JP3764393B2 - ペット用使い捨ておむつ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、犬、猫等のペットに使用するペット用使い捨ておむつに関し、ペットから排泄された糞をおむつ本体の外側の糞ポケットで受けるようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】
犬、猫等のペットに使用するペット用使い捨ておむつは、従来、特許2983929号公報に記載されるように、おむつ本体の腹当て部から背当て部に跨がって設けられた不織布製の内側シートとプラスチック製の外側シートとの間にパルプ、高分子吸収剤等からなる尿吸収体が介在され、腹当て部と背当て部との間に尻尾穴が設けられている。
【0003】
そして、この使い捨ておむつの使用に際しては、おむつ本体の腹当て部をペットの腹側に、背当て部をペットの背中側に夫々あてがい、その腹当て部と背当て部とをファスナーテープで止めてペットに装着する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の使い捨ておむつは、ペットから排泄された尿を尿吸収体で吸収し、糞をおむつ本体の内側で受けるようになっている。このためペットが糞をした場合には直ぐに新しいものと交換する等、適切な措置を講じる必要があり、糞の排泄後にそのまま放置しておけば、糞がペットの肛門部の周辺部分に付着して、その後の措置が煩わしくなる欠点がある。
【0005】
本発明は、このような従来の問題点に鑑み、ペットに対する糞の付着を防止できるペット用使い捨ておむつを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、おむつ本体1の長手方向の腹当て部2と背当て部3との間に尻当て部6を備えたペット用使い捨ておむつにおいて、前記尻当て部6に、ペットAの尻尾Bを通す第1尻尾穴7と、ペットAの肛門部の後側を開放する糞排泄穴8とを前記長手方向の長穴状に設け、前記おむつ本体1の外側で前記第1尻尾穴7、前記糞排泄穴8の外周側に、上部側が前記第1尻尾穴7及び前記糞排泄穴8に対応し且つ前記糞排泄穴8よりも下側にペットAから排泄された糞を受ける糞溜まり部24ができるように糞ポケット9を貼着し、前記糞ポケット9の外側の上部に、ペットAの尻尾Bを通す第2尻尾穴28を前記第1尻尾穴7に対応して設け、前記糞ポケット9における前記第2尻尾孔28よりも上側に、必要に応じて開封することにより糞ポケット9内の糞を外に排出するための開封部31を有するものである。また前記糞ポケット9はガゼット部25を有する袋状であり、該糞ポケット9は、その内側の上部に形成され且つ前記第1尻尾穴7及び前記糞排泄穴8を取り囲む開口部26の外周側で前記おむつ本体1に貼着する。
【0007】
前記糞ポケット9は、前記おむつ本体1の外側シート11と、該外側シート11の外側面に貼着されたシート材30とにより構成する。前記糞ポケット9は上部に糞排出用の開封部31を有する。
【0008】
前記おむつ本体1は、該おむつ本体1の内外両側に前記腹当て部2と前記背当て部3との略全長に跨がって設けられた不織布製の内側シート10及び外側シート11と、前記腹当て部2側で前記内側シート10と前記外側シート11との間に介在された尿吸収体4と、該尿吸収体4と前記外側シート11との間に介在された尿漏れ防止フィルム5とを備えている。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の各実施形態を図面に基づいて詳述する。図1〜図5は本発明のペット用使い捨ておむつの第1の実施形態を例示する。このペット用使い捨ておむつは、図5に示すようにペットAのウエスト部から後側に装着して使用するものであり、図1〜図4に示すように、おむつ本体1の長手方向に、ペットAの腹側に当てる腹当て部2と、ペットAの背中側に当てる背当て部3とを備え、その腹当て部2側に尿吸収体4と尿漏れ防止フィルム5とが介在され、少なくとも背当て部3側が通気性を有する構造になっている。
【0010】
