JP3300895B2 - 磁気共鳴イメージング装置及びそのテーブル制御方法 - Google Patents

磁気共鳴イメージング装置及びそのテーブル制御方法

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JP3300895B2
JP3300895B2 JP20454991A JP20454991A JP3300895B2 JP 3300895 B2 JP3300895 B2 JP 3300895B2 JP 20454991 A JP20454991 A JP 20454991A JP 20454991 A JP20454991 A JP 20454991A JP 3300895 B2 JP3300895 B2 JP 3300895B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、核磁気共鳴(以下「N
MR」と略記する)現象を利用して被検体の所望部位の
断層像を得る磁気共鳴イメージング装置及びそのテーブ
ル制御方法に関し、特にテーブルに載置された被検体の
特定方向の中心線を自動的に静磁場均一空間の中心位置
に合致させることができる磁気共鳴イメージング装置
びそのテーブル制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気共鳴イメージング装置は、NMR現
象を利用して被検体中の所望の検査部位における原子核
スピンの密度分布、緩和時間分布等を計測して、その計
測データから被検体の任意断面を画像表示するものであ
る。この場合、永久磁石などの静磁場発生手段の内部に
形成される静磁場均一空間の中心位置に、被検体の検査
部位の中心線を合致させて信号計測を行うようにする。
【0003】しかし、磁気共鳴イメージング装置におい
ては、静磁場均一空間は有限の範囲に限られているの
で、被検体の検査部位について断層像を撮像する際に、
その検査部位が上記静磁場均一空間の中心部に位置しな
いで端部に位置する場合があり、このときは静磁場の歪
による断層像の歪等が生じ、良好な診断画像が得られな
いことがあった。そこで、被検体について撮像する際に
は、操作者は該被検体の所望部位について1度撮像を行
い、その結果被検体の検査部位が静磁場均一空間の中心
位置からずれている場合は、被検体の位置を適宜移動さ
せて上記静磁場均一空間の中心位置に合致させ、再度撮
像し直さなければならなかった。
【0004】また、検査部位について断層像を撮像する
前に所望の断面の位置を決定するための画像を撮像し、
これを用いて断面の位置決めを行う場合を考える。例え
ば、頭部を検査部位として図8の(a)に示すような頭
部の軸横断面像を撮像する場合は、予め同図(b)に示
す頭部の矢状断像を撮像し、この画像上で上記目的とす
る画像の位置設定を行う。このとき、上記の矢状断像が
図8(b)に示すように正中面で撮像されていれば、表
示された脳幹部等の位置を参考にして、直線Lで示すよ
うに目的とする軸横断面像の撮像位置を正しく設定する
ことができる。
【0005】ところが、位置決め用の画像が図9(a)
に示すように正中面からずれた位置で撮像された場合
は、脳幹部等の位置がはっきりわからず、軸横断面像の
撮像位置を正しく設定するのは困難である。そこで、従
来は、目的とする軸横断面像の位置を正しく設定するた
めに、まず、図9(b)に示すような冠状断像を撮像
し、この画像上で被検体頭部の左右方向の中心線Cを求
め、この中心線Cに沿って矢状断像を撮像することによ
り、図8(b)に示すような位置決め用の画像を得てい
た。そして、上述のように脳幹部等の位置を参考にし
て、直線Lで示すように軸横断面像の撮像位置を設定し
ていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような従
来の被検体位置決めにおいては、被検体の検査部位に
ついて目的の断層像を撮像する前に、1回撮像を行い、
被検体が静磁場均一空間の中心からずれている場合に
