JP3765264B2 - マスク - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、発熱体が組み込まれ、鼻や喉をより効果的に保護するマスクに関する。
【0002】
【従来の技術】
古来より風邪は我々の日常に深く関わっており、いつの時代においても医療機関にかかる比率の最も高いのが風邪による受診である。風邪は、大気中のウィルスが鼻腔や咽頭部といった上気道組織に侵入し、増殖することにより始まる。特に、冬場の乾燥した季節では、上気道組織の免疫力が低下していることに加えて、ウィルスが飛散しやすくなっているため、非常に風邪をひきやすくなる。
【0003】
そこで、従来より風邪の予防対策としては、ウィルスの吸入を防止し、また喉を保温するためにマスクが使用されている。マスクとしては、単にガーゼ等を折り畳んだものに耳掛け用ゴムをつけ、口や鼻を覆うように使用するタイプのものが一般に普及しているが、このようなマスクに対し、より積極的に鼻や喉の組織を保護するマスクとして、特開平9−99084号公報には、水又は香料や薬剤等の水溶液を含浸させた含液体をマスク内に装填させたものが開示されている。また、実公平5−36442号公報には、十分に水を吸収させた保水剤を混入させた綿状の合成繊維からなる加湿体を収納したマスクが開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の単にガーゼ等を折り畳んだマスクは体温や吐息から供給された熱を保温する作用は果たすが、マスク自体に加熱機構がないので、積極的に鼻や喉に温熱蒸気を供給することができず、上気道組織にまで潤いを与えることができない。
【0005】
また、従来の、水や薬剤等を含浸させた含液体あるいは加湿体を組み込んだマスクは、水蒸気や薬剤蒸気の供給源をマスク内に備えてはいるものの、それらの蒸気の発生を促進させる機構を備えていないため、水蒸気や薬剤蒸気の発生は呼吸による吸入作用によって促されるにすぎず、風邪の予防に有効な湿気や薬剤を上気道組織に供給することが困難である。
【0006】
そこで、本発明は、鼻や喉に積極的に温熱蒸気さらには薬剤蒸気を供給し、上気道組織に潤いを与えられるマスクを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、水蒸気を放出する発熱体及び薬剤の担持体が組み込まれ、該発熱体と別個に水蒸気を放出する水分保持体が組み込まれていないマスクであって、マスクを装着したときに発熱体と顔面との間に温度緩衝材又は空隙を有し、透湿性を有するシート材料に発熱体組成物を収容してなる該発熱体の適用面の単位面積当たりの水蒸気放出量が0.5mg/cm 2 ・min以上である、上気道組織へ水蒸気及び薬剤蒸気を供給するためのマスクを提供する。
【0008】
本発明のマスクによれば、発熱体が組み込まれているので、マスク内の空気を暖め、空気中の水分あるいは吐息によりマスク内に蓄積された水分を暖かい水蒸気として鼻や喉に供給し、上気道組織を潤すことができる。したがって、風邪の予防や症状の緩和を図り、さらには鼾の発生を抑えることができる。
【0009】
特に、本発明のマスクにおいて、発熱体と別個に、水蒸気を放出する水分保持体が設けられている態様によれば、水分保持体が発熱体によって加熱され、十分な量の水蒸気を発生させる。したがって、発熱体自体の水蒸気発生能の有無に関わらず、確実に上気道組織へ十分な量の水蒸気を供給し、乾燥した上気道組織に潤いを与えることが可能となり、風邪の予防効果と症状の緩和効果等を高めることができる。
【0010】
また、本発明のマスクにおいて、発熱体自体が水蒸気を放出する態様のもの、中でも、発熱体が金属粉、塩類及び水を含有し、金属粉の酸化反応に伴って水蒸気を放出する態様のものは、発熱体と別個に水分保持体を設けることなく、上気道組織へ水蒸気を供給することができるので、簡易な構成で風邪の予防効果と症状の緩和効果等を高めることができる。
【0011】
さらに、本発明のマスクにおいて、薬剤の担持体を備えた態様によれば、その担持体からの薬剤蒸気の放出が発熱体によって促進されるので、水蒸気と共に薬剤蒸気も効果的に上気道組織へ供給される。したがって、より効果的に風邪を予防し、症状を緩和することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のマスクについて詳細に説明する。
