JP3766116B2 - 共押出し多層延伸フイルムの製造方法 - Google Patents
共押出し多層延伸フイルムの製造方法 Download PDFInfo
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は共押出し多層延伸フイルムの製造方法に係り、特にフイルムが裂け難く、収縮特性に優れ、生肉や畜肉加工品等の真空包装に好適に使用できる共押出し多層延伸フイルムが得られる製造方法に関する。
【0002】
【従来技術とその課題】
生肉や畜肉加工品等の真空包装用フイルムとして、ポリ塩化ビニリデン樹脂やナイロン6等のポリアミド樹脂からなる中間層を用い、その内外層に種々の樹脂からなる層で積層し、延伸された共押出し多層延伸フイルムが使用されている。
このような共押出し多層延伸フイルムでポリアミド樹脂からなる中間層を用いたフイルムは、耐ピンホール性には優れているが、生肉や畜肉加工品等を真空包装する際、フイルムが裂け易いという問題があった。
【0003】
上記問題を改良する手段として、フイルムの総厚みを大きくしたり、フイルムの総厚みに対するポリアミド樹脂層の比率を減少することを検討されたが、フイルムの裂けに対する顕著な効果は見られなかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記問題を解消できる共押出し多層延伸フイルムの製造方法を見出したものであって、その要旨とするところは、
最外層がポリオレフィン系樹脂層、中間層がポリアミド樹脂層または、ポリアミド樹脂層とエチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物層からなり、最内層にシール性樹脂層を配し,縦、横方向に2〜4倍に延伸してなる共押出し多層延伸フイルムを延伸後、ポリアミド樹脂のガラス転移温度〜ガラス転移温度+10℃の加熱温度でフイルムの縦方向に10〜15%の範囲でフイルムを弛緩することを特徴とする共押出し多層延伸フイルムの製造方法にある。
【0005】
本発明で使用する共押出し多層延伸フイルムとしては、最外層がポリオレフィン系樹脂層、中間層がポリアミド樹脂層または、ポリアミド樹脂層とエチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物層からなり、最内層にシール性樹脂層を配した多層延伸フイルムである。
【0006】
ここで、最外層に使用するポリオレフィン系樹脂としては、低密度ポリエチレン樹脂、直鎖低密度ポリエチレン樹脂、エチレンー酢酸ビニル共重合体等が好適に使用できる。
【0007】
中間層はバリアー性樹脂層であり、ポリアミド樹脂層又はポリアミド樹脂層とエチレン酢酸ビニル共重合体ケン化物層から構成されている。ポリアミド樹脂としては、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン6/66、ナイロン6T/6I等が好適に使用でき、エチレン酢酸ビニル共重合体ケン化物(EVOH)としては、エチレン含有率が30〜60モル%で、けん化度が95%以上のものが、成形性やバリアー性の点から好ましい。
【0008】
中間層の厚さはポリアミド樹脂層のみの場合、10〜100μmの範囲とすればよく、ポリアミド樹脂層とEVOH層から構成したものではポリアミド樹脂層を10〜70μm、EVOH層を10〜100μmの範囲とすればよい。
最内層のシール性樹脂層にはアイオノマー樹脂、ポリエチレン、またはエチレンと他の成分との共重合体、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体等が使用でき、シール性樹脂層の厚みは30〜150μmの範囲で好適に使用できる。
【0009】
また、上記の最外層と中間層の間、及びシール性樹脂層と中間層の間には層間の接着性を改良するためにポリオレフイン系接着樹脂層を設けることが好ましく、使用するポリオレフイン系接着樹脂としては、不飽和カルボン酸またはその誘導体から選ばれた少なくとも一種のモノマーをグラフトした変性ポリオレフィン樹脂が好適に使用できる。各ポリオレフイン系接着樹脂層の厚みは5〜20μmの範囲とすればよい。
【0010】
本発明のフイルムの製造方法は共押出し成形法により積層した後、通常のチューブラー法により延伸して製膜する方法が一般的であり、延伸倍率は縦方向(フイルムの引取り方向)、横方向(フイルムの引取り方向と直角方向)ともに2.0〜4.0倍の範囲、好ましくは2.4〜3.2倍の範囲で延伸するのが良い。
延伸倍率が2.0倍未満では厚みの均一性が悪く、また収縮特性に劣り被包装体との密着性に劣る。延伸倍率が4.0倍を越えると製膜時にフイルムが破断しやすいという問題がある。延伸温度は70〜100℃の範囲で行えばよい。
