JP3770177B2 - 核磁気共鳴を用いた検査装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は,検査対象を見ながら撮影断面を直接指定できる核磁気共鳴を用いた検査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
核磁気共鳴イメージング(MRI)装置は,検査対象を横切る任意の平面(断層面)内の水分子に核磁気共鳴を起こさせ,発生する核磁気共鳴信号からその平面内における断層像を得る医用画像診断装置である。一般的には,検査対象の断層像を得ようとする平面を特定するスライス傾斜磁場を印加すると同時に,その平面内の磁化を励起させる励起パルスを与え,これにより励起された磁化が収束する段階で発生する核磁気共鳴信号(エコー)を得る。磁化に位置情報を与えるため,励起からエコーを得るまでの間に,断層面内で互いに垂直な方向の位相エンコード傾斜磁場とリードアウト傾斜磁場を印加する。計測されたエコーは,横軸をkx,縦軸をkyとするk空間に配置される。1つのエコーは,kx軸に平行な1本のラインを占める。このk空間のデータに対して逆フーリエ変換することによって画像再構成が行われる。
【0003】
エコーを発生させるためのパルスと各傾斜磁場は,予め設定されたパルスシーケンスに基づいて印加されるようになっている。このパルスシーケンスは,目的に応じて種々のものが知られている。例えば,一般的な撮影法の一つであるグラディエントエコー(GE)法は,そのパルスシーケンスを繰り返して作動させ,繰り返しごとに位相エンコード傾斜磁場を順次変化させることにより,1枚の断層像を得るために必要な数のエコーを順次計測していく方法である。
【0004】
図1(A)にGE法のパルスシーケンスを示す。このパルスシーケンスの動作は以下のとおりである。z方向のスライス傾斜磁場パルス201の印加とともにプロトンの共鳴周波数f0の磁化励起用高周波磁場(RF)パルス202を印加し,対象物体内のあるスライスのプロトンに核磁気共鳴現象を誘起する。そして,磁化の位相に位相エンコード方向(y方向)の位置情報を付加するための位相エンコード傾斜磁場パルス203と,ディフェーズ用リードアウト傾斜磁場206(x方向)とを印加した後,リードアウト方向(x方向)の位置情報を付加するためのリードアウト傾斜磁場パルス207を印加しながら核磁気共鳴信号(エコー)208を計測する。以上のスライス傾斜磁場パルス印加からエコー計測を含む手順を繰り返し時間TRで繰り返し,1枚の画像を得るのに必要なエコーを計測する。各エコーは,図1(B)に示すようにk空間209上に配置され,2次元逆フーリエ変換によって画像再構成される。
【0005】
MRI撮影において撮影断面の指定は,通常,ディスプレイに表示された撮影画像を見ながら以下の手順で行われる。まず,関心領域全体を含む画像を基準画像として撮影しディスプレイに表示する。次に,基準画像上に線分を表示し,この線分の位置や角度をマウスやカーソルで移動させることにより撮影断面を指定して撮影を行う。必要に応じて基準画像を変更しながら断面指定と撮影を繰り返す(従来技術−1)。この時,マウスの代わりに板状ジョイスティックを用いて撮影断面を指定する方法がある。(特開平9−238915号公報:従来技術−2)この方法によると,撮影断面の傾斜を板状ジョイスティックの傾斜として指定できるため,マウスを用いた場合に比べて直感的な操作が可能になるとされている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
検査対象から離れた位置でディスプレイに表示された画像を見ながら間接的に撮影断面を指定する従来技術−2の撮影断面指定方法では,検査対象に対する撮影断面の位置の把握が困難であり,また,板状ジョイスティックを用いた従来技術−2では,撮影断面の傾斜は直接指定できるが,ジョイスティックが本来何かに固定されているものであるため,撮影断面の位置を直接指定することが不可能であるという課題があった。
【0007】
本発明の目的は,検査者による撮影断面の直接指定操作が可能な核磁気共鳴を用いた検査装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の核磁気共鳴を用いた検査装置は,静磁場を発生する静磁場発生手段と,互いに直交する第1,第2,及び第3方向の傾斜磁場を発生する傾斜磁場発生手段と,高周波磁場を発生する高周波磁場発生手段と,検査対象から発生する核磁気共鳴信号を検出する信号検出手段と,検出された核磁気共鳴信号の演算処理を行なう演算処理手段と,検査対象の撮影断面を含む面を指定する断面位置指定装置と,傾斜磁場発生手段と高周波磁場発生手段と信号検出手段と演算処理手段を制御し,撮影断面の撮影のためのパルスシーケンスを制御する制御装置とを有する。断面位置指定装置により指定される平面内で所定の領域が撮影断面となるように,傾斜磁場発生手段の制御が行なわれる。
【0009】
断面位置指定装置は,2個又は3個の基準点に配置される基準物体を内部に具備している。静磁場及び傾斜磁場が発生された空間内に置かれた検査対象の近傍で,検査者は断面位置指定装置を手に持って移動操作が可能である。この移動操作は,検査者が検査対象を見ながら,超音波診断装置における超音波探触子の操作と同様にして行なうことができる。検査者が検査対象を見ながら,断面位置指定装置を検査対象に接触させた状態で,又は,断面位置指定装置を検査対象に接触させない状態で撮影断面を含む面を指定することができる。