【0013】
本発明のマスクは、発熱体が組み込まれていることを特徴としている。ここで、マスクとは、鼻及び口の双方もしくはいずれか一方を覆うものを指し、顔に固定するバンド等の有無を問わない。
【0014】
発熱体としては、電熱器、小型湯たんぽ、炭や石炭等を使うあんか類、桐灰やベンジン等を使うカイロ類、化学発熱する組成物等をあげることができるが、携帯性や簡便性、経済性の点から、化学発熱するものが好ましい。
【0015】
ここで、化学発熱とは、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、酸化カルシウム、ゼオライト等の水和熱、金属粉の酸化熱、塩酸等の酸と水酸化ナトリウム等のアルカリとの中和熱といった化学反応に由来する発熱をいう。中でも発熱反応の持続性の点から、金属粉の酸化熱を利用することが好ましい。
【0016】
金属粉の酸化熱を利用した発熱体は、一般に化学カイロと称されているものであり、より具体的には、例えば、活性炭や吸水ポリマー等の粉体に多量に水を担持せしめ、これに鉄粉等の金属粉と、食塩等の発熱促進剤を加えた発熱体組成物から構成される。従来の化学カイロにおいては、かかる発熱体組成物を、通気性は高いが透湿性は低い素材からなる袋に収容し、反応に必要な水が発熱体から逃げないようにしている。
【0017】
本発明においては、従来の化学カイロと同様に、通気性は高いが透湿性は低い素材からなる袋に発熱体組成物を収容した発熱体を用いてもよいが、発熱体組成物を透湿性の袋等に収容すると、発熱体組成物を単に発熱体として利用するだけでなく、水蒸気発生体として利用できるので、より好ましい。より具体的には、発熱体組成物を、JIS Z 0208法(40℃,90%,CaCl 2 法)で4000g/m2・24h以上、より好ましくは8000g/m2・24h以上の透湿性を有するシート材料で収容し、発熱時には反応系内に存在する水の一部が水蒸気となって積極的に系外に放出されるようにすることが好ましい。これにより水蒸気の放出量を、当該発熱体組成物の成分、発熱体組成物を収容する袋の素材等にもよるが、1分間に10〜3000mg程度とすることができる。好ましくは、水蒸気発生体の適用面の単位面積当たりの水蒸気放出量を0.5mg/cm2・min以上とする。このような発熱体組成物を透湿性の袋等に収容したものをマスクに組み込むと、鼻や喉に吸引される空気を暖めると共に、この空気に十分な水蒸気を供給することができるので好ましい。
【0018】
なお、このような発熱体組成物を本発明のマスクに備えた場合、そのマスクの実際の使用態様としては、公知の化学カイロと同様に、マスクを非通気性の外袋に密封することにより保存し、マスクの使用時に外袋からマスクを取り出し、発熱反応が開始するようにすればよい。
【0019】
一方、本発明において、発熱体を組み込むマスクの本体形状や素材については、発熱体を装着でき、鼻及び口の双方又はいずれかを覆うことができるかぎり、特に制限はない。
【0020】
例えば、マスク本体の形状を、発熱体を着脱自在に装着できる矩形の柔軟な袋状とし、その対向する両辺に、マスク本体を耳に掛けるためのゴムひも等をとりつけたものとすることができる。この場合、マスク本体の素材としては、鼻や口に十分に温熱を供給できる限り特に制限は無いが、温熱の他に水分も供給できるものが好ましい。例えば、マスク本体がその内部に化学カイロを組み込むタイプのものである場合、マスク本体の素材としては、少なくとも鼻又は口と化学カイロとの間に位置する素材が十分な水蒸気通過量を有するものとする。より具体的には、例えば、ナイロン、ビニロン、ポリエステル、レーヨン、アセテート、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等の人工繊維、パルプ、木綿、麻、絹、獣毛等の天然繊維から選ばれた1種又は2種以上を混合した織布、不織布、紙、合成紙及びポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリウレタン、ポリスチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物、エチレン−酢酸ビニル共重合体、天然ゴム、再生ゴム、合成ゴム等の非通気性樹脂フィルムあるいはシートに穿孔を設けたもの等が挙げられる。
