7に付与されたバネ力によって終端部方向に押圧される構造となっている。
【0015】
次にテープ引出し部材1の詳細について、一方のテープ引出し部材1を例にとり、図3乃至図8に従って説明する。各図において符号9は、シャーシー2上に位置するベース部で、上面に形成したハブ10、11において垂直引出しピン5及び補正ポスト6が立設されている。ハブ10と同軸的にベース部9の下面側には前側のボス部12が形成され、垂直引出しピン5はハブ10からボス部12に渡って中心孔に挿通され、高さ調節可能にビス止めされている。前記ピン8はベース部9の下面側において突設した後側のボス部13から突設されている。テープ引出し部材1は、前後のボス部12、13において案内溝3内を摺動するもので、両ボス部の外径は案内溝の溝幅よりやや小さいがほぼ等しく、案内溝3に案内されてスムーズに摺動できるような大きさとしている。
【0016】
両ボス部12、13間においてシャーシー裏面側に位置して案内溝3を横切って延びる抜け止め片14が設けられ、この抜け止め片14の両端上面にはシャーシー裏面を滑り移動する案内突部14aが形成されている。
【0017】
また、シャーシー2の表面側において案内溝3を挟んでベース部9の前端部において略コ字形の一対の突片15が突設され、この突片の裏面、すなわち、シャーシー表面に対面する壁面にはシャーシー表面を滑り移動する前側の上側規制突部15a、15bが形成されている。また、前記後側のボス部13の近傍において、ベース部9の裏面、すなわち、シャーシー表面に対面する壁面にはシャーシー表面を滑り移動する後側の上側規制突部9a、9bが形成され、前記案内突部14aと上側規制突部15a、15b、9a、9bによってシャーシー2を挟み、テープ引出し部材1が案内溝3に沿ってスムーズに摺動可能となっている。
【0018】
シャーシー2に形成された案内溝3の終端部には図1及び図2に示す通り、略V字溝3aが形成されている。これに対応して、テープ引出し部材1のシャーシー裏面側の前端部には、前記一対の突片15間に位置して上面に略円錐状突部16aを形成した突部16が前側のボス部12から設けられており、テープ引出し部材1が案内溝3の終端部に達した時、すなわち、ローディング完了時には、図10で示す通り、ローディング機構及びピン8を介して付与されるバネ力Fを受けて、略円錐状突部16aの傾斜曲面が略V字溝3aの両側縁に圧接され、テープ引出し部材1をシャーシー側に押し付ける力、すなわち、前記前側の上側規制突部15a、15b及び、後側の上側規制突部9a、9bをシャーシー表面に押し付ける付勢力Faが得られるため、テープ引出し部材の上下方向の動きが規制される。また、一方ローディング機構を介して付与されるバネ力Fは、図11に示す通り、ボス部12、13の中心を結んだ軸線に対し角度θだけずれた方向から付与されることになるので、2方向の付勢力Fb、Fcが生じており、テープ引出し部材1の後側のボス部13が案内溝3の側壁に押し付けられるとともに、上記の通り、略円錐状突部16aが略V字溝3aの両側縁に圧接され、結局左右方向の動きも規制され、テープ引出し部材の左右上下方向の動きが確実に規制された状態で、磁気テープを正確にシリンダに当接させて記録再生が行われるものである。
【0019】
なお、略円錐状突部16aを突部16の上面に形成した構造として示しているが、略円錐状突部16a自体を直接前側のボス部12から突設しても良い。
【0020】
【発明の効果】
以上詳述の通り、本発明に係るテープ引出し部材の係止構造は、シャーシーに形成される案内溝とテープ引出し部材そのものに係止機構を設けたので、従来のように案内溝終端部においてストッパーを設ける必要がなく、部品点数、組立作業点数を削減し、作業性の向上に寄与し得るとともに、加工費を含めてコストダウンを図り得たのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るテープ引出し部材の係止構造の要部概略図で、テープ引出し部材がローディング完了位置に至る中途段階を示す。
【図2】ローディング完了位置における同要部概略図、
