JP3766331B2 - 真空マイクロ波解凍機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、減圧状態でマイクロ波を照射することにより冷凍食品等の被解凍物の解凍を行う真空マイクロ波解凍機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、真空マイクロ波解凍機においては、被解凍物を収容するチャンバが具えられると共に、そのチャンバ内を減圧する真空ポンプと、チャンバ内を復圧する復圧弁、及びチャンバ内に照射するマイクロ波を発生するマイクロ波発生器が具えられ、これらによって、チャンバ内を減圧する行程とチャンバ内を復圧する行程とを交互に実行しつつ、チャンバ内にマイクロ波を照射することにより、被解凍物の解凍が行われるようになっている。
【0003】
このように被解凍物の解凍を行う真空マイクロ波解凍機の長所は、減圧によって被解凍物の表面部分の昇華(固体から気体へ)が促進されることにより、該被解凍物の表面部分の水分(液体)にマイクロ波が及ぶことによる昇温が抑えられ、もって被解凍物の表面部分が昇温し過ぎることなく内部と均一に解凍できる点にある。
【0004】
しかしながら、このものの場合、減圧状態でマイクロ波が照射されることにより、チャンバ内で放電が発生しやすい。この放電は、被解凍物に発生するものと、チャンバに発生するものとがある。そのうち、特にチャンバに発生した放電は、チャンバに損傷を与えるおそれがある。このため、従来の真空マイクロ波解凍機においては、放電センサが具えられ、これによってチャンバ内での放電の発生が検知されたときに、マイクロ波の照射を停止し、もしくは解凍運転を全面的に停止するようにしたものが供されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように放電センサが具えられた真空マイクロ波解凍機においては、チャンバ内を減圧したとき、それ(負圧)による悪影響が放電センサに及ぶことが考えられる。
又、放電センサには、チャンバ内に照射されたマイクロ波による悪影響が及ぶことも考えられる。
【0006】
本発明は上述の事情に鑑みてなされたものであり、従ってその目的は、主として、チャンバ内の放電を検知する放電センサに、チャンバ内の減圧による悪影響が及ばず、チャンバ内に照射されたマイクロ波による悪影響が及ぶこともない真空マイクロ波解凍機を提供するにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の真空マイクロ波解凍機は、被解凍物を収容するチャンバと、このチャンバ内を減圧する減圧手段と、前記チャンバ内を復圧する復圧手段と、前記チャンバ内に照射するマイクロ波を発生するマイクロ波発生器と、前記チャンバ内における放電を検知する放電センサとを具備し、前記チャンバ内を減圧する行程とそのチャンバ内を復圧する行程とを交互に実行しつつ、チャンバ内にマイクロ波を照射して前記被解凍物の解凍を行うものにおいて、前記チャンバ内領域と前記放電センサ側領域との間に放電光を透過する圧力隔壁を設け、この圧力隔壁の周囲部に弾性体を装着して前記チャンバ内領域と前記放電センサ側領域とを気密に隔て、圧力隔壁とチャンバ内との間に放電光を透過してマイクロ波を遮断するカバーを設けたことを特徴とする(請求項1の発明)。
【0008】
このものによれば、チャンバ内領域と放電センサ側領域とが放電光を透過する圧力隔壁にて隔絶され、しかも、その圧力隔壁の周囲部に装着した弾性体にてチャンバ内領域と放電センサ側領域とが気密に隔てられることにより、チャンバ内の放電を検知する放電センサに、チャンバ内の減圧の悪影響が及ぶことが避けられる。又、圧力隔壁とチャンバ内との間に設けたカバーによりマイクロ波が遮断されることにより、チャンバ内に照射されたマイクロ波による悪影響が放電センサに及ぶことも避けられる。
【0009】
この場合、放電センサの近傍に、該放電センサの作動を確認するための光源を具えると良い(請求項2の発明)。
このものでは、放電センサの作動の確認が、放電センサの近傍に設けた光源ででき、もってチャンバ内に発生した放電の検知がより確実にできる。
【0010】
又、放電センサの作動を確認するための光源と放電センサは、同一の回路基板に実装すると良い(請求項3の発明)。
