JP3765933B2 - 燃料改質装置およびその制御方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、炭化水素を含む改質用燃料を改質することにより、水素を含む改質ガスを生成する燃料改質装置およびその制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電解質、例えば、固体高分子電解質膜を挟んでアノード側電極とカソード側電極とを対設した燃料電池セルを、セパレータによって挟持して複数積層することにより構成された燃料電池スタックが開発され、種々の用途に実用化されつつある。
【0003】
この種の燃料電池スタックは、炭化水素、例えば、メタノール水溶液の水蒸気改質により生成された水素を含む改質ガス(燃料ガス)をアノード側電極に供給するとともに、酸化剤ガス(空気)をカソード側電極に供給することにより、前記水素ガスがイオン化して固体高分子電解質膜内を流れ、これにより燃料電池の外部に電気エネルギが得られるように構成されている。
【0004】
上記のように、メタノール水溶液を改質して水素を含む改質ガスを生成する水蒸気改質反応は、CH3 OH+H2 O→CO2 +3H2 と表される吸熱反応である。従って、改質反応に必要な熱量を供給するために、通常、改質器内に複雑な伝熱構造を組み込むことが行われており、構造が複雑化していた。
【0005】
そこで、例えば、特開平9−315801号公報や特開平7−335238号公報に開示されているように、炭化水素を含有する原燃料ガスに酸素を供給して発熱反応である酸化反応を行わせ、この酸化反応により放出される熱量を利用して吸熱反応である前記原燃料ガスの改質反応を行う方法が知られている。これにより、構造の簡素化が可能になるという利点が得られる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、一般的に酸化反応速度が改質反応速度よりも大きいことが知られている。このため、改質触媒のガス入口側の温度が上昇する一方、改質反応で重要な前記改質触媒のガス出口側の温度が低下し易く、該改質触媒の内部には、ガス流れ方向に沿って温度分布が生じている。
【0007】
その際、改質反応を効率よく行うために、改質触媒のガス出口側の温度を制御しようとすると、この改質触媒のガス入口側の温度が局部的に前記改質触媒の耐熱温度以上になってしまうおそれがある。これにより、発生する一酸化炭素の濃度が高くなり、改質触媒が急激に熱劣化するという問題が指摘されている。一方、改質触媒の熱劣化を防ぐために、この改質触媒のガス出口側の温度を低く設定しようとすると、改質触媒の反応効率が著しく低下してしまうという不具合がある。
【0008】
本発明はこの種の問題を解決するものであり、改質触媒部の熱劣化の発生を確実に阻止するとともに、所望の改質反応を円滑に遂行することが可能な燃料改質装置およびその制御方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る燃料改質装置では、改質触媒部が配置される改質室に改質用燃料、水蒸気および酸素が供給され、いわゆる、オートサーマル方式により、この改質触媒部で酸化反応と改質反応とが同時に行われる。具体的には、CH3 OH→CO+2H2 (但し、反応量は少ない)と、CH3 OH+3/2O2 →CO2 +2H2 O(発熱反応)と、CH3 OH+H2 O→CO2 +3H2 (吸熱反応)とが同時に遂行され、外部から熱を供給するために改質器内に複雑な伝熱構造を配置することが不要となり、装置全体の構成が有効に簡素化される。
【0010】
さらに、改質触媒部は、改質用燃料の反応率が90%であり、かつガス流れ方向に沿って温度分布を有するとともに、前記改質触媒部内のピーク温度と該改質触媒部のガス出口温度との差が100℃以内に設定されている。ここで、改質用燃料の反応率とは、CH3 OH→CO+2H2 と、CH3 OH+H2 O→CO2 +3H2 (吸熱反応)と、CH3 OH+3/2O2 →CO2 +2H2 O(発熱反応)との反応が同時に進行する中で、供給されたメタノールが上記のいずれかの反応を起こす割合をいう。
【0011】
従って、ピーク温度を改質触媒部の耐熱温度以下に抑えて改質触媒部の熱劣化を防ぐとともに、改質反応で重要なガス出口温度を高く維持することができ、改質反応が効率よく遂行される。しかも、改質触媒部の全体の温度が均一になり、その上、前記改質触媒部がガス流れ方向に沿って大幅に肉薄化され、圧損を有効に減少させることが可能になる。また、肉薄化によって改質触媒部を小さなスペースに多段に配置することが容易となり、装置全体を有効に小型化することができる。
