JP3769027B2 - シクロペンテノン類のα型結晶 - Google Patents

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Description

発明の属する技術分野
本発明は、医薬品、食品及び飲料の分野で有用な制がん作用等の生理活性を有するトランス−4,5−ジヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−オンのα型結晶に関する。
従来の技術
トランス−4,5−ジヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−オンは制がん作用等の生理活性を有し、医薬品、食品及び飲料の分野で有用な化合物である。
トランス−4,5−ジヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−オンの製法としては化学合成法〔カーボハイドレート リサーチ(Carbohydrate Res.)、第217〜222頁(1993)〕が知られている。またWO98/13328号公報には実用的な製造方法として、ウロン酸又はウロン酸誘導体を加熱処理し、加熱処理物中からトランス−4,5−ジヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−オンを採取する方法が記載されている。上記の方法で得られるトランス−4,5−ジヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−オンには結晶の記載はいずれもない。また、シス−4,5−ジヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−オンの製法としてはヘルベチカ キミカ アクタ(Helvetica Chimica Acta)、第55巻、第2838〜2844頁(1972)に記載されており、最終的に昇華物として得られている。
発明が解決しようとする課題
上記の実用的な製法で得られたトランス−4,5−ジヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−オン水溶液の減圧濃縮残渣及び凍結乾燥物は赤褐色の通常水分を10〜20%含むシロップ状の物質えあり、取扱いにくく、熱安定性も良好ではなかった。
本発明はトランス−4,5−ジヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−オンの純度、熱安定性及び取扱い性を改善することを目的とするものである。
課題を解決するための手段
本発明者らはトランス−4,5−ジヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−オン(以下、単にシクロペンテノンと略す)水溶液からシクロペンテノンを有機溶媒で抽出し、抽出液の減圧濃縮物から結晶化させること、シクロペンテノン水溶液の減圧濃縮残渣又は凍結乾燥物からシクロペンテノンを有機溶媒で抽出し、その抽出液から結晶化させること、又はシクロペンテノン水溶液の減圧濃縮残渣又は凍結乾燥物をアルコール等に溶かし、そのアルコール溶液に有機溶媒を加えて結晶化させることにより、特定のX線回折パターンを有する安定な結晶が得られることを見出し、当該結晶をシクロペンテノンα型結晶と命名した。
本α型結晶は、従来のシクロペンテノン水溶液の減圧濃縮残渣及び凍結乾燥物に比べて純度が著しく向上していること及び熱安定性においても非常に改善されていることを見出し、本発明を完成した。
本発明を概説すれば、本発明は、トランス−4,5−ジヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−オンのα型結晶に関する。
【図面の簡単な説明】
図1はシクロペンテノンのα型結晶のX線回折図である。
図2はシクロペンテノンのα型結晶の示差走査熱量分析の結果を示す図である。
図3は参考例1で得られたシクロペンテノン水溶液の凍結乾燥物のクロマトグラムを示す図である。
図4は実施例1で得られたα型結晶のクロマトグラムを示す図である。