【図3】本発明に係るテープ引出し部材の正面図、
【図4】同右側面図、
【図5】同左側面図、
【図6】同背面図、
【図7】同平面図、
【図8】同底面図、
【図9】図2におけるX−X線断面図、
【図10】ローディング完了時においてテープ引出し部材に作用する付勢力を説明した概略図で、上下方向の規制状態を示す。
【図11】同じくローディング完了時においてテープ引出し部材に作用する付勢力を説明した概略図で左右方向の規制状態を示す。
【符号の説明】
1…テープ引出し部材 2…シャーシー 3…案内溝
3a…V字溝 4…シリンダー 5…垂直引出しピン
6…補正ポスト 7…ローディングアーム 8…ピン
9…ベース部 9a、9b…後側の上側規制突部
10、11…ハブ 12、13…ボス部 12a…突部
14…抜け止め片 14a…案内突部 15…略コ字形の突片
15a、15b…前側の上側規制突部 16…突部
16a…円錐状突部
【発明の属する技術分野】
本発明はローディング機構の作動に伴って、カセットから引き出された磁気テープをシリンダーの外周に巻回して信号を記録再生する磁気記録再生装置において、特に、シャーシーに形成された案内溝に沿って摺動し、磁気テープをカセットから引き出してシリンダーの外周に巻回する垂直引出しピン及び補正ポストが立設されたテープ引出し部材の係止構造の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ローディング機構の作動に伴いシャーシーに形成された案内溝に沿って摺動するテープ引出し部材に立設された垂直引出しピン及び補正ポストによって、カセットから磁気テープを引き出し、シリンダーに所定の角度磁気テープを巻回して信号の記録再生を行う磁気記録再生装置において、シリンダーに対するローディング完了位置、すなわち、案内溝の終端部においてテープ引出し部材を係止して前後・左右・上下の動きを規制することは磁気テープをシリンダーに対して正しく当接して記録再生を行う上から極めて重要である。
【0003】
そのため例えば特公昭57−23334号において開示されているごとく、案内溝の終端部においてストッパーを設け、このストッパーに垂直引出しピンが嵌入係止されるV溝、テープ引出し部材の突出片が嵌入係止される凹部及び垂直引出しピンの下方が嵌入係止されるU溝を形成して前後・左右・上下の動きを規制していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
すなわち、案内溝の終端部において、V溝、凹部及びU溝を形成したストッパーを設け、テープ引出し部材側の対応部を嵌入係止させていたのであるが、係止部材として格別に加工を必要とするストッパーを設けているので、部品点数及び組立作業点数が増加し、加工費も増加して、コストアップ要因となっていた。
【0005】
そこで本発明の目的とするところは、格別のストッパーを設ける必要なく、案内溝の終端部においてテープ引出し部材を動きを規制し得る係止構造を提供し、コストダウンを図るところにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明においては、案内溝の終端部とテープ引出し部材そのものに係止構造を具有させ、ストッパーを不要としたものである。
【0007】
すなわち、本発明に係る磁気記録再生装置におけるテープ引出し部材の係止構造は、ローディング機構の作動に伴ってシャーシーに形成された案内溝に沿って摺動し、磁気テープをカセットから引き出し、シリンダーの外周にテープを巻回する垂直引出しピン及び補正ポストが立設されたテープ引出し部材に、案内溝の溝幅とほぼ等しく案内溝内を摺動するボス部と、シャーシー表面と対面する壁面に突設されシャーシー表面を滑り移動する上側規制突部と、シャーシー裏面側に位置して案内溝を横切って延びる抜け止め片を設け、さらに案内溝の終端部に略V字溝を形成するとともに、テープ引出し部材のシャーシー裏面側における前端部に上方に突出する略円錐状突部を設け、
テープ引き出し部材が案内溝の終端部に達すると、該テープ引出し部材にローディング機構を介して付与されるバネ力を作用させることにより、
