JP3770421B2 - タイル目地用ペイントを内蔵するペイント塗布具 - Google Patents

タイル目地用ペイントを内蔵するペイント塗布具 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、タイルとタイルとの隙間に充填される目地が汚れたときに、その目地を再び綺麗にするために使用するのに好適なタイル目地用ペイントを内蔵するペイント塗布具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
タイルとタイルとの間には、漆喰(しっくい)等によって目地が形成される。しかし、この目地は、長期間の内にきたなく汚れてしまう。特に浴室等の湿度の高い部屋では、かびによる汚染が顕著である。従来では、この様に目地が汚れて来た場合には、新たに漆喰を塗りなおすことによって修復されていた。目地の修復は、周知の通り、こてやへら等を使用して行われる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、従来では目地が汚れると新たに漆喰等を塗り直していたが、浴室等の湿度が高い部屋の目地は、塗りなおしてもまたすぐにかびが生えてしまう。そのため浴室の目地は、何度塗りなおしてもきりがないと言う問題があった。
【0004】
またもう一つの問題として、目地を作りなおす作業は誠に面倒であると言う事実があった。すなわち目地は周知の通り、こてやへらを使用して形成するが、この作業は熟練を要し、且つ面倒な作業である。
【0005】
そこで本発明者らは、目地の汚れを簡易に修復する方法として、目地にペイントを塗ることを思いついた。そして実際に目地にペイントを塗布したみたが、この作業は予想に反して困難であった。すなわちペイントを一般的な刷毛(はけ)のようなもので塗布すると、目地の幅が3mmから4mmと非常に細いので、目地の両側のタイル上にもペイントが付着してしまう。タイル上に付着したペイントは、拭き取られなければならないため、その拭き取り作業が面倒なだけでなく、目地上のペイントも拭き取られてしまうこともある。したがって、刷毛を使用して汚れた目地を綺麗にすることは、素人だけでなく専門家であっても困難である。
【0006】
そこで本発明は、目地塗りの用途に適するタイル目地用ペイントを開発することを第1の課題とする。また本発明の第2の課題は、そのタイル目地用ペイントを容易に目地に塗ることができる塗布具を開発することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の目的を達成するために、実験・研究を行ったところ、タイル目地用ペイントに要求される性能は、次の通りであることが判明した。
(1)高い湿度下にあっても、かびが生えにくいこと。
(2)目地の汚れやかびを隠蔽するために、ある程度の粘度を有すること。
(3)タイル上に付着したペイントを拭き取り易いこと、また拭き取りの際に、目地部分に塗布したペイントが連なって剥離しないこと。
また実験の過程において、フェルト等の塗布用チップからペイントを滲出させてペイントを塗布する場合には、ペイントの粘度がある程度以上に高い場合には、ペイントが塗布用チップを通過しないことがわかった。
【0008】
以上の知見に基づいて完成された発明は、顔料、樹脂成分、防カビ剤および/または防菌剤および溶媒としての水を含有し、20°Cにおける粘度が30乃至100cPであることを特徴とするタイル目地用ペイントである。
【0009】
本発明のタイル目地用ペイントは、防カビ剤や防菌剤を含むため、かびが生えにくい。また粘度が30乃至100cPであるため、塗布用チップの通過も円滑であって塗布し易い。
【0010】
請求項1記載の発明は、顔料がチタンホワイトであり、樹脂成分および溶媒として、酢酸ビニル水溶性エマルジョンとアクリル樹脂水溶性エマルジョンを含有するものである。
【0011】
またさらに請求項4記載の発明は、チタンホワイトは、微粒子状であってタイル目地用ペイントの全量に対して20%乃至40%含有し、酢酸ビニル水溶性エマルジョンおよびアクリル樹脂水溶性エマルジョンは、含有樹脂換算で、10:11から10:20の割合で配合されていることを特徴とするものである。ここで、微粒子状のチタンホワイトとは、粒子の平均直径が0.3〜0.5μmのものである。