【0010】
撮影断面の撮影のためのパルスシーケンスにより,2個又は3個の基準点に配置される基準物体から検出された核磁気共鳴信号を使用して,演算処理手段は,2個の基準点に配置される基準物体の中点を通り2個の基準物体を結ぶベクトルを法線ベクトルとする平面を,又は,3個の基準点に配置される基準物体を通る平面を,基準とする空間座標で求める演算処理を行なう。制御装置は,求められた平面内で所定の領域が撮影断面となるように,傾斜磁場発生手段の制御を行なう。
【0011】
本発明の核磁気共鳴を用いた検査方法の特徴を以下に説明する。
(1)2個又は3個の基準点に配置される基準物体を具備し,静磁場及び傾斜磁場が発生される空間内に置かれた検査対象の近傍で,検査者が手に持って移動操作が可能であり,2個又は3個の基準点に配置される基準物体を具備する断面位置指定装置により,前記検査対象の撮影断面を含む面を指定する工程と,2個の前記基準点に配置される前記基準物体の中心位置の中点を通り2個の前記基準物体の中心位置を結ぶベクトルを法線ベクトルとする平面を,又は,3個の前記基準点に配置される前記基準物体の中心位置を通る平面を,基準とする空間座標で求める工程と,前記平面内で所定の領域が前記撮影断面となるように,前記傾斜磁場の発生の制御を行なう工程とを有することを特徴とする核磁気共鳴を用いた検査方法。
(2)(1)に記載の核磁気共鳴を用いた検査方法に於いて,2個又は3個の前記基準点に配置される前記基準物体は,球の形状を有し,水,及び,脂肪以外の物質を含有し,高周波磁場の印加に続く第1方向の傾斜磁場の印加,前記高周波磁場の印加に続く第2方向の傾斜磁場の印加,及び,前記高周波磁場の印加に続く第3方向の傾斜磁場の印加を行ない第1,第2,及び,第3方向の投影像を得る工程と,前記第1,第2,及び,第3方向の投影像を用いて,2個の前記基準点に配置される前記基準物体の中心位置,又は,3個の前記基準点に配置される前記基準物体の前記中心位置を求める工程を有することを特徴とする核磁気共鳴を用いた検査方法。
(3)(1)に記載の核磁気共鳴を用いた検査方法に於いて,前記断面位置指定装置は,前記制御装置に予め設定される撮影パラメータの中から前記撮影パラメータを選択する選択ボタンを有し,前記選択ボタンにより選択される前記撮影パラメータを用いてパルスシーケンスの制御を行ない,前記撮影断面の撮影を行なうことを特徴とする核磁気共鳴を用いた検査方法。
(4)(1)記載の核磁気共鳴を用いた検査方法に於いて,2個又は3個の前記基準点に配置される前記基準物体が,互いに異なる周波数で点滅する発光ダイオードであり,テレビカメラにより撮影される前記各発光ダイオードの画像から,前記各発光ダイオードの発光面の中心位置を求める工程を有することを特徴とする核磁気共鳴を用いた検査方法。
(5)(1)記載の核磁気共鳴を用いた検査方法に於いて,電磁シールドルーム内に配置される第1の表示手段と,前記電磁シールドルーム外に配置される第2の表示手段とを有し,前記撮影断面の撮影像を前記第1及び第2の表示手段に同時に表示することを特徴とする核磁気共鳴を用いた検査方方法。
(6)(1)に記載の核磁気共鳴を用いた検査方法に於いて,電磁シールドルーム内に配置される第1の表示手段と,前記電磁シールドルーム外に配置される第2の表示手段とを有し,前記断面位置指定装置は,前記撮影断面の撮影を開始するための撮影スイッチを具備し,前記撮影スイッチが押されていない時に,前記撮影断面の撮影像を前記第1及び第2の表示手段に同時に表示し,前記撮影スイッチが押された時に,前記撮影スイッチが押されていない時に前記第1及び第2の表示手段に表示される前記撮影像の画素数よりも大きい画素数を持つ前記撮影像を前記第1及び第2の表示手段に表示することを特徴とする核磁気共鳴を用いた検査方法。
(7)(1)に記載の核磁気共鳴を用いた検査方法に於いて,前記断面位置指定装置を前記検査対象に接触させた状態で前記撮影断面を含む面を指定することを特徴とする核磁気共鳴を用いた検査方法。
(8)(1)に記載の核磁気共鳴を用いた検査方法に於いて,前記断面位置指定装置を前記検査対象に接触させない状態で前記撮影断面を含む面を指定することを特徴とする核磁気共鳴を用いた検査方法。
【0012】
本発明の装置,方法によれば,検査者が検査対象を見ながら撮影断面を容易,迅速に直接指定できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の核磁気共鳴を用いた検査装置は,検査対象の撮影断面を含む面を指定する断面位置指定装置と,3方向の傾斜磁場を発生する傾斜磁場発生手段と高周波磁場を発生する高周波磁場発生手段と検査対象から発生する核磁気共鳴信号を検出する信号検出手段と検出された核磁気共鳴信号の演算処理を行なう演算処理手段を制御し,撮影断面の撮影のためのパルスシーケンスを制御する制御装置とを有する。断面位置指定装置により指定される平面内で所定の領域が撮影断面となるように,傾斜磁場発生手段の制御が行なわれる。
【0014】
断面位置指定装置は,2個又は3個の基準点に配置される基準物体と,撮影断面の撮影を開始する制御を行なう撮影スイッチとを具備する構成とする。更に,断面位置指定装置は,制御装置に予め設定される撮影パラメータの中から撮影パラメータを選択する選択ボタンを設け,制御装置は,選択ボタンにより選択される撮影パラメータを用いてパルスシーケンスの制御を行ない,影断面の撮影を行なう構成としてもよい。
【0015】
