JP3763942B2 - ガスタービン燃料供給制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、低NOx燃焼器を用いたガスタービン燃料供給制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、発電用ガスタービンにおいては、排ガスNOx低減対策として予混合燃焼法を採用した低NOx燃焼器が採用されている。すなわち、ガスタービン負荷上昇過程にて燃焼温度が規定の温度に達すると、燃焼モードを拡散燃焼モードより予混合燃焼モードへと移行することにより燃焼状態の最適化を図り、NOx低減を図っている。
【0003】
図7は、低NOx燃焼器に対し燃料を供給する燃料供給装置の配管系統を示す系統図である。ガスタービンに使用される燃料は、燃料配管1に配設された燃料遮断弁2を通り燃料調節弁3に導かれる。そして、この燃料調節弁3によってガスタービンの要求負荷に応じた総燃料流量が制御される。燃料調節弁3を出た燃料は、その下流側で拡散燃料配管4と予混合燃料配管5に分岐されて燃焼器に供給される。
【0004】
そして、拡散燃料配管4には拡散燃料調節弁6が、予混合燃料配管5には予混合燃料調節弁7が各々配設されており、各々の燃料流量を制御している。図8は拡散燃料調節弁6および予混合燃料調節弁7の開度制御の説明図である。
【0005】
図8において、特性曲線S1は拡散燃料調節弁6の開度を示し、特性曲線S2は予混合燃料調節弁7の開度を示している。図8に示すように、ガスタービン負荷が所定値(定格値100%に対してα%)未満の場合は、拡散燃料調節弁6は全開(開度100%)、予混合燃料調節弁7は全閉(開度0%)であり、燃焼器への燃料供給量は燃料調節弁3で制御される。
【0006】
そして、ガスタービン負荷が所定値α%以上の要求となった場合には、燃料モードの移行が開始され、拡散燃料調節弁6が所定開度a1となるように閉方向に制御されると共に、予混合燃料調節弁7が所定開度b1となるように開方向に制御される。このようにして、ガスタービン負荷の上昇に伴って、拡散燃料調節弁6と予混合燃料調節弁7の開度は制御される。
【0007】
図9は、予混合燃焼モードで運転中にガスタービンの負荷遮断が発生した際の燃料調節弁3、拡散燃料調節弁6、予混合燃料調節弁7の開度制御の説明図である。特性曲線S1は拡散燃料調節弁6の開度、特性曲線S2は予混合燃料調節弁7の開度、特性曲線S3は燃料調節弁3の開度、特性曲線S4は拡散燃料調節弁6を通過する燃料流量、特性曲線S5は予混合燃料調節弁7を通過する燃料流量をそれぞれ示している。
【0008】
いま、負荷遮断が発生したとすると、特性曲線S3に示されるように、燃料調節弁3がガスタービンのオーバースピードを抑制するために最小火炎保持開度まで閉方向へ制御される。また、これと同時に特性曲線S1に示されるように、拡散燃料調節弁6が所定開度a1より全開(開度100%)になるように開方向へ制御され、さらに特性曲線S2に示されるように予混合燃料調節弁7が所定開度より全閉(開度0%)となるように閉方向へ制御される。
【0009】
この結果、予混合燃料調節弁7を通過する燃料流量は、特性曲線S5に示すように予混合燃料調節弁7が閉方向に制御されるに合わせ燃料流量が降下し、最終的には零になる。また、拡散燃料調節弁6を通過する燃料流量は、特性曲線S4に示すように一旦上昇して下降し、その後に上昇して燃料調節弁3の最小火炎保持開度で決まる燃料流量になる。
【0010】
このようにして、ガスタービンの負荷遮断が発生したときは、拡散燃料調節弁6は全開、予混合燃料調節弁7は全閉となり、最終的には燃料流量が全て拡散燃料調節弁6を通過するように制御される。また、トータル燃料流量は燃料調節弁3にて決定され、燃料調節弁3は、ガスタービンのオーバースピードを抑制する為に最小火炎保持開度までに閉方向へ制御された後、ガスタービンを定格スピードに維持するために制御される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、図9に示すようにガスタービンの負荷遮断が発生したときに予混合燃焼モードから拡散燃焼モードへ燃料制御が移行する際には、特性曲線S4に示すように、拡散燃料調節弁6を通過する燃料は、拡散燃料調節弁6の開方向制御によって一旦増加するが、トータル燃料を制御する燃料調節弁3の閉方向制御によって減少し、その後に再度増加する特性となる。
