JP3768009B2 - 血液フィルターおよびその製造方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、血液フィルターおよびその製造方法に関する。さらに詳しくは、コーティング等によってカチオン性官能基を付与されると同時に親水性が付与された血液フィルターおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
輸血の際には、輸血後の副作用、主に白血球が原因で引き起こされる移植片対宿主反応(GVHD: Graft Versus Host Disease)の誘発やウイルスに感染した白血球による感染症などを防ぐ為に遠心分離、放射線照射、濾過による白血球除去および不活化が行われている。中でも濾過による白血球除去は、簡便かつ低コストな為にベットサイドでも実施できる方法として多用されている。
【0003】
濾過による白血球除去では、孔径等による物理的な白血球除去だけではなく、血液フィルターの表面改質を行って白血球除去性能を向上させている。先に述べたように、血液フィルターの表面改質に際して重要なファクターとなるのは、▲1▼孔径等の物理的白血球の除去の他に白血球が粘着し易い表面とすることである。一般に白血球に限らず、細胞表面は負の電荷を持っており、血小板や白血球を粘着、捕捉、除去する為には、正の電荷(カチオン性)を表面に有する事が有効であることが知られている(米国特許第3242073号、米国特許第3352424号)。▲2▼血液および血液製剤の濾過を円滑に行えるように血液フィルター表面を親水化する事である。血液および血液製剤と血液フィルターが接触した場合、フィルター表面の親水性が高ければ、血液等は抵抗無く濾過される。この時のフィルター表面の親水性を表す一つの指標として臨界湿潤表面張力(以下、CWSTと略す。詳細については後述)がある。
【0004】
血液フィルターのCWSTが血液および血液製剤の表面張力よりも小さな場合、圧力をかけなくては血液等を濾過できない。これを避けるために生理食塩水等でプライミングを行うことが行われていた。しかし、ベットサイドで使用する際などプライミング操作が障害となる場合がある。
【0005】
血液等によって血液フィルターが自然に湿潤すれば、加圧することなく濾過が行え、プライミングが不要となる。
【0006】
しかしながら、多くの合成高分子材料から作られる血液フィルターの場合、そのCWSTは、血液の表面張力(血漿で73dyn/cn、赤血球で64.5dyn/cm)よりも小さいので、血液フィルター表面に界面活性剤等を塗布したり、グラフト重合、プラズマ処理、薬品処理等の処理を行い、該フィルター表面のCWSTを血液の表面張力よりも高くしていた(特開平5−245198号、特開平6−24995号)。
【0007】
このような血液フィルターの表面改質は煩雑な処理を必要としたり、処理によっては血液フィルターの除去性能が変化したり、血液成分に影響したり、塗布された界面活性剤等が血液に溶け出す危険性を含んでいた。
【0008】
故に、本発明の目的の一つは、血液に対して影響の少ない安全な血液フィルターおよびその製造方法を提供することにある。
【0009】
また、本発明の目的の一つは、白血球除去の為にカチオン性付与を行なうと同時に親水性を付与することで、簡便に製造可能な血液フィルターおよびその製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は鋭意検討した結果、特定の構造を有するカチオン性化合物を血液フィルターを構成する基材にコーテイングし、加熱乾燥させることで上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち、本発明は以下の手段によって達成される。
【0012】
(1)一般式(2)で表される重合体が血液フィルターを構成する基材表面に保持されていることを特徴とする血液フィルター。
【0013】
【化3】
Figure 0003768009
【0016】
(2)メタクリル酸2−[N,N−ジメチル−N−(2−ヒドロキシ−3−N,N,N−トリメチルアンモニオプロピル)アンモニオ]エチル塩、アクリル酸2−[N,N−ジエチル−N−メチルアンモニオ]エチル塩、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルメタアクリルアミドからなる群から選択された1種以上の重合物が血液フィルターを構成する基材表面に保持されていることを特徴とする血液フィルター。
【0017】
(3)前記血液フィルターの臨界湿潤表面張力が90〜95dyn/cmである上記(1)または(2)に記載の血液フィルター。
【0018】
(4)白血球および血小板を除去する血液フィルターの製造方法であって、(メタ)アクリル酸と一般式(1)で表される化合物との共重合体を血液フィルターを構成する基材の表面にコーテングさせた後、加熱乾燥させることを特徴とする血液フィルターの製造方法。
【0019】
【化4】
Figure 0003768009