【0012】
また、改質触媒部のガス入口面から内方に向かってこの改質触媒部のガス流れ方向の厚さの1/4以内の位置でピーク温度を検出している。このため、改質触媒部内でのピーク温度の検出が高精度かつ良好に遂行される。さらに改質用燃料がメタノールであり、このメタノールの改質処理が良好に行われて、例えば、水素を含む改質ガスを、燃料電池に対して効率的に供給することができる。
【0013】
また、本発明では、改質触媒部内のピーク温度を検出し、この検出されたピーク温度に基づいて燃料改質装置が制御される。これにより、改質触媒部を熱劣化させることがなく、前記改質触媒部を最高効率で使用することが可能になる。しかも、改質触媒部を最高効率で使用することができるため、必要な触媒量を少なくすることができる。さらに、燃料改質装置の制御は、改質室に供給される酸素を含む空気の量を制御することにより行われるため、改質触媒部のピーク温度を、レスポンスよく迅速に制御することが可能になる。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施形態に係る燃料改質装置10を組み込む燃料電池システム12の概略構成図である。燃料電池システム12は、炭化水素を含む改質用燃料を改質することにより水素ガスを生成する本実施形態に係る燃料改質装置10と、この燃料改質装置10から改質ガスが供給されるとともに、酸化剤ガスとして空気が供給され、前記改質ガス中の水素ガスと前記空気中の酸素とにより発電を行う燃料電池スタック14とを備える。炭化水素としては、メタノール、天然ガスまたはメタン等が使用可能である。
【0015】
燃料改質装置10は、炭化水素、例えば、メタノールを貯留するメタノールタンク16と、燃料電池スタック14から気液分離器17a、17bを通して排出される生成水等を貯留する水タンク18と、前記メタノールタンク16および前記水タンク18からそれぞれ所定量のメタノールおよび水が供給されてメタノール水溶液を混合する混合器20と、前記混合器20から供給されるメタノール水溶液を蒸発させるための蒸発器22と、前記蒸発器22に蒸発熱を供給する触媒燃焼器24と、前記蒸発器22から導入される水蒸気が混在されたメタノール(以下、改質用燃料という)を改質して水素ガスを含む改質ガスを生成する改質器26と、この改質器26から導出される改質ガス中の一酸化炭素を除去するCO除去器28とを備える。
【0016】
触媒燃焼器24とCO除去器28とには、エアー供給器30からそれぞれエアーが供給されるとともに、改質器26と前記CO除去器28との間には、改質ガスの温度を低下させるための熱交換器32が配置されている。蒸発器22と改質器26と熱交換器32とCO除去器28と触媒燃焼器24とは、経路34a〜34cを介して連結され、循環流路を構成している(図2参照)。
【0017】
図3に示すように、改質器26は、改質室36に配置される第1および第2改質触媒層(改質触媒部)38、40と、前記改質室36にメタノール水溶液、水蒸気および酸素含有ガス、例えば、空気を供給して前記第1および第2改質触媒層38、40で酸化反応と改質反応とを同時に行わせるための供給機構42と、前記第1および第2改質触媒層38、40の上流側に配置され、始動時に該第1および第2改質触媒層38、40に、直接、加熱用燃焼ガスを供給するための始動用燃焼機構44とを備える。
【0018】
図2および図3に示すように、燃焼機構44は、改質器26にガス流れ方向(矢印A方向)上流側に対応しかつ第1および第2改質触媒層38、40と同心的に設けられており、この燃焼機構44は燃焼室46に燃料、例えば、メタノールを供給するためのインジェクタ48と、着火用プラグであるグロープラグ49とを備える。このインジェクタ48は、燃料経路50を介してメタノールタンク16に接続されている(図1参照)。
【0019】
インジェクタ48の先端側周囲には、図3に示すように、エアーノズル52が装着され、このエアーノズル52は、燃焼室46に向かって開口する4つのエアー導出口54a〜54dを設けている。エアーノズル52は、第1エアー経路56を介してエアー供給器58(またはエアー供給器30)に接続されている(図1参照)。
【0020】
供給機構42は、図2および図3に示すように、燃焼機構44の下流側に配置されており、インジェクタ48の下流側でかつ第1改質触媒層38の上流側に位置して燃料ガス(改質用燃料および水蒸気)と空気(酸化用および希釈用)とが混合または独立して供給される供給口60を設けている。供給口60は、経路34aを介して蒸発器22に連結されるとともに、この経路34aの途上に設けられたジョイント部62は、例えば、エアー供給器30に第2エアー経路64を介して連通している。供給口60は、二重壁内の開口60aを介して複数の導入口60bから流路室66に連通する。
