JP3767826B2 - 皮革様シートの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、婦人靴やスポーツシューズ、サンダルなどの履き物、家具、衣料等に用いられる皮革様シートの製造方法に関する。
従来から、表皮層付き(一般に「銀面層付き」といわれる場合もある。)の皮革様シートは、靴や衣料、鞄、家具など、多様な用途に用いられている。
皮革様シートの基本的な構成は、表皮層、接着剤層及び繊維質基材の積層構造からなり、前記繊維質基材としては、不織布や織布、編布等の基布、あるいはそれらの基布にポリウレタン樹脂等を含浸し加工したものや、それらの基材表面にポリウレタン樹脂等の各種樹脂からなる多孔質層を設けたものが使用されている。
皮革様シートの製造方法としてはいくつかの方法が知られている。その代表的な方法としては、(1)表面にポリウレタン樹脂等の各種樹脂からなる多孔質層が設けられた前記繊維質基材上に、各種着色剤により着色されたポリウレタン樹脂の有機溶剤溶液を、グラビア方式により塗布し該有機溶剤を乾燥除去した後、エンボスロール等を用いて該塗布面を押圧して皮革様の凹凸模様を有する表皮層を形成する方法や、(2)皮革様の凹凸模様を有する離型紙上に、着色されたポリウレタン樹脂の有機溶剤溶液を塗布し該有機溶剤を乾燥除去して得られた表皮層を、接着剤を用いて前記繊維質基材上に貼り合わせる方法が知られている。
上記のような従来の皮革様シートの製造方法では、何れの場合もポリウレタン樹脂の有機溶剤溶液を使用しているため、製造工程途中において、乾燥や抽出などの方法による有機溶剤の除去が不可欠であることから、人体への悪影響、大気や水質の汚染、有機溶剤を蒸発させるための多大なエネルギー負荷と製造コストなど種々の問題があることから、有機溶剤を使用しない水性ポリウレタン樹脂又は無溶剤型ポリウレタン樹脂を用いたプロセスの開発が産業界から強く望まれている。
また、用途によっては高度な耐摩耗性や色の深みを付与することが求められることがあり、これらの要請に応じるためにより厚い膜厚を有する表皮層が必要な場合があるが、従来のポリウレタン樹脂の有機溶剤溶液を塗布後、該有機溶剤を乾燥除去して表皮層を形成する方法では、1回の塗布ではせいぜい150μm程度の膜厚のものしか得られず、前記塗布を複数回行う必要があり、この場合、有機溶剤の放出量、エネルギー負荷及び製造コストがますます増大するという問題が生じる。
かかる問題に対する一つの解決策として、有機溶剤型ポリウレタン樹脂に代えて、水性ポリウレタン樹脂を使用する方法が検討されている。しかしながら水性ポリウレタン樹脂を用いて得られる皮革様シートは、一般に耐水性や耐久性などに劣るため実用性に乏しく、さらに厚い膜厚を有する表皮層が必要な場合には、やはり塗布を複数回行う必要があり、製造工程及びコスト面で問題があり、その適用範囲は極めて制限されているのが実状である。
また、特定組成を有する熱可塑性ポリウレタンを、皮革様の凹凸模様を有する離型紙上に溶融押し出しすると共に、該離型紙上の熱可塑性ポリウレタンフィルム層を押圧ロールなどを用いて繊維質基体に転写及び接着させる方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。この方法の場合には、前記熱可塑性ポリウレタンを溶融させるために180〜230℃の高温条件が必要であるが、予め顔料等の着色剤を用いて前記熱可塑性ポリウレタンを着色させておいた場合、前記溶融時の熱で着色剤が変色してしまうという問題点があった。また、前記溶融状態の熱可塑性ポリウレタンが180℃以上と高温であるため、離型紙上に塗布した時点で溶融熱可塑性ポリウレタンが急冷され、離型紙の微細な凹部に十分にポリウレタンが進入できないため凹凸模様の再現性に劣るという問題を有していた。さらに、高温であるために、溶融熱可塑性ポリウレタンの酸化分解および加水分解が生じやすくなるので、それを防止するために酸素および水分を遮断する大掛かりな装置が必要となるという問題を有していた。
また、無溶剤型ポリウレタン樹脂を用いた製造方法として、湿気硬化性ポリウレタンホットメルト樹脂組成物を用いる手法が検討されている。例えば、皮革様シートの表皮層として、固体状の湿分硬化ポリウレタン(湿気硬化性ポリウレタンホットメルト樹脂組成物)を使用することができ、該表皮層と基材とを接着剤として湿分硬化ポリウレタンを使用して貼り合わせることによりポリウレタン皮革様シートを製造する方法が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。
前記方法では、予め表皮層を作成し、接着剤として湿気硬化性ポリウレタンホットメルト樹脂組成物を使用して該表皮層と基材とを貼り合わせる工程が必要であり、製造プロセスが煩雑である。また、通常皮革様シートは着色されており、湿気硬化性ポリウレタンホットメルト樹脂組成物を表皮層として使用するためにはなんらかの手法で着色することが必要であるが、良好な外観が得られるように湿気硬化性ポリウレタンホットメルト樹脂組成物を着色するのは容易ではない。この着色方法に関する従来の知見は少ないが、前記文献には、かかる着色方法について一切開示されていない。
特開平9-24590号公報 特開2000−54272号公報
上記したような従来の技術では、変色や色むら等なく均一な着色状態を有するなど意匠性に優れ、かつ柔軟な風合い、耐摩耗性、耐加水分解性等に優れた皮革様シートを得るためには、人体に対して有害であり環境問題の原因物質となり得る有機溶剤型のポリウレタン樹脂を使用せざるをえず、製造工程で有機溶剤の乾燥や抽出などの方法による除去が必要であり、有機溶剤の除去のために膨大なエネルギー消費を要するという問題があった。加えて、高度な耐摩耗性や色の深みを得ようとして厚い膜厚を有する表皮層を形成することは困難であり、あえて厚膜化しようとしても、前記したように有機溶剤の放出量、エネルギー負荷及び製造コストがますます増大するという問題が生じる。
また、かかる問題を回避するために、前記特定組成を有する熱可塑性ポリウレタンを溶融押し出して、繊維質基材上に表皮層を設ける手法を採用しても、前記溶融時の熱で着色剤が変色してしまい、さらに、表皮層に形成される凹凸模様が、凹凸模様の忠実な再現性の点で必ずしも満足できるレベルではないという問題を有していた。
さらに、皮革様シートの表皮層及び接着層として湿気硬化性ポリウレタンホットメルト樹脂組成物を使用する手法も知られているが、予め表皮層を作成し、接着剤を使用して該表皮層と基材とを貼り合わせる必要があるなど工程が煩雑であった。
本発明の目的は、有機溶剤を使用せず簡単かつ省力化された工程で、着色剤の変色や色むら等がなく着色状態が良好で優れた意匠性を有し、かつ風合い、耐摩耗性、柔軟性等に優れた皮革様シートを得ることが可能な製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、表皮層が200μmを越える厚い膜厚の場合であっても、着色状態が良好で、凹凸模様の忠実な再現性を有するなど優れた意匠性を有する皮革様シートを得ることが可能な製造方法を提供することにある。
本発明者らは、前記皮革様シートの表皮層を形成する無溶剤型のポリウレタン樹脂として、前記従来の熱可塑性ポリウレタンではなく、比較的低分子量のホットメルトウレタンプレポリマーを使用すれば変色や色むら等の問題を解決し、所望の色相に着色することが可能ではないかと考え、鋭意検討を開始した。
まず、ポリオールとポリイソシアネートとを反応させて得られた分子末端にイソシアネート基を有するホットメルトウレタンプレポリマーと各種顔料とを加熱溶融状態で混錬する方法、あるいは予め前記ホットメルトウレタンプレポリマーと各種顔料とを加熱溶融状態で混錬してマスターバッチ化し、得られたマスターバッチを前記ホットメルトウレタンプレポリマーに添加する方法等を試みたが満足な結果は得られなかった。さらに検討したところ、各種顔料及びビヒクルとして1000〜20000の範囲の数平均分子量を有するポリオールを用いて予め着色剤を製造し、得られた着色剤を使用することにより、前記ホットメルトウレタンプレポリマーを良好に着色することができることを見出した。
また、前記ホットメルトウレタンプレポリマー及び前記着色剤を含有する湿気硬化性ポリウレタンホットメルト樹脂組成物は、皮革様シートの基材として使用されている各種繊維質基材に対して優れた接着性を有することから、従来の手法のように予め表皮層を作成し、接着剤を使用して該表皮層と基材とを貼り合わせるための別途の工程を省略することが可能で、生産工程を大幅に効率化できることを見出した。
すなわち、前記湿気硬化性ポリウレタンホットメルト樹脂組成物を加熱溶融させて、離型性基材及び繊維質基材のいずれか一方の基材上に塗布し、前記離型性基材と前記繊維質基材とを貼り合わせることにより、接着剤を用いることなく、前記樹脂組成物からなる表皮層を前記繊維質基材上に直接形成することが可能な皮革様シートの製造方法を開発した。
さらに前記湿気硬化性ポリウレタンホットメルト樹脂組成物を用いた皮革様シートの製造方法では、一回の塗布工程で例えば200μm以上の膜厚を有する表皮層を形成することができ、また製造工程中において着色剤が変色することがなく、着色状態が均一で優れた意匠性を有する皮革様シートを得ることが可能であることも見出した。
さらに、前記皮革様シートの製造方法において皮革様の凹凸模様を有する離型性基材を用いた場合、前記凹凸模様が形成される表皮層に良好に転写され、その結果、凹凸模様の忠実な再現性を有する皮革様シートが得られることも確認した。
すなわち本発明は、分子末端にイソシアネート基を有するホットメルトウレタンプレポリマー(A)及び着色剤(B)を含有する湿気硬化性ポリウレタンホットメルト樹脂組成物(C)を加熱溶融させ、該加熱溶融状態の樹脂組成物(C)を、〔1〕離型性基材(D)上に塗布し、該塗布面と繊維質基材(E)とを貼り合わせる、又は、〔2〕繊維質基材(E)上に塗布し、該塗布面とを離型性基材(D)を貼り合わせることにより、前記樹脂組成物(C)からなる表皮層を前記繊維質基材(E)上に形成する皮革様シートの製造方法であって、前記着色剤(B)が、ビヒクル(B−1)として1000〜20000の範囲の数平均分子量を有するポリオール及び顔料(B−2)を含むものである皮革様シートの製造方法を提供するものである。
