JP2019200026A - ガスタービン制御装置、ガスタービン制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】燃焼モードの切り替えに関して、一時的な出力低下を防ぎ、安定した負荷上昇を実現することができる、ガスタービン制御装置を提供する。【解決手段】パイロットノズルとメインノズルとを備えたガスタービンを制御するガスタービン制御装置を、パイロットノズルのみによる第1の燃焼モードからパイロットノズルとメインノズルを併用する第2の燃焼モードへ切り替える指令を受けた際に、メインノズルの点火を確認する点火確認処理部と、パイロットノズルの燃料流量を指令する信号を作成する処理を行う、パイロット燃料流量指令処理部を備え、パイロット燃料流量指令処理部が、第1の燃焼モードから第2の燃焼モードへ切り替える指令を受けた際に、点火確認処理部がメインノズルの点火を確認してから、パイロットノズルの燃料流量を減少させる指令を出力する構成とする。【選択図】図4
Description
本発明は、ガスタービン制御装置、ガスタービン制御方法に関する。
ガスタービンの制御を行うガスタービン制御装置は、主に、入出力ユニット(入力ユニット及び出力ユニット)と演算部分から成る。そして、ガスタービン制御装置では、入力ユニットを介して現場情報を受信し、演算部分によって出力値を計算後、出力ユニットを介して現場へ指令信号が送られる。
また、ガスタービン発電プラントにおいては、燃料を燃焼させる際に発生するNOxを低減した運転方法を用いることが望まれる。
ガスタービンに用いられる燃焼器は、パイロットノズルとメインノズルの2つのノズルを組み合わせて構成されている。
パイロットノズルによる燃焼は、拡散燃焼と呼ばれ、燃焼振動が少なく安定するが、NOxの排出量が多い。
メインノズルによる燃焼は、燃料と空気を混合させてから燃焼させる予混合燃焼と呼ばれ、NOxの排出量は少ないが、燃焼振動が大きい。
ガスタービンに用いられる燃焼器は、パイロットノズルとメインノズルの2つのノズルを組み合わせて構成されている。
パイロットノズルによる燃焼は、拡散燃焼と呼ばれ、燃焼振動が少なく安定するが、NOxの排出量が多い。
メインノズルによる燃焼は、燃料と空気を混合させてから燃焼させる予混合燃焼と呼ばれ、NOxの排出量は少ないが、燃焼振動が大きい。
ガスタービンの起動から定格運転までの間は、これらのノズルによる燃焼比率を段階的に変えながら燃焼を行うことで、燃焼振動を抑えつつ、NOxの排出量をできるだけ低減させ、安定した負荷上昇を行うことができる。
負荷上昇に伴い両ノズルの燃焼比率を変更する、ガスタービン制御方法を示す技術として、特許文献1が知られている。
特許文献1の制御方法では、ガスタービン起動後は、パイロットノズルによる発電出力を上昇させている。そして、一定負荷を超えてからは、パイロットノズルの燃料量を下げる一方で、メインノズルの燃料量を増やすことで、負荷上昇に伴ってメインノズルによる発電出力を増やしている。即ち、一定負荷を超えてからは、パイロットノズルのみによる燃焼段階から、パイロットノズルの燃焼比率を下げてメインノズルによる燃焼を開始する、混合燃焼段階に切り替えている。
この方法では、パイロットノズルのみによる燃焼段階から混合燃焼段階に切り替える際に、パイロットノズルの燃焼量はすぐに下げられる。しかしながら、メインノズルは、切り替え指令を受け取っても点火までに時間がかかり、すぐに燃焼を開始することが難しいと考えられる。
この現象によって、燃焼モード切り替え指令の信号の受取からメインノズル着火までの間は、燃焼器からタービンに送られる燃焼ガスの温度が下がり、一時的に出力が低下してしまうことが課題として存在する。特に、毎日起動と停止を行う火力発電所用のガスタービンにおいては、この発電出力の低下の影響は大きい。
この現象によって、燃焼モード切り替え指令の信号の受取からメインノズル着火までの間は、燃焼器からタービンに送られる燃焼ガスの温度が下がり、一時的に出力が低下してしまうことが課題として存在する。特に、毎日起動と停止を行う火力発電所用のガスタービンにおいては、この発電出力の低下の影響は大きい。
以上のことから、本発明の目的は、ガスタービン起動から定格運転までに行われる燃焼モードの切り替えに関して、一時的な出力低下を防ぎ、安定した負荷上昇を実現することができる、ガスタービン制御装置、ガスタービン制御方法を提供することである。
また、本発明の上記の目的及びその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面によって明らかにする。
また、本発明の上記の目的及びその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面によって明らかにする。
