JP3764096B2 - プリント基板設計装置およびその方法並びにその方法を実行するためのプログラム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、対向するプリント基板の部品配置を密度高く、密接に、効率良く行わせるプリント基板設計装置およびその方法並びにその方法を実行するためのプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、二枚以上の基板を対向させて、各基板に部品を配置して実装する基板の部品配置の設計作業においては、対向する双方の基板について部品配置の設計を別々に行い、その後に図面に出力し、互いに重ね合わせて人手による目視チェックを行い修正して仕上げる方法が一般的であった。このような作業は、効率的でない上に、チェック漏れ等の理由から設計品質上の問題を有している。
【0003】
このような人手による重ね合わせ作業を省く方法として、CAD(Computer Aided Design)を利用した種々の基板設計装置が提案されている。その中の一つである特開2001−5849号公報には、対向する一対のプリント基板間に実装されるそれぞれの部品の位置、外形および高さに関する部品データと、プリント基板の基板間隔データに基づいて、部品同士が干渉するか否かのチェックを行うことが可能なプリント基板設計装置、方法、およびその方法を実行するプログラムを記録した記録媒体について開示されている。そして、これにより、対向するプリント基板間の部品同士が干渉すると判断された場合には、エラー表示出力することによって、基板設計者に対して部品同士の干渉が生じていることを通知することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、部品配置設計作業は、電気、機構または放熱等の様々な配置制約を織り込みながら進めるのが通常である。そのため、基板への搭載部品数が多く、複雑な配置制約条件を織り込む必要があり、また高密度で高密接な対向基板設計を行う場合には、干渉チェックのために与える基板間隔長を設計開始の段階で精度良く予想することは、非常に困難であり現実的な方法ではない。また、目標とする基板間隔長で部品配置設計作業を進めたとしても、様々な制約条件から設計途中において、当初に設定した基板間隔長の目標値の変更が必要になってしまうという問題点があった。
【0005】
また、高密度対向基板を設計する場合には、例えば特開2001−5849号公報に開示されているプリント基板設計装置やその方法に開示されているように基板間隔長を前もって入力させて部品同士の干渉チェックを行う方式では、干渉チェックを行う値の検討とその妥当性の検討について時間を要するため、効率的ではないという問題点があった。さらに、一度設計を開始した後に、干渉チェックにより部品同士が干渉していると判断された場合には、その原因が解消される基板間隔長に変更してから同じ作業を最初から繰り返し実行しなければならず、またそれが干渉していると判断されるたびに何回も繰り返されてしまう可能性があるため、効率的ではないという問題点もあった。
【0006】
この発明は上記に鑑みてなされたもので、プリント基板設計を行う場合において、前もって部品同士の干渉チェックのための基板間隔長データを入力する必要がなく、部品配置設計作業中に基板間隔長を変更しながら、より短い基板間隔長を有する部品設計を円滑に行うことが可能なプリント基板設計装置およびその方法並びにその方法を実行するためのプログラムを得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、この発明にかかるプリント基板設計装置は、部品が配置された既に設計済みの既設計基板に対向する設計基板の面上に部品の配置設計を行うプリント基板設計装置において、前記設計基板上に配置しようとする部品についての部品名と高さを含む部品情報を格納する部品情報格納手段と、前記既設計基板上の既設計部品の部品名、高さ、配置位置座標および搭載面情報を含む部品配置情報を格納する既設計基板部品配置情報格納手段と、前記設計基板上に配置しようとする新たな部品についての部品情報が前記部品情報格納手段から選択され、該新たな部品の配置位置座標および搭載面情報を含む配置情報が入力される入力手段と、入力された前記新たな部品の配置位置に対向して存在する前記既設計基板上のすべての既設計部品の部品配置情報を前記既設計基板部品配置情報格納手段から抽出し、前記既設計部品と前記新たな部品の高さの和である対向基板間隔長を、前記既設計部品と前記新たな部品の組み合わせごとに計算する対向基板間隔長計算手段と、計算された前記対向基板間隔長を格納する対向基板間隔長記憶手段と、該対向基板間隔長記憶手段に記憶された対向基板間隔長のうち最大となる最大対向基板間隔長を抽出する最大対向基板間隔長抽出手段と、前記最大対向基板間隔長を表示する表示手段と、を備え、前記新たな部品を前記設計基板上に配置するときに、各部品を配置した各時点での最大対向基板間隔長が前記表示手段によって表示されることを特徴とする。
【0008】
この発明によれば、部品を前記設計基板上に配置するときに、各部品を配置した各時点での最大対向基板間隔長が前記表示手段によって表示されることを特徴とするプリント基板設計装置が提供される。該プリント基板設計装置は、前記設計基板上に配置しようとする前記部品についての部品名および高さを含む部品情報を格納する部品情報格納手段と、前記既設計基板上の既設計部品の部品名、高さ、配置位置座標および搭載面情報を含む部品配置情報を格納する既設計基板部品配置情報格納手段と、入力手段と、対向基板間隔長計算手段と、対向基板間隔長記憶手段と、最大対向基板間隔長抽出手段と、表示手段とを備える。まず、入力手段によって、前記設計基板上に配置しようとする前記部品についての部品情報が前記部品情報格納手段から選択され、該部品の配置位置座標および搭載面情報を含む配置情報が入力される。つぎに、対向基板間隔長計算手段によって、入力された前記部品の配置位置に対向して存在するすべての既設計部品の部品配置情報が前記既設計基板部品配置情報格納手段から抽出され、既設計部品と前記部品の高さの和である対向基板間隔長が、前記既設計部品と前記部品の組み合わせごとに対向基板間隔長が計算され、対向基板間隔長記憶手段に該対向基板間隔長が格納される。そして、最大対向基板間隔長抽出手段によって、該対向基板間隔長記憶手段から最大の対向基板間隔長となる最大対向基板間隔長が抽出され、表示手段に該最大対向基板間隔長が表示される。
【0009】
つぎの発明にかかるプリント基板設計装置は、上記の発明において、基板設計に使用する部品の組立に必要な部品組立間隙値を部品ごとに格納する部品組立間隙情報格納手段をさらに備え、前記対向基板間隔長計算手段は、前記新たな部品の部品組立間隙値を前記部品組立間隙情報格納手段から抽出し、前記新たな部品の配置位置に対向して存在する前記既設計基板上のすべての既設計部品の部品配置情報と部品組立間隙値を前記既設計基板部品配置情報格納手段と前記部品組立間隙情報格納手段からそれぞれ抽出し、前記既設計部品と前記新たな部品の高さと、前記既設計部品と前記新たな部品の部品組立間隙値のうち大きい方の部品組立間隙値との和である対向基板間隔長を、前記既設計部品と前記新たな部品の組み合わせごとに計算することを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、基板設計に使用する部品の組立に必要な部品組立間隙値を格納する部品組立間隙情報格納手段がさらに備えられる。そして、前記対向基板間隔長計算手段によって、前記部品の部品組立間隙値が前記部品組立間隙情報格納手段より抽出され、前記部品の配置位置に対向して存在するすべての既設計部品の部品配置情報と部品組立間隙値が前記既設計基板部品配置情報格納手段と前記部品組立間隙情報格納手段からそれぞれ抽出され、既設計部品と前記部品の高さ情報と、前記既設計部品と前記部品の部品組立間隙値のうち大きい方の部品組立間隙値との和である対向基板間隔長が、前記既設計部品と前記部品の組み合わせごとに計算される。
【0011】
つぎの発明にかかるプリント基板設計装置は、部品が配置された既に設計済みの既設計基板に対向する設計基板の面上に部品の配置設計を行うプリント基板設計装置において、前記設計基板上に配置しようとする部品についての部品名と高さを含む部品情報を格納する部品情報格納手段と、前記既設計基板上の既設計部品の部品名、高さ、配置位置座標および搭載面情報を含む部品配置情報を格納する既設計基板部品配置情報格納手段と、前記設計基板上に配置しようとする新たな部品についての部品情報が前記部品情報格納手段から選択され、該新たな部品の配置位置座標および搭載面情報を含む配置情報と、基板組立に必要な確保すべき間隙値である基板組立間隙値とが入力される入力手段と、入力された前記新たな部品の配置位置に対向して存在する前記既設計基板上のすべての既設計部品の部品配置情報を前記既設計基板部品配置情報格納手段から抽出し、前記既設計部品と前記新たな部品の高さと前記基板組立間隙値との和である対向基板間隔長を、前記既設計部品と前記新たな部品の組み合わせごとに計算する対向基板間隔長計算手段と、前記対向基板間隔長を格納する対向基板間隔長記憶手段と、該対向基板間隔長記憶手段に記憶された対向基板間隔長のうち最大となる最大対向基板間隔長を抽出する最大対向基板間隔長抽出手段と、抽出された前記最大対向基板間隔長を表示する表示手段と、を備え、前記新たな部品を前記設計基板上に配置するときに、各部品を配置した各時点での最大対向基板間隔長が前記表示手段によって表示されることを特徴とする。
【0012】