断面位置指定装置に,平面扇状の光の検査対象への照射のオンオフを制御する制御スイッチを設け,平面扇状の光を検査対象の表面に照射して,撮影断面の位置を光により検査対象の表面に表示する構成とする。あるいは,検査対象へ照射する平面扇状の光を発生する光源と,平面扇状の光の照射の方向を制御する方向制御装置とを設けて,制御装置により,撮影断面に平面扇状の光を照射するように方向制御装置を制御して,撮影断面の位置を光により検査対象の表面に表示する構成としてもよい。
【0016】
断面位置指定装置は,2個又は3個の基準点に配置される基準物体と,プローブと,撮影断面の撮影を開始する制御を行なう撮影スイッチとを具備する構成とする。
【0017】
断面位置指定装置の撮影スイッチが押されていない時に,撮影断面の撮影像が表示手段に表示され,撮影スイッチが押された時に,撮影スイッチが押されていない時に表示手段に表示される撮影像の空間分解能よりも高い空間分解能を持つ撮影像が表示手段に表示される。
【0018】
2個又は3個の基準点に配置される基準物体は,球の形状を有している。基準物体は,水,及び,脂肪以外の物質を含有している。高周波磁場の印加に続く第1の傾斜磁場の印加,高周波磁場の印加に続く第2方向の傾斜磁場の印加,及び,高周波磁場の印加に続く第3方向の傾斜磁場の印加により,第1,第2,及び,第3方向の投影像が得られる。これの投影像を用いて,2個の基準点に配置される基準物体の中心位置,又は,3個の基準点に配置される基準物体の中心位置が求められる。
【0019】
本発明の核磁気共鳴を用いた検査装置は,電磁シールドルーム内に配置される第1の表示手段と,電磁シールドルーム外に配置される第2の表示手段とを有しており,撮影断面の撮影像が第1及び第2の表示手段に同時に表示される。
【0020】
図2は,本発明の第1の実施例の核磁気共鳴を検査装置の概略構成を示すブロック図である。図2において,101は静磁場を発生するマグネット,102は傾斜磁場を発生するコイル,103は検査対象である。検査対象はマグネット101が発生する静磁場空間内に設置される。また,シーケンサ104は,傾斜磁場電源105に命令を送り傾斜磁場を発生させ,高周波磁場発生器106に命令を送り高周波磁場を発生させる。高周波磁場はプローブ107を通じて検査対象103に印加される。検査対象103から発生した信号はプローブ107によって受波され,受信器108で検波が行われる。検波の基準とする核磁気共鳴周波数(以下,検波基準周波数と記す)は,シーケンサ104によりセットされる。検波された信号は計算機109に送られ,ここで画像再構成などの信号処理が行われる。結果はディスプレイ110に表示される。必要に応じて,記憶媒体111に検波された信号や測定条件を記憶させることもできる。
【0021】
また,静磁場空間内には計算機109に接続された撮影断面指定装置114があり,検査者が検査対象103に対して直接撮影断面を指定できる。静磁場均一度を調整する必要がある時は,シムコイル112を使う。シムコイル112は複数のチャネルからなり,シム電源113により電流が供給される。静磁場均一度調整時には各シムコイルに流れる電流をシーケンサ104により制御する。シーケンサ104はシム電源113に命令を送り,静磁場不均一を補正するような付加的な磁場をコイル112より発生させる。
【0022】
なお,シーケンサ104は通常,予めプログラムされたタイミング,強度で各装置が動作するように制御を行う。これらのプログラムのうち,特に高周波磁場,傾斜磁場,信号受信のタイミングや強度を記述したものはパルスシーケンスと呼ばれている。
【0023】
図3は本発明の第1の実施例の検査装置を用いた検査の様子を示す斜視図である。検査対象103はマグネット101が生成する静磁場空間内に設置されたベッド116の上に置かれ,検査者125は撮影断面指定装置114を手に持って診断したい部位を直接指示している。撮影された断層像は,ベッド116の近傍の位置に置かれたディスプレイ110に表示され,検査者が容易に観察可能である。
【0024】
図4は本発明の第1の実施例の検査装置で使用される撮影断面指定装置114の第1の例を説明する斜視図,平面図である。図4(A)では検査対象103を模式的に円柱として示す。図4(A)は撮影断面指定装置114と検査対象103の撮影断面の関係を示し,撮影断面指定装置114の向きを変えると撮影断面200もそれに応じて変化する。撮影断面指定装置114には撮影スイッチ115が備えられ,このスイッチ115を押すことにより,計算機109に接続されたケーブル117を通じて撮影指示が計算機からシーケンサ104に伝達され,撮影断面の特定と撮影が実行される。
【0025】
図4(B)に示すように,撮影断面指示装置114の内部には,撮影断面を特定するために3個の球状の物体A,B,Cが配置されている。この球状物体には水や脂肪の共鳴周波数と異なる共鳴周波数f1の物質(例えば,クレアチンやコリン,又は,標準物質であるテトラメチルシアンなどのいずれか)が満たされている。また,物体A,B,Cにおける物質の濃度比はCA:CB:CC=1:2:4となっている。
【0026】
図5は本発明の第1の例の撮影断面指定装置を使用して撮影断面を特定するパルスシーケンスを示す図である。
【0027】
図6は図5のパルスシーケンスの実行の結果得られる球状物体の投影像を説明する図である。
【0028】