【0012】
上記の発明では、チタンホワイトとして微粒子状のものを採用しているので、塗布用チップの通過が円滑である。また請求項4記載の発明では、酢酸ビニル水溶性エマルジョンおよびアクリル樹脂水溶性エマルジョンは、含有樹脂換算で、10:11から10:20の割合で配合されている。酢酸ビニルを配合すると、一般的に塗料の塗膜にねばりが出る。またアクリル樹脂を配合すると、塗料の塗膜が固くなる。本発明者の実験によると、両者の配合割合が、10:11から10:20の場合に、タイル部分に塗布されたペイントの拭き取りが容易であり、かつ、塗膜の硬さは実用上、十分なものとなる。また粘度も、塗布用チップからの滲出に好ましいものとなる。
【0013】
さらにタイル目地用ペイントを内蔵するペイント塗布具の発明は、タイル目地用ペイントを溜めたペイント溜部の先端に、塗布用チップが設けられたタイル目地用ペイントを内蔵するペイント塗布具であって、前記ペイント溜部は、指で押圧することにより変形可能な弾性体で構成され、前記塗布用チップは、繊維および/又は樹脂によって構成されていて、気孔率が76%以上であることを特徴とするものである。
【0014】
本発明のタイル目地用ペイントを内蔵するペイント塗布具では、ペイント溜部は、指で押圧することにより変形可能な弾性体で構成されている。従って使用者は、内部のタイル目地用ペイントを強制的に押し出すことができる。そのためペイント溜部内から出たペイントは、強制力をもって塗布用チップを通過する。また本発明で採用される塗布用チップは、気孔率が76%以上であり、特に大きいので、ペイントの通過は円滑である。
【0015】
また上記発明を改良した請求項6記載の発明は、塗布用チップは、繊維束を樹脂液によって固めたものであることを特徴とするペイント塗布具である。
【0016】
本発明で採用する塗布用チップは、繊維束を樹脂液によって固めたものであるから、タイル目地用ペイントは、樹脂束に沿って流れる。そのため脇方向ヘのタイル目地用ペイントの漏れ出しは少ない。
【0017】
また別の改良を施した請求項7記載の発明は、塗布用チップは、先端部分がテーパ状または勾配状となっていて、稜線部が形成されていることを特徴とするペイント塗布具である。
【0018】
上記の発明によれば、塗布用チップを先細りの尖鋭形状としたことにより、タイル目地用ペイントは細い幅で塗布することができ、目地からのはみ出し量が少なくなる。
【0019】
請求項1記載の発明は、切れ目が設けられたパッキンをペイント溜部の開口端部に配置したことを特徴とするものである。
【0020】
上記の発明によれば、ペイント溜部を指で押圧することにより、ペイント溜部内のタイル目地用ペイントがパッキンから塗布用チップのほうへ流動し、塗布用チップに浸透する。したがって、切り目が設けられたパッキンによって、ペイント溜部内のタイル目地用ペイントを滲出させたり、させなかったりすることができる。
【0021】
また上記した発明を改良した請求項3記載の発明は、切れ目は、中心以外の部位に設けられていることを特徴とするペイント塗布具である。
【0022】
本発明では、パッキンの切れ目は、パッキンの中心以外の部位に設けられている。この様に切れ目を敢えてパッキンの中心を外して設けた理由は、パッキンの中心部分は、ペイント滲出時にペイントによって強く押され、他の部位よりも変形量が多いので、この部分に切れ目を設けると、ペイントの圧力によって切れ目がめくれ返ることがあり、切れ目が開放されたままの状態になってしまうことがあるからである。
【0023】
また、パッキンは円状であり、切れ目は、パッキンの直径方向に沿って複数設けられていてもよい。
【0024】
このような構成によれば、切れ目がパッキンの直径方向に沿って複数設けられているので、タイル目地用ペイントは均等に滲出する。また切れ目が中心部を避けて設けられていることに加え、切れ目が直線的に設けられているため、ペイントの圧力によって過度に開くことはなく、めくれてしまう危険は少ない。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。図1は、本発明に係るタイル目地用ペイントを内蔵したペイント塗布具の断面図である。図2は、本発明に係るタイル目地用ペイントを内蔵したペイント塗布具を構成するパッキンの正面図である。図3は、本発明に係るタイル目地用ペイントを内蔵したペイント塗布具を構成するパッキンの断面図である。図4は、本発明に係るタイル目地用ペイントを内蔵したペイント塗布具の分解斜視図である。図5は、本発明に係るタイル目地用ペイントを内蔵したペイント塗布具の斜視図である。
