JP3769482B2 - 真空マイクロ波解凍機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、減圧状態でマイクロ波を照射して冷凍食品などの被解凍物を加熱して解凍する真空マイクロ波解凍機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の真空マイクロ波解凍機におけるチャンバーは、ステンレス板や鉄板を使用した箱体であり、内部を減圧した際に作用する大気圧に耐えるために板厚を増したり、或いは補強リブを設けるなどして強度を高めていた。同様に、チャンバーのドアに関しても、チャンバーと同様に厚肉のステンレス板や鉄板を使用して作製されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の真空マイクロ波解凍機は、ドアを厚肉のステンレス板や鉄板で作製するので、ドア自体の重量が大きくて開閉する際に重くて、操作性が良好であるとは言えない。また、ステンレス板や鉄板は表面の電気抵抗が大きいので、マイクロ波の壁面ロスが発生し、加熱効率を低下させる一因となっていた。
また、ドアとチャンバーとの間のシールに関しても、気密シール材と電磁波シール材とを設けると、電磁波シール材が気密シール材の密着性を阻害してしまうので、気密シール材と電磁波シール材の機能も両立し難かった。
【0004】
そこで、本発明は、上記した事情に鑑み、ドアの剛性を確保しやすく、しかも軽量化を図って操作性が良好で、解凍作業の効率を向上させることができる真空マイクロ波解凍機を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記に鑑み提案されたもので、請求項1に記載のものは、ドアを有するチャンバーと、該チャンバーとドアとで区画された収納室内を減圧する真空ポンプと、収納室内へマイクロ波を照射するマイクロ波発生器と、チャンバー内に設けられたターンテーブルとを備え、収納室内を減圧した状態でマイクロ波を照射してターンテーブル上の被解凍物を加熱し解凍を行う真空マイクロ波解凍機において、
前記ドアをアルミニウムで一体成型し、収納室側の面を凹曲面としたことを特徴とする真空マイクロ波解凍機である。
【0006】
請求項2に記載のものは、前記凹曲面を鏡面仕上げすると共に、絶縁皮膜を形成したことを特徴とする請求項1に記載の真空マイクロ波解凍機である。
【0007】
請求項3に記載のものは、前記凹曲面が、マイクロ波をターンテーブル上の被解凍物に向けて反射する曲率であることを特徴とする請求項2に記載の真空マイクロ波解凍機である。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は、本実施形態の真空マイクロ波解凍機の外観を示す正面図である。図2は、チャンバーの断面図である。
【0012】
図1に示すように、本実施形態の真空マイクロ波解凍機1の筐体2は竪型装置として構成され、上部には冷凍食品等の被解凍物を収容する食品収容部3が配設されると共に、下部には後述する駆動モータや真空モンプ等を収納する機械収納部4が配設され、最上部には制御装置を収納する制御部5が備えられており、この制御部5の前面パネルには、被解凍物の重量や解凍時間等を表示する表示部6と、電源のオン/オフや各種の設定値等を入力する操作部7とが設けられている。また、真空マイクロ波解凍機1の筐体2の下面には、本解凍機1の移動を容易にするためのキャスター8が設けられている。
【0013】
図1及び図2に示すように、本実施形態の真空マイクロ波解凍機1における食品収容部3の本体は前面に開口部を有する中空箱体状のチャンバー10によって構成され、該チャンバー10は電磁波を遮断しうる内壁構造を有する金属製の耐圧気密容器として形成されている。このチャンバー10の前面開口部には、チャンバー10内を密閉状態で閉成しうるドア11が、例えば正面右側端部をヒンジ部として開閉自在に取り付けられており、該ドア11の開放側となる前面左側にはその開閉操作の際に把持する把手12が取り付けられ、上記チャンバー10とこのドア11とで収納室9を区画形成している。そして、ドア11の背面に対向するチャンバー10のフランジ部10′には電磁波が外部へ洩れるのを防止するための金属網製の電磁波シール材と気密性を維持する気密シール材が装着されている。なお、ドア11と両シール材とに関しては後で詳述する。
【0014】