また本発明は、前記離型性基材が凹凸模様を有するものである前記皮革様シートの製造方法を提供するものである。
本発明によれば、人体への悪影響や大気や水質の汚染の原因となる有機溶剤を使用することなく、製造工程で有機溶剤の乾燥や除去が不要であり大幅なエネルギー消費量及び製造コストの低減が可能であって、かつ着色剤の変色や色むら等がなく着色状態が良好で優れた意匠性を有し、風合い、耐摩耗性、柔軟性等に優れた皮革様シートを得ることが可能な製造方法を提供することができる。
また本発明によれば、従来の手法のように予め表皮層を作成し、接着剤を使用して該表皮層と基材とを貼り合わせるための別途の工程を省略することが可能で、生産工程を大幅に効率化できる。
さらには、表皮層が200μmを越える厚い膜厚の場合であっても、着色状態が良好で、凹凸模様の忠実な再現性を有するなど優れた意匠性を有する皮革様シートを得ることが可能な製造方法を提供することもできる。
以下に、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
本発明は、分子末端にイソシアネート基を有するホットメルトウレタンプレポリマー(A)及び着色剤(B)を含有する湿気硬化性ポリウレタンホットメルト樹脂組成物(C)を加熱溶融させ、該加熱溶融状態の樹脂組成物(C)を、〔1〕離型性基材(D)上に塗布し、該塗布面と繊維質基材(E)とを貼り合わせる、又は、〔2〕繊維質基材(E)上に塗布し、該塗布面とを離型性基材(D)を貼り合わせることにより、前記樹脂組成物(C)からなる表皮層を前記繊維質基材(E)上に形成する皮革様シートの製造方法であって、前記着色剤(B)が、ビヒクル(B−1)として1000〜20000の範囲の数平均分子量を有するポリオール及び顔料(B−2)を含むものである皮革様シートの製造方法を提供するものである。
まず、本発明の製造方法で使用する、分子末端にイソシアネート基を有するホットメルトウレタンプレポリマー(A)について説明する。
本発明で使用するホットメルトウレタンプレポリマー(A)は、ポリオールとポリイソシアネートとを反応させて得られるもので、「湿気硬化性」(「湿気架橋反応性」といわれる場合もある。)と「ホットメルト性」の2つの特性を具備するものである。
前記ウレタンプレポリマー(A)が有する湿気硬化性は、ウレタンプレポリマー(A)が有するイソシアネート基と湿気(水)が反応して開始する架橋反応に由来するものであり、イソシアネート基に起因する性質である。
このウレタンプレポリマー(A)が有する湿気硬化性によって、本発明で使用する湿気硬化性ポリウレタンホットメルト樹脂組成物(C)は、加熱溶融状態で基材に塗布された後、雰囲気中あるいは基材に含まれる湿気(水)と反応して硬化することにより高分子量化して耐久性に優れる表皮層を形成することができ、さらに繊維質基材表面との接着性も優れたものとなる。
一方、ウレタンプレポリマー(A)が有するホットメルト性は、選択するプレポリマーの分子構造に起因する性質であり、常温では固体ないしは基材に塗布が困難な程度に粘稠な状態であるが、加熱によって溶融して塗布が可能となり、冷えると固化し接着性を発現する性質であり、「ホットメルト」とは、かかる性質もしくは物質の総称である。
このホットメルト性を有するウレタンプレポリマー(A)は、加熱溶融状態で着色剤(B)と混合することができ、また基材に塗布された後は、冷却により急激に粘度上昇して再度凝集力が発現して表面部分が短時間で固定化されることから、例えば貼り合わせ直後の皮革様シートの巻き取り工程等において、表面外観や表面品位等の意匠性や、柔軟な風合いが損なわれることを防止することができる。
一般にウレタンプレポリマーといわれるものは、低分子量のものが多いが、当業者においては、数万の数平均分子量を有するものもウレタンプレポリマーと称されており、本発明においても数万の数平均分子量を有するウレタンプレポリマー(A)も使用することができるものとする。
本発明で使用するウレタンプレポリマー(A)が有する数平均分子量は、好ましくは500〜30000の範囲であり、より好ましくは1000〜10000の範囲である。前記ウレタンプレポリマー(A)の数平均分子量がかかる範囲であれば、着色剤(B)と加熱溶融状態で混合する際の作業安定性と混合効率が良好となり、顔料分散性に優れると共に、優れた柔軟性、機械的強度、耐摩耗性、耐加水分解性を有する表皮層を形成することができる。また、加工温度については、前記した従来技術で使用されている熱可塑性ポリウレタンが200℃程度の加工温度が必要であるのに対して、本発明で使用するウレタンプレポリマー(A)は60〜170℃と比較的低温で溶融させ塗布することができ、溶融時の熱による着色剤(B)の変色を大幅に低減することができる。
ウレタンプレポリマー(A)のコーンプレート粘度計にて測定した125℃における溶融粘度は、好ましくは100〜100,000mPa・sの範囲であり、より好ましくは1,000〜50,000mPa・sの範囲である。ウレタンプレポリマー(A)の溶融粘度がかかる範囲であれば、ウレタンプレポリマー(A)と着色剤(B)を加熱溶融状態で混合する際の作業安定性及び混合効率が良好であり、優れた顔料分散性が得られると共に、湿気硬化性ポリウレタンホットメルト樹脂組成物(C)の繊維質基材(E)への浸透性が適度な状態となり、優れた剥離強さを得ることができる。
ウレタンプレポリマー(A)は、ポリオールとポリイソシアネートとを、ポリイソシアネートが有するイソシアネート基が、ポリオールが有する水酸基に対して過剰となる条件で反応させることにより製造することができる。この際、(ポリイソシアネートが有するイソシアネート基)/(ポリオールが有する水酸基)の当量比としては、好ましくは1.1〜5.0の範囲であり、より好ましくは1.5〜3.0の範囲である。
ウレタンプレポリマー(A)中のイソシアネート基含有量は、ウレタンプレポリマー(A)を基準として好ましくは0.5〜10.0質量%の範囲であり、より好ましくは1.0〜6.0質量%の範囲である。かかる範囲であれば、加熱溶融後の溶融粘度が適切な範囲となり、着色剤(B)と加熱溶融状態で混合する際に、優れた作業安定性と顔料分散性が得られることに加えて、湿気(水)とイソシアネート基との反応による適度な架橋密度、柔軟な風合い及び耐久性などの特性を得ることができる。
本発明で使用するウレタンプレポリマー(A)を製造する際に使用可能なポリオールとしては、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、アクリルポリオール、ポリオレフィンポリオール、ひまし油ポリオール、シリコン変性ポリオール、あるいはこれらの混合物が挙げられる。
また、前記ウレタンプレポリマー(A)を製造する際に使用可能なポリエーテルポリオールとしては、特に制限はなく公知のポリエーテルポリオールを使用することができる。なかでも、数平均分子量が500〜10000の範囲のポリオキシアルキレングリコールが好ましく、より具体的には、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、及び各種低分子量ポリオールを開始剤として用いてエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド、及びスチレンオキサイドなどの群から選ばれる一種又は二種以上を開環重合させた重合物等が挙げられる。また、前記ポリエーテルポリオールにγ−ブチロラクトンやε−カプロラクトンなどを開環付加した重合物も使用することができる。
前記ウレタンプレポリマー(A)を製造する際に使用可能なポリエステルポリオールとしては、公知の各種低分子量ポリオールと多塩基酸とを縮合させて得られるポリエステルポリオールを挙げることができる。
このポリエステルポリオールを製造する際に使用することができる低分子量ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,8−オクタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノールから選ばれる一種又は二種以上を使用することができる。また、ビスフェノールAに各種アルキレンオキサイドを付加させた付加物も使用可能である。
また、前記ポリエステルポリオールを製造する際に使用することができる多塩基酸としては、例えば、コハク酸、マレイン酸、アジピン酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸から選ばれる一種又は二種以上が挙げられる。また、その他に前記低分子量ポリオールを開始剤として使用し、γ−ブチロラクトン、ε−カプロラクトンなどを開環重合させた重合物も使用することができる。
また、前記ウレタンプレポリマー(A)を製造する際に使用することができるポリカーボネートポリオールとしては、前記低分子量ポリオールと、ジアリールカーボネート、ジアルキルカーボネート、及びアルキレンカーボネートなどから選ばれる一種又は二種以上との縮合反応により得られるポリ(アルキレンカーボネート)ジオールなどが挙げられる。
更に、前記ポリエステルポリオールを製造する際に使用することができる低分子量ポリオールは、ウレタンプレポリマー(A)を製造する際にポリオールとして使用可能である。
また、前記ウレタンプレポリマー(A)を湿気硬化させて得られる硬化物が有するガラス転移温度(Tg)は、−70〜25℃の範囲であることが好ましい。かかる範囲であれば、低温から常温までの柔軟な風合い、屈曲性に優れた皮革様シートを得ることができる。
