JP3767872B2 - 電子ビーム装置及びその調整方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、走査型電子顕微鏡(SEM)やSEM像を取得できる電子ビームテスタ及び電子ビーム露光装置等の電子ビーム装置及びその調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図9に示すSEM像1は、1000倍の配線パターンであり、倍率をさらに10倍上げてSEM像1中の点線で囲まれた範囲を観察すると、SEM像2が揺れる。この揺れは、真空ポンプの機械的振動、電子ビーム装置鏡筒の共振、真空ポンプや冷却ファンのモータから発生する電波等の浮遊電磁界、及び、電子銃やレンズの電源回路に商用電源周波数のノイズが乗ること等の外乱に起因している。浮遊電磁界については、特に低周波浮遊磁界をシールドすることは容易でない。電子ビーム装置では、その分解能が高くなるにつれ、このような外乱によるSEM像の揺れがより一層問題となってくる。
【0003】
従来では、浮遊磁界に対しては、電子ビーム鏡筒の周囲あるいは装置全体を磁気シールド板で覆ったり、磁気シールド板を備えた装置専用の部屋を用意するなどのパッシブな対策や、鏡筒近傍の磁界を検出し装置全体を覆ったヘルムホルツコイルに検出信号をフイードバックしてキャンセル用磁界を発生させるアクティブな制御方法などが取られている.また、機械振動に対しては、固有振動数が数Hzの除振台で、床から電子ビーム装置への振動伝達を抑制するパッシブな対策や、試料の揺れをレーザー干渉計で検出し電子ビームにフイードバックするアクティブな制御方法が取られてきた。
【0004】
また、商用電源周波数成分については、電子ビーム走査信号に商用電源からの正弦波を重畳し、この正弦波の位相及び振幅を調整して、電子ビームの揺れを補正する方法が用いられていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、浮遊磁界に対する磁気シールド板はその効果を上げていこうとするとその厚みを増すか幾重にも覆う必要があるので、装置の小型化が妨げられる。ヘルムホルツコイルを用いた方法は効果的であるが、高価である。また機械振動については、大きな除振装置が装置の小型化を妨げる。また、このような方法は浮遊磁界と機械的振動とに分けて対処しなくてはならないので、構成が複雑になる。
【0006】
また、正弦波重畳法は、商用電源周波数成分のみについてしか揺れ低減効果が得られなかった。
本発明の目的は、このような問題点に鑑み、小型かつ簡単な構成でSEM像の揺れを効果的に低減することが可能な電子ビーム装置及びその調整方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段及びその作用効果】
本発明の第1態様は、SEM像の揺れを低減させる電子ビーム装置調整方法であって、
周期的な補正信号を偏向器に供給し、電子ビームを該偏向器に通して試料上パターンエッジ部に照射し、照射点から放出された2次電子を検出し、
2次電子検出波形の周波数成分の振幅が極小になるように、該補正信号の、該周波数成分と略同一周波数の周波数成分の位相及び振幅を調整する。
【0008】
この電子ビーム装置調整方法によれば、各種原因によるSEM像の揺れを、小型かつ簡単な構成で効果的に、しかも容易に低減することができるという効果を奏し、電子ビーム装置の解像度向上に寄与するところが大きい。
本発明の第2態様の電子ビーム装置調整方法では、第1態様において、上記2次電子検出波形の周波数スペクトルを取得し、
上記補正信号の周波数成分の周波数を、該周波数スペクトルのピーク位置に略一致させる。
【0009】
この電子ビーム装置調整方法によれば、補正信号の周波数成分の周波数調整をより容易迅速かつ効果的に行うことができるという効果を奏する。
本発明の第3態様の電子ビーム装置調整方法では、第1又は2態様において、上記試料のSEM像を取得し、該SEM像から上記試料上パターンエッジ部を決定する。
本発明の第4態様では、SEM像の揺れを低減させる電子ビーム装置調整方法であって、
周期的な補正信号を偏向器に供給し、
電子ビームを該偏向器に通して試料上パターンに照射し、照射点を走査させて試料のSEM像を取得し、
