JP3767743B2 - 極低温冷凍機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気シールドルーム中で使われる微弱な脳磁場を計測する脳磁計測システムにおいて、寒剤(液体ヘリウム)の消費を抑制するために使われる極低温冷凍機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
脳から発生する磁場である脳磁や心臓から発生する心磁などの極めて微弱な生体磁気信号を、SQUID(超伝導量子干渉素子)で計測するシステムでは、環境磁気雑音を磁気シールドルームで低減させている。これは数10fTから数10pTの生体磁気に比べ低周波の環境磁気雑音が数nT以上のレベルにあるためであるが、SQUID自体RF雑音(高周波の電磁波)によって正常な動作を阻害されるため、生体磁気信号の周波数領域(DC〜200Hz)よりも広範囲にシールドしなければならないことによる。よって、磁気シールドルームでは内部の電子機器に接続する電源ラインや信号線はフィルタや電磁シールドを施すことにより、磁気シールドルーム内に電磁雑音を導入しないように配慮されている。
【0003】
図7の磁気シールドルームへの冷凍機への設置例では、圧縮機8とロータリーバルブ9が配管16によって接続されており、ロータリーバルブ9とヘリウムデュワー13の上部に設けられた膨張器10がヘリウムガス配管11(信号線等)によって接続されている。
【0004】
図7に示す生体磁気計測用の磁気シールドルーム12は1mm厚の高透磁率パーマロイ板を2〜3枚積層して1層、またはスペースを設けて2層以上としたパーマロイの壁15と、渦電流を利用して磁気遮蔽効果を増すことと高周波磁気遮蔽を目的とするアルミや銅などの高導電率層をパーマロイ層間に入れた構造が一般的である。信号線等は磁気シールドルームの壁に小さな穴(配管導出口14)を設け、出入りできるようにしている。その穴の開口部は電磁的なシールド性能をできるだけ損なわないように、接地したシールド板などで覆うか、外部機器全体を電磁シールドするなどの工夫をしている。
【0005】
従来は液体ヘリウムをデュワーと呼ばれる真空断熱層を備えた貯液槽内(ヘリウムデュワー13)に満たし、その中にSQUIDセンサアレイを保持することで冷却することが一般的であった。しかし、チャンネル数が多くなるとデュワー自体の容量が大きくなるとともに蒸発する液体ヘリウム量も必然的に多くなる。
【0006】
希少資源である高価な液体ヘリウムを大量消費するため、4K冷凍機によるSQUIDの直接冷却(文献1:S.Fjujimoto,et.al. “Cooling of SQUIDs using a Gifford-McMahorn cryocooler containingmagnetic regenerative material to measure siomagnetism”, Cryogenics, 35(1995) pp.143-148)蒸発量の低減や蒸発ガスの再液化によるクローズドサイクル(文献2:武田他「液体ヘリウム再循環システム」第15回日本生体磁気学会大会論文集pp.174-175,Vol.13 No1 2000.、文献3:川勝他「生体磁気計測用ヘリウム再液化・循環システムの開発」第16回日本生体磁気学会大会論文集pp.274-275, Vol.14 No1 2001.)等の試みがこれまでになされてきている。MRIでは、超伝導マグネット冷却用に液体ヘリウムが使われているが、蒸発ガスの低減用に冷凍機による補助冷却方法が実用化されている。
【0007】
極低温冷凍機の構成は図6に示すように、大きく分けて3つの部分から構成される。すなわち冷媒としての作動流体であるヘリウムガスを圧縮する圧縮機1、圧縮機1から送られる圧縮されたヘリウムガスを高圧側−低圧側に交互に切り替えるロータリーバルブ2、高圧のヘリウムガスが断熱膨張し温度を下げる膨張器3である。そして、圧縮機1とロータリーバルブ2は配管5及びバルブ駆動用電源線6で接続されており、圧縮されたヘリウムガスが配管5内を移動することになる。また、圧縮器1には冷却水管4が設けられており、図6に示すように、冷却水が膨張器3へ吸入するための冷却水管4と排出するための冷却水管4とが設けられている。ロータリーバルブ2と膨張器3はヘリウムガス配管7で接続されている。
