JP3767460B2 - 防水コネクタ - Google Patents

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    • H01R13/5208Sealing means between cable and housing, e.g. grommet having at least two cable receiving openings

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  • Connector Housings Or Holding Contact Members (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一括型の防水コネクタに関する。
【0002】
【従来の技術】
一括型のゴム栓を使用しているコネクタにおいて、このゴム栓の後面に当接して装着されるホルダによってゴム栓が押さえられているものが知られている。このようなコネクタのハウジングには雄端子金具を収容可能なキャビティが形成され、このキャビティの後面に電線挿通孔を有するゴム栓が配され、さらにゴム栓の後面に、キャビティ及びゴム栓の電線挿通孔と対応する貫通孔が形成されたホルダが装着されるようになっている。雄端子金具は、貫通孔から挿入され、電線挿通孔を通りキャビティへ挿入されるようになっている。
【0003】
しかし、ゴム栓の後面をホルダで押さえた状態で雄端子金具を挿入する構造では、雄端子金具が貫通孔に対して斜めに差し込まれた時に、雄端子金具の先端のタブ部が電線挿通孔内面に突き当って、ゴム栓を傷付けてしまう虞があった。
【0004】
そこで、本願出願人は、この問題を解決する手段として特願2001−148700のものを提案した。これは、雄端子金具の挿入時にはホルダをゴム栓から後方へ離間した位置に保持しておき、雄端子金具がホルダの貫通孔に挿入されると、貫通孔の内面が雄端子金具の本体部分をガイドして、雄端子金具のタブ部先端がゴム栓に到達する前に雄端子金具の姿勢を矯正するようにしたものである。また、雄端子金具挿入後は、ホルダはゴム栓に当接する位置まで押し込まれて装着されるので、ゴム栓の抜け規制とコネクタの小型化が図られる。なお、一括型のゴム栓を用いたコネクタについては特開平6−203902号公報に開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
雄端子金具を手作業で挿入する場合、ホルダをゴム栓に当接する位置まで押し込む前に作業者が雄端子金具の挿入間違いに気付くなどの理由から、一旦キャビティ内に挿入した雄端子金具を抜くことがある。ところが、この状態ではゴム栓はホルダで押さえられていないため、雄端子金具の抜き取りに伴いゴム栓が後方へずれてしまう虞がある。
【0006】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、端子金具の抜き取り時における一括型のゴム栓のずれを防止することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、本体部からこれよりも細いタブ部を前方へ突出させた形態の雄端子金具と、前記雄端子金具を収容可能なキャビティを備えたコネクタハウジングと、前記コネクタハウジングの後面に配され、前記雄端子金具の電線外周に密着可能であり且つ前記各キャビティと対応する複数の電線挿通孔が設けられた一括型のゴム栓と、前記電線挿通孔と対応する複数の端子挿入孔が貫通され、前記コネクタハウジングに対し前記ゴム栓の後面から後方に離間した仮係止位置とこの仮係止位置から前方へ押し込まれた本係止位置に保持されるホルダとを備えてなり、前記雄端子金具は、前記ホルダが前記仮係止位置に保持された状態で、前記端子挿入孔と前記電線挿通孔とを順に通過して前記キャビティに挿入されると共に、前記雄端子金具の挿入過程では、前記雄端子金具はその本体部を前記端子挿入孔に嵌入させることで姿勢を矯正され、前記雄端子金具を前記キャビティに挿入した後に前記ホルダを前記仮係止位置から前記本係止位置へ移動させるようにした防水コネクタにおいて、前記コネクタハウジングには、前記ホルダとは別体をなし、前記ホルダが前記仮係止位置にあっても前記ゴム栓の後面に当接することで同ゴム栓の後方への遊動を規制可能なゴム栓押さえが設けられている構成としたところに特徴を有する。