テープ引出し部材の略円錐状突部の傾斜曲面をなす側面を案内溝の終端部の略V字溝の両側縁に圧接させ、テープ引出し部材をシャーシー側に押し付ける力を生ぜしめてテープ引出し部材の前記上側規制突部をシャーシー表面に押し付けることにより、テープ引出し部材の上下方向の動きを規制するとともに、
テープ引出し部材の前記ボス部を前記案内溝の側壁に押し付けるとともにテープ引出し部材の前記略円錐状突部を略V字溝の両側縁に圧接することにより、テープ引出し部材の左右方向の動きも規制し、
前記案内溝の終端部においてテープ引出部材の左右上下方向の動きを確実に規制して該テープ引出し部材を係止することにより、磁気テープを正確にシリンダーに当接させて記録再生を行うようにしたことを特徴としている。
【0008】
テープ引出し部材は、案内溝の溝幅とほぼ等しいボス部が案内溝内に位置しており、シャーシー表面を滑り移動する上側規制突部とシャーシー裏面を滑り移動する案内突部によって円滑に案内移動されるとともに、ローディング完了位置、すなわち、案内溝の終端部に達した際には、ローディング機構を介して付与されるバネ力を受けて、シャーシー裏面側の前端部に形成した略円錐状突部の傾斜曲面が案内溝の終端部に形成した略V字溝の両側縁に圧接されることにより、テープ引出し部材をシャーシー側に押し付ける力が生じ、前記上側規制突部がシャーシー表面に押し付けられるため、テープ引出し部材の上下方向の動きが規制される。また、ローディング機構を介して付与されるバネ力を受けて、テープ引出し部材のボス部が案内溝の側壁に押し付けられるとともに略円錐状突部が略V字溝の両側縁に圧接されるので、左右方向の動きも規制され、テープ引出し部材の左右上下方向の動きが確実に規制され、磁気テープを正確にシリンダに当接させて記録再生が行われる。
【0009】
案内溝内を摺動するボス部は、シャーシー裏面側に位置して案内溝を横切って延びる抜け止め片を挟んで前後に形成するとテープ引出し部材が案内溝を摺動する際、左右の揺れを規制することができる。この場合、案内溝の終端部に形成した略V字溝に嵌入する略円錐状突部は前側のボス部に設ければ良い。また、この場合、テープ引出し部材が案内溝の終端部に達した際に、ローディング機構を介して付与されるバネ力を受けて、案内溝の側壁に押し付けられるテープ引出し部材の前記ボス部は後側に位置するボス部がこれに該当する。
【0010】
シャーシー表面に対面する壁面に突設されシャーシー表面を滑り移動する上側規制突部は、シャーシー裏面を滑り移動する下側規制突部を設けた抜け止め片を挟んで前後の位置で案内溝の両側に形成すると上下動を有効に規制することができる。
【0011】
この場合、前方に位置する上側規制突部を、シャーシーの表面側において案内溝を挟んで略コ字形に突設した一対の突片のシャーシー表面に対面する壁面に形成し、前記略円錐状突部を上記一対の突片間に位置して前側のボス部から突設すると、前後に位置する上側規制突部の距離を長くとることができ、また、前方に位置する上側規制突部とシャーシー裏面側の略円錐状突部との上下の位置関係によって案内溝の終端部における係止状態がより一層確実となる。
【0012】
上記のような構成を採用した本発明の係止構造によれば、従来格別に設けられていたストッパーが不要であり、部品点数を削減し、コストダウンを図り得るものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明は、ローディング機構の作動に伴って、カセットから引き出された磁気テープをシリンダーの外周に巻回して信号を記録再生する従来周知の磁気記録再生装置において、特に、シャーシーに形成された案内溝に沿って摺動し、磁気テープをカセットから引き出してシリンダーの外周に巻回する垂直引出しピン及び補正ポストが立設されたテープ引出し部材の係止構造の改良に関するもので、以下この点について実施態様を示した図面に従って説明する。
【0014】