該SEM像の画素値を一軸上に投影加算し、その投影加算波形のエッジの傾斜の絶対値が最大になるように該補正信号の周波数成分の位相及び振幅を調整する。
【0010】
この電子ビーム装置調整方法によっても、上記第1態様の効果が得られる。
本発明の第5態様の電子ビーム装置調整方法では、第4態様において、上記投影加算波形の微分波形を算出し、該微分波形のピーク値の絶対値が最大になるようにすることにより、該投影加算波形のエッジの傾斜の絶対値が最大になるようにする。
【0011】
本発明の第6態様の電子ビーム装置調整方法では、第4又は5態様において、上記電子ビームを試料上パターンエッジ部に照射し、照射点から放出された2次電子の検出波形の周波数スペクトルを取得し、
上記補正信号の周波数成分の周波数を、該周波数スペクトルのピーク位置に略一致させる。
【0012】
この電子ビーム装置調整方法によれば、補正信号の周波数成分の周波数調整をより容易迅速かつ効果的に行うことができるという効果を奏する。
本発明の第7態様では、試料に電子ビームを照射し、照射点から放出された2次電子を2次電子検出器で検出する電子ビーム装置において、
周期的な補正信号を出力する補正信号源と、
該補正信号が供給され、該電子ビームが通される偏向器と、
該電子ビームを試料上パターンエッジ部に照射させるビーム制御装置と、
該電子ビームを試料上パターンエッジ部に照射したときに該2次電子検出器から得られる2次電子検出波形のスペクトルを取得するスペクトルアナライザと、
該補正信号の周波数成分の位相及び振幅を調整するための補正信号調整装置とを有する。
【0013】
この調整は、手動又は自動のいずれであってもよい。
本発明の第8態様の電子ビーム装置では、第7態様において、上記補正信号調整装置は、上記補正信号の周波数成分について、上記スペクトルの、周波数が該周波数成分のそれに等しいスペクトル強度が極小になるように、該補正信号の周波数成分の位相及び振幅を調整する。
【0014】
この電子ビーム装置によれば、補正信号の周波数成分の位相及び振幅の調整が自動的に行われるという効果を奏する。
本発明の第9態様では、試料に電子ビームを照射し、照射点から放出された2次電子を2次電子検出器で検出する電子ビーム装置において、
周期的な補正信号を出力する補正信号源と、
該補正信号が供給され、該電子ビームが通される偏向器と、
該電子ビームを該偏向器に通して試料上パターンに照射させ、照射点を走査させるビーム制御装置と、
該走査により該2次電子検出器から得られる信号がSEM像として格納されるフレームメモリと、
該フレームメモリに格納されたSEM像の画素値を一軸上に投影加算し、その投影加算波形のエッジの傾斜を求める画像処理と、
該補正信号の周波数成分の位相及び振幅を調整するための補正信号調整装置とを有する。
【0015】
この調整は、手動又は自動のいずれであってもよい。
本発明の第10態様の電子ビーム装置では、第9態様において、上記補正信号調整装置は、上記エッジの傾斜の絶対値が最大になるように上記補正信号の周波数成分の位相及び振幅を調整する。
この電子ビーム装置によれば、補正信号の周波数成分の位相及び振幅の調整が自動的に行われるという効果を奏する。
【0016】
本発明の第11態様の電子ビーム装置では、第9又は10態様において、上記ビーム制御装置は、上記電子ビームを試料上パターンエッジ部に照射させ、
該電子ビームを試料上パターンエッジ部に照射したときに上記2次電子検出器から得られる2次電子検出波形のスペクトルを取得するスペクトルアナライザを有する。
【0017】
この電子ビーム装置によれば、補正信号の周波数成分の周波数調整をより容易迅速かつ効果的に行うことが可能になるという効果を奏する。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態の電子ビーム装置概略構成図である。
