JP3767013B2 - 組込み型調理器 - Google Patents

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照幸 北田
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カウンターに開口孔を設け、その開口孔に加熱調理機構を有する機器本体を収納・設置するいわゆる組込み型調理器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の組込み型調理器の例について図3に示す。図3において1は略四角の開口孔1aを有するカウンターである。2はバーナ3等の加熱調理機構を有する機器本体で、カウンター1の開口孔1aに嵌入され、載置部2aをカウンター1の上面1bに載置してあり、載置部2aの一部には立設した突片2bが設けてある。
【0003】
4は機器天板で、機器本体2の天面を形成し、カウンター1の開口孔1aを覆うように設置されている。5は機器天板4の裏面4aに固定された金具で、載置部2aに立設した突片2bを嵌入するスリット孔5aを有する。6は機器天板4に支承される五徳であり、その上端部6aには調理容器7が載置される。
【0004】
8は弾性体からなるシール材で機器天板4の周縁部4bを挟持し、カウンター1の上面1bに支承されて構成されている。
【0005】
そして、機器本体2の載置部2a及びシール材8を介した機器天板4は、カウンター1上面1bに載置され、機器天板4の位置規制は、裏面4aに固定された金具5のスリット孔5aと、機器本体2の載置部2aの一部に立設した突片bの嵌合によって行っており、従ってカウンター1の上面1bと機器天板4の上面4cとの高さ寸法Bが大きくなり、カウンター1の上面1bと機器天板4の上面4cとに跨って調理用器7や調理準備物を置くことが出来ず、調理スペースが分断されていた。しかもカウンター1の上面1bと五徳6の上端部6aまでの高さ寸法Aも大きくなって、調理用器7を五徳6の上端部6aまで持ち上げる際や下ろす際に不便さを与えていた。
【0006】
なお、機器天板4の上面4cと五徳6の上端部6aまでの高さ寸法Cは、バーナ3の燃焼に伴う空気の供給及び燃焼排気ガスの排出に必要な寸法であり、機器天板4の裏面4aには金具5を固定する必要があって、コスト面で不利益であるばかりでなく、機器天板4を取り外した状態で機器本体2のメンテナンス等を行う場合に、載置部2aの一部に立設した突片2bが作業の邪魔になることがあった。
【0007】
また、シール材8は機器天板4の周縁部4bに装着されており、加熱調理時の煮こぼれ汁等がこぼれて付着すると外観上見苦しいという不具合を有していた。
【0008】
さらに、カウンター1の上面1bが人造大理石等の耐熱温度が低くて傷が付きやすい材質の場合には、加熱調理後等、調理容器7等を置くと、カウンター1の上面1bにクラックを生じたり、傷がつくという不具合を有していた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、加熱調理器は、日常使用される頻度が高く、調理スペースが有効に利用でき調理容器の上げ下ろしが楽にできる使い勝手のよいものや、掃除性のよいものが要求されているが、前記する従来例では調理スペースの利用率、使い勝手や掃除性において満足できるものではなかった。
【0010】
本発明は、このような従来例の組込み型調理器において、使い勝手や掃除性を高めることを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の組込み型調理器においては、カウンターの開口孔に断面形状を階段状にして段差部を設け、この段差部の下段に機器本体を載置し、その上方に位置して前記カウンターの上面に載置し、前記機器本体を遮蔽する機器天板と、前記機器天板の上方に五徳を載置する構成としたものであり、この発明によれば、調理スペースの有効活用や調理用器等の上げ下ろし時の使い勝手及び機器天板周辺の掃除性を高めることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明は、請求項1に記載の発明は、開口孔の断面形状を階段状にして、段差部を設けたカウンターと、加熱調理機構とを有し、前記カウンターの開口孔に嵌入し、かつ前記段差部の下段に載置する載置部を有する機器本体と、前記機器本体の上方に位置して前記カウンターの上面に載置し、前記機器本体を遮蔽する機器天板と、前記機器天板の上方に載置し調理容器を支承する五徳とを備えたものであり、カウンターの上面と機器天板の段差を小さくし、かつカウンターの上面と調理容器を支承する五徳の上端部までの高さを小さくするという作用を有する。
【0013】
また、請求項2に記載の発明は、機器天板の外周端面を裏面方向に折曲して周設した垂下部の外形寸法を、カウンターの開口孔の段差部の上段の内側寸法より小としたものであり、機器天板の位置規制を容易に行えるという作用を有する。
【0014】
また、請求項3に記載の発明は、機器天板の垂下部の外側に弾性体からなるシール材を張設し、カウンターの段差部の上段に嵌入したものであり、機器天板のそりとカウンター上面のそりによる隙間発生時においても、機器天板とカウンターのシールを確実にするとともに、シール材を機器天板の外周部に露出させず、加熱調理器の煮こぼれ汁等がシール材に付着し外観上見苦しくなることを防止するという作用を有する。
【0015】
また、請求項4に記載の発明は、機器天板の側部に着脱自在の保護板を設けるものであり、加熱された調理用器や調理準備物を直接カウンター表面に置くことなく、カウンター表面を熱や傷から保護する作用を有する。
【0016】
また、請求項5に記載の発明は、機器天板の上面と保護板の上面を同一面に設けるものであり、機器天板と機器天板の側面部のスペースを同時に有効に利用できるという作用を有する。
【0017】
以下、本発明の一実施例について、図1及び図2を用いて説明する。なお、図3に示す従来例と同じ構成部分については同一符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0018】