この発明によれば、部品を前記設計基板上に配置するときに、各部品を配置した各時点での最大対向基板間隔長が表示手段によって表示されるプリント基板設計装置が提供される。該プリント基板設計装置は、前記設計基板上に配置しようとする前記部品についての部品名および高さを含む部品情報を格納する部品情報格納手段と、前記既設計基板上の既設計部品の部品名、高さ、配置位置座標および搭載面情報を含む部品配置情報を格納する既設計基板部品配置情報格納手段と、入力手段と、対向基板間隔長計算手段と、対向基板間隔長記憶手段と、最大対向基板間隔長抽出手段と、表示手段とを備えている。まず、入力手段によって、前記設計基板上に配置しようとする前記部品についての部品情報が前記部品情報格納手段から選択され、該部品の配置位置座標および搭載面情報を含む配置情報と、基板組立に必要な基板組立間隙値が入力される。つぎに、対向基板間隔長計算手段によって、入力された前記部品の配置位置に対向して存在するすべての既設計部品の部品配置情報が前記既設計基板部品配置情報格納手段から抽出され、既設計部品と前記部品の高さと前記基板組立間隙値との和である対向基板間隔長が、前記既設計部品と前記部品の組み合わせごとに計算され、対向基板間隔長記憶手段に格納される。そして、最大対向基板間隔長抽出手段によって、該対向基板間隔長記憶手段から最大となる最大対向基板間隔長が抽出され、表示手段に該最大対向基板間隔長が表示される。
【0013】
つぎの発明にかかるプリント基板設計装置は、上記の発明において、基板設計に使用する部品の組立に必要な部品組立間隙値を部品ごとに格納する部品組立間隙情報格納手段をさらに備え、前記対向基板間隔長計算手段は、前記新たな部品の部品組立間隙値を前記部品組立間隙情報格納手段から抽出し、前記新たな部品の配置位置に対向して存在する前記既設計基板上のすべての既設計部品の部品配置情報と部品組立間隙値を前記既設計基板部品配置情報格納手段と前記部品組立間隙情報格納手段からそれぞれ抽出し、前記既設計部品と前記新たな部品の高さと、前記基板組立間隙値と、前記既設計部品と前記新たな部品の部品組立間隙値のうち大きい方の部品組立間隙値との和である対向基板間隔長を、前記既設計部品と前記新たな部品の組み合わせごとに計算することを特徴とする。
【0014】
この発明によれば、基板設計に使用する部品の組立に必要な部品組立間隙値を格納する部品組立間隙情報格納手段がさらに備えられる。そして、前記対向基板間隔長計算手段によって、前記部品の部品組立間隙値が前記部品組立間隙情報格納手段より抽出され、前記部品の配置位置に対向して存在するすべての既設計部品の部品配置情報と部品組立間隙値が前記既設計基板部品配置情報格納手段と前記部品組立間隙情報格納手段からそれぞれ抽出され、既設計部品と前記部品の高さと、前記基板組立間隙値、および前記既設計部品と前記部品の部品組立間隙値のうち大きい方の部品組立間隙値との和である対向基板間隔長が、前記既設計部品と前記部品の組み合わせごとに計算される。
【0015】
つぎの発明にかかるプリント基板設計装置は、上記の発明において、前記設計基板上の部品であって配置が決定された部品についての部品名、高さ、配置位置座標および搭載面情報を含む部品配置情報を格納する設計基板部品配置情報記憶手段と、前記最大対向基板間隔長を構成する、前記既設計部品名を前記既設計基板部品配置情報格納手段から抽出し、前記設計基板上の部品名を前記部品情報格納手段または前記設計基板部品配置情報記憶手段から抽出する最大対向基板間隔部品名抽出手段と、該抽出された既設計部品名および前記設計基板上の部品名を格納する最大対向基板間隔部品名記憶手段と、をさらに備え、新たな部品を前記設計基板上に配置するときに、前記最大対向基板間隔部品名記憶手段に記憶された前記既設計部品名と前記設計基板上の部品名とがさらに前記表示手段に表示されることを特徴とする。
【0016】
この発明によれば、部品を前記設計基板上に配置するときに、各部品を配置した各時点での最大対向基板間隔長と、該最大対向基板間隔長を構成する前記既設計部品名および前記設計基板上の部品名とが前記表示手段に表示されるプリント基板設計装置が提供される。該プリント基板設計装置は、前記設計基板上の部品であって配置が決定された部品についての部品配置情報を格納する設計基板部品配置情報記憶手段と、最大対向基板間隔部品名抽出手段と、最大対向基板間隔部品名記憶手段とがさらに備えられる。最大対向基板間隔部品名抽出手段によって、前記最大対向基板間隔長を構成する前記既設計部品名が前記既設計基板部品配置情報格納手段から、前記設計基板上の部品名が前記部品情報格納手段または前記設計基板部品配置情報記憶手段からそれぞれ抽出される。そして、最大対向基板間隔部品名記憶手段によって、該抽出された既設計部品名および前記設計基板上の部品名が格納される。
【0017】
つぎの発明にかかるプリント基板設計装置は、上記の発明において、前記入力手段から指定された第n番目(nは自然数)に大きい第n番対向基板間隔長を、前記対向基板間隔長記憶手段に格納される対向基板間隔長の中から抽出する第n番対向基板間隔長抽出手段と、前記抽出された第n番対向基板間隔長を構成する既設計部品名を前記既設計基板部品配置情報格納手段から抽出し、前記設計基板上の部品名を前記部品情報格納手段または前記設計基板部品配置情報記憶手段から抽出する第n番対向基板間隔部品名抽出手段と、をさらに備え、前記第n番対向基板間隔長抽出手段と前記第n番対向基板間隔部品名抽出手段によって抽出された前記第n番対向基板間隔長および該第n番対向基板間隔長を構成する既設計部品名と設計基板上の部品名がさらに前記表示手段に表示されることを特徴とする。
【0018】
この発明によれば、第n番目に大きい対向基板間隔長および該第n番対向基板間隔長を構成する既設計部品名および設計基板上の部品名が、最大対向基板間隔長および最大対向基板間隔部品名に加えて、表示手段によって表示されるプリント基板設計装置が提供される。該プリント基板設計装置は、第n番対向基板間隔長抽出手段と、第n番対向基板間隔部品名抽出手段とがさらに備えられる。まず、第n番対向基板間隔長抽出手段によって、入力手段から指定された第n番目(nは自然数)に大きい対向基板間隔長である第n番対向基板間隔長が、前記対向基板間隔長記憶手段から抽出される。つぎに、第n番対向基板間隔部品名抽出手段によって、前記抽出された第n番対向基板間隔長を構成する既設計部品が前記既設計基板部品配置情報格納手段から、前記設計基板上の部品名が前記部品情報格納手段または前記設計基板部品配置情報記憶手段からそれぞれ抽出される。
【0019】
つぎの発明にかかるプリント基板設計装置は、上側設計面には上位既設計基板が対向して配置され、下側設計面には下位既設計基板が対向して配置される設計基板の前記上側設計面および前記下側設計面に部品の配置設計を行うプリント基板設計装置において、前記設計基板上に配置しようとする部品についての部品名と高さを含む部品情報を格納する部品情報格納手段と、前記上位および前記下位既設計基板上の既設計部品の部品名、高さ、配置位置座標および搭載面情報を含む部品配置情報を格納する既設計基板部品配置情報格納手段と、前記設計基板上の部品であって配置が決定された部品についての部品名、高さ、配置位置座標および搭載面情報を含む部品配置情報を格納する設計基板部品配置情報記憶手段と、前記設計基板上に配置しようとする新たな部品についての部品情報が前記部品情報格納手段から選択され、該新たな部品の配置位置座標および搭載面情報を含む配置情報が入力される入力手段と、入力された前記新たな部品の配置位置に対向して存在する前記上位または前記下位既設計基板上のすべての既設計部品の部品配置情報を前記既設計基板部品配置情報格納手段から抽出し、前記既設計部品と前記新たな部品の高さの和である対向基板間隔長を、前記既設計部品と前記新たな部品の組み合わせごとに計算する対向基板間隔長計算手段と、該対向基板間隔長を格納する対向基板間隔長記憶手段と、該対向基板間隔長記憶手段から、前記設計基板の上側設計面と前記上位既設計基板との間の最大の対向基板間隔長と、前記設計基板の下側設計面と前記下位既設計基板との間の最大の対向基板間隔長とをそれぞれ抽出し、これら二つの最大の対向基板間隔長と前記設計基板の厚さとの和である最大対向基板間隔長を求める最大対向基板間隔長抽出手段と、該最大対向基板間隔長を表示する表示手段と、を備え、新たな部品を前記設計基板上に配置するときに、各部品を配置した各時点での最大対向基板間隔長が前記表示手段によって表示されることを特徴とする。
【0020】
この発明によれば、上側設計面には上位既設計基板が、下側設計面には下位既設計基板がそれぞれ対向して配置される設計基板の前記上側設計面および前記下側設計面に部品の配置設計を行うプリント基板設計装置において、部品を前記設計基板上に配置するときに、各部品を配置した各時点での最大対向基板間隔長が表示手段によって表示されるプリント基板設計装置が提供される。該プリント基板設計装置は、前記設計基板上に配置しようとする前記部品についての部品名および高さを含む部品情報を格納する部品情報格納手段と、前記上位および下位既設計基板上の既設計部品の部品名、高さ、配置位置座標および搭載面情報を含む部品配置情報を格納する既設計基板部品配置情報格納手段と、前記設計基板上の部品であって配置が決定された部品についての部品配置情報を格納する設計基板部品配置情報記憶手段と、入力手段と、対向基板間隔長計算手段と、対向基板間隔長記憶手段と、最大対向基板間隔長抽出手段と、表示手段とが備えられる。まず、入力手段によって、前記設計基板上に配置しようとする前記部品についての部品情報が前記部品情報格納手段から選択され、該部品の配置位置座標および搭載面情報を含む配置情報が入力される。つぎに、対向基板間隔長計算手段によって、入力された前記部品の配置位置に対向して存在する前記上位または下位既設計基板上のすべての既設計部品の部品配置情報が前記既設計基板部品配置情報格納手段から抽出され、既設計部品と前記部品の高さの和である対向基板間隔長が、前記既設計部品と前記部品の組み合わせごとに計算され、対向基板間隔長記憶手段に格納される。そして、最大対向基板間隔長抽出手段によって、該対向基板間隔長記憶手段から、前記設計基板の上側設計面と前記上位既設計基板との間の最大の対向基板間隔長と、前記設計基板の下側設計面と前記下位既設計基板との間の最大の対向基板間隔長とがそれぞれ抽出され、これら二つの最大の対向基板間隔長と、前記設計基板の厚さとの和である最大対向基板間隔長が求められ、表示手段に該最大対向基板間隔長が表示される。