またおむつ本体1には、その腹当て部2と背当て部3との中間の尻当て部6にペットAの尻尾Bを通す第1尻尾穴7と、ペットAの肛門部の後側を開放する糞排泄穴8とを備え、これらに対応しておむつ本体1の外側に糞ポケット9を備えている。
【0011】
おむつ本体1は内外両側にその腹当て部2と背当て部3との略全長に跨がる不織布製の内側シート10と外側シート11とを備え、長手方向の両端側が中間部分よりも幅方向の両側に突出する広幅状の広幅部分12,13となっている。そして、腹当て部2側の広幅部分12に、その端縁に沿って幅方向に一方のウエストバンド14が設けられると共に、このウエストバンド14よりも長手方向の内側で幅方向の両端部にファスナーテープ15が設けられている。また背当て部3側の広幅部分13に、その端縁に沿って幅方向に他方のウエストバンド16とファスナーシート17とが設けられている。なお、ファスナーシート17は他方のウエストバンド16よりも長手方向の内側に配置されている。
【0012】
おむつ本体1の両広幅部分12,13間には、幅方向の両側にその端縁に沿って長手方向のフィットギャザー19が設けられ、このフィットギャザー19よりも幅方向の内側に長手方向のサイドギャザー21が設けられている。
【0013】
内側シート10及び外側シート11には、尿等を通す通水性と空気を内外に通す通気性とを有する材料、例えばプラスチック繊維、その他の繊維により構成された不織布製の不織布シートが使用されており、後述の尿吸収体4等の介在部分を除く略全面でホットメルト、その他により両者が内外に重合状に接着又は溶着されている。
【0014】
内側シート10は、センターシート22とその幅方向の両側のサイドシート23とにより構成されている。センターシート22は少なくとも尿吸収体4を覆う幅を有し、おむつ本体1の幅方向の中央部分にその長手方向の略全長にわたって設けられ、外側シート11に対応する部分がその外側シート11に接着又は溶着されている。
【0015】
各サイドシート23はおむつ本体1の幅方向の両側部に配置され、センターシート22よりも外側で外側シート11に接着又は溶着されると共に、センターシート22の幅方向の両端部の内面側に接着又は溶着され、このセンターシート22との接着又は溶着部分よりも幅方向の内側が尿等の横漏れを防止するサイドギャザー21となっている。
【0016】
フィットギャザー19はペットAの後脚Dの付け根部におむつ本体1をフィットさせるためのもので、外側シート11とサイドシート23との間に長手方向に沿って介在されたゴム紐等の弾性紐19aを有し、尿吸収体4の両側から糞排泄穴8の両側に跨がる範囲に設けられている。サイドギャザー21は、その内端縁に長手方向に沿って配置されたゴム紐等の弾性紐21aを有し、尿吸収体4の両側から第1尻尾穴7の両側又はその近傍に跨がる範囲に設けられている。
【0017】
なお、この実施形態ではサイドギャザー21は第1尻尾穴7の両側まで、又はそれ以上に背当て部3側に延びており、糞排泄穴8の両側又はその近傍までのフィットギャザー19よりも背当て部3側に長くなっている。しかし、サイドギャザー21の弾性紐21aは、尿吸収体4の端部からファスナーシート17側に若干延びた部分までになっている。
【0018】
尿吸収体4はペットAが排泄した尿を吸収するためのもので、パルプ、高分子吸収剤等からなり、おむつ本体1の腹当て部2側の幅方向の中央部分に、そのウエストバンド14の近傍から糞排泄穴8の近傍にわたって偏平状に介在されている。なお、尿吸収体4はペットAが排泄した尿を吸収できるものであれば、パルプ、高分子吸収剤等以外のものを使用しても良い。
【0019】
尿漏れ防止フィルム5は尿吸収体4に吸収された尿の外側への漏れを防止するためのもので、尿吸収体4と外側シート11との間に介在されている。この尿漏れ防止フィルム5は防水性を有するプラスチック製のフィルム等により構成され、尿吸収体4の全体を外側から完全に覆うように、尿吸収体4に対応してそれよりも若干広い範囲に設けられている。
【0020】