チャンバー10内の底部には、回転軸13が軸受14に支承されて起立した状態で回転自在に設けられており、この回転軸13の上記チャンバー内に臨んだ上端部には被解凍物を載置して該回転軸13と共に回転するターンテーブル15が着脱自在に取り付けられ、この回転軸13の基端部には減速機構を介してテーブル駆動モータ16が接続されている。
【0015】
チャンバー10の背面中央部には、該チャンバー10内に連通した直状導波管20及びレジューサ導波管21を介して、該チャンバー内へマイクロ波を照射して上記ターンテーブル15上に載置された被解凍物を加熱するためのマイクロ波発生器22が接続されている。本実施形態では、マイクロ波発生器22としてマグネトロンが採用されており、直状導波管20とレジューサ導波管21とのフランジ接続部23にはマイクロ波を透過し易いガラス板製の圧力隔壁が介設されている。
【0016】
チャンバー10の背面には、マイクロ波の照射によりチャンバー10内で放電が生じた場合に、これを検出する放電検出センサー30が設けられており、この放電検出センサー30としては放電現象の有無を紫外線(UV)の検出により判定するUVセンサーが採用されている。また、チャンバー10の上部には、チャンバー10内の圧力を検出する真空圧力センサー31が設けられている。
【0017】
チャンバー10の上部には、内部の圧力を大気開放する大気開放弁40、及びチャンバー内の圧力を調整する調圧弁41が備えられており、またチャンバー10の背面には、その内部を減圧する減圧系43が接続され、該減圧系43には逆止弁44を介してポンプ駆動モータ45により駆動される真空ポンプ46が接続されており、これらポンプ駆動モータ45及び真空ポンプ46は上記機械収納部4内に収納されている。
【0018】
上記大気開放弁40及び調圧弁41は、上記制御部5に収納された制御装置による開閉制御を可能とするため、例えば電磁弁によって構成されている。なお、調圧弁41は減圧系43の途中、例えばチャンバー10と逆止弁44との間に接続して設けて、復圧工程でチャンバー10内に酸素が入り難いように構成しても良い。
【0019】
ドア11は、アルミニウムで一体成型した方形の扉であり、図2に示すように、収納室9側の面を凹曲面17としてある。したがって、軽量化を図っても必要な強度を得易く、特に減圧状態に作用する大気圧に対して高い剛性を確保できる。
【0020】
また、このドア11の凹曲面17は、鏡面仕上げするとともに、表面にアルマイト処理等により絶縁皮膜を形成してある。したがって、マイクロ波の反射効率が良好であり、マイクロ波による壁面の加熱が防止できる。そして、アルマイトなどの絶縁皮膜を形成すると、機械的な傷などを防止できると共に、チャンバー10と接触する部分に生じるマイクロ波による放電を防止できる。また、電磁波シール材の外周を被覆する金属をチャンバーと同じ材質とすると、電食を防止できる。
【0021】
さらに、この凹曲面17の曲率は、マイクロ波がターンテーブルに向けて反射する曲率に設定してある。この曲率は、例えば放物線や双曲線など焦点を有する曲線に則った曲率を採用する。したがって、前記鏡面仕上げと相俟って、マイクロ波を効率良く反射してターンテーブル上の被解凍物に吸収させることができ、一層効率の良い解凍ができる。
【0022】
チャンバー10の前面開口部の外側の面、具体的には前面開口部に形成したフランジ部10′の前面には、前述したように、気密シール材24と電磁波シール材25を設けて減圧時の気密性を維持するとともに、マイクロ波の漏出を防止する。本実施形態では、フランジ部10′の前面に略四角形に第1溝26を形成するとともに第1溝26の外側に第2溝27を等間隔に形成、すなわち第1,第2溝27を平行に形成し、内側の第1溝26内に第1シール材として気密シール材24を、外側の第2溝27内に第2シール材として電磁波シール材25をそれぞれ嵌めて、各シール材24,25をフランジ部10′の前面よりも少し突出させる。
【0023】
気密シール材24は樹脂製の中実紐状シール材であり、図3に示すものは、断面円形の合成樹脂製中実シールであって、中心から約90度位相を変えた2箇所にリップ24′をハ字状に突出させて一体成型してある。そして、この気密シール材24を第1溝26内に嵌装する場合には、図3(a)に示すように、両リップ24′がドア内面から突出し、尚且つ断面円形の本体部分の一部もフランジ部10′から僅かに突出させる。
【0024】