【0008】
請求項2の発明は、請求項1に記載のものにおいて、前記ゴム栓押さえは前記雄端子金具の挿入方向と直交する平板状に形成され、このゴム栓押さえの前面が前記ゴム栓の後面を押さえるようになっているとともに、後面には補強用のリブが突出して設けられ、
前記ホルダには、前記リブを収容可能な逃がし凹部が形成されているところに特徴を有する。
【0009】
【発明の作用及び効果】
<請求項1の発明>
ホルダが仮係止位置に保持された状態で雄端子金具を端子挿入孔に挿入すると、雄端子金具はその本体部を端子挿入孔に嵌入させることで姿勢が矯正され、これによりタブ部がゴム栓に突き刺さることが防止される。
雄端子金具挿入後、ホルダは前方へ押し込まれて本係止位置に保持されるので、コネクタハウジングの前端からホルダの後端までの奥行きを小さくすることが可能となっている。
【0010】
また、一括型のゴム栓は、常に、ゴム栓押さえにより後方への遊動が規制されているため、ホルダが仮係止位置に保持された状態で雄端子金具をキャビティ内に挿入した後、ホルダを本係止位置に移動させる前に雄端子金具が引き抜かれたとしても、雄端子金具と共にゴム栓が後方へずれることを防ぐことができる。
【0011】
<請求項2の発明>
ゴム栓押さえを平板状に形成することで、その装着スペースが小さくなり、コネクタハウジングの奥行き寸法を小さくすることができる。また、ゴム栓押さえを平板状に形成すると、強度の低下により曲げ変形などを起こすことが懸念されるが、請求項2の発明によれば、ゴム栓押さえはリブにより補強され、その強度が確保されているので、変形しにくい。
【0012】
また、ホルダには逃がし凹部が設けられているため、ホルダを本係止位置に押しこんだときに逃がし凹部内にリブが収容され、ホルダをゴム栓押さえにほぼ密着して装着可能となる。したがって、コネクタハウジングの前端からホルダの後端までの奥行きをより小さくすることができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図1ないし図12によって説明する。
図1に示す雄型防水コネクタ1(防水コネクタ)は、雄ハウジング10(コネクタハウジング)、雄端子金具2、一括型のゴム栓30、ゴム栓押さえ40、ホルダ50とからなっている。なお、これ以下、図1における右側を前方として説明する。
雄端子金具2は、ほぼ角筒状の本体部3と、その前端から突出し本体部3よりも薄くて細長いタブ部4、及び本体部3の後端に設けられ、電線6を圧着するバレル部5とから構成されている。
【0014】
雄ハウジング10は扁平な方形状に形成され、その前部には相手側の雌コネクタ(図示せず)を嵌合可能なフード部11が前面に開口して形成され、後部には、前記した一括型のゴム栓30、ゴム栓押さえ40、ホルダ50を収容可能な略方形状の装着筒部16が後面に開口して形成されている。また、雄ハウジング10の内部で、フード部11と装着筒部16との間には、雄端子金具2を収容可能なキャビティ12が前後に貫通して複数並んで設けられている。
【0015】
これらのキャビティ12は、3個又は4個のキャビティ12を隣接して並列させた形態の複数のブロックに区画されており、このブロックは雄ハウジング10の上下方向に3段、幅方向に3列に分かれて配されている(図2参照)。
各キャビティ12の天井壁には弾性的に撓み可能なランス13が設けられ、雄端子金具2の本体部3に引っ掛かることで雄端子金具2を抜け止めしている。