また、前記ウレタンプレポリマー(A)の湿気硬化物のガラス転移温度(Tg)は、プレポリマー(A)を製造する際に使用するポリオールのTgにより影響を受ける。前記ウレタンプレポリマー(A)を製造する際に使用可能なポリオールとしては、−70〜25℃の範囲のガラス転移温度を有するポリエーテルポリオールが好ましく、なかでも前記した数平均分子量が500〜10,000の範囲のポリオキシアルキレングリコールがより好ましい。とりわけポリテトラメチレングリコールは、得られる皮革様シートの低温屈曲性をより優れたものとすることができることから特に好ましい。
また、前記ウレタンプレポリマー(A)を構成するポリオールとしては、前記ポリテトラメチレングリコールを40質量%以上含有することが好ましい。かかる範囲であれば、低温から常温までの柔軟な風合い、屈曲性に優れた皮革様シートを得ることができる。
また、前記ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテルポリオールを使用する場合、さらにポリエステルポリオールを併用すると、得られる表皮層の耐摩耗性や耐ブロッキング性などの機械的特性を向上させることができるので好ましい。
また、ウレタンプレポリマー(A)に、本発明の製造方法にとって適度なホットメルト性を付与するためには、リングアンドボールメソッド(ring and ball method)を用いて昇温速度5℃/分にて測定した乾球式軟化点が、好ましくは30〜160℃の範囲、より好ましくは40〜120℃の範囲のポリオールを使用することが好ましい。具体的には、前記低分子量ポリオールの内、炭素原子数が偶数個の低分子量ポリオールと、前記多塩基酸の内、炭素原子数が偶数個の多塩基酸とを重縮合させて得られるポリエステルポリオール、あるいは前記低分子量ポリオールの内、炭素原子数が偶数個の低分子量ポリオールを出発物質として得られるポリカーボネートポリオールを挙げることができる。
前記ウレタンプレポリマー(A)を製造する際に使用することができるポリイソシアネートとしては、例えば、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネートや、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネートあるいは脂環族ジイソシアネート、及び4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)の2量体及び3量体を含むポリメリックMDI等が挙げられる。
これらの中で、耐光変色性及び水蒸気あるいは湿気(水)との反応性を考慮すると、キシリレンジイソシアネートがより好ましい。
また、本発明で用いるウレタンプレポリマー(A)としては、分子末端にイソシアネート基と加水分解性アルコキシシリル基を併有するホットメルトウレタンプレポリマー(a)も使用することができる。このホットメルトウレタンプレポリマー(a)は、分子末端に加水分解性アルコキシシリル基を有さないホットメルトウレタンプレポリマーと併用することも可能である。このホットメルトウレタンプレポリマー(a)を使用することにより、ウレタンプレポリマー(A)と顔料の濡れ性が向上し、得られる表皮層の機械的強度を損なうことなくより鮮明な色調の表皮層を得ることができる。さらに、熱履歴による湿気硬化性ポリウレタンホットメルト樹脂組成物(C)の粘度上昇を抑制することが可能である。
前記分子末端にイソシアネート基と加水分解性アルコキシシリル基を併有するホットメルトウレタンプレポリマー(a)は、ポリオール、ポリイソシアネート、及びイソシアネート基と反応性を有する活性水素原子含有基と加水分解性アルコキシシリル基とを併有する化合物を反応させることにより得ることができる。例えば、前記分子末端にイソシアネート基を有するホットメルトウレタンプレポリマー(A)に、イソシアネート基と反応性を有する活性水素原子含有基と加水分解性アルコキシシリル基とを併有する化合物を反応せしめることによってホットメルトウレタンプレポリマー(a)を得ることができる。
この際、[(活性水素原子含有基と加水分解性アルコキシシリル基とを併有する化合物が有する活性水素原子含有基)/(プレポリマー(A)が有するイソシアネート基)]の当量比としては、好ましくは0.05〜0.80の範囲であり、より好ましくは0.1〜0.5の範囲である。かかる範囲であれば、ウレタンプレポリマー(A)と着色剤(B)とを加熱溶融状態で混合する際、ゲル化することがなく作業安定性が良好であり、また顔料分散性が優れたものとなる。さらに適度な粘度上昇により湿気硬化性ポリウレタンホットメルト樹脂組成物(C)の繊維質基材(E)への浸透制御による接着強さの向上と、得られる皮革様シートの耐久性とのバランスが良好となる。
本発明で使用する前記ウレタンプレポリマー(A)の湿気硬化性とは、前記したようにウレタンプレポリマー(A)が有するイソシアネート基と湿気(水)との反応であるが、前記ホットメルトウレタンプレポリマー(a)を使用する場合には、更に前記ホットメルトウレタンプレポリマー(a)が有する加水分解性アルコキシシリル基と湿気(水)との反応も起こる。
前記ホットメルトウレタンプレポリマー(a)を製造する際に使用する、イソシアネート基と反応性を有する活性水素原子含有基と加水分解性アルコキシシリル基とを併有する化合物としては、下記一般式[1]で示されるものを使用することができる。
Figure 0003767826
(但し、一般式[1]中のRは水素原子又はアルキル基、アリール基及びアラルキル基より選ばれる一価の有機基を、Rはハロゲン原子又はアルコキシル基、アシロキシ基、フェノキシ基、イミノオキシ基若しくはアルケニルオキシ基を表し、また、nは0又は1若しくは2なる整数を表す。また、Xはアミノ基、水酸基又はメルカプト基を少なくとも1個以上含有する有機残基を表す。)
前記一般式[1]で示される化合物が有する活性水素原子含有基としては、例えば、アミノ基、水酸基、メルカプト基等を挙げることができるが、それらの中でも、イソシアネート基との反応性に優れる点からアミノ基が好ましい。
また、前記一般式[1]で示される化合物が有する加水分解性アルコキシシリル基としては、例えば、ハロシリル基、アルコキシシリル基、アシロキシシリル基、フェノキシシリル基、イミノオキシシリル基またはアルケニルオキシシリル基などの、加水分解され易いシリル基を使用することができる。
前記加水分解性アルコキシシリル基の中でも、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、(メチル)ジメトキシシリル基、(メチル)ジエトキシシリル基などが湿気(水)との架橋反応が進行し易い点から好ましい。
前記イソシアネート基と反応性を有する活性水素原子含有基と加水分解性アルコキシシリル基とを併有する化合物の具体例としては、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−ヒドロキシルエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(2−ヒドロキシルエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−(2−ヒドロキシルエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(2−ヒドロキシルエチル)アミノプロピルメチルジエトキシシランまたはγ−(N,N−ジ−2−ヒドロキシルエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシランまたはγ−(N−フェニル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトフェニルプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
本発明で用いるウレタンプレポリマー(A)を製造するには、公知慣用の種々の方法を採用することができ、特に限定されるものではない。例えば、ポリイソシアネートに水分を除去したポリオールを滴下、又は水分を除去したポリオール中にポリイソシアネートを混合後、加熱してバッチ方式で反応させる方法、あるいは水分を除去したポリオールとポリイソシアネートを加熱して、所定の比率で押出機に投入して連続押出反応方式で前記ポリオールが有する水酸基が無くなるまで反応させる方法などを適用することができる。
また、上記のようにして得られた分子末端にイソシアネート基を有するホットメルトウレタンプレポリマー(A)に、イソシアネート基と反応性を有する活性水素原子含有基と加水分解性アルコキシシリル基とを併有する化合物を滴下し、必要に応じて加熱して反応させることにより、分子末端にイソシアネート基に加えて更に加水分解性アルコキシシリル基を有するホットメルトウレタンプレポリマー(a)を得ることができる。
この反応は無溶剤で行うことができるが、場合によっては有機溶剤中で行い、その後脱溶剤することでも行うことができる。この有機溶剤中で反応させる場合には、例えば、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、メチルエチルケトン、トルエン等の公知慣用の種々の有機溶剤の使用が可能である。この場合、反応終了後、減圧加熱に代表される脱溶剤方法により溶剤を除去することが必要である。
次に、本発明で使用する着色剤(B)について説明する。
前記着色剤(B)としては、顔料(B−2)、着色剤に流動性、転移性、乾燥性、接着性、及び乾燥膜特性を与えるビヒクル(B−1)(いわゆる展色剤)、必要により公知の添加剤を使用することができる。
前記ビヒクル(B−1)としては、1000〜20000の範囲の数平均分子量を有するポリオールを使用することが好ましい。かかるビヒクル(B−1)を使用した着色剤(B)は、前記ウレタンプレポリマー(A)との加熱溶融状態で混合する際の作業安定性及び顔料分散性が良好であり、着色状態が均一で優れた意匠性を有する皮革様シートを得ることができる。また、着色剤(B)を混合することによって得られる皮革様シートの機械的強度を損なうことがない。
