JP2003068444A - 真空マイクロ波解凍機 - Google Patents
真空マイクロ波解凍機Info
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Abstract
アーシール及び電磁波遮断を確実に行うことができる真
空マイクロ波解凍機を提供する。 【解決手段】 減圧工程と復圧工程とを繰り返し行いな
がらマイクロ波を照射して被解凍物を加熱し解凍を行う
真空マイクロ波解凍機1のチャンバー10内で被解凍物
を載置して回転動作するターンテーブル15の回転軸1
3の挿通部に、電磁波を遮断する電磁波シール部材25
と、チャンバー10内の圧力を保持するエアーシール部
材17a,17bとを附設する。
Description
ロ波を照射して被解凍物を加熱し解凍を行う真空マイク
ロ波解凍機に関する。
程と復圧工程とを繰り返し行いながら、減圧工程におい
てマイクロ波を照射して被解凍物を加熱し解凍を行う装
置であり、この種の真空マイクロ波解凍機には、被解凍
物を収容するチャンバーと、該チャンバー内を減圧する
真空ポンプと、該真空ポンプにより減圧したチャンバー
内を復圧する復圧手段と、上記減圧工程においてチャン
バー内へマイクロ波を照射するマイクロ波発生器とが備
えられている。
ャンバーの底部に回転軸を挿通すると共に、該回転軸の
先端部に被解凍物を載置するターンテーブルを取り付
け、このターンテーブルと共に被解凍物を回転動作さ
せ、マイクロ波を被解凍物に均等に照射し加熱すること
により、解凍を行っている。
マイクロ波解凍機では、減圧工程と復圧工程とを繰り返
し行いながら、減圧工程においてマイクロ波を照射して
被解凍物を加熱しているので、チャンバー内の圧力を保
持しなければならず、上記ターンテーブルの回転軸の挿
通部にエアーシール材を附設する必要がある。また、マ
イクロ波発生器からチャンバー内の被解凍物に電磁波の
一種であるマイクロ波を照射するので、上記ターンテー
ブルの回転軸の挿通部から電磁波が漏出しないよう対策
を講じる必要がある。
凍機では、上記ターンテーブルの回転軸の挿通部におけ
るエアーシール構造及び電磁波遮断構造に関する技術の
具体的な提案は成されていない。
軸の挿通部におけるエアーシール及び電磁波遮断を確実
に行うことができる真空マイクロ波解凍機を提供するこ
とを目的とする。
案されたもので、請求項1に記載のものは、被解凍物を
収容するチャンバーと、該チャンバー内を減圧する真空
ポンプと、上記チャンバー内を復圧する調圧弁と、上記
チャンバー内へマイクロ波を照射するマイクロ波発生器
とを有し、減圧状態でマイクロ波を照射して被解凍物を
加熱し解凍を行う真空マイクロ波解凍機において、上記
チャンバーの底部に開設した挿通部内に回転軸を挿通
し、該回転軸の下端に駆動源を接続し、回転軸の上端に
被解凍物を載置して回転するターンテーブルを設け、上
記挿通部に、電磁波を遮断する電磁波シール部材と、上
記チャンバー内の圧力を保持するエアーシール部材とを
附設し、電磁波シール部材がエアーシール部材よりもチ
ャンバー側に配置されていることを特徴とする真空マイ
クロ波解凍機である。
ル部材は出入口が回転軸の外周面に向けて開口する空間
部を有し、該空間部に侵入して反射して戻る電磁波と新
たに侵入してくる電磁波とが半波長ずれるように、上記
空間部の奥行き寸法を設定したことを特徴とする請求項
1に記載の真空マイクロ波解凍機である。
回転軸の外周面に対向する出入口から半径方向に延出し
て、その途中から回転軸の軸方向に屈曲していることを
特徴とする請求項2に記載の真空マイクロ波解凍機であ
る。
を参照して説明する。図1は、本実施形態の真空マイク
ロ波解凍機の外観を示す正面図である。図2は、本実施
形態の真空マイクロ波解凍機の右側面における内部構造
を示す概略図である。
クロ波解凍機1の筐体2は竪型装置として構成され、上
部には冷凍食品等の被解凍物を収容する食品収容部3が
配設されると共に、下部には後述する駆動モータや真空
モンプ等を収納する機械収納部4が配設され、最上部に