一方、電磁波シール材25は外周面を金属線材(例えば、チャンバーと同じ材質の金属網材)で被覆した中空弾性紐状シール材であり、図3に示すものは、樹脂製弾性丸パイプの外周面を金属網により被覆して構成されている。そして、この電磁波シール材25を第2溝27内に嵌装する場合には、図3(a)に示すように、金属網と丸パイプの一部がドア内面から僅かに突出する状態で取り付ける。また、この電磁波シール材25は、ドア11を閉じたときに、気密シール材24よりも少し遅れてドア11の内面に接触するように、フランジ部10前面からの突出長さを気密シール材24よりも少し減らして装着されている。すなわち、気密シール材24の突出長さを電磁波シール材25の突出長さよりも長く設定する。
【0025】
したがって、ドア11を閉じると、図3(b)に示すように、先ずは気密シール材24のリップ24′先端縁がドア11の背面に接触して両リップ24′がハ字状に開いた状態となり、次いで電磁波シール材25の円弧状突出端縁がドア11の背面に接触する。
【0026】
この状態で真空ポンプ46によりチャンバー10内、すなわち収納室9内を減圧すると、大気圧によりドア11がチャンバー10側に押圧され、この押圧力によりドア11とチャンバー10との間の隙間が狭められる。したがって、図3(c)に示すように、電磁波シール材25が略楕円形に押し潰されてドア11の背面に面接触し、これにより電磁波シール材25のシール効果が高められる。また、気密シール材24もドア11に押圧されるので、リップ24′が一層大きく開いて強く接触すると共に断面円形部分がドア11の背面に強く密着する。したがって、気密シール材24のシール機能が高まりリークが防止できる。
【0027】
真空ポンプ46はチャンバー10内を減圧し続けるので、収納室9内の真空度が高まると、これに伴ってドア11に作用する大気圧も強められる。この押圧力が増大すると、電磁波シール材25は弾性反発度が低くて押し潰され易く、これに比較して気密シール材24は弾性反発度が高くて押し潰れ難いので、ドア11に対する大気圧の作用が増大すると、その多くは気密シール材24を押し潰す力として作用する。したがって、気密シール材24は、チャンバー10内の圧力が低下することに伴って、電磁波シール材25の存在に拘わらず強く密着し、これにより一層強力に密着してシール性を高め、リークを阻止する。このため、真空ポンプ46による減圧工程を効率良く行うことができる。
【0028】
そして、チャンバー10内が所定の真空度まで圧力低下すると、マイクロ波発生器22が作動してマイクロ波を照射するが、前記したように、ドア11の内面が鏡面に形成されているので、ドア11の凹曲面17で反射したマイクロ波がターンテーブル15上の被解凍物に向かって効率よく加熱することができる。
【0029】
次に、真空ポンプ46やマイクロ波発生器22などを制御する制御部について説明する。
【0030】
図4は、本実施形態の真空マイクロ波解凍機における制御系を示すブロック図である。前記した制御部5に収納された制御装置50は、例えばROM51に記録した制御プログラムを実行するマイクロコンピュータ等により構成され、この制御装置50には、ターンテーブル15を回転駆動するテーブル駆動モータ16の電源制御系52と、上記真空ポンプ46を駆動するポンプ駆動モータ45の電源制御系53と、上記大気開放弁40の開閉制御系54と、上記調圧弁41の開閉制御系55と、上記マイクロ波発生器22の電源制御系56と、上記放電検出センサー30の検出値入力系57と、上記真空圧力センサー31の検出値入力系58と、上記操作部7の設定値等の入力系59と、上記表示部6の表示出力系60とが接続されており、制御装置50は上記操作部7の設定値や、上記放電検出センサー30及び真空圧力センサー31の検出値等に基づいて、ROMに記録された制御プログラムに従って上記ポンプ駆動モータ45やマイクロ波発生器22等の各機器を駆動制御する。
【0031】
次に、以上のような真空マイクロ波解凍機1を用いて実施する本実施形態の真空マイクロ波解凍方法について説明する。図5は、本実施形態の真空マイクロ波解凍機1における解凍サイクルを示す説明図である。
【0032】
図5に示すように、本実施形態の真空マイクロ波解凍機1は、減圧工程G、G′、G″…と復圧工程F、F′…とを繰り返し行いながらマイクロ波を照射M、M′…して被解凍物を加熱し解凍を行う装置である。なお、真空ポンプ46は減圧工程は勿論のこと復圧工程中も作動し続ける。