【0016】
上記した装着筒部16の最も奥側(前側)には、一括型のゴム栓30が装着筒部16の奥面に密着して装着されるようになっている。ゴム栓30は、全てのキャビティ12の形成領域を一括して覆う大きさであって、その外周面には装着筒部16の内面に密着する複数条のリップ片31が設けられている。また、ゴム栓30には位置決め孔33が設けられ、装着筒部16の奥面から突設された凸部15に嵌め込まれることで位置決めされるようになっている(図9参照)。
【0017】
ゴム栓30には、円形をなす複数の電線挿通孔32が各キャビティ12と対応する位置にそれぞれ前後に貫通している。この各電線挿通孔32の内周面には、それぞれ複数条のリップ片31が設けられ、内部に挿入される電線6の外周面と密着可能となっている。
【0018】
ゴム栓30の後面には、ゴム栓押さえ40が装着されるようになっている。図3及び図4に示すように、ゴム栓押さえ40は雄端子金具2の挿入方向と直交する平板状に形成され、かつ装着筒部16の内周にがた付きなく嵌合可能な略方形状をなしている。ゴム栓押さえ40には、貫通孔41が、前記したキャビティ12の各ブロック毎に対応するように横長の方形状に開口して形成され、この貫通孔41には、各キャビティ12に挿入される雄端子金具2が遊挿されるようになっている(図2参照)。
【0019】
また、図3における中央に位置する貫通孔41の両側には、突起挿通孔42が一対開口している。この突起挿通孔42には、後述するホルダ50から突設された突起54が挿通可能となっている。
【0020】
ゴム栓押さえ40の後面にはリブ43A,43Bが突設され、ゴム栓押さえ40を補強している。このリブ43A,43Bは各貫通孔41の間に配されており、詳細には、ゴム栓押さえ40の全幅に渡って横に延びた水平なリブ43Aが上下に2本、さらに、上段のリブ43Aからゴム栓押さえ40の上端縁まで垂直に延びたリブ43Bと、これと同様に下段のリブ43Aからゴム栓押さえ40の下端縁に至るリブ43Bがそれぞれ2本ずつ形成されている。
【0021】
また、ゴム栓押さえ40の上端には前止まり部47が突設されている。一方、図1に示すように、装着筒部16の天井壁には、溝部17が装着筒部16の奥面とほぼ同位置まで凹設され、さらに、溝部17の奥面からは受け部18がゴム栓30の後面とほぼ同位置まで突設されている。ゴム栓押さえ40は、前止まり部47を溝部17に適合させつつ装着筒部16内に挿入され、ゴム栓30の後面に密着するまで押し込まれると、前止まり部47が受け部18に当接することで必要以上に前方へ挿入されないようになっている(図8、図12参照)。
【0022】
前記した幅方向に延びた2本のリブ43Aの両端縁からは、上下一対の係止突部44がゴム栓押さえ40の側縁より突出して形成されている。係止突部44の前端面は、テーパ面45となっている。また、この係止突部44の後端面は、ゴム栓30の着脱方向と直交する係止面46となっており、装着筒部16に設けられた係止受け部19と係止可能である。この係止受け部19は、図7及び図11のように、係止突部44と対応する位置に上下2箇所ずつ、装着筒部16の両側壁を貫通して設けられている。そして、この側壁の内面には、後端縁から係止受け部19の所定寸法手前の位置までスライド溝20が凹設され、係止突部44を通過可能としていると共に、スライド溝20の前端は内側へテーパ状に傾斜して装着筒部16の内面に連結している。即ち、ゴム栓押さえ40を装着筒部16に挿入する際には、係止突部44をスライド溝20に嵌め合わせつつ内部にゴム栓押さえ40を押し込むと、ゴム栓押さえ40が僅かに弾性的に湾曲しつつ、係止突部44のテーパ面45がスライド溝20のテーパ状の前端面を乗り越え、係止突部44が係止受け部19に嵌まり込む。そして、係止面46と係止受け部19の後端面とが引っ掛かることで、ゴム栓押さえ40は後方へ抜けないようになっている。
【0023】