本発明のガスタービン制御装置は、パイロットノズルとメインノズルとを備えたガスタービンを制御するガスタービン制御装置である。
そして、本発明のガスタービン制御装置は、パイロットノズルのみによる第1の燃焼モードから、パイロットノズルとメインノズルを併用する第2の燃焼モードへ切り替える指令を受けた際に、メインノズルの点火を確認する点火確認処理部を備える。
また、本発明のガスタービン制御装置は、パイロットノズルの燃料流量を指令する信号を作成する処理を行う、パイロット燃料流量指令処理部を備える。
そして、パイロット燃料流量指令処理部は、第1の燃焼モードから第2の燃焼モードへ切り替える指令を受けた際に、点火確認処理部がメインノズルの点火を確認してから、パイロットノズルの燃料流量を減少させる指令を出力する。
そして、本発明のガスタービン制御装置は、パイロットノズルのみによる第1の燃焼モードから、パイロットノズルとメインノズルを併用する第2の燃焼モードへ切り替える指令を受けた際に、メインノズルの点火を確認する点火確認処理部を備える。
また、本発明のガスタービン制御装置は、パイロットノズルの燃料流量を指令する信号を作成する処理を行う、パイロット燃料流量指令処理部を備える。
そして、パイロット燃料流量指令処理部は、第1の燃焼モードから第2の燃焼モードへ切り替える指令を受けた際に、点火確認処理部がメインノズルの点火を確認してから、パイロットノズルの燃料流量を減少させる指令を出力する。
本発明のガスタービン制御方法は、ガスタービンを制御するガスタービン制御装置である。そして、制御する対象のガスタービンが、パイロットノズルとメインノズルとを備え、パイロットノズルのみによる第1の燃焼モードと、パイロットノズルとメインノズルを併用する第2の燃焼モードを、切り替えることが可能な構成である。
また、本発明のガスタービン制御方法は、第1の燃焼モードから第2の燃焼モードへ切り替える際に、メインノズルの点火を確認する過程と、メインノズルの点火を確認してから前記パイロットノズルの燃料流量を減少させる過程が行われる。
また、本発明のガスタービン制御方法は、第1の燃焼モードから第2の燃焼モードへ切り替える際に、メインノズルの点火を確認する過程と、メインノズルの点火を確認してから前記パイロットノズルの燃料流量を減少させる過程が行われる。
上述の本発明のガスタービン制御装置によれば、パイロット燃料流量指令処理部は、第1の燃焼モードから第2の燃焼モードへ切り替える際に、点火確認処理部がメインノズルの点火を確認してから、パイロットノズルの燃料流量を減少させる指令を出力する。
これにより、第1の燃焼モードから第2の燃焼モードへ切り替える際に、従来はガスタービンの起動から定格運転までの間生じていた、一時的な出力低下を防ぐことが可能になる。
これにより、第1の燃焼モードから第2の燃焼モードへ切り替える際に、従来はガスタービンの起動から定格運転までの間生じていた、一時的な出力低下を防ぐことが可能になる。
上述の本発明のガスタービン制御方法によれば、第1の燃焼モードから第2の燃焼モードへ切り替える際に、メインノズルの点火を確認してからパイロットノズルの燃料流量を減少させる過程が行われる。
これにより、第1の燃焼モードから第2の燃焼モードへ切り替える際に、従来はガスタービンの起動から定格運転までの間生じていた、一時的な出力低下を防ぐことが可能になる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
これにより、第1の燃焼モードから第2の燃焼モードへ切り替える際に、従来はガスタービンの起動から定格運転までの間生じていた、一時的な出力低下を防ぐことが可能になる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
以下、本発明に係る実施の形態について、文章もしくは図面を用いて説明する。ただし、本発明に示す構造、材料、その他具体的な数値等は、ここで取り上げた実施の形態に限定されることはなく、要旨を変更しない範囲で適宜組み合わせや改良が可能である。なお、各図において同一または類似の構成には同じ符号を付して繰り返しの説明は省略する。
まず、本発明に係る実施の形態を適用する、ガスタービンシステムについて説明する。
発電に利用されるガスタービンシステムの一般的な調節制御系統の概略構成図を、図1に示す。
図1に示すガスタービンシステムは、燃料遮断弁11、燃料流量調節弁12(12A,12B)、圧縮機13、案内翼14、燃焼器15、ガスタービン16、発電機17、ガスタービン制御装置18から構成されている。
発電に利用されるガスタービンシステムの一般的な調節制御系統の概略構成図を、図1に示す。