そして、この尿漏れ防止フィルム5は、その外側面の略全面、一部又は少なくとも外周縁部が外側シート11にホットメルト、その他により接着又は溶着され、また尿吸収体4が動かないように内側面の外周縁部がセンターシート22及び/又はサイドシート23にホットメルト、その他により接着又は溶着されている。なお、尿漏れ防止フィルム5には、防水処理を施した薄手の紙等を使用しても良い。
【0021】
第1尻尾穴7と糞排泄穴8は腹当て部2と背当て部3との中間の尻当て部6の幅方向の略中央に、その第1尻尾穴7が背当て部3側となり糞排泄穴8が腹当て部2となるように、おむつ本体1の長手方向に連続する長穴状に設けられている。そして、糞排泄穴8は大径丸穴状に形成され、また第1尻尾穴7はこの糞排泄穴8に連続し且つ糞排泄穴8よりも小さい小径穴状に形成され、両者が全体として略ダルマ穴状になっている。
【0022】
糞排泄穴8はペットAの肛門部に対応させたときに、排泄された糞がおむつ本体1に付着しないように、肛門部の後側を十分に開放し得る程度の大きさである。また第1尻尾穴7と糞排泄穴8は、ペットAに対しておむつ本体1を装着した場合に、ペットAの尻尾Bが第1尻尾穴7を通り、且つ糞排泄穴8がペットAの肛門部に対応してその後側を開放する程度の長さになっている。
【0023】
糞ポケット9はペットAから排泄された糞を受けるためのものであり、この糞ポケット9は、少なくとも装着状態において糞排泄穴8よりも下側となる糞溜まり部24側の周縁に適宜ガゼット部25を有する袋状であって、防水性を有するプラスチック製のフィルム等の適宜シート材により、おむつ本体1の長手方向に沿って縦長状に構成されている。
【0024】
そして、この糞ポケット9は、上部の内側におむつ本体1の糞排泄穴8及び第1尻尾穴7を取り囲む大きさの開口部26と、この開口部26の外周側に形成された貼着部27とを有し、装着状態において下部側の糞溜まり部24が糞排泄穴8よりも下側に垂れ下がるように、開口部26を糞排泄穴8及び第1尻尾穴7に対応させて上部側の貼着部27がおむつ本体1の尻当て部6の外側で外側シート11に、ホットメルト、その他の接着又は溶着により貼着されている。
【0025】
従って、ペットAから排泄された糞は、おむつ本体1の糞排泄穴8を経て開口部26から糞ポケット9内に入り、その糞排泄穴8よりも下側の糞溜まり部24に溜まるようになっている。
【0026】
糞ポケット9には、その外側の上部におむつ本体1の第1尻尾穴7に対応する第2尻尾穴28が設けられている。なお、第1尻尾穴7、糞排泄穴8、糞ポケット9は、おむつ本体1の幅方向の略中央に配置されている。
【0027】
ウエストバンド14,16はプラスチック製等の弾性帯からなり、内側シート10と外側シート11との間に介在してホットメルト、その他により接着又は溶着されている。ファスナーシート17はホットメルト、その他によりおむつ本体1の外側面に接着又は溶着されている。ファスナーテープ15は、ファスナーシート17の端部に貼付して止めるためのもので、おむつ本体1の幅方向の両端に設けられ、通常はおむつ本体1の内側に折り込まれている。
【0028】
このペット用使い捨ておむつを使用する場合には、犬等のペットAに対して図5に示すように装着する。装着に際しては、犬等のペットAの股間を経て腹当て部2が腹側となり、背当て部3が背中側となるようにおむつ本体1をあてがい、幅方向の両側のファスナーテープ15をファスナーシート17に貼着する。
【0029】
装着状態では、ウエストバンド14,16により腹当て部2及び背当て部3が適度な締まりでペットAのウエスト部分に巻き付き、またフィットギャザー19が適度な締まりで後脚Dの付け根部に巻き付いて、おむつ本体1でペットAのウエスト部から後側を包み込む。
【0030】
この場合、おむつ本体1の糞排泄穴8をペットAの肛門部に対応させておれば、糞ポケット9はおむつ本体1の外側で垂れ下がった状態になる。しかし、糞ポケット9には、おむつ本体1の第1尻尾穴7に対応して第2尻尾穴28があるので、その両尻尾穴7,28に尻尾Bを通せば良く、糞ポケット9が尻尾Bの邪魔になることはない。
【0031】