撮影断面の特定は,図5に示すパルスシーケンスを用いて図4(B)に示す球状物体からの核磁気共鳴信号を計測することにより行う。図5に示すパルスシーケンスでは,まず,周波数f1でRFパルス301を照射し,球状物体を励起し,x方向のリードアウト傾斜磁場302によってエコー303を計測する。この時,検査対象内に存在する共鳴周波数がf1の物質も励起されるが,検査対象内には含有量が極めて少ないためエコーには影響しない。エコー303をフーリエ変換すると図6(A)に示すような球状物体のx軸上への投影像が得られる。この投影像の強度は物質濃度に比例する。
【0029】
次に,周波数f1でRFパルス304を照射して球状物体を励起し,y方向のリードアウト傾斜磁場305によってエコー306を計測する。この時,検査対象内に存在する共鳴周波数がf1の物体も励起されるが,検査対象内には含有量が極めて少ないためエコーには影響しない。エコー306をフーリエ変換すると図6(B)に示すような球状物体のy軸上への投影像が得られる。この投影像の強度は物質濃度に比例する。
【0030】
次に,周波数f1でRFパルス307を照射して球状物体を励起し,z方向のリードアウト傾斜磁場308によってエコー309を計測する。この時,検査対象内に存在する共鳴周波数がf1の物体も励起されるが,検査対象内には含有量が極めて少ないためエコーには影響しない。エコー309をフーリエ変換すると図6(C)に示すような球状物体のz軸上への投影像が得られる。この投影像の強度は物質濃度に比例する。
【0031】
3個の球状物体の物質濃度がそれぞれ異なっているため,図6に示す投影像の強度から球状物体A,B,Cを区別することが可能であり,それぞれの球状物体の座標を投影像から直接求めることができる。例えば,図6(A)の場合,物体A,B,Cの中心のx座標がそれぞれxa,xb,xcであることが分かる。また,物体A,B,Cにおける物質の濃度CA,CB,CCが,どの2個の和も他の1個の濃度と等しくないため,図6(C)に示すように投影像にピーク位置が2個しか現われない場合にも強度の比が3:4であることから,左側のピークは物体Aと物体Bが重なった結果であることが分かる。即ち,za=zbであることが分かる。なお,座標系は任意であり,例えば,x,y,z軸は,図3に示すx,y,zの向き,原点はベッド上面の中心位置としてよい。
【0032】
以上のようにして,球状物体A,B,Bの中心座標がPA(xa,ya,za),PB(xb,yb,zb),PC(xc,yc,zc)として求められれば,この3点(PA,PB,PC)を通る平面ABCが決まる。この平面ABCを撮影断面として撮影が実行される。
【0033】
計算機は,平面ABCの法線ベクトルn=(nx,ny,nz)を計算してシーケンサに送る。平面ABCの法線ベクトルnは,ベクトルAB(xb−xa,yb−ya,zb−za)=(xab,yab,zab)とベクトルAC(xc−xa,yc−ya,zc−za)=(xac,yac,zac)に垂直なベクトル(yab×zac−zab×yac,zab×xac−xab×zac,xab×yac−yab×xac)=(nx,ny,nz)として求められる。シーケンサは高周波磁場パルスを印加して磁化を励起する際に,傾斜磁場Gx,Gy,Gzの強度比がGx:Gy:Gz=nx:ny:nzとなるように傾斜磁場Gx,Gy,Gzを印加して指定された撮影断面内の磁化を励起して撮影を実行する。撮影法,撮影断面の視野(図4に示す斜線部内の所定の領域)の大きさ,スライス厚などの撮影パラメータは予め計算機又はシーケンサに対して与えておく。
【0034】
投影像の領域と空間分解能は,撮影断面を特定する精度に影響する。実用的な精度を実現するには,例えば,投影像の領域を50cm,エコー計測時のサンプリング点数を512とすればよい。この場合,投影像の空間分解能はおよそ1mm(=50cm/512)となり,物体A,B,Cの位置検出もおよそ1mmの精度が得られる。
【0035】
図7は本発明の第1の実施例の検査装置で使用される撮影断面指定装置114の第2の例を説明する側面図,平面図,及び,図5のパルスシーケンスの実行の結果得られる球状物体の投影像を説明する図である。図7(A),図7(B)に示すように,撮影断面指定装置の内部構造の他の例として,第1の例の撮影断面指定装置114における3個の球状物体A,B,Cに代えて,撮影断面200に対して垂直な方向に並べられた2個の球状物体D,Eを用いても撮影断面の特定が可能である。球状物体D,Eには水や脂肪の共鳴周波数と異なる共鳴周波数f1の物質(例えば,クレアチンやコリン,又は,標準物質であるテトラメチルシアンなどのいずれか)が満たされている。物体D,Eにおける物質のの濃度CD,CEは等しくなくする(例えば,1:2とする)。
【0036】
この場合にも,撮影断面の特定は図5に示すパルスシーケンスを用いて球状物体DとEのx,y,z軸への投影像(例えば,図7(C),図7(D),図7(E))を取得し,球状物体DとEの投影像のピーク位置の座標を求めることにより行う。例えば,図7(C),図7(D)に示すように2個のピークが得られている場合には強度の違いから球状物体D,Eの中心座標を求めることができる。また,図7(E)に示すように像が1個の場合には両者の座標が等しいことを示す。
【0037】
以上のようにして,球状物体D,Eの中心座標がPD(xd,yd,zd),PE(xe,ye,ze)として求められれば,点((xd−xe)/2,(yd−ye)/2,(zd−ze)/2)を通りベクトル(xd−xe,yd−ye,zd−ze)を法線ベクトルとする平面が決まり,この平面を撮影断面として撮影が実行される。
【0038】