【0021】
つぎの発明にかかるプリント基板設計方法は、設計基板上に配置しようとする部品についての部品名と高さを含む部品情報と、部品が配置された既に設計済みの既設計基板上の既設計部品の部品名、高さ、配置位置座標および搭載面情報を含む部品配置情報と、を格納する記憶手段と、入力手段と、表示手段と、前記入力手段から入力された情報に基づいて所定の処理を行う処理手段と、を備えるプリント基板設計装置におけるプリント基板設計方法であって、前記設計基板上に配置しようとする新たな部品についての前記部品情報と、この新たな部品の配置位置座標および搭載面情報を含む部品配置情報が入力手段によって入力される入力工程と、前記処理手段が、前記新たな部品の配置位置に対向して存在するすべての既設計部品の前記部品配置情報を前記記憶手段から抽出し、前記既設計部品と前記新たな部品の高さの和である対向基板間隔長を、前記既設計部品と前記新たな部品の組み合わせごとに計算する対向基板間隔長計算工程と、前記処理手段が、該計算された対向基板間隔長の中から最大対向基板間隔長を抽出して、前記表示手段に表示する表示工程と、を含むことを特徴とする。
【0022】
この発明によれば、部品を前記設計基板上に配置するときに、各部品を配置した各時点での最大対向基板間隔長が表示されるプリント基板設計方法が提供される。まず、対向基板間隔長計算工程で処理手段によって、前記設計基板上に配置しようとする前記部品の配置位置に対向して存在するすべての既設計部品の部品名、高さ、配置位置座標および搭載面情報を含む部品配置情報が抽出され、既設計部品と前記部品の高さの和である対向基板間隔長が、抽出された前記既設計部品と前記部品の組み合わせごとに計算される。つぎに、最大対向基板間隔長抽出工程で処理手段によって、該計算された対向基板間隔長の中から最大対向基板間隔長が抽出される。そして、表示工程で、該最大対向基板間隔長が表示手段に表示される。
【0023】
つぎの発明にかかるプリント基板設計方法は、上記の発明において、前記入力工程では、基板組立に必要な確保すべき間隙値である基板組立間隙値がさらに入力手段によって入力され、前記対向基板間隔長計算工程では、前記処理手段は、前記対向基板間隔長の算出時に、前記基板組立間隙値をさらに加算することを特徴とする。
【0024】
この発明によれば、前記対向基板間隔長計算工程で処理手段によって、対向基板間隔長を計算するにあたり、基板組立に必要な基板組立間隙値がさらに加算される。
【0025】
つぎの発明にかかるプリント基板設計方法は、上記の発明において、前記記憶手段は、基板設計に使用する部品の組立に必要な部品組立間隙値を部品ごとにさらに格納し、前記対向基板間隔長計算工程では、前記処理手段は、前記対向基板間隔長の算出時に、前記新たな部品または前記新たな部品に対向して配置される既設計部品の組立に必要な部品組立間隙値のうち最大の部品組立間隙値を前記記憶手段から抽出し、この抽出した部品組立間隙値をさらに加算することを特徴とする。
【0026】
この発明によれば、前記対向基板間隔長計算工程で処理手段によって、対向基板間隔長を計算するにあたり、前記部品または該部品に対向して配置される既設計部品の組立に必要な部品組立間隙値のうち最大の部品組立間隙値がさらに加算される。
【0027】
つぎの発明にかかるプリント基板設計方法は、上記の発明において、前記処理手段は、前記最大対向基板間隔長を構成する前記設計基板上の部品名および前記既設計部品の部品名を、前記記憶手段に格納される前記設計基板上の部品であって配置が決定された部品についての部品名、高さ、配置位置座標および搭載面情報を含む部品配置情報から抽出する最大対向基板間隔部品名抽出工程をさらに含み、前記表示工程では、前記表示手段は、前記最大対向基板間隔長のほかに、前記最大対向基板間隔部品名抽出工程で抽出した前記最大対向基板間隔長を構成する前記設計基板上の部品名と前記既設計基板上の既設計部品名を表示することを特徴とする。
【0028】
この発明によれば、最大対向基板間隔部品名抽出工程で処理手段によって、前記最大対向基板間隔長を構成する前記設計基板上の部品名および前記既設計部品の部品名が抽出される。そして、前記表示工程によって、前記最大対向基板間隔長のほかに、該最大対向基板間隔長を構成する前記設計基板上の部品名および既設計部品名が表示手段に表示される。
【0029】
つぎの発明にかかるプリント基板設計方法は、上記の発明において、前記処理手段は、前記対向基板間隔長計算工程で計算された対向基板間隔長のうち第n番目(nは自然数)に大きい第n番対向基板間隔長を抽出する第n番対向基板間隔長抽出工程と、該第n番対向基板間隔長を構成する前記設計基板上の部品および前記既設計部品の部品名を前記部品情報格納手段または前記設計基板部品配置情報記憶手段、および前記既設計基板部品配置情報格納手段から抽出する第n番対向基板間隔部品名抽出工程と、をさらに含み、前記表示工程では、前記表示手段は、前記最大対向基板間隔長と、該最大対向基板間隔長を構成する前記設計基板上の部品名と前記既設計基板上の既設計部品名に加えて、前記第n番対向基板間隔長と、該第n番対向基板間隔長を構成する前記設計基板上の部品名と前記既設計基板上の既設計部品名を表示することを特徴とする。
【0030】
この発明によれば、第n番対向基板間隔長抽出工程で処理手段によって、前記対向基板間隔長計算工程で計算された対向基板間隔長のうち第n番目(nは自然数)に大きい第n番対向基板間隔長が抽出される。また、第n番対向基板間隔部品名抽出工程で処理手段によって、該第n番対向基板間隔長を構成する前記設計基板上の部品および前記既設計部品の部品名が抽出される。そして、前記表示工程によって、前記最大対向基板間隔長と、該最大対向基板間隔長を構成する前記設計基板上の部品名と既設計部品名に加えて、前記第n番対向基板間隔長と、該第n番対向基板間隔長を構成する前記設計基板上の部品名と既設計部品名が表示手段に表示される。
【0031】
つぎの発明にかかるプリント基板設計方法は、設計基板上に配置しようとする部品についての部品名と高さを含む部品情報と、部品が配置された既に設計済みの既設計基板上の既設計部品の部品名、高さ、配置位置座標および搭載面情報を含む部品配置情報と、を格納する記憶手段と、入力手段と、表示手段と、前記入力手段から入力された情報に基づいて所定の処理を行う処理手段と、を備え、前記設計基板の上側設計面には上位既設計基板が対向して配置され、下側設計面には下位既設計基板が対向して配置される設計基板の前記上側設計面および前記下側設計面に部品の配置設計を行うプリント基板設計装置におけるプリント基板設計方法であって、前記設計基板上に配置しようとする新たな部品についての前記部品情報と、この新たな部品の配置位置座標および搭載面情報を含む部品配置情報が入力手段によって入力される入力工程と、前記処理手段が、前記新たな部品の配置位置に対向して存在する前記上位または前記下位既設計基板上のすべての既設計部品の前記部品配置情報を前記記憶手段から抽出し、前記既設計部品と前記新たな部品の高さの和である対向基板間隔長を、前記既設計部品と前記新たな部品の組み合わせごとに計算する対向基板間隔長計算工程と、前記処理手段が、前記計算した対向基板間隔長の中から、前記上側設計基板と前記上位既設計基板との間の最大の対向基板間隔長と、前記下側設計基板と前記下位既設計基板との間の最大の対向基板間隔長とをそれぞれ抽出し、これら二つの最大の対向基板間隔長と前記設計基板の厚さとの和である最大対向基板間隔長を求める最大対向基板間隔長抽出工程と、前記処理手段が、前記最大対向基板間隔長抽出工程で求められた前記最大対向基板間隔長を前記表示手段に表示する表示工程と、を含むことを特徴とする。
【0032】
この発明によれば、上側設計面には上位既設計基板が、下側設計面には下位既設計基板がそれぞれ対向して配置される設計基板の前記上側設計面および前記下側設計面に部品を配置設計するためのプリント基板設計方法において、部品を前記設計基板上に配置するときに、各部品を配置した各時点での前記上位既設計基板と前記下位既設計基板との間の最大対向基板間隔長が表示手段によって表示されるプリント基板設計方法が提供される。まず、対向基板間隔長計算工程で処理手段によって、前記設計基板上に配置しようとする前記部品の配置位置に対向して存在するすべての既設計部品の部品名、高さ、配置位置座標および搭載面情報を含む部品配置情報が抽出され、既設計部品と前記部品の高さの和である対向基板間隔長が、前記既設計部品と前記部品の組み合わせごとに計算される。つぎに、最大対向基板間隔長抽出工程で処理手段によって、該計算された対向基板間隔長の中から、前記上側設計基板と前記上位既設計基板との間の最大の対向基板間隔長と、前記下側設計基板と前記下位既設計基板との間の最大の対向基板間隔長とがそれぞれ抽出され、これら二つの最大の対向基板間隔長と前記設計基板の厚さとの和である最大対向基板間隔長が求められる。そして、表示工程によって、該最大対向基板間隔長が表示手段に表示される。
【0033】
つぎの発明にかかるプリント基板設計方法をコンピュータに実行させるプログラムは、上記のプリント基板設計方法をコンピュータに実行させるプログラムとしたことを特徴とする。
【0034】
この発明によれば、部品を前記設計基板上に配置するときに、各部品を配置した各時点での最大対向基板間隔長が表示されるプリント基板設計方法をコンピュータに実行させるプログラムが提供される。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下に、添付図面を参照して、この発明にかかるプリント基板設計装置およびその方法ならびにその方法を実行するためのプログラムの好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0036】
実施の形態1.