ペットAが糞を排泄した場合には、その糞は糞排泄穴8から開口部26を経て糞ポケット9に入り、その下側の糞溜まり部24に溜まる。従って、従来のおむつ本体1の内側で糞を受ける場合のようにペットAの肛門部の周辺に糞が付着することはない。また糞ポケット9の糞溜まり部24に糞が溜まっているので、使用後には糞の入った糞ポケット9をおむつ本体1に丸め込んでファスナーテープ15で止めて廃棄する等、使用後の処理も容易にできる。
【0032】
夏等の暑い季節に使い捨ておむつを装着する場合、おむつ本体1の内部の温度、湿度等が上昇して蒸れが発生する惧れがある。しかし、この使い捨ておむつでは、内側シート10の他に外側シート11に不織布シートが使用されており、おむつ本体1の少なくとも背当て部3、即ち尿吸収体4の外側の尿漏れ防止フィルム5に対応する部分以外の部分を、通気性を有する不織布により構成しているので、尿漏れ防止フィルム5に対応する部分以外では常に所定の通気性を確保できる。従って、おむつ本体1、取り分けその背当て部3側に所定の通気性があるため、夏等の暑い季節でも内部の蒸れの発生を極力少なくできる。このためペットAは、装着状態でも快適に過ごすことができる。
【0033】
また外側シート11に通気性を有する不織布シートを使用しているにも拘らず、尿吸収体4とその外側の外側シート11との間に尿漏れ防止フィルム5を設けているので、尿吸収体4に吸収された尿が漏れた場合でも、その尿が外側シート11側に漏れることはない。
【0034】
図6、図7は本発明の第2の実施形態を例示する。このペット用使い捨ておむつは、おむつ本体1の尻当て部6を含む背当て部3側に、その糞ポケット9の幅方向に通気穴29が設けられている。
【0035】
この実施形態では、おむつ本体1のセンターシート22の幅方向の両端側から、その両側の各サイドシート23に対応する部分に通気穴29が配置されている。そして、通気穴29はおむつ本体1の長手方向に長い長穴状に形成され、ファスナーシート17の近傍から、腹当て部2側の端部が糞排泄穴8の両側近傍に達する範囲に設けられている。センターシート22とサイドシート23は、通気穴29の周辺部分ではホットメルト、その他で接着又は溶着されており、サイドギャザー21の通気穴29側の端部近傍までとなっている。他の構成は、第1の実施形態と略同一である。
【0036】
このようにおむつ本体1の背当て部3側に通気穴29を設けることによって、内側シート10及び外側シート11が通気性を有する不織布製であることと相まって、背当て部3側の通気性を更に向上させることができる。
【0037】
また通気穴29はファスナーシート17の近傍から、通気穴29の腹当て部2の端部が糞排泄穴8側とおむつ本体1の長手方向にオーバーラップする範囲に形成しているので、通気領域を十分に確保できる。
【0038】
図8〜図10は本発明の第3の実施形態を例示する。このペット用使い捨ておむつは、糞ポケット9がおむつ本体1の外側シート11と、この外側シート11の外側面に貼着されたシート材30とにより構成されている。
【0039】
シート材30は縦長状であって、幅方向の両側にガゼット部25を有し、その上部側が第1尻尾穴7及び糞排泄穴8に対応し且つ糞排泄穴8よりも下側に糞溜まり部24ができるように、上下両端部と左右両端部がおむつ本体1の外側シート11にホットメルト、その他の接着又は溶着されている。
【0040】
糞ポケット9の上部には、第1尻尾穴7に対応する第2尻尾穴28が設けられるとともに、この第2尻尾穴28よりも上側、例えばその上端の固着部30aの近傍等に幅方向に開封部31が形成されている。開封部31はシート材30の上端側に幅方向にミシン目、ハーフカット等を形成することにより、必要に応じて容易に開封できるようになっており、糞ポケット9内の糞をおむつ本体1と別に廃棄する場合には、この開封部31を開封して糞を排出する。なお、開封部31は第2尻尾穴28よりも下側に設けても良い。その他の構成は第1の実施形態と同様である。
【0041】
糞ポケット9はこの実施形態に例示するように、おむつ本体1の外側にシート材30を貼着して構成しても良い。この場合にもシート材30にガゼット部25を設ける等によって、糞溜まり部24の容積を確保できる。また糞ポケット9の上部にミシン目等の開封部31を設けておれば、糞をトイレの便器に流す場合には、この開封部31を開封してそこから糞を排出することもできる。