【0021】
マスク本体の素材としては、上述の織布、不織布等からなる柔軟な素材の他に、それらに比べて保形性のよいプラスチック成型品等を使用することができる。
【0022】
また、マスク本体の形状としては、発熱体を着脱自在に装着できるようにするため、発熱体を挿入する袋部もしくはスペースを設けるようにしてもよい。これによりマスク本体を繰り返し使用できるので、ゴミ問題の面からも好ましい。
【0023】
本発明のマスクには、マスクを装着したときに顔面に到達する水蒸気が安全な温度、好ましくは50℃以下となるよう、必要に応じて発熱体と顔面との間に温度緩衝材又は空隙を適宜設けることが好ましい。例えば、前述の化学カイロから放出される水蒸気の温度は、化学カイロへの通気量を制御せず、大気中に開放又はそれに近い状態にすると60℃以上となるので、火傷防止のために化学カイロと顔面との間に温度緩衝材又は空隙を設けることが好ましい。
【0024】
温度緩衝材の構成素材としては、(1)種々の織布、不織布、(2)紙、合成紙等の紙類、(3)プラスチック、天然ゴム、再生ゴム又は合成ゴムから形成した多孔性フィルム又は多孔性シート、(4)穿孔を有するウレタンフォーム等の発泡プラスチック、(5)穿孔を有するアルミニウム等の金属箔の一種又は複数種を適宜組み合わせて使用することができる。なお、これらの温度緩衝材を用いて温度制御する場合、温度緩衝材は水蒸気の通過抵抗にもなることから、温度緩衝材の材料や厚みの選択等は、所定量の水蒸気が顔面に到達するように適宜選択する。
【0025】
また、顔面に到達する水蒸気温度を制御するための空隙としては、発熱体と顔面との距離を1〜10cmとすることが好ましい。1cm未満の場合には、火傷が引き起こされるおそれがあり、10cmを超えると顔面に到達する水蒸気の温度が不足する。このような空隙は、マスク本体を、ガーゼ等の布素材に比して保形性のよいプラスチック成型体等で構成することにより形成することができる。
【0026】
本発明のマスクには、発熱体と別個に水蒸気を放出する水分保持体を設けてもよい。水分保持体としては、不織布、織布、多孔質ポリマー等に水を含浸させたもの、吸水性ポリマーに水を吸水させたもの等を使用することができる。
【0027】
マスクに組み込まれている当該発熱体が、非透湿性袋等に収容された化学カイロの発熱体組成物や、電熱器等のように、水蒸気を放出しないタイプである場合には、発熱体と共に水分保持体を設けることにより、鼻や咽に吸引される空気に十分な水蒸気を供給することが可能となり、マスクの風邪の防止効果をより高めることができるので好ましい。また、マスクに組み込まれている発熱体が、透湿性袋等に収容された化学カイロの発熱体組成物のように、それ自体が水蒸気発生能を有している場合でも、水分保持体を設けることにより鼻や咽に吸引される空気中の水蒸気量をより増加させることができるので好ましい。
【0028】
本発明のマスクには、さらに、薬剤の担持体を設けてもよい。薬剤の種類には特に制限はないが、吸引されることにより、鼻や咽といった呼吸器官の炎症を鎮静化するものや、所謂アロマテラピー効果として、精神をリラックスあるいは高揚状態にするものが好ましい。また、加熱によりあるいは水蒸気の供給により持続的に放出されるものが好ましい。このような薬剤としては、例えば、カンフル、メントール、ペパーミント油、ユーカリ油、ニクズク油、テレピン油、ローズマリー油、ラベンダー油、杉胚油、ヒノキチオール等が挙げられる。これらの薬剤は、紙、不織布等の担体に染み込ませて袋状のマスクの内に収容したり、あるいはマスクの外面に貼着するなどの公知の方法でマスクに組み込むことができる。
【0029】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ具体的に説明する。ここで、各図中、同一符号は同一又は同等の構成要素を表している。なお、実施例2、6及び7は、発熱体と別個に水蒸気を放出する水分保持体を備えた参考例である。
【0030】
実施例1
図1に示すような袋部1と耳掛け用ゴム2からなるマスク本体3(長辺13cm、短辺8cm)を作製した。この場合、袋部1は、木綿から形成した。
【0031】
