JP3765777B2 - 溶接方法及び溶接端子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、母材と導体又は導体同士を溶接する方法に関し、特に、溶接端子を用いて導体の溶接端近傍の変形強度と振動強度を向上させるテルミット溶接方法及び当該溶接方法において使用することができる溶接端子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一例として鉄道用レールのボンド線の接続は一般にハンダ付けによる溶接、或いは、テルミット溶接などで行われているが、テルミット溶接は溶接部の接合強度が高く、高度な技能を必要とせずに所期の溶接性能を確保することができることから近年盛んに使用されるようになっている。
【0003】
本発明が主に用いられるテルミット溶接とは、母材の表面近傍でアルミニウムと酸化銅(又は酸化鉄)の混合粉に点火して、その化学反応によって生じた熱によって銅(又は鉄)と母材の一部を溶融させて溶着を行うものである。
【0004】
テルミット溶接の工程は、導体あるいは電線を溶接端子に固定し、溶接端子をテルミット溶接装置の所定の位置に配置し、これらを溶接箇所に位置付けた後に前記混合粉に点火して溶接を行うことからなる。前記電線の溶接端子への固定は、溶接端子に設けたスリーブを押圧変形させて内部に収容された導体を把持させることよって行なうのが一般的である。
【0005】
以下に、母材と電線との溶接を例に、従来のテルミット溶接における電線端末と溶接端子の固定手順及び溶接端子のルツボへの挿入方法を図1及び図2に従って説明する。
【0006】
図1は従来のテルミット溶接における電線端末を溶接端子に固定する工程を図示するものである。溶接端子は、第1と第2の端面に開口する貫通孔を形成した溶接端子本体4と、前記第1の端面から突出するとともに、前記貫通孔と連通する導入孔を有するスリーブ部3によって構成されており、溶接端子本体4及びスリーブ部3には電線1の導体部2を収容可能で、かつそれぞれの端面に開口した貫通孔が形成されている。
【0007】
電線1の被覆を導体部2が露出するように除去し、導体部2を溶接端子のスリーブ部3から溶接端子本体4の方向に挿入し、導体部2が溶接端子本体4の外端面から5〜8mm程度突出した位置でスリーブ部3を圧着工具で押圧変形させて導体部2を固定する。
【0008】
図2は前記の手順によって導体部2の端末を溶接端子のスリーブ部3に固定した電線をテルミット溶接装置5内に配置した様子を示す上面図である。図2に示すように、溶接端子本体4とスリーブ部3の境界面がテルミット溶接装置5の端面と同一平面内に位置するように、溶接端子本体4を前記溶接装置内に挿入してテルミット溶接を行う。したがって、溶接を行った後では、溶接端子本体4の大部分は溶接金属によって覆われて母材に溶接されているので外部からは見えないが、スリーブ部3は溶接部から外部に突出している。
【0009】
上述の手順で溶接前に予め電線1を溶接端子のスリーブ部3に固定してから溶接端子本体4と母材を溶接する理由は、予め電線1を固定しておくことにより溶接時に電線の位置ずれ等を防止するなど、主に作業性の面における要求によるものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、例えば鉄道用レール相互をワイヤ状の導体で連結して電気的接続を図るために、ワイヤ状の導体を母材であるレールにテルミット溶接した場合、車両が通過する際に前記スリーブ部は大きな機械荷重を受けることになる。これは、前記スリーブ部が、内部の導体を把持する固定部であると同時に導体から加わる外力を受ける部位に該当しており、更に、内部の導体を固定するため塑性変形を受けたために大きな残留応力が残っているためである。そして、電線が強固に固定されているために、振動による電線破断が生じ易い状態である(図3参照)。
【0011】
【課題を解決するための手段】