図1は本発明の一実施例による組込み型調理器を示す断面図であり、図2は、同要部の斜視図である。図1及び図2において、9はカウンターで、略四角の開口孔9aの断面形状が階段状で、複数の段差部である下段9bと上段9cとを有する。10は機器本体でバーナ11等の加熱調理機構を有し、前記カウンター9の開口孔9aに嵌入し、段差部の下段9bに載置する載置部10aを有する。
【0019】
12は機器天板で、前記機器本体10の上方に位置して前記カウンター9の上面9bに載置し、前記機器本体10を遮蔽する。前記機器天板12の外周端面は裏面方向に折曲し、垂下部12aを周設している。
【0020】
13は前記機器天板12の上方に載置し、調理容器14を支承する五徳で、15は弾性体から成り、前記折曲部12aの外側に張設するシール材である。
【0021】
機器天板12はカウンター9の上面9dに支承し、機器本体10はカウンター9の段差部の下段9bに載置することにより、バーナ11の燃焼に伴う空気の提供及び燃焼排気ガスの排出に必要な高さ寸法Dを確保しつつ、カウンター9の上面9dと機器天板12の上面12bとの高さ寸法Eを小さく設けることにより、カウンター9の上面9dと機器天板12の段差を小さくし、かつカウンターの上面9dと調理容器14を支承する五徳13の上端部13aまでの高さ寸法Fを小さくするという作用を有する。
【0022】
また、機器天板12の外周端面を裏面方向に折曲して周設した垂下部12aの外形寸法Gを、カウンター9の開口孔9aの段差部の内側寸法Hより小とすることにより、機器天板12はその垂下部12aをカウンター9の段差部に観入するだけで、位置規制を容易に行えるという作用を有する。
【0023】
また、機器天板12の垂下部の外側に弾性体からなるシール材15を張設し、カウンター9の段差部の上段9cに嵌入することにより、機器天板12のそりとカウンター上面9dのそりによる隙間発生時においても、機器天板12とカウンター9のシールを確実にするとともに、シール材15を機器天板12の外周部に露出させず、加熱調理時の煮こぼれ汁等がシール材に付着し外観上見苦しくなることを防止するという作用を有する。
【0024】
次に、機器天板12の側面に着脱自在の保護板16を設けることにより、加熱された調理容器14や調理準備物を直接カウンター上面9dに置くことなく、カウンター9の上面9dを熱や傷から保護する作用を有する。
【0025】
さらに、機器天板12の上面12bと保護板16の上面16aを同一面に設けることにより、機器天板12と機器天板12の側面部の段差を無くしスペースを同時に有効に利用できるという作用を有する。
【0026】
【発明の効果】
以上のように本発明の請求項1によれば、機器天板をカウンターの上面に支承し、機器本体はカウンターの段差部の下段に載置することにより、カウンターの上面と機器天板の段差を小さくして略同一面とすることにより、調理容器や調理準備物を機器天板とカウンター上面に跨って実使用上問題無く置くことができ、調理スペースを機器天板で分断することなく有効に活用できる。
【0027】
また、カウンターの上面と調理容器等を支承する五徳の上端部までの高さ寸法を小さくして、調理容器等を五徳の上端部まで持ち上げる際や下ろす際の移動距離を少なく楽に移動でき、使い勝手が向上する効果が得られる。さらに、カウンター上面との平坦感を得ることが出来、デザイン性を浴するという効果が得られる。
【0028】
また、請求項2では機器天板の垂下部の外形寸法を、カウンターの開口孔の段差部の内側寸法より小とすることにより、機器天板はその垂下部をカウンターの段差部に嵌入するだけで、位置規制を容易に確実に行え、コスト的にも有利な効果が得られる。
【0029】
また、請求項3では機器天板の垂下部の外側に弾性体からなるシール材を張設し、カウンターの段差部の上段に嵌入することにより、機器天板のそりとカウンター上面のそりによる隙間が発生しても機器天板とカウンターのシールを確実にするとともに、シール材を機器天板の外周部に露出させず、加熱調理時の煮こぼれ汁等がシール材に付着し外観上見苦しくなくなることを防止し、掃除性がよくなる効果が得られる。
【0030】
次に、請求項4では機器天板の側面に着脱自在の保護板を設けることにより、加熱された調理容器や調理準備物を直接カウンター上面に置くことなく、カウンターの上面を熱や傷から保護する効果が得られる。
【0031】
さらに、請求項5では機器天板の側面部の段差を無くしスペースを同時に有効に利用できるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による組込み型調理器の要部断面図
【図2】同外観斜視図
【図3】従来例の組込み型調理器の要部断面図
【符号の説明】
9 カウンター
9a 開口孔
9b 下段
9c 上段
9d 上面
10 機器本体
10a 載置部
12 機器天板
12a 垂下部
13 五徳
13a 上端部
15 シール材
16 保護板

Claims (5)

  1. 開口孔の断面形状を階段状にして、段差部を設けたカウンターと、加熱調理機構とを有し、前記カウンターの開口孔に嵌入し、かつ前記段差部の下段に載置する載置部を有する機器本体と、前記機器本体の上方に位置して前記カウンターの上面に載置し、前記機器本体を遮蔽する機器天板と、前記機器天板の上方に載置し調理容器を支承する五徳とを備えた組込み型調理器。
  2. 機器天板の外周端面を裏面方向に折曲して周設した垂下部の外形寸法を、カウンターの開口孔の段差部の上段の内側寸法より小とした請求項1記載の組込み型調理器。
  3. 機器天板の垂下部の外側に弾性体からなるシール材を張設し、カウンターの段差部の上段に嵌入する請求項1記載の組込み型調理器。
  4. 機器天板の側部に着脱自在の保護板を設ける請求項1記載の組込み型調理器。
  5. 機器天板の上面と保護板の上面を同一面にした請求項4記載の組込み型調理器。
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