図1は、この発明にかかるプリント基板設計装置の実施の形態1を示すブロック図である。図1において、プリント基板設計装置は、この装置を用いて設計しようとするプリント基板(以下、設計基板という)に実装する部品の部品識別名、部品型名および部品位置に関する情報などを設計作業者が入力するための入力部1と、部品に関する情報や基板上の部品の配置位置に関する情報などをデータベースとして格納する記憶部2と、部品を実装したときの基板間隔長の計算やその他の処理を行う処理部3と、算出された基板間隔長などを一時的に保持しておくためのメモリ4と、そして処理部3によって処理された最大対向基板間隔長などの情報を設計作業者に対して表示出力するための表示部5とを備えている。
【0037】
記憶部2は、さらに、部品情報格納部21と、既設計基板部品配置情報格納部22と、そして設計基板部品配置情報記憶部23とを備えている。部品情報格納部21は、基板設計に使用する全部品について、部品型名ごとに形状や高さなどの部品情報などを格納しているデータベースである。既設計基板部品配置情報格納部22は、設計基板に対向して置かれる既に設計済みの基板(以下、既設計基板という)上に配置された部品に関する部品識別名、部品型名、配置位置そして搭載面情報などの部品配置情報を格納しているデータベースである。設計基板部品配置情報記憶部23は、設計基板に実装する部品であって、配置が確定した部品についての部品識別名、部品型名、配置位置そして搭載面情報などの部品配置情報を格納しているデータベースである。
【0038】
処理部3は、設計部品情報抽出部31と、既設計部品情報抽出部32と、対向基板間隔長計算部33と、最大対向基板間隔長抽出部34と、配置確定判断部35と、配置情報処理部36とを備えており、また、メモリ4は、対向基板間隔長記憶部41と、最大対向基板間隔長記憶部42とを備えている。
【0039】
このような構成を有するプリント基板設計装置は、例えば、パーソナルコンピュータやワークステーションなどの情報処理端末を用いて実現される。ここで、上記の情報処理端末におけるキーボードやマウスなどの入力手段は図1の入力部1に、CRT(Cathode Ray Tube)や液晶ディスプレイなどの表示出力手段は同じく表示部5に、以下に説明するプリント基板設計方法を実行するためのプログラムや部品に関するデータなどを記憶するためのハードディスクやMOなどの記憶装置は同じく記憶部2に、データを一時的に記憶するメモリは同じくメモリ4に、そしてプログラムに基づいて処理を実行するための中央演算処理装置は同じく処理部3にそれぞれ対応するものである。
【0040】
図2は、この実施の形態1における設計基板に部品を配置する場合の基板間隔長の計算方法を説明するための図である。200は設計基板である第一基板を、210は既設計基板で上記第一基板200に対向して配置される第二基板を示す。第二基板210上には、部品211、212、213、・・・が実装されている。ここで、第二基板210に対向する側の第一基板200の面上に部品201を配置する場合についてのプリント基板の設計方法の動作処理手順を、図3に示されるフローチャートを参照して説明する。なお、以下の説明において、図2における各部品の高さ(基板に垂直な方向における部品の長さ)をHn(nは各部品の符号を表す)で表すものとする。
【0041】
まず、基板設計者は、入力部1から第一基板200に新たな部品201を配置するための部品識別名や部品型名などの部品情報と、配置位置座標や搭載面情報などの配置情報を入力する(ステップS1)。この部品情報の入力において、配置しようとする部品の部品識別名と部品型名を、部品情報格納部21に格納されている部品情報から選択することも可能である。配置位置座標や搭載面情報などの配置情報の入力は、該部品を配置しようとする設計基板上の位置を指定することによって行われる。ここで、搭載面情報は、部品を設計基板に両面実装する場合に、どちらの面に実装するかを示す情報である。なお、以下の説明において、基板設計者が図2における部品201の部品情報を入力したものとする。
【0042】
処理部3の設計部品情報抽出部31は、入力された部品型名を用いて、部品情報格納部21から図2に示される部品201の部品形状および部品高さを抽出する(ステップS2)。既設計部品情報抽出部32は、ステップS2で求められた部品形状とステップS1で入力された配置位置座標を用いて、既設計基板である第二基板210上の部品であって配置しようとする部品と対向する位置に存在する既設計部品の部品配置情報を既設計基板部品配置情報格納部22から取得する。この場合では、部品212と部品213が部品201に対向する位置に存在する部品として抽出され、それぞれの部品高さH212とH213が既設計基板部品配置情報格納部22から取得される(ステップS3)。
【0043】
対向基板間隔長計算部33は、ステップS3で抽出された対向する第二基板210側の部品212、213の高さと、ステップS2で抽出された新たに配置する部品201の高さを用いて、対向基板間隔長を計算し(ステップS4)、求められたそれぞれの基板間隔長および計算に用いられた部品の高さが対向基板間隔長記憶部41に記憶される(ステップS5)。図2の例では、部品201と第二基板210上の部品212との対向基板間隔長はH201+H212と、部品201と第二基板210上の部品213との対向基板間隔長はH201+H213と、それぞれ計算される。
【0044】
図4は、対向基板間隔長記憶部41内に記憶される情報のフォーマットの一例を示す図である。この図4の場合には、第一基板200側には項目として部品型名と部品高さが設けられ、第二基板210側にも第一基板200側の項目に格納された部品に対向して配置される既設計部品の部品型名と部品高さが項目として設けられる。また、ステップS5で算出された第一基板200側と第二基板210側の部品高さの合計によって表される対向基板間隔長が格納される項目も設けられている。これらの項目の他に、第一基板200側と第二基板210側にそれぞれの部品の配置位置の情報など関連データを格納するための項目を設けてもよい。
【0045】
つぎに、最大対向基板間隔長抽出部34は、既に対向基板間隔長記憶部41に格納されたデータも含めて、最大の基板間隔長となる値を抽出する(ステップS6)。図2に示される例では、第一基板200側の部品201と第二基板210側の部品212との組み合わせによる対向基板間隔長H201+H212が、第一基板200側の部品201と第二基板210側の部品213との組み合わせによる対向基板間隔長H201+H213よりも大きいので、最大対向基板間隔長H1-2としてH201+H212が抽出される。抽出された最大対向基板間隔長は、最大対向基板間隔長記憶部42に格納される(ステップS7)。
【0046】
最大対向基板間隔長記憶部42に格納された最大対向基板間隔長H201+H212は、表示部5に表示され(ステップS8)、基板設計者に対して、現時点での第一基板200と第二基板210間の最大対向基板間隔長を提供する。
【0047】
そして、ステップS8で表示された最大対向基板間隔長H201+H212の値に対して、基板設計者はその値を確定するか否かについての決定を行う。例えば、基板設計者は、目標とする基板間隔長に、表示された最大対向基板間隔長が収まっていれば、上記の最大対向基板間隔長を確定し、逆に最大対向基板間隔長が、目標とする基板間隔長を超えたものとなってしまった場合には、設計をやり直すために確定を拒否すればよい。そして、入力部1より行われるこの基板設計者の決定は、配置確定判断部35によって判断される(ステップS9)。
【0048】
配置確定判断部35によって基板設計者が最大対向基板間隔長を確定すると判断された場合(ステップS9でYesの場合)には、配置情報処理部36は、設計基板部品配置情報記憶部23に上記のステップで配置した部品についての部品配置情報を格納する(ステップS10)。そして、再度ステップS1へと戻り、入力部1からの入力待ち状態となり、上述した処理が繰り返される。
【0049】
一方、配置確定判断部35によって最大対向基板間隔長を確定しないと判断された場合(ステップS9でNoの場合)には、配置情報処理部36は対向基板間隔長記憶部41から上記のステップS1で入力された新たな部品についての部品型名、部品の高さや計算された基板間隔長などのデータを消去する(ステップS11)。その後、新たな部品についてのデータが消去された対向基板間隔長記憶部41から最大対向基板間隔長が抽出され、表示部5に表示される(ステップS12)。そして、再度ステップS1へと戻り、入力部1からの入力待ち状態となり、上述した処理が繰り返される。
【0050】
図5は、以上に説明した処理が、第一基板200上で各部品について行われた結果の状態を示す図である。この図5において、部品201のほかにも部品が第一基板200上に配置されている。そして、第一基板200と第二基板210間の最大対向基板間隔長H1-2は、第一基板200上の部品202の高さH202と第二基板210上の部品211の高さH211との和、すなわちH202+H211であることがこの図5に示されている。
【0051】
以上のような構成を有するこの発明にかかるプリント基板設計装置およびその方法による効果について、従来のプリント基板設計装置との比較において、以下に詳しく説明する。
【0052】
従来のプリント基板設計装置において部品を設計基板上に配置する場合には、対向基板間隔長の設定を最初に行わなければならなかった。それは、その対向基板間隔長を基にして、部品の設計が適切か否かを判断するからである。しかし、最初に設定する対向基板間隔長は、ほとんどの場合、設計段階で種々の事情から変更する必要が生じてくる。その場合には、必要な変更を見積もった上で対向基板間隔長を再設定し、繰り返し最初から部品の設計が行われる。そして、このようにして完成した基板の対向基板間隔長は、一番最初に設定した対向基板間隔長よりも大きいものとなる。
【0053】
このように、プリント基板設計装置で設計を行う最初の段階で対向基板間隔長を設定しなければならない従来の技術では、設計段階で対向基板間隔長を変更しなければならなくなった場合に、それまでの操作がすべて無駄になってしまう。また、設計終了後の対向基板間隔長が最初に設定した対向基板間隔長よりも大きい値となる事実も存在する。つまり、設計の一番最初の段階で厳密に対向基板間隔長を設定することに、あまり意味はない。
【0054】
そこで、この発明にかかるプリント基板設計装置およびその方法では、設計の最初の段階で対向基板間隔長を設定しない代わりに、部品を配置する際に、その部品を配置する時点での最大対向基板間隔長を抽出して基板設計者に表示する。そして、表示された最大基板間隔長を受け入れるか否かは、基板設計者の判断にゆだねられる。
【0055】
一方、従来の技術で一番最初に設定した最大対向基板間隔長を設計途中で修正したくない場合には、設計したプリント基板が実装される場所の間隔を対向基板間隔長として設定すれば、例えば間隔3cmのところに設計したプリント基板を配置するのであれば3cmを対向基板間隔長として設定すれば(ここでは、説明の簡略化のために基板の厚さを考えないとする)、この発明と同様の効果が得られるように見える。しかしながら、従来の方法では、対向基板間隔長を設定値以下にすることが可能である場合であっても、対向基板間隔長を減少させることができない。なぜならば、最初に設定した対向基板間隔長は不変のものとして部品の配置が行われるからである。
【0056】
これに対して、この発明のプリント基板設計装置およびその方法によれば、設計の最初の段階で対向基板間隔長を設定せず、部品を配置する時の最大対向基板間隔長が基板設計者に対して表示されるので、基板設計者は最大の許容限度である対向基板間隔長、上記の例では3cm、を超えない限り自由に部品を配置することができる。その結果、最終的な最大基板間隔長を2.5cmにすることができたとすれば、従来の技術に比べて、0.5cmの長さだけ基板設計をコンパクトにすることができる。
【0057】
このように、この実施の形態1では、部品配置作業時に随時最大対向基板間隔長が表示されており、基板設計者が適切な対向基板間隔長を判断しながら設計作業を進めることにより、対向基板間隔長を変えながら部品の設計を行うことができる。また、それまで行ってきた作業を無駄にすることなく部品の設計を行うができる。
【0058】
実施の形態2.
図6は、この発明にかかるプリント基板設計装置の実施の形態2を示す図である。この図6に示されるプリント基板設計装置は、図1に示されるプリント基板設計装置の処理部3に最大対向基板間隔部品名抽出部37を、メモリ4に最大対向基板間隔部品名記憶部43を、さらに備えたものである。その他の構成は実施の形態1と同じであり、同一の構成要素については、上述した実施の形態1に付した符号と同一の符号を付して説明を省略している。
【0059】
ここで、図7のフローチャートを参照して、図6に示したプリント基板設計装置の動作処理手順について説明する。まず、実施の形態1の図3で説明したステップS1〜ステップS7と同じ処理を行って、新たな設計部品を配置することによる第一基板200と第二基板210との間の最大対向基板間隔長を、最大対向基板間隔長記憶部42に格納する(ステップS21〜S27)。すなわち、入力部1から入力され、第一基板200上に配置された新たな部品の高さと、該部品に対向する位置に配置された第二基板210上のすべての部品の高さとから対向基板間隔長を計算し、計算された対向基板間隔長が対向基板間隔長記憶部41に格納される。そして、該対向基板間隔長記憶部41に格納されている対向基板間隔長の中で最大のものが抽出され、最大対向基板間隔長記憶部42に格納される。
【0060】
その後、最大対向基板間隔部品名抽出部37によって、最大対向基板間隔長を有する部品名を、第一基板200上の部品については部品情報格納部21または設計基板部品配置情報記憶部23から、第二基板210上の部品については既設計基板部品配置情報格納部22からそれぞれ抽出し(ステップS28)、抽出した部品名を最大対向基板間隔部品名記憶部43へ格納する(ステップS29)。
【0061】
そして、最大対向基板間隔長記憶部42に格納された最大基板間隔長H201+H212と最大対向基板間隔部品名記憶部43に格納された第一基板200上の部品名と第二基板210上の部品名が、表示部5に表示され(ステップS30)、基板設計者に対して、現時点での第一基板200と第二基板210間の最大基板間隔長と該最大基板間隔長を構成する部品名とを提供する。
【0062】
ステップS30で表示された最大対向基板間隔長H201+H212の値に対して、基板設計者は入力部1からその値を確定するか否かについての決定を行い、その決定が配置確定判断部35によって判断される(ステップS31)。
【0063】
配置確定判断部35によって基板設計者が最大対向基板間隔長を確定すると判断された場合(ステップS31でYesの場合)には、配置情報処理部36は、設計基板部品配置情報記憶部23に上記のステップで配置した部品についての部品配置情報を格納し(ステップS32)、再度ステップS21へと戻り、入力部1からの入力待ち状態となり、上述した処理が繰り返される。
【0064】
一方、配置確定判断部35によって基板設計者が最大対向基板間隔長を確定しないと判断された場合(ステップS31でNoの場合)には、配置情報処理部36は対向基板間隔長記憶部41から上記のステップS21で入力された新たな部品についての部品高さや計算された基板間隔長などを、またはこれらに加えて関連データとして格納された部品型名や配置位置座標、搭載面情報などを消去する(ステップS33)。その後、対向基板間隔長記憶部41から最大対向基板間隔長と、それを構成する設計基板上と既設計基板上の部品名とを抽出して表示部5に表示し(ステップS34)、再度ステップS1へと戻り、入力部1からの入力待ち状態となり、上述した処理が繰り返される。
【0065】
この実施の形態2では、最大対向基板間隔長を構成している部品名も最大対向基板間隔長と共に基板設計者に提供するのでより基板設計者の作業効率を図ることが可能となる。
【0066】
実施の形態3.