【0008】
ヘリウムガス配管7が取り付けられた膨張器3では4Kまで冷却するものは2段または3段の構成になっている(図6では2段)。極低温冷凍機の場合、単なるガスの膨張だけでは十分に温度が下がらないため反強磁性体を蓄冷材として膨張器3に詰めこまれるのが一般的になってきている。また吸熱が行われる下端部(コールドヘッド)と放熱が行われる上端部に分かれていて、この間でヘリウムガスによる熱の能動輸送が行われている。
【0009】
膨張器3の構成材料は上端から下端への伝導による熱進入を極力減らすため熱伝導率の低いステンレス(SUS)でできているが、配管部(配管5、ヘリウムガス配管7)はフレキシビリティのよい銅管がよく使われる。また固定管の場合細いSUS管も用いられる。ロータリーバルブ2は同期モータやステップモータなどと開閉弁が連動した構成になっている。一般的には膨張器にロータリーバルブは直結されているが、いずれも磁場を発生するため、MRIやSQUID用には連結部を分離して磁気シールドルーム外にロータリーバルブ分を設置しなければならない(図7参照)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、膨張器10とロータリーバルブ9は磁気シールドルーム12の内外で分離され、モータの発生する磁気雑音がSQUIDに影響するということは回避できるが、ヘリウムガス配管11を銅またはSUSのチューブで接続しなければならないため、磁気シールドルーム12内に外部のRF雑音を誘導することになる。図8は外部電磁波の伝播の様子を示しており、ヘリウムガス配管11を接地すれば高周波電流をグランドにシャントして変位電流が磁気シールドルーム12内に侵入するのを阻止できる可能性がある。
【0011】
しかし、図9に示すように、浮遊インピーダンスがあり高周波電流に対する接地抵抗をゼロにはできないことやSQUIDが極めて高感度であることからモータの発生する磁気雑音の影響を完全に抑えることは困難である。また、圧縮機8やロータリーバルブ9の駆動には商用電源が用いられており、圧縮機8(図7参照)やロータリーバルブ9は商用電源周波数の雑音の混入経路になっている。これに対しても、SQUIDの冷却を対象にする限り、モータの発生する磁気雑音の影響を抑える程度に接地抵抗を十分低く取ることは現実的には不可能である。
【0012】
一方、この部分(ヘリウムガス配管11)を導電性の無い絶縁配管にする方法が考えられる。この際、フレキシビリティを兼ね備えながらヘリウム輸送をするためテフロン(登録商標)チューブ等の樹脂管で行える可能性はあるが、次のような問題点がある。
【0013】
まず、第一には、ヘリウムガスの透過ということである。金属に比較して、樹脂は一般的にはヘリウムガスの透過性が高いため、長期的にはガスが抜けていく可能性がある。また、第二には、いわゆるコンタミに関してである。具体的には、金属配管に比べると樹脂表面から発生するゴミや透過ガスの配管中への混入が予想され、冷却性能を損なう一因になる。つまり、透過ガスは膨張器10では固体になるため、経時的に膨張器10の目の細かい部分で目詰まりを起こす。このことは冷却性能の経時劣化となって現れるということである。さらに、第三には、ヘリウムガス配管の強度についてである。20気圧〜5気圧程度のガス圧の変化が数Hzで繰り返してかかるため、肉薄でフレキシブルな配管では信頼性を十分確保することが難しい。特に連結部において気密を高い信頼性で数年間保てるかどうかということである。冷凍機は一旦冷却を開始してから保守までは数年は連続運転されるため、上記の第一から第三までの事柄は重大であり、配管の材質をすべてを絶縁材料に置き換えるのは問題がある。
【0014】
本発明は、上記の事情に鑑みなされたものであり、極低温冷凍機の膨張器と圧縮機とを接続する配管の電気絶縁性の向上を図れる極低温冷凍機を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
磁気シールドルーム内の膨張器側の配管と前記磁気シールドルーム外のロータリーバルブ側の配管とが連結された状態で、それらの配管内を作動流体が移動することで前記磁気シールドルーム内で微弱な生体磁気信号を計測するための極低温冷凍機であって、