【0033】
解凍の準備段階として、まず、正面のドア11を開放してターンテーブル15上に冷凍食品等の被解凍物を載置し、再びドア11を閉成して密閉状態とし、チャンバー10内に被解凍物を収容する。なお、大気開放弁40及び調圧弁41は閉成状態とする。
【0034】
次に、ポンプ駆動モータ45を駆動して真空ポンプ46を作動させ、減圧系43を介してチャンバー10内の減圧を開始する。すると、大気圧の101.3kPa(760Torr)からA点を経て徐々に減圧度が減少し、減圧平衡域Bまで減圧工程Gが行われ、この減圧工程Gにおいて被解凍物の予備乾燥がなされる。
【0035】
ここで、減圧平衡域とは、一定時間に対する減圧度が極めて低下する領域であり、例えば30秒間(Δt)における減圧度(ΔP)がΔP/Δt<13.3Pa(0.1Torr)となったときに減圧平衡域に達したと把握するが、該減圧平衡域における平衡圧力はチャンバー内の飽和蒸気圧により上下する。なお、この減圧平衡域に到達したか否かは、真空圧力センサー31からの圧力信号に基づいて制御装置が演算して判断する。
【0036】
上記減圧平衡域Bまで減圧工程Gを行った後、上記調圧弁41を後述する所定の開度で開放して復圧工程Fへと移行し、復圧工程Fの減圧度が真空放電を起こさない下限値P1〔本実施形態では多少余裕を見て1.33kPa(10Torr)に設定〕を超えた後のC点のときに、上記マグネトロン22によるマイクロ波の照射Mを開始し、予め設定した復圧上限値Dまで復圧したときに真空圧力センサーからの圧力信号に基づいて制御装置が上記調圧弁41を閉成し、その後再度減圧工程G′へ移行する。そして、その減圧度が真空放電を起こさない下限値P1に達する手前のA′点まで上記マグネトロン22によるマイクロ波の照射Mを継続して被解凍物を加熱し、このA′点においてマイクロ波の照射を停止する。
【0037】
また本実施形態では、上記真空放電を起こさない減圧度の下限値P1は、上述したように、1.33kPa(10Torr)に設定されている。即ち、復圧工程Fにおける減圧度が1.33kPa(10Torr)を超えた後のC点のときに、上記マグネトロン22によるマイクロ波の照射Mを開始し、予め設定した復圧上限値Dまで復圧した後再度減圧工程G′へ移行すると共に、その減圧度が1.33kPa(10Torr)に達する手前のA′点まで上記マグネトロンによるマイクロ波の照射Mを継続して被解凍物を加熱する。このように復圧工程Fの途中から減圧工程G′にわたってマイクロ波の照射Mを行っているため、減圧工程でのみ照射する従来に比較して、復圧工程と減圧工程とからなる1解凍サイクルにおける照射時間を充分に確保することができる。
【0038】
上記復圧上限値Dは、マイクロ波を照射するマグネトロン22の出力と真空ポンプ46の減圧能力とチャンバー10の容積によって設定される可変な圧力値であり、本実施形態では、調圧弁41の絞り弁41′の絞りを調整することにより、6.66kPa(50Torr)に設定されている。したがって、6.66kPa(50Torr)まで復圧すると、調圧弁41からのリークと真空ポンプ46の吸引能力がバランスして、調圧弁41を閉じない限り6.66kPa(50Torr)を維持して圧力上昇はしない。
【0039】
本実施形態では、このように復圧上限値Dの圧力値が、マイクロ波を照射するマグネトロン22の出力と真空ポンプ46の減圧能力とチャンバー10の容積に応じて適宜設定されるので、真空放電発生域に入るまでに過不足のないマイクロ波の照射時間を採ることができ、しかも効率良く減圧できる。
【0040】
なお、復圧上限値Dに到達したことを検知する手段として、本実施形態では真空圧力センサー31からの信号により検知し、これにより制御装置が調圧弁43を閉じて減圧工程に移行するように構成したが、本発明はこれに限らず、タイマー制御により停止してもよい。
【0041】
マイクロ波照射の停止後、A′点から減圧平衡域B′までの減圧過程において、被解凍物を昇華冷却する。このように減圧工程G′におけるA′点までマイクロ波を照射して被解凍物を加熱した後、A′点から減圧平衡域B′までの減圧過程において被解凍物を昇華冷却するのは、マイクロ波を照射して被解凍物を加熱すると、被解凍物の表面部分の温度が中心部分の温度よりも高くなり、そのまま加熱を継続すると表面部分にドリップが発生するなどの不都合が生じるからであり、昇華により表面部分を冷却して内外の温度差を縮めるためである。