図8は、この発明にかかるプリント基板設計装置の実施の形態3を示す図である。この図8に示されるプリント基板設計装置は、図1に示されるプリント基板設計装置のメモリ4に基板組立間隙値記憶部44をさらに備えたものである。その他の構成は実施の形態1と同じであり、同一の構成要素については、上述した実施の形態1に付した符号と同一の符号を付して説明を省略している。
【0067】
ここで、図9のフローチャートを参照して、図8に示したプリント基板設計装置の動作処理手順について説明する。
【0068】
まず、基板設計者は、対向する基板の組立時に予想される基板の反り等から確保すべき一律な基板組立間隙値を入力部1から入力する(ステップS41)。また、入力された基板組立間隙値は、基板組立間隙値記憶部44に格納される(ステップS42)。
【0069】
つぎに、入力部1から設計基板に新たな部品を配置するための部品識別名や部品型名などの部品情報と、配置位置座標や搭載面情報などの配置情報を入力する(ステップS43)。この部品情報の入力において、新たに配置しようとする部品の部品識別名と部品型名を、部品情報格納部21に格納されている部品情報から選択することも可能である。配置位置座標や搭載面情報などの部品情報の入力は、該部品を配置しようとする設計基板上の位置を指定することによって行われる。
【0070】
処理部3の設計部品情報抽出部31は、入力された部品型名を用いて、部品情報格納部21から部品の部品形状および部品高さを抽出し(ステップS44)、また、既設計部品情報抽出部32は、ステップS44で求められた部品形状とステップS43で入力された配置位置座標を用いて、既設計基板上の部品であって配置しようとする部品と対向する位置に存在する既設計部品の部品配置情報を既設計基板部品配置情報格納部22から取得する(ステップS45)。
【0071】
対向基板間隔長計算部33は、ステップS45で抽出された対向する既設計部品の高さと、ステップS44で抽出された配置する部品の高さと、基板組立間隙値記憶部44に格納されている基板組立間隙値とを加算して、対向基板間隔長を求め(ステップS46)、該基板間隔長と、計算に用いられた部品の高さ、そして基板組立間隙値が対向基板間隔長記憶部41に格納される(ステップS47)。図10は、対向基板間隔長記憶部41内に記憶される情報のフォーマットの一例を示す図であり、図4に示されるものと比較して項目「基板組立間隔長」がさらに付加されている。そして、この項目にステップS41で入力された基板組立間隙値が格納される。その他の項目は図4に示したものと同様であるので、説明を省略する。この図10では、基板組立間隙値として数値「A」が設定されている。そして、第一基板200の部品201と第二基板210の部品212との間の対向基板間隔長は、図10中の項目「基板間隔長」の欄に示されているようにH201+H212+Aとなる。なお、対向基板間隔長記憶部41には、他の配置位置などの関連データを項目として設けてもよい。
【0072】
この後の処理は、実施の形態1の図3で説明したステップS6〜S10と同じ処理を行って、設計しようとする部品の部品配置情報を設計基板部品配置情報記憶部23に格納し(ステップS48〜S52)、またはステップS6〜S12と同じ処理を行って設計していた部品の部品名と間隔長を対向基板間隔長記憶部41から消去して、該データを消去後の最大対向基板間隔長を表示する(ステップS48〜S54)。そして、それぞれ再度ステップS41へ戻って入力部1からの入力待ち状態となり、上述した処理が繰り返される。
【0073】
図11は、以上説明した処理によって、組立てられた部品の状態を模式的に示す図である。この図11において、最大対向基板間隔長を有する部分は、第一基板200上の部品202と第二基板210上の部品211とによって構成され、基板組立間隙値をAとすると、最大対向基板間隔長H1-2は、第一基板200上の部品202の高さH202と第二基板210上の部品211の高さH211と基板組立間隙値Aとの和、すなわちH202+H211+Aとなる。
【0074】
以上に説明したように、この実施の形態3では、実施の形態1における対向基板間隔長に基板組立間隙値を加算して組立を行っているので、対向基板組立条件を基板間隔に反映することが可能となる。また、基板設計者にとっては、組立時の基板の反り等を考慮したより現実的な条件で基板設計作業を行うことを可能とする。
【0075】
実施の形態4.
図12は、この発明にかかるプリント基板設計装置の実施の形態4を示す図である。この図12に示されるプリント基板設計装置は、図1に示されるプリント基板設計装置の記憶部2に部品組立間隙情報格納部24をさらに備えたものである。この部品組立間隙情報格納部24は、部品型名ごとに必要な部品高さ方向に確保する組立間隙値を格納しているデータベースである。その他の構成は実施の形態1と同じであり、同一の構成要素については、上述した実施の形態1に付した符号と同一の符号を付して説明を省略している。
【0076】
ここで、図13のフローチャートを参照して、図12に示したプリント基板設計装置の動作処理手順について説明する。
【0077】
まず、入力部1から設計基板に新たに部品を配置するための部品識別名や部品型名などの部品情報と、配置位置座標や搭載面情報などの配置情報を入力する(ステップS61)。この部品情報の入力において、配置しようとする新たな部品の部品識別名と部品型名を、部品情報格納部21に格納されている部品情報から選択することも可能である。配置位置座標や搭載面情報などの部品情報の入力は、該部品を配置しようとする設計基板上の位置を指定することによって行われる。
【0078】
つぎに、処理部3の設計部品情報抽出部31は、入力された部品型名を用いて、部品情報格納部21から部品の部品形状および部品高さを、部品組立間隙情報格納部24から該部品に必要な部品組立間隙値を抽出する(ステップS62)。また、既設計部品情報抽出部32は、ステップS62で求められた部品形状とステップS61で入力された配置位置座標を用いて、既設計基板上の部品であって配置しようとする部品と対向する位置に存在する既設計部品の部品配置情報を既設計基板部品配置情報格納部22から取得し、該取得した部品に必要な部品組立間隙値を部品組立間隙情報格納部24から抽出する(ステップS63)。
【0079】
対向基板間隔長計算部33は、ステップS63で抽出された対向する既設計基板側の部品の高さと、ステップS62で抽出された配置する部品の高さと、ステップS62およびS63で抽出された部品組立間隙値とを加算して対向基板間隔長を求めるが、このときに、部品組立間隙値として、ステップS62で抽出された部品組立間隙値とS63で抽出された部品組立間隙値との比較の結果、大きい方の値が用いられる(ステップS64)。そして、算出された対向基板間隔長と、それぞれの部品についての部品組立間隙値と、基板間隔長の計算に用いられた部品の高さが対向基板間隔長記憶部41に記憶される(ステップS65)。
【0080】
図14は、対向基板間隔長記憶部41内に記憶される情報のフォーマットの一例を示す図であり、図4に示されるものと比較して、第一基板側と第二基板側のそれぞれに項目「組立間隙」がさらに付加されている点が異なる。この項目「組立間隙」にステップS62およびS63で抽出された部品組立間隙値が格納される。その他の項目は図4に示したものと同様であるので、説明を省略する。この図14で、部品201、212、213の部品組立間隙値はそれぞれa、b、cであり、c<a<bの大小関係があるものとする。すると、部品201と部品212の場合の対向基板間隔長は、a<bであるから、H201+H212+bとなり、部品201と部品213の場合の対向基板間隔長は、c<aであるから、H201+H213+aとなる。なお、対向基板間隔長記憶部41には、他の配置位置などの関連データを項目として設けていてもよい。
【0081】
この後の処理は、実施の形態1の図3で説明したステップS6〜S10と同じ処理を行って、設計しようとする部品の部品配置情報を設計基板部品配置情報記憶部23に格納し(ステップS66〜S70)、またはステップS6〜S12と同じ処理を行って設計しようとする部品の部品名と間隔長を対向基板間隔長記憶部41から消去して、該データを消去後の最大対向基板間隔長を表示部5に表示する(ステップS66〜S72)。そして、それぞれ再度ステップS61へ戻って入力部1からの入力待ち状態となり、上述した処理が繰り返される。
【0082】
この実施の形態4によれば、部品型名ごとに異なる部品組立間隙値を対向基板間隔長計算部33で計算する際に加算し、部品組立間隙値によって補正された最大対向基板間隔長を基板設計者に対して表示できるようにしたので、よりきめ細かな対向基板間隔長を求めることが可能となる。また、基板設計者にとっては、電気、機構または放熱などの配置制約を織り込んだより現実的な条件で基板設計作業を行うことを可能とする。
【0083】
実施の形態5.