電子ビーム装置本体10では、電子銃コラムの上部に配置された電子銃チップ11から電子ビーム12が射出され、これが偏向器13及び対物レンズ14を通り、試料室内の移動ステージ15に搭載された試料16上に照射される。照射点から放出された2次電子18は、2次電子検出器19で検出される。偏向器13の上方には、SEM像の揺れを補正するための補正用偏向器20が配置されている。補正用偏向器20は、X軸方向に対向配置された一対の偏向コイル20X1及び20X2と、Y軸方向に対向配置された一対の20Y1及び20Y2とからなる。偏向コイル20X1と20X2とは直列接続され、偏向コイル20X2の一端が接地されている。同様に、偏向コイル20Y1と20Y2とが直列接続され、偏向コイル20Y2の一端が接地されている。
【0019】
2次電子検出器19の出力信号は増幅回路21で増幅され、次にA/D変換器22でデジタル化され、画像入力回路23を介してフレームメモリ24に格納される。フレームメモリ24に格納された画像データは、表示装置25に供給されて表示される。
操作者により不図示の入力装置が操作され、その入力信号は、システム制御装置26に供給される。この操作により、システム制御装置26からビーム制御装置27へSEM像取得指令が供給されると、ビーム制御装置27により偏向器13を介して電子ビーム12が試料16上で走査され、画像入力回路23にA/D変換器22の出力が選択的に供給され、表示装置25に例えば図9に示すようなSEM像1が表示される。操作者は、この像を見て、表示範囲の中心及び新たな拡大倍率を指定する操作を行う。これにより、上記同様にして、表示装置25に、図2(A)に示すようなSEM像3が表示される。図中のハッチングを施した部分は、配線パターンであり、その周囲よりも輝度が高くなっている。
【0020】
操作者は、SEM像3内の電子ビーム照射点PXを不図示のポインティングデバイスで指定して、その信号をシステム制御装置26に供給させる。システム制御装置26は、試料16上のパターンのレイアウト設計データが格納された記憶装置を備えており、この電子ビーム照射点PXを設計データ上の位置に対応させて、ビーム制御装置27に対しこの位置への照射指令を供給する。
【0021】
ビーム制御装置27は、これに応答して、偏向器13で電子ビーム12を偏向させ、電子ビーム照射点PXに対応した試料16上の位置に、電子ビーム12を照射させる。この場合、A/D変換器22から出力された一連のデータは、周波数アナライザ28内のメモリに2次電子検出波形として格納される。周波数アナライザ28は、例えばFFT(高速フーリエ変換)等により、この2次電子検出波形を、図3に示すようなスペクトルに変換する。画像入力回路23は、このスペクトルを選択的にフレームメモリ24に格納させる。これにより、表示装置25にこのスペクトルが表示される。
【0022】
この電子ビーム装置で用いられる商用電源の周波数は50Hzであり、図3に示す50Hzのピークは、この商用電源で駆動される荒引き用真空ポンプや冷却ファン等のモータから出る電磁波等の浮遊電磁界、並びに、これらのモータの機械的振動及び電子ビーム装置本体10の共振等に起因している。100Hz及び150Hzのピークは、50Hzの高調波成分に対応している。430Hzは、真空ポンプに含まれる高真空用ターボ分子ポンプに起因したものである。
【0023】
操作者は、このスペクトルを見て、ピーク位置であるf1=50Hz及びf2=430Hzをシステム制御装置26に対し指定する。システム制御装置26は、この指定値f1及びf2を周波数アナライザ28及び補正信号調整装置29に供給し、周波数アナライザ28はこれに応答して、スペクトル上の周波数f1及びf2での振幅A(f1)及びA(f2)を補正信号調整装置29に供給する。
【0024】
ここで、補正信号源30は、周波数、位相及び振幅が調整可能な交流源31〜34と、交流源31と33の出力を加算する加算増幅回路35と、交流源32と34の出力を加算する加算増幅回路36とを備えている。加算増幅回路35及び36の出力はそれぞれ、偏向コイル20Y1及び20X1に供給される。
交流源31〜34の出力振幅は最初、補正信号調整装置29により0に初期設定されている。補正信号調整装置29は、交流源31及び33の周波数をf1=50Hzに調整し、交流源32及び34の周波数をf2=430Hzに調整する。次に補正信号調整装置29は、交流源31に対し位相及び振幅の調整を行う。この調整の手順の概略を図4に示す。以下、交流源31の出力をB・sin(2π・f1・t+φ)とする。
【0025】
(40)繰り返し回数iに初期値0を代入する。