ホルダ50は、ゴム栓押さえ40の後部に配され、装着筒部16内に装着されるもののうち、最後に装着されるようになっている。図5に示すように、ホルダ50は、大まかには装着筒部16の内部にほぼ緊密に嵌合可能な基部51と、その幅方向両側に形成された一対の係止板55、及び基部51の前面に設けられた突起54から成っている。そして、ホルダ50は、雄ハウジング10に対し、ゴム栓押さえ40の後面から離間した仮係止位置と、ゴム栓押さえ40の後面に密着した本係止位置の2段階(後述)で保持されるようになっている。
【0024】
まず基部51から説明すると、基部51には、雄端子金具2を挿入可能な複数の端子挿通孔53が、前記したキャビティ12及び電線挿通孔32と対応する位置に貫通している(図1参照)。この端子挿通孔53は、方形状に形成され、雄端子金具2の本体部3をがたつかせずに挿入可能となっている。基部51の前面で、前記したゴム栓押さえ40の突起挿通孔42と対応する位置には、一対の突起54が前方へ延出されている。一方、雄ハウジング10とゴム栓30には、この突起54と対応する位置に突起挿通孔14,34が開口している(図9参照)。したがって、ホルダ50を装着筒部16に装着するときに、突起54は、各突起挿通孔14,34,42に嵌入することによって、ホルダ50を挿入する際のガイドとなる。
【0025】
係止板55は、基部51の両側面から突設された台座52から前方へ板状に延出されており、装着筒部16と係止する役目を果たしている。図6及び図10のように、係止板55の上下方向の中央部分には、付け根部分から係止板55の延出方向へ所定寸法切り欠いた切り欠き部56が形成されている。これに対して装着筒部16の外側面には、係止板55を摺動させつつ案内するガイド溝21が凹設されている。ガイド溝21における係止板55の内面との摺動面には、仮係止突起22と本係止突起23が前後に並んで突設されている。
【0026】
図6、図7のように、ホルダ50が装着筒部16に嵌合され、係止板55の前端縁が仮係止突起22を乗り越えると、切り欠き部56の前端縁に仮係止突起22が嵌まり、且つ、係止板55の前端縁が本係止突起23に当接することで、ホルダ50は仮係止位置に保持される。この仮係止位置では、ホルダ50の基部51が雄ハウジング10後面から後方へ突出した状態となっている。そして、ホルダ50が仮係止位置に保持された状態では、雄端子金具2の雄ハウジング10への挿入がおこなわれる。雄端子金具2を端子挿入孔53へ挿入すると、雄端子金具2の角筒状の本体部3を方形状の端子挿入孔53にほぼ緊密に嵌入させることで、端子挿入孔53の内面が本体部3をガイドするので雄端子金具2の姿勢を矯正できるようになっている。
【0027】
その後、さらにホルダ50を押し込むと、図10、図11に示すように、係止板55の前端縁が本係止突起23を乗り越え、切り欠き部56に本係止突起23が嵌まり込み、かつ、係止板55の付け根が装着筒部16の後端縁と突き当たることで、ホルダ50は本係止位置に保持されるようになっている。
【0028】
さて、基部51の前面には、ゴム栓押さえ40のリブ43A,43Bと対応する位置に逃がし凹部57が形成され、リブ43A,43Bを収容可能としている。これにより、ホルダ50を本係止位置まで押し込んだ状態で、ホルダ50の前面をゴム栓押さえ40の後面と密着させる構造が実現されている。また、この本係止位置では、ホルダ50は装着筒部16内部に完全に収容された状態となっている。
【0029】