前記ビヒクル(B−1)として使用可能なポリオールの種類は特に限定されるものではなく、例えば、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、アクリルポリオール、ポリオレフィンポリオール、ひまし油ポリオール、シリコン変性ポリオール等が挙げられる。なかでも、低温から常温の範囲で柔軟な風合いを有する皮革様シートが得られることから、1000〜20000の範囲の数平均分子量を有するポリオキシアルキレングリコールがより好ましい。
具体的には、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどの前記低分子量ポリオールを開始剤として使用し、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドやスチレンオキサイドなどから選ばれる一種又は二種以上を開環重合させて得られるポリオール、あるいは前記低分子量ポリオールにγ−ブチロラクトン、ε−カプロラクトンなどを開環付加した重合物などを使用することができる。これらのなかでも、顔料との濡れ性が良好で、良好な風合いや機械的特性等を有する皮革様シートが得られることから、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールがより好ましい。
前記顔料(B−2)としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、亜鉛華、カーボンブラック、酸化第二鉄(べんがら)、クロム酸鉛(モリブデートオレンジ)、黄鉛、黄色酸化鉄、オーカー、群青、コバルトグリーン等の無機系顔料や、アゾ系、ナフトール系、ピラゾロン系、アントラキノン系、ペレリン系、キナクリドン系、ジスアゾ系、イソインドリノン系、ベンツイミダゾール系、フタロシアニン系、キノフタロン系等の有機系顔料などが挙げられる。また、重炭酸カルシウム、クレー、シリカ、カオリン、タルク、沈降性硫酸バリウム、炭酸バリウム、ホワイトカーボン、珪藻土等の体質顔料を併用することも可能である。
前記着色剤(B)は、ビヒクル(B−1)、顔料(B−2)及び必要に応じて添加剤を均一に混練することにより製造することができる。また、必要に応じて樹脂との濡れ性や密着性を向上させる目的で、シランカップリング剤で顔料(B−2)を化学的に表面処理したり、混練に当たって2種類以上の顔料(B−2)を組み合わせたり、或いは公知慣用の顔料分散剤や色分かれ防止剤などの添加剤を併用することができる。
前記混練方法は、特に限定されないが、例えば、プラネタリーミキサー、ボールミル、ペブルミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、高速インペラー分散機、及び高速ストーンミルなどの公知慣用の分散機を用いて行うことができる。なかでも、ビヒクル(B−1)と顔料(B−2)を加熱溶融させ混練できる分散機がより好ましい。
前記ビヒクル(B−1)と顔料(B−2)の混合比率は、好ましくは質量比で(B−1)/(B−2)=95〜20/5〜80の範囲である。ビヒクル(B−1)と顔料(B−2)の混合比率がかかる範囲であれば、ウレタンプレポリマー(A)と着色剤(B)とを加熱溶融状態で混合する際、ゲル化することがなく作業安定性が良好であり、また顔料分散性も優れたものとなり、良好な隠蔽性を有する皮革様シートが得られる。
本発明で使用する湿気硬化性ポリウレタンホットメルト樹脂組成物(C)は、ホットメルトウレタンプレポリマー(A)及び着色剤(B)を含有するものである。この湿気硬化性ポリウレタンホットメルト樹脂組成物(C)は、ホットメルトウレタンプレポリマー(A)と着色剤(B)とを加熱溶融状態で均一に混合させることにより得ることができる。
前記ホットメルトウレタンプレポリマー(A)と着色剤(B)との混合比率は、好ましくは質量比で(A)/(B)=100/5〜100/100、より好ましくは(A)/(B)=100/10〜100/60の範囲である。かかる範囲であれば、ウレタンプレポリマー(A)と着色剤(B)とを加熱溶融状態で混合する際、ゲル化することがなく作業安定性が良好であり、また顔料分散性が優れたものとなる。さらに適度な粘度上昇により湿気硬化性ポリウレタンホットメルト樹脂組成物(C)の繊維質基材(E)への浸透制御による接着強さの向上と、得られる皮革様シートの耐久性とのバランスが良好となる。
本発明で使用する湿気硬化性ポリウレタンホットメルト樹脂組成物(C)に対して、必要に応じて、ウレタン化触媒、シランカップリング剤、充填剤、チキソ付与剤、粘着付与剤、ワックス、熱安定剤、耐光安定剤、充填剤、蛍光増白剤、発泡剤等の添加剤、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、染料、導電性付与剤、帯電防止剤、透湿性向上剤、撥水剤、撥油剤、中空発泡体、結晶水含有化合物、難燃剤、吸水剤、吸湿剤、消臭剤、整泡剤、消泡剤、防黴剤、防腐剤、防藻剤、顔料分散剤、不活性気体、ブロッキング防止剤、加水分解防止剤、あるいは吸水性を向上させて湿気硬化を促進させる目的で、有機水溶性化合物及び/又は無機水溶性化合物を、単独又は複数を組み合わせて使用することができる。
前記ウレタン化触媒としては、特に制限はなく、公知慣用のものが使用でき、例えば、オクチル酸第一錫、ジ−n−ブチル錫ジアセテート、ジ−n−ブチル錫ジラウレート、1,8−ジアザ−ビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(DBU)、DBU−p−トルエンスルホン酸塩、DBU−ギ酸塩、DBU−オクチル酸塩、DBU−フェノール塩、アミン系触媒、モルフォリン系触媒、硝酸ビスマス、塩化錫及び塩化鉄等のウレタン化触媒より選ばれる1種又は2種以上を使用することができる。
また、前記ウレタンプレポリマー(A)として、分子末端に加水分解性アルコキシシリル基を有するホットメルトウレタンプレポリマー(a)を使用する場合は、必要に応じて公知慣用の架橋触媒が使用でき、例えば、リンゴ酸、クエン酸、燐酸、酸性燐酸エステル化合物等の各種の酸性化合物、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエチレンジアミン等の各種の塩基性化合物、テトライソプロピルチタネート、ジ−n−ブチル錫ジアセテート、ジ−n−ブチル錫ジラウレート、ジ−n−ブチル錫オキサイド、ジオクチル錫オキサイドまたはジ−n−ブチル錫マレエートなどの各種の含金属化合物、その他一般的に加水分解性アルコキシシラン架橋触媒として用いられるものを使用することができる。
前記シランカップリング剤としては、特に制限はなく、公知慣用のものが使用でき、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3、4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシランまたはγ−クロロプロピルトリメトキシシラン等を使用することができる。
前記充填剤としては、特に制限はなく、公知慣用のものが使用でき、例えば、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、硫酸バリウム、カオリン、タルク、カーボンブラック、アルミナ、酸化マグネシウム、無機バルーン、有機バルーン、リチアトルマリン、活性炭等を使用することができる。
また、前記チキソ付与剤としては、特に制限はなく、公知慣用のものが使用でき、例えば、表面処理炭酸カルシウム、微粉末シリカ、ベントナイト、ゼオライト等も使用することができる。
ホットメルトウレタンプレポリマー(A)と着色剤(B)とを加熱溶融状態で均一に混合し、着色された湿気硬化性ポリウレタンホットメルト樹脂組成物(C)を製造する方法としては、公知慣用の種々の方法を採用することができ特に制限されるものではない。
例えば、予め製造されたウレタンプレポリマー(A)を加熱溶融させた状態で所定比率の着色剤(B)と、バッチ式の攪拌機、あるいはスタティックミキサー等の静的混合機、ローターステーター式等の混合装置を用いて連続的に混合する方法が挙げられる。
ウレタンプレポリマー(A)を加熱溶融させる際には、60〜170℃の温度範囲で加温し溶融させることが好ましく、熱履歴による粘度上昇を考慮すると、80〜140℃の温度範囲で加温し溶融させることがより好ましい。
また、前記着色剤(B)は、常温(23℃)〜100℃の温度範囲で保持又は加温を行い、液状(すなわち流動可能な状態。)とし、前記ウレタンプレポリマー(A)と攪拌混合することが好ましく、また、その際均一な樹脂組成物を得るためには高速攪拌混合することがより好ましい。
前記高速攪拌混合するための装置としては、加熱溶融状態で保温できる構造を有する2液連続混合装置が特に好ましい。
前記2液連続混合装置の設定温度としては、品質や生産性などを考慮して適宜設定すればよく、通常はウレタンプレポリマー(A)の溶融温度〜溶融温度+30℃以内の範囲に保つことが好ましい。前記設定温度がかかる範囲であれば、湿気硬化性ポリウレタンホットメルト樹脂組成物(C)の均一な混合攪拌が効果的にでき、作業性に優れる。前記した温度範囲及び混合方法によれば、熱履歴による着色剤の変色等の問題は殆ど生じない。
また、前記2液連続混合装置でウレタンプレポリマー(A)と着色剤(B)を混合した際に発生する泡は、該装置内で減圧ポンプなどを用いて脱泡処理を施すことがより好ましい。
またウレタンプレポリマー(A)の製造と同時に着色剤(B)を混合することもできる。例えば、(1)ポリイソシアネートに水分を除去したポリオール及び着色剤(B)を滴下混合後、又は(2)水分を除去したポリオール及び着色剤(B)中にポリイソシアネートを混合後、加熱してバッチ方式で反応させる方法、あるいは(3)水分を除去したポリオールとポリイソシアネート、及び着色剤(B)を、それぞれ所定の比率で加熱しながら押出機に投入して連続押出反応方式で反応させる方法により、目的とする着色された湿気硬化性ポリウレタンホットメルト樹脂組成物(C)を得ることもできる。
次に、本発明で使用する湿気硬化性ポリウレタンホットメルト樹脂組成物(C)を、加熱溶融させて離型性基材(D)又は繊維質基材(E)上に塗布し、前記樹脂組成物(C)からなる表皮層を前記繊維質基材(E)上に形成する工程について説明する。