そこで、発明者らは上記課題に鑑みて前記電線支持部の位置に着目し、導体を圧着するスリーブ部3の位置を従来の溶接端子の電線受入れ部の付近であるテルミット溶接部の外部から、溶接端子の電線出口付近つまりテルミット溶接部の溶着部9の内部に変更することによって上述の課題を解決することができることを発見した。つまり、電線の固定部を溶着箇所の内部に配置し、結果的に溶接端子に対して電線を固定した際の残留応力が残存する部位と、溶接完了後に電線からの機械的外力が加わる部位とを分別した。それにより、従来、電線破断が生じていた部位(図3参照)が固定されないので、電線の耐久性の向上が図ることができ、振動による電線破断の問題を解決した。
【0012】
発明者らは多くの溶接試験と引張力試験、疲労試験に基づき、本発明に基づく溶接端子および/または溶接方法を使用することによって、従来と同等以上の溶接性能を維持したまま、電線の破断抜け及び端子抜けなどの異常が発生しないことを確認した。
【0013】
具体的には、本発明の1実施形態によれば、電線を溶接端子を用いて溶接を行う工程において、
電線と溶接端子とを結合する工程と、
少なくとも前記電線と溶接端子の結合部が、溶着部に覆い隠されるように溶着する工程とを含むことを特徴とする溶接方法を提案する。
【0014】
上述の方法では、導体と端子を結合した当該結合部が溶接金属内に収容されて結合部と溶着部が一体となる。結果的に、集中的に導体に加わる外力を受ける結合部が溶着部全体によって固定されるので、鉄道用レールで用いた場合に発生する変位による導線破断などの原因を緩和する働きを有する。
【0015】
本発明の他の実施形態によれば、上記の溶接方法はテルミット溶接である。
【0016】
導体と母体を溶接する溶融溶接法は、近年ではテルミット溶接法が主流であり仕上がり品質及び耐久性の面で高い信頼度を得ている。
【0017】
本発明の更に他の実施形態によれば、第1及び第2の端面に開口する貫通孔を形成した溶接端子本体と、
前記第1の端面から突出するとともに、前記貫通孔と連通する導入孔を有するスリーブ部を有するテルミット溶接用端子であって、
前記第2の端面の導入孔開口端近傍に開口端に向かって導入孔の直径が拡大している面取り部が形成されていることを特徴とする溶接端子が提案される。
【0018】
上述の実施形態によれば、溶接前後にかかわらず、第2の端面の貫通孔から、第1の端面のスリーブ部の貫通孔端部まで導体を挿入した際に第2の端面から露出している導体が溶接端子に対して変位した場合に、溶接端子本体が第2の端面の開口端位置で導体及び第2の端面の双方に発生する応力集中を緩和することができる。
【0019】
本発明の更に他の実施形態によれば、上述の溶接端子は、前記貫通孔が開口する溶接端子本体の両端面に、各1つのスリーブ部を有し、前記貫通孔と前記導入孔は直径が同一で同軸上に形成されている。
【0020】
上述の実施形態によれば、スリーブの一方の開口から他のスリーブの開口近傍まで導体を円滑に挿入することができる。
【0021】
本発明の更に他の実施形態によれば、前記溶接端子本体の両端面に形成された2つのスリーブ部は、長さが互いに異なる。
【0022】
上述の実施形態によれば、テルミット溶接の条件あるいは母材の形状等によって定まる溶接金属部の大きさ、あるいは、溶接金属から突出すべきスリーブの長さに応じて、長短いずれのスリーブを導体固定部とするか、あるいは、いずれのスリーブを突出させるかを適宜選択することができる。
【0023】
本発明の更に他の実施形態によれば、前記2つのスリーブ部のうち少なくとも1つは、外部からの押圧力によって塑性変形して、導入孔に収容された導体を把持可能である。
【0024】
上述の実施形態によれば、スリーブ部を外部から押圧して塑性変形させることによって導体を溶接端子に固定することができるので、迅速な固定動作が可能である。
【0025】
本発明の更に他の実施形態によれば、前記溶接端子本体は、平坦な側面を有する。
【0026】
上述の実施形態によれば、溶接端子本体と母材との接触面積を拡大することによって溶接強度を増大させることができる。
【0027】
本発明の更に他の実施形態によれば、前記各スリーブの少なくとも1つの導入孔の開口部近傍は、開口端に向かって導入孔の直径が拡大している面取り部が形成されている。