【0011】
上記方法で延伸した後、フイルムを縦方向に特定の範囲で弛緩する必要があり、使用するポリアミド樹脂のガラス転移温度〜ガラス転移温度+10℃の加熱温度でフイルムの縦方向に10〜15%の範囲でフイルムを弛緩する。弛緩する温度がポリアミド樹脂のガラス転移温度未満の温度ではフイルムが弛緩しづらくフイルムの裂けに対する効果が少なく、弛緩する温度がガラス転移温度+10℃を越える場合には収縮率が低くなり過ぎ、被包装体への密着性に劣るという問題がある。
【0012】
またフイルムの弛緩率は上記温度範囲内で10〜15%の範囲とする必要があり、10%未満ではフイルムの引き裂き強度に対する改良効果が少なく、15%を越えるとフイルムの引き裂き強度は改良できるが、収縮率が低くなり過ぎ、被包装体への密着性に劣るという問題がある。
【0013】
フイルムを縦方向に上記の範囲で弛緩する方法としては、折り畳み状のフイルムを温水加熱したロール間に通過させ、その間に設けたフリーゾーンを通過することによりフイルムを弛緩させる方法が好ましい。
【0014】
以下、本発明を実施例にて説明する。
【0015】
【実施例】
実施例1
最外層と最内層に酢酸ビニル含有率5〜15モル%のエチレンー酢酸ビニル共重合体(EVA)、中間層にエチレン含有率35〜44モル%のエチレンー酢酸ビニル共重合体けん化物(EVOH)及びポリアミド樹脂(Ny)を配して共押出法により積層した後、縦方向に2.7倍、横方向に2.4倍の条件でチューブラ延伸法により同時二軸延伸した。
【0016】
EVA / EVOH / Ny /EVA
(10μ)/ (3μ) /(17μ)/(20μ)
中間層のNyはナイロン6−66(80%)と非晶性ナイロン(20%)のブレンド品からなり、ガラス転移温度が59℃であった。
【0017】
得られたフイルムを用い、弛緩温度61〜64℃でフイルムの縦方向に12%でフイルムを弛緩し、得られたフイルムを用いて、「収縮性」と「フイルムの裂け」について評価した。評価は上記フイルムを用いて袋体を作成し、15Kgの生肉塊を真空包装した際のフイルムの密着性とフイルムの裂けの有無を評価したが、密着は良好で、フイルムの裂けは全く見られなかった。
【0018】
実施例2
フイルムの層構成が下記内容である他は実施例1と同一内容で延伸フイルムを得た。
EVA / EVOH / Ny / EVA
(12μ)/ (3μ) /(15μ)/(20μ)
得られたフイルムを用い、弛緩温度61〜64℃でフイルムの縦方向に15%でフイルムを弛緩し、得られたフイルムを用いて、「収縮性」と「フイルムの裂け」について実施例1と同様の評価を行なった。その結果、実施例1と同様に密着は良好で、フイルムの裂けは全く見られなかった。
【0019】
実施例3
フイルムの層構成が下記内容である他は実施例1と同一内容で延伸フイルムを得た。
EVA / EVOH / Ny / EVA
(15μ)/ (3μ) /(12μ)/(20μ)
得られたフイルムを用い、弛緩温度61〜64℃でフイルムの縦方向に10%でフイルムを弛緩し、得られたフイルムを用いて、「収縮性」と「フイルムの裂け」について実施例1と同様の評価を行なった。その結果、実施例1と同様に密着は良好で、フイルムの裂けは全く見られなかった。
【0020】
比較例1
フイルムの層構成が実施例1と同一内容で延伸フイルムを得た。得られたフイルムを用い、弛緩温度61〜64℃でフイルムの縦方向に18%でフイルムを弛緩し、得られたフイルムを用いて、実施例1と同様の評価を行なった。その結果、フイルムの裂けは全く見られなかったが、フイルムの収縮性が低く、内容物との密着が悪かった。
【0021】
比較例2
フイルムの層構成が実施例1と同一内容で延伸フイルムを得た。得られたフイルムを用い、弛緩温度61〜64℃でフイルムの縦方向に8%でフイルムを弛緩し、得られたフイルムを用いて、実施例1と同様の評価を行なった。その結果、フイルムの収縮性は良好であったが、フイルムの裂けが発生した。
【0022】
【発明の効果】
上述したように本発明の製造方法によれば、フイルムが裂け難く、収縮特性に優れ、生肉や畜肉加工品等の真空包装に好適に使用できる共押出し多層延伸フイルムが得られる。
Claims (1)
- 最外層がポリオレフィン系樹脂層、中間層がポリアミド樹脂層とエチレン−酢酸ビニル共重合体けん化物層からなり、最内層にシール性樹脂層を配し、縦、横方向に2〜4倍に延伸してなる共押出し多層延伸フイルムを延伸後、ポリアミド樹脂のガラス転移温度〜ガラス転移温度+10℃の加熱温度でフイルムの縦方向に10〜15%の範囲でフイルムを弛緩することを特徴とする共押出し多層延伸フイルムの製造方法。
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