図1はテープ引出し部材1がローディング完了位置に至る中途段階にある要部概略図、図2はローディング完了位置における要部概略図で、テープ引出し部材1は、ローディング機構の作動に伴ってシャーシー2に形成された案内溝3に沿って摺動可能に設けられ、磁気テープをカセットから引き出し、シリンダー4の外周にテープを巻回する垂直引出しピン5及び補正ポスト6が立設されている。テープ引出し部材1はローディングモータの回動に伴い作動するローディングアーム7に裏面に突設したピン8において連係され、また、案内溝2の終端部においてはローディングアーム7に付与されたバネ力によって終端部方向に押圧される構造となっている。
【0015】
次にテープ引出し部材1の詳細について、一方のテープ引出し部材1を例にとり、図3乃至図8に従って説明する。各図において符号9は、シャーシー2上に位置するベース部で、上面に形成したハブ10、11において垂直引出しピン5及び補正ポスト6が立設されている。ハブ10と同軸的にベース部9の下面側には前側のボス部12が形成され、垂直引出しピン5はハブ10からボス部12に渡って中心孔に挿通され、高さ調節可能にビス止めされている。前記ピン8はベース部9の下面側において突設した後側のボス部13から突設されている。テープ引出し部材1は、前後のボス部12、13において案内溝3内を摺動するもので、両ボス部の外径は案内溝の溝幅よりやや小さいがほぼ等しく、案内溝3に案内されてスムーズに摺動できるような大きさとしている。
【0016】
両ボス部12、13間においてシャーシー裏面側に位置して案内溝3を横切って延びる抜け止め片14が設けられ、この抜け止め片14の両端上面にはシャーシー裏面を滑り移動する案内突部14aが形成されている。
【0017】
また、シャーシー2の表面側において案内溝3を挟んでベース部9の前端部において略コ字形の一対の突片15が突設され、この突片の裏面、すなわち、シャーシー表面に対面する壁面にはシャーシー表面を滑り移動する前側の上側規制突部15a、15bが形成されている。また、前記後側のボス部13の近傍において、ベース部9の裏面、すなわち、シャーシー表面に対面する壁面にはシャーシー表面を滑り移動する後側の上側規制突部9a、9bが形成され、前記案内突部14aと上側規制突部15a、15b、9a、9bによってシャーシー2を挟み、テープ引出し部材1が案内溝3に沿ってスムーズに摺動可能となっている。
【0018】
シャーシー2に形成された案内溝3の終端部には図1及び図2に示す通り、略V字溝3aが形成されている。これに対応して、テープ引出し部材1のシャーシー裏面側の前端部には、前記一対の突片15間に位置して上面に略円錐状突部16aを形成した突部16が前側のボス部12から設けられており、テープ引出し部材1が案内溝3の終端部に達した時、すなわち、ローディング完了時には、図10で示す通り、ローディング機構及びピン8を介して付与されるバネ力Fを受けて、略円錐状突部16aの傾斜曲面が略V字溝3aの両側縁に圧接され、テープ引出し部材1をシャーシー側に押し付ける力、すなわち、前記前側の上側規制突部15a、15b及び、後側の上側規制突部9a、9bをシャーシー表面に押し付ける付勢力Faが得られるため、テープ引出し部材の上下方向の動きが規制される。また、一方ローディング機構を介して付与されるバネ力Fは、図11に示す通り、ボス部12、13の中心を結んだ軸線に対し角度θだけずれた方向から付与されることになるので、2方向の付勢力Fb、Fcが生じており、テープ引出し部材1の後側のボス部13が案内溝3の側壁に押し付けられるとともに、上記の通り、略円錐状突部16aが略V字溝3aの両側縁に圧接され、結局左右方向の動きも規制され、テープ引出し部材の左右上下方向の動きが確実に規制された状態で、磁気テープを正確にシリンダに当接させて記録再生が行われるものである。
【0019】
なお、略円錐状突部16aを突部16の上面に形成した構造として示しているが、略円錐状突部16a自体を直接前側のボス部12から突設しても良い。
【0020】
【発明の効果】