【0028】
上述の実施形態によれば、溶接の前後にかかわらず、導体が溶接端子に対して変位した場合に、スリーブの開口端位置で導体及びスリーブ双方に発生する応力集中を緩和することができる。
【0029】
本発明の更に他の実施形態によれば、前記溶接端子は、銅又は銅合金からなる。
【0030】
溶接端子の材料は、主としてテルミット溶接との親和性および塑性変形によって導体を把持させる際に必要になる塑性変形能力の観点から選択され、例えば、銅、銅合金、アルミニウム、アルミ合金、鋼材等を使用することができるが、中でも銅および銅合金が好適である。
【0031】
本発明の更に他の実施形態によれば、第1と第2の端面に開口する貫通孔を形成した溶接端子本体と、
前記第1の端面から突出するとともに、前記貫通孔と連通する導入孔を有するスリーブ部を有する溶接端子を準備する過程と、
導体を第2の端面の開口端から、前記スリーブ部の連通孔の開口端近傍まで挿入する過程と、
前記スリーブ部の開口端近傍を塑性変形させ、当該スリーブ部によって導体を把持させる工程と、
少なくとも前記スリーブと溶接端子本体の第1の端面近傍を収容するように溶着金属をテルミット溶接して導体及び溶接端子を母材に溶着する工程と、
を含むことを特徴とする溶接方法が提案される。
【0032】
当該溶接方法によれば、テルミット溶接によってスリーブ部は溶着金属内に収容されるので、振動時に導体から加えられる外力がスリーブ部に直接加えられることが無いので、スリーブ部に疲労破壊等を生じることはなく、従来方法に比較して溶接の耐久性が格段に向上する。
【0033】
本発明の他の実施形態によれば、当該溶接方法に用いられる溶接端子は、
第1及び第2の端面に開口する貫通孔を形成した溶接端子本体と、
前記第1の端面から突出するとともに、前記貫通孔と連通する導入孔を有するスリーブ部を有するテルミット溶接用端子であって、
前記第2の端面の導入孔開口端近傍に開口端に向かって導入孔の直径が拡大している面取り部が形成されている。
【0034】
上述の実施形態によれば、導体部が挿入されている端部開口端の内表面に面取り部が形成されているために、振動等の外力によって導体が端面開口部に対して変位が生じても前記開口端部位置に発生する応力集中が緩和され、結果的に耐久性が向上する。
【0035】
本発明の他の実施形態によれば、溶接端子本体の第2の端面近傍以外を全て収容するように溶着金属をテルミット溶接して導体及び溶接端子を母材に溶着する。
【0036】
当該方法によれば、導体が挿入された溶接端子の第2の端面近傍以外は全て溶着金属に収容されるので、極めて強固で耐久性の高い溶接を実現することができる。
【0037】
本発明の更に他の実施形態によれば、本発明による上述の溶接端子のいずれかを用いて、導体と母材をテルミット溶接する方法であって、
導体を溶接端子の第1のスリーブ部の連通孔から、第2のスリーブ部の連通孔の開口端近傍まで挿入する過程と、
前記第2のスリーブ部の開口端近傍を塑性変形させ、当該第2のスリーブ部によって導体を把持させる工程と、
少なくとも前記第1のスリーブの開口端近傍を収容しないように溶着金属をテルミット溶接して導体及び溶接端子を母材に溶着する工程と、
を含むことを特徴とする溶接方法が提案される。
【0038】
当該溶接方法によれば、内部の導体を把持するように塑性変形させた第2のスリーブ部はテルミット溶接によって溶着金属内に埋もれ、それとは異なる第1のスリーブが溶着金属から外部に突出しているので、塑性変形による残留応力が発生する部位と、導体を通じて振動時の外力を受ける部位とは異なることになる。したがって、溶接後の振動及び外力の作用に対して優れた耐力を有する溶接を実現することができる。
【0039】
本発明の更に他の実施形態によれば、特に、スリーブの開口端の内表面に面取り部が形成されたスリーブ部を収容しないように溶着金属をテルミット溶接して導体及び溶接端子を母材に溶着する。
【0040】
上記の溶接方法によれば、導体が挿入されているスリーブ部の端部の内表面には面取り部が形成されているために、振動等の外力によって導体がスリーブに対して変位を生じるときにもスリーブ部先端部位置に発生する応力集中が緩和され、結果的に耐久性が向上する。