は、被検体を上記静磁場均一空間の中心に再設定した後
に、画像を撮像し直さなければならなかった。また、上
記位置決め用の画像が被検体の位置決めを行うのに適切
でない場合は、その位置決め用の適切な画像を撮像する
ために、例えば図9(b)に示すような位置決め用の補
助画像を撮像しなければならなかった。従って、磁気共
鳴イメージング装置の操作者は、被検体の位置決め用の
画像及び必要に応じてその補助画像を撮像し、これらの
画像を見て被検体の位置決め或いは断層面の位置決めを
行わなければならず、操作が面倒であると共に時間がか
かるものであった。また、その分だけ被検体に対する拘
束時間も長くなるものであった。
【0007】そこで、本発明は、このような問題点に対
処し、テーブルに載置された被検体の特定方向の中心線
を自動的に静磁場均一空間の中心位置に合致させること
ができる磁気共鳴イメージング装置及びそのテーブル制
御方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明による磁気共鳴イメージング装置は、被検体
に静磁場を与える静磁場発生手段と、該被検体に傾斜磁
場を与える傾斜磁場発生手段と、上記被検体の生体組織
を構成する原子の原子核に磁気共鳴を生じさせるための
高周波信号を照射する送信系と、上記の磁気共鳴により
放出される信号を検出する受信系と、この受信系で検出
した信号を用いて画像再構成演算を行う信号処理系と、
被検体を載置して3軸方向に移動可能とされたテーブル
と、このテーブルを3軸方向に移動させる駆動部と、上
記傾斜磁場、高周波信号を所定のシーケンスに従って印
加させると共に上記各手段の動作を制御する制御手段と
を備えて成る磁気共鳴イメージング装置において、上記
制御手段は、上記テーブルに載置された被検体の直交す
る3方向のうちの1又は2方向の信号強度のプロファイ
ルを求め、この求めたプロファイルに基づいて上記駆動
部を制御してテーブルを移動させるものである。
【0009】また、上記受信系は、上記テーブルに載置
された被検体の体軸方向及び体軸に 直交する2方向のう
ちの1又は2方向の信号検出を行い、上記制御手段は、
上記得られた信号を用いて上記被検体の当該方向に沿う
信号強度のプロファイルを求め、この求めたプロファイ
ルから被検体の当該方向の中心線を決め、この被検体の
中心線を静磁場均一空間の中心位置に合致させるように
上記駆動部を制御するものである
【0010】さらに、上記制御手段は、上記被検体の当
該方向の中心線として、該被検体のその方向に沿う信号
強度のプロファイルにおける所定領域内の中央の周波数
の位置を用いて制御するものである
【0011】さらにまた、上記制御手段は、上記被検体
の当該方向の中心線として、該被検体のその方向に沿う
信号強度のプロファイルにおける所定領域内の最大信号
強度値を示す周波数の位置を用いて制御するものであ
る。
【0012】また、本発明による磁気共鳴イメージング
装置のテーブル制御方法は、磁気共鳴イメージング装置
の被検体テーブルを移動制御するテーブル制御方法にお
いて、上記テーブルに載置された被検体の直交する3方
向のうちの1又は2方向について得られた磁気共鳴信号
を演算して求められた信号強度のプロファイルに基づい
てテーブルを移動させるステップを行うものである。
【0013】
【作用】このように構成された磁気共鳴イメージング装
置は、制御手段により、テーブルに載置された被検体の
直交する3方向(X,Y,Z方向)のうちの1又は2方
向(X方向又はX,Z方向)の信号強度のプロファイル
を求め、この求めたプロファイルに基づいて駆動部を制
御して該テーブルを移動させる。このテーブルの移動に
より、該テーブルに載置された被検体の中心線を自動的
に静磁場均一空間の中心位置に合致させることができ
【0014】また、磁気共鳴イメージング装置のテーブ
ル制御方法は、被検体の所望の検査部位について目的の
断層像を撮像する前に、テーブルに載置された被検体の
直交する3方向(X,Y,Z方向)のうちの1又は2方