【0042】
すなわち、昇華が始まると気化潜熱が奪われて表面部分の温度が低下していくとともに、表面部分の熱が中心部分に移動(熱伝導)して中心部分を昇温する。これにより被解凍物の温度が均一化されて、全体として被解凍物の温度が上昇し解凍が促進されることになる。また、被解凍物の温度が均一化されながら、全体として被解凍物の解凍が促進されるので、部分的に解凍が進行してドリップが発生したり、このドリップにマイクロ波が集中する不都合を防止することができる。
【0043】
本実施形態は、復圧工程Fへ移行し、復圧工程Fの減圧度が真空放電を起こさない下限値P1である1.33kPa(10Torr)を超えた後のC点のときにマイクロ波の照射Mを開始し、予め設定した復圧上限値Dである6.66kPa(50Torr)まで復圧した後に再度減圧工程G′へ移行すると共に、その減圧度が真空放電を起こさない下限値P1であるA′の1.33kPa(10Torr)に達する手前までマイクロ波の照射Mを継続して加熱し、マイクロ波の照射Mの停止後に、減圧平衡域B′までの減圧過程において昇華冷却する解凍サイクルを1サイクルとして、この解凍サイクルを繰り返し行う。
【0044】
即ち、図5において、減圧平衡域B′まで減圧工程G′を行った後復圧工程F′へ移行し、復圧工程F′の減圧度が真空放電を起こさない下限値P1である1.33kPa(10Torr)を超えた後のC′点のときにマイクロ波の照射M′を再び開始し、予め設定した復圧上限値D′である6.66kPa(50Torr)まで復圧した後に再度減圧工程G″へ移行すると共に、その減圧度が真空放電を起こさない下限値P1であるA″の1.33kPa(10Torr)に達する手前までマイクロ波の照射M′を継続して加熱し、マイクロ波照射を再度停止した後、減圧平衡域B″までの減圧過程において昇華冷却する解凍サイクルを2サイクル目として行う。各復圧工程F、F′…における復圧特性は、復圧弁41の絞り弁41′の設定に依存しているので、各解凍サイクルにおいて一定、即ち、復圧曲線のカーブが各解凍サイクルにおいて一定であり、これにより安定した解凍を行うことができる。
【0045】
図5に示すように、このような解凍サイクルを繰り返し行うと、チャンバー10内の飽和蒸気圧が被解凍物の温度上昇に伴って上昇するので、上記減圧平衡域B、B′、B″…の減圧度は解凍サイクルの繰り返しに伴い順次上昇する現象を示す。そこで、この減圧平衡域B、B′、B″…における減圧度が所定の値に達したときに解凍サイクルを終了する。すなわち、所望する解凍温度は飽和蒸気圧の領域設定で行うことができ、この設定領域で減圧平衡になったならば所望解凍温度になったものとして解凍操作を終了する。そして、この設定領域になるまでの解凍サイクルの繰り返しサイクル数は、被解凍物の質量やマグネトロン22の出力、及び真空ポンプ46の減圧能力等によっても異なり、本実施形態では、図5におけるP2Aの圧力値を480Pa(3.6Torr)、P2Bの圧力値を453Pa(3.4Torr)として、上記減圧平衡域B、B′、B″…における減圧度がP2A〜P2Bの間の値に達したときに、被解凍物の温度が約−3℃に成ったものと想定して解凍サイクルを終了する。
【0046】
制御装置50において解凍サイクルの終了が決定されると、大気開放弁40が開放されると共に、ポンプ駆動モータ45の電源を遮断して真空ポンプ46が停止され、収納室9内が大気圧に戻るとドア11の開放が可能となり、チャンバー10内から約−3℃に解凍された被解凍物を取り出すことができるものである。
【0047】
なお、チャンバー10内において、何らかの理由により放電現象が生じた場合には、上記放電検出センサー30がUVの発生によりこれを検知し、制御装置50が電源制御系56を介してマグネトロン22を強制的に停止し、これによりチャンバー10の内壁等の損傷を防止する。
【0048】
なお、前記各実施形態では被解凍物を冷凍食品として説明したが、本発明で解凍する被解凍物は食品に限定されるものではなく、血液、血清、精液、薬品などでもよい。
【0049】