【0026】
まず、本発明のタイル目地用ペイントについて説明する。本発明のタイル目地用ペイントは、顔料と、樹脂成分だけでなく、防カビ剤や防菌剤が混合されている。ここで顔料としては、チタンホワイト(酸化チタン)、酸化鉄、カーボンブラック等の無機顔料や、アゾ系顔料、縮合ポリアゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、アントラキノン系顔料、ジオキサジン系顔料、インジゴ系顔料、チオインジゴ系顔料、ペノリン、ペリレン系顔料、メラミン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料等の有機顔料が挙げられ、この中から、一またはそれ以上のものが適宜配合される。一般に、上記した顔料のなかでも、一般に目地が白であることから、チタンホワイトの採用が望ましい。
【0027】
また樹脂成分としては、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、ウレタン樹脂、酢酸ビニル−エチレン樹脂等のエマルジョンが挙げられ、この中から、一またはそれ以上のものが適宜配合される。特に上記した樹脂成分の中でも、アクリル樹脂と酢酸ビニル樹脂を適宜配合して採用することが望ましい。すなわち、酢酸ビニルを配合すると、一般的に塗料の塗膜にねばりが出る。またアクリル樹脂を配合すると、塗料の塗膜が固くなる。そのため、これらを適宜配合することにより、塗膜のねばりと、硬さを調節することができる。
【0028】
溶剤としては、水が採用される。この理由は、タイル目地用ペイントでは、汚れを隠蔽する必要から、ある程度以上の顔料等を含有する必要があるが、水以外の溶剤では、これらを分散させることができないためである。
【0029】
そして、防カビ剤や防菌剤としては、安息香酸ナトリウム(Na (C7H5O2)) 、P−ヒドロオキシベンゾイックアシッドアルキルエステル、ソルビン酸カリウム、ペンタクロロヘェニルナトリウム、ジヒドロ酢酸ナトリウム、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、2−n−オクチル−4−イソチアゾリン−3−オン、ペンタクロロメタキシレン、ペンタクロロフェノール等が採用可能である。
【0030】
また防カビ剤や防菌剤の配合量は、ペイントの全量(溶剤を含む)に対して0.5から3%程度であることが望ましい。
【0031】
タイル目地用ペイントの溶剤を含む最終的な粘度は、20°Cにおいて30乃至100cPである。すなわちタイル目地用ペイントでは、目地に発生したカビ等をペイントの粘性で押さえ込んでしまわなければならず、またさらにこの押さえ込んだカビ等を塗膜中に埋め込んでしまう必要があるが、粘度が20°Cにおいて30cP以下の場合には、塗膜が薄く、このような作用が期待できない。逆に粘度が100cPを越える場合には、塗布用チップを通過せず、塗布用チップによる塗布が困難となる。またより好ましい粘度としては、20°Cにおいて50乃至70cP程度である。
【0032】
これらの条件を満足するタイル目地用ペイントの配合は、例えば次の表のとおりである。
【0033】
【表1】
Figure 0003770421
【0034】
表1の配合において、酢酸ビニル水溶性エマルジョンとアクリル樹脂水溶性エマルジョンから樹脂成分を計算し、両者の比率を算出すると約10:18となる。チタンホワイト(水を除く)の配合量は、34%である。また表1の配合のタイル目地用ペイントは、20°Cにおける粘度が約60cPであった。
【0035】
つぎに、タイル目地用ペイントを目地に塗布する際に使用するペイント塗布具について説明する。本発明に係るペイント塗布具は、タイル目地用ペイント1を有底筒上のペイント溜部10内に溜め、そのペイント溜部10を指で押圧することにより変形可能な弾性体で構成する。ペイント溜部10の素材としては、ポリエチレン樹脂等が推奨され、一般にブロー成形によって製造される。
【0036】