向(X方向又はX,Z方向)について得られた磁気共鳴
信号を演算して求められた信号強度のプロファイルに基
づいてテーブルを移動させることにより、該テーブルに
載置された被検体の中心線を自動的に静磁場均一空間の
中心位置に合致させることができる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて
詳細に説明する。図1は本発明による磁気共鳴イメージ
ング装置の実施例を示すブロック図である。この磁気共
鳴イメージング装置は、核磁気共鳴(NMR)現象を利
用して被検体の断層像を得るもので、図1に示すよう
に、静磁場発生磁石2と、磁場勾配発生系3と、送信系
4と、受信系5と、信号処理系6と、シーケンサ7と、
中央処理装置(CPU)8と、テーブル21と、駆動部
22とを備えて成る。
【0016】上記静磁場発生磁石2は、被検体1の周り
にその体軸方向または体軸と直交する方向に均一な静磁
場を発生させるもので、上記被検体1の周りのある広が
りをもった空間に永久磁石方式又は常電導方式あるいは
超電導方式の磁場発生手段が配置されている。磁場勾配
発生系3は、X,Y,Zの3軸方向に巻かれた傾斜磁場
コイル9と、それぞれのコイルを駆動する傾斜磁場電源
10とから成り、後述のシーケンサ7からの命令に従っ
てそれぞれのコイルの傾斜磁場電源10を駆動すること
により、X,Y,Zの3軸方向の傾斜磁場Gx,Gy,G
zを被検体1に印加するようになっている。この傾斜磁
場の加え方により、被検体1に対するスライス面を設定
することができる。
【0017】送信系4は、後述のシーケンサ7から送出
される高周波磁場パルスにより被検体1の生体組織を構
成する原子の原子核に磁気共鳴を起こさせるために高周
波信号を照射するもので、高周波発振器11と変調器1
2と高周波増幅器13と送信側の高周波コイル14aと
から成り、上記高周波発振器11から出力された高周波
パルスをシーケンサ7の命令に従って変調器12で振幅
変調し、この振幅変調された高周波パルスを高周波増幅
器13で増幅した後に被検体1に近接して配置された高
周波コイル14aに供給することにより、電磁波が上記
被検体1に照射されるようになっている。
【0018】受信系5は、被検体1の生体組織の原子核
の磁気共鳴により放出されるエコー信号(NMR信号)
を検出するもので、受信側の高周波コイル14bと増幅
器15と直交位相検波器16とA/D変換器17とから
成り、上記送信側の高周波コイル14aから照射された
電磁波による被検体1の応答の電磁波(NMR信号)は
被検体1に近接して配置された高周波コイル14bで検
出され、増幅器15及び直交位相検波器16を介してA
/D変換器17に入力してディジタル量に変換され、さ
らにシーケンサ7からの命令によるタイミングで直交位
相検波器16によりサンプリングされた二系列の収集デ
ータとされ、その信号が信号処理系6に送られるように
なっている。
【0019】この信号処理系6は、CPU8と、磁気デ
ィスク18及び磁気テープ19等の記録装置と、CRT
等のディスプレイ20とから成り、上記CPU8でフー
リエ変換、補正係数計算、画像再構成等の処理を行い、
任意断面の信号強度分布あるいは複数の信号に適当な演
算を行って得られた分布を画像化してディスプレイ20
に断層像として表示するようになっている。
【0020】シーケンサ7は、上記被検体1の生体組織
を構成する原子の原子核に磁気共鳴を起こさせる高周波
磁場パルスをある所定のパルスシーケンスで繰り返し印
加する制御手段となるもので、CPU8の制御で動作
し、被検体1の断層像のデータ収集に必要な種々の命令
を送信系4及び磁場勾配発生系3並びに受信系5に送る
ようになっている。
【0021】また、テーブル21は、上記被検体1をそ
の上面に載置するもので、互いに直交するX,Y,Zの
3軸方向に移動可能とされている。さらに、駆動部22
は、上記テーブル21をX,Y,Zの3軸方向に移動さ
せる動力源となるもので、前記CPU8からの命令によ