【0012】
この拡散燃料調節弁6を通過する燃料流量が、一旦増方向の変化より減方向に変化した際に、一時的に、燃焼器の火炎を保持する最小燃料流量以下に低下してしまうことがあり、そうした場合には、燃焼器内の火炎が維持できず失火する現象が発生することになる。
【0013】
本発明の目的は、ガスタービンの負荷遮断が発生した時に、燃料流量が一時的に燃焼器の火炎を維持する最小燃料流量以下に低下するのを防止することのできるガスタービン燃料供給制御装置を提供することである。
【0014】
【課題を解決する為の手段】
請求項1の発明に係わるガスタービン燃料供給制御装置は、ガスタービン出力が急減したことを検出する出力急減検出手段と、出力急減検出手段でガスタービン出力の急減が検出されたときに動作開始し所定の時間経過後に動作停止となるタイマ手段と、予め定められた最小火炎保持燃料流量に相当する第1の燃料流量設定値を設定するための第1の設定手段と、第1の燃料流量設定値より大きい第2の燃料流量設定値を設定するための第2の設定手段と、タイマ手段の動作時間中は第2の燃料流量設定値を出力しタイマ手段の不動作中は第1の燃料流量設定値を出力する信号切換手段とを備えたものである。
【0015】
請求項1の発明に係わるガスタービン燃料供給制御装置では、ガスタービン出力が急減したことを出力急減検出手段で検出したときは、タイマ手段が動作開始し所定の時間経過後に動作を停止する。そして、信号切換手段は、タイマ手段の不動作中は第1の設定器に設定された最小火炎保持燃料流量に相当する第1の燃料流量設定値を出力し、タイマ手段の動作時間中は第1の燃料流量より大きい第2の設定手段に設定された第2の燃料流量設定値を出力する。
【0016】
請求項2の発明に係わるガスタービン燃料供給制御装置は、請求項1に記載のガスタービン燃料供給制御装置において、第2の設定手段は、ガスタービン出力が急減する直前のガスタービン出力に基づいて第2の燃料流量設定値を決定するようにしたことを特徴とするガスタービン燃料供給制御装置。
【0017】
請求項2の発明に係わるガスタービン燃料供給制御装置では、請求項1の発明の作用に加え、ガスタービン出力が急減する直前のガスタービン出力に基づいて第2の燃料流量設定値が決定され、その第2の燃料流量設定値により燃料流量は制御される。
【0018】
請求項3の発明に係わるガスタービン燃料供給制御装置は、請求項2に記載のガスタービン燃料供給制御装置において、タイマ手段は、ガスタービン出力が急減する直前のガスタービン出力に基づいて動作時間である所定の時間を決定するようにしたことを特徴とするガスタービン燃料供給制御装置。
【0019】
請求項3の発明に係わるガスタービン燃料供給制御装置では、請求項2の発明の作用に加え、ガスタービン出力が急減する直前のガスタービン出力に基づいてタイマ手段はその動作時間である所定の時間が決定され、その動作期間中は第2の燃料流量設定値で燃料流量は制御される。
【0020】
請求項4の発明に係わるガスタービン燃料供給制御装置は、請求項1に記載のガスタービン燃料供給制御装置において、第2の設定手段は、ガスタービン出力が急減する直前のガスタービン燃料流量指令に基づいて第2の燃料流量設定値を決定するようにしたことを特徴とするガスタービン燃料供給制御装置。
【0021】
請求項4の発明に係わるガスタービン燃料供給制御装置では、請求項1の発明の作用に加え、ガスタービン出力が急減する直前のガスタービン燃料流量指令に基づいて第2の燃料流量設定値が決定され、その第2の燃料流量設定値により燃料流量は制御される。
【0022】
請求項5の発明に係わるガスタービン燃料供給制御装置は、請求項4に記載のガスタービン燃料供給制御装置において、タイマ手段は、ガスタービン出力が急減する直前のガスタービン燃料流量指令に基づいて動作時間である所定の時間を決定するようにしたことを特徴とするガスタービン燃料供給制御装置。