湿気硬化性ポリウレタンホットメルト樹脂組成物(C)を、加熱溶融させて離型性基材(D)又は繊維質基材(E)上に塗布する装置としては、好ましくは60〜170℃の範囲に温調制御可能な塗布装置、例えばロールコーター、スプレーコーター、T−ダイコーター、ナイフコーター又はコンマコーター等が適している。これらの装置を用いて加熱溶融された湿気硬化性ポリウレタンホットメルト樹脂組成物(C)を〔1〕離型性基材(D)上に塗布し、該塗布面と繊維質基材(E)とを貼り合わせるか、あるいは、〔2〕繊維質基材(E)上に塗布し、該塗布面とを離型性基材(D)を貼り合わせて、前記樹脂組成物(C)からなる表皮層を前記繊維質基材(E)上に形成することにより、目的とする皮革様シートを製造することができる。離型性基材(D)は、前記の基材と貼り合わせして熟成後、前記樹脂組成物(C)からなる表皮層から剥離すればよい。
好ましい方法の一例を示せば、コーター温度が30〜200℃の範囲で制御可能なロールコーターを用いて、湿気硬化性ポリウレタンホットメルト樹脂組成物(C)を好ましくは60〜170℃、より好ましくは80〜140℃の範囲に設定して加熱溶融させ、離型性基材(D)上に均一にシート状に塗布した後、該塗布面と繊維質基材(E)とを貼り合わせて、前記樹脂組成物(C)からなる表皮層を前記繊維質基材(E)上に形成する方法が挙げられる。かかる方法により、樹脂組成物(C)からなる表皮層の厚みを、より精度よく制御することができる。
また、前記湿気硬化性ポリウレタンホットメルト樹脂組成物(C)からなる表皮層の厚みは、好ましくは30〜800μmの範囲である。この範囲であれば、下地である繊維質基材(E)の凹凸模様が表面に露出されないため、表面品位に優れ、柔軟性と風合いに優れた皮革様シートが得られる。
本発明によれば、表皮層が200μmを越える厚い膜厚の場合であっても、簡単かつ省力化された工程で製造することができる。この場合であっても、色むら等がなく着色状態が良好で、意匠性、風合い、柔軟性等に優れた皮革様シートを提供することができる。
本発明で使用する離型性基材(D)としては、湿気硬化性ポリウレタンホットメルト樹脂組成物(C)に対して離型性を有する基材、離型処理を施した基材であれば、いずれも使用することができ、例えば、離型紙、離型処理布(離型処理を施した布であり材質は特に限定しない。)、撥水処理布、ポリエチレン樹脂又はポリプロピレン樹脂等からなるオレフィンシート又はフィルム、フッ素樹脂シート又はフィルム、離型紙付きプラスチックフィルム等が挙げられる。
前記離型紙付きプラスチックフィルムとしては、例えば、従来より皮革様シートに用いられる表皮層用のポリウレタン樹脂が離型紙にコーティングされた離型紙付プラスチックフィルムを使用することができる。かかる表皮層用ポリウレタン樹脂としては、溶剤系、水系、エマルジョン系、或いは無溶剤系などのポリウレタン樹脂を用いることができる。
また、皮革様シートに表面意匠性を付与する目的で、凹凸模様を有する離型性基材(D)を使用することが好ましい。あるいは、湿気硬化性ポリウレタンホットメルト樹脂組成物(C)の塗布面と繊維質基材(E)とを貼り合わせた後、前記離型性基材(D)の上から、又は離型性基材(D)を剥離した後、前記塗布面に、凹凸模様を有する彫刻(エンボス)ロールを用いて(熱)エンボス処理を行い凹凸模様を形成しても構わない。
また、繊維質基材(E)としては、例えば、不織布や織布、編布等の一般的に皮革様シートに用いられている基布、天然皮革等を使用することができる。また、不織布や織布、編布等に、溶剤系、水系、エマルジョン系又は無溶剤系のポリウレタン樹脂、アクリル樹脂、及びブタジエン系樹脂(SBR、NBR、MBR)等の樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種類以上を含浸し加工したものも使用することができる。さらに、これらの基材表面に各種樹脂からなる多孔質層を設けたものも使用することができる。これらの中でも、より柔軟な風合いとより優れた機械的強度を有する皮革様シートが得られることから、ポリウレタン樹脂を含浸させた極細繊維不織布が好ましく、さらに該不織布に多孔質層を設けたものがより好ましい。
本発明の製造方法で得られる皮革様シートは、別の基材類と、溶剤系、水系、エマルジョン系、無溶剤系、又はホットメルト系接着剤等の接着剤を用いて、全面接着又はドット状に接着加工して用いることもできる。
また、本発明の製造方法で得られる皮革様シートに対しては、さらに公知慣用の方法により、表面意匠性を付与するために、溶剤系、水系、エマルジョン系若しくは無溶剤系のポリウレタン樹脂やアクリル樹脂をコーティングしたり、あるいはバフィング加工等の後加工を適宜行うことができる。
また、皮革様シートの厚み精度をより向上するためには、例えば、圧締ベルトプレス、ニップロール、あるいは平面プレス等の圧締装置から選ばれる1種以上を用いて圧締して、湿気硬化性ポリウレタンホットメルト樹脂組成物(C)の厚み精度を30〜800μmの範囲に制御することが好ましい。
また、本発明の製造方法で得られる皮革様シートの熟成条件としては、環境温度が20〜40℃、相対湿度が50〜80%、熟成期間が1〜7日間が一般的である。かかる熟成条件であれば、湿気硬化性ポリウレタンホットメルト樹脂組成物(C)に残存しているイソシアネート基、あるいはさらに加水分解性アルコキシシリル基と、湿気(水)との反応が完結して、優れた機械的強度を有する皮革様シートを得ることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
また、以下で説明する図面は、本発明の一実施形態であり、その目的を達成していれば、各部位の位置などを限定するものではない。
図1は、本発明の皮革様シートの製造方法において、湿気硬化性ポリウレタンホットメルト樹脂組成物を加熱溶融させ、該加熱溶融状態の樹脂組成物を〔1〕離型性基材1上に塗布し、該塗布面と繊維質基材3とを貼り合わせる、又は、〔2〕繊維質基材3上に塗布し、該塗布面とを離型性基材1を貼り合わせることにより、前記樹脂組成物からなる表皮層2を前記繊維質基材3上に形成した状態を示す概略断面図である。
図2は、本発明の製造方法の一実施形態にかかる皮革様シートの概略断面図である。この皮革様シートは、前記図1の皮革様シートから離型性基材1を剥離して得られる。
図3は、本発明の一実施形態にかかる皮革様シートの製造方法を示す模式図である。この製造方法において、加熱溶融させたホットメルトウレタンプレポリマー(A)と、着色剤(B)とを2液連続混合装置5で混合して得られた湿気硬化性ポリウレタンホットメルト樹脂組成物(図示略)を、離型性基材1を挟んだ加熱した一対の塗布ロール6の間に流下して、前記湿気硬化性ポリウレタンホットメルト樹脂組成物を離型性基材1上に厚みが均一となるようにシート状に塗布する。
その直後に、離型性基材1上に形成した前記湿気硬化性ポリウレタンホットメルト樹脂組成物の塗布層と繊維質基材3を、塗布ロール6と圧締ロール7との間に通して圧締することにより、目的とする皮革様シート4a(図示略)を得る。得られた皮革様シート4aは、図1に示したものと同様の構成を有する。
図4は、本発明の一実施形態にかかる皮革様シートの製造方法を示す模式図である。この製造方法において、加熱溶融させたホットメルトウレタンプレポリマー(A)と、着色剤(B)とを2液連続混合装置5で混合して得られた湿気硬化性ポリウレタンホットメルト樹脂組成物(図示略)を、離型性基材1を挟んだ加熱した一対の塗布ロール6の間に流下して、前記湿気硬化性ポリウレタンホットメルト樹脂組成物を離型性基材1上に厚みが均一となるようにシート状に塗布する。
次いで、離型性基材1上に形成した前記湿気硬化性ポリウレタンホットメルト樹脂組成物の塗布層と繊維質基材3を一対の圧締ロール7との間に通して圧締することにより、目的とする皮革様シート4b(図示略)を得る。得られた皮革様シート4bは、図1に示したものと同様の構成を有する。
図5は、本発明の一実施形態にかかる皮革様シートの製造方法を示す模式図である。この製造方法において、加熱溶融させたホットメルトウレタンプレポリマー(A)と、着色剤(B)とを2液連続混合装置5で混合して得られた湿気硬化性ポリウレタンホットメルト樹脂組成物(図示略)を、加熱した一対の塗布ロール6の間に流下して、前記湿気硬化性ポリウレタンホットメルト樹脂組成物を厚みが均一となるように繊維質基材3に塗布する。
その後、繊維質基材3上に形成した前記湿気硬化性ポリウレタンホットメルト樹脂組成物の塗布層と離型性基材1を一対の圧締ロール7の間に通して圧締した後、目的とする皮革様シート4c(図示略)を得る。得られた皮革様シート4cは、図1に示したものと同様の構成を有する。
以下に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。尚、以下において、部及び%は、特にことわりのない限り、全て質量基準であるものとする。又、各種特性は以下の方法に従い測定した。
[数平均分子量(Mn)の測定方法]
ゲル濾過クロマトグラフィー(GPC)法により測定して、ポリスチレン換算で数平均分子量(Mn)を示した。
[溶融粘度の測定方法]
実施例及び比較例で得られた各ホットメルトウレタンプレポリマーの溶融粘度(mPa・s)は、コーンプレート粘度計(ICI社製)を用いて、測定温度125℃にて測定した。
[ガラス転移温度(Tg)の測定方法]
実施例及び比較例で得られた各ホットメルトウレタンプレポリマーの硬化物のガラス転移温度(Tg)は、ホットメルトウレタンプレポリマーを150μmの厚みに塗布して、環境温度23℃、相対湿度65%の環境下で5日間熟成して得たフィルムを用いて、動的粘弾性測定装置(レオメトリック社製)により、周波数1Hz、5℃/分の昇温速度にて測定して得られた損失正接(tanδ)のピーク温度(℃)で示した。
[着色均一性の評価方法]
実施例及び比較例で得られた各皮革様シートの着色均一性を目視で観察して、下記の4段階で評価した。
◎:きわめて良好。