前記磁気シールドルームの高導電率の層内で、前記膨張器側の配管と、前記磁気シールドルームの高導電率の層に接地された前記ロータリーバルブ側の配管とを分離し、前記磁気シールドルームの高導電率の層内で前記膨張器側の配管と前記ロータリーバルブ側の配管とを間隔を空けて接合する絶縁材料で構成された継手を設けることにより、前記膨張器側の配管と、前記ロータリーバルブ側の配管とを電気的に絶縁したことを特徴とする。
【0016】
従って、請求項1に記載の発明によれば、磁気シールドルームの高電導率の層内で両配管を分離し、間隔をあけた状態で、絶縁材料で構成された継手で接合し、ロータリーバルブ側の金属配管を絶縁することで、ロータリーバルブ側から継手方向を見たときの電気インピーダンスが高くなり、磁気シールドルーム外のロータリーバルブ側の金属配管に誘起される電磁誘導雑音は磁気シールドルームに入り難くすることが可能になる。
【0017】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の構成に加え、前記継手では、前記膨張器側の配管と前記ロータリーバルブ側の配管とのいずれか一方の配管と前記磁気シールドルームの高導電率の層とが導電的に接続されていることを特徴とする。
【0018】
従って、請求項2に記載の発明によれば、膨張器側の金属配管とロータリーバルブ側の金属配管とのいずれか一方の金属配管と磁気シールドルームの高導電率の層と導電的に接続を図ることで、配管と磁気シールドルームとの導電性の確保が可能になり、外来電磁波により金属配管に誘起される電磁雑音電波は磁気シールドルームに分流される。
【0019】
さらに、請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の構成に加え、前記継手の内径を膨張器側の配管及びロータリーバルブ側の配管の内径に一致させたことを特徴とする。
【0020】
従って、請求項3に記載の発明によれば、継手の内径を膨張器側及びロータリーバルブ側の両配管の内径に一致させることで、ヘリウムガスが通る配管の内径を均一することができ、ヘリウムガスの気化インピーダンスの整合を図ることが可能になり、このような継手を挿入することによって冷凍機の効率の低下を防止することができる。
【0021】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の構成に加え、前記膨張器側の配管或いは前記ロータリーバルブ側の配管にフェライトで構成されるリングを少なくとも一つ以上取り付けることを特徴とする。
【0022】
従って、請求項4に記載の発明によれば、膨張器側の配管或いはロータリーバルブ側の配管にフェライト等の高透磁率材料からなるリングを取り付けることで、配管のインダクタンスを上昇させ、そのリングが取り付けられていない膨張器側或いはロータリーバルブ側のいずれかの入力インピーダンスを大きくすることが可能になる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0024】
図1は磁気シールドルーム中に設置されたデュワー18に挿入された膨張器17と、磁気シールドルーム外に設置されたロータリーバルブ16を繋ぐ金属配管19の一部を、磁気シールドルームの高導電率層20を境に絶縁継手21で接続した冷却システムの構成図である。また、金属配管19にはフレキシビリティ、低いガス透過性、低コンタミなどの優れた特性があるため、一部のみ絶縁物で代替すればよい。
【0025】
圧縮機15、ロータリーバルブ16、膨張器17及びデュワー18は、図7と同じ配置である。金属配管19は銅またはSUSでできており、磁気シールドルームの内外を絶縁継手21経由で接続し、作動流体であるヘリウムガスを管内に通している。20は磁気シールドルームを構成する高導電率の層(高導電層)で、この部分に絶縁継手21を介して磁気シールドルームの室外に配置されたロータリーバルブ16側の金属配管19が接続され、接地される。
【0026】
ロータリーバルブ16側から絶縁継手21方向を見たインピーダンスは非常に大きくなるため、磁気シールドルーム外の配管に誘起される電磁誘導雑音は室(磁気シールドルーム)内に入り難くなる。そして、絶縁継手21のロータリーバルブ16側の金属配管19を接地することで、環境電磁界で誘導された誘導電流は分流されるため、さらに磁気シールドルーム内へのRF雑音侵入は小さくなる。これらの効果を集中定数回路で近似すると、図2に示すようになる。