図5は実施例3で得られたα型結晶のクロマトグラムを示す図である。
発明の実施の形態
以下、本発明を具体的に説明する。
本発明において使用するシクロペンテノンは、前出カーボハイドレート リサーチ記載の化学合成法により合成することができる。またシクロペンテノンはウロン酸、ウロン酸誘導体、ウロン酸含有糖化合物、ウロン酸誘導体含有糖化合物、ウロン酸含有糖化合物含有物又はウロン酸誘導体含有糖化合物含有物から選択される少なくとも1種の物の加熱処理物中に生成する化合物であって、本発明ではその精製物を使用することができる。
ウロン酸はグリクロン酸ともいい、アルドースのアルデヒド基はそのままにして他端の第1アルコール基だけをカルボキシル基に酸化したヒドロキシアルデヒド酸の総称であり、天然では動植物の各種の多糖の構成成分として存在する。ウロン酸を含有する多糖としては、ペクチン、ペクチン酸、アルギン酸、ヒアルロン酸、ヘパリン、ヘパラン硫酸、フコイダン、コンドロイチン硫酸、コンドロイチン、デルマタン硫酸等があり、種々の生理機能が知られている。
本発明で使用することができるウロン酸は特に限定されるものでなく、例えばガラクツロン酸、グルクロン酸、グルロン酸、マンヌロン酸、イズロン酸等があり、ウロン酸の誘導体としては、それらのラクトン、それらのエステル、それらのアミド、それらの塩等があり、加熱処理によりシクロペンテノンを生成する物はすべて本発明の誘導体に包含される。ウロン酸のラクトンとしてはグルクロノ−6,3−ラクトン(以下、グルクロノラクトンと略記する)、マンヌロノ−6,3−ラクトン、イズロノ−6,3−ラクトン等が例示される。ウロン酸エステルとしては、例えばメチルエステル、エチルエステル、プロピレングリコールエステル、カルボキシメチルエステル等があり、ウロン酸より製造することができる。またウロン酸のアミド化によりウロン酸アミドも製造することができる。更にこれらの塩は常法により製造することができる。
次に本明細書において、ウロン酸、ウロン酸誘導体を含有する糖化合物とは、ウロン酸及び/又はウロン酸誘導体を含有する糖化合物を意味し、それらは特に限定されるものでなく、例えばペクチン、ペクチン酸、アルギン酸、ヒアルロン酸、ヘパリン、ヘパラン硫酸、フコイダン、コンドロイチン硫酸、コンドロイチン、デルマタン硫酸、それらの化学的、酵素的、物理的処理物である、その分解物、分解物の誘導体、分解物の塩を使用することができる。
本発明においてウロン酸含有糖化合物含有物及び/又はウロン酸誘導体含有糖化合物含有物とは、ウロン酸含有糖化合物及び/又はウロン酸誘導体含有糖化合物の含有物を意味し、上記のウロン酸含有糖化合物及び/又はウロン酸誘導体含有糖化合物の含有物であれば特に限定はない。
例えば、ウロン酸としてD−グルクロン酸を使用し、その1%溶液を121℃で4時間加熱処理することにより、加熱処理物中にシクロペンテノンが生成する。この加熱物中のシクロペンテノンを溶媒で抽出し、抽出物を濃縮する。次にこの濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離し、溶出するシクロペンテノン画分を濃縮し、濃縮物からシクロペンテノンをクロロホルムで抽出し、抽出濃縮物の順相カラムクロマトグラフィーを行うことにより、加熱処理物中のシクロペンテノンが精製される。
シクロペンテノンの物性を下記に示す。なおシクロペンテノンの質量分析はDX302質量分析計(日本電子社製)を用いて行った。また、重クロロホルム溶媒を用いたNMRスペクトルの測定はJNM−A500(日本電子社製)を用いた。比旋光度はDIP−370型旋光計(日本分光社製)、UV吸収スペクトルはUV−2500分光光度計(島津製作所社製)、赤外吸収スペクトル(IR)はFTIR−8000赤外分光光度計(島津製作所社製)をそれぞれ用い測定した。
FAB−MS m/z 115〔M+H〕+
マトリックスとしてグリセロールを用いた。
1H−NMR(CDCl3
δ4.20(1H,d,J=2.4Hz,5−H)、4.83(1H,m,4−H)、6.30(1H,dd,J=1.2,6.1Hz,2−H)、7.48(1H,dd,J=2.1,6.1Hz,3−H)