この場合には,法線ベクトルが(nx,ny,nz)=(xd−xe,yd−ye,zd−ze)として求められているため,計算機はこの値をそのままシーケンサに送る。シーケンサは高周波磁場パルスを印加して磁化を励起する際に,傾斜磁場Gx,Gy,Gzの強度比がGx:Gy:Gz=nx:ny:nzとなるように傾斜磁場Gx,Gy,Gzを印加して指定された撮影断面内の磁化を励起して撮影を実行する。撮影法,撮影断面の視野(図4に示す斜線部内の所定の領域),スライス厚などの撮影パラメータは予め計算機又はシーケンサに対して与えておく。
【0039】
以上の第1,第2の例の撮影断面指定装置の説明では,撮影スイッチ115が押されるまでは撮影が行われない。これに対して,撮影スイッチ115が押されなくても撮影断面の特定と撮影をリアルタイムに繰り返しディスプレイ上に表示することにより,より容易な撮影断面の確認が可能になる。この場合,撮影断面指定装置が示す断面とディスプレイに表示される断層像が一致するように高速に撮影を行う必要がある。例えば,GE法を用いる場合には,TRを2ms,画素数を64×64とすれば,撮影時間は128msとなり,表示のフレームレートは約8フレーム/秒を実現できる。但し,64×64の画素数では精密な診断には不十分であるため,撮影スイッチ115が押された時には256×256程度のより高精細な断層像を撮影する。これらの撮影パラメータは,予め計算機又はシーケンサに対して与えておく。
【0040】
また,断面位置指定装置に,撮影断面の撮影を開始するための撮影スイッチ115の他に,計算機又はシーケンサに予め設定される複数の撮影パラメータの中から撮影パラメータを選択する選択ボタン115’(図示せず)を設ける構成としてもよく,この構成では,計算機又はシーケンサは,選択ボタンにより選択された撮影パラメータを用いてパルスシーケンスの制御を行ない,撮影断面の撮影を行なう。
【0041】
図8は本発明の第1の実施例の検査装置で使用される撮影断面指定装置の第3の例を説明する図である。図8に示す撮影断面指定装置405によって指定される撮影断面はCCDカメラを用いて特定される。3個のCCDカメラ401,402,403が支柱404によって保持され,ベッド116の上に置かれた検査対象103の近傍に配置されている。また,撮影断面指定装置405には3個の発光ダイオードA(406),B(407),C(408)が配列されており,各CCDカメラは発光ダイオードが視野に入るよう設置されている。第1,第2の撮影断面指定装置では,核磁気共鳴信号を用いて撮影断面の特定を行っていたのに対し,第3の例の撮影断面指定装置では,発光ダイオードとCCDカメラによって撮影断面の特定を行う。
【0042】
図9は本発明の第1の実施例の検査装置で使用される第3の例の撮影断面指定装置405の斜視図である。図9(A)に示すように,撮影断面指定装置405の上部には,発光部が同一平面上にある3個の発光ダイオードA(406),B(407),C(408)が内蔵されており,その周囲の筐体409は透明になっている。発光ダイオードはそれぞれ異なる周期で点滅している。また,撮影断面指定装置は2個の撮影スイッチ411,412を備えており,撮影スイッチ411が押された場合はプロトン密度像撮影の指示,撮影スイッチ412が押された場合はT2強調像撮影の指示が,ケーブル410を通して計算機109に伝えられる。プロトン密度像やT2強調像を撮影するための撮影パラメータは予めシーケンサ104にセットされている。この他,撮影断面の直感的な把握を容易にするために上記の同一平面ABCに一致するように補助板413を備えている。検査者は図9(B)に示すように撮影断面指定装置405を手に持って撮影断面指定の操作を行う。
【0043】
撮影スイッチが押されることにより,以下の一連の処理が開始される。まず,3個のCCDカメラによって撮像された発光ダイオードの画像は計算機に転送される。計算機は,発光ダイオードの点滅周期が異なることから各発光ダイオード輝点を区別し,それぞれの画像内での発光ダイオードの発光部の中心座標が算出される。そして算出された座標をもとに最尤推定法により各発光ダイオードの発光部の中心の3次元座標が計算される。計算された3点の3次元座標から,3点の座標を含む発光ダイオードA(406),B(407),C(408)の発光部の各中心を通る平面ABCが決定され,平面ABCを撮影断面として撮影が実行される。
【0044】
図10は本発明の第1の実施例の検査装置で使用される撮影断面指定装置の第4の例を説明する図である。第3の例の撮影断面指定装置405の発光ダイオードA(406),B(407),C(408)に代えて,図10に示すように,2個の発光ダイオードD(414),E(415)を備えた場合でも平面を特定することが可能である。図10は,撮影断面指定装置405を上から見た図であり,補助板413に垂直な方向に2個の発光ダイオードD,Eが配置されている。この場合も,3個の発光ダイオードを備えた第3の例の撮影断面指定装置を使用する場合と同様に,発光ダイオードD,Eのそれぞれの発光部の中心の3次元座標D(xd,yd,zd),E(xe,ye,ze)を計算し,点((xd−xe)/2,(yd−ye)/2,(zd−ze)/2)を通りベクトル(xd−xe,yd−ye,zd−ze)を法線ベクトルとする平面を撮影断面として撮影が実行される。
【0045】
第1,第2,第3,及び,第4の例の撮影断面指定装置は,検査対象の近傍,即ち,静磁場空間内で用いられるため,その材質は必ず非磁性でなければならない。ブラウン管ディスプレイは磁場の影響で表示がひずんでしまうため,検査者の近傍に配置されるディスプレイ110は,例えば,磁場の影響をほとんど受けない液晶ディスプレイなどが望ましい。