このものでは、放電センサと、これの作動を確認するための光源とをコンパクトに組み合わせることができる。
【0011】
更に、放電センサの作動を確認するための光源は、チャンバ内を照明する庫内灯を兼ねるようにすると良い(請求項4の発明)◎
このものでは、チャンバ内を照明する庫内灯を兼ねる光源で放電センサの作動の確認ができる。
【0012】
このほか、放電センサは導電性部材で覆うと良い(請求項5の発明)。
このものでは、導電性部材がノイズを遮断することにより、放電センサをノイズから保護できる。
又、放電センサがケースで覆われ、このケースが通気孔を有するのも良い(請求項6の発明)。
このものでは、放電センサの保護がケースででき、しかも、放電センサの冷却がケースに形成した通気孔でできる。
【0013】
更に、放電センサがケースで覆われ、このケースが圧力隔壁を固定するのを兼ねて取付けられているのも良い(請求項7の発明)。
このものでは、放電センサを覆うケースの取付けで、圧力隔壁の固定が同時にできる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例につき、図面を参照して説明する。
まず、図5には、真空マイクロ波解凍機の全体を正面形で示しており、下部に機械収納部1を有するキャビネット2の前面上部に、把手3を有するドア4を設け、その上方部に操作部5と表示部6とを設けている。このうち、操作部5は、使用者が真空マイクロ波解凍機の運転に係る各種の操作をするためのもので、多数の操作キー5aを有している。
【0015】
表示部6は、真空マイクロ波解凍機の運転に係る各種の表示をするもので、この場合、デジタル表示をする表示器6aと、各種の表示ランプ6bとを有している。
又、キャビネット2の底部の外下面には複数個のキャスタ7を設けている。
【0016】
次いで、図6には、上記キャビネット2の内部の上部に配設したチャンバ8を示しており、これは金属製の耐圧容器から成っていて、その内壁はマイクロ波を反射し得る構造となっている。又、このチャンバ8は前面部が開放し、その開放口を上記ドア4が開閉するようになっている。なお、ドア4は、詳しくは図示しないが、裏面の周縁部にパッキンを有しており、閉鎖状態では、このパッキンをチャンバ8の上記開放口の周縁部に圧接させて該開放口を気密に封鎖するようになっている。
【0017】
チャンバ8の内底部には、ターンテーブル9を設けている。このターンテーブル9は、支軸10の上端部に着脱可能に取付けており、支軸10はチャンバ8の底壁を上下に貫通して軸受11により回転可能に支承され、下端部を減速機付きのモータ12の出力軸12aに接続している。従って、ターンテーブル9は、モータ12により、支軸10を介して回転駆動される。
【0018】
一方、チャンバ8の上方部には、真空圧力センサ13と、大気開放弁14、並びに調圧弁15を設けている。これらは、いずれもチャンバ8内に連通しており、その構造で、真空圧力センサ13はチャンバ8内の真空圧力を検知する圧力検知手段として機能し、大気開放弁14はチャンバ8内を大気に開放させる大気開放手段、調圧弁15はチャンバ8内の真空圧力を調整、特には後述のごとく減圧した該チャンバ8内を復圧させる復圧手段としてそれぞれ機能するようになっている。
【0019】
そして、チャンバ8の背部には、マイクロ波を発生するマイクロ波発生器たるマグネトロン16と、このマグネトロン16が発生したマイクロ波をチャンバ8内に導く導波管17とを配設しており、これらによって、チャンバ8内にマイクロ波が照射されるようになっている。
【0020】
更に、チャンバ8の背部には、下部に、真空ポンプ18を、逆止弁19aを有する減圧管路19を介して接続している。この真空ポンプ18はチャンバ8内を減圧する減圧手段として機能するもので、モータ20により駆動されるようになっている。なお、この真空ポンプ18とこれの駆動用モータ20、及び前記ターンテーブル9駆動用のモータ12等を、前記機械収納部1に収納している。
【0021】
チャンバ8の背部の上部には、放電センサユニット21を設けている。図1及び図2は、この放電センサユニット21の構成を示しており、これらの図から明らかなように、放電センサユニット21はケース22を外殻としている。このケース22はアルミニウムや鉄等の導電性材料から成っており、導電性部材である。又、このケース22は、この場合、前面部が開放した直方体状を成しており、そのほかの面部、この場合、対向する上面部と下面部とにそれぞれ通気孔23を複数ずつ有している。