【0020】
(5)前記血液フィルターの臨界湿潤表面張力が90〜95dyn/cmである上記(4)に記載の血液フィルターの製造方法。
【0022】
ただし、本発明の血液フィルターを構成する基材表面とは基材そのものの表面であり、該基材表面に導入されたグラフト鎖あるいは官能基を持った化合物を介して上述の化合物を固定したものではない。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明の血液フィルターを構成する基材は多孔体、平膜、中空糸、不織布、織布、編布もしくはそれらの複合体であり、その材質としては木綿、麻等の天然高分子、ナイロン、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、ポリオレフィン、ハロゲン化ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリ(メタ)アクリレート、エチレンーポリビニルアルコール共重合体、ブタジエン-アクリロニトリル共重合体等の合成高分子あるいはこれらの混合物が挙げられるが、加工性、血液適合性などからポリウレタン多孔体が好ましい。
【0024】
しかしながら、ポリウレタンを原料とする血液フィルターは、加工性、血液適合性などから優れた白血球除去性能を持たせることができる反面、そのままでは疎水性が強いので、血液が細孔を通過しずらく、何らかの親水化処理が必要である。そこで、本発明により、親水性を改善すると同時に白血球除去性能を向上させることが可能である。
【0025】
本発明に好適に使用される化合物はカチオン性物質であり、その具体例を以下に示す。
【0026】
1.アクリル酸と一般式(1)で表される化合物のブロックあるいはランダム共重合体。この場合、アクリル酸と一般式(1)で表される化合物のモル比は1:99〜10:90が好ましく、5:95がより好ましい。また、分子量は65万〜105万が好ましく、75万〜95万がより好ましく、85万がさらに好ましい。なぜなら、血液フィルターからの溶出物が少なくなるからである。
【0027】
【化5】
Figure 0003768009
【0028】
2.一般式(2)で表される化合物。
【0029】
【化6】
Figure 0003768009
【0031】
3.メタクリル酸2-[N,N-ジメチル-N-(2-ヒドロキシ-3-N,N,N-トリメチルアンモニオプロピル)アンモニオ]エチル塩、アクリル酸2-[N,N-ジエチル-N-メチルアンモニオ]エチル塩、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルメタアクリルアミド。
【0032】
4.1〜3のカチオン性化合物の混合物。
【0033】
これらのカチオン性物質は、親水性の高い物質であり、カチオン性の付与と同時に親水性も付与する事が可能である。
【0034】
これらの化合物を血液フィルター上に固定させる方法としてはコーティング、ディピング、スプレー、スピンコートを行った後、60〜100℃で加熱乾燥すれば良い。
【0035】
ところで、本発明のCWSTとは、以下の方法によって求められる値をいう。2ないしは4dyn/cmづつ表面張力が異なるように水酸化カルシウム、水酸化ナトリウム、塩化カルシウム、硝酸ナトリウム、酢酸、エタノールなどの濃度を変えた水溶液を調整する。このようにして得た表面張力が2ないしは4dyn/cmづつ異なる水溶液を表面張力が低い順番に血液フィルター表面に10滴ずつ乗せて10分間放置する。10分後、10滴中9滴以上が血液フィルターに吸収された場合に湿潤した状態であると定義し、吸収が10滴中9滴未満の場合を非湿潤状態と定義する。このようにして血液フィルター表面に表面張力が小さい順番に測定してゆくと湿潤状態と非湿潤状態が観られる。このとき、湿潤状態を観測した液体の表面張力の値と非湿潤状態を観測した液体の表面張力の値の平均値を血液フィルター表面のCWSTと定義する。たとえば、表面張力64dyn/cmの液体で湿潤し、66dyn/cmの液体で非湿潤であった場合、その血液フィルター表面のCWSTは65dyn/cmとなる。
【0036】
ところで、血液濾過における律速段階の1つが血液が血液フィルターにしみ込む時間であり、この時間が短いほど濾過時間は短くなる。このしみ込む時間は血液フィルターの親水性に依存しているので親水性が高いほど、つまり、CWSTの値が高いほど血液のしみ込みが早くなり濾過時間が短くなる。
【0037】
本発明の血液フィルターのCWSTは90〜95dyn/cmであり、この値を有する血液フィルターは血液等によって自然にしみ込む(湿潤する)ので、濾過時間が短縮されるうえ、加圧することなく濾過が行え、かつ、プライミングが不要となる。
【0038】
また、本発明に用いられる血液および血液製剤は、特定の血液成分として限定されない。
【0039】
【実施例】
次に実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明は、これら実施例のみに限定されない。また、これら実施例および比較例に記載の実験においてCWSTの測定は、前述の方法に従った。