【0046】
図11は本発明の第2の実施例の核磁気共鳴を用いた検査装置を用いた検査の様子を示す斜視図である。第2の実施例の核磁気共鳴を用いた検査装置では,第1,第2,第3,及び,第4の例の何れかの撮影断面指定装置が使用できる。図11に示す検査装置では,図3の検査装置におけるマグネット101の上半分がなくなり,検査対象103に対する解放性が大幅に向上している。検査対象103はマグネット101の上部空間に発生する静磁場空間内に設置されたベッド116の上に置かれ,検査者125は撮影断面指定装置114を手に持って診断したい部位を直接指示している。撮影された断層像は,ベッド116の近傍の位置に置かれたディスプレイ110に表示され,検査者が容易に観察可能である。図11に示すマグネット101から構成された検査装置を用いた場合,検査対象の上面に障害物が全くないため,本発明の撮影断面指定装置を用いて撮影断面を指定する際の操作性が格段に向上する。
【0047】
次に,撮影断面の位置を検査対象の表面に表示するための構成について説明する。第1の構成では,第1,第2,第3,及び,第4の例の何れかの撮影断面指定装置の構成に加えて,平面レーザー光を照射する光源を含む撮影断面指定装置を使用する。
【0048】
図12は本発明の第1,第2の実施例の検査装置で使用される撮影断面指定装置の第5の例を説明する斜視図である。図12に示すように,第5の例の撮影断面指定装置114の先端部の内部には,扇状の平面レーザー光210を照射する光源が内蔵されている。扇状のレーザー光210による平面は,撮影断面指定装置114によって指定される平面200と一致している。レーザー光照射のオン・オフはスイッチ118によって切り替えることができる。スイッチ118をオンにしてレーザー光を照射することにより,検査対象103(図12,図4と同じように,検査対象103を模式的に円柱として示す。)の表面と撮影面200の交線216が表示され,検査者は撮影断面の位置を容易に把握できる。
【0049】
撮影断面の位置を検査対象の表面に表示するための第2の構成では,第1,第2,第3,及び,第4の例の何れかの撮影断面指定装置を使用して,ベッドサイドに取り付けられたガイドレールに設置されているレーザー光源からの平面レーザー光を検査対象に照射して,検査対象の表面に撮影面を表示する。
【0050】
図13は本発明の第2の実施例の検査装置で使用され,撮影断面の位置を検査対象の表面に表示するための構成例を説明する斜視図,図14は図13において平面レーザー光を照射する方向を変化させる構成例を示す斜視図である。図13,図14に示すように,撮影面を表示するための扇状の平面レーザー光210を照射するレーザー光源211はベッドサイドに取り付けられたガイドレール212に設置されている。ガイドレール上の継ぎ手213の位置,継ぎ手214の角度,支柱215,及び,光源211の角度は,図示していない小型の駆動装置によって任意に変化させることができる。この駆動装置は,照射されるレーザー光の平面と撮影面が一致するよう計算機109,又は,シーケンサ104によって制御される。図14は図13に示す例では,撮影断面指定装置にレーザー光源が内蔵されている場合と比較して,より広範囲に平面レーザー光を照射できるため,検査者がより容易に撮影断面位置を把握することが可能になる。
【0051】
第1,第2,第3,第4,及び,第5の例の何れかの撮影断面指定装置にプローブを内蔵させることができる。
【0052】
図15は本発明の第1,第2の実施例の検査装置で使用される撮影断面指定装置の第6の例を説明する平面図,正面図である。図15では,第1の例の撮影断面指定装置を例にとり説明する。図15に示すように,図4に示す撮影断面指定装置114の構成に,更に,ループ型のプローブ213が内蔵されており,プローブ213はケーブル232によって図15には図示されていない受信器108に接続されている。
【0053】
撮影断面の特定は,第1の例の撮影断面指定装置と同じように,図5に示すパルスシーケンスを用いて球状物体からの核磁気共鳴信号を計測することにより行う。図5に示すパルスシーケンスでは,まず,周波数f1でRFパルス301を照射し,球状物体を励起し,x方向のリードアウト傾斜磁場302によってエコー303を計測する。RFパルスの照射は撮影断面指定装置114の外にあるプローブ107によって行われるが,エコーの計測は,撮影断面指定装置114に内蔵されたプローブ231によって行われる。シーケンサは,先に説明と同じようにして,高周波磁場パルスを印加して磁化を励起する際に,傾斜磁場Gx,Gy,Gzの強度比がGx:Gy:Gz=nx:ny:nzとなるように傾斜磁場Gx,Gy,Gzを印加して,指定された撮影断面内の磁化を励起して撮影を実行する。
【0054】
第6の例の撮影断面指定装置を使用する,核磁気共鳴を用いた検査装置では,RFパルスの照射は撮影断面指定装置114の外にあるプローブ107によって行われるが,エコーの計測は,撮影断面指定装置114に内蔵されたプローブ231によって行われる。このため,受信用プローブは常に撮影断面の近傍に位置する。一般にプローブの感度は距離が短いほど大きくなる。従って,より高いSN比での信号取得が可能になる。
【0055】
なお,第1,第2,第3,第4,第5,及び,第6の例の何れかの撮影断面指定装置において,赤外線を利用して信号を送信することにより,操作性を向上させることが可能である。