【0022】
なお、通気孔23をケース22の上面部と下面部とに形成したのは、空気の対流でケース22内の冷却が自然に効率良く行われるように考慮してのことであり、それに代わって図示しないファンによる送風によりケース22内の冷却が行われるようにするならば、通気孔23はケース22の他の対向する面部、すなわち、左側面部と右側面部とにそれぞれ形成するようにしても良い。
【0023】
ケース22内には、放電センサ24と、トランス25、及びランプ26等を実装した1枚の回路基板27を、それらの実装部品がケース22の上記前面部の開放口側を指向する向きに収納して、複数のスペーサ28を介し、同じく複数のねじ29によって取付けている(図2では省略)。このうち、放電センサ24は、チャンバ8内の放電を検知する放電検知手段たるものであり、この場合、放電光でもって放電を検知する光センサ、特には放電光の検知がより確実にできる紫外線センサから成っている。ランプ26は、該放電センサ24の作動を確認するための光源として、放電センサ24の近傍に位置している。
【0024】
スペーサ28は、プラスチック等の非磁性体から成っており、その長さで、回路基板27の実装部品のリードの先端がケース22に接触するのを防ぐ絶縁距離を確保するようになっている。
しかして、ケース22の前面部の周縁部(四辺部)には、フランジ22aを折曲形成しており、このフランジ22aにはそれぞれ取付孔30を複数ずつ形成している。
【0025】
さて、以上の放電センサユニット21に対して、チャンバ8の後壁の上部には、開口31を形成している。この開口31は、上記放電センサユニット21のケース22の前面部の開放口より小さなもので、この場合、円形を成しており、その周囲部には複数の取付孔32を形成している。又、同じく開口31の周囲部に位置して、チャンバ8の背面には、取付板33を例えば溶接34により取付けている。
【0026】
取付板33は矩形の枠状を成しており、且つ、その各辺部の断面形は凹状を成していて、更に、その前側部33aを後側部33bより厚く形成し、そのうちの前側部33aに、マイクロ波の漏れを防止するための有底の取付孔35を、上記チャンバ8後壁の取付孔32と同数、同位置に形成している。又、後側部33bには、前後に貫通する取付孔36を、前記放電センサユニット21のケース22の取付孔30と同数、同位置に形成している。
【0027】
取付板33の枠内には、圧力隔壁37を装填している。この圧力隔壁37は、チャンバ8内の後述する真空圧力に耐え得る大きな機械的強度を有し、且つ、放電光を透過すべく光透過性の良い無機質材料、例えば耐熱ガラスや、石英ガラス、ほう酸ガラス等から成っており、前記放電センサユニット21のケース22の前面部の開放口及びチャンバ8の開口31よりやゝ大きな矩形を成している。
【0028】
そして又、この圧力隔壁37の周囲部には、弾性体38を装着している。この弾性体38は、例えばシリコンゴムや、テフロンゴム等の、絶縁性を有すると共に、柔軟性が高くて密着性の良い材質により形成したもので、上記取付板33より一回り小さな矩形の枠状を成しており、その各辺部の断面形は取付板33と対称的な凹状を成している。この構造で、弾性体38を、圧力隔壁37の周囲部の上下面と前面及び背面に確実に密着させており、前記取付板33の枠内には、圧力隔壁37をこの弾性体38と共に装填している。
【0029】
ここで、図3は、圧力隔壁37及び弾性体38と、取付板33との寸法関係を示している。この図で明らかなように、圧力隔壁37の前後寸法(板厚)Aは取付板33の前後寸法Cより小さく、弾性体38の前後寸法Bは取付板33の前後寸法Cより大きい。この構成で、前記放電センサユニット21のケース22のフランジ22aを弾性体38の背面に押し当て、前記取付孔30から取付孔36へそれぞれねじ39を螺挿して締め付ける。
【0030】