【0027】
図2に示すC1は磁気のシールドルーム内の金属配管19および膨張器17と磁気シールドルーム内壁間の浮遊容量、C2は絶縁継手21の結合容量、L1は接地回路のインダクタンス、L2は磁気シールドルーム外部の配管のインダクタンス、V1はRF雑音および商用電源からの漏れを一括して表現した雑音起電力である。C1に流れる変位電流の一部がSQUIDで検知されることで測定に影響を及ぼすが、C1を設けることで変位電流が低減される。さらに接地回路(L1)を設けて分流することで、C1への電流が低減される。またL2を大きくすることで、より低減される。
【0028】
図3に絶縁継手の例を示す。図3に示すように、膨張器17側のヘリウムガス(金属)配管22とロータリーバルブ16側の(金属)配管23が対向しており、そのヘリウムガス配管22及びロータリーバルブ16側の配管23には、セラミック、ガラスなどの無機質の絶縁材料やガラスエポキシ、テフロン(登録商標)などの有機質の絶縁材料で製作され、内径がヘリウムガス配管22およびロータリーバルブ16側の配管23の外径と等しい絶縁継手24が接続されている。また、ヘリウムガス配管22及び配管23と、絶縁継手24との間の隙間には気密を保つためのOリング25が設けられている。
【0029】
そして、Oリング25を保持するためのワッシャ26がOリング25の外周に設けられている。さらに、Oリング26を押し付けて圧を加えるためにキャップ27が絶縁継手24の外側に設けられている。Oリング25はゴムまたは柔らかい金属製ワッシャなどで変形によって隙間を塞いでいる。ヘリウムガス配管22及び配管23の配管同士を切断して(間隔を空けて)気密を保ちつつ絶縁するもので、必ずしもOリング25を用いたねじ止めである必要はなく、テーパを利用した気密機構や接着・溶接でもよい。絶縁継手24の配管は配管のインピーダンス整合を図るため内径はヘリウムガス配管22と等しいか、近いものでなければならない。
【0030】
図4は図3の一部を改変して磁気シールドルームの高導電率層に接続できるようにした構成例である。図4に示すように、固定用のホルダー部28は金属、導電性プラスチックなどの導電性を有し、絶縁継手24に密に接合されている。銅やアルミなどの磁気シールドルームの壁面の一部29には、ねじ30で絶縁継手24が固定されている。固定方法はこのような片持ちに限定されることは無く、膨張器17側が非導電性材料で製作された押し付け具で両壁から押し付ける構造をとってもよい。なお、図3で示したワッシャ26およびキャップ27はこの場合、黄銅などの金属製で配管22、23との接触を通じてロータリーバルブ16側の金属配管の導電性が確保されるものとする。図3との違いは導電性のヘリウムガス配管22のロータリーバルブ側を接地できるようにしたことにある。
【0031】
図5は図3のロータリーバルブ16側の配管23に穴つきのフェライト等の高透磁率材料31を1つ以上通した構成で、配管23のインダクタンスを上昇させ、磁気シールド側の入力インピーダンスを大きくしたものである。図2に示すL2を大きくすることに相当する。
即ち、図8に示すように空中線や圧縮機16の電源側から侵入する電磁波 ( 電磁雑音 ) は磁気シールドルーム12の金属部を経由してアース線に流れる。しかし図2の等価回路に示すようにインダクタンス L 1があるため一部は磁気シールドルーム12側に漏れ込む。高透磁率材料31はこの漏れ込み電流の総量を減らすために設けるものであり、圧縮機8側から見たインダクタンスを上昇させるものである。
図4の構造に適用してもよい。
【0032】
上記はSQUIDを対象として冷凍機配管を通じたRFノイズの伝播について、その阻止手段について述べた。その阻止手段は本発明に示すような脳磁ばかりでなく、心磁などの生体磁場計測用磁気シールドルームにも適用可能である。また、MRI装置(核磁気共鳴画像診断装置)用の冷凍機にも適用できる。ただし、MRI装置では外部に核磁気共鳴用のRF信号が同じ経路を逆に伝播して外部機器に悪影響を及ぼす恐れがある。図では説明しないが、RF信号(または雑音)の伝播方向は逆であるが、上記手段を講じればMRI用冷凍機にも適用可能であることは明らかである。この際、継手の方向は逆になる。すなわち、接地すべき方やフェライトビーズの取り付け位置は磁気シールドルーム側となる。