りX,Y,Zの各方向への移動の駆動力を発生するよう
になっている。
【0022】なお、上記テーブル21及び駆動部22の
具体的な構造の一例は、図2に示すようになっている。
このテーブル21は、床面に固定されたベース23と、
このベース23上で上下方向(Z方向)に移動する上下
動部24と、この上下動部24の上面に取り付けられテ
ーブル21の長手方向に沿って前後方向(Y方向)に移
動する前後動部25と、この前後動部25の上面に取り
付けられテーブル21の長手方向に直交する方向に沿っ
て左右方向(X方向)に移動する左右動部26とから成
る。また、上記ベース23には、上下動部24をCPU
8の命令により上下方向に移動させるための上下動駆動
源27が設けられ、上記上下動部24には、それぞれC
PU8の命令により、前後動部25を前後方向に移動さ
せるための前後動駆動源28及び左右動部26を左右方
向に移動させるための左右動駆動源29が設けられてい
る。そして、上記の上下動駆動源27と前後動駆動源2
8と左右動駆動源29とで駆動部22を構成している。
さらに、上記各方向の駆動源27,28,29の近傍に
は、テーブル21のX,Y,Z方向の位置を検出するロ
ータリエンコーダ等から成る位置センサ(図示省略)が
設けられており、前記CPU8に対して位置信号を送出
するようになっている。このような状態で、上記テーブ
ル21の上面に載置された被検体1は、上記左右動部2
6と一緒に、上下、前後、左右の3軸方向に沿って位置
が調整される。
【0023】ここで、上記のように構成された磁気共鳴
イメージング装置において、被検体1を載置するテーブ
ル21を移動制御するには、CPU8により、上記テー
ブル21に載置された被検体1の直交する3方向(X,
Y,Z方向)のうちの1又は2方向(X方向又はX,Z
方向)の信号強度のプロファイルを求め、この求めたプ
ロファイルに基づいて前記駆動部22を制御してテーブ
ル21を移動させる。また、前記受信系5により、上記
テーブル21に載置された被検体1の体軸方向(Y方
向)及び体軸に直交する2方向のうちの1又は2方向
(X方向又はX,Z方向)の信号検出を行い、CPU8
により、上記得られた信号を用いて上記被検 体1の当該
方向に沿う信号強度のプロファイルを求め、この求めた
プロファイルから被検体1の当該方向の中心線を決め、
この被検体1の中心線を静磁場均一空間の中心位置に合
致させるように上記駆動部22を制御してもよい。
【0024】さらに、上記CPU8により、上記被検体
1の当該方向の中心線として、該被検体1のその方向に
沿う信号強度のプロファイルにおける所定領域内の中央
の周波数の位置を用いて制御してもよい。或いは、被検
体1の検査部位の断面形状が円形又は楕円形に近いもの
である場合は、上記CPU8により、上記被検体1の当
該方向の中心線として、該被検体1のその方向に沿う信
号強度のプロファイルにおける所定領域内の最大信号強
度値を示す周波数の位置を用いて制御してもよい。
【0025】次に、このような磁気共鳴イメージング装
において、テーブル21を移動制御する方法の具体的
な手順について、図6に示すフローチャートを参照して
説明する。まず、図2においてテーブル21上に載置さ
れた被検体1(図示省略)について、該被検体1の体軸
方向(前後方向)をY軸方向とし、このY軸方向と直交
する面内で水平な方向(左右方向)をX軸方向とし、上
記Y軸方向と直交する面内で垂直な方向(上下方向)を
Z軸方向とする。
【0026】このような状態で被検体1について撮像を
開始する際には、まず、操作者は、図3に示すように、
ライトマーカ30を使用して上記被検体1の所望の検査
部位31、例えば頭部にライトマークを照射して、図2
に示すテーブル21上に載置された被検体1についてY
軸方向の位置を設定する(図6のステップ)。次に、
上記テーブル21を移動させ、被検体1をY軸方向へ移
動する(ステップ)。このとき、操作者は、Y軸方向
の移動スイッチ(図示省略)を操作して図2に示す前後