【0021】
改質器26は、燃焼室46に連通する流路室66から第1改質触媒層38に向かって拡径する円錐状のガス供給流路68を形成するディフューザ部70を備える。ディフューザ部70の拡径する端部には、略円筒状のケース72がねじ止めされており、このケース72内に第1および第2改質触媒層38、40が装着される。
【0022】
第1および第2改質触媒層38、40は、銅または銅・亜鉛系触媒で構成されており、ドーナツ形状のハニカム構造に設定されている。ハニカム構造は、ペレット状の触媒に比べて熱伝導率がよく、ピーク温度を下げるのに有効である。各ハニカムのメッシュは、300〜800セル/IN2 に設定されており、それぞれの面方向が改質室36内のガスの流れ方向(矢印A方向)に直交して並列されている。
【0023】
第1および第2改質触媒層38、40のガス流れ方向の上流側に第1および第2整流板74a、74bが固定される。第1および第2整流板74a、74bは、適切な圧力損失を有しており、第1および第2改質触媒層38、40へのガスの流れを均等化するとともに、各触媒層面内の流れを均等化する。
【0024】
第1および第2改質触媒層38、40は、負荷(改質用燃料の流量)に対して、図4に示すような特性を有している。すなわち、第1および第2改質触媒層38、40に供給される改質用燃料の単位時間当たりの流量が少ないと、この改質用燃料が前記第1および第2改質触媒層38、40に滞留する時間が長くなる。従って、改質用燃料の改質反応が十分に進行し、CH3 OH→CO+2H2 、CH3 OH+H2 O→CO2 +3H2 (吸熱反応)、CH3 OH+3/2O2 →CO2 +2H2 O(発熱反応)のいずれかの反応を起こす割合(すなわち、反応率)が増加する。一方、改質用燃料の単位時間当たりの流量が増加すると、第1および第2改質触媒層38、40に滞留する時間が短くなり、前記改質用燃料が未反応のまま通過する割合が増えてしまう。これにより、改質用燃料の流量が増大すると、この改質用燃料の反応率が減少することになる。
【0025】
ここで、改質用燃料の反応率を90%以下にした場合、未反応のメタノールが大量に発生し、この未反応のメタノールが、直接、燃料電池セルに供給されると、該燃料電池セルの発電性能が低下してしまい、好ましくない。このため、例えば、改質器26の後段に未反応のメタノールを処理する変成器を設けることがあるが、システム構成要素が増加し、容積および重量の増加を惹起して好ましくない。従って、第1および第2改質触媒層38、40の反応率が90%以上、より好ましくは95%以上になるように最大負荷を設定する。
【0026】
一方、燃料改質装置10は、オートサーマル方式を採用しており、第1および第2改質触媒層38、40では、酸化反応と改質反応とが共存する。このため、第1および第2改質触媒層38、40のガス流れ方向(厚さ方向)の位置に対して、図5に示すように、ガス入口側からガス出口側に向かって温度が急激に上昇し、ピーク温度に達した後に、温度がなだらかに低下していく温度分布が存在している。これは、第1および第2改質触媒層38、40内では、酸化反応の方が改質反応よりも反応速度が速く、ガス入口側で酸化反応の発熱により温度が急激に上昇し、その後、吸熱反応である改質反応が起こるからである。
【0027】
この場合、反応率を下げることにより、ピーク温度とガス出入口温度との差を小さくすることが考えられるが、上記のように、反応率が下がることによって未反応のメタノールが大量に発生するという問題がある。一方、反応率を高い状態に維持してピーク温度とガス出入口温度との差を所定の範囲内に納めるためには、第1および第2改質触媒層38、40の厚さを適切に設定する必要がある。
【0028】
そこで、本実施形態では、第1および第2改質触媒層38、40が、それぞれの内部におけるピーク温度とガス出口温度との差が100℃以内、より好ましくは50℃以内になる位置、すなわち、図5中、ガス流れ方向の位置に相当する厚さhに設定されている。
【0029】
図6に示すように、改質触媒層Mに原料ガス(燃料ガス)を導入して改質ガスを生成する際、この改質触媒層Mのピーク温度を一定にした場合、前記改質触媒層Mの厚さhを変更すると、図7に示すメタノール反応率の変化が現れた。従って、改質触媒層Mの厚さhが薄ければ薄いほど、メタノール反応率が高くなって性能の向上が図られており、本実施形態では、第1および第2改質触媒層38、40の厚さhが5mm〜40mmの範囲内、より好ましくは、10mm〜30mmの範囲内に設定されるとともに、外径が150mm〜250mm程度に設定されている。