は制御装置を収納する制御部5が備えられており、この
制御部5の前面パネルには、被解凍物の重量や解凍時間
等を表示する表示部6と、電源のオン/オフや各種の設
定値等を入力する操作部7とが設けられている。また、
真空マイクロ波解凍機1の筐体2の下面には、本解凍機
1の移動を容易にするためのキャスター8が設けられて
いる。
真空マイクロ波解凍機1における食品収容部3の本体は
前面に開口部を有する中空箱体状のチャンバー10によ
って構成され、該チャンバー10は電磁波を遮断しうる
内壁構造を有する金属製耐圧気密容器として形成されて
いる。このチャンバー10の前面開口部には、チャンバ
ー10内を密閉状態で閉成しうるドア11が、例えば正
面右側端部をヒンジ部として開閉自在に取り付けられて
おり、該ドア11の開放側となる前面左側にはその開閉
操作の際に把持する把手12が取り付けられ、該ドア1
1とチャンバー10との間には電磁波が外部へ洩れるの
を防止するための電磁波シール材とチャンバー10内の
気密性を維持する気密シール材とが装着されている。
0内の底部に開設した挿通部には、回転軸13が縦方向
に挿通されており、この回転軸13の下端部には円柱凹
凸形状のオルダム継手24を介して減速機構付きモータ
(本発明の駆動源)16と接続されると共に、その上端
部には、拡径凹部状のテーブル受け13aが形成され、
該テーブル受け13aの凹部内にターンテーブル15の
裏面中心部に形成された突起状の取付部15aを挿入し
着座させて、ターンテーブル15を回転軸13に着脱自
在に取り付けている。
部にフランジ部32aを有して内周には上方へ向けて順
に拡径された下段部32b、中段部32c、上段部32
dを有する段付き円筒状ハウジング32内に挿通されて
おり、該ハウジング32内の上下2箇所に固定された上
部軸受14aと下部軸受14bとによって回転自在に支
承されている。このハウジング32のフランジ部32a
は、Oリング27を介して、上記チャンバー10の下部
に固定されたハウジング取付フランジ10aに固定ネジ
28により固定される。
14bの上下にはリング状のオイルシール部材17a、
17bが装着されており、上部のオイルシール部材17
aは下段部32bに配設され、上部軸受14aの周囲を
覆う状態で設けたオイルシール押え18により上から押
えられている。このオイルシール押え18の上部にはフ
ランジ部18aが形成されており、該フランジ部18a
は中段部16cに配され、固定ネジ19によりハウジン
グ32に固定されている。オイルシール部材17aは、
外周面にテーパーを形成したリップを有するグランドパ
ッキンであり、上記テーパーとは逆傾斜のテーパーを内
周面に形成したリングと嵌合し、両者に軸方向の合わせ
力が作用するとリップが回転軸13を絞り付けてシール
する。なお、リップが回転軸13の外周面に密着してシ
ール機能を発揮しても、回転軸13は支障なく回転する
ことができる。
としては、例えばフッ素ゴム等の潤滑性を有する柔軟材
が好ましく、上記ターンテーブル15の回転軸13の挿
通部において、チャンバー10内の圧力を保持するエア
ーシール部材として機能している。
れた電磁波シール部材25は、縦断面凹状の金属製の部
材であり、ハウジング32の上段部32dに内接し、且
つ、上部軸受14aの上端部の周囲を覆う状態で配設さ
れている。この電磁波シール部材25は、出入口を回転
軸13の外周面に対向する状態で形成した空間部29を
有し、出入口から空間部29内に侵入したマイクロ波を
反射して戻して新たに侵入してきたマイクロ波を相殺す
る機能を有し、略円筒状の電磁波シールド押え26の上
部においてフランジ部26aにより固定されており、該
フランジ部26aは固定ネジ33によりハウジング32
に固定されている。即ち、電磁波シール部材25は、空
間部29内で反射させたマイクロ波により新たに侵入し
てきたマイクロ波を相殺することにより、上記ターンテ
ーブル15の回転軸13の挿通部から漏出しようとする
電磁波を遮断する機能を有しており、上記回転軸13の
挿通部において、電磁波シール部材25がエアーシール