また、前記実施形態ではチャンバー10のフランジ部10′前面に気密シール材24を、その外側に電磁波シール材25を設けたが、逆に、内側に電磁波シール材25を、外側に気密シール材24を設けても良い。また、シール材はチャンバー10側に限定されるものではなく、ドア11側に設けても、或いは一方のシール材をドア11側に、他方のシール材をチャンバー10側に設けても良い。要するに、チャンバー10とドア11との間に、収納室9の前面開口部を囲繞する状態で第1シール材を設けると共に、該第1シール材の外側に第2シール材を設け、第1シール材と第2シール材の一方が気密シール材24であって、他方が電磁波シール材25であり、電磁波シール材25の弾性反発度よりも気密シール材24の弾性反発度を高くして、収納室9内を減圧したときにドアに掛かる大気圧を電磁波シール材25よりも気密シール材24に強く掛かるようにした構成であれば良い。
【0050】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の真空マイクロ波解凍機によれば、以下の効果を奏する。
請求項1の発明によれば、ドアをアルミニウムで一体成型し、収納室側の面を凹曲面としたので、ドアの軽量化を図ることができ、これにより開閉操作が容易になる。しかも、軽量化を図っても収納室側を凹曲面としたので、減圧時の大気圧に十分耐えられる強度を確保することができ、重量と強度という相反する要素を支障なく成し得る。
【0051】
請求項2に記載の発明によれば、凹曲面を鏡面仕上げすると共に、絶縁皮膜を形成したので、マイクロ波の反射効率を向上でき、マイクロ波による壁面の加熱が防止できる。そして、絶縁皮膜を形成すると、機械的な傷などを防止できると共に、チャンバーと接触する部分に生じるマイクロ波による放電や電食を防止でき、業務用に使用しても十分な耐久性を確保できる。
【0052】
請求項3に記載の発明によれば、ドアの内面に形成した凹曲面が、マイクロ波をターンテーブルに向けて反射する曲率で形成されているので、マイクロ波を被解凍物に効率良く照射することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態の真空マイクロ波解凍機の外観を示す正面図である。
【図2】本実施形態のチャンバーとドアの断面図である。
【図3】(a)はドアを開いた状態の気密シール材と電磁波シール材の断面図、(b)はドアを閉じてチャンバー内を減圧する前の気密シール材と電磁波シール材の断面図、(c)はチャンバー内を減圧した状態の気密シール材と電磁波シール材の断面図である。
【図4】制御装置と他の機器との接続を説明するブロック図である。
【図5】本実施形態の真空マイクロ波解凍機における解凍サイクルを示す説明図である。
【符号の説明】
1 真空マイクロ波解凍機
2 筐体
3 食品収容部
4 機械収納部
5 制御部
6 表示部
7 操作部
8 キャスター
9 収納室
10 チャンバー
11 ドア
12 把手
13 回転軸
14 軸受
15 ターンテーブル
16 テーブル駆動モータ
17 凹曲面
20 直状導波管
21 レジューサ導波管
22 マイクロ波発生器(マグネトロン)
23 フランジ接続部
24 気密シール材
25 電磁波シール材
26 第1溝
27 第2溝
30 放電検出センサー
31 真空圧力センサー
40 大気開放弁
41 調圧弁
43 減圧系
44 逆止弁
45 ポンプ駆動モータ
46 真空ポンプ
50 制御装置
51 ROM
52 テーブル駆動モータの電源制御系
53 ポンプ駆動モータの電源制御系
54 大気開放弁の開閉制御系
55 調圧弁の開閉制御系
56 マイクロ波発生器の電源制御系
57 放電検出センサーの検出値入力系
58 真空圧力センサーの検出値入力系
59 操作部の設定値等の入力系
60 表示部の表示出力系

Claims (3)

  1. ドアを有するチャンバーと、該チャンバーとドアとで区画された収納室内を減圧する真空ポンプと、収納室内へマイクロ波を照射するマイクロ波発生器と、チャンバー内に設けられたターンテーブルとを備え、収納室内を減圧した状態でマイクロ波を照射してターンテーブル上の被解凍物を加熱し解凍を行う真空マイクロ波解凍機において、
    前記ドアをアルミニウムで一体成型し、収納室側の面を凹曲面としたことを特徴とする真空マイクロ波解凍機。
  2. 前記凹曲面を鏡面仕上げすると共に、絶縁皮膜を形成したことを特徴とする請求項1に記載の真空マイクロ波解凍機。
  3. 前記凹曲面は、マイクロ波をターンテーブル上の被解凍物に向けて反射する曲率であることを特徴とする請求項2に記載の真空マイクロ波解凍機。
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