【0030】
図3に示すように、第1および第2改質触媒層38、40の間には、改質用燃料ガスがいずれか一方のみを通過するようにガス流路形成手段76が配置される。ガス流路形成手段76は、例えば、SUS製の板材で構成されており、第1改質触媒層38の中央空洞部分38aに挿入される筒状部78と、この筒状部78の端部からガス流れ方向に沿って拡径する円錐部80と、この円錐部80の端部に一体的に設けられ、第2改質触媒層40の外周を覆うリング部82とを有する。
【0031】
筒状部78の先端には、ガス流れ方向とは逆方向に向かって縮径する絞り形状部84が一体成形されている。絞り形状部84の形状を適切に選定することにより、第1および第2改質触媒層38、40に流入するガスの分配状態を容易に調整することができる。第2改質触媒層40の中央空洞部分40aには、円錐状のカバー部材86が装着されている。
【0032】
図2に示すように、触媒燃焼器24とCO除去器28とにそれぞれ接続される経路34b、34cのジョイント部88には、三方弁90が設けられており、この三方弁90は、前記経路34bと燃料電池スタック14とが連通する位置と、該経路34bと経路34cとが連通する位置とに切り換え自在である。この経路34cには、燃料電池スタック14から排出される排出成分中の未反応水素ガス等のガスを導入するための導入口92が配置されている。
【0033】
図8に示すように、第1および第2改質触媒層38、40には、この第1および第2改質触媒層38、40のピーク温度を検出するための温度センサ(温度検出手段)94が配置される。第1および第2改質触媒層38、40は、ガス流れ方向(矢印A方向)に沿って温度分布を有しており、そのガス入口側から酸化反応支配領域96となる部分が存在し、この酸化反応支配領域96の終端側からガス出口側にわたって改質反応支配領域98となる部分が存在している。
【0034】
ピーク温度は、酸化反応支配領域96と改質反応支配領域98との境界部位に発生するものであり、温度センサ94は、ガス入口側の面から内方に距離Sだけ離間したピーク温度位置に設定される。この距離Sは、第1および第2改質触媒層38、40の厚さhの1/4以内の位置、具体的には、この厚さhが20mmである際に1mm〜5mm程度の位置に設定される。なお、第1および第2改質触媒層38、40のピーク温度は、この第1および第2改質触媒層38、40の面内温度分布により位置がばらつくため、温度センサ94を複数箇所に設置することが好ましい。
【0035】
温度センサ94は、ECU100に接続されるとともに、このECU100は、蒸発器22から導出される改質用燃料に空気を送るための空気供給弁102を制御する。
【0036】
蒸発器22には、所定量のメタノール水溶液を供給するための燃料供給弁104が接続され、CO除去器28には、COを選択酸化するためのエアーを供給する空気供給弁106が接続され、前記燃料供給弁104および前記空気供給弁106がECU100により制御される。具体的には、改質器26の出口温度からCO濃度が検出されるため、供給される燃料の量とこのCO濃度とに基づいて、発生されるCOの量が検出される。従って、空気供給弁106は、CO+1/2O2 →CO2 を満たす量の空気を供給するように制御される。
【0037】
このように構成される燃料改質装置10の動作について、以下に説明する。
【0038】
先ず、燃料改質装置10の始動時には、始動暖気モードとして経路34b、34cが三方弁90を介して燃料電池スタック14と遮断状態にある。そこで、燃焼機構44を構成する第1エアー経路56からエアーノズル52を介して燃焼室46にエアーが供給され、この燃焼室46内に渦流が形成される。この状態で、グロープラグ49が駆動されてこのグロープラグ49の温度が所定温度になったとき、メタノールタンク16からインジェクタ48にメタノールが供給される。
【0039】
メタノールは、インジェクタ48を介して燃焼室46内に噴霧されるとともに、このメタノールにエアーによる渦流が作用して、前記メタノールの微粒化および拡散化が図られる。このため、燃焼室46内では、グロープラグ49の加熱作用下にメタノールが燃焼し、この燃焼室46内でのみ保炎がなされる。
【0040】