○:良好。
△:若干色むらまたは変色が認められる。
×:色むらまたは変色が認められる。
[風合いの評価方法]
実施例及び比較例で得られた各皮革様シートを、手で折り曲げるなどしてそれぞれの風合いを、下記の5段階で評価した。
1:きわめて柔らかい。
2:すこし柔らかい。
3:柔らかい。
4:すこし硬い
5:かなり硬い。
[耐摩耗性の測定方法]
実施例及び比較例で得られた各皮革様シートの表面を、1kg荷重、摩耗輪CS−10を用いて1000回摩耗して、その質量減量であるテーバー摩耗量(mg)及び外観変化を目視で観察して、下記の4段階で評価した。
◎:きわめて良好。
○:良好。
△:表面が若干欠損している。
×:表面が欠損している。
[耐屈曲性の測定方法]
実施例及び比較例で得られた各皮革様シートの耐屈曲性を、フレキソメーター〔東洋精機製(株)製〕を用い、常温(23℃)で20万回、及び低温(−10℃)で10万回試験に供した後の外観を目視で評価した。
◎:きわめて良好。
○:良好。
△:表面が若干破断している。
×:表面が破断している。
[凹凸模様の再現性評価方法]
実施例及び比較例で得られた各皮革様シートの凹凸模様を離型紙のサンプル帳に添付されているサンプルの表面凹凸模様と比較し、外観を目視して評価した。
○:きわめて忠実に再現されている。
×:部分的に微細な凹凸模様が欠けてツヤ感が異なる部分があり、再現性に劣る。
[接着性の評価方法]
実施例及び比較例で得られた各皮革様シートの表面に、布ホットメルトテープ〔商標:メルコテープ、サン化成(株)製〕を130℃、5秒間熱圧着した後、200mm/分のヘッドスピードにて、JIS K6854−2に準拠してテンシロン(島津製作所製)を用いて剥離強さを測定し、接着性の評価とした。
[耐加水分解性の評価方法]
実施例及び比較例で得られた各皮革様シートを耐加水分解性試験(促進試験条件:温度70℃、相対湿度95%、10週間)に供した後、上記の接着性の評価方法と同様に剥離強さと、評価後の外観変化を観察し、下記の判定基準に従い評価した。
○:促進試験後の外観変化全く無し。
△:促進試験後の外観変化一部に有り。
×:促進試験後の外観変化全体に有り。
[着色剤(B)の作製方法]
実施例及び比較例に使用されるビヒクル(B−1)と、温度60℃で1日乾燥して脱水した各種顔料(B−2)を、表1〜5の各配合に従い仕込み、卓上ボールミルにて60℃で1000rpmの条件で30分間、均一になるまで混合攪拌を行い、着色剤(B)を作製した。
《皮革様シート1の製造方法》
表1の配合に従い、1リットル4ツ口フラスコに、数平均分子量が2,000のポリテトラメチレングリコール(以下、PTMGと記載。)の70部、及びアジピン酸(表1〜5ではAAと記載。)と1,6−ヘキサンジオール(表1〜5ではHGと記載。)を反応させてなる数平均分子量が2000のポリエステルポリオールの30部を加えて、120℃にて減圧加熱して、水分0.05%となるまで脱水した。次いで、60℃に冷却後、キシリレンジイソシアネート(表1〜5ではXDIと記載。)を15.0部、及び触媒としてジ−n−ブチル錫ジラウレートを0.01部加えた後、110℃まで昇温して、イソシアネート基含有量が一定となるまで5時間反応して、ホットメルトウレタンプレポリマー1を得た。前記プレポリマー1の125℃における溶融粘度は4000mPa・sであり、イソシアネート基含有量は2.1質量%、ガラス転移温度(Tg)は−30℃であった。
上記で得られたプレポリマー1と、ビヒクル(B−1)として数平均分子量が5000であるポリプロピレングルコール(表1〜5ではPPGと記載。)と顔料(B−2)として酸化チタン系顔料を用いて、ビヒクル(B−1)/顔料(B−2)=60/40質量比の混合比率に従って作製した着色剤1を60℃に加温して、プレポリマー1/着色剤1=100/20質量比の混合比率に従い、120℃に設定した2液連続混合装置を用いて混合して着色された湿気硬化性ポリウレタンホットメルト樹脂組成物1を得た。
上記で得られた着色された湿気硬化性ポリウレタンホットメルト樹脂組成物1を、120℃に設定されたロールコーターにセットされた離型紙(DE−123(毛穴模様) 大日本印刷株式会社製)に導入し、厚み150μmとなるようにシート状に塗布した後、タックのある状態で、ウレタン含浸不織布と貼り合わせて、温度23℃、相対湿度65%の雰囲気下で5日間放置して、毛穴模様を有した白い皮革様シート1を得た。なお、ここで使用したウレタン含浸不織布は、単繊維繊度0.1デシテックスの極細繊維束からなる絡合不織布にポリウレタンが含浸凝固された厚さ1.3mmのものである。皮革様シート1の特性評価結果を表1に示した。皮革様シート1は、離型紙の凹凸模様を忠実に再現した毛穴模様を有し、着色均一性、風合い、耐摩耗性、耐屈曲性、接着性、及び耐加水分解性などの各種特性に優れていた。この皮革様シートは、スポーツシューズのアッパー材として最適なものである。
《皮革様シート2の製造方法》
実施例1で得られた着色された湿気硬化性ポリウレタンホットメルト樹脂組成物1を、設定温度120℃のロールコーターに導入し、厚み150μmとなるように実施例1と同じウレタン含浸不織布に直接塗布した後、タックのある状態で離型紙(DE−123(毛穴模様) 大日本印刷株式会社製)と貼り合わせて、温度23℃、相対湿度65%の雰囲気下で5日間放置した後、皮革様シート2を得た。得られた皮革様シート2の特性評価結果を表1に示した。皮革様シート2は、離型紙の凹凸模様を忠実に再現した毛穴模様を有し、着色均一性、風合い、耐摩耗性、耐屈曲性、接着性、及び耐加水分解性などの各種特性に優れていた。この皮革様シートは、スポーツシューズのアッパー材として最適なものである。
《皮革様シート3の製造方法》
表1の配合に従い、実施例1と同様にして得られたホットメルトウレタンプレポリマー1と、ビヒクル(B−1)として数平均分子量が15000であるポリプロピレングリコールと顔料(B−2)として酸化チタン系顔料を用いて、ビヒクル(B−1)/顔料(B−2)=60/40質量比の混合比率に従って作製した着色剤2を、60℃に加温して、プレポリマー1/着色剤2=100/20質量比の混合比率に従い、120℃に設定した2液連続混合装置を用いて混合して、着色された湿気硬化性ポリウレタンホットメルト樹脂組成物2を得た。
得られた着色された湿気硬化性ポリウレタンホットメルト樹脂組成物2を用いて、実施例1と同様の条件及び方法により皮革様シート3を得た。得られた皮革様シート3の特性評価結果を表1に示した。皮革様シート3は、離型紙の凹凸模様を忠実に再現した毛穴模様を有し、着色均一性、風合い、耐摩耗性、耐屈曲性、接着性、及び耐加水分解性などの各種特性に優れていた。この皮革様シートは、スポーツシューズのアッパー材として最適なものである。
《皮革様シート4の製造方法》
表1の配合に従い、実施例1と同様にして得られたホットメルトウレタンプレポリマー1と、ビヒクル(B−1)として数平均分子量が3000であるグリセリンのプロピレンオキサイド付加体(表1ではG−PPGと記載。)と顔料(B−2)として酸化チタン系顔料を用いてビヒクル(B−1)/顔料(B−2)=60/40質量比の混合比率に従って作製した着色剤3を60℃に加温して、プレポリマー1/着色剤3=100/20質量比の混合比率に従い、120℃に設定した2液連続混合装置を用いて混合して、着色された湿気硬化性ポリウレタンホットメルト樹脂組成物3を得た。
得られた着色された湿気硬化性ポリウレタンホットメルト樹脂組成物3を用いて、実施例1と同様の条件及び方法により皮革様シート4を得た。得られた皮革様シート4の特性評価結果を表1に示した。皮革様シート4は、離型紙の凹凸模様を忠実に再現した毛穴模様を有し、着色均一性、風合い、耐摩耗性、耐屈曲性、接着性、及び耐加水分解性などの各種特性に優れていた。この皮革様シートは、スポーツシューズのアッパー材として最適なものである。
《皮革様シート5の製造方法》
表2の配合に従い、実施例1と同様にしてプレポリマー1に、γ−フェニルアミノプロピルトリメトキシシランの8.0部と、AP−1(酸性リン酸エステル;大八化学工業製)を1.0部追加して、2時間反応させてホットメルトウレタンプレポリマー2を得た。前記プレポリマー2の125℃における溶融粘度は6500mPa・sであり、イソシアネート基含有量は1.0質量%、ガラス転移温度(Tg)は−35℃であった。
得られたプレポリマー2と、実施例1と同様にして作製した着色剤1を60℃に加温して、プレポリマー2/着色剤1=100/20質量比の混合比率に従い、120℃に設定した2液連続混合装置を用いて混合して、着色された湿気硬化性ポリウレタンホットメルト樹脂組成物4を得た。
得られた着色された湿気硬化性ポリウレタンホットメルト樹脂組成物4を用いて、実施例1と同様の条件及び方法により皮革様シート5を得た。得られた皮革様シート5の特性評価結果を表2に示した。皮革様シート5は、離型紙の凹凸模様を忠実に再現した毛穴模様を有し、顔料との濡れ性向上により着色均一性がより良好で、風合い、耐摩耗性、耐屈曲性、接着性、及び耐加水分解性などの各種特性に優れていた。この皮革様シートは、スポーツシューズのアッパー材として最適なものである。
《皮革様シート6の製造方法》
表2の配合に従い、得られたホットメルトウレタンプレポリマー3と、実施例1と同様にして作製した着色剤1を、60℃に加温して、プレポリマー3/着色剤1=100/20質量比の混合比率に従い、120℃に設定した2液連続混合装置を用いて混合して、着色された湿気硬化性ポリウレタンホットメルト樹脂組成物5を得た。
得られた着色された湿気硬化性ポリウレタンホットメルト樹脂組成物5を用いて、実施例1と同様の条件及び方法により皮革様シート6を得た。得られた皮革様シート6の特性評価結果を表2に示した。皮革様シート6は、離型紙の凹凸模様を忠実に再現した毛穴模様を有し、着色均一性、風合い、耐摩耗性、耐屈曲性、接着性、及び耐加水分解性などの各種特性に優れていた。この皮革様シートは、スポーツシューズのアッパー材やサッカーボール等の素材として最適なものである。
《皮革様シート7の製造方法》
