JP3767978B2 - 棒状化粧料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は粉状になり易く(パウダリー)、かつ肌への塗布感が良好で、落下折損強度に優れ、充分な色調を有するアイブロウ、アイライナーなどの固形棒状化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の固形棒状化粧料は、結合材として油脂、ロウ、脂肪酸、炭化水素等のワックス類と着色剤及び体質剤を混練し、棒状に成形して得られるが、肌に塗布すると脂っぽく、高温の場所においてはワックス類が軟化するため、肌への塗布感に違和感があるばかりか、棒状化粧料の形状維持も困難となる。また使用の際には非常に折れ易く、充分な折れ強度を得るために、ワックス類を増加させると、棒状化粧料は硬くなり、肌への付着性、滑らかさが欠けてくる。
【0003】
このため、ワックス類を使用せず、十分な折れ強度と良好な塗布感を同時に満たす目的の棒状化粧料として、結合材に粘土を使用し、粘土を焼結させたもの等が提案されている。本出願人は特開平8−188518号公報において粘土を結合材とした棒状化粧料を焼結後、気孔にシリコーンオイルや各種油脂、炭化水素油を含浸することを開示しているが、これは肌への塗布感をよくするためのもので、その含浸油の粘度も異なり、落下折損強度をもたせるものではない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
結合材にワックス類を使用したものに比べ、結合材に粘土を使用し、粘土を焼結させた棒状化粧料は十分な折れ強度と良好な塗布感を同時に満たす点では優れているが、肌に塗布出来る程度の硬さであることが要求されるため、棒状化粧料の強度を十分に強くすることは困難であり、その為棒状化粧料を落下させた時のような衝撃が加わると容易に折れてしまい易く、使用に耐える実用品は殆んど市販されていない。本発明の目的は、良好な塗布感と十分な折れ強度をあわせ持った、粘土を結合材とする棒状化粧料を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は前記の課題を解決するために鋭意研究した結果、粘土を結合材とする焼成棒状化粧料内に粘度が10cps〜300cpsの範囲の湿潤成分を含浸させることにより解決しうることを見出し、本発明を完成した。
【0006】
すなわち本発明は、I.ベントナイト、スメクタイト、モンモリロナイト、ビーデライト、ノントライト、ヘクトライト及びサポナイトからなる群より選ばれた少なくとも一種を1〜10重量%と、無機体質顔料及び無機着色顔料であって、300〜1,000℃の範囲の焼成により炭化物を全く残さない無機粉体よりなる成形組成物とを混練し、棒状に成形後、300〜1,000℃の範囲で熱処理を施した焼成棒状化粧料であって、これに落下折損強度を持たせるためにシリコーンオイル、炭化水素油、エステル系ペースト、エステル系液化油からなる群より選ばれた少なくとも一種であって、その粘度が10cp〜300cpの範囲にある湿潤成分を必須成分として添加してなる棒状化粧料である。
【0007】
II.この湿潤成分としては、分子内に−OH基、−COOH基、−SO3H基、−NHOH基、エチレンオキサイド分子鎖及び/又はプロピレンオキサイド分子鎖の少なくとも一種を有する上記I.に記載の焼成棒状化粧料である。
【0008】
III.また湿潤成分はHLBが6以上の界面活性剤である前記I.またはII.に記載の焼成棒状化粧料である。
【0009】
本発明において、使用できる湿潤成分としては、粘度が10cp〜300cpの範囲のシリコーンオイル、炭化水素油、エステル系液状油からなる群より選ばれる。これらの湿潤成分の気孔内への浸透性を高める目的で、界面活性剤を併用してもよいが、この場合には該界面活性剤のHLBは6以上である必要はない。
界面活性剤を単独で、落下折損強度を高める湿潤成分として用いる場合にはHLBが6以上の界面活性剤が必須である。
【0010】
成形組成物を混練するに当たっての混練用液体としては、水又は揮発性溶剤又は揮発性油又はそれらの混合物を用いることができるが、これら揮発性溶剤及び揮発性油等は焼き固める過程において完全に揮発し、焼結後の焼結体には残らないものが望ましい。粘土成分との親和性、乾燥時の防爆性、安価な事、取扱いの容易さから水が適している。
【0011】
【実施例】
以下に実施例によって、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、この実施例によって何等限定されるものではない。
【0012】
(実施例1)
−OH基、エチレンオキサイドを有する油を含浸させた例。
サポナイト 7重量部
マイカ 26 〃
炭酸カルシウム 25 〃
タルク 25 〃
鉄黒 5 〃
酸化チタン 12 〃
上記配合材料に水を加えて、ミキサーで一様に混合し、ニーダーで混練後、押し出し成型機により、直径2.5mmの棒状物に成形した。
棒状物をセラミック製容器に並べ、これを電気炉により不活性雰囲気下で、650℃で8時間保持して熱処理を施した。
冷却後、得られた棒状物は、肌に塗布した際、パウダリーでかつ、良好な塗布感を有する灰色の棒状物が得られた。
これを粘度100cpsのポリエチレングリコール{HO−(CH2CH2O)nH}中に浸漬させ、3時間放置後取り出し、遠心分離機により余分なポリエチレングリコールを除去した。
【0013】
(実施例2)
−SO3基、エチレンオキサイドを有する油を含浸させた例。