但し、1H−NMRの化学シフト値はCHClの化学シフト値を7.26ppmとして表した。
これらの値は前出カーボハイドレート リサーチ記載のシクロペンテノンの数値とほぼ一致した。
旋光度:〔α〕D 20 0°( 1.3、水)
IR(KBr法):3400、1715、1630、1115、1060、1025cm-1に吸収を有する。
UV:λmax 215nm(水)
本発明のシクロペンテノンのα型結晶は、例えば次の方法により製造することができる。
シクロペンテノンの製造方法には特に限定はなく、例えば、後記参考例1、2に記載の方法により製造される。
本発明で使用される有機溶媒としては、酢酸エチルエステル、酢酸ブチルエステル、クロロホルム、エチルエーテル、n−ヘキサン、アセトン、メタノール、エタノール、酢酸等が挙げられるが、それらの有機溶媒は単一溶媒、又は、混合溶媒として使用しうる。単一溶媒としては酢酸エチルエステル、酢酸ブチルエステル、クロロホルム、エチルエーテル等が使用できるが、特に酢酸エチルエステル、酢酸ブチルエステルが好適である。また、混合溶媒としては、シクロペンテノンのメタノール、エタノール、又はアセトン溶液に酢酸エチルエステル、酢酸ブチルエステル、クロロホルム、エチルエーテル又はn−ヘキサンを加えることにより結晶化できるが、特にシクロペンテノンのエタノール溶液に酢酸エチルエステル及びn−ヘキサンを加えることにより結晶化するのが良い。
シクロペンテノンの結晶化を単一有機溶媒で行う場合は、例えば酢酸エチルエステルで減圧濃縮残渣又は凍結乾燥物を抽出し、その抽出液を濃縮し結晶化させる方法が、純度及び収率面で好ましい。
例えば参考例1で得られた減圧濃縮残渣又は凍結乾燥物を酢酸エチルエステルで抽出し、その抽出液を濃縮し、放置することによりα型結晶を得ることができる。
また、混合溶媒で行う場合は少量のメタノール又はエタノールに減圧濃縮残渣又は凍結乾燥物を溶かし、酢酸エチルエステル及びn−ヘキサンを加えて結晶化させることができる。
例えば参考例1で得たシクロペンテノンの減圧濃縮残渣又は凍結乾燥物を少量のメタノール又はエタノールに溶かし、酢酸エチルエステル及びn−ヘキサンを加えてもα型結晶を得ることができる。加える酢酸エチルエステル及びn−ヘキサンの量は溶かしたメタノール又はエタノールの量により異なるがエタノール溶液の場合、4倍量の酢酸エチルエステル及び2倍量のn−ヘキサンを加えるのが望ましい。
またシクロペンテノン水溶液に酢酸ブチルエステルと酢酸を添加、混合し、得られる上層液にシクロペンテノンを転溶し、該上層液の減圧濃縮液よりシクロペンテノンを結晶化させても良い。なおシクロペンテノンの抽出は、例えばシクロペンテノン水溶液:酢酸ブチルエステル:酢酸=1:1〜50:0.1〜10、好適にはシクロペンテノン水溶液:酢酸ブチルエステル:酢酸=1:2〜20:0.5〜4で行えば良く、上層中にシクロペンテノンが効率良く抽出され、かつ本発明のα型結晶が効率良く得られる、シクロペンテノン水溶液、酢酸ブチルエステル、酢酸の割合であれば良い。
結晶化する時のシクロペンテノンの濃度としては結晶化しうる濃度なら何でも良いが、シクロペンテノン濃度としては10〜1000mg/mlが好適である。
放置温度は、シクロペンテノンが分解しない温度なら特に制限はないが、−20℃〜常温が実用的である。結晶化に要する時間は、1晩〜3日であり、通常は1晩で結晶が得られる。この時あらかじめ得たα型結晶を接種することにより、結晶化を速めることができる。
析出した結晶を吸引ろ過や遠心ろ過により、ろ取し、乾燥することによりα型結晶を得ることができる。
以下、本発明のシクロペンテノンのα型結晶について説明する。
1.元素分析
柳本CHNコーダーMT−3型を使用し、後記実施例3で得られた本発明のシクロペンテノンのα型結晶元素分析を行った。結果を表1に示す。
Figure 0003769027
2.X線回折パターン
グラファイトモノクロメータを使用したCu放射装置及びシンチレーションカウンター検出器を備えたX線回折装置(理学電機社製、RU-200)によって、後記実施例1で得られた本発明のシクロペンテノンのα型結晶のX線回折パターンを測定した。その結果を表2及び図1に示す。