(41)補正信号調整装置29は、位相φを微小値Δφとしたときの振幅A(f1)の値と、位相φを−Δφとしたときの振幅A(f1)の値とを比較し、振幅A(f1)の値が小さくなる方へ位相φの値をΔφずつ変化させていき、振幅A(f1)が極小となるまでこの処理を繰り返す。振幅A(f1)はこの変化毎に取得する。
【0026】
例えば、補正前の補正用偏向器20の位置での電子ビーム12のX方向の揺れと、偏向コイル20Y1と20Y2とで生成される磁界から電子ビーム12が受ける力の揺れとの位相が逆の場合に、この高さ位置での電子ビーム12の揺れが極小になる。SEM像の揺れの原因は、補正用偏向器20の下方にも存在し、この原因によるSEM像の揺れも低減するように、補正用偏向器20の磁界から電子ビーム12が力を受ける。
【0027】
(42)A(f1)≦εであれば処理を終了し、そうでなければ次のステップ43へ進む。ここにεは、正の小さな許容最大値である。
(43)補正信号調整装置29は、振幅Bを微小値ΔBとしたときの振幅A(f1)の値と、振幅Bを−ΔBとしたときの振幅A(f1)の値とを比較し、振幅A(f1)の値が小さくなる方へ振幅Bの値をΔBずつ変化させていき、振幅A(f1)が極小となるまでこの処理を繰り返す。振幅A(f1)はこの変化毎に取得する。
【0028】
(44)A(f1)≦εであれば処理を終了し、そうでなければ次のステップ45へ進む。
(45)繰り返し回数iを1だけインクリメントする。
(46)i<Nであればステップ41へ戻り、i=Nとなれば処理を終了する。ここにNは、処理打切用設定回数である。
【0029】
次に、図1の交流源33の位相及び振幅の調整を、上記同様にして行う。この場合、上記振幅A(f1)の代わりに振幅A(f2)を用いる。
次に、上記同様にして図2(B)に示すようなSEM像4を表示装置25に表示させ、電子ビーム照射点PYを指定し、上記同様にして交流源32及び34の位相及び振幅を調整する。
【0030】
補正信号調整装置29はマニュアルモードも備えており、操作者は、調整後に表示装置25に表示されたスペクトルを見て、上記のような自動調整が充分でないと判断した場合には、マニュアルモードに切り換える。そして、表示装置25に表示されたスペクトルを見ながら、補正信号調整装置29を介し補正信号源30に対する周波数、位相及び振幅の調整を行う。
【0031】
このような調整が行われた補正信号源30の出力を、SEM像観察中に補正用偏向器20に供給することにより、像の揺れが低減されて、電子ビーム装置の分解能が向上する。
この調整は例えば、試料16上のコントラストが特に顕著なパターンエッジ部を特定しておき、画像観察中において、定期的に又は像揺れが大きくなった時に、この部分に電子ビーム12を照射して行う。
【0032】
本第1実施形態では上記のように、電子ビーム12を補正用偏向器20に通して試料16上のパターンエッジ部へ照射し、照射点から放出された2次電子を2次電子検出器19で検出し、2次電子検出波形のスペクトルの周波数fjの振幅A(fj)が極小になるように補正信号源30の周波数fjの成分の位相及び振幅を調整しているので、各種原因によるSEM像の揺れを、簡単な構成で容易に低減することができる。
【0033】
[第2実施形態]
上記第1実施形態では、電子ビーム装置本体10に新たな補正用偏向器20を備えてSEM像の揺れを補正する場合を説明したが、既存の偏向器に対して補正信号を重ね合わせることにより、SEM像の揺れを低減する構成であってもよい。図5は、このような構成の電子ビーム装置の概略を、第2実施形態として示す。
【0034】
ビーム制御装置27Aは、図1のビーム制御装置27から、偏向器13を駆動する増幅回路を除いたものであり、電子ビーム装置はこの増幅回路の代わりに加算増幅回路271及び272を備えている。加算増幅回路271及び272の一方の入力端には、電子ビーム12を偏向器13で通常のように偏向させるための信号がビーム制御装置27から供給され、加算増幅回路271及び272の他方の入力端には、加算増幅回路35及び36からの補正信号が供給される。
【0035】