図15は、この発明にかかるプリント基板設計装置の実施の形態5を示す図である。この図15に示されるプリント基板設計装置は、図6に示されるプリント基板設計装置の処理部3に第n番対向基板間隔長抽出部38と第n番対向基板間隔部品名抽出部39を、メモリ4に第n番対向基板間隔長記憶部45と第n番対向基板間隔部品名記憶部46(nは自然数)をさらに備えたものである。その他の構成は実施の形態1と同じであり、同一の構成要素については、上述した実施の形態1に付した符号と同一の符号を付して説明を省略している。
【0084】
ここで、図16のフローチャートを参照して、図15に示したプリント基板設計装置の動作処理手順について説明する。
【0085】
まず、入力部1から、基板設計者が参照したいと考えている第n番目に大きい基板間隔長を抽出するために、番号「n」を入力する(ステップS81)。
【0086】
この後、実施の形態2の図7で説明したステップS21〜S29と同じ処理を行って、最大対向基板間隔長および該最大対向基板間隔長を構成する部品名を抽出し、メモリ4に格納する(ステップS82〜S90)。すなわち、入力部1から入力され、設計基板上に配置された部品の高さと、該部品に対向する位置に配置された既設計基板上の既設計部品の高さとから対向基板間隔長を計算し、対向基板間隔長記憶部41に格納する。そして、該対向基板間隔長記憶部41に格納されている対向基板間隔長の中で最大のものと、最大の対向基板間隔長を構成するそれぞれの基板上の部品名を抽出し、それぞれ最大対向基板間隔長記憶部42および最大対向基板間隔部品名記憶部43に格納する。
【0087】
その後、第n番対向基板間隔長抽出部38は、対向基板間隔長記憶部41からn番目に値の大きな対向基板間隔長を抽出し(ステップS91)、第n番対向基板間隔長記憶部45に格納する(ステップS92)。また、第n番対向基板部品名抽出部39は、第n番目に大きな対向基板間隔長を構成する部品の部品名を、設計基板上の部品については部品情報格納部21または設計基板部品配置情報記憶部23から、既設計基板上の部品については既設計基板部品配置情報格納部22からそれぞれ抽出し(ステップS93)、第n番対向基板間隔部品名記憶部46に格納する(ステップS94)。
【0088】
そして、最大基板間隔長およびそれを構成する部品名、並びに第n番目に大きい値を有する基板間隔長およびそれを構成する部品名が、表示部5に表示される(ステップS95)。表示された最大対向基板間隔長の値に対して、基板設計者は入力部1からその値を確定するか否かについての決定を行い、その決定が配置確定判断部35によって判断される(ステップS96)。
【0089】
配置確定判断部35によって基板設計者が最大対向基板間隔長を確定すると判断された場合(ステップS96でYesの場合)には、配置情報処理部36は、設計基板部品配置情報記憶部23に上記のステップで配置した部品についての部品配置情報を格納し(ステップS97)、再度ステップS81へと戻り、入力部1からの入力待ち状態となり、上述した処理が繰り返される。
【0090】
一方、配置確定判断部35によって基板設計者が最大対向基板間隔長を確定しないと判断された場合(ステップS96でNoの場合)には、配置情報処理部36は対向基板間隔長記憶部41から上記のステップS82で入力された部品についての部品高さや計算された基板間隔長を、またはこれらに加えて関連データとして格納された部品型名や配置位置座標、搭載面情報などを消去する(ステップS98)。その後、対向基板間隔長記憶部41から最大対向基板間隔長およびそれを構成する部品名、並びに第n番目に大きい値を有する対向基板間隔長およびそれを構成する部品名を抽出して表示部5に表示し(ステップS99)、再度ステップS81へと戻り、入力部1からの入力待ち状態となり、上述した処理が繰り返される。
【0091】
この実施の形態5によれば、最大対向基板間隔長とそれを構成する部品を表示するだけでなく、第n番目に大きな対向基板間隔長とそれを構成する部品についても基板設計者が選択的に表示できるようにしたので、適切な基板間隔長の判断が容易となる。
【0092】
実施の形態6.
上述した実施の形態1〜5では、既設計基板に対向する一枚の設計基板の該既設計基板と向かい合う面に部品を配置する場合を例に挙げて説明したが、本発明がこれらの形態に限定される趣旨のものではない。図17は、三枚の基板が対向して積層されている場合における部品の配置状態を示している。この図17において、300は設計基板を、310は設計基板300の上位面に対向して存在する既設計基板である上位基板を、そして320は設計基板300の下位面に対向して存在する既設計基板である下位基板をそれぞれ示している。
【0093】
この図17に示される三枚の基板が対向して重なり、その中の設計基板300を、上述した実施の形態1〜5に示されるプリント基板設計装置で設計する場合、既設計基板部品配置情報格納部22には上位基板310と下位基板320の部品配置情報が格納される。
【0094】
また、対向基板間隔長記憶部41には、設計基板300と上位基板310との間の対向基板間隔長H1-2と、設計基板300と下位基板320の間の対向基板間隔長H1-3とが別々に格納される。さらに、最大対向基板間長H2-3は、対向基板間隔長記憶部41に格納されたH1-2とH1-3のうち、最大のものをそれぞれ抽出し、それらと設計基板300の厚さtとの和として求められる。このようにして求められた最大対向基板間隔長H2-3が、表示部5によって基板設計者に対して表示される。
【0095】
上述した実施の形態1〜6に示したプリント基板設計装置およびその方法に限られず、これらの実施の形態に示された機能を、それぞれ組合せて実施することもまた可能である。
【0096】
また、上述した実施の形態1〜6に示した方法を、これらの方法の処理手順が格納されたプログラムとして構成し、これらのプログラムを、パーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することによって実現することができる。
【0097】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、前記設計基板上に配置しようとする前記部品についての部品情報を格納する部品情報格納手段と、既設計部品の部品配置情報を格納する既設計基板部品配置情報格納手段と、前記設計基板上に配置しようとする前記部品についての部品情報と配置情報を入力するための入力手段と、入力された前記部品の配置位置に対向して存在するすべての既設計部品の部品配置情報を前記既設計基板部品配置情報格納手段から抽出し、既設計部品と前記部品の高さを用いて、前記既設計部品と前記部品の組み合わせごとに対向基板間隔長を計算する対向基板間隔長計算手段と、該対向基板間隔長を格納する対向基板間隔長記憶手段と、該対向基板間隔長記憶手段から最大対向基板間隔長を抽出する最大対向基板間隔長抽出手段と、該最大対向基板間隔長を表示する表示手段とを備えるように構成したので、各部品を設計基板上に配置する時点で表示手段によって表示される最大対向基板間隔長を見ながら部品の配置を行うことができる。これにより、基板設計者は、プリント基板の設計開始の段階で予め基板間隔長を設定する必要がなく、最大対向基板間隔長が部品の配置の段階で所望の対向基板間隔長を超えないように設計するだけでよく、作業の効率性を図ることができるという効果を奏する。
【0098】
つぎの発明によれば、部品組立間隙値を格納する部品組立間隙情報格納手段をさらに備え、対向基板間隔長計算手段は、対向基板間隔長を計算する際に、部品の高さだけでなく該部品の部品組立間隙値をも考慮するように構成したので、部品の発熱などの現象が対向する部品に与える影響を抑制することができるという効果を奏する。また、これにより、部品ごとの組立間隙値が反映されるので、よりきめ細かな基板設計を行うことができるという効果を奏する。
【0099】
つぎの発明によれば、部品情報を格納する部品情報格納手段と、既設計部品の部品配置情報を格納する既設計基板部品配置情報格納手段と、設計基板上に配置しようとする部品の部品情報、配置情報および基板組立に必要な基板組立間隙値を入力するための入力手段と、入力された部品の配置位置に対向して存在するすべての既設計部品の部品配置情報を前記既設計基板部品配置情報格納手段から抽出し、既設計部品と部品の高さ情報および基板組立間隙値を用いて対向基板間隔長を計算する対向基板間隔長計算手段と、対向基板間隔長を格納する対向基板間隔長記憶手段と、対向基板間隔長記憶手段から最大対向基板間隔長を抽出する最大対向基板間隔長抽出手段と、最大対向基板間隔長を表示する表示手段とを備えるように構成したので、基板の反りなどの変形に起因する基板同士の衝突などの影響を抑制したプリント基板を設計することができるという効果を奏する。
【0100】
つぎの発明によれば、部品組立間隙値を格納する部品組立間隙情報格納手段をさらに備え、対向基板間隔長計算手段は、部品の部品組立間隙値を部品組立間隙情報格納手段より抽出し、部品の配置位置に対向して存在するすべての既設計部品の部品配置情報と部品組立間隙値を既設計基板部品配置情報格納手段と部品組立間隙情報格納手段からそれぞれ抽出し、既設計部品と部品の高さ情報、基板組立間隙値、および既設計部品と部品の組立間隙値のうち大きい方の組立間隙値を用いて、前記既設計部品と前記部品の組み合わせごとに対向基板間隔長を計算するように構成したので、基板の反りなどの変形に起因する基板同士の衝突などの影響と、部品の発熱などの現象が対向する部品に与える影響を抑制することができるという効果を奏する。
【0101】
つぎの発明によれば、設計基板上の配置が決定された部品についての部品配置情報を格納する設計基板部品配置情報記憶手段と、最大対向基板間隔長を構成する既設計部品を既設計基板部品配置情報格納手段から、設計基板上の部品名を部品情報格納手段または設計基板部品配置情報記憶手段からそれぞれ抽出する最大対向基板間隔部品名抽出手段と、抽出された既設計部品名および設計基板上の部品名を格納する最大対向基板間隔部品名記憶手段とをさらに備えるように構成したので、部品を前記設計基板上に配置するときに、その時点での最大対向基板間隔長と、該最大対向基板間隔長を構成する部品名を基板設計者が把握することができ、基板設計者の作業効率を図ることができるという効果を奏する。
【0102】
つぎの発明によれば、第n番目(nは自然数)に大きい対向基板間隔長を対向基板間隔長記憶手段から抽出する第n番対向基板間隔長抽出手段と、抽出された第n番対向基板間隔長を格納する第n番対向基板間隔長記憶手段と、抽出された第n番対向基板間隔長を構成する部品名を抽出する第n番対向基板間隔部品名抽出手段と、抽出された部品名を格納する第n番対向基板間隔部品名記憶手段とをさらに備えるよう構成したので、最大対向基板間隔長とそれを構成する部品名の他に、選択的に第n番目に大きい対向基板間隔長とそれを構成する部品名を表示することができるので、基板設計者はより適切な基板間隔長の判断を容易に行うことができるという効果を奏する。