すなわち図1は、本発明のシクロペンテノンのα型結晶のX線回折図であり、回折角2θ(度、横軸)と回折強度(cps、縦軸)との関係で示した図である。
なお本発明において実質上、下記のX線回折パターンを有するとは、本発明のα型結晶が特徴的なパターンとして下記表2のパターンを有し、このパターンが測定機器若しくは試料の調製条件等の相違に基づいて、生じうる変動の範囲にあることを意味する。
Figure 0003769027
3.熱分析
島津示差走査熱量計(DSC-50)によって測定した、本発明のシクロペンテノンのα型結晶の示差走査熱量分析の結果を図2に示す。
すなわち図2は、実施例3で得られた本発明のシクロペンテノンのα型結晶の示差走査熱量分析の結果を示す図であり、温度(℃、横軸)と電気量(mW、縦軸)との関係で示した図である。
4.純度
島津高速液体クロマトグラフ装置を使用して下記の条件で、参考例1で得られたシクロペンテノン水溶液の凍結乾燥物、及び後記実施例1と3で得られたα型結晶を分析し、そのクロマトグラムの面積百分率から得られた純度を表3に示す。図3に凍結乾燥物のクロマトグラムを示す。図4に実施例1で得られたα型結晶のクロマトグラムを示す。また図5に実施例3で得られたα型結晶のクロマトグラムを示す。なお図3〜図5において縦軸は屈折強度、横軸は溶出時間(分)を示す。
クロマトグラフィー条件
カラム:DAISOPAK SP-120-5-ODS-BP(ダイソー社製) 4.6mm×25cm
カラム温度:40℃
移動相:0.01%トリフルオロ酢酸水溶液
流速:0.5 ml/min
検出器:示差屈折計
試料注入量:1μl(10 mg/ml)
Figure 0003769027
なお純度(%)とは高速クロマトグラフィーを用いて得られたクロマトグラムのシクロペンタノンのピーク面積を全ピーク面積の合計で割り、100倍したものである。したがって、水分を含まない固形物中のシクロペンテノンの量比を表している。
表3に示されるように、本発明のシクロペンテノンのα型結晶は凍結乾燥物に比べて純度が著しく向上した。
5.熱安定性
参考例1で得られたシクロペンテノンの凍結乾燥物と実施例1で得られたα型結晶の熱安定性を比較するために、開始時と40℃、6日間放置後のシクロペンテノンを下記の定量法を用いて定量した。結果を表4に示す。
定量法:シクロペンテノン試料0.1gを水100mlに溶解し、この2mlを50倍に希釈する。この液につき波長215nm付近の吸収極大の波長における吸光度Aを測定する。シクロペンテノン量(mg/ml)は、下記の式に従って算出される。
シクロペンテノン量(mg/ml)=(A÷773.4)×50000
Figure 0003769027
表4における含量(%)は試料中のシクロペンテノンの量比(%)を示しており、シクロペンテノン以外のものは水分及び不純物である。
表4に示されるように、本発明のシクロペンテノンのα型結晶は凍結乾燥物に比較して熱安定性が著しく改善された。
実施例
次に、本発明のシクロペンテノンのα型結晶の製造方法を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
参考例1
市販のグルクロノラクトン(ナカライテスク社製)500gを38リットルの水に溶解し、水蒸気を吹込んで125℃で5時間加熱した。冷却後減圧下濃縮し、NaOHで濃縮液をpH5.0に調整した。この液を水で平衡化したダイヤイオンSA−10A(三菱化学社製)を用いた陰イオン交換カラム(20リットル)にチャージし、水で溶出してくる非吸着画分24リットルを得た。
この画分を減圧下、2.8リットルまで濃縮し、終濃度2MになるようにNaClを加え、2M NaCl水溶液で平衡化した合成吸着剤SP−207(三菱化学社製)カラム(15リットル)に2回に分けてチャージした。2M NaCl水溶液でカラムを洗浄し、0.1M NaCl水溶液で溶出される画分合計78リットルを得た。
この画分を減圧下11リットルまで濃縮し、濃縮液に対して上記と同様のSP−207カラムクロマトグラフィーを行い24リットルの溶出液を得た。但し、すべての試料を1回のクロマトグラフィーにかけ、溶出は水で行った。