【0040】
白血球除去率および血小板除去率の測定は、各血液フィルターを直径25mmの大きさに打ち抜き、専用のモジュール内に装着した。健康なボランティアから採血したCPD加新鮮血を調整し、赤血球濃厚液を作成した。これを落差10cmで5ml流して血液フィルター通過前後の白血球量および血小板量を測定し、以下の式から白血球および血小板の除去率を求めた。
【0041】
白血球除去率(%)=(1―(濾過後白血球数 / 濾過前白血球数))×100
血小板除去率(%)=(1−(濾過後血小板数 / 濾過前血小板数))×100
なお、白血球数および血小板数は、自動血球数測定装置(東亜医用電子(株)SYSMEX E-9000)で求めた。
【0042】
(実施例1)
平均孔径5.2ミクロン、空孔率86%のポリウレタン多孔質体をヘキサン中で1時間超音波洗浄した。この多孔質体を乾燥した後、0.3w/w%のポリアクリル酸−ポリ2−(アクリロイルオキシ)エチルジエチルメチルアンモニウム メチルスルファート水溶液(製品名:エレタットU52、一方社油脂工業製)に2,2'-ビスヒドロキシルメチルブタノール-トリス[3-(1-アジリジニル)プロピオネート](製品名:pz33、日本触媒製)を40μl/100mlの割合で添加したコーティング水溶液に浸漬した。次に、得られた多孔質体を80℃、2時間乾燥させた。この後、室温のシャワー洗浄を4時間行い、多孔質体からの溶出物を除き、乾燥させた。
【0043】
こうして得られた血液フィルターを用いて、CWSTならびに白血球除去率および血小板除去率を求めた。この時に血液を流し始めて、膜が完全に血液で満たされ、濾液側に血液がしみ出し始める時間(濡れ時間)を親水性の尺度として併せて計測した。
【0044】
血液フィルター表面がカチオン化されているかは、以下の様に膜を染色することでしらべた。
【0045】
直径25mmに打ち抜いたサンプルをホルダーにセットし血液フィルターとした。0.02mMに調整したトリパンブルー水溶液を約20mlポンプでこのフィルターに流した。その後、RO水を50ml流して余分のトリパンブルーを洗浄した。
【0046】
染色したサンプルは、570nmの反射吸光度を測定した。血液フィルター表面にカチオン性高分子が保持されていれば、この反射吸光度は、大きくなる。
【0047】
結果を表1と表2に示す。
【0048】
(実施例2)
平均孔径5.2ミクロン、空孔率86%のポリウレタン多孔質体をヘキサン中で1時間超音波洗浄した。この多孔質体を乾燥した後、0.3w/w%のメタクリル酸2-[N,N-ジメチル-N-(2-ヒドロキシ-3-N,N,N-トリメチルアンモニオプロピル)アンモニオ]エチルクロライド塩(製品名:UX101、一方社油脂工業製)に2,2'-ビスヒドロキシルメチルブタノール-トリス[3-(1-アジリジニル)プロピオネート](製品名:pz33、日本触媒製)を40μl/100mlの割合で添加したコーティング水溶液に浸漬した。次に、得られた多孔質体を80℃、2時間乾燥させた。この後、室温のシャワー洗浄を4時間行い、多孔質体からの溶出物を除き、乾燥させた。
【0049】
こうして得られた血液フィルターを用いて、CWSTならびに白血球除去率および血小板除去率を求めた。この時に血液を流し始めて、膜が完全に血液で満たされ、濾液側に血液がしみ出し始める時間(濡れ時間)を親水性の尺度として併せて計測した。
【0050】
血液フィルター表面がカチオン化されているかは、実施例1と同様な方法でしらべた。
【0051】
結果を表1と表2に示す。
【0052】
(実施例3)
平均孔径5.2ミクロン、空孔率86%のポリウレタン多孔質体をヘキサン中で1時間超音波洗浄した。この多孔質体を乾燥した後、1w/w%のポリジメチルアミノプロピルアクリルアミドの2−プロパノール溶液に浸漬した。次ぐに、得られた多孔質体を80℃、2時間乾燥させた。この後、室温のシャワー洗浄を4時間行い、多孔質体からの溶出物を除き、乾燥させた。
【0053】
こうして得られた血液フィルターを用いて、CWSTならびに白血球除去率および血小板除去率を求めた。この時に血液を流し始めて、膜が完全に血液で満たされ、濾液側に血液がしみ出し始める時間(濡れ時間)を親水性の尺度として併せて計測した。
【0054】
血液フィルター表面がカチオン化されているかは、実施例1と同様な方法でしらべた。
【0055】
結果を表1と表2に示す。
【0056】
(実施例4)
平均孔径5.2ミクロン、空孔率86%のポリウレタン多孔質体をヘキサン中で1時間超音波洗浄した。この多孔質体を乾燥した後、1w/w%のポリジメチルアミノプロピルメタアクリルアミドの2−プロパノール溶液に浸漬した後、得られた多孔質体を80℃、2時間乾燥させた。この後、室温のシャワー洗浄を4時間行い、多孔質体からの溶出物を除き、乾燥させた。
【0057】
こうして得られた血液フィルターを用いて、CWSTならびに白血球除去率および血小板除去率を求めた。この時に血液を流し始めて、膜が完全に血液で満たされ、濾液側に血液がしみ出し始める時間(濡れ時間)を親水性の尺度として併せて計測した。