動駆動源28を駆動することにより、テーブル21の前
後動部25をY軸方向へ移動させる。これにより、上記
被検体1の検査部位31を静磁場発生磁石2内にて静磁
場均一空間のY軸方向の中心位置に移動する(ステップ
)。このとき、被検体1の検査部位31が静磁場均一
空間のY軸方向の中心位置に合致すると、Y方向の位置
センサ(図示省略)からの信号によってCPU8がこれ
を認知し、上記前後動駆動源28を停止させる。
【0027】次に、上記被検体1のX軸方向の中心線を
求めるための信号検出を行う(ステップ)。この場合
は、グラジエントエコー法シーケンスを用いて信号計測
を行うものとする。このとき、図1に示すシーケンサ7
からの信号により、図4(d)に示す周波数エンコード
方向をX軸方向、同図(c)に示す位相エンコード方向
をZ軸方向、同図(b)に示すスライス選択方向をY軸
方向とし、かつ位相エンコード方向には傾斜磁場を印加
せず、さらにスライス選択方向傾斜磁場は、スライス位
置が上記被検体1の検査部位31を中心とする位置でス
ライス厚が例えば数mm〜数10mmとなるように設定する。
また、周波数エンコード方向は、撮像に使用する受信用
の高周波コイル14b内に被検体1が入る最大の領域が
信号計測領域となるように設定する。そして、信号計測
のパラメータは、被検体1のプロトン密度を強く反映し
た信号を得るために、繰返し時間を500〜1000ms程度、
エコー時間を数ms〜25ms程度とし、フリップ角度を10〜
40度程度とする。以上のような条件で、信号検出を1回
又は複数回繰り返して行う。このとき、複数回繰り返し
て信号検出した場合は、各計測で得られた信号を加算平
均する。
【0028】次に、このようにして得られた磁気共鳴信
号をCPU8によって周波数に関して1次元フーリエ変
換することにより、信号強度のプロファイルを求める
(ステップ)。これにより、図5(b)に示すような
被検体1の検査部位のスライス位置32におけるX軸方
向のプロファイルが、同図(a)に示すように得られ
る。このプロファイルから、次のようにして図5(b)
に示す被検体1のX軸方向の中心線33を求める。すな
わち、図5(a)に示すプロファイルについて予め実験
等によりノイズ信号レベルL0を求めておき、このレベ
ルよりも所定量だけ高いところにしきい値Ltを設定す
る。次に、上記のプロファイルの中で、しきい値Ltよ
りも大きい信号強度を示す最低周波数F1及び最高周波
数F2を求め、上記信号レベルのしきい値Ltより大きい
信号強度を示す領域F12の中央の周波数F3を求める
(ステップ)。そして、この中央の周波数F3を被検
体1のX軸方向の中心線33(図5(b)参照)を示す周
波数とみなす。
【0029】さらに、上記求めた中央の周波数F3と静
磁場均一空間の既知のX軸方向の中心位置における周波
数とを比較し、かつ信号計測時の周波数エンコード方向
の傾斜磁場強度から、上記求めた被検体1のX軸方向の
中心線33と、静磁場均一空間の既知のX軸方向の中心
位置とのずれを求める(ステップ)。ここで、磁気共
鳴周波数は、各プロトンが受ける磁場強度に比例するこ
とから、被検体1のX軸方向の中心線33の位置をXと
し、静磁場均一空間のX軸方向の中心位置をX′とし、
それぞれの位置X,X′における周波数を各々F(=F
3),F′とすると、被検体1のX軸方向の中心線33
と静磁場均一空間のX軸方向の中心位置とのずれは、次
式で求められる。X−X′=(F−F′)/γG …(1) ただし、γ:プロトンの磁気回転比 G:周波数エンコード方向の傾斜磁場強度
【0030】次に、テーブル21をX軸方向に適宜移動
させ、上記のずれ(X−X′)を零とする(ステップ
)。このとき、CPU8からの命令により、図2に示
す左右動駆動源29が動作して左右動部26がX方向へ
移動する。そして、上記左右動駆動源29の近傍に設け
られた位置センサ(図示省略)からの信号により、被検
体1のX軸方向の中心線33と静磁場均一空間のX軸方
向の中心位置とのずれが零になると、CPU8からの命