すると、ケース22が取付板33に取付けられると共に、弾性体38が、弾性体38の前後寸法Bと取付板33の前後寸法Cとの差dの分、圧縮されて圧力隔壁37が挟圧固定され、かくして、チャンバ8内の領域と放電センサ24側の領域であるケース22内との間に圧力隔壁37を位置させると共に、それらチャンバ8内の領域とケース22内(放電センサ24側の領域)とを弾性体38により気密に隔てるようにしており、しかも、それを、ケース22の取付けを圧力隔壁37の固定を兼ねて行う構成で実現するようにしている。
【0031】
一方、チャンバ8内には、前記開口31を覆うカバー40を取付けている。このカバー40は、例えば円形にて、周囲部を除くほゞ全域に小孔41をパンチングにより多数形成しており、この小孔41の径はマイクロ波を遮断する大きさとしている。又、このカバー40周囲部には、取付孔42を、前記チャンバ8後壁の取付孔32と同数、同位置に形成しており、この構造で、カバー40をチャンバ8内後面の開口31周囲に当て、取付孔42から前記取付孔32,35へそれぞれねじ43を螺挿して締め付けることにより、該カバー40をチャンバ8に取付け、前記圧力隔壁37とチャンバ8内との間に設けている。
【0032】
なお、図4はチャンバ8を正面より見て表しており、この図から明らかなように、チャンバ8の後壁には、前記導波管17が中央部でマイクロ波を通す第2の圧力隔壁44を介して臨むのに対し、上述のカバー40が左上の隅部に位置し、そして、前記減圧管路19がマイクロ波を遮断する第2のカバー45を介して臨んでいる。
【0033】
図7には、真空マイクロ波解凍機の運転全般を制御する制御手段たる制御装置46を示している。この制御装置46は、マイクロコンピュータ等により構成したもので、前記操作部5から操作入力回路47を介して操作信号が入力されると共に、放電センサ24から検知入力回路48を介して放電検知信号が入力され、更に、真空圧力センサ13から検知入力回路49を介して圧力検知信号が入力されると共に、前記ドア4の開閉を検知するように設けたドア開閉センサ50(詳しくは図示せず)から検知入力回路51を介して開閉検知信号が入力されるようになっている。
【0034】
そして、制御装置46は、それらの入力とROM46aにあらかじめ記憶した制御プログラムに基づいて、前記表示部6の作動を表示制御回路52を介して制御すると共に、前記ランプ26の作動を点灯制御回路53を介して制御し、更に、前記ターンテーブル駆動用のモータ12を駆動制御回路54を介して制御すると共に、前記真空ポンプ駆動用モータ20を駆動制御回路55を介して制御し、前記マグネトロン16を駆動制御回路56を介して制御し、そして、大気開放弁14を開閉制御回路57を介して制御し、調圧弁15を開閉制御回路58を介して制御するようになっている。
【0035】
次に、上記構成のものの作用を述べる。
上記構成のもので、被解凍物を解凍するには、まず、ドア4を開ける。すると、ドア開閉センサ50がそれを検知してドア開検知信号を出力するので、制御装置46は、それに基づき、ランプ26を点灯させる。同時に、制御装置46は、そのランプ26の光を放電センサ24が検知したか否かの判断をし、これによって、放電センサ24の作動の確認(チェック)をする。この場合、ランプ26の光を放電センサ24が検知したと判断されたときに、放電センサ24は正常に作動すると判定される。
【0036】
又、この場合、ランプ26の光は、圧力隔壁37を透過し、更に、チャンバ8の開口31からカバー40の小孔41を通ってチャンバ8内に達することにより、該チャンバ8内を照明するものであり、かくしてランプ26はチャンバ8内を照明する庫内灯を兼ねるようになっている。そして、このチャンバ8内が照明された状態で、使用者は、チャンバ8内のターンテーブル9上に被解凍物を載置する。かくして、該被解凍物をチャンバ8が収容する状態として、その後にドア4を閉じる(これにより、ランプ26は消灯する)。
【0037】
そして、操作部5を操作することにより、解凍運転を開始させる。すると、制御装置46は、大気開放弁14と調圧弁15とを閉鎖させた状態で、真空ポンプ駆動用モータ20を作動させることにより、真空ポンプ18を駆動させ、これによって、真空ポンプ18が減圧管路19を介してチャンバ8内の空気を吸引し、該チャンバ8内の減圧をする。従って、チャンバ8内の気圧は、図8にEで示すように、大気圧の約101〔kPa〕(参考値:760〔Torr〕)から減じられるもので、このチャンバ8内の気圧Eが減圧平衡域Fに達するまで、真空ポンプ18を駆動させ続けて、減圧行程が実行される。この減圧行程により、被解凍物の予備解凍が行われる。