部材としてのオイルシール部材17a,17bよりもチ
ャンバー側に配置されている。
空間部29は、出入口から戻るマイクロ波と新たに侵入
してくるマイクロ波とが半波長ずれるように上記空間部
29の奥行き寸法が設定されている。そして、本実施形
態における空間部29は、回転軸13の外周面に対向す
る出入口29′から半径方向に延出して、その途中から
回転軸13の軸方向に屈曲している。
波長、すなわち波長の位相を半分ずらすには、図4に示
すように、回転軸13の外周面に向けて開口する出入口
29′から半径方向に延出した空間の半径方向の長さを
L1、この空間から回転軸13の軸方向に屈曲した空間
の上下長さをL2とした場合、出入口29′からの奥行
き長さ(L1+L2)が波長の4分の1となるように設
定すればよい。即ち、 L1+L2=λ/4 で表わされる。ここで、λ:波長、C:光速、Hz:発
振周波数とすると、 λ=C/Hz=3×1011/2.46×109=12
1.95mm となるから、 λ/4=121.95/4=30.5mm が得られる。したがって、(L1+L2)を30mmに
設定する必要がある。
磁波と新たに侵入してくる電磁波とが半波長ずれるよう
に寸法設定すると、電磁波同士が打ち消しあって確実に
遮断されることになる。上記電磁波シール部材25の材
質としては、マイクロ波が反射し易い金属、例えばアル
ミニウム材が好ましい。
電磁波シール部材25を、エアーシール部材としてのオ
イルシール部材17a,17bよりもチャンバー側に配
置しているのは、エアシール機能を有するオイルシール
部材17a,17bの電磁波透過性を考慮するからであ
り、電磁波の影響をエアーシール部材に与えることな
く、確実に電磁波シールとエアーシールとを行うことが
できる。
ンバー内に連通した直状導波管20及びレジューサ導波
管21を介して、該チャンバー内へマイクロ波を照射し
て上記ターンテーブル15上に載置された被解凍物を加
熱するためのマイクロ波発生器22がフランジ接続され
ている。本実施形態では、マイクロ波発生器22として
マグネトロンが採用されており、直状導波管20とレジ
ューサ導波管21とのフランジ接続部23にはマイクロ
波を透過しうる圧力隔壁が介設されている。
波の照射によりチャンバー内で放電が生じた場合に、こ
れを検出する放電検出センサー30が設けられており、
この放電検出センサー30としては放電現象の有無を紫
外線(UV)の検出により判定するUVセンサーが採用
されている。また、チャンバー10の上部前方には、チ
ャンバー内の圧力を検出する真空圧力センサー31が設
けられている。
の圧力を大気開放する大気開放弁40、及びチャンバー
内の圧力を調整する調圧弁41が備えられている。ま
た、チャンバー10の背面には、チャンバー内を減圧す
る減圧系43が接続され、この減圧系43には逆止弁4
4を介してポンプ駆動モータ45により駆動される真空
ポンプ46が接続されている。上記大気開放弁40及び
調圧弁41は、上記制御部5に収納された制御装置によ
る開閉制御を可能とするため、例えば電磁弁によって構
成されている。
機における制御系を示すブロック図である。前記した制
御部5に収納された制御装置50は、例えばROM51
に記録した制御プログラムを実行するマイクロコンピュ
ータ等により構成され、この制御装置50には、ターン
テーブル15を回転駆動するテーブル駆動モータ16の
電源制御系52と、上記真空ポンプ46を駆動するポン
プ駆動モータ45の電源制御系53と、上記大気開放弁
40の開閉制御系54と、上記調圧弁41の開閉制御系
55と、上記マイクロ波発生器22の電源制御系56
と、上記放電検出センサー30の検出値入力系57と、
上記真空圧力センサー31の検出値入力系58と、上記
操作部7の設定値等の入力系59と、上記表示部6の表
示出力系60とが接続されており、制御装置50は上記
操作部7の設定値や、上記放電検出センサー30及び真
空圧力センサー31の検出値等に基づいて、ROMに記
録された制御プログラムに従って上記ポンプ駆動モータ