【0103】
つぎの発明によれば、部品の部品情報を格納する部品情報格納手段と、上位および下位既設計基板上の既設計部品の部品配置情報を格納する既設計基板部品配置情報格納手段と、設計基板上の配置が決定された部品についての部品配置情報を格納する設計基板部品配置情報記憶手段と、設計基板上に配置しようとする部品の部品情報と配置情報を入力するための入力手段と、入力された部品の配置位置に対向して存在する上位または下位既設計基板上のすべての既設計部品の部品配置情報を抽出して、既設計部品と前記部品の組み合わせごとに対向基板間隔長を計算する対向基板間隔長計算手段と、対向基板間隔長を格納する対向基板間隔長記憶手段と、対向基板間隔長記憶手段から、設計基板と上位既設計基板との間の最大の対向基板間隔長と、設計基板と下位既設計基板との間の最大の対向基板間隔長とをそれぞれ抽出し、これら二つの最大の対向基板間隔長と、設計基板の厚さを加算することによって、上位既設計基板と下位既設計基板との間の最大対向基板間隔長を求める最大対向基板間隔長抽出手段と、最大対向基板間隔長を表示する表示手段とを備える構成としたので、三枚以上のプリント基板が対向して積層した場合であっても、最大対向基板間隔長を容易に表示することができるという効果を奏する。
【0104】
つぎの発明によれば、設計基板上に配置しようとする部品の配置位置に対向して存在するすべての既設計部品の部品配置情報を抽出し、既設計部品と前記部品の高さ情報を用いて、抽出された前記既設計部品と前記部品の組み合わせごとに対向基板間隔長を計算する対向基板間隔長計算工程と、計算された対向基板間隔長の中から最大対向基板間隔長を抽出する最大対向基板間隔長抽出工程と、最大対向基板間隔長を表示する表示工程とを含むように構成されているので、各部品を設計基板上に配置する時点で表示される最大対向基板間隔長を見ながら部品の配置を行うことができる。これにより、基板設計者は、プリント基板の設計開始の段階で予め基板間隔長を設定する必要がなく、最大対向基板間隔長が部品の配置の段階で所望の対向基板間隔長を超えないように設計するだけでよく、作業の効率性を図ることができるという効果を奏する。
【0105】
つぎの発明によれば、対向基板間隔長計算工程は、対向基板間隔長を計算するにあたり、基板組立に必要な基板組立間隙値をさらに加算するので、基板の反りなどの変形に起因する基板同士の衝突などの影響を抑制したプリント基板を設計することができるという効果を奏する。
【0106】
つぎの発明によれば、対向基板間隔長計算工程は、対向基板間隔長を計算するにあたり、前記部品または該部品に対向して配置される既設計部品の組立に必要な部品組立間隙値のうち最大の部品組立間隙値をさらに加算するので、部品の発熱などの現象が対向する部品に与える影響を抑制することができるという効果を奏する。また、これにより、部品ごとの組立間隙値が反映されるので、よりきめ細かな基板設計を行うことができるという効果を奏する。
【0107】
つぎの発明によれば、最大対向基板間隔長を構成する前記設計基板上の部品名および前記既設計部品の部品名を抽出する最大対向基板間隔部品名抽出工程をさらに含み、表示工程は、前記最大対向基板間隔長のほかに、該最大対向基板間隔長を構成する前記設計基板上の部品名および既設計部品名を表示するので、部品を前記設計基板上に配置するときに、その時点での最大対向基板間隔長と、該最大対向基板間隔長を構成する部品名を基板設計者が把握することができ、基板設計者の作業効率を図ることができるという効果を奏する。
【0108】
つぎの発明によれば、対向基板間隔長計算工程で計算された対向基板間隔長のうち第n番目(nは自然数)に大きい対向基板間隔長を抽出する第n番対向基板間隔長抽出工程と、第n番対向基板間隔長を構成する設計基板上の部品および既設計部品の部品名を抽出する第n番対向基板間隔部品名抽出手段とをさらに含み、表示工程は、最大対向基板間隔長と、最大対向基板間隔長を構成する設計基板上の部品名と既設計部品名に加えて、第n番対向基板間隔長と、第n番対向基板間隔長を構成する設計基板上の部品名と既設計部品名を表示するので、最大対向基板間隔長とそれを構成する部品名の他に、選択的に第n番目に大きい対向基板間隔長とそれを構成する部品名を表示することができるので、基板設計者はより適切な基板間隔長の判断を容易に行うことができるという効果を奏する。
【0109】
つぎの発明によれば、設計基板上に配置しようとする部品の配置位置に対向して存在するすべての既設計部品の部品配置情報を抽出し、既設計部品と部品の高さ情報を用いて、既設計部品と部品の組み合わせごとに対向基板間隔長を計算する対向基板間隔長計算工程と、計算された対向基板間隔長の中から、設計基板と上位既設計基板との間の最大の対向基板間隔長と、設計基板と下位既設計基板との間の最大の対向基板間隔長とをそれぞれ抽出し、これら二つの最大の対向基板間隔長と設計基板の厚さとを加算することによって、上位既設計基板と下位既設計基板との間の最大対向基板間隔長を求める最大対向基板間隔長抽出工程と、最大対向基板間隔長を表示する表示工程とを含むので、各部品を設計基板上に配置する時点で表示される最大対向基板間隔長を見ながら部品の配置を行うことができる。これにより、基板設計者は、プリント基板の設計開始の段階で予め基板間隔長を設定する必要がなく、最大対向基板間隔長が部品の配置の段階で所望の対向基板間隔長を超えないように設計するだけでよく、作業の効率性を図ることができるという効果を奏する。
【0110】
つぎの発明によれば、上述した発明のいずれか一つに記載された方法をプログラムにしたので、そのプログラムを用いて、上述したプログラム基板設計方法のいずれか一つの動作をコンピュータによって実行することができるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明にかかるプリント基板設計装置の実施の形態1を示すブロック図である。
【図2】 最大対向基板間隔長を求めるための方法を説明するための図である。
【図3】 図1に示したプリント基板設計装置の動作処理を示すフローチャートである。
【図4】 対向基板間隔記憶部に格納されるデータフォーマットの一例を示す図である。
【図5】 この発明にかかるプリント基板設計装置によって設計が完成したプリント基板の状態を示す図である。
【図6】 この発明にかかるプリント基板設計装置の実施の形態2を示すブロック図である。
【図7】 図6に示したプリント基板設計装置の動作処理を示すフローチャートである。
【図8】 この発明にかかるプリント基板設計装置の実施の形態3を示すブロック図である。
【図9】 図8に示したプリント基板設計装置の動作処理を示すフローチャートである。
【図10】 対向基板間隔記憶部に格納されるデータフォーマットの一例を示す図である。
【図11】 図8に示したプリント基板設計装置によって設計が完成したプリント基板の状態を示す図である。
【図12】 この発明にかかるプリント基板設計装置の実施の形態4を示すブロック図である。
【図13】 図12に示したプリント基板設計装置の動作処理を示すフローチャートである。
【図14】 対向基板間隔記憶部に格納されるデータフォーマットの一例を示す図である。
【図15】 この発明にかかるプリント基板設計装置の実施の形態5を示す図である。
【図16】 図15に示したプリント基板設計装置の動作処理を示すフローチャートである。
【図17】 実施の形態6に示されるプリント基板設計装置によって設計が完成したプリント基板の状態を示す図である。
【符号の説明】
1 入力部、2 記憶部、3 処理部、4 メモリ、5 表示部、21 部品情報格納部、22 既設計基板部品配置情報格納部、23 設計基板部品配置情報記憶部、24 部品組立間隙情報格納部、31 設計部品情報抽出部、32 既設計部品情報抽出部、33 対向基板間隔長計算部、34 最大対向基板間隔長抽出部、35 配置確定判断部、36 配置情報処理部、37 最大対向基板間隔部品名抽出部、38 第n番対向基板間隔長抽出部、39 第n番対向基板間隔部品名抽出部、41 対向基板間隔長記憶部、42 最大対向基板間隔長記憶部、43 最大対向基板間隔部品名記憶部、44 基板組立間隙値記憶部、45 第n番対向基板間隔長記憶部、46 第n番対向基板間隔部品名記憶部、200,300 設計基板、210 既設計基板、310 上位基板、320 下位基板。
Claims (14)
- 部品が配置された既に設計済みの既設計基板に対向する設計基板の面上に部品の配置設計を行うプリント基板設計装置において、
前記設計基板上に配置しようとする部品についての部品名と高さを含む部品情報を格納する部品情報格納手段と、
前記既設計基板上の既設計部品の部品名、高さ、配置位置座標および搭載面情報を含む部品配置情報を格納する既設計基板部品配置情報格納手段と、
前記設計基板上に配置しようとする新たな部品についての部品情報が前記部品情報格納手段から選択され、該新たな部品の配置位置座標および搭載面情報を含む配置情報が入力される入力手段と、
入力された前記新たな部品の配置位置に対向して存在する前記既設計基板上のすべての既設計部品の部品配置情報を前記既設計基板部品配置情報格納手段から抽出し、前記既設計部品と前記新たな部品の高さの和である対向基板間隔長を、前記既設計部品と前記新たな部品の組み合わせごとに計算する対向基板間隔長計算手段と、
計算された前記対向基板間隔長を格納する対向基板間隔長記憶手段と、
該対向基板間隔長記憶手段に記憶された対向基板間隔長のうち最大となる最大対向基板間隔長を抽出する最大対向基板間隔長抽出手段と、
前記最大対向基板間隔長を表示する表示手段と、
を備え、前記新たな部品を前記設計基板上に配置するときに、各部品を配置した各時点での最大対向基板間隔長が前記表示手段によって表示されることを特徴とするプリント基板設計装置。 - 基板設計に使用する部品の組立に必要な部品組立間隙値を部品ごとに格納する部品組立間隙情報格納手段をさらに備え、
前記対向基板間隔長計算手段は、前記新たな部品の部品組立間隙値を前記部品組立間隙情報格納手段から抽出し、前記新たな部品の配置位置に対向して存在する前記既設計基板上のすべての既設計部品の部品配置情報と部品組立間隙値を前記既設計基板部品配置情報格納手段と前記部品組立間隙情報格納手段からそれぞれ抽出し、前記既設計部品と前記新たな部品の高さと、前記既設計部品と前記新たな部品の部品組立間隙値のうち大きい方の部品組立間隙値との和である対向基板間隔長を、前記既設計部品と前記新たな部品の組み合わせごとに計算することを特徴とする請求項1に記載のプリント基板設計装置。 - 部品が配置された既に設計済みの既設計基板に対向する設計基板の面上に部品の配置設計を行うプリント基板設計装置において、
前記設計基板上に配置しようとする部品についての部品名と高さを含む部品情報を格納する部品情報格納手段と、
前記既設計基板上の既設計部品の部品名、高さ、配置位置座標および搭載面情報を含む部品配置情報を格納する既設計基板部品配置情報格納手段と、