【0042】
従って、使用後の使い捨ておむつと糞とを一緒に処理する場合は勿論のこと、おむつ本体1と糞とを別々に処理する場合にも便利である。なお、糞ポケット9の上端を開口状に構成し、その開口部分から糞ポケット9内の糞を排出するようにしても良い。
【0043】
図11〜図14は本発明の第4の実施形態を例示する。このペット用使い捨ておむつは、糞ポケット9が内側シート材32と外側シート材33との周縁部を貼着して構成され、その内側シート材32がおむつ本体1の外側に貼着されている。
【0044】
内側シート材32、外側シート材33には防水性を有するプラスチック製のフィルム、その他のシート材が使用されている。なお、内側シート材32、外側シート材33の両方、又は内側シート材32には通気性を有するものを使用しても良い。
【0045】
内側シート材32はおむつ本体1の第1尻尾穴7及び糞排泄穴8に対応する開口部26が形成され、その開口部26の周縁部分と内側シート材32の外周縁部分、又は全面がおむつ本体1の外側シート11にホットメルト、その他の接着又は溶着等により貼着されている。なお、内側シート材32の外周縁部は装着状態で上側となる部分を除いて周方向に所定の間隔を置いてスポット的に貼着しても良い。
【0046】
外側シート材33は図14(A)及び(B)に示すように、その幅方向の両側を2カ所の折れ線34,35に沿ってZ状に、次いでその長手方向の一端側で且つ装着状態で下側となる側を同様に折れ線36,37に沿ってZ状に夫々折り畳み、その後に折れ線35,37よりも外側で外側シート材33の端縁部を内側シート材32の端縁部に重ねて、内側シート材32と外側シート材33との端縁部をホットメルト、その他の接着又は溶着している。従って、糞ポケット9は上端側が開口状になっている。外側シート材33には第2尻尾穴28が形成されている。他の構成は、第1の実施形態と同様である。
【0047】
糞ポケット9は、この実施形態に例示するように内側シート材32と外側シート材33とを貼着して構成しても良い。この場合にも糞ポケット9の外周にガゼット部25があるので、糞溜まり部24の容積を容易に確保できる。また糞ポケット9の上端側が開口になっているので、糞の廃棄も容易にできる。
【0048】
図15は本発明の第5の実施形態を例示する。このペット用使い捨ておむつは、外側シート材33の長手方向の両端側を折れ線36,37に沿ってZ状に夫々折り畳み、その後に折れ線35,37よりも外側で外側シート材33の端縁部を内側シート材32の端縁部に重ねて貼着している。他の構成は第4の実施形態と同様である。この場合にも、糞ポケット9の上側を密封状にできる。外側シート材33に開封部31を設けても良い。
【0049】
以上、本発明の各実施形態について詳述したが、本発明は各実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。第1の実施形態では、外側シート11と内側シート10とに不織布製を用いて背当て部3側の通気性を確保し、第2の実施形態では外側シート11と内側シート10とを不織布製とし、更にこれに通気穴29を形成して背当て部3側の通気性を確保しているが、通気穴29を形成する場合には、外側シート11を通気性のない材料、例えばプラスチック製のフィルム等により構成することも可能である。従って、通気穴29を形成する場合には、必ずしも外側シート11を不織布製にする必要はない。
【0050】
また第2の実施形態では、糞ポケット9の左右両側に通気穴29をおむつ本体1の長手方向に長い長穴状に形成しているが、糞ポケット9の貼着部分以外において、その背当て部3、又は背当て部3及び尻当て部6の略全域に多数の小さい通気穴29を略均等に分散させて配置することも可能である。
【0051】
尿漏れ防止フィルム5は尿吸収体4よりも若干広い範囲に設け、尿漏れ防止フィルム5以外の部分では内側シート10、外側シート11の通気性を確保できるようにしているが、尿吸収体4の尿が漏れない部分であれば、尿漏れ防止フィルム5の幅方向の両側で腹当て部2側に通気穴29を設けることも可能である。