【0023】
請求項5の発明に係わるガスタービン燃料供給制御装置では、請求項4の発明の作用に加え、ガスタービン出力が急減する直前のガスタービン燃料流量指令に基づいてタイマ手段の動作時間である所定の時間が決定され、その動作期間中は第2の燃料流量設定値で燃料流量は制御される。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に係わるガスタービン燃料供給制御装置の構成図である。ガスタービンの運転中にガスタービン出力が急減したことは出力急減検出手段8で検出される。この出力急減検出手段8としては、発電系統事故やガスタービン発電機遮断器の開放等の負荷遮断発生を検出する負荷遮断検出器や、ガスタービン入熱と発電出力とのアンバランスを検知するパワーロードアンバランス回路が用いられる。
【0025】
出力急減検出手段8で検出されたガスタービンの出力急減信号はシングルショット発生手段9に入力され、ここで1パルス信号に変換される。この1パルス信号はタイマ手段10に入力される。タイマ手段10は入力信号がONすると直ちに出力信号をONさせ、予め決められた設定時間が経過した後に出力信号をOFFするように動作する。
【0026】
タイマ手段10の出力信号は、信号切換手段11に入力される。信号切換手段11には、予め定められた最小火炎保持燃料流量に相当する第1の燃料流量設定値γ%を設定するための第1の設定手段12と、第1の燃料流量設定値γ%より大きい第2の燃料流量設定値β%を設定するための第2の設定手段13とが接続されている。
【0027】
第1の燃料流量設定値γ%は、従来例と同様に最小火炎保持燃料流量に相当する設定値であり、第2の燃料流量設定値β%は第1の燃料流量設定値γ%より大きな値が設定されている。信号切換手段11は、タイマ手段10からの入力信号がONの場合は、第2の燃料流量設定値β%を出力し、タイマ手段10からの入力信号がOFFの場合は、燃料流量設定値γ%を出力するように動作する。この信号切換手段11の出力が、燃焼器の火炎を保持するための最小燃料流量設定となり燃料調節弁3を制御することになる。
【0028】
いま、ガスタービンの負荷遮断が発生しガスタービン出力が急減したとする。そうすると、出力急減検出手段8がONしシングルショット発生手段9に出力する。シングルショット発生手段9は1パルス信号をタイマ手段10に出力し、タイマ手段10はその出力を直ちにONすると共に予め設定された時間が経過すると出力をOFFさせる。タイマ手段10の出力がONすることで、信号切換手段11は燃料流量設定値β%を出力し、タイマ手段10の出力がOFFすることで燃料流量設定値γ%に出力を切替える。信号切換手段11の出力は、燃焼器の火炎を保持するための最小燃料流量設定となり燃料調節弁3を制御する。
【0029】
図2は、予混合燃焼モードで運転中にガスタービンの負荷遮断が発生した際の燃料調節弁3、拡散燃料調節弁6、予混合燃料調節弁7の開度制御の説明図である。特性曲線S1は拡散燃料調節弁6の開度、特性曲線S2は予混合燃料調節弁7の開度、特性曲線S3は燃料調節弁3の開度、特性曲線S4は拡散燃料調節弁6を通過する燃料流量、特性曲線S5は予混合燃料調節弁7を通過する燃料流量をそれぞれ示している。
【0030】
特性曲線S1に示される拡散燃料調節弁6の開度制御と、特性曲線S2に示される予混合流量調節弁7の開度制御は、図9に示した従来例と同様に行われる。一方、特性曲線S3に示される燃料調節弁3の開度は、負荷遮断発生にて直ちに閉方向に動作するが、所定開度(第2の燃料流量設定値β%に相当の開度)で一旦その開度を保持し、その後、再度、閉方向へ動作し所定開度(第1の燃料流量設定値γ%に相当の開度)になっている。
【0031】
これは、出力急減検出手段8が動作すると直ちに信号切換手段11が第2の燃料流量設定値β%を出力することによって、燃料調節弁3の開度が第2の燃料流量設定値β%に相当する開度に制御されていることを示す。また、タイマ手段10にて予め設定された時間が経過すると信号切換手段11の出力が第1の燃料流量設定値γ%に切替るため、特性曲線S3に示されるように、一旦、第2の燃料流量設定値β%に相当する開度で保持した燃料調節弁3の開度は、再度、閉方向へ動作し、第1の燃料流量設定値γ%に相当する開度に制御される。