【0041】
本発明の更に他の実施形態によれば、前記第2のスリーブ部の開口端近傍の塑性変形は、圧着手段により行う。
【0042】
導体の先端をスリーブ部に固定する手段は、圧着以外にも、溶接、特定の固定器具を使用する方法等があるが、ペンチ状の圧着器具を用いてスリーブ部を押しつぶす方法が最も簡便である。
【0043】
本発明の更に他の実施形態によれば、前記導体と少なくとも溶接端子の一部、例えば、前記第1スリーブ部の近傍が絶縁物質で覆われる。
【0044】
導体部とスリーブ部が絶縁物質によって覆われることにより外観上好ましく、さらに、外的な衝撃や雨などに起因する酸化及び電気的保護を達成することができる。
【0045】
本発明の更に他の実施形態によれば、前記絶縁物質は熱収縮する。
【0046】
上述の実施形態によれば、前記絶縁物質が熱収縮するチューブ形状の材料を選定すれば、溶接工程後に導線部及びスリーブ部を前記チューブで覆った後に熱処理を施せば、導線部とスリーブ部に簡単に密着固定することができる。
【0047】
本発明の上記以外の特徴と効果については、以下に記載する発明の実施形態の説明によって明らかにする。
【0048】
【実施形態】
以下に、母材と電線との溶接を例に本発明によるテルミット溶接の工程の実施形態1を図及び図を利用して説明する。
【0049】
図4は本発明によるテルミット溶接における電線と溶接端子を固定するための端末処理を行う過程を説明した上面図である。前記従来技術において記載された、第1と第2の端面に開口する貫通孔を形成した溶接端子本体と、前記第1の端面から突出するとともに、前記貫通孔と連通する導入孔を有するスリーブ部を有する溶接端子を用いて、電線1の被覆を除去して導体部2を露出させ、図4のように導体部2を第2の端面の開口端から、前記スリーブの連通孔の開口端近傍まで挿入する。導体先端部がスリーブの外端面からある程度突出するような位置でスリーブ部3を圧着工具で押圧変形させて導体部2を固定する。さらに好適には、導体1の導入孔近傍が面取りされていれば導体2の変位に対して応力集中に柔軟に対応できる(図4の7の位置を参照)。
尚、前記導体2は溶接端子貫通孔内部の内表面と自由間隔を有することによりある程度の自由状態を保つことができる。
【0050】
図5は前記手順によって導体部2の端末を溶接端子のスリーブ部3に固定した電線をテルミット溶接装置内に配置した様子を示す上面図である。図5に示すようにスリーブ部3及び少なくとも端子本体4の第1の端面近傍を収容するように前記溶接装置内に挿入してテルミット溶接を行う。したがって、溶接を行った後では、溶接本体4の大部分及びスリーブ部3は溶接金属に覆われて母材に溶接されているので外部からは見えない(図6参照)。
【0051】
当該溶接方法によれば、テルミット溶接によってスリーブ部は溶着金属内に収容されているので、作業性も従来に劣らず、かつ電線の固定箇所が溶接部の一箇所のみとなり、電線の変位が大きい導入孔側では電線は比較的自由な状態を保つ。
【0052】
さらに、第1実施形態を第2の端面がテルミット溶接装置の端面とほぼ同一平面内に位置するように溶接端子本体の第2の端面近傍まで全て収容するように溶着金属をテルミット溶接して導体及び溶接端子を母材に溶着すれば、導体が挿入された第2の端面近傍以外は全て溶着金属に収容されるので、極めて強固で耐久性の高い溶接方法を実現することができる。
【0053】
以下に、図7の本発明によるテルミット溶接端子の実施形態を説明する。
【0054】
図7は本発明の1つの実施形態によるテルミット溶接端子の斜視図である。前記溶接端子は、2つの端面に開口する貫通孔を形成した溶接端子本体4と、当該端面から突出するとともに、前記貫通孔と連通する導入孔を有する2つ以上のスリーブ部3及び3’から構成されている。
【0055】
上述の溶接端子は、さらに、前記貫通孔が開口する溶接端子本体4の両端面に、各1つのスリーブ部3及び3’を有し、前記貫通孔と前記導入孔は直径が同一で同軸上に形成されていてもよい。