偏向器13は、X軸方向に対向配置された一対の偏向電極13X1及び13X2と、Y軸方向に対向配置された一対の偏向電極13Y1及び13Y2とからなる。加算増幅回路271及び272の出力はそれぞれ、偏向器13の偏向電極13X1及び13Y1に供給される。偏向電極13X2及び13Y2には、接地電位又は加算増幅回路271及び272の出力の符号を反転した信号が供給される。
【0036】
他の点は、上記第1実施形態と同一である。
[第3実施形態]
図6は、本発明の第3実施形態の電子ビーム装置概略構成図である。
図7(A)は、図6の交流源31〜34の出力を0にしたときのSEM像5を示している。ハッチングを施した部分は、配線パターンである。
【0037】
SEM像5内の画素の座標(X,Y)における画素値をP(X,Y)と表記し、X及びYの範囲をそれぞれ0≦X≦Xmax、0≦Y≦Ymaxとする。SEM像5のX軸への投影加算値S(X)、すなわち投影加算値S(X)=P(X,0)+P(X,1)+P(X,2)+・・・+P(X,Ymax)を算出すると、図7(B)に示す如くなる。
【0038】
SEM像5が揺れているので、投影加算値Sのエッジ部の傾斜は比較的緩やかになっている。投影加算値Sの微分波形は、図7(C)に示す如くなり、投影加算値Sのエッジ部でピークを持つ。
図6において、交流源31〜34の振幅は、上記第1実施形態と同じ方法で調整しておく。画像処理装置50は、フレームメモリ24に格納されたSEM像に対し、図7に示す加算微分値dS/dXを求め、例えばその1つのピーク値の絶対値PKを、補正信号調整装置29Aに供給する。補正信号調整装置29Aは、このピーク値PKが極大になるように、上記第1実施形態と同様にして交流源31〜34の位相及び振幅を調整する。この補正信号調整においては、交流源31〜34の位相又は振幅をそれぞれ上記のようにΔφ及びΔBだけ変化させる毎に、電子ビーム12を走査させてフレームメモリ24に格納されるSEM像を更新する。
【0039】
図8は図7に対応しており、図8(A)は補正信号調整後のSEM像を示す図であり、図8(B)はこのSEM像のX軸投影加算波形を示す図であり、図8(C)は、この波形の微分波形を示す図である。
この第3実施形態によっても、上記第1実施形態で述べた効果が得られる。
なお、本発明には外にも種々の変形例が含まれる。例えば、周波数アナライザ28において、得られたスペクトルからそのピーク値を検出し、ピーク値の大きい方から順に補正信号源30の周波数を自動調整する構成であってもよい。補正信号の調整は全て手動のみであってもよい。また、本発明の調整原理から明らかなように、補正信号源30で調整できる周波数の数は3以上であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態の電子ビーム装置概略構成図である。
【図2】(A)及び(B)はいずれもSEM像中の補正信号調整用電子ビーム照射点を示す図である。
【図3】図2の照射点に電子ビームを照射したときの2次電子検出波形のスペクトル図である。
【図4】補正信号調整手順を示す概略フローチャートである。
【図5】本発明の第2実施形態の電子ビーム装置概略構成図である。
【図6】本発明の第3実施形態の電子ビーム装置概略構成図である。
【図7】(A)は補正信号調整前のSEM像を示す図であり、(B)はこのSEM像のX軸投影加算波形を示す図であり、(C)は、この波形の微分波形を示す図である。
【図8】(A)は補正信号調整後のSEM像を示す図であり、(B)はこのSEM像のX軸投影加算波形を示す図であり、(C)は、この波形の微分波形を示す図である。
【図9】従来技術の問題点説明図である。
【符号の説明】
1〜5 SEM像
11 電子銃チップ
13 偏向器
13X1、13X2、13Y1、13Y2 偏向電極
16 試料
19 2次電子検出器
20 補正用偏向器
24 フレームメモリ
25 表示装置
28 周波数アナライザ
29 補正信号調整装置
30 補正信号源
31〜34 交流源
35、36 加算増幅回路
50 画像処理装置

Claims (11)

  1. SEM像の揺れを低減させる電子ビーム装置調整方法であって、
    周期的な補正信号を偏向器に供給し、電子ビームを該偏向器に通して試料上パターンエッジ部に照射し、照射点から放出された2次電子を検出し、