溶出液を減圧下100mlまで濃縮し、AC−110−10透析膜(旭化成社製)を用いた電気透析により脱塩し、シクロペンテノンの6%溶液100mlを得た。このシクロペンテノン溶液を減圧下濃縮し、赤褐色の濃縮残渣を調製した。またこのシクロペンテノン溶液を凍結乾燥し、赤褐色の凍結乾燥物を調製した。
参考例2
グルクロノラクトン500gを38リットルの水に溶解し、水蒸気を吹込んで125℃で5時間加熱した。冷却後減圧下濃縮し、濃縮液を水で平衡化したダイヤイオンSA−10Aを用いた陰イオン交換カラム(20リットル)にチャージし、通過液及び水で溶出してくる非吸着画分計73リットルを得た。
この画分を減圧下、3リットルまで濃縮し、終濃度2MになるようにNaClを加え、2M NaCl水溶液で平衡化した合成吸着剤SP−207カラム(15リットル)に2回に分けてチャージした。2M NaCl水溶液でカラムを洗浄し、0.1M NaCl水溶液で溶出される画分合計73リットルを得た。
この画分を減圧下3リットルまで濃縮し、濃縮液に対して上記と同様のSP−207カラムクロマトグラフィーを行い30リットルの溶出液を得た。但し、すべての試料を1回のクロマトグラフィーにかけ、溶出は水で行った。
溶出液を減圧下150mlまで濃縮し、AC−110−10透析膜(旭化成社製)を用いた電気透析により脱塩し、7.2%シクロペンテノン水溶液150mlを得た。
実施例 1
参考例1で得られたシクロペンテノンの凍結乾燥物120gに酢酸エチルエステル1.5リットルを加え、60℃に加熱し、抽出した。得られた酢酸エチルエステル抽出液を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。濃縮残渣を酢酸エチルエステル0.5リットルに加熱溶解し、5℃に1晩放置し結晶化させた。結晶を吸引ろ過し、減圧乾燥することにより、淡黄色のα型結晶50.9gを得た。
実施例 2
参考例1で得られたシクロペンテノンの減圧濃縮残渣10gをエタノール5mlに溶かし、酢酸エチルエステル20ml、n−ヘキサン10mlを加え、実施例1で得られた少量のα型結晶を接種し、5℃に1晩放置する。析出した結晶を吸引ろ過し、減圧乾燥し、淡黄色のα型結晶4.3gを得た。
実施例 3
実施例1で得られたα型結晶10gに酢酸エチルエステル50mlを加え、加熱溶解した。冷却後、実施例2で得られたα型結晶を接種し、10℃に1晩放置し結晶化させた。得られた結晶を吸引ろ過し、減圧乾燥することにより、微黄色のα型結晶7.6gを得た。
実施例 4
参考例2に記載のシクロペンテノンの7.2%溶液26.6mlに対し、酢酸ブチルエステル266ml、酢酸206.6mlの割合で混合、かくはんし、上層にシクロペンテノンを抽出した(1次抽出液)。下層1に対し、酢酸ブチルエステル5、酢酸1の容積比の割合で添加し、混合、かくはん後、上層を回収した(2次抽出液)。1次抽出液、2次抽出液を合わせ、減圧下濃縮し、抽出液の濃縮物15.5mlを得た。5℃で該溶液に実施例1で得たα型結晶を接種し、少し結晶が析出した後、−20℃に1晩放置し結晶化させた。得られた結晶を吸引ろ過し、減圧乾燥することにより、微黄色のα型結晶492mgを得た。
発明の効果
本発明のシクロペンテノンのα型結晶は、シクロペンテノンの高純度のものを大量に得るために極めて効果的であり、シクロペンテノンを製剤化するに当り、取扱い易いものである。更に、凍結乾燥物に比べ着色も熱安定性も著しく改善された。

Claims (2)

  1. トランス−4,5−ジヒドロキシ−2−シクロペンテン−1−オンのα型結晶。
  2. 実質上、下記のX線回折パターンを有する請求項の範囲1記載のα型結晶。
    Figure 0003769027
JP51656899A 1997-08-29 1998-08-19 シクロペンテノン類のα型結晶 Expired - Fee Related JP3769027B2 (ja)

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