【0056】
前記溶接端子本体4の両端面に形成された2つのスリーブ部3及び3’は長さは互いに異なっていてもよい。
【0057】
前記2つ以上のスリーブ部のうち少なくとも1つは、外部からの押圧力によって塑性変形して、導入孔に収容された導体を把持可能であってもよい。
【0058】
前記溶接端子本体は、平坦な側面を有していてもよい。
【0059】
前記各スリーブの少なくとも1つの導入孔の開口部近傍は、開口端に向かって導入孔の直径が拡大している面取り部が形成されていてもよい。これにより電線が強固に固定されずに電線変位に対して動きが自由になるため、より一層の電線破断の防止に役立つ。
【0060】
上記の溶接端子は、銅又は銅合金から構成されていてもよい。
【0061】
以下に、母材と電線との溶接を例に、本発明による上述のようなテルミット溶接用端子を用いたテルミット溶接の工程の実施形態2を利用して説明する。
【0062】
図7に示した、本発明による上述のようなテルミット溶接用端子のいずれかを用いて、電線1の被覆を導体部2が露出するよう除去し、導体部2を第1のスリーブ3の連通孔から、第2のスリーブ3’の連通孔の開口端近傍まで挿入する。適当な位置でスリーブ部3’を圧着工具で押圧変形させて導体部2を固定する。
【0063】
前記手順によって導体部2の端末を溶接端子のスリーブ部に固定した電線をテルミット溶接装置内に配置する。このとき、少なくとも前記第1のスリーブ3の開口端近傍は前記溶接装置内に収容しない状態で配置される。そして、溶着金属を第2のスリーブ3’と共にテルミット溶接して導体及び溶接端子を母材に溶着させる(図8を参照)。
【0064】
この溶接方法によれば、内部の導体を把持するように塑性変形させた第2のスリーブ部3’はテルミット溶接によって溶着金属内に埋もれ、もう一方の第1のスリーブは溶着金属から外部に突出しているので、当該突出部分に図8の被覆6を施すことで外観上も好ましい状態で電線の固定ができる。
【0065】
スリーブの開口端の内表面に面取り部を形成し、このスリーブを収容しないように溶着金属をテルミット溶接して導体及び母体を溶着してもよい。
【0066】
前記第2のスリーブ部の開口端近傍の塑性変形は圧着手段により行うものであってもよい。
【0067】
前記導体と前記第1スリーブ部の近傍は絶縁物質で覆われていてもよく、前記絶縁物質は熱収縮するものであってもよい。
【0068】
以上、本発明の好適な実施例について図面を参照して具体的に説明したが、図面および上記の説明は例示であり、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0069】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明による電線と母材及び電線同士のテルミット溶接において、端子圧縮部の振動強度が著しく向上し、圧着によって一時的に低下した圧着部の電線強度をこの箇所を溶接部と同時に溶接することによりほぼ電線の実体強度まで回復することが確認された。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来のテルミット溶接における電線と溶接端子の端末処理の上面図。
【図2】 従来のテルミット溶接における溶接装置に端子を挿入した上面図。
【図3】 従来のテルミット溶接における電線の変位に起因する電線破断の様態図。
【図4】 本発明によるテルミット溶接における溶接端子の端末処理の上面図。
【図5】 本発明によるテルミット溶接における溶接装置に端子を挿入した上面図。
【図6】 本発明によるテルミット溶接後の概観図。
【図7】 本発明によるテルミット溶接用溶接端子の斜視図。
【図8】 本発明によるテルミット溶接用溶接端子を用いたテルミット溶接後の概観図。
【符号の説明】
1・・・電線
2・・・導体部
3及び3’・・・第1及び第2スリーブ部
4・・・溶接端子本体
5・・・テルミット溶接装置
6・・・被覆
7・・・面取り部
9・・・溶着部

Claims (16)

  1. 電線と、電線と結合するためのスリーブ部を備えた溶接端子とを用いてテルミット溶接を行う工程において、