このペイント溜部10の開口端部11には雄ネジ12を形成して先栓20を装着する。先栓20は図4に示すように、円筒状の大径部21及び中径部22と、角筒状の先口部23とを有する。先栓20の大径部21内には雌ネジ24を形成し、ペイント溜部10の開口端部11の雄ネジ12と螺合させる。先栓20の内部であって、大径部21と中径部22との段差部分には、ゴムのように少しの弾力性がある円盤形状のパッキン30を配置する。
【0037】
パッキン30は図2(a)に示すように、厚さ1mm程度のゴム板を円形に打ち抜き、この板に例えば4箇所に小孔31を穿設し、その小孔31から半円形の切れ目32を形成することにより、弁33を設ける。弁33は通常、閉じられてペイント溜部10内のタイル目地用ペイント1が滲出しないようにする。タイル目地用ペイント1は極めて高い粘性を有するため、ペイント溜部10内のタイル目地用ペイント1がパッキン30の切れ目32から滲出することはない。しかし、弾性体のペイント溜部10が押圧されると弁33が開き、ペイント溜部10内のタイル目地用ペイント1が滲出する。
【0038】
パッキン30の変形例としては、図2(b)に示すようなものもある。このパッキン30は直線状の切れ目32を1本だけ形成したものである。パッキン30はゴムのように少しの弾力性がある材質から形成するため、タイル目地用ペイント1に押圧されて、椀状に変形することができる。すると、パッキン30に形成した直線状の切れ目32が開口して、長孔ができる。すなわち直線状の切れ目32が弁としての働きをする。この長孔を通過してペイント溜部10内のタイル目地用ペイント1が移動する。
【0039】
図2(b)に示したような、直線状の切れ目32を1本だけ形成したパッキンは、製造が簡単であると言う利点があるが、大量にタイル目地用ペイント1を滲出させた場合には、切れ目32がめくれ返ってしまって、閉じなくなってしまうことがあるので注意が必要である。このような切れ目32のめくれ返りが心配される場合には、図2(c)のような構成のパッキン32が推奨される。
【0040】
図2(c)のパッキン30は、前記したパッキンと同様に円盤状であり、切れ目32は、パッキン30の直径方向に沿って設けられているが、パッキン30の中心部分には切れ目32は無い。また切れ目32は、それぞれ60°づつ角度間隔を開けて、6本形成されている。
【0041】
図2(c)のパッキン30では、タイル目地用ペイント1が滲出する際に最も変形が大きいと考えられるパッキン30の中心部を外して切れ目32が設けられている。そのためパッキン30は過度に変形を受けることがなく、切れ目32がめくれ返る心配は少ない。
【0042】
このようにパッキン30は必要に応じてペイント溜部1内のタイル目地用ペイント1を排出させるものである。このようなタイル目地用ペイント1をペイント溜部10内に溜めておくためのパッキン30は、その周囲がペイント溜部10の開口端面に当接するように固定する。ただし、図2(a)に示すパッキン30にあっては、小孔31がペイント溜部10の開口端面に塞がれず、パッキン30によって塞がれたペイント溜部10内の空気が、この小孔31と透過できるようにする。また、タイル目地用ペイント塗布具を使用する前に、ペイント溜部10内のタイル目地用ペイント1が滲出することがないようにするため、使用するまでの間、薄い円盤状の中栓35をパッキン30とペイント溜部10の開口端面との間に介在させる。そして、タイル目地用ペイント1のペイント塗布具を最初に使用するときに、先栓20をペイント溜部10から外し、中栓35をペイント溜部10の開口端面上から取り除く。
【0043】
中栓35がなくても、パッキン30によって、ペイント溜部10が押圧されない限り、ペイント溜部10内のタイル目地用ペイントが滲出することはない。たとえば、寝かせた姿勢の本ペイント塗布具の周囲の温度が上昇し、ペイント溜部10内の空気圧が上昇するような状況になっても、ペイント溜部10内の空気はパッキン30の小孔31から先栓20の方へ流出し、ペイント溜部10内の空気圧は上昇しない。また、パッキン30の弁33(切れ目32)も開かないことから、ペイント溜部10内のタイル目地用ペイント1は先栓20の方へ流出しない。
【0044】