【0058】
血液フィルター表面がカチオン化されているかは、実施例1と同様な方法でしらべた。
【0059】
結果を表1と表2に示す。
【0060】
(実施例5)
平均孔径5.2ミクロン、空孔率86%のポリウレタン多孔質体をヘキサン中で1時間超音波洗浄した。この多孔質体を乾燥した後、0.3w/w%に調整したポリアクリル酸−ポリ2−(アクリロイルオキシ)エチルジエチルメチルアンモニウムメチルスルファート(製品名:エレタットU52、一方社油脂工業製)のコーティング水溶液に浸漬した。次に、多孔質体を80℃、2時間乾燥させた。この後、室温のシャワー洗浄を4時間行い、多孔質体からの溶出物を除き、乾燥させた。
【0061】
こうして得られた血液フィルターを用いて、CWSTならびに白血球除去率および血小板除去率を求めた。この時に血液を流し始めて、膜が完全に血液で満たされ、濾液側に血液がしみ出し始める時間(濡れ時間)を親水性の尺度として併せて計測した。
【0062】
血液フィルター表面がカチオン化されているかは、実施例1と同様な方法でしらべた。
【0063】
結果を表1と表2に示す。
【0064】
(比較例1)
平均孔径5.2ミクロン、空孔率86%のポリウレタン多孔質体をヘキサン中で1時間超音波洗浄した。この多孔質体を乾燥した後、アルゴン気相下(0.1Torr), 100W, 20sec低温プラズマ照射し、さらに気相でグリシジルアクリレートを重合させた。この後、構造式(3)で示されるカチオノンUK(一方社油脂工業製)の5w/w%水溶液(ピリジン0.5w/w%含む)に60℃、12時間浸漬させ、洗浄、乾燥させた。
【0065】
こうして得られた血液フィルターを用いて、CWSTならびに白血球除去率および血小板除去率を求めた。この時に血液を流し始めて、膜が完全に血液で満たされ、濾液側に血液がしみ出し始める時間(濡れ時間)を親水性の尺度として併せて計測した。
【0066】
血液フィルター表面がカチオン化されているかは、実施例1と同様な方法でしらべた。
【0067】
結果を表1と表2に示す。
【0068】
(比較例2)
平均孔径5.2ミクロン、空孔率86%のポリウレタン多孔質体をヘキサン中で1時間超音波洗浄した。この多孔質体を乾燥した。このサンプルを用いて実施例1と同様な方法で、白血球除去率、血小板除去率、血液を流し始めてからしみ出し始める時間(濡れ時間)、CWST、カチオン化の様子(未処理の対照)を測定した。
【0069】
結果を表1と表2に示す。
【0070】
【表1】
Figure 0003768009
【0071】
【表2】
Figure 0003768009
【0072】
以上の結果から、実施例1〜5においては、いずれもCWSTは、90dyn/cm以上であり、カチオン性物質のコーティングのみで血液フィルター表面のカチオン性付与と同時に親水化が行なえた。比較例1、2では、ともにCWSTは、80dyn/cm未満であった。
【0073】
また、実施例1〜5、比較例1のいづれも血液フィルター表面には、カチオン性高分子が保持されていることが、反射吸光度から判った。
【0074】
【効果】
本発明は上述の化合物を血液フィルターを構成する基材に塗布し加熱乾燥させるといった簡便な操作で該フィルターの親水化とカチオン化が同時に行え、これにより得られる血液フィルターは高い白血球および血小板除去能力を有する。
【0075】
また、本発明の血液フィルターは高い親水性を有するので、血液の濾過時間が短くて済み、作業時間を短縮することができる。

Claims (5)

  1. 一般式(2)で表される重合体が血液フィルターを構成する基材表面に保持されていることを特徴とする血液フィルター。
    Figure 0003768009
  2. メタクリル酸2−[N,N−ジメチル−N−(2−ヒドロキシ−3−N,N,N−トリメチルアンモニオプロピル)アンモニオ]エチル塩、アクリル酸2−[N,N−ジエチル−N−メチルアンモニオ]エチル塩、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルメタアクリルアミドからなる群から選択された1種以上の重合物が血液フィルターを構成する基材表面に保持されていることを特徴とする血液フィルター。
  3. 前記血液フィルターの臨界湿潤表面張力が90〜95dyn/cmである請求項1または2に記載の血液フィルター。
  4. 白血球および血小板を除去する血液フィルターの製造方法であって、
    (メタ)アクリル酸と一般式(1)で表される化合物との共重合体を血液フィルターを構成する基材の表面にコーテングさせた後、加熱乾燥させることを特徴とする血液フィルターの製造方法。
    Figure 0003768009
  5. 前記血液フィルターの臨界湿潤表面張力が90〜95dyn/cmである請求項4に記載の血液フィルターの製造方法。
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