令により上記左右動駆動源29を停止させ、左右動部2
6がその位置で停止する。これにより、被検体1のX軸
方向の中心線33が静磁場均一空間のX軸方向の中心位
置に合致する(ステップ)。
【0031】次に、本発明の他の実施例として、テーブ
ル21をX軸方向及びZ軸方向に移動して被検体1の中
心線を静磁場均一空間の中心位置に合致させる手順につ
いて、図7に示すフローチャートを参照して説明する。
まず、テーブル21上の被検体1についてY軸方向の位
置を設定する手順(ステップA)から、該被検体1につ
いて求めたX軸方向の中心線33と静磁場均一空間のX
軸方向の中心位置とのずれを求める手順(ステップG)
までは、図6に示すステップからステップまでの手
順と全く同様に進む。
【0032】そして、上記ステップGの次に、今度は、
被検体1のZ軸方向の中心線を求めるための信号検出を
行う(ステップH)。この場合も、グラジエントエコー
法シーケンスを用いて信号計測を行うものとする。この
とき、図1に示すシーケンサ7からの信号により、図4
(d)に示す周波数エンコード方向をZ軸方向、同図
(c)に示す位相エンコード方向をX軸方向、同図
(b)に示すスライス選択方向をY軸方向とし、かつ位
相エンコード方向には傾斜磁場を印加せず、さらにスラ
イス選択方向傾斜磁場は、スライス位置が上記被検体1
の検査部位31を中心とする位置でスライス厚が例えば
数mm〜数10mmとなるように設定する。また、周波数エン
コード方向は、撮像に使用する受信用の高周波コイル1
4b内に被検体1が入る最大の領域が信号計測領域とな
るように設定する。その他の条件は、前述の図6のステ
ップと全く同様とする。以上のような条件で、信号検
出を1回又は複数回繰り返して行う。このとき、複数回
繰り返して信号検出した場合は、各計測で得られた信号
を加算平均する。
【0033】次に、このようにして得られた磁気共鳴信
号をCPU8によって周波数に関して1次元フーリエ変
換することにより、信号強度のプロファイルを求める
(ステップI)。これにより、図示は省略したが、図5
(b)に示すと同様に被検体1の検査部位のスライス位
置におけるZ軸方向のプロファイルが、同図(a)に示
すと同様に得られる。このプロファイルから、前述の図
5(a),(b)に示す手法と全く同様にして、検出信
号についてしきい値Ltを設定し、次に、上記のプロフ
ァイルの中で、しきい値Ltよりも大きい信号強度を示
す最低周波数及び最高周波数を求め、上記信号レベルの
しきい値Ltより大きい信号強度を示す領域の中央の周
波数を求める(ステップJ)。そして、この中央の周波
数を被検体1のZ軸方向の中心線を示す周波数とみな
す。
【0034】さらに、上記求めた中央の周波数と静磁場
均一空間の既知のZ軸方向の中心位置における周波数と
を比較し、かつ信号計測時の周波数エンコード方向の傾
斜磁場強度から、上記求めた被検体1のZ軸方向の中心
線と、静磁場均一空間の既知のZ軸方向の中心位置との
ずれを求める(ステップK)。ここで、磁気共鳴周波数
は、各プロトンが受ける磁場強度に比例することから、
被検体1のZ軸方向の中心線の位置をZとし、静磁場均
一空間のZ軸方向の中心位置をZ′とすると、被検体1
のZ軸方向の中心線と静磁場均一空間のZ軸方向の中心
位置とのずれ(Z−Z′)は、前述の第(1)式と同様
にして求められる。
【0035】次に、テーブル21をX軸方向及びZ軸方
向に適宜移動させ、上記のずれ(X−X′)及び(Z−
Z′)を零とする(ステップL)。このとき、CPU8
からの命令により、図2に示す左右動駆動源29及び上
下動駆動源27が動作して、左右動部26がX方向へ移
動すると共に上下動部24がZ方向へ移動する。そし
て、上記各方向の駆動源29,27の近傍に設けられた
各方向の位置センサ(図示省略)からの信号により、被
検体1のX軸方向の中心線33と静磁場均一空間のX軸
方向の中心位置とのずれ、及びZ軸方向の中心線と静磁
場均一空間のZ軸方向の中心位置とのずれがそれぞれ零
になると、CPU8からの命令により上記各方向の駆動