【0032】
この結果、特性曲線S4に示すように拡散燃料調節弁6を通過する燃料流量は、負荷遮断発生後には、増方向の変化を続けるようになっている。
【0033】
このように、第1の実施の形態によれば、負荷遮断後の燃料流量設定を段階的に減少させることによって、燃料流量が燃焼器の火炎を保持するための最小燃料流量以下に低下することを防止できる。
【0034】
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。図3は本発明の第2の実施の形態に係わるガスタービン燃料供給制御装置の構成図である。この第2の実施の形態は、図1に示した第1の実施の形態に対し、第2の設定手段13は、ガスタービン出力が急減する直前のガスタービン出力に基づいて第2の燃料流量設定値を決定するようにしたものである。
【0035】
すなわち、第2の設定手段13は以下のように構成される。ガスタービン出力検出手段14で検出されたガスタービン出力信号はアナログ信号遅延手段15に入力される。アナログ信号遅延手段15は、入力信号の変化に対し出力信号の変化を所定時間遅らせる働きを持つ。アナログ信号遅延手段15の出力はアナログ信号切換手段16に入力されている。
【0036】
アナログ信号切換手段16には、アナログ信号遅延手段15からの信号以外にシングルショット発生手段9からの信号とアナログ信号切換手段16の出力信号が入力されており、シングルショット発生手段9からの信号がONの場合は、アナログ信号遅延手段15からの信号を出力し、シングルショット発生手段9かの信号がOFFの場合は、アナログ信号切換手段16の出力信号を再度出力するようになっている。
【0037】
アナログ信号切換手段16からの出力信号は、第1の関数発生手段17に入力されており、第1の関数発生手段17では、ガスタービン出力に応じた燃料流量指令が決定され、この出力を信号切換手段11に入力している。
【0038】
次に、第2の実施の形態の作用を説明する。ガスタービンの負荷遮断が出力急減検出手段8にて検出されたとすると、シングルショット発生手段9が1パルスを出力する。また、ガスタービン出力検出手段14からの信号は負荷遮断の発生によって負荷遮断発生前の出力より零に変化するが、アナログ信号遅延手段15にてその出力信号の変化は所定時間だけ遅れるため、負荷遮断発生時点でのアナログ信号遅延手段15の出力は、負荷遮断直前のガスタービン出力信号を出力している。
【0039】
アナログ信号切換手段16は、シングルショット発生手段9の出力信号がONした時にアナログ信号遅延手段15からの信号を出力し、シングルショット発生手段9の出力信号がOFFした時にアナログ信号切換手段16の出力信号を再度出力する動作を待つ。この動作により負荷遮断が検出された時のアナログ信号切換手段16は、負荷遮断直前のガスタービン出力信号を出力し続ける。
【0040】
アナログ信号切換手段16から出力されるガスタービン出力信号は、第1の関数発生手段17に入力される。第1の関数発生手段17では入力されたガスタービン出力に応じた第2の燃料流量設定値を決定し、その第2の燃料流量設定値を信号切換手段11に出力する。この第1の関数発生手段17は、ガスタービン出力に対する最小燃料流量設定が設定されており、ガスタービン負荷が高い時は大きな燃料流量が設定され、ガスタービン負荷が低い場合は小さな燃料流量が設定されるようになっている。例えば、図9に示すようにガスタービン負荷がα%以下の場合は、ガスタービンは拡散燃焼モードにあるため、第1の関数発生手段17の設定はγ%の設定となっている。ガスタービン負荷がα%以上の場合は、第1の関数発生手段17で定まる設定となる。
【0041】