次に、上記のように構成された本発明の作用効果について説明する。組付けに関しては、まず、雄ハウジング10の装着筒部16にゴム栓30が挿入され、凸部15に位置決め孔33を嵌合させつつ装着筒部16の奥面に密着するまで押し入れられる。次に、ゴム栓押さえ40が装着筒部16内に嵌め込まれる。このときには、まずゴム栓押さえ40の前止まり部47を装着筒部16の溝部17に適合させつつ、係止突部44をスライド溝20に挿入してゴム栓押さえ40を押し込む。係止突部44のテーパ面45がスライド溝20の前端面を乗り越えると係止受け部19に係止突部44が嵌まり、係止面46と係止受け部19の後端面とが係止し合うため、ホルダ50が抜け止めされる。同時に、ゴム栓押さえ40の前面がゴム栓30の後面に密着するため、ゴム栓30が押さえられゴム栓30の後方への遊動が規制される。また、ゴム栓押さえ40をさらに前方へ押し込もうとしても、受け部18の先端に前止まり部47が当たって挿入できないため、ゴム栓30がゴム栓押さえ40により過剰に押さえつけられて弾性変形することを防いでいる。
【0030】
その後、ホルダ50が装着筒部16内に装着される。まず、突起54が装着筒部16内に挿入され、ゴム栓押さえ40、ゴム栓30、雄ハウジング10の順に、これらに設けられた各突起挿通孔42,34,14に突起54が差し込まれるので、ホルダ50を雄ハウジング10に装着する際の上下及び左右方向の位置決めがなされる。そして、両係止板55がガイド溝21に嵌合される。このときには、係止板55の先端が仮係止突起22に乗り上げて係止板55が外方へ撓みつつホルダ50が押しこまれる。切り欠き部56に仮係止突起22が嵌まり込んで係止されると、ホルダ50は雄ハウジング10の後方へ突出した仮係止位置に保持される(図6ないし図9参照)。
【0031】
この状態で、バレル部5に電線6が圧着された雄端子金具2がホルダ50の端子挿入孔53から挿入されると、その雄端子金具2は、貫通孔41を通過し、電線挿通孔32を押し広げつつその内部を通過してキャビティ12に収容され、ランス13により抜け止めされる。ここで、雄端子金具2のタブ部4が、もしホルダ50の端子挿入孔53に斜め姿勢で挿入されても、端子挿入孔53に本体部3が嵌入することにより、タブ部4先端が電線挿通孔32に到達する前にその姿勢が矯正される。よって、タブ部4がゴム栓30の電線挿通孔32内面に突き刺さることが防止され、雄端子金具2は電線挿通孔32内に円滑に挿通される。
【0032】
さて、雄端子金具2を挿入した後には、ホルダ50を本係止位置へ押し込むのであるが、押し込む前の状態、即ち、上記したようなホルダ50が仮係止位置に保持された状態のままで、作業者が一旦装着した雄端子金具2をキャビティ12から引き抜くことがある。しかし、こうした場合であっても、ゴム栓30はゴム栓押さえ40により押さえられ、後方への遊動が規制されているため、ゴム栓30が引き抜かれた雄端子金具2と共に後方へずれないようになっている。
【0033】
雄端子金具2がキャビティ12に収容された後、仮係止位置に保持されているホルダ50をさらに前方へ押し込むと、ホルダ50は本係止位置に係止される。この状態では、逃がし凹部57にリブ43が収容されて基部51後面がゴム栓押さえ40に密着し、かつ装着筒部16内にホルダ50全体が完全に収まる(図10ないし図12参照)。
【0034】
よって、本実施形態によれば、雄端子金具2が一旦キャビティ12に装着された後で引き抜かれる場合に、ホルダ50が仮係止位置に保持されたままでも、ゴム栓押さえ40がゴム栓30を後方から押さえているため、ゴム栓30の後方へのずれを規制できる。
また、ゴム栓押さえ40を雄端子金具2の挿入方向と直交する平板状に形成したことで、その装着スペースが狭くなるため、雄ハウジング10の前後方向の寸法を小さくすることができる。また、ゴム栓押さえ40を平板状に形成すると、その強度が弱くなり曲げ変形などが生じやすくなるが、リブ43A,43Bを設けて補強したため、強度が確保されている。
【0035】
一方、このゴム栓押さえ40の後部に配されるホルダ50には、逃がし凹部57が形成されているので、この逃がし凹部57にリブ43A,43Bを収容することで、ホルダ50の前面をゴム栓押さえ40の後面と密着させる構造とすることができる。したがって、雄ハウジング10の前端面から本係止位置に保持されたホルダ50の後端面までの寸法を小さくでき、雄型防水コネクタ1の奥行き寸法の小型化が可能となる。