以上詳述の通り、本発明に係るテープ引出し部材の係止構造は、シャーシーに形成される案内溝とテープ引出し部材そのものに係止機構を設けたので、従来のように案内溝終端部においてストッパーを設ける必要がなく、部品点数、組立作業点数を削減し、作業性の向上に寄与し得るとともに、加工費を含めてコストダウンを図り得たのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るテープ引出し部材の係止構造の要部概略図で、テープ引出し部材がローディング完了位置に至る中途段階を示す。
【図2】ローディング完了位置における同要部概略図、
【図3】本発明に係るテープ引出し部材の正面図、
【図4】同右側面図、
【図5】同左側面図、
【図6】同背面図、
【図7】同平面図、
【図8】同底面図、
【図9】図2におけるX−X線断面図、
【図10】ローディング完了時においてテープ引出し部材に作用する付勢力を説明した概略図で、上下方向の規制状態を示す。
【図11】同じくローディング完了時においてテープ引出し部材に作用する付勢力を説明した概略図で左右方向の規制状態を示す。
【符号の説明】
1…テープ引出し部材 2…シャーシー 3…案内溝
3a…V字溝 4…シリンダー 5…垂直引出しピン
6…補正ポスト 7…ローディングアーム 8…ピン
9…ベース部 9a、9b…後側の上側規制突部
10、11…ハブ 12、13…ボス部 12a…突部
14…抜け止め片 14a…案内突部 15…略コ字形の突片
15a、15b…前側の上側規制突部 16…突部
16a…円錐状突部
Claims (5)
- ローディング機構の作動に伴ってシャーシーに形成された案内溝に沿って摺動し、磁気テープをカセットから引き出し、シリンダーの外周にテープを巻回する垂直引出しピン及び補正ポストが立設されたテープ引出し部材に、案内溝の溝幅とほぼ等しく案内溝内を摺動するボス部と、シャーシー表面と対面する壁面に突設されシャーシー表面を滑り移動する上側規制突部と、シャーシー裏面側に位置して案内溝を横切って延びる抜け止め片を設け、さらに案内溝の終端部に略V字溝を形成するとともに、テープ引出し部材のシャーシー裏面側における前端部に上方に突出する略円錐状突部を設け、
テープ引き出し部材が案内溝の終端部に達すると、該テープ引出し部材にローディング機構を介して付与されるバネ力を作用させることにより、
テープ引出し部材の略円錐状突部の傾斜曲面をなす側面を案内溝の終端部の略V字溝の両側縁に圧接させ、テープ引出し部材をシャーシー側に押し付ける力を生ぜしめてテープ引出し部材の前記上側規制突部をシャーシー表面に押し付けることにより、テープ引出し部材の上下方向の動きを規制するとともに、
テープ引出し部材の前記ボス部を前記案内溝の側壁に押し付けるとともにテープ引出し部材の前記略円錐状突部を略V字溝の両側縁に圧接して、テープ引出し部材の左右方向の動きも規制し、
前記案内溝の終端部においてテープ引出部材の左右上下方向の動きを規制して該テープ引出し部材を係止することにより、磁気テープを正確にシリンダーに当接させて記録再生を行うようにされた磁気記録再生装置におけるテープ引出し部材の係止構造。 - 抜け止め片の両端にシャーシー裏面を滑り移動する案内突部が形成されている請求項1記載の磁気記録再生装置におけるテープ引出し部材の係止構造。
- 案内溝内を摺動するボス部が抜け止め片を挟んで前後に形成され、略円錐状突部が前側のボス部に設けられている請求項1または2記載の磁気記録再生装置におけるテープ引出し部材の係止構造。
- シャーシー表面に対面する壁面に突設されシャーシー表面を滑り移動する上側規制突部が、抜け止め片を挟んだ前後の位置で案内溝の両側に形成されている請求項1、2または3記載の磁気記録再生装置におけるテープ引出し部材の係止構造。
- 抜け止め片を挟んで前方に位置する上側規制突部が、シャーシーの表面側において案内溝を挟んで略コ字形に突設した一対の突片のシャーシー表面に対面する壁面に形成され、一対の突片間に位置して略円錐状突部が前側のボス部から突設されている請求項4記載の磁気記録再生装置におけるテープ引出し部材の係止構造。
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