信号切換手段11は第1の実施の形態と同様に、負荷遮断が検出されてタイマ手段10がONすることによって第1の関数発生手段17からの第2の燃料流量設定値を出力し、タイマ手段10が所定時間を経過しOFFすることで第1の燃料流量指令値γ%に出力信号を切り換える。この信号切換手段11の出力信号は燃焼器の火炎を保持するための最小燃料流量設定となり、燃料調節弁3を制御する。
【0042】
この作用による燃料調節弁3の開度制御と燃料流量の変化は、予混合モードで運転されている場合には、第1の実施の形態と同様に図2にて示される。第1の実施の形態と異なるのは、図2の特性曲線S3に示す燃料調節弁3の開度が負荷遮断発生にて閉方向に動作し、一旦所定開度で開度を保持するが、この所定開度が第1の実施の形態の燃料流量設定値β%に相当する固定開度より、第1の関数発生手段17にて決定する負荷遮断直前のガスタービン出力より決まる燃料流量設定値に相当する開度に変化していることにある。
【0043】
また、ガスタービンが低負荷(α%以下)で運転中に負荷遮断が発生した場合は、燃料調節弁3を保持する開度を燃料流量β%に相当する開度より下げることとなり、この結果、ガスタービンのオーバースピードは抑制されることになる。
【0044】
このように、第2の実施の形態によれば、負荷遮断後の燃料流量設定を負荷遮断直前のガスタービン出力に応じた段階設定値に減少させることによって、燃料流量が燃焼器の火炎を保持するための最小燃料流量以下に低下することを防止することができる。また、ガスタービンが低負荷(α%以下)で運転中に負荷遮断が発生した場合のガスタービンのオーバースピードの抑制にも適した燃料流量制御ができる。
【0045】
次に、本発明の第3の実施の形態を説明する。図4は本発明の第3の実施の形態に係わるガスタービン燃料供給制御装置の構成図である。この第3の実施の形態は、図3に示した第2の実施の形態に対し、タイマ手段10は、ガスタービン出力が急減する直前のガスタービン出力に基づいて動作時間である所定の時間を決定するようにしたものである。
【0046】
図4において、図3に示した第2の実施の形態における第2の設定手段13内に第2の関数発生手段18が追加して設けられており、その第2の関数発生手段18の出力信号をタイマ手段10に出力している。
【0047】
第2の関数発生手段18では、ガスタービン出力に応じた時間が設定されおり、ガスタービン負荷が高い時は長めの時間が設定され、ガスタービン負荷が低い時は短めの時間が設定されている。また、タイマ手段10は、第2の関数発生手段18から入力された時間によって、遅延時間を設定するようになっている。
【0048】
次に、第3の実施の形態の作用を説明する。ガスタービンの負荷遮断が発生したとすると、アナログ信号切換手段16より出力された負荷遮断直前のガスタービン出力は第2の関数発生手段18にも入力される。第2の関数発生手段18では、入力されたガスタービン出力に応じた時間を決定し、この時間をタイマ手段10に出力する。タイマ手段10は、負荷遮断が検出されると直ちに出力をONし、第2の関数発生手段18からの入力された時間が経過すると出力をOFFさせる。これによって、信号切換手段11は第1の関数発生手段17からの第2の燃料流量設定値を出力し、その後に第1の設定手段12からの第1の燃料流量設定値γ%に切り換え、燃焼器の最小火炎保持燃料流量設定として出力する。
【0049】
このように、第3の実施の形態では、タイマ手段10の所定時間が負荷遮断直前のガスタービン出力によって可変設定となっている。すなわち、第2の実施の形態ではタイマ手段10の所定時間は固定設定であるが、第3の実施の形態では、第2の関数発生手段18によって負荷遮断直前のガスタービン出力によって可変設定となり、最適な燃料流量制御ができるようになっている。
【0050】
第3の実施形態によれば、負荷遮断後の燃料流量設定を負荷遮断直前のガスタービン出力に応じた設定時間で段階減少させることによって、燃料流量が燃焼器の火炎を保持するための最小燃料流量以下に低下することを防止することができる。また、ガスタービンのオーバースピードの抑制にも適した燃料流量制御ができる。
【0051】