45やマイクロ波発生器22等の各機器を駆動制御す
る。
1を用いて実施する本実施形態の真空マイクロ波解凍方
法について説明する。図6は、本実施形態の真空マイク
ロ波解凍機1における解凍サイクルを示す説明図であ
る。
クロ波解凍機1は、減圧工程G、G′、G″…と復圧工
程F、F′…とを繰り返し行いながらマイクロ波を照射
M、M′…して被解凍物を加熱し解凍を行う装置であ
る。なお、真空ポンプ46は減圧工程は勿論のこと復圧
工程中も作動し続ける。
11を開放してターンテーブル15上に冷凍食品等の被
解凍物を載置し、再びドア11を閉成して密閉状態と
し、チャンバー10内に被解凍物を収容する。なお、大
気開放弁40及び調圧弁41は閉成状態とする。
空ポンプ46を作動させ、減圧系43を介してチャンバ
ー10内の減圧を開始する。すると、オイルシール17
aのリップが回転軸13の外周面に密着してシールして
いるので、外気がチャンバー10内にリークすることが
阻止されている。したがって、大気圧の101.3kP
a(760Torr)からA点を経て徐々に減圧度が減
少し、減圧平衡域Bまで減圧工程Gが行われ、この減圧
工程Gにおいて被解凍物の予備乾燥がなされる。
る減圧度が極めて低下する領域であり、例えば30秒間
(Δt)における減圧度(ΔP)がΔP/Δt<13.
3Pa(0.1Torr)となったときに減圧平衡域に
達したと把握するが、該減圧平衡域における平衡圧力は
チャンバー内の飽和蒸気圧により上下する。なお、この
減圧平衡域に到達したか否かは、真空圧力センサー31
からの圧力信号に基づいて制御装置が演算して判断す
る。
後、上記調圧弁41を後述する所定の開度で開放して復
圧工程Fへと移行し、復圧工程Fの減圧度が真空放電を
起こさない下限値P1〔本実施形態では多少余裕を見て
1.33kPa(10Torr)に設定〕を超えた後の
C点のときに、上記マグネトロン22によるマイクロ波
の照射Mを開始し、予め設定した復圧上限値Dまで復圧
したときに真空圧力センサーからの圧力信号に基づいて
制御装置が上記調圧弁41を閉成し、その後再度減圧工
程G′へ移行する。そして、その減圧度が真空放電を起
こさない下限値P1に達する手前のA′点まで上記マグ
ネトロン22によるマイクロ波の照射Mを継続して被解
凍物を加熱し、このA′点においてマイクロ波の照射を
停止する。
ように、チャンバー10の底部の挿通部、特に回転軸1
3の周囲の隙間を通ってマイクロ波が外部に漏出しよう
としても、前記空間部29で打ち消されてしまう。した
がって、チャンバー10内からマイクロ波が外部に漏出
することはない。
さない減圧度の下限値P1は、上述したように、1.3
3kPa(10Torr)に設定されている。即ち、復
圧工程Fにおける減圧度が1.33kPa(10Tor
r)を超えた後のC点のときに、上記マグネトロン22
によるマイクロ波の照射Mを開始し、予め設定した復圧
上限値Dまで復圧した後に再度減圧工程G′へ移行する
と共に、その減圧度が1.33kPa(10Torr)
に達する手前のA′点まで上記マグネトロンによるマイ
クロ波の照射Mを継続して被解凍物を加熱する。このよ
うに復圧工程Fの途中から減圧工程G′にわたってマイ
クロ波の照射Mを行っているため、減圧工程でのみ照射
する従来に比較して、復圧工程と減圧工程とからなる1
解凍サイクルにおける照射時間を充分に確保することが
できる。
るマグネトロン22の出力と真空ポンプ46の減圧能力
とチャンバー10の容積によって設定される可変な圧力
値であり、本実施形態では、調圧弁41の絞り弁41′
の絞りを調整することにより、6.66kPa(50T
orr)に設定されている。したがって、6.66kP
a(50Torr)まで復圧すると、調圧弁41からの
リークと真空ポンプ46の吸引能力がバランスして、調
圧弁41を閉じない限り6.66kPa(50Tor
r)を維持して圧力上昇はしない。
の圧力値が、マイクロ波を照射するマグネトロン22の
出力と真空ポンプ46の減圧能力とチャンバー10の容
積に応じて適宜設定されるので、真空放電発生域に入る