【0056】
図16は本発明の第1,第2の実施例の検査装置で使用される撮影断面指定装置において赤外線を利用して信号を送信する構成例を説明する斜視図である。図16に示す例では,第1,第2,第5,及び,第6の例の何れかの撮影断面指定装置114の構成において,ケーブル117に代えて赤外線発光部220をもたせる構成とする。第3又は第4の例の撮影断面指定装置405の構成では,ケーブル410に代えて赤外線発光部をもたせ,赤外線を利用して撮影スイッチ411,412の信号を送信する。更に,何れの構成においても,検査装置が設置された部屋の天井又は壁には,計算機109に接続された赤外線受光部221が取り付けられている。撮影スイッチ115,411,412の信号,撮影パラメータを選択する選択ボタン115’の信号は,赤外線発光部220から発信され,赤外線受光部221で受信され,計算機109に伝達される。計算機109に伝達された信号に基づいて,撮影指示が計算機からシーケンサ104に伝達され,撮影断面の特定と撮影が実行される。これにより,ケーブル取回しの不便さから開放されるため,操作性が向上する。
【0057】
【発明の効果】
以上,詳細に説明したように,本発明によれば,超音波診断装置における超音波探触子の操作と同様にして,検査者が検査対象を見ながら撮影断面を直接指定でき,必要な診断を容易,迅速にできるという顕著な効果が達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来技術のGE法のパルスシーケンスを示す図。
【図2】本発明の第1の実施例の検査装置の概略構成を示すブロック図。
【図3】本発明の第1の実施例の検査装置を用いた検査の様子を示す斜視図。
【図4】本発明の第1の実施例の検査装置で使用される撮影断面指定装置の第1の例を説明する斜視図,平面図。
【図5】本発明の第1の例の撮影断面指定装置を使用して撮影断面を特定するパルスシーケンスを示す図。
【図6】図5のパルスシーケンスの実行の結果得られる球状物体の投影像を説明する図。
【図7】本発明の第1の実施例の検査装置で使用される撮影断面指定装置の第2の例を説明する側面図,平面図,及び,図5のパルスシーケンスの実行の結果得られる球状物体の投影像を説明する図。
【図8】本発明の第1の実施例の検査装置で使用される撮影断面指定装置の第3の例を説明する図。
【図9】本発明の第1の実施例の検査装置で使用される第3の例の撮影断面指定装置の斜視図。
【図10】本発明の第1の実施例の検査装置で使用される撮影断面指定装置の第4の例を説明する図。
【図11】本発明の第2の実施例の検査装置を用いた検査の様子を示す斜視図。
【図12】本発明の第1,第2の実施例の検査装置で使用される撮影断面指定装置の第5の例を説明する斜視図。
【図13】本発明の第2の実施例の検査装置で使用され,撮影断面の位置を検査対象の表面に表示するための構成例を説明する斜視図。
【図14】図13において平面レーザー光を照射する方向を変化させる構成例を示す斜視図。
【図15】本発明の第1,第2の実施例の検査装置で使用される撮影断面指定装置の第6の例を説明する平面図,正面図。
【図16】本発明の第1,第2の実施例の検査装置で使用される撮影断面指定装置において赤外線を利用して信号を送信する構成例を説明する斜視図。
【符号の説明】
101…静磁場発生マグネット,102…傾斜磁場発生コイル,103…検査対象,104…シーケンサ,105…傾斜磁場電源,106…高周波磁場発生器,107…プローブ,108…受信器,109…計算機,110…ディスプレイ,111…記憶媒体,112…シムコイル,113…シム電源,114…撮影断面指定装置,115…撮影スイッチ,116…ベッド,117…ケーブル,118…スイッチ,125…検査者,200…撮影断面,201…スライス傾斜磁場パルス,202…磁化励起用高周波磁場パルス,203…位相エンコード傾斜磁場パルス,206,207…リードアウト傾斜磁場パルス,208…エコー,209…k空間,210…扇状の平面レーザー光,211…レーザー光源,212…ガイドレール,213,214…継ぎ手,215…支柱,216…検査対象の表面と撮影面の交線,220…赤外線発光部,221…赤外線受光部,231…プローブ,232…ケーブル,301,304,307…RFパルス,302,305,308…リードアウト傾斜磁場パルス,303,306,309…エコー,401,402,403…CCDカメラ,404…支柱,405…撮影断面指定装置,406,407,408…発光ダイオード,409…筐体,410…ケーブル,411,412…撮影スイッチ,413…補助板,414,415…発光ダイオード。
Claims (15)
- 静磁場を発生する静磁場発生手段と,
互いに直交する第1,第2,及び第3方向の傾斜磁場を発生する傾斜磁場発生手段と,
高周波磁場を発生する高周波磁場発生手段と,
検査対象から発生する核磁気共鳴信号を検出する信号検出手段と,
検出された前記核磁気共鳴信号の演算処理を行なう演算処理手段と,
前記検査対象の撮影断面を含む面を指定する断面位置指定装置と,
前記傾斜磁場発生手段と前記高周波磁場発生手段と前記信号検出手段と前記演算処理手段を制御し,前記撮影断面の撮影のためのパルスシーケンスを制御する制御装置とを有し,
前記断面位置指定装置は,2個又は3個の基準点に配置される基準物体を具備し,前記静磁場及び前記傾斜磁場が発生された空間内に置かれた前記検査対象の近傍で,検査者が手に持って移動操作が可能であり,