【0038】
なお、減圧平衡域とは、単位時間当たりの減圧量がきわめて小さくなる領域であり、この減圧平衡域における平衡圧力はチャンバ8内の飽和蒸気圧によって上下するが、この減圧平衡域に達したか否かの判断は、制御装置46が真空圧力センサ13からの圧力検知信号に基づき演算して行う。
【0039】
その後、制御装置46は、真空ポンプ18を停止させた状態で、調圧弁15を所定の開度で開放させる。これにより、チャンバ8内の気圧は、図8にGで示すように、減圧平衡域Fから上昇し復されるもので、このチャンバ8内の気圧Gが復圧上限値H{例えば約6.7〔kPa〕(参考値:50〔Torr〕)}に達するまで、調圧弁15を開放させ続けて、復圧行程が実行される。
【0040】
又、この復圧行程におけるチャンバ8内の気圧Gが一般的に真空放電を起こさない下限値P1 (例えば約1.3〔kPa〕(参考値:10〔Torr〕)を越えた後のI点からは、マグネトロン16からチャンバ8内へのマイクロ波の照射を開始する。
上記復圧上限値Hに達したか否かの判断も、制御装置46が真空圧力センサ13からの圧力検知信号に基づき演算して行う。
【0041】
この後、制御装置46は、調圧弁15を閉鎖させた状態で、再び真空ポンプ駆動用モータ20を作動させることにより、真空ポンプ18を駆動させて、減圧行程を実行する。そして、それにより、チャンバ8内の気圧E´が上述の一般的に真空放電を起こさない下限値P1 に達する手前のJ点に達するまで、上記マグネトロン16によるチャンバ8内へのマイクロ波の照射を継続することにより、被解凍物を加熱する。
【0042】
更にその後、制御装置46は、チャンバ8内の気圧E´が減圧平衡域F´に達した後、上述同様の復圧行程、減圧行程を、上述同様のマイクロ波の照射を伴って繰り返し実行する。すると、被解凍物の温度が上昇するのに伴い、チャンバ8内の飽和蒸気圧が上昇するので、減圧平衡域F、F´…における減圧値は漸次上昇し、この減圧平衡域F、F´…の減圧値が所定の値に達したと判断されたときに、大気開放弁14を開放させて解凍運転を終了する。
【0043】
このように、本構成のものでは、減圧状態で(チャンバ8内の気圧が復圧上限値H未満の状態にあるとき)マイクロ波を照射することにより被解凍物の解凍を行うもので、そして、その解凍中、チャンバ8内に放電が発生すれば、その放電光が、図1に示したカバー40の小孔41から、チャンバ8の開口31、及び圧力隔壁37を順に透過して、放電センサユニット21中の放電センサ24に達することにより、該放電センサ24がチャンバ8内における放電を検知し、放電検知信号を出力する。よって、制御装置46は、それに基づき、マイクロ波の照射を停止し、もしくは解凍運転を全面的に停止する。
【0044】
そして、このようにチャンバ8内における放電を検知する構造において、減圧されるチャンバ8内の領域と放電センサ24側の領域との間には、上述の圧力隔壁37を設け、更に、その圧力隔壁37の周囲部に弾性体38を装着して上記チャンバ8内領域と放電センサ245側領域とを気密に隔てている。
【0045】
従って、チャンバ8内領域と放電センサ24側領域とは圧力隔壁37により隔絶され、しかも、その圧力隔壁37の周囲部に装着した弾性体38にてチャンバ8内領域と放電センサ24側領域とが気密に隔てられることにより、チャンバ8内の放電を検知する放電センサ24に、チャンバ8内の減圧の悪影響が及ぶことのないようにできる。
【0046】
又、圧力隔壁37とチャンバ8内との間には放電光を透過してマイクロ波を遮断するカバー40を設けており、これによってマイクロ波が遮断されることにより、チャンバ8内に照射されたマイクロ波による悪影響が放電センサ24に及ぶこともないようにできる。
【0047】
加えて、本構成のものの場合、放電センサ24の近傍に、該放電センサ24の作動を確認するための光源としてランプ26を具えている。これにより、放電センサ24の作動の確認が、放電センサ24の近傍に設けたランプ26ででき、もってチャンバ8内に発生した放電の検知がより確実にできる。
又上述のランプ26と放電センサ24は、同一の回路基板27に実装しており、これによって、それらランプ26と放電センサ24とをコンパクトに組み合わせることができる。