一方、表1に示す組成の発熱体組成物11を調製し、この発熱体組成物11の20gを、ポリプロピレン繊維の不織布からなる透湿性の発熱体内袋12に入れて発熱体10Aとし、これを図1に示すようにマスク本体3の袋部1内に収容した。
【0032】
また、温度緩衝材4として、ポリプロピレン繊維の不織布(厚さ15mm)を用意し、これも図1に示すようにマスク本体3の袋部1内に収容し、実施例のマスクとした。
【0033】
【表1】
【0034】
実施例2
非透水性であるポリエチレンからなるシートを用いて、図2に示すように、内部が2つの収納部13a、13bに区分され、かつこれら収納部13a、13bに内容物を入れて押圧することにより、これら2つの収納部13a、13bがそれらの境界域13cで容易に連通するように発熱体内袋13を作製した。そして、このうちの一方の収納部13aに塩化カルシウム14を7g入れ、もう一方の収納部13bに水15を30g入れて発熱体10Bとした。この発熱体10Bを実施例1と同様のマスク本体3の袋部1内に収容した。
【0035】
また、高密度不織布に水を含浸させ、これを透湿性かつ非透水性のポリプロピレン繊維からなる不織布製の内袋に収容することにより水分保持体5を作製し、これもマスク本体3の袋部1内に収容し、実施例のマスクとした。
【0036】
実施例3
図3に示すように、実施例1と同様の発熱体組成物11を、酸素は通すが水蒸気は通さない通気性かつ非透湿性の発熱体内袋16に収容し、水蒸気発生能を持たない発熱体10Cを作製した。この発熱体10Cを実施例1の発熱体10Aに代えて使用する以外は実施例1と同様にして本実施例のマスクを作製した。
【0037】
実施例4
メントール、ユーカリ油及びテレピン油を濾紙に担持させた薬剤の担持体6を作製し、これを図4に示すように、実施例1のマスクに対して、そのマスク本体3の袋部1内に装着し、本実施例のマスクを作製した。
【0038】
実施例5
実施例4の薬剤の担持体6を実施例3のマスクに装着する以外は実施例4と同様にして本実施例のマスクを作製した。
【0039】
実施例6
図5に示すように、実施例2の発熱体10Bに代えて、ベンジンを白金触媒で燃焼させるタイプの市販のカイロ7(株式会社ハクキン製、ハクキンカイロ)を使用し、本実施例のマスクを作製した。
【0040】
実施例7
実施例4の薬剤の担持体6を実施例6のマスクに装着する以外は実施例6と同様にして本実施例のマスクを作製した。
【0041】
実施例8
図6に示すように、半球状の断面を有するポリプロピレン製のマスク成型品17と、その両端に取り付けられた耳掛け用ゴム2からなるマスク本体を作製した。このマスク成型品17の内面に、実施例1の発熱体10Aを固定し、さらにその上に実施例4の薬剤の担持体6を固定することにより、本実施例のマスクを作製した。このマスクは、装着時に顔面と発熱体との間に約3cmの距離があった。
【0042】
実施例9
図7に示すように、発熱体10Aを着脱自在に収容できるポケット1pを袋部1に設け、そのポケット1pに発熱体10Aを挿入する以外は実施例1と同様にして本実施例のマスクを作製した。
【0043】
本実施例において、発熱体10Aは、使用後にポケット1pから取り出して廃棄し、マスク本体3は、新たに発熱体をポケット1pに挿入して再使用することができる。
【0044】
実施例10
図8に示すように、半球状の断面を有するポリプロピレン製のマスク成型品17からなるマスク本体を作製した。このマスク成型品17の内面には、実施例1の発熱体10Aを着脱自在に挿入できるポケットとして蓋17q付きの空間部17pが形成されており、その空間部17p内に発熱体10Aを挿入して、本実施例のマスクを作製した。
【0045】
このマスクは使用時にマスク本体を手で持って口や鼻に適用する。発熱体10Aは、使用後に空間部17pから取り出して廃棄し、マスク本体は、新たに発熱体を空間部17pに挿入して再使用することができる。
【0046】
比較例1
実施例1において、発熱体10Aを使用しない以外は実施例1と同様のマスクを作製した。
【0047】
比較例2
実施例2において、発熱体10Bを使用しない以外は実施例2と同様のマスクを作製した。
【0048】
評価