前記基準物体は、水及び脂肪と異なる共鳴周波数の物質を含有し、
前記演算処理手段は,前記制御装置による、前記高周波磁場の印加に続く第1方向の傾斜磁場の印加、前記高周波磁場の印加に続く第2の方向の傾斜磁場の印加、前記高周波磁場の印加に続く第3の方向の傾斜磁場の印加を行うことの制御により前記信号検出手段によって検出された信号から得られる、第1、第2、第3の方向の投影像を用いて、2個の前記基準点に配置される前記基準物体の中心位置、又は、3個の前記基準点に配置される前記基準物体の中心位置を求め、2個の前記基準点に配置される前記基準物体の中点を通り2個の前記基準物体を結ぶベクトルを法線ベクトルとする平面を,又は,3個の前記基準点に配置される前記基準物体を通る平面を,基準とする空間座標で求める演算処理を行ない,
前記制御装置は,前記平面内で所定の領域が前記撮影断面となるように,前記傾斜磁場発生手段の制御を行なうことを特徴とする核磁気共鳴を用いた検査装置。 - 請求項1に記載の核磁気共鳴を用いた検査装置に於いて,2個又は3個の前記基準点に配置される前記基準物体に含有される前記物質の濃度は互いに異なることを特徴とする核磁気共鳴を用いた検査装置。
- 請求項1に記載の核磁気共鳴を用いた検査装置に於いて,3つの前記基準点に配置される前記基準物体のうちの2つの前記基準物体に含有される前記物質の濃度の和は,他の前記基準物体に含有される前記物質の濃度と異なることを特徴とする核磁気共鳴を用いた検査装置。
- 請求項1に記載の核磁気共鳴を用いた検査装置に於いて,前記断面位置指定装置は,前記撮影断面の撮影を開始するための撮影スイッチを有することを特徴とする核磁気共鳴を用いた検査装置。
- 請求項4に記載の核磁気共鳴を用いた検査装置に於いて,前記演算処理手段に接続される赤外線受光手段を具備し,前記撮影断面指定装置は赤外線発光手段を有し,前記撮影スイッチの信号は前記赤外線発光手段および前記赤外線受光手段を通して前記演算処理手段に伝達されることを特徴とする核磁気共鳴を用いた検査装置。
- 請求項1に記載の核磁気共鳴を用いた検査装置に於いて,前記断面位置指定装置は,前記撮影断面の撮影を開始するための撮影スイッチと,前記制御装置に予め設定される撮影パラメータの中から前記撮影パラメータを選択する選択ボタンとを有し,前記制御装置は,前記選択ボタンにより選択される前記撮影パラメータを用いて前記パルスシーケンスの制御を行ない,前記撮影断面の撮影を行なうことを特徴とする核磁気共鳴を用いた検査装置。
- 請求項6に記載の核磁気共鳴を用いた検査装置に於いて,前記演算処理手段に接続される赤外線受光手段を具備し,前記撮影断面指定装置は赤外線発光手段を有し,前記撮影パラメータ選択ボタン及び前記撮影スイッチの信号は前記赤外線発光手段および前記赤外線受光手段を通して前記演算処理手段に伝達されることを特徴とする核磁気共鳴を用いた検査装置。
- 請求項1に記載の核磁気共鳴を用いた検査装置に於いて,電磁シールドルーム内に配置される第1の表示手段と,前記電磁シールドルーム外に配置される第2の表示手段とを有し,前記撮影断面の撮影像が前記第1及び第2の表示手段に同時に表示されることを特徴とする核磁気共鳴を用いた検査装置。
- 請求項1に記載の核磁気共鳴を用いた検査装置に於いて,前記断面位置指定装置を前記検査対象に接触させた状態で前記撮影断面を含む面を指定することを特徴とする核磁気共鳴を用いた検査装置。
- 請求項1に記載の核磁気共鳴を用いた検査装置に於いて,前記断面位置指定装置を前記検査対象に接触させない状態で前記撮影断面を含む面を指定することを特徴とする核磁気共鳴を用いた検査装置。
- 請求項1に記載の核磁気共鳴を用いた検査装置に於いて,表示手段を有し,前記断面位置指定装置は,前記撮影断面の撮影を開始するための撮影スイッチを具備し,前記撮影スイッチが押されていない時に,前記撮影断面の撮影像が前記表示手段に表示され,前記撮影スイッチが押された時に,前記撮影スイッチが押されていない時に前記表示手段に表示される前記撮影像の空間分解能よりも高い空間分解能を持つ前記撮影像が前記表示手段に表示されることを特徴とする核磁気共鳴を用いた検査装置。
- 請求項11に記載の核磁気共鳴を用いた検査装置に於いて,前記演算処理手段に接続される赤外線受光手段を具備し,前記撮影断面指定装置は赤外線発光手段を有し,前記撮影スイッチの信号は前記赤外線発光手段および前記赤外線受光手段を通して前記演算処理手段に伝達されることを特徴とする核磁気共鳴を用いた検査装置。
- 請求項1に記載の核磁気共鳴を用いた検査装置に於いて,前記断面位置指定装置は,扇状の光の前記検査対象への照射のオンオフを制御する制御スイッチを具備し,前記扇状の光を前記検査対象の表面に照射することにより,前記撮影断面の位置を前記光により前記検査対象の表面に表示することを特徴とする核磁気共鳴を用いた検査装置。
- 請求項1に記載の核磁気共鳴を用いた検査装置に於いて,前記検査対象へ照射する扇状の光を発生する光源と,前記扇状の光の照射の方向を制御する方向制御装置とを具備し,前記制御装置は,前記撮影断面に前記扇状の光を照射するように前記方向制御装置を制御し,前記撮影断面の位置を前記光により前記検査対象の表面に表示することを特徴とする核磁気共鳴を用いた検査装置。
- 請求項1に記載の核磁気共鳴を用いた検査装置に於いて,前記断面位置指定装置は,プローブを具備することを特徴とする核磁気共鳴を用いた検査装置。
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