【0048】
更に、ランプ26はチャンバ8内を照明する庫内灯を兼ねるようにもしており、その庫内灯を兼ねるランプ26で放電センサ24の作動の確認ができるので、放電センサ24の作動確認専用の光源を必要としない。
そのほか、放電センサ24は導電性部材であるケース22で覆っている。これにより、ケース22がノイズを遮断するので、放電センサ24をノイズから保護することができ、もってチャンバ8に発生した放電の検知がより確実にできる。
【0049】
又、放電センサ24を覆ったケース22には、通気孔23を有している。これにより、放電センサ24の保護がケース22でできながら、放電センサ24の冷却がケース24に形成した通気孔23でできる。
更に、放電センサ24を覆ったケース22を、圧力隔壁23を固定するのを兼ねてチャンバ8に取付けている。これにより、放電センサ24を覆うケース22の取付けで、圧力隔壁23の固定が同時にでき、それらの組み立てが合理的にできる。
【0050】
なお、カバー40はチャンバ8と一体に形成しても良い。又、ランプ26の点灯による放電センサ24の作動の確認は、ドア4開放時とは別に、例えば最初の減圧行程の初期等に行うようにしても良い。
そのほか、本発明は上記し且つ図面に示した実施例にのみ限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施し得る。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の真空マイクロ波解凍機によれば、主として、チャンバ内の放電を検知する放電センサに、チャンバ内の減圧による悪影響が及ばず、チャンバ内に照射されたマイクロ波による悪影響が及ぶこともないようにできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す、主要部分の縦断側面図
【図2】主要部分の分解斜視図
【図3】主要部分中の一部の組み立て過程を示す拡大縦断側面図
【図4】チャンバの正面図
【図5】全体の正面図
【図6】内部構成の概略縦断側面図
【図7】電気的構成のブロック図
【図8】解凍運転の説明図
【符号の説明】
8はチャンバ、15は調圧弁(復圧手段)、16はマグネトロン(マイクロ波発生器)、18は真空ポンプ(減圧手段)、22はケース(導電性部材)、23は通気孔、24は放電センサ、26はランプ(光源)、27は回路基板、37は圧力隔壁、38は弾性体、40はカバーを示す。
Claims (7)
- 被解凍物を収容するチャンバと、
このチャンバ内を減圧する減圧手段と、
前記チャンバ内を復圧する復圧手段と、
前記チャンバ内に照射するマイクロ波を発生するマイクロ波発生器と、
前記チャンバ内における放電を検知する放電センサとを具備し、
前記チャンバ内を減圧する行程とそのチャンバ内を復圧する行程とを交互に実行しつつ、チャンバ内にマイクロ波を照射して前記被解凍物の解凍を行うものにおいて、
前記チャンバ内領域と前記放電センサ側領域との間に放電光を透過する圧力隔壁を設け、
この圧力隔壁の周囲部に弾性体を装着して前記チャンバ内領域と前記放電センサ側領域とを気密に隔て、
圧力隔壁とチャンバ内との間に放電光を透過してマイクロ波を遮断するカバーを設けたことを特徴とする真空マイクロ波解凍機。 - 放電センサの近傍に、該放電センサの作動を確認するための光源を具えたことを特徴とする請求項1記載の真空マイクロ波解凍機。
- 放電センサと、これの作動を確認するための光源とを、同一の回路基板に実装したことを特徴とする請求項2記載の真空マイクロ波解凍機。
- 放電センサの作動を確認するための光源が、チャンバ内を照明する庫内灯を兼ねることを特徴とする請求項2記載の真空マイクロ波解凍機。
- 放電センサを導電性部材で覆ったことを特徴とする請求項1記載の真空マイクロ波解凍機。
- 放電センサがケースで覆われ、このケースが通気孔を有することを特徴とする請求項1記載の真空マイクロ波解凍機。
- 放電センサがケースで覆われ、このケースが圧力隔壁を固定するのを兼ねて取付けられていることを特徴とする請求項1記載の真空マイクロ波解凍機。
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