前記設計基板上に配置しようとする新たな部品についての部品情報が前記部品情報格納手段から選択され、該新たな部品の配置位置座標および搭載面情報を含む配置情報と、基板組立に必要な確保すべき間隙値である基板組立間隙値とが入力される入力手段と、
入力された前記新たな部品の配置位置に対向して存在する前記既設計基板上のすべての既設計部品の部品配置情報を前記既設計基板部品配置情報格納手段から抽出し、前記既設計部品と前記新たな部品の高さと前記基板組立間隙値との和である対向基板間隔長を、前記既設計部品と前記新たな部品の組み合わせごとに計算する対向基板間隔長計算手段と、
前記対向基板間隔長を格納する対向基板間隔長記憶手段と、
該対向基板間隔長記憶手段に記憶された対向基板間隔長のうち最大となる最大対向基板間隔長を抽出する最大対向基板間隔長抽出手段と、
抽出された前記最大対向基板間隔長を表示する表示手段と、
を備え、前記新たな部品を前記設計基板上に配置するときに、各部品を配置した各時点での最大対向基板間隔長が前記表示手段によって表示されることを特徴とするプリント基板設計装置。 - 基板設計に使用する部品の組立に必要な部品組立間隙値を部品ごとに格納する部品組立間隙情報格納手段をさらに備え、
前記対向基板間隔長計算手段は、前記新たな部品の部品組立間隙値を前記部品組立間隙情報格納手段から抽出し、前記新たな部品の配置位置に対向して存在する前記既設計基板上のすべての既設計部品の部品配置情報と部品組立間隙値を前記既設計基板部品配置情報格納手段と前記部品組立間隙情報格納手段からそれぞれ抽出し、前記既設計部品と前記新たな部品の高さと、前記基板組立間隙値と、前記既設計部品と前記新たな部品の部品組立間隙値のうち大きい方の部品組立間隙値との和である対向基板間隔長を、前記既設計部品と前記新たな部品の組み合わせごとに計算することを特徴とする請求項3に記載のプリント基板設計装置。 - 前記設計基板上の部品であって配置が決定された部品についての部品名、高さ、配置位置座標および搭載面情報を含む部品配置情報を格納する設計基板部品配置情報記憶手段と、
前記最大対向基板間隔長を構成する、前記既設計部品名を前記既設計基板部品配置情報格納手段から抽出し、前記設計基板上の部品名を前記部品情報格納手段または前記設計基板部品配置情報記憶手段から抽出する最大対向基板間隔部品名抽出手段と、
該抽出された既設計部品名および前記設計基板上の部品名を格納する最大対向基板間隔部品名記憶手段と、
をさらに備え、新たな部品を前記設計基板上に配置するときに、前記最大対向基板間隔部品名記憶手段に記憶された前記既設計部品名と前記設計基板上の部品名とがさらに前記表示手段に表示されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のプリント基板設計装置。 - 前記入力手段から指定された第n番目(nは自然数)に大きい第n番対向基板間隔長を、前記対向基板間隔長記憶手段に格納される対向基板間隔長の中から抽出する第n番対向基板間隔長抽出手段と、
前記抽出された第n番対向基板間隔長を構成する既設計部品名を前記既設計基板部品配置情報格納手段から抽出し、前記設計基板上の部品名を前記部品情報格納手段または前記設計基板部品配置情報記憶手段から抽出する第n番対向基板間隔部品名抽出手段と、
をさらに備え、前記第n番対向基板間隔長抽出手段と前記第n番対向基板間隔部品名抽出手段によって抽出された前記第n番対向基板間隔長および該第n番対向基板間隔長を構成する既設計部品名と設計基板上の部品名がさらに前記表示手段に表示されることを特徴とする請求項5に記載のプリント基板設計装置。 - 上側設計面には上位既設計基板が対向して配置され、下側設計面には下位既設計基板が対向して配置される設計基板の前記上側設計面および前記下側設計面に部品の配置設計を行うプリント基板設計装置において、
前記設計基板上に配置しようとする部品についての部品名と高さを含む部品情報を格納する部品情報格納手段と、
前記上位および前記下位既設計基板上の既設計部品の部品名、高さ、配置位置座標および搭載面情報を含む部品配置情報を格納する既設計基板部品配置情報格納手段と、
前記設計基板上の部品であって配置が決定された部品についての部品名、高さ、配置位置座標および搭載面情報を含む部品配置情報を格納する設計基板部品配置情報記憶手段と、
前記設計基板上に配置しようとする新たな部品についての部品情報が前記部品情報格納手段から選択され、該新たな部品の配置位置座標および搭載面情報を含む配置情報が入力される入力手段と、
入力された前記新たな部品の配置位置に対向して存在する前記上位または前記下位既設計基板上のすべての既設計部品の部品配置情報を前記既設計基板部品配置情報格納手段から抽出し、前記既設計部品と前記新たな部品の高さの和である対向基板間隔長を、前記既設計部品と前記新たな部品の組み合わせごとに計算する対向基板間隔長計算手段と、
該対向基板間隔長を格納する対向基板間隔長記憶手段と、
該対向基板間隔長記憶手段から、前記設計基板の上側設計面と前記上位既設計基板との間の最大の対向基板間隔長と、前記設計基板の下側設計面と前記下位既設計基板との間の最大の対向基板間隔長とをそれぞれ抽出し、これら二つの最大の対向基板間隔長と前記設計基板の厚さとの和である最大対向基板間隔長を求める最大対向基板間隔長抽出手段と、
該最大対向基板間隔長を表示する表示手段と、
を備え、新たな部品を前記設計基板上に配置するときに、各部品を配置した各時点での最大対向基板間隔長が前記表示手段によって表示されることを特徴とするプリント基板設計装置。 - 設計基板上に配置しようとする部品についての部品名と高さを含む部品情報と、部品が配置された既に設計済みの既設計基板上の既設計部品の部品名、高さ、配置位置座標および搭載面情報を含む部品配置情報と、を格納する記憶手段と、
入力手段と、
表示手段と、
前記入力手段から入力された情報に基づいて所定の処理を行う処理手段と、
を備えるプリント基板設計装置におけるプリント基板設計方法であって、
前記設計基板上に配置しようとする新たな部品についての前記部品情報と、この新たな部品の配置位置座標および搭載面情報を含む部品配置情報が入力手段によって入力される入力工程と、
前記処理手段が、前記新たな部品の配置位置に対向して存在するすべての既設計部品の前記部品配置情報を前記記憶手段から抽出し、前記既設計部品と前記新たな部品の高さの和である対向基板間隔長を、前記既設計部品と前記新たな部品の組み合わせごとに計算する対向基板間隔長計算工程と、
前記処理手段が、該計算された対向基板間隔長の中から最大対向基板間隔長を抽出して、前記表示手段に表示する表示工程と、
を含むことを特徴とするプリント基板設計方法。 - 前記入力工程では、基板組立に必要な確保すべき間隙値である基板組立間隙値がさらに入力手段によって入力され、
前記対向基板間隔長計算工程では、前記処理手段は、前記対向基板間隔長の算出時に、前記基板組立間隙値をさらに加算することを特徴とする請求項8に記載のプリント基板設計方法。 - 前記記憶手段は、基板設計に使用する部品の組立に必要な部品組立間隙値を部品ごとにさらに格納し、
前記対向基板間隔長計算工程では、前記処理手段は、前記対向基板間隔長の算出時に、前記新たな部品または前記新たな部品に対向して配置される既設計部品の組立に必要な部品組立間隙値のうち最大の部品組立間隙値を前記記憶手段から抽出し、この抽出した部品組立間隙値をさらに加算することを特徴とする請求項8または9に記載のプリント基板設計方法。 - 前記処理手段は、前記最大対向基板間隔長を構成する前記設計基板上の部品名および前記既設計部品の部品名を、前記記憶手段に格納される前記設計基板上の部品であって配置が決定された部品についての部品名、高さ、配置位置座標および搭載面情報を含む部品配置情報から抽出する最大対向基板間隔部品名抽出工程をさらに含み、
前記表示工程では、前記表示手段は、前記最大対向基板間隔長のほかに、前記最大対向基板間隔部品名抽出工程で抽出した前記最大対向基板間隔長を構成する前記設計基板上の部品名と前記既設計基板上の既設計部品名を表示することを特徴とする請求項8〜10のいずれか一つに記載のプリント基板設計方法。 - 前記処理手段は、
前記対向基板間隔長計算工程で計算された対向基板間隔長のうち第n番目(nは自然数)に大きい第n番対向基板間隔長を抽出する第n番対向基板間隔長抽出工程と、
該第n番対向基板間隔長を構成する前記設計基板上の部品および前記既設計部品の部品名を前記部品情報格納手段または前記設計基板部品配置情報記憶手段、および前記既設計 基板部品配置情報格納手段から抽出する第n番対向基板間隔部品名抽出工程と、
をさらに含み、
前記表示工程では、前記表示手段は、前記最大対向基板間隔長と、該最大対向基板間隔長を構成する前記設計基板上の部品名と前記既設計基板上の既設計部品名に加えて、前記第n番対向基板間隔長と、該第n番対向基板間隔長を構成する前記設計基板上の部品名と前記既設計基板上の既設計部品名を表示することを特徴とする請求項11に記載のプリント基板設計方法。 - 設計基板上に配置しようとする部品についての部品名と高さを含む部品情報と、部品が配置された既に設計済みの既設計基板上の既設計部品の部品名、高さ、配置位置座標および搭載面情報を含む部品配置情報と、を格納する記憶手段と、
入力手段と、
表示手段と、
前記入力手段から入力された情報に基づいて所定の処理を行う処理手段と、
を備え、前記設計基板の上側設計面には上位既設計基板が対向して配置され、下側設計面には下位既設計基板が対向して配置される設計基板の前記上側設計面および前記下側設計面に部品の配置設計を行うプリント基板設計装置におけるプリント基板設計方法であって、
前記設計基板上に配置しようとする新たな部品についての前記部品情報と、この新たな部品の配置位置座標および搭載面情報を含む部品配置情報が入力手段によって入力される入力工程と、
前記処理手段が、前記新たな部品の配置位置に対向して存在する前記上位または前記下位既設計基板上のすべての既設計部品の前記部品配置情報を前記記憶手段から抽出し、前記既設計部品と前記新たな部品の高さの和である対向基板間隔長を、前記既設計部品と前記新たな部品の組み合わせごとに計算する対向基板間隔長計算工程と、
前記処理手段が、前記計算した対向基板間隔長の中から、前記上側設計基板と前記上位既設計基板との間の最大の対向基板間隔長と、前記下側設計基板と前記下位既設計基板との間の最大の対向基板間隔長とをそれぞれ抽出し、これら二つの最大の対向基板間隔長と前記設計基板の厚さとの和である最大対向基板間隔長を求める最大対向基板間隔長抽出工程と、
前記処理手段が、前記最大対向基板間隔長抽出工程で求められた前記最大対向基板間隔長を前記表示手段に表示する表示工程と、
を含むことを特徴とするプリント基板設計方法。 - 請求項8〜13のいずれか一つに記載されたプリント基板設計方法をコンピュータに実行するためのプログラム。
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