    2次電子検出波形の周波数スペクトルを取得し、該周波数スペクトルのピーク位置の振幅が極小になるように、該周波数スペクトルのピーク位置の周波数と一致する該補正信号の周波数成分の位相及び振幅を調整する、
    ことを特徴とする電子ビーム装置調整方法。
  2. 上記周波数スペクトルは、上記2次電子検出波形を高速フーリエ変換することにより得られることを特徴とする請求項1記載の電子ビーム装置調整方法。
  3. 上記試料のSEM像を取得し、該SEM像から上記試料上パターンエッジ部を決定する、
    ことを特徴とする請求項1記載の電子ビーム装置調整方法。
  4. SEM像の揺れを低減させる電子ビーム装置調整方法であって、
    周期的な補正信号を偏向器に供給し、
    電子ビームを該偏向器に通して試料上パターンに照射し、照射点を走査させて試料のSEM像を取得し、
    該SEM像の画素値を一軸上に投影加算し、その投影加算波形のエッジの傾斜の絶対値が最大になるように該補正信号の周波数成分の位相及び振幅を調整する、
    ことを特徴とする電子ビーム装置調整方法。
  5. 上記投影加算波形の微分波形を算出し、該微分波形のピーク値の絶対値が最大になるようにすることにより、該投影加算波形のエッジの傾斜の絶対値が最大になるようにする、
    ことを特徴とする請求項4記載の電子ビーム装置調整方法。
  6. 上記電子ビームを試料上パターンエッジ部に照射し、照射点から放出された2次電子の検出波形の周波数スペクトルを取得し、
    上記補正信号の周波数成分の周波数を、該周波数スペクトルのピーク位置に略一致させる、
    ことを特徴とする請求項4又は5記載の電子ビーム装置調整方法。
  7. 試料に電子ビームを照射し、照射点から放出された2次電子を2次電子検出器で検出する電子ビーム装置において、
    周期的な補正信号を出力する補正信号源と、
    該補正信号が供給され、該電子ビームが通される偏向器と、
    該電子ビームを試料上パターンエッジ部に照射させるビーム制御装置と、
    該電子ビームを試料上パターンエッジ部に照射したときに該2次電子検出器から得られる2次電子検出波形のスペクトルを取得するスペクトルアナライザと、
    該スペクトルアナライザで取得したスペクトルのピーク位置のスペクトル強度が極小になるように、該スペクトルのピーク位置の周波数と一致する該補正信号の周波数成分の位相及び振幅を調整するための補正信号調整装置と、
    を有することを特徴とする電子ビーム装置。
  8. 上記スペクトルアナライザは、上記2次電子検出波形を高速フーリエ変換することにより上記スペクトルを取得することを特徴とする請求項7記載の電子ビーム装置。
  9. 試料に電子ビームを照射し、照射点から放出された2次電子を2次電子検出器で検出する電子ビーム装置において、
    周期的な補正信号を出力する補正信号源と、
    該補正信号が供給され、該電子ビームが通される偏向器と、
    該電子ビームを該偏向器に通して試料上パターンに照射させ、照射点を走査させるビーム制御装置と、
    該走査により該2次電子検出器から得られる信号がSEM像として格納されるフレームメモリと、
    該フレームメモリに格納されたSEM像の画素値を一軸上に投影加算し、その投影加算波形のエッジの傾斜を求める画像処理と、
    該補正信号の周波数成分の位相及び振幅を調整するための補正信号調整装置と、
    を有することを特徴とする電子ビーム装置。
  10. 上記補正信号調整装置は、上記エッジの傾斜の絶対値が最大になるように上記補正信号の周波数成分の位相及び振幅を調整する、
    ことを特徴とする請求項9記載の電子ビーム装置。
  11. 上記ビーム制御装置は、上記電子ビームを試料上パターンエッジ部に照射させ、
    該電子ビームを試料上パターンエッジ部に照射したときに上記2次電子検出器から得られる2次電子検出波形のスペクトルを取得するスペクトルアナライザを有し、
    上記補正信号調整装置は、上記補正信号の周波数成分の周波数を、該スペクトルアナライザで取得したスペクトルのピーク位置に一致させる、
    ことを特徴とする請求項9又は10記載の電子ビーム装置。
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