上記実施例1で得られた棒状物に、実施例1と同様にして、粘度200cpsのポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム{C12H25O(CH2CH2O)nSO3Na}を含浸させた。
【0014】
(実施例3)
エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドを有する油を含浸させた例。
上記実施例1で得られた棒状物に実施例1と同様にして、粘度150cpsのジメチルシロキサン・ブチル(ポリオキシエチレン)シロキサン・アルキル(ポリオキシプロピレン)シロキサン共重合体{C3H9SiO(C2H6SiO)m(C4H9SiO)n(OC2H4)a(OC3H6)bORC3H9Si}を含浸させた。
【0015】
(実施例4)
−COO基、−N+<基を有する油を含浸させた例。
上記実施例1で得られた棒状物に実施例1と同様にして、粘度250cpsのラウリル酸アミドプロピルベタイン{C12H25CONHN+(C3H6)(CH3)(CH3)(CH2COO-)}を含浸させた。
【0016】
(実施例5)
HLB6以上の界面活性剤を含浸させた例。
上記実施例1で得られた棒状物に実施例1と同様にして、粘度300cpsのモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタン(エチレンオキサイド20モル付加物、HLB:15)を含浸させた。
【0017】
(比較例1)
従来のワックス主体の棒状体の例。
上記の配合材料を溶解し、これに鉄黒10重量部と弁柄19重量部を加えて、撹拌、分散後にミキサーで混練、室温まで冷却した後、押出成形機により2.5mmの茶褐色の棒状物に成形し、長さ40mmに切断し、棒状物を得た。
【0018】
(比較例2)
油を含浸させない棒状体の例。
上記の配合材料を用い、実施例1と同様にして、茶色の棒状物を得た。
【0019】
(比較例3)
粘度が10cpsより低い油を含浸させた例。
上記、比較例2で得られた棒状体に、実施例1と同様の方法で粘度6cpsのメチルポリシロキサンを含浸させた。
【0020】
(比較例4)
粘度が1万cpsより高い油を含浸させた例。
上記比較例2で得られた棒状体に、実施例1と同様の方法で粘度1万5千cpsのメチルポリシロキサンを含浸させた。
【0021】
以上の実施例1〜5、比較例1〜4で得られた棒状物について、曲げ強さ、肌への塗布感、落下時の折れ性について、次の評価方法によって評価した。
【0022】
(曲げ強さ)
30℃において、支点間距離22mmの両支点間に支持した直径d(mm)の棒状物の中央部に毎分10mmの速さで荷重を加え、折損したときの荷重P(gf)から曲げ強さを次式により算出した。なお荷重を加える先端及び両支点の先端の形状は、半径(R)約0.2mmの半円形である。
曲げ強さ=8×P×22/πd3(gf/mm2)
【0023】
(肌への塗布感)
棒状化粧料を肌へ塗布したときの使用感について、20名の女性パネラーにより、以下の基準により4段階の官能評価を行い、その平均値をとった。
◎:良好 ○:やや良好 ▲:ザラザラする ▼:ベトベトする
【0024】
(落下時の折れ性)
20℃において、高さ1mから杉板上に棒状化粧料を10本落下させ、その際、折れが見られた本数を調べた。
【0025】
その結果を表1に示す。
【表1】
【0026】
表1より、各実施例で得られたものは、肌への塗布感が良好であるのに対し、比較例1では、曲げ強度が実施例のものの半分以下であり、肌への塗布感もベトベトする。
比較例2では、肌への塗布感がザラザラする上、落下時に棒状物がすべて折れてしまった。
比較例3では、肌への塗布感は良好であったが、落下時に芯がすべて折れてしまった。
比較例4では、落下時に棒状物は折れないが、塗布感がベトベトする。
このように、本発明による棒状化粧料は、形状維持特性にも優れ、使用感もパウダリーで良好であり、落下時の芯折れもほとんどない固形棒状化粧料である。
【0027】
【発明の効果】
アイブロウ、アイライナー等に使用して、パウダリー(良好な粉末になり易い)で、かつ、使用性に優れた上に、充分な色調を有する固形棒状化粧料であり、塗布して、ベトベトやザラザラしないばかりでなく、取り落とした時にも折れることがない固形棒状化粧料である。
Claims (1)
- ベントナイト、スメクタイト、モンモリロナイト、ビーデライト、ノントライト、ヘクトライト及びサポナイトからなる群より選ばれた少なくとも一種を1〜10重量%と、無機体質顔料及び無機着色顔料であって300〜1,000℃の範囲の焼成により炭化物を全く残さない無機粉体よりなる成形組成物とを、混練用液体を加えて混練し、棒状に成形後、300〜1,000℃の範囲で熱処理を施した焼成棒状化粧料であって、これに落下折損強度を持たせるために、粘度が10cp〜300cpの範囲内にあるポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ジメチルシロキサン・ブチル(ポリオキシエチレン)シロキサン・アルキル(ポリオキシプロピレン)シロキサン共重合体、ラウリル酸アミドプロピルベタイン及びモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンのうちから選択された少なくともいずれか一種を湿潤成分として添加してなる焼成棒状化粧料。
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