    電線をスリーブ部に挿通する工程と、
    スリーブ部を圧着して電線に結合する工程と、
    前記電線とスリーブ部との結合部が、溶着部に覆い隠されるように溶着する工程と、
    を含むことを特徴とする溶接方法。
  2. 2つの端面に開口する貫通孔を形成した溶接端子本体と、
    第1の端面から突出するとともに、前記貫通孔と連通する導入孔を有するスリーブ部を有する溶接端子であって、
    第2の端面の開口端近傍において開口端に向かって導入孔の直径が拡大している面取り部が形成され、
    スリーブ部がテルミット溶接によって溶着部内で溶着されることを特徴とする溶接端子。
  3. 2つの端面に開口する貫通孔を形成した溶接端子本体と、
    前記2つの端面から突出するとともに、前記貫通孔と連通する導入孔を有するスリーブ部を有する溶接端子であって、
    前記貫通孔と前記導入孔は直径が同一で同軸上に形成され、
    一方のスリーブ部がテルミット溶接によって溶着部内で溶着されることを特徴とする溶接端子。
  4. 前記溶接端子本体の両端面に形成された2つのスリーブ部は、長さが互いに異なることを特徴する請求項3に記載の溶接端子。
  5. 前記2つのスリーブ部のうち少なくとも1つは、外部からの押圧力によって塑性変形して、導入孔に収容された導体を把持可能である請求項3又は4に記載の溶接端子。
  6. 前記溶接端子本体は、平坦な側面を有することを特徴とする請求項2ないし5のいずれか1項に記載の溶接端子。
  7. 前記各スリーブの少なくとも1つの導入孔の開口部近傍は、開口端に向かって導入孔の直径が拡大している面取り部が形成されていることを特徴とする請求項3ないし6のいずれか1項に記載の溶接端子。
  8. 銅又は銅合金からなる前記請求項3ないし7のいずれか1項に記載の溶接端子。
  9. 第1と第2の端面に開口する貫通孔を形成した溶接端子本体と、前記第1の端面から突出するとともに、前記貫通孔と連通する導入孔を有するスリーブ部を有する溶接端子を準備する過程と、
    導体を第2の端面の開口端から、前記スリーブ部の連通孔の開口端近傍まで挿入する過程と、
    前記スリーブ部の開口端近傍を塑性変形させ、当該スリーブ部によって導体を把持させる工程と、
    少なくとも前記スリーブと溶接端子本体の第1の端面近傍を収容するように溶着金属をテルミット溶接して導体及び溶接端子を母材に溶着する工程と、
    を含むことを特徴とする溶接方法。
  10. 前記溶接端子を準備する過程は請求項2に記載の溶接端子を準備する過程である請求項9に記載の溶接方法。
  11. 溶接端子本体の第2の端面近傍以外を全て収容するように溶着金属をテルミット溶接して導体及び溶接端子を母材に溶着することを特徴とする請求項9又は10に記載の溶接方法。
  12. 前記請求項3ないし8のいずれか1項に記載された溶接端子を用いて、導体と母材をテルミット溶接する方法であって、
    導体を溶接端子の第1のスリーブ部の連通孔から、第2のスリーブ部の連通孔の開口端近傍まで挿入する過程と、
    前記第2のスリーブ部の開口端近傍を塑性変形させ、当該第2のスリーブ部によって導体を把持させる工程と、
    少なくとも前記第1のスリーブの開口端近傍を収容しないように溶着金属をテルミット溶接して導体及び溶接端子を母材に溶着する工程と、
    を含むことを特徴とする溶接方法。
  13. 前記請求項7に記載された溶接端子を用い、前記面取り部が形成されたスリーブ部を収容しないように溶着金属をテルミット溶接して導体及び溶接端子を母材に溶着する請求項12に記載の溶接方法。
  14. 前記スリーブ部の開口端近傍の塑性変形は、圧着手段により行う請求項9ないし13に記載の方法。
  15. 前記導体と少なくとも溶接端子の一部が絶縁物質で覆われる請求項9ないし14に記載の方法。
  16. 前記絶縁物質は熱収縮する請求項15に記載の方法。
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