【0033】
また、本発明で示した構造は、低温物性を計測するための冷凍機にも適用可能なことは明らかである。すなわち、極低温環境下で示す僅かな物性値の変動を真空下で計測する場合、生体磁気計測と同じようにRF雑音や商用電源雑音は計測の妨げとなる。本発明の構造により、電気的に絶縁することで同じようなメリットを生じる。
【0034】
【発明の効果】
本発明によれば、絶縁継手の室外側の金属管は内部に直接導入されないため磁気シールドルーム内には侵入するRF雑音は少なくすることができる。また、絶縁継手により配管の電気的接続が絶たれるため、バルブモータや圧縮機の絶縁が崩れても商用電流が磁気シールドルーム内まで流れることは無く感電に対する安全を確保することができる。
【0035】
通常、磁気シールドルームと冷凍機のGND系は必ずしも1点接地となることはなく、相互のGND系で電位差を持つことがあり、例えば数10Vの電位差を持つこともある。特に、膨張器周辺のデュワーは結露することがあるため、人体が冷凍機の膨張器に接触した場合磁気シールドルームを経由して感電の危険があるが、絶縁継手により磁気シールドルーム側の筐体はフローティングとなるため本質的な感電対策を採ることができる。
【0036】
さらに、ロータリーバルブ側の配管を接地することによりRF雑音の侵入をさらに小さくすることができる。特に、ロータリーバルブ側の配管にフェライトビーズなどを取り付ける(付随させる)ことにより配管の電気的インピーダンスを上昇させ、さらにRF雑音の侵入を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による極低温冷凍機を磁気シールドルームに設置した場合の全体図である。
【図2】等価回路を示す回路図である。
【図3】絶縁継手の全体図である。
【図4】図3の一部を改変した絶縁継手の全体図である。
【図5】図3の一部を改変した絶縁継手の全体図である。
【図6】従来の極低温冷凍機の構成を示す全体図である。
【図7】磁気シールドルームへ冷凍機を設置した場合の全体図である。
【図8】磁気シールドルームへのRFノイズの伝播を示す説明図である。
【図9】配管を接地した場合の浮遊インピーダンスを示す説明図である。
【符号の説明】
15 圧縮機
16 ロータリバルブ
17 膨張器
18 デュワー
19 金属配管
20 磁気シールドルームの高導電層
21 絶縁継手
22 ヘリウムガス配管
23 配管
24 絶縁継手
25 Oリング
26 ワッシャ
27 キャップ
Claims (4)
- 磁気シールドルーム内の膨張器側の配管と前記磁気シールドルーム外のロータリーバルブ側の配管とが連結された状態で、それらの配管内を作動流体が移動することで前記磁気シールドルーム内で微弱な生体磁気信号を計測するための極低温冷凍機であって、
前記磁気シールドルームの高導電率の層内で、前記膨張器側の配管と、前記磁気シールドルームの高導電率の層に接地された前記ロータリーバルブ側の配管とを分離し、前記磁気シールドルームの高導電率の層内で前記膨張器側の配管と前記ロータリーバルブ側の配管とを間隔を空けて接合する絶縁材料で構成された継手を設けることにより、前記膨張器側の配管と、前記ロータリーバルブ側の配管とを電気的に絶縁したことを特徴とする極低温冷凍機。 - 前記継手では、前記膨張器側の配管と前記ロータリーバルブ側の配管とのいずれか一方の配管と前記磁気シールドルームの高導電率の層とが導電的に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の極低温冷凍機。
- 前記継手の内径を膨張器側の配管及びロータリーバルブ側の配管の内径に一致させたことを特徴とする請求項1又は2に記載の極低温冷凍機。
- 前記膨張器側の配管或いは前記ロータリーバルブ側の配管にフェライトで構成されるリングを少なくとも一つ以上取り付けることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の極低温冷凍機。
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