先栓20の中径部22内には図1に示すように、スポンジのような厚肉ドーナツ盤形状の液溜まり材38を収納する。そして、液溜まり材38の中心穴内に塗布用チップ40の内端部41が挿入するように、塗布用チップ40を先栓20の先口部23に挿通する。塗布用チップ40は、タイル目地用ペイント1が浸透できる材質で構成する。塗布用チップ40の素材は、具体的には、繊維の結束物、綿状繊維、発泡樹脂等によって作られる。塗布用チップ40の最も好ましい例は、ポリエステルその他の繊維を長手方向に並べて配置し、これを樹脂によって固めたものが挙げられる。また塗布用チップの気孔率は、少なくとも70%以上が必要であり、より好ましくは76%以上であり、最も好ましいものとして78%程度のものが推奨される。
【0045】
塗布用チップ40の形状は、図4に示すように薄板形状に段差部42を形成し、外端部43が内端部41よりも幅が広くしたものとする。塗布用チップ40は、その段差部42が先栓20の中径部22と先口部23との境界面に衝止して、塗布用チップ40の外端部43が先栓20内に没入しないようにする。塗布用チップ40の外端部43の端面44は、テーパ形状をしており、尖鋭であって、稜線部45を備える。
【0046】
塗布用チップ40の外端部43は、先栓20に着脱自在に装着する有底筒状のキャップ50によってカバーし、塗布用チップ40に浸透しているタイル目地用ペイント1が乾燥しないようにする。キャップ50の開口端部51は、先栓20の中径部22の外周と嵌合する。
【0047】
本発明に係るペイント塗布具は以上のように構成し、つぎにその使用方法について説明する。
【0048】
本発明に係るタイル目地用ペイント塗布具は、使用者が初めて使用を開始するする以前、すなわち工場から輸送される際等には、弾性体のペイント溜部10が押圧されても、ペイント溜部10内のタイル目地用ペイント1が塗布用チップ40に滲出しないようにするため、ペイント溜部10の開口端部11が中栓35によって塞がれている。したがって使用に際して、まず先栓20をペイント溜部10から外して中栓35をペイント溜部10の開口端部11から取り除く。そして、再度、先栓20をペイント溜部10に取り付けて、以下のように使用する。
【0049】
タイル目地用ペイント1をタイルTとタイルTとの間の目地Mに塗布するときは、キャップ50を先栓20から外し、図1の仮想線に示すように、塗布用チップ40の外端部43の端面44を目地Mに当接する。塗布用チップ40の外端部43の端面44はテーパ形状に尖鋭にされているため、塗布用チップ40の稜線部45が丁度、タイルTとタイルTとの間の目地Mの幅だけ当接する。
【0050】
塗布用チップ40からタイル目地用ペイント1を滲出させるには、弾性体のペイント溜部10を押圧する。すると、切れ目32を入れたパッキン30の弁33(図2b,cのパッキン30を採用する場合においては切れ目32)が図3に示すように開き、ペイント溜部10内のタイル目地用ペイント1が先栓20内の液溜まり材38内に浸透する。すなわち、タイル目地用ペイント1はある程度の粘性があるが故に、ペイント溜部10が押圧されるまでは、パッキン30の切れ目32から先栓20内の液溜まり材38に浸透することがない。したがって、液溜まり材38には必要かつ十分な分量のタイル目地用ペイント1が浸透する。液溜まり材38に浸透したタイル目地用ペイント1は塗布用チップ40内に浸透し、そのタイル目地用ペイント1はさらに塗布用チップ40の外端部43の端面44から滲出する。塗布用チップ40の外端部43の端面44は、テーパ形状に尖鋭にされているため、目地Mの部分にのみタイル目地用ペイント1が塗布される。
【0051】
さらに塗布用チップ40として、ポリエステル等の繊維を長手方向に並べて配置し、これを樹脂によって固めたものを採用すれば、タイル目地用ペイント1は繊維に沿って流れ、タイルT部分へのはみ出しが少なくなる。
【0052】
タイル目地用ペイント1が目地Mの部分に塗布されるだけでなく、タイルTの部分に付着したとしても、目地Mの表面はザラザラした粗面であり、タイル目地用ペイント1が付着しやすいのに対して、タイルTの表面はツルツルの滑面であり、タイル目地用ペイント1は付着しにくいため、タイルT上に付着したタイル目地用ペイント1は容易に拭き取ることができる。タイル目地用ペイント1の拭き取り作業には、ナイロンたわしの使用が推奨される。また、タイル目地用ペイント1を塗布して2〜3時間経過して、タイル目地用ペイント1が凝固した後に、タイルT上のタイル目地用ペイント1を拭き取り、あるいは削り落としても良い。タイルT上のタイル目地用ペイント1を削り落とす場合には、スチールウールを使用することが望ましい。