次いで、第2エアー経路64から各導入口60bを介して流路室66に希釈用エアーが導入される。従って、燃焼室46で生成される高温の燃焼ガスにエアーが混合され、この燃焼ガスの温度が調整された状態で、前記燃料ガスが改質室36に配置されている第1および第2改質触媒層38、40に直接供給される。さらに、第1および第2改質触媒層38、40が所定の温度に昇温した後、混合器20を介してメタノールおよび水が所定の混合比に混合されたメタノール水溶液が蒸発器22に供給される。
【0041】
蒸発器22では、触媒燃焼器24で発生した高温の燃焼ガスと蒸発ガスとが熱交換されることによってメタノール水溶液が蒸気化し、第2エアー経路64から送られるエアーと混合されて供給機構42を構成する各導入口60bから改質器26内に供給される一方、インジェクタ48から燃焼室46内へのメタノールの供給が停止される。ここで、第1エアー経路56からエアーノズル52を介して燃焼室46側にエアーが継続して供給されており、インジェクタ48自体の温度を有効に低減している。
【0042】
蒸発器22から経路34aに供給された改質用燃料ガスは、第2エアー経路64から噴射されるエアーと混合されて改質器26内に導入された後、ディフューザ部70側に送られる。このディフューザ部70では、メタノール、水蒸気および酸素を含む改質用燃料ガスがその一部をガス供給流路68に沿って第1改質触媒層38に送られる一方、他の部分がこの第1改質触媒層38の中央空洞部分38aに嵌挿された筒状部78の内部を通って第2改質触媒層40に送られる。
【0043】
第1および第2改質触媒層38、40では、改質用燃料ガス中のメタノール、水蒸気および酸素によって発熱反応である酸化反応と吸熱反応である改質反応とが同時に行われる。これにより、外部から改質反応に必要な熱を供給する必要がないため、改質器26内に複雑な伝熱構造を用いる必要がなく、この改質器26全体の構造を一挙に簡素化することができる。しかも、改質器26内の発熱反応によって改質反応に必要な熱が供給されるため、負荷変動に対する応答性がよく、水素ガスを含む改質ガスを効率的に生成することが可能になる。
【0044】
第1改質触媒層38を通って生成された改質ガスおよび第2改質触媒層40を通って生成された改質ガスは、熱交換器32に導入されて所定の温度に冷却される。次いで、改質ガスは、CO除去器28に導入されてこの前記改質ガス中のCOが酸化されて選択的に反応除去された後、必要に応じて触媒燃焼器24に送られる。そして、改質器26から安定した改質ガスが生成され始めると、三方弁90が切り換えられて燃料電池スタック14にこの改質ガスが供給される。
【0045】
この場合、本実施形態では、第1および第2改質触媒層38、40内のピーク温度とガス出口温度との差が100℃以内、より好ましくは50℃以内に設定されている。このため、一定のピーク温度(例えば、300℃〜350℃の範囲のピーク温度)に対して、特に改質反応で重要なガス出口温度を高く設定することができる。これにより、第1および第2改質触媒層38、40の熱劣化を有効に防止するとともに、改質反応が活発に行われ、前記第1および第2改質触媒層38、40を全体として有効に利用することができるという効果が得られる。
【0046】
しかも、必要な触媒量を低減することが可能になり、改質器26全体の小型・軽量化および低コスト化が容易に図られる。さらに、第1および第2改質触媒層38、40の厚さhを相当に薄く設定することができるため、全体の温度が均一化され、前記第1および第2改質触媒層38、40の圧損を低減し得るという利点がある。
【0047】
ところで、本実施形態では、改質器26内に第1および第2改質触媒層38、40内のピーク温度を検出する温度センサ94が配置されている。第1および第2改質触媒層38、40が、例えば、銅系の触媒である場合には、耐久性を考慮して300℃程度のピーク温度で運転することが好ましい。
【0048】
このため、温度センサ94を介して第1および第2改質触媒層38、40のピーク温度を検出し、この検出された温度が300℃よりも低い場合には、ECU100が空気供給弁102を駆動して改質器26に供給される酸素(空気)の供給量を増加させる。これにより、第1および第2改質触媒層38、40の酸化反応支配領域96での燃焼反応(発熱反応)がより進み、ピーク温度を300℃まで上げることができる。
【0049】
このように、本実施形態では、第1および第2改質触媒層38、40の内部のピーク温度を一定に維持することができ、前記第1および第2改質触媒層38、40に局部的な熱劣化が発生することを阻止するとともに、前記第1および第2改質触媒層38、40を高効率で有効に使用することが可能になるという効果が得られる。しかも、第1および第2改質触媒層38、40を高効率で使用することができるため、必要な触媒量を少なくすることが可能となり、改質器26全体の小型化および低コスト化が容易に図られる。