表2の配合に従い、得られたホットメルトウレタンプレポリマー4と、実施例1と同様にして作製した着色剤1を、60℃に加温して、プレポリマー4/着色剤1=100/20質量比の混合比率に従い、120℃に設定した2液連続混合装置を用いて混合して、着色された湿気硬化性ポリウレタンホットメルト樹脂組成物6を得た。
得られた着色された湿気硬化性ポリウレタンホットメルト樹脂組成物6を用いて、実施例1と同様の条件及び方法により皮革様シート7を得た。得られた皮革様シート7の特性評価結果を表2に示した。皮革様シート7は、離型紙の凹凸模様を忠実に再現した毛穴模様を有し、風合いはやや硬いが、着色均一性、耐摩耗性、耐屈曲性、接着性、及び耐加水分解性などの各種特性に優れていた。この皮革様シートは、スポーツシューズのアッパー材やサッカーボール等の素材として最適なものである。
《皮革様シート8の製造方法》
表2の配合に従い、実施例1と同様にして得られたホットメルトウレタンプレポリマー1と、ビヒクル(B−1)として数平均分子量が2000であるポリテトラメチレングリコール(表2ではPTMGと記載。)と顔料(B−2)として酸化チタン系顔料を用いて、ビヒクル(B−1)/顔料(B−2)=60/40質量比の混合比率に従って作製した着色剤4を、60℃に加温して、プレポリマー1/着色剤4=100/20質量比の混合比率に従い、120℃に設定した2液連続混合装置を用いて混合して、着色された湿気硬化性ポリウレタンホットメルト樹脂組成物7を得た。
得られた着色された湿気硬化性ポリウレタンホットメルト樹脂組成物7を用いて、実施例1と同様の条件及び方法により皮革様シート8を得た。得られた皮革様シート8の特性評価結果を表2に示した。皮革様シート8は、離型紙の凹凸模様を忠実に再現した毛穴模様を有し、着色均一性、風合い、耐摩耗性、耐屈曲性、接着性、及び耐加水分解性などの各種特性に優れていた。この皮革様シートは、スポーツシューズのアッパー材やバレーボール等の素材として最適なものである。
《皮革様シート9の製造方法》
表3の配合に従い、得られたホットメルトウレタンプレポリマー5と、実施例1と同様にして作製した着色剤1を、60℃に加温して、プレポリマー5/着色剤1=100/20質量比の混合比率に従い、120℃に設定した2液連続混合装置を用いて混合して、着色された湿気硬化性ポリウレタンホットメルト樹脂組成物8を得た。
得られた着色された湿気硬化性ポリウレタンホットメルト樹脂組成物8を用いて、実施例1と同様の条件及び方法により皮革様シート9を得た。得られた皮革様シート9の特性評価結果を表3に示した。皮革様シート9は、離型紙の凹凸模様を忠実に再現した毛穴模様を有し、着色均一性、風合い、耐摩耗性、耐屈曲性、接着性、及び耐加水分解性などの各種特性に優れていた。この皮革様シートは、スポーツシューズのアッパー材やサッカーボール等の素材として最適なものである。
《皮革様シート10の製造方法》
表3の配合に従い、得られたホットメルトウレタンプレポリマー6と、ビヒクル(B−1)として数平均分子量が5000であるポリプロピレングリコール(表3ではPPGと記載。)と顔料(B−2)としてカーボンブラックを用いてビヒクル(B−1)/顔料(B−2)=30/70質量比の混合比率に従って作製した着色剤5を60℃に加温して、プレポリマー6/着色剤5=100/20質量比の混合比率に従い、120℃に設定した2液連続混合装置を用いて混合して、着色された湿気硬化性ポリウレタンホットメルト樹脂組成物9を得た。
得られた着色された湿気硬化性ポリウレタンホットメルト樹脂組成物9を用いて、実施例1と同様の条件及び方法により皮革様シート10を得た。得られた皮革様シート10の特性評価結果を表3に示した。皮革様シート10は、離型紙の凹凸模様を忠実に再現した毛穴模様を有し、着色均一性、風合い、耐摩耗性、耐屈曲性、接着性、及び耐加水分解性などの各種特性に優れていた。この皮革様シートは、応接用ソファー、車両用シートの表皮材や紳士・婦人靴のアッパー材等の素材として最適なものである。
《皮革様シート11の製造方法》
表3の配合に従い、実施例1と同様にして得られたホットメルトウレタンプレポリマー1と実施例10と同様にして作製した着色剤5を60℃に加温して、プレポリマー1/着色剤5=100/20質量比の混合比率に従い、120℃に設定した2液連続混合装置を用いて混合して、着色された湿気硬化性ポリウレタンホットメルト樹脂組成物10を得た。
得られた着色された湿気硬化性ポリウレタンホットメルト樹脂組成物10を用いて、実施例1と同様の条件及び方法により皮革様シート11を得た。得られた皮革様シート11の特性評価結果を表3に示した。皮革様シート11は、離型紙の凹凸模様を忠実に再現した毛穴模様を有し、着色均一性、風合い、耐摩耗性、耐屈曲性、接着性、及び耐加水分解性などの各種特性に優れていた。この皮革様シートは、応接用ソファーの表皮材や紳士・婦人靴のアッパー材等の素材として最適なものである。
《皮革様シート12の製造方法》
表3の配合に従い、実施例1と同様にして得られたホットメルトウレタンプレポリマー1と、ビヒクル(B−1)として数平均分子量が5000であるポリプロピレングリコール(表3ではPPGと記載。)と顔料(B−2)としてフタロシアニンブルーを用いて、ビヒクル(B−1)/顔料(B−2)=30/70質量比の混合比率に従って作製した着色剤6を、60℃に加温して、プレポリマー1/着色剤6=100/20質量比の混合比率に従い、120℃に設定した2液連続混合装置を用いて混合して、着色された湿気硬化性ポリウレタンホットメルト樹脂組成物11を得た。
得られた着色された湿気硬化性ポリウレタンホットメルト樹脂組成物11を用いて、実施例1と同様の条件及び方法により皮革様シート12を得た。得られた皮革様シート12の特性評価結果を表3に示した。皮革様シート12は、離型紙の凹凸模様を忠実に再現した毛穴模様を有し、着色均一性、風合い、耐摩耗性、耐屈曲性、接着性、及び耐加水分解性などの各種特性に優れていた。この皮革様シートは、鞄やスポーツシューズのアッパー材等の素材として最適なものである。
《皮革様シート13の製造方法》
表4の配合に従い、実施例1と同様にして得られたホットメルトウレタンプレポリマー1と、ビヒクル(B−1)として数平均分子量が5000であるポリプロピレングリコール(表4ではPPGと記載。)と顔料(B−2)として、溶性アゾ系赤顔料を用いて、ビヒクル(B−1)/顔料(B−2)=30/70質量比の混合比率に従って作製した着色剤7を60℃に加温して、プレポリマー1/着色剤7=100/20質量比の混合比率に従い、120℃に設定した2液連続混合装置を用いて混合して、着色された湿気硬化性ポリウレタンホットメルト樹脂組成物12を得た。
得られた着色された湿気硬化性ポリウレタンホットメルト樹脂組成物12を用い、かつ離型紙DE−125(コードバン調の凹凸模様:大日本印刷株式会社製)を用い、厚さを350μmのシート状に塗布する以外は実施例1と同様の条件及び方法により皮革様シート13を得た。なお、ここで使用したウレタン含浸不織布は、単繊維繊度0.1デシテックスの極細繊維束からなる絡合不織布にポリウレタンが含浸凝固され、更にその表面にポリウレタンの湿式凝固された厚さ200μmの多孔質層を有する厚さ1.5mmのものである。得られた皮革様シート13の特性評価結果を表4に示した。皮革様シート13は、離型紙の凹凸模様を忠実に再現したコードバン調の凹凸模様を有し、平滑性に優れ、折れたときに座屈折れシワが発生し難く、着色均一性、風合い、耐摩耗性、耐屈曲性、接着性、及び耐加水分解性などの各種特性に優れていた。この皮革様シートは、鞄や紳士・婦人靴のアッパー材、財布等の素材として最適なものである。
[比較例1]
《皮革様シート14の製造方法》
表4の配合に従い、実施例1と同様にして得られたホットメルトウレタンプレポリマー1と、ビヒクル(B−1)として可塑剤であるジオクチルフタレート(表4ではDOPと記載。)と顔料(B−2)として酸化チタンを用いて、ビヒクル(B−1)/顔料(B−2)=60/40質量比の混合比率に従って作製した着色剤8を、60℃に加温して、プレポリマー1/着色剤8=100/20質量比の混合比率に従い、120℃に設定した2液連続混合装置を用いて混合して、着色された湿気硬化性ポリウレタンホットメルト樹脂組成物13を得た。
得られた着色された湿気硬化性ポリウレタンホットメルト樹脂組成物13を用いて、実施例1と同様の条件及び方法により皮革様シート14を得た。得られた皮革様シート14の特性評価結果を表4に示した。皮革様シート14は、離型紙の凹凸模様を忠実に再現した毛穴模様を有し、着色均一性、耐屈曲性は良好であったが、該皮革様シート表面に可塑剤がブリードしており、風合い、耐摩耗性、接着性、及び耐加水分解性が極めて劣るものであった。
[比較例2]
《皮革様シート15の製造方法》
表4の配合に従い、実施例1と同様にして得られたホットメルトウレタンプレポリマー1と、ビヒクル(B−1)として数平均分子量が700であるプロピレングリコール(表4ではPPGと記載。)と顔料(B−2)として酸化チタンを用いて、ビヒクル(B−1)/顔料(B−2)=60/40質量比の混合比率に従って作製した着色剤9を、60℃に加温して、プレポリマー1/着色剤9=100/20質量比の混合比率に従い、120℃に設定した2液連続混合装置を用いて混合して、着色された湿気硬化性ポリウレタンホットメルト樹脂組成物14を得た。
得られた着色された湿気硬化性ポリウレタンホットメルト樹脂組成物14を用いて、実施例1と同様の条件及び方法により皮革様シート15を得た。得られた皮革様シート15の特性評価結果を表4に示した。皮革様シート15は、加工時での前記組成物14の溶融粘度が上昇して、所々にブツが発生しており、着色均一性、風合い、耐摩耗性が極めて劣るものであった。
[比較例3]
《皮革様シート16の製造方法》