【0052】
通気穴29が小穴状の場合には、ファスナーシート17の部分に設けても良い。更に通気穴29は、その一部がサイドギャザー21の外側に位置するように、おむつ本体1の幅方向の両端部を除く略全範囲にわたって広範囲に設けることが望ましい。通気穴29は長穴、丸穴、その他の適宜形状にすれば良い。通気穴29はおむつ本体1をペットAに装着したときに開口状になるようにスリット状に形成しても良いし、装着したときにもスリット状のままとなるように形成しても良い。
【0053】
第1尻尾穴7と糞排泄穴8とをダルマ穴状に設けているが、これはおむつ本体1の長手方向に沿った長穴状であれば、長円状、長角穴状にする等、他の穴形状でも良いし、また糞排泄穴8と第1尻尾穴7とを夫々独立して設けても良い。
【0054】
外側シート11に通気性を有する不織布等を使用する場合には、尿吸収体4の尿が漏れないように尿漏れ防止フィルム5を設ける必要があるが、外側シート11に通気性のないプラスチックフィルム等を使用して、おむつ本体1の背当て部3側に通気穴29を形成する場合には、外側シート11で尿の漏れを防止できるので、尿漏れ防止フィルム5を設ける必要はない。
【0055】
尿漏れ防止フィルム5は腹当て部2側の幅方向の略全体に設けても良い。尿吸収体4は腹当て部2側から糞排泄穴8の幅方向の両側に達する範囲に設けても良い。センターシート22とサイドシート23とを1枚の内側シート10により構成しても良い。
【0056】
糞ポケット9は各実施形態に例示以外の構造、形状にしても良い。例えば、各実施形態では背面視形状をおむつ本体1の長手方向に長い矩形状に構成しているが、装着状態で下側となる糞溜まり部24側の幅を広くし、上部側の幅を狭くすることも可能である。また糞ポケット9は、その左右両側にガゼット部25のない構造でも良い。
【0057】
更に糞ポケット9は、おむつ本体1の外側にあれば十分であり、例えばおむつ本体1の外側シート11に防水性のプラスチック製フィルム等を使用する場合には、その外側シート11の一部をおむつ本体1の外側に膨らませる等によって、外側シート11により構成することも可能である。要するに糞ポケット9はペットAから排泄された糞を受け得るものであれば、その構造、形状等は問題ではない。
【0058】
また糞ポケット9をおむつ本体1の外側に着脱自在に設け、必要に応じておむつ本体1に対して着脱するようにしても良い。また糞ポケット9の上側を開放状に構成する場合に、その開口側を塞ぐ蓋を粘着剤等により開閉自在に設けても良い。糞ポケット9に糞排出用の開口を設ける場合には、その第2尻尾穴28を幅方向に長く形成する等によって、第2尻尾穴28から糞を排出するようにしても良い。また所定の大きさの第2尻尾穴28と、この第2尻尾穴28の幅方向の両側又は一方に拡開用のミシン目等の拡開部とを設けておき、その拡開部を破断又は切り裂いて糞を排出するようにしても良い。
【0059】
【発明の効果】
本発明では、おむつ本体1の長手方向の腹当て部2と背当て部3との間に尻当て部6を備えたペット用使い捨ておむつにおいて、尻当て部6に、ペットAの尻尾Bを通す第1尻尾穴7と、ペットAの肛門部の後側を開放する糞排泄穴8とを長手方向の長穴状に設け、おむつ本体1の外側で第1尻尾穴7、糞排泄穴8の外周側に、上部側が第1尻尾穴7及び糞排泄穴8に対応し且つ糞排泄穴8よりも下側にペットAから排泄された糞を受ける糞溜まり部24ができるように糞ポケット9を貼着し、糞ポケット9の外側の上部に、ペットAの尻尾Bを通す第2尻尾穴28を第1尻尾穴7に対応して設け、糞ポケット9における第2尻尾孔28よりも上側に、必要に応じて開封することにより糞ポケット9内の糞を外に排出するための開封部31を有するので、ペットに対する糞の付着を防止でき、その後の処理も容易にできる。また糞ポケット9がペットAの尻尾Bの邪魔になることもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示すペット用使い捨ておむつの平面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態を示すペット用使い捨ておむつの内側の一部破断斜視図である。