【0050】
【発明の効果】
本発明に係る燃料改質装置では、改質触媒部において、改質用燃料の反応率が90%以上であり、かつその内部のピーク温度とガス出口温度との差が100℃以内に設定されるため、特に改質反応で重要なガス出口温度を高くするとともに、改質触媒部全体の温度を均一化することができる。しかも、改質触媒部の厚さが肉薄となるために、圧損を大幅に低減することが可能になる。さらに、ヒートスポットによる一酸化炭素の発生量を少なくすることができる。
【0051】
また、本発明に係る燃料改質装置の制御方法では、改質触媒部内のピーク温度を検出し、このピーク温度に基づいて燃料改質装置を制御するため、前記改質触媒部の熱劣化を阻止して高効率で使用し得るとともに、必要な触媒量を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る燃料改質装置を組み込む燃料電池システムの概略構成説明図である。
【図2】前記燃料改質装置の斜視説明図である。
【図3】前記燃料改質装置を構成する改質器の断面説明図である。
【図4】改質用燃料の流量と反応率との関係を説明する図である。
【図5】改質触媒層の厚さ方向の位置と触媒層温度との関係を説明する図である。
【図6】改質触媒層の厚さの違いによるメタノール反応率の変化を検出する実験結果を示す図である。
【図7】前記実験により得られたメタノール反応率の変化を示す図である。
【図8】改質器内に装着された温度センサおよびECUの説明図である。
【符号の説明】
10…燃料改質装置 12…燃料電池システム
16…メタノールタンク 18…水タンク
20…混合器 22…蒸発器
24…触媒燃焼器 26…改質器
28…CO除去器 36…改質室
38、40…改質触媒層 42…供給機構
44…燃焼機構 76…ガス流路形成手段
94…温度センサ 96…酸化反応支配領域
98…改質反応支配領域 100…ECU
102、106…空気供給弁 104…燃料供給弁

Claims (7)

  1. 炭化水素を含む改質用燃料を改質することにより、水素を含む改質ガスを生成する燃料改質装置であって、
    改質室に配置される改質触媒部と、
    前記改質室に前記改質用燃料、水蒸気および酸素を含有するガスを供給して前記改質触媒部で酸化反応と改質反応とを同時に行わせるための供給機構と、
    を備え、
    前記改質触媒部は、前記改質用燃料の反応率が90%以上であり、かつガス流れ方向に沿って温度分布を有するとともに、該改質触媒部内のピーク温度と該改質触媒部のガス出口温度との差が100℃以内になるガス流れ方向の位置に相当する厚さに設定されることを特徴とする燃料改質装置。
  2. 請求項1記載の燃料改質装置において、前記改質触媒部の前記ガス流れ方向の厚さに対して該改質触媒部のガス入口面から内方に1/4以内の位置に配置され、前記ピーク温度を検出するための温度検出手段を備えることを特徴とする燃料改質装置。
  3. 請求項1または2記載の燃料改質装置において、前記改質用燃料はメタノールであることを特徴とする燃料改質装置。
  4. 炭化水素を含む改質用燃料を改質することにより、水素を含む改質ガスを生成する燃料改質装置の制御方法であって、
    改質室に前記改質用燃料、水蒸気および酸素を含有するガスを供給して改質触媒部で酸化反応と改質反応とを同時に行う工程と、
    前記改質触媒部内のピーク温度を検出する工程と、
    前記検出されたピーク温度に基づいて、前記燃料改質装置を制御する工程と、
    を有し、
    前記改質触媒部は、前記改質用燃料の反応率が90%以上であり、かつガス流れ方向に沿って温度分布を有するとともに、該改質触媒部内のピーク温度と該改質触媒部のガス出口温度との差が100℃以内になるガス流れ方向のガス流れ方向の位置に相当する厚さに設定されることを特徴とする燃料改質装置の制御方法。
  5. 請求項4記載の制御方法において、前記検出されたピーク温度に基づいて、前記改質室に供給される酸素を含む空気の量を制御することを特徴とする燃料改質装置の制御方法。
  6. 請求項4または5記載の制御方法において、前記ピーク温度は、前記改質触媒部のガス流れ方向の厚さに対して該改質触媒層部のガス入口面から内方に1/4以内の位置で検出することを特徴とする燃料改質装置の制御方法。
  7. 請求項4乃至のいずれか1項に記載の制御方法において、前記改質用燃料は、メタノールであることを特徴とする燃料改質装置の制御方法。
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