【0036】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【0037】
(1)上記した実施形態では、雄ハウジング10と別体のゴム栓押さえ40によりゴム栓30の遊動を規制するものについて説明したが、ゴム栓30を後方へずれないようにするものであれば、例えば、装着筒部の内面から一体に突出形成され、ゴム栓の後面の周縁部を押さえることが可能なゴム栓押さえであってもよい。
(2)上記した実施形態では、平板状に形成され、ゴム栓30の後面を押さえることが可能なゴム栓押さえ40について示したが、例えば、ゴム栓の外周面に嵌合可能なリング状に形成され、かつ、装着筒部の内面に係止可能なゴム栓押さえであっても良い。
【0038】
(3)上記した実施形態では、ホルダ50とゴム栓押さえ40とが密着するまで押しこんだ位置をホルダ50の本係止位置としたが、密着する位置まで押し込まなくても良い。
(4)上記した実施形態では、ホルダ50を本係止位置に装着すると、ホルダ50全体が雄ハウジング10に完全に収まるものについて示したが、ホルダ50は、本係止位置に保持された状態で雄ハウジング10の後面から突出していても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の分解断面図
【図2】雄ハウジングの背面図
【図3】ゴム栓押さえの背面図
【図4】その平面図
【図5】ホルダの平面図
【図6】ホルダが仮係止位置に保持された状態を示す側面図
【図7】その一部切り欠き平面図
【図8】その側断面図
【図9】ホルダの突起が挿入されている様子を示す側断面図
【図10】ホルダが本係止位置に保持された状態を示す側面図
【図11】その一部切り欠き平面図
【図12】その側断面図
【符号の説明】
1…雄型防水コネクタ(防水コネクタ)
2…雄端子金具
3…本体部
4…タブ部
6…電線
10…雄ハウジング(コネクタハウジング)
12…キャビティ
30…ゴム栓
32…電線挿通孔
40…ゴム栓押さえ
43A,43B…リブ
50…ホルダ
53…端子挿入孔
57…逃がし凹部

Claims (2)

  1. 本体部からこれよりも細いタブ部を前方へ突出させた形態の雄端子金具と、
    前記雄端子金具を収容可能なキャビティを備えたコネクタハウジングと、
    前記コネクタハウジングの後面に配され、前記雄端子金具の電線外周に密着可能であり且つ前記各キャビティと対応する複数の電線挿通孔が設けられた一括型のゴム栓と、
    前記電線挿通孔と対応する複数の端子挿入孔が貫通され、前記コネクタハウジングに対し前記ゴム栓の後面から後方に離間した仮係止位置とこの仮係止位置から前方へ押し込まれた本係止位置に保持されるホルダとを備えてなり、
    前記雄端子金具は、前記ホルダが前記仮係止位置に保持された状態で、前記端子挿入孔と前記電線挿通孔とを順に通過して前記キャビティに挿入されると共に、前記雄端子金具の挿入過程では、前記雄端子金具はその本体部を前記端子挿入孔に嵌入させることで姿勢を矯正され、前記雄端子金具を前記キャビティに挿入した後に前記ホルダを前記仮係止位置から前記本係止位置へ移動させるようにした防水コネクタにおいて、
    前記コネクタハウジングには、前記ホルダとは別体をなし、前記ホルダが前記仮係止位置にあっても前記ゴム栓の後面に当接することで同ゴム栓の後方への遊動を規制可能なゴム栓押さえが設けられていることを特徴とする防水コネクタ。
  2. 前記ゴム栓押さえは前記雄端子金具の挿入方向と直交する平板状に形成され、このゴム栓押さえの前面が前記ゴム栓の後面を押さえるようになっているとともに、後面には補強用のリブが突出して設けられ、
    前記ホルダには、前記リブを収容可能な逃がし凹部が形成されていることを特徴とする請求項1記載の防水コネクタ。
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