次に、本発明の第4の実施の形態を説明する。図5は本発明の第4の実施の形態に係わるガスタービン燃料供給制御装置の構成図である。この第4の実施の形態は、図3に示した第2の実施の形態に対し、第2の設定手段は、ガスタービン出力が急減する直前のガスタービン燃料流量指令に基づいて第2の燃料流量設定値を決定するようにしたものである。
【0052】
すなわち、第4の実施の形態では、第2の実施の形態のガスタービン出力検出手段14に代えて燃料流量指令入力手段19を設け、また、第1の関数発生手段17に代えて第3の関数発生手段20を設けている。
【0053】
図5において、ガスタービンの負荷遮断が検出されたとすると、シングルショット発生手段9からの1パルスがアナログ信号切換手段16に入力される。一方、燃料流量指令入力手段19からは燃料流量指令が入力され、ガスタービンの負荷遮断が検出されたときの燃料流量指令も同様にアナログ信号遅延手段15を介しアナログ信号切換手段16に入力される。従って、アナログ信号切換手段16より負荷遮断直前の燃料流量指令が出力されることになる。
【0054】
このアナログ信号切換手段16よりの出力信号は、第3の関数発生手段20に入力される。第3の関数発生手段20では、負荷遮断直前の燃料流量指令に対する負荷遮断時の絞り込み燃料流量が決定され、信号切換手段11に出力される。信号切換手段11の出力は燃焼器の火炎を保持するための最小燃料流量設定となり、燃料調節弁3を制御する。
【0055】
これは、ガスタービンの出力がガスタービンの燃料流量指令に比例する関係を考慮したものである。このように、第4の実施の形態によれば、負荷遮断後の燃料流量設定を負荷遮断直前のガスタービン燃料流量指令に応じた段階設定値に減少させることによって、燃料流量が燃焼器の火炎を保持するための最小燃料流量以下に低下することを防止することができる。また、ガスタービンのオーバースピードの抑制にも適した燃料流量制御ができる。
【0056】
図6は、本発明の第5の実施の形態に係わるガスタービン燃料供給制御装置の構成図である。この第5の実施の形態は、図5に示した第4の実施の形態に対し、第2の設定手段13内に第4の関数発生手段21が追加して設けられており、アナログ信号切換手段16からの信号を入力し、タイマ手段10に出力するようにしている。第4の関数発生手段21では、燃料流量指令に対応した負荷遮断時の段階時間が設定されている。
【0057】
この第5実施の形態の作用を説明する。ガスタービンの負荷遮断が検出されたとすると、シングルショット発生手段9からの1パルスがアナログ信号切換手段16に入力される。一方、燃料流量指令入力手段19からは燃料流量指令が入力され、ガスタービンの負荷遮断が検出されたときの燃料流量指令も同様にアナログ信号遅延手段15を介しアナログ信号切換手段16に入力される。従って、アナログ信号切換手段16より負荷遮断直前の燃料流量指令が出力されることになる。
【0058】
アナログ信号切換手段16より負荷遮断直前の燃料流量指令が第4の関数発生手段21に入力され、第4の関数発生手段21では負荷遮断直前の燃料流量指令に対応した負荷遮断時の段階時間を決定し、タイマ手段10にその時間を出力する。タイマ手段10は、負荷遮断発生で出力をONし、第4の関数発生手段21から入力された所定時間が経過すると出力をOFFする。
【0059】
このタイマ手段10の出力変化によって、信号切換手段11の出力信号を第3の関数発生手段20からの第2の燃料流量設定値および第1の設定手段12からの第1の燃料流量設定値γ%をそれぞれ切替える。これにより、信号切換手段11の出力は燃焼器の火炎を保持するための最小燃料流量設定となり、燃料調節弁3を制御する。
【0060】
このように、第5の実施の形態によれば、負荷遮断後の燃料流量設定を負荷遮断直前のガスタービン燃料流量指令に応じた設定時間で段階減少させることによって、燃料流量が燃焼器の火炎を保持するための最小燃料流量以下に低下することを防止することができ、かつ、ガスタービンのオーバースピードの抑制にも適した燃料流量制御ができる。
【0061】
【発明の効果】