源29,27を停止させ、左右動部26及び上下動部2
4がその位置で停止する。これにより、被検体1のX軸
方向及びZ軸方向の中心線が静磁場均一空間のX軸方向
及びZ軸方向の中心位置に合致する(ステップM)。
【0036】なお、被検体1の例えばX軸方向の中心線
を求めるのに、図5に示す例では、該被検体1のX軸方
向に沿う信号強度のプロファイルにおける所定領域内の
中央の周波数の位置を用いた場合を示したが、本発明は
これに限らず、検査部位が例えば頭頚部などのように断
面形状が円形又は楕円形に近いものであるときは、上記
プロファイルにおける所定領域内の最大信号強度値を示
す周波数の位置を用いてもよい。
【0037】また、以上の説明では、被検体1のX軸方
向又はZ軸方向の中心線を求めるための信号計測シーケ
ンスとして、グラジエントエコー法シーケンスを用いた
ものとしたが、これに限らず、スピンエコー法シーケン
スなどの他のパルスシーケンスを用いたり、エコー信号
ではないFID信号を用いたものとしてもよい。
【0038】さらに、図2においては、テーブル21の
駆動源としてX,Y,Zの各軸方向に対して一つずつ駆
動源を設けたものとしたが、共通の駆動源を一つ又は二
つ設け、クラッチ機構等を介して3軸方向への駆動力を
切り換えて伝達するようにしてもよい。また、各軸方向
の駆動源の近傍に設ける位置センサは、ロータリエンコ
ーダに限られず、リニアエンコーダを用いてもよい。
【0039】
【発明の効果】本発明は以上のように構成されたので、
磁気共鳴イメージング装置によれば、制御手段により、
テーブルに載置された被検体の直交する3方向(X,
Y,Z方向)のうちの1又は2方向(X方向又はX,Z
方向)の信号強度のプロファイルを求め、この求めたプ
ロファイルに基づいて駆動部を制御して該テーブルを移
動させることができる。このテーブルの移動により、該
テーブルに載置された被検体の中心線を自動的に静磁場
均一空間の中心位置に合致させることができる。
【0040】また、受信系により、上記テーブルに載置
された被検体の体軸方向及び体軸に直交する2方向のう
ちの1又は2方向の信号検出を行い、制御手段により、
上記得られた信号を用いて上記被検体の当該方向に沿う
信号強度のプロファイルを求め、この求めたプロファイ
ルから被検体の当該方向の中心線を決め、この被検体の
中心線を静磁場均一空間の中心位置に合致させるように
上記駆動部を制御することもできる。さらに、上記制御
手段により、上記被検体の当該方向の中心線として、該
被検体のその方向に沿う信号強度のプロファイルにおけ
る所定領域内の中央の周波数の位置を用いて制御するこ
ともできる。或いは、被検体の検査部位の断面形状が円
形又は楕円形に近いものである場合は、上記制御手段に
より、該被検体のその方向に沿う信号強度のプロファイ
ルにおける所定領域内の最大信号強度値を示す周波数の
位置を用いて制御することもできる。
【0041】また、磁気共鳴イメージング装置のテーブ
ル制御方法によれば、被検体の所望の検査部位について
目的の断層像を撮像する前に、テーブルに載置された被
検体の直交する3方向(X,Y,Z方向)のうちの1又
は2方向(X方向又はX,Z方向)について得られた磁
気共鳴信号を演算して求められた信号強度のプロファイ
ルに基づいてテーブルを移動させることにより、該テー
ブルに載置された被検体の中心線を自動的に静磁場均一
空間の中心位置に合致させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による磁気共鳴イメージング装置の実
施例を示すブロック図、
【図2】 テーブル及び駆動部の具体的な構造の一例を
示す斜視図、
【図3】 被検体に対するライトマーカによる検査部位
の設定状況を示す説明図、
【図4】 被検体のX軸方向の中心線を求めるために用
いるグラジエントエコー法シーケンスを説明するタイミ
ング線図、
【図5】 被検体の中心線を求めるための検出信号のプ
ロファイル及び上記被検体の中心線を示す説明図、