【図3】本発明の第1の実施形態を示すペット用使い捨ておむつの外側の分解斜視図である。
【図4】(A)は図1のX−X線断面図、(B)は図1のY−Y線断面図である。
【図5】本発明の第1の実施形態を示すペット用使い捨ておむつの使用状態の斜視図である。
【図6】本発明の第2の実施形態を示すペット用使い捨ておむつの使用状態の斜視図である。
【図7】本発明の第2の実施形態を示すペット用使い捨ておむつの平面図である。
【図8】本発明の第3の実施形態を示すペット用使い捨ておむつの斜視図である。
【図9】本発明の第3の実施形態を示すペット用使い捨ておむつの縦断面図である。
【図10】本発明の第3の実施形態を示すペット用使い捨ておむつの横断面図である。
【図11】本発明の第4の実施形態を示すペット用使い捨ておむつの分解斜視図である。
【図12】本発明の第4の実施形態を示す糞ポケットの斜視図である。
【図13】本発明の第4の実施形態を示すペット用使い捨ておむつの横断面図である。
【図14】本発明の第4の実施形態を示す外側シート材の折り畳み過程の説明図である。
【図15】本発明の第5の実施形態を示すペット用使い捨ておむつの分解斜視図である。
【符号の説明】
1 おむつ本体
2 腹当て部
3 背当て部
4 尿吸収体
5 尿漏れ防止フィルム
7 第1尻尾穴
8 糞排泄穴
9 糞ポケット
10 内側シート
11 外側シート
24 糞溜まり部
25 ガゼット部
28 第2尻尾穴
A ペット
Claims (5)
- おむつ本体(1)の長手方向の腹当て部(2)と背当て部(3)との間に尻当て部(6)を備えたペット用使い捨ておむつにおいて、前記尻当て部(6)に、ペット(A)の尻尾(B)を通す第1尻尾穴(7)と、ペット(A)の肛門部の後側を開放する糞排泄穴(8)とを前記長手方向の長穴状に設け、前記おむつ本体(1)の外側で前記第1尻尾穴(7)、前記糞排泄穴(8)の外周側に、上部側が前記第1尻尾穴(7)及び前記糞排泄穴(8)に対応し且つ前記糞排泄穴(8)よりも下側にペット(A)から排泄された糞を受ける糞溜まり部(24)ができるように糞ポケット(9)を貼着し、前記糞ポケット(9)の外側の上部に、ペット(A)の尻尾(B)を通す第2尻尾穴(28)を前記第1尻尾穴(7)に対応して設け、前記糞ポケット(9)における前記第2尻尾孔(28)よりも上側に、必要に応じて開封することにより糞ポケット(9)内の糞を外に排出するための開封部(31)を有することを特徴とするペット用使い捨ておむつ。
- 前記糞ポケット(9)はガゼット部(25)を有する袋状であり、該糞ポケット(9)は、その内側の上部に形成され且つ前記第1尻尾穴(7)及び前記糞排泄穴(8)を取り囲む開口部(26)の外周側で前記おむつ本体(1)に貼着したことを特徴とする請求項1に記載のペット用使い捨ておむつ。
- 前記糞ポケット(9)は、前記おむつ本体(1)の外側シート(11)と、該外側シート(11)の外側面に貼着されたシート材(30)とにより構成したことを特徴とする請求項1又は2に記載のペット用使い捨ておむつ。
- 前記シート材(30)の左右両側にガゼット部(25)を設けたことを特徴とする請求項3に記載のペット用使い捨ておむつ。
- 前記おむつ本体(1)は、該おむつ本体(1)の内外両側に前記腹当て部(2)と前記背当て部(3)との略全長に跨がって設けられた不織布製の内側シート(10)及び外側シート(11)と、前記腹当て部(2)側で前記内側シート(10)と前記外側シート(11)との間に介在された尿吸収体(4)と、該尿吸収体(4)と前記外側シート(11)との間に介在された尿漏れ防止フィルム(5)とを備えたことを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のペット用使い捨ておむつ。
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