以上説明したように、負荷遮断時に燃料流量設定を段階的に減少させることによって、燃料流量が燃焼器の火炎を保持するための最小燃料流量以下に低下することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係わるガスタービン燃料供給制御装置の構成図。
【図2】本発明の第1の実施の形態における予混合燃焼モードで運転中にガスタービンの負荷遮断が発生した際の燃料調節弁、拡散燃料調節弁、予混合燃料調節弁の開度制御の説明図。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係わるガスタービン燃料供給制御装置の構成図。
【図4】本発明の第3の実施の形態に係わるガスタービン燃料供給制御装置の構成図。
【図5】本発明の第4の実施の形態に係わるガスタービン燃料供給制御装置の構成図。
【図6】本発明の第5の実施の形態に係わるガスタービン燃料供給制御装置の構成図。
【図7】低NOx燃焼器に対し燃料を供給する燃料供給装置の配管系統を示す系統図。
【図8】従来例における拡散燃料調節弁および予混合燃料調節弁の開度制御の説明図。
【図9】従来例における予混合燃焼モードで運転中にガスタービンの負荷遮断が発生した際の燃料調節弁、拡散燃料調節弁、予混合燃料調節弁の開度制御の説明図。
【符号の説明】
1 燃料配管
2 燃焼遮断弁
3 燃料調節弁
4 拡散燃料配管
5 予混合燃料配管
6 拡散燃料調節弁
7 予混合燃料調節弁
8 出力急減検出手段
9 シングルショット発生手段
10 タイマ手段
11 信号切換手段
12 第1の設定手段
13 第2の設定手段
14 ガスタービン出力検出手段
15 アナログ信号遅延手段
16 アナログ信号切換手段
17 第1の関数発生手段
18 第2の関数発生手段
19 燃料流量指令入力手段
20 第3の関数発生手段
21 第4の関数発生手段
Claims (5)
- ガスタービン出力が所定値未満のときは拡散燃料を燃焼器に供給する拡散燃焼モードで運転し、ガスタービン出力が所定値以上のときは所定の拡散燃料および予混合燃料を燃焼器に供給する予混合燃焼モードで運転し、予混合燃焼モードで運転中にガスタービン出力が急減したときは、予混合燃焼モードから拡散燃焼モードに切り換える際に前記燃焼器に供給する燃料流量を予め定められた最小火炎保持燃料流量になるように制御するガスタービン燃料供給制御装置において、ガスタービン出力が急減したことを検出する出力急減検出手段と、前記出力急減検出手段で前記ガスタービン出力の急減が検出されたときに動作開始し所定の時間経過後に動作停止となるタイマ手段と、前記予め定められた最小火炎保持燃料流量に相当する第1の燃料流量設定値を設定するための第1の設定手段と、前記第1の燃料流量設定値より大きい第2の燃料流量設定値を設定するための第2の設定手段と、前記タイマ手段の動作時間中は前記第2の燃料流量設定値を出力し前記タイマ手段の不動作中は前記第1の燃料流量設定値を出力する信号切換手段とを備えたことを特徴とするガスタービン燃料供給制御装置。
- 請求項1に記載のガスタービン燃料供給制御装置において、前記第2の設定手段は、前記ガスタービン出力が急減する直前のガスタービン出力に基づいて前記第2の燃料流量設定値を決定するようにしたことを特徴とするガスタービン燃料供給制御装置。
- 請求項2に記載のガスタービン燃料供給制御装置において、前記タイマ手段は、ガスタービン出力が急減する直前のガスタービン出力に基づいて動作時間である所定の時間を決定するようにしたことを特徴とするガスタービン燃料供給制御装置。
- 請求項1に記載のガスタービン燃料供給制御装置において、前記第2の設定手段は、前記ガスタービン出力が急減する直前のガスタービン燃料流量指令に基づいて前記第2の燃料流量設定値を決定するようにしたことを特徴とするガスタービン燃料供給制御装置。
- 請求項4に記載のガスタービン燃料供給制御装置において、前記タイマ手段は、前記ガスタービン出力が急減する直前のガスタービン燃料流量指令に基づいて動作時間である所定の時間を決定するようにしたことを特徴とするガスタービン燃料供給制御装置。
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