【図6】 本発明の磁気共鳴イメージング装置の被検体
テーブルを移動制御する方法の具体的な手順を示すフロ
ーチャート、
【図7】 本発明の磁気共鳴イメージング装置の被検体
テーブルを移動制御する方法の手順の他の実施例を示す
フローチャート、
【図8】 従来の磁気共鳴イメージング装置において、
被検体の位置決めに使用する位置決め用画像を示す説明
図、
【図9】 従来の磁気共鳴イメージング装置において、
被検体の位置決めに使用する位置決め用画像を示す説明
図。
【符号の説明】
1…被検体、 2…静磁場発生磁石、 3…磁場勾配発
生系、 4…送信系、 5…受信系、 6…信号処理
系、 7…シーケンサ、 8…CPU、 21…テーブ
ル、 22…駆動部、 24…上下動部、 25…前後
動部、 26…左右動部、 27…上下動駆動源、 2
8…前後動駆動源、 29…左右動駆動源、 31…被
検体の検査部位、 32…検査部位のスライス位置、
33…被検体の中心線。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被検体に静磁場を与える静磁場発生手段
    と、該被検体に傾斜磁場を与える傾斜磁場発生手段と、
    上記被検体の生体組織を構成する原子の原子核に磁気共
    鳴を生じさせるための高周波信号を照射する送信系と、
    上記の磁気共鳴により放出される信号を検出する受信系
    と、この受信系で検出した信号を用いて画像再構成演算
    を行う信号処理系と、被検体を載置して3軸方向に移動
    可能とされたテーブルと、このテーブルを3軸方向に移
    動させる駆動部と、上記傾斜磁場、高周波信号を所定の
    シーケンスに従って印加させると共に上記各手段の動作
    を制御する制御手段とを備えて成る磁気共鳴イメージン
    グ装置において、上記制御手段は、上記テーブルに載置された被検体の直
    交する3方向のうちの1又は2方向の信号強度のプロフ
    ァイルを求め、この求めたプロファイルに基づいて 上記
    駆動部を制御してテーブルを移動させることを特徴とす
    磁気共鳴イメージング装置
  2. 【請求項2】上記受信系は、上記テーブルに載置された
    被検体の体軸方向及び体軸に直交する2方向のうちの1
    又は2方向の信号検出を行い、 上記制御手段は、上記得られた信号を用いて上記被検体
    の当該方向に沿う信号強度のプロファイルを求め、この
    求めたプロファイルから被検体の当該方向の中心線を決
    め、この被検体の中心線を静磁場均一空間の中心位置に
    合致させるように上記駆動部を制御する ことを特徴とす
    る請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置
  3. 【請求項3】上記制御手段は、上記被検体の当該方向の
    中心線として、該被検体のその方向に沿う信号強度のプ
    ロファイルにおける所定領域内の中央の周波数の位置を
    用いて制御することを特徴とする請求項記載の磁気共
    鳴イメージング装置
  4. 【請求項4】上記制御手段は、上記被検体の当該方向の
    中心線として、該被検体のその方向に沿う信号強度のプ
    ロファイルにおける所定領域内の最大信号強度値を示す
    周波数の位置を用いて制御することを特徴とする請求項
    2記載の磁気共鳴イメージング装置。
  5. 【請求項5】磁気共鳴イメージング装置の被検体テーブ
    ルを移動制御するテーブル制御方法において、 上記テーブルに載置された被検体の直交する3方向のう
    ちの1又は2方向について得られた磁気共鳴信号を演算
    して求められた信号強度のプロファイルに基づいてテー
    ブルを移動させるステップを行うことを特徴とする磁気
    共鳴イメージング装置のテーブル制御方法。
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