までに過不足のないマイクロ波の照射時間を採ることが
でき、しかも効率良く減圧できる。
する手段として、本実施形態では真空圧力センサー31
からの信号により検知し、これにより制御装置が調圧弁
43を閉じて減圧工程に移行するように構成したが、本
発明はこれに限らず、タイマー制御により停止してもよ
い。
平衡域B′までの減圧過程において、被解凍物を昇華冷
却する。このように減圧工程G′におけるA′点までマ
イクロ波を照射して被解凍物を加熱した後、A′点から
減圧平衡域B′までの減圧過程において被解凍物を昇華
冷却するのは、マイクロ波を照射して被解凍物を加熱す
ると、被解凍物の表面部分の温度が中心部分の温度より
も高くなり、そのまま加熱を継続すると表面部分にドリ
ップが発生するなどの不都合が生じるからであり、昇華
により表面部分を冷却して内外の温度差を縮めるためで
ある。
れて表面部分の温度が低下していくとともに、表面部分
の熱が中心部分に移動(熱伝導)して中心部分を昇温す
る。これにより被解凍物の温度が均一化されて、全体と
して被解凍物の温度が上昇し解凍が促進されることにな
る。また、被解凍物の温度が均一化されながら、全体と
して被解凍物の解凍が促進されるので、部分的に解凍が
進行してドリップが発生したり、このドリップにマイク
ロ波が集中する不都合を防止することができる。
工程Fの減圧度が真空放電を起こさない下限値P1であ
る1.33kPa(10Torr)を超えた後のC点の
ときにマイクロ波の照射Mを開始し、予め設定した復圧
上限値Dである6.66kPa(50Torr)まで復
圧した後に再度減圧工程G′へ移行すると共に、その減
圧度が真空放電を起こさない下限値P1であるA′の
1.33kPa(10Torr)に達する手前までマイ
クロ波の照射Mを継続して加熱し、マイクロ波の照射M
の停止後に、減圧平衡域B′までの減圧過程において昇
華冷却する解凍サイクルを1サイクルとして、この解凍
サイクルを繰り返し行う。
減圧工程G′を行った後復圧工程F′へ移行し、復圧工
程F′の減圧度が真空放電を起こさない下限値P1であ
る1.33kPa(10Torr)を超えた後のC′点
のときにマイクロ波の照射M′を再び開始し、予め設定
した復圧上限値D′である6.66kPa(50Tor
r)まで復圧した後に再度減圧工程G″へ移行すると共
に、その減圧度が真空放電を起こさない下限値P1であ
るA″の1.33kPa(10Torr)に達する手前
までマイクロ波の照射M′を継続して加熱し、マイクロ
波照射を再度停止した後、減圧平衡域B″までの減圧過
程において昇華冷却する解凍サイクルを2サイクル目と
して行う。各復圧工程F、F′…における復圧特性は、
復圧弁41の絞り弁41′の設定に依存しているので、
各解凍サイクルにおいて一定、即ち、復圧曲線のカーブ
が各解凍サイクルにおいて一定であり、これにより安定
した解凍を行うことができる。
ルを繰り返し行うと、チャンバー10内の飽和蒸気圧が
被解凍物の温度上昇に伴って上昇するので、上記減圧平
衡域B、B′、B″…の減圧度は解凍サイクルの繰り返
しに伴い順次上昇する現象を示す。そこで、この減圧平
衡域B、B′、B″…における減圧度が所定の値に達し
たときに解凍サイクルを終了する。すなわち、所望する
解凍温度は飽和蒸気圧の領域設定で行うことができ、こ
の設定領域で減圧平衡になったならば所望解凍温度にな
ったものとして解凍操作を終了する。そして、この設定
領域になるまでの解凍サイクルの繰り返しサイクル数
は、被解凍物の質量やマグネトロン22の出力、及び真
空ポンプ46の減圧能力等によっても異なり、本実施形
態では、図6におけるP2Aの圧力値を480Pa
(3.6Torr)、P2Bの圧力値を453Pa
(3.4Torr)として、上記減圧平衡域B、B′、
B″…における減圧度がP2A〜P2Bの間の値に達し
たときに、被解凍物の温度が約−3℃に成ったものと想
定して解凍サイクルを終了する。
が決定されると、大気開放弁40が開放されると共に、
ポンプ駆動モータ45の電源を遮断して真空ポンプ46