【0053】
塗布用チップ40内に浸透したタイル目地用ペイント1が塗布されて全て滲出すると、再度、弾性体のペイント溜部10を押圧して、ペイント溜部10内のタイル目地用ペイント1をパッキン30の弁33から先栓20内の液溜まり材38内に浸透させる。ただし、液溜まり材38はスポンジのような材質であり、タイル目地用ペイント1が液溜まり材38に溜められるため、毎度、ペイント溜部10を押圧しなくても、塗布用チップ40からタイル目地用ペイント1が滲出する。
【0054】
塗布用チップ40の外端部43から滲出したタイル目地用ペイント1によって、目地Mが綺麗になると、先栓20にキャップ50をして、塗布用チップ40が乾燥しないようにする。
【0055】
なお、本発明は上記の実施の形態に限定することなく、本発明の要旨内において設計変更することができる。例えば、塗布用チップの外端部は、テーパ形状に代えて、勾配形状であっても差し支えない。
【0056】
また、タイル目地用ペイントは、上記した塗布具によらなくても塗布は可能である。例えば、図6に示すような、タイル目地用ペイント100を溜める硬質で有底筒状のペイント溜部101の開口端部に筒栓102を取り付け、筒栓102の内端部にプッシュ機構110を内装し、筒栓102の先端部に幅の狭い塗布用チップ103を装着し、筒栓102の外側に着脱自在のキャップ104を被せる構造のものであっても、タイル目地用ペイントの塗布は可能である。
【0057】
【実施例】
以下、本発明の実施例について説明する。顔料および樹脂成分として、前記した表1の配合のタイル目地用ペイントを調合した。表1の配合によると、酢酸ビニル水溶性エマルジョンおよびアクリル樹脂水溶性エマルジョンは、含有樹脂換算で、10:18の割合で配合されている。このタイル目地用ペイントの20°Cでの粘度は、約60cPであった。そしてこのタイル目地用ペイントを図1乃至図5に記載したペイント塗布具に入れた。ここで、タイル目地用ペイントのパッキンは、図2(b)の直線状に切れ目32を有するものを採用した。また塗布用チップ40は、ポリエステル繊維を長手方向に並べて、樹脂によって固めた構造のもので、気孔率が78%のものを採用した。そしてペイント塗布具から、タイル目地用ペイントを滲出させ、カビの生えた目地に塗布した。その結果、塗布用チップからのタイル目地用ペイントの滲出は円滑であった。また塗布されたタイル目地用ペイントによってカビは完全に隠蔽された。またタイルにはみ出たタイル目地用ペイントの拭き取りも容易であった。
【0058】
次に、表1の配合から、酢酸ビニル水溶性エマルジョンおよびアクリル樹脂水溶性エマルジョンの比率を変化させ、先と同一のペイント塗布具に入れて、目地に塗布した。その結果、酢酸ビニル樹脂とアクリル樹脂との比率が、10:11程度が酢酸ビニル樹脂の上限であり、これ以上酢酸ビニル樹脂の比率が上がると、塗布用チップが目詰まりを起こしてしまうことが判った。なお、この時の20°Cにおける粘度は、100cP程度であった。また酢酸ビニル樹脂の下限は、酢酸ビニル樹脂とアクリル樹脂との比率が、10:20程度であった。すなわち、これ以上酢酸ビニルの比率が下がり、アクリル樹脂の比率が上昇すると、タイル部分にはみ出したペイントの拭き取りが困難であった。
【0059】
また表1の配合のタイル樹脂用ペイントにさらに水を加えて粘度を下げ、前記したペイント塗布具から滲出し、目地を塗ったところ、粘度が下がるに連れて滲み出しは円滑になるものの、粘度が30cP程度以下となると、塗膜の厚さが薄くなり、カビを押さえることが困難であった。これの実験結果から、タイル目地用ペイントの粘度は、30cPから100cP程度が望ましいことが理解できる。滲出の円滑性や、カビを隠蔽する効果を総合的して判断すると、タイル目地用ペイントの粘度は、20°Cにおいて50cPから70cP程度が最も使い易いものであった。
【0060】
【発明の効果】
本発明のタイル目地用ペイントは、防カビ剤や防菌剤を含むため、かびが生えにくい。また本発明のタイル目地用ペイントは塗布用チップによって塗布することができるので、簡単に塗ることができる効果がある。またタイル目地用ペイントを内蔵するペイント塗布具では、内部のタイル目地用ペイントを強制的に押し出し、タイル目地用ペイントは強制力をもって塗布用チップを通過し、且つ塗布用チップは、気孔率が大きいので、ペイントの通過は円滑である。そのため、本発明によると、目地の修復が容易である。