各実施例及び比較例で作製したマスクを、風邪の症状のでているモニター(A〜J)10名にそれぞれ30分間使用してもらい、(i)喉の痛み、(ii)鼻水、(iii)鼻づまりの改善効果の評価を以下の基準で行った。
【0049】
(評価基準)
(i)喉の痛み
◎:喉の痛みがなくなった
○:喉の痛みがかなり改善された
△:喉の痛みがやや改善された
×:喉の痛みが改善されなかった
(ii)鼻水
◎:鼻水がでなくなった
○:鼻水のでるのがかなり改善された
△:鼻水のでるのがやや改善された
×:鼻水のでるのが改善されなかった
(iii)鼻づまり
◎:鼻づまりがなくなった
○:鼻づまりがかなり改善された
△:鼻づまりがやや改善された
×:鼻づまりが改善されなかった
【0050】
結果を表2及び表3に示す。本発明の実施例は、発熱体を使用しない比較例のマスクに比していずれも風邪の症状の改善効果が高く、特に、マスクから積極的に水蒸気が放出される実施例1、2、4、6、7、8は、それ自体に水蒸気発生能のない実施例3、5に比して風邪の症状の改善効果が高く、さらに薬剤の担持体を使用した実施例4、7、8はより優れた改善効果を示した。
【0051】
【表2】
【0052】
【表3】
【0053】
【発明の効果】
本発明によれば、発熱体によりマスク内の空気を暖め、空気中の水分あるいは吐息によりマスク内に蓄積された水分を暖かい水蒸気として、鼻や喉に供給することができるので、風邪の予防や症状の緩和を図ることができる。また、本発明において、発熱体としてそれ自体に水蒸気発生能があるものを用いた場合、あるいは発熱体とは別個に水分保持体を設けた場合には、より多くの水蒸気を鼻や喉の上気道組織に供給し、乾燥した上気道組織を潤すことができるので、風邪の予防効果あるいは症状の緩和効果等を向上させることができる。さらに、薬剤の担持体を設けることにより、より一層風邪の予防効果あるいは症状の緩和効果等を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例のマスクの斜視図(同図(a))及びx−x断面図(同図(b))である。
【図2】 参考例のマスクの斜視図(同図(a))及びx−x断面図(同図(b))である。
【図3】 本発明の実施例のマスクの斜視図(同図(a))及びx−x断面図(同図(b))である。
【図4】 本発明の実施例のマスクの斜視図(同図(a))及びx−x断面図(同図(b))である。
【図5】 参考例のマスクの斜視図(同図(a))及びx−x断面図(同図(b))である。
【図6】 本発明の実施例のマスクの上面図である。
【図7】 本発明の実施例のマスクの上面図である。
【図8】 本発明の実施例のマスクの上面図である。
【符号の説明】
1 袋部
1p ポケット
2 耳掛け用ゴム
3 マスク本体
4 温度緩衝材
5 水分保持体
6 薬剤の担持体
7 カイロ
10A、10B、10C 発熱体
11 発熱体組成物
12 透湿性の発熱体内袋
13 発熱体内袋
13a、13b 収納部
13c 2つの収納部の境界域
14 塩化カルシウム
15 水
16 発熱体内袋
17 マスク成型品
17p 空間部
Claims (6)
- 水蒸気を放出する発熱体及び薬剤の担持体が組み込まれ、該発熱体と別個に水蒸気を放出する水分保持体が組み込まれていないマスクであって、マスクを装着したときに発熱体と顔面との間に温度緩衝材又は空隙を有し、透湿性を有するシート材料に発熱体組成物を収容してなる該発熱体の適用面の単位面積当たりの水蒸気放出量が0.5mg/cm 2 ・min以上である、上気道組織へ水蒸気及び薬剤蒸気を供給するためのマスク。
- 発熱体が化学発熱により発熱する請求項1記載のマスク。
- 発熱体が金属粉、塩類及び水を含有し、金属粉の酸化反応に伴って水蒸気を放出する請求項2記載のマスク。
- 発熱体が着脱可能である請求項1〜3のいずれかに記載のマスク。
- 該温度緩衝材が、(1)織布又は不織布、(2)紙類、(3)プラスチック、天然ゴム、再生ゴム又は合成ゴムから形成した多孔性フィルム又は多孔性シート、(4)穿孔を有する発泡プラスチック及び(5)穿孔を有する金属箔の少なくとも一種である請求項1〜4のいずれかに記載のマスク。
- 発熱体と顔面との間の空隙が、1〜10cmの距離である請求項1〜5のいずれかに記載のマスク。
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