が停止され、収納室9内が大気圧に戻るとドア11の開
放が可能となり、チャンバー10内から約−3℃に解凍
された被解凍物を取り出すことができるものである。
の理由により放電現象が生じた場合には、上記放電検出
センサー30がUVの発生によりこれを検知し、制御装
置50が電源制御系56を介してマグネトロン22を強
制的に停止し、これによりチャンバー10の内壁等の損
傷を防止する。
品として説明したが、本発明で解凍する被解凍物は食品
に限定されるものではなく、血液、血清、精液、薬品な
どでもよい。
の真空マイクロ波解凍機によれば、以下のような優れた
効果を奏する。即ち、請求項1に記載の発明によれば、
チャンバー内で被解凍物を載置して回転動作するターン
テーブルの回転軸の挿通部に、電磁波を遮断する電磁波
シール部材と、チャンバー内の圧力を保持するエアーシ
ール部材とを附設することにより、上記挿通部における
エアーシール及び電磁波遮断を確実に行うことができ
る。そして、電磁波シール部材がエアーシール部材より
もチャンバー側に配置されていることにより、電磁波の
影響をエアーシール部材に与えることなく、確実に電磁
波シールとエアーシールとを行うことができる。したが
って、エアーシール部材の材質がマイクロ波の影響を受
け易い材質であったとしても使用することができる。
クロ波と新たに侵入してくるマイクロ波とが半波長ずれ
るように、電磁波シール部材の空間部の奥行き寸法を設
定するので、回転軸の回転に支障なく、挿通部から漏出
しようとするマイクロ波を確実に遮断することができ
る。
材の空間部が、回転軸の外周面に対向する出入口から半
径方向に延出して、その途中から回転軸の軸方向に屈曲
しているので、小型化を図ることができる。
す正面図である。
おける内部構造を示す概略図である。
ターンテーブルの回転軸の挿通部における構造を示す概
略図である。
電磁波シール部材の寸法設定について説明する概略図で
ある。
御系を示すブロック図である。
凍サイクルを示す説明図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 被解凍物を収容するチャンバーと、該チ
ャンバー内を減圧する真空ポンプと、上記チャンバー内
を復圧する調圧弁と、上記チャンバー内へマイクロ波を
照射するマイクロ波発生器とを有し、減圧状態でマイク
ロ波を照射して被解凍物を加熱し解凍を行う真空マイク
ロ波解凍機において、 上記チャンバーの底部に開設した挿通部内に回転軸を挿
通し、該回転軸の下端に駆動源を接続し、回転軸の上端
に被解凍物を載置して回転するターンテーブルを設け、
上記挿通部に、電磁波を遮断する電磁波シール部材と、
上記チャンバー内の圧力を保持するエアーシール部材と
を附設し、電磁波シール部材がエアーシール部材よりも
チャンバー側に配置されていることを特徴とする真空マ
イクロ波解凍機。 - 【請求項2】 前記電磁波シール部材は出入口が回転軸
の外周面に向けて開口する空間部を有し、該空間部に侵
入して反射して戻る電磁波と新たに侵入してくる電磁波
とが半波長ずれるように、上記空間部の奥行き寸法を設
定したことを特徴とする請求項1に記載の真空マイクロ
波解凍機。 - 【請求項3】 前記空間部は、回転軸の外周面に対向す
る出入口から半径方向に延出して、その途中から回転軸
の軸方向に屈曲していることを特徴とする請求項2に記
載の真空マイクロ波解凍機。
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---|---|---|---|
JP2001258383A JP3920601B2 (ja) | 2001-08-28 | 2001-08-28 | 真空マイクロ波解凍機 |
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JP2003068444A true JP2003068444A (ja) | 2003-03-07 |
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