【0061】
また、請求項6,7記載の発明によるとタイル目地用ペイントは細い幅で塗布することができ、目地からのはみ出し量が少ないという効果がある。
【0062】
請求項1記載の発明によるとペイント塗布具は、パッキンを有するのでペイント塗布具を倒してもペイントが漏れることは少なく、パッキンの弁としての動作が確実であるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るタイル目地用ペイントを内蔵したペイント塗布具の断面図である。
【図2】本発明に係るタイル目地用ペイントを内蔵したペイント塗布具を構成するパッキンの正面図である。
【図3】本発明に係るタイル目地用ペイントを内蔵したペイント塗布具を構成するパッキンの断面図である。
【図4】本発明に係るタイル目地用ペイントを内蔵したペイント塗布具の分解斜視図である。
【図5】本発明に係るタイル目地用ペイントを内蔵したペイント塗布具の斜視図である。
【図6】公知のペイント塗布具の断面図である。
【符号の説明】
1 タイル目地用ペイント
10 ペイント溜部
11 開口端部
30 パッキン
33 弁
40 塗布用チップ
43 外端部
45 稜線部

Claims (7)

  1. 顔料、樹脂成分、防カビ剤および/または防菌剤および溶媒としての水を含有し、顔料がチタンホワイトであり、樹脂成分および溶媒として、酢酸ビニル水溶性エマルジョンとアクリル樹脂水溶性エマルジョンを含有するものであるタイル目地用ペイントを用い、
    前記タイル目地用ペイントを溜めたペイント溜部の先端に、塗布用チップが設けられたタイル目地用ペイントを内蔵するペイント塗布具であって、
    前記ペイント溜部は、指で押圧することにより変形可能な弾性体で構成され、前記塗布用チップは、繊維および/又は樹脂によって構成されていて、気孔率が76%以上であり、
    さらに、小孔と小孔につながる切れ目が設けられた板状のパッキンをペイント溜部の開口端部に配置したことを特徴とするタイル目地用ペイントを内蔵するペイント塗布具。
  2. ペイント溜部に装着される先栓を有し、先栓には円筒状の大径部及び中径部が設けられ、大径部の内側に形成された雌ネジと、ペイント溜部に形成された雄ネジとが螺合するものであり、パッキンは大径部と中径部との段差部分に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のタイル目地用ペイントを内蔵するペイント塗布具。
  3. パッキンの切れ目は、中心以外の部位に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載のタイル目地用ペイントを内蔵するペイント塗布具。
  4. チタンホワイトは、微粒子状であってタイル目地用ペイントの全量に対して20%乃至40%含有し、酢酸ビニル水溶性エマルジョンおよびアクリル樹脂水溶性エマルジョンは、含有樹脂換算で、10:11から10:20の割合で配合されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のタイル目地用ペイントを内蔵するペイント塗布具。
  5. 20°Cにおける粘度が30cP乃至100cPであるタイル目地用ペイントが用いられていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のタイル目地用ペイントを内蔵するペイント塗布具。
  6. 塗布用チップは、繊維束を樹脂液によって固めたものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のタイル目地用ペイントを内蔵するペイント塗布具。
  7. 塗布用チップは、先端部分がテーパ状または勾配状となっていて、稜線部が形成されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のタイル目地用ペイントを内蔵するペイント塗布具。
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