表4の配合に従い、実施例1と同様にして得られたホットメルトウレタンプレポリマー1と、ビヒクル(B−1)として数平均分子量が25000であるプロピレングリコール(表4ではPPGと記載。)と顔料(B−2)として酸化チタンを用いて、ビヒクル(B−1)/顔料(B−2)=60/40質量比の混合比率に従って作製した着色剤10を、60℃に加温して、プレポリマー1/着色剤10=100/20質量比の混合比率に従い、120℃に設定した2液連続混合装置を用いて混合して、着色された湿気硬化性ポリウレタンホットメルト樹脂組成物15を得た。
得られた着色された湿気硬化性ポリウレタンホットメルト樹脂組成物15を用いて、実施例1と同様の条件及び方法により皮革様シート16を得た。得られた皮革様シート16の特性評価結果を表4に示した。皮革様シート16は、加工時での前記組成物16の溶融粘度が低下して、ウレタン含浸不織布に浸透しすぎて風合いが硬く、耐摩耗性も劣るものであった。
[比較例4]
《皮革様シート17の製造方法》
表5の配合に従い、実施例1と同様にして得られたホットメルトウレタンプレポリマー1と、ビヒクル(B−1)として低分子量のポリエチレン(表5ではPEと記載。)と顔料(B−2)として酸化チタンを用いて、ビヒクル(B−1)/顔料(B−2)=65/35質量比の混合比率に従って作製した着色剤11を、60℃に加温して、プレポリマー1/着色剤11=100/40質量比の混合比率に従い、120℃に設定した2液連続混合装置を用いて混合して、着色された湿気硬化性ポリウレタンホットメルト樹脂組成物16を得た。
得られた着色された湿気硬化性ポリウレタンホットメルト樹脂組成物16を用いて、実施例1と同様の条件及び方法により皮革様シート17を得た。得られた皮革様シート17の特性評価結果を表5に示した。皮革様シート17は、前記プレポリマー1と着色剤11との相溶性が悪く、着色均一性、耐摩耗性が極めて劣るものであった。
[比較例5]
《皮革様シート18の製造方法》
ポリオールとして3−メチル−1,5−ペンタンジオールとアジピン酸の縮合反応により得られた数平均分子量2000のポリエステルジオール(表5では、PMPAと記載)、鎖伸長剤として1,4−ブタンジオール(表5では、1,4−BDと記載)、ポリイソシアネートとして4,4’―ジフェニルメタンジイソシアネート(表5では、4,4‘−MDIと記載)を、表5の配合に従い、定量ポンプにより同軸方向に回転する二軸スクリュー型押出機(30mmφ、L/D=36)に連続的に供給して、260℃で連続溶融重合を行った。生成した熱可塑性ポリウレタン樹脂の溶融物をストランド状で水中に連続的に押し出し、次いでペレタイザーで切断し、このペレットを80℃で6時間除湿乾燥し溶融造面用の熱可塑性ポリウレタン樹脂(数平均分子量150000)を得た。
前記で得られた熱可塑性ポリウレタン樹脂をビヒクル(B−1)として、実施例13と同じ顔料(B−2)を用いて、ビヒクル(B−1)/顔料(B−2)=65/35質量比の混合比率に従って、前記と同様にペレット化し、着色剤12を得た。前記熱可塑性ポリウレタン樹脂と着色剤12とを熱可塑性ポリウレタン樹脂/着色剤12=100/40質量比の混合比率で混合攪拌し、低露点乾燥機で8時間除湿乾燥した後、210℃に加熱し、窒素シールしたTダイ押し出し機を用いて厚さ350μmのフィルム状になるよう実施例13と同様の離型紙(DE−125(コードバン調の凹凸模様:大日本印刷株式会社製)上に溶融押出し、冷却固化する前に、押圧ロールで溶融状態の着色された熱可塑性ポリウレタン樹脂組成物と実施例13と同じ多孔質層を有するウレタン含浸不織布とを貼り合わせて、一日放置後、離型紙を剥がして、皮革様シート18を得た。
得られた皮革様シート18の特性評価結果を表5に示した。皮革様シート18は、部分的に微細な凹凸模様が欠けてツヤ感が異なる部分があり、コードバン調の凹凸模様の再現性に劣るものであり、前記着色剤12の変色により目標とする赤の鮮明さに欠け、外観に劣るものであった。
尚、表1〜5中に略記した原材料の名称は以下のとおりである。
PTMG ;ポリテトラメチレングリコール
PPG ;ポリプロピレングリコール
HG ;1,6−ヘキサンジオール
AA ;アジピン酸
HG/AA ;1,6−ヘキサンジオールとアジピン酸のポリエステルポリオール
G−PPG ;グリセリンのプロピレンオキサイド付加体
PC ;ポリカーボネートジオール
PMPA ;3−メチル−1,5ペンタンジオールとアジピン酸のポリエステルポリオール
1,4−BD;1,4−ブタンジオール
XDI ;キシリレンジイソシアネート
4,4‘−MDI;4,4‘−ジフェニルメタンジイソシアネート
DBTDL;ジ−n−ブチル錫ジラウレート
DOP ;ジオクチルフタレート
PE ;低分子量のポリエチレン
Figure 0003767826
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本発明によれば、人体への悪影響や大気や水質の汚染の原因となる有機溶剤を使用することなく、製造工程で有機溶剤の乾燥や除去が不要であり大幅なエネルギー消費量及び製造コストの低減が可能であって、かつ溶融時の熱による着色剤の変色がなく、均一に着色され色むら等がなく着色状態が良好で優れた意匠性を有し、風合い、耐摩耗性、柔軟性等にも優れた皮革様シートを得ることが可能な製造方法を提供することができる。
また本発明によれば、離型性基材の凹凸模様を忠実に再現した凹凸模様を有する表皮層を、繊維質基材上に形成することができ、優れた意匠性を有する皮革様シートを得ることが可能な製造方法を提供することができる。
また本発明によれば、従来の手法のように予め表皮層を作成し、接着剤を使用して該表皮層と基材とを貼り合わせるための別途の工程を省略することが可能で、生産工程を大幅に効率化できる。
さらに本発明によれば、表皮層が200μmを越える厚い膜厚の場合であっても、溶融時の熱による着色剤の変色がなく、均一に着色され色むら等がなく着色状態が良好であるなど、優れた品質を有する皮革様シートを得ることが可能な製造方法を提供することもできる。
このような本発明の製造方法により得られる皮革様シートは、例えば、靴、家具、衣料、車両、鞄、収納ケースなど広範囲の用途に利用することができる。
図1は、本発明の一実施形態にかかる湿気硬化性ポリウレタンホットメルト樹脂組成物を用いた皮革様シートの製造方法にて得られる皮革様シートの概略断面図である。 図2は、本発明の一実施形態にかかる湿気硬化性ポリウレタンホットメルト樹脂組成物を用いた皮革様シートの製造方法にて得られる皮革様シートの概略断面図である。 図3は、本発明の一実施形態にかかる湿気硬化性ポリウレタンホットメルト樹脂組成物を用いた皮革様シートの製造方法を示す模式図である。 図4は、本発明の一実施形態にかかる湿気硬化性ポリウレタンホットメルト樹脂組成物を用いた皮革様シートの製造方法を示す模式図である。 図5は、本発明の一実施形態にかかる湿気硬化性ポリウレタンホットメルト樹脂組成物を用いた皮革様シートの製造方法を示す模式図である。
符号の説明
1 離型性基材
2 湿気硬化性ポリウレタンホットメルト樹脂組成物からなる表皮層
3 繊維質基材
4a〜4c 皮革様シート
5 2液連続混合装置
6 塗布ロール
7 圧締ロール


Claims (12)

  1. 分子末端にイソシアネート基を有するホットメルトウレタンプレポリマー(A)及び着色剤(B)を含有する湿気硬化性ポリウレタンホットメルト樹脂組成物(C)を加熱溶融させ、該加熱溶融状態の樹脂組成物(C)を
    〔1〕離型性基材(D)上に塗布し、該塗布面と繊維質基材(E)とを貼り合わせる、又は、〔2〕繊維質基材(E)上に塗布し、該塗布面とを離型性基材(D)を貼り合わせることにより、前記樹脂組成物(C)からなる表皮層を前記繊維質基材(E)上に形成する皮革様シートの製造方法であって、
    前記着色剤(B)が、ビヒクル(B−1)として1000〜20000の範囲の数平均分子量を有するポリオール及び顔料(B−2)を含むものである皮革様シートの製造方法。
  2. 前記ホットメルトウレタンプレポリマー(A)が、ポリテトラメチレングリコールを少なくとも40質量%含有するポリオールとポリイソシアネートとを反応させて得られたものである、請求項1に記載の皮革様シートの製造方法。
  3. 前記1000〜20000の範囲の数平均分子量を有するポリオールが、ポリオキシアルキレングリコールである、請求項1又は2に記載の皮革様シートの製造方法。
  4. 前記離型性基材が、凹凸模様を有するものである、請求項1又は2に記載の皮革様シートの製造方法。
  5. 前記湿気硬化性ポリウレタンホットメルト樹脂組成物(C)が、ホットメルトウレタンプレポリマー(A)及び着色剤(B)を加熱溶融状態で混合することにより得られるものである、請求項1又は2に記載の皮革様シートの製造方法。
  6. 前記ポリテトラメチレングリコールを少なくとも40質量%含有するポリオールが、さらにポリエステルポリオールを含有する請求項2に記載の皮革様シートの製造方法。
  7. 前記ホットメルトウレタンプレポリマー(A)が、ホットメルトウレタンプレポリマー(A)を湿気硬化させた場合、得られる硬化物が有するガラス転移温度が−70〜25℃の範囲である、請求項1又は2に記載の皮革様シートの製造方法。
  8. 前記ホットメルトウレタンプレポリマー(A)が、さらに分子末端に加水分解性アルコキシシリル基を有する請求項1又は2に記載の皮革様シートの製造方法。
  9. 前記ポリイソシアネートが、キシリレンジイソシアネートである請求項1又は2に記載の皮革様シートの製造方法。
  10. 前記ホットメルトウレタンプレポリマー(A)におけるイソシアネート基含有量が、0.5〜10.0質量%の範囲である、請求項1又は2に記載の皮革様シートの製造方法。
  11. 前記ホットメルトウレタンプレポリマー(A)が、100〜100000mPa・sの範囲のコーンプレート粘度計にて測定した125℃における溶融粘度を有する、請求項1又は2に記載の皮革様シートの製造方法。
  12. 前記繊維質基材(E)が、その表面に樹脂からなる多孔質層を有するものである、請求項1又は2に記載の皮革様シートの製造方法。







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