図1に示すガスタービンシステムは、燃料遮断弁11、燃料流量調節弁12(12A,12B)、圧縮機13、案内翼14、燃焼器15、ガスタービン16、発電機17、ガスタービン制御装置18から構成されている。
燃料遮断弁11は、燃料の供給を遮断する機能と、燃料の供給の圧力を調整する機能を有する。燃料流量調節弁12(12A,12B)は、燃料の供給量を調整する。圧縮機13は、空気を取り入れて圧縮し、高圧気体にする。案内翼14は、圧縮機13の入口に入る空気量を調整する。燃焼機15は、燃料及び圧縮空気から燃焼ガスを生成する。ガスタービン16は、燃焼機15により生成された燃焼ガスにより回転する。発電機17は、ガスタービン16の回転エネルギーを電力に変換する。
ガスタービン制御装置18は、各部に関連するアクチュエータ部分を制御する。そして、ガスタービン制御装置18は、例えば、演算機能、記憶機能、通信機能等の機能を有する構成とする。
ガスタービン制御装置18は、燃料流量調節弁12の開度や圧縮機13の入口の案内翼14の角度が設定値となるように、各アクチュエータ部分に動作指令信号を送る。各燃料流量調節弁12A,12Bの開度や案内翼14の角度のそれぞれの測定値は、ガスタービン制御装置18に送られる。この測定値と設定値の差がなくなるように、ガスタービン制御装置18は、フィードバック制御により指令信号を送る。
ガスタービン制御装置18は、燃料流量調節弁12の開度や圧縮機13の入口の案内翼14の角度が設定値となるように、各アクチュエータ部分に動作指令信号を送る。各燃料流量調節弁12A,12Bの開度や案内翼14の角度のそれぞれの測定値は、ガスタービン制御装置18に送られる。この測定値と設定値の差がなくなるように、ガスタービン制御装置18は、フィードバック制御により指令信号を送る。
燃焼器15を構成するノズルには、拡散燃焼を行うパイロットノズルと、予混合燃焼を行うメインノズルの2種類がある。
拡散燃焼は、燃焼の安定性は高いが、NOxの排出量が多いという特徴がある。
予混合燃焼は、NOxの排出量は少ないが、燃焼振動が比較的大きく、燃焼の安定性が低いという特徴がある。
拡散燃焼は、燃焼の安定性は高いが、NOxの排出量が多いという特徴がある。
予混合燃焼は、NOxの排出量は少ないが、燃焼振動が比較的大きく、燃焼の安定性が低いという特徴がある。
また、燃料流量調節弁12(12A,12B)は、2種類のノズルのそれぞれに設置されている。第1の燃料流量調整弁12Aはメインノズル用の調整弁であり、第2の燃料流量調整弁12Bはパイロットノズル用の調整弁である。
一般的には、ガスタービン起動から定格負荷運転までの過程において、序盤は燃焼安定度が高いパイロットノズルによる拡散燃焼のみで運転(以後、「第1の燃焼モード」と呼ぶ)を行う。そして、負荷上昇に伴い、ある程度燃焼の安定が見込まれた時に、拡散燃焼の比率を下げ、メインノズルによる燃焼を開始して予混合燃焼を上げていく運転(以後、「第2の燃焼モード」と呼ぶ)へ切り替えている。即ち、第2の燃焼モードでは、パイロットノズルによる拡散燃焼と、メインノズルによる予混合燃焼が、併用される。
この燃焼モードの切り替えをスムーズに行った場合の出力の時間変化を、図2に示す。図2(A)において、破線21はパイロットノズルによる拡散燃焼の出力を示し、鎖線22はメインノズルによる予混合燃焼の出力を示す。また、図2(B)において、実線23は2つのノズルによる出力の合計出力を示す。
図2(A)に示すように、序盤は第1の燃焼モードであり、破線21で示すパイロットノズルによる拡散燃焼の出力のみが上昇していく。そして、時間T1において、第1の燃焼モードから第2の燃焼モードに切り替えて、パイロットノズルによる拡散燃焼の出力21が低下すると共に、メインノズルによる予混合燃焼が開始される。これにより、鎖線22で示すメインノズルによる予混合燃焼の出力22が上昇していく。
この場合、図2(B)に示すように、2つのノズルによる出力の合計出力23は、切り替え後もスムーズに増加している。
この場合、図2(B)に示すように、2つのノズルによる出力の合計出力23は、切り替え後もスムーズに増加している。
しかし、この方法で実際に燃焼を行うと、一時的な出力低下が発生してしまう。
このように、燃焼モードの切り替え時に出力の低下を生じる場合の出力の時間変化を、図3に示す。なお、図3(A)及び図3(B)において、破線21と鎖線22と実線23の内容は、図2(A)及び図2(B)と同様である。
このように、燃焼モードの切り替え時に出力の低下を生じる場合の出力の時間変化を、図3に示す。なお、図3(A)及び図3(B)において、破線21と鎖線22と実線23の内容は、図2(A)及び図2(B)と同様である。
第1の燃焼モードから第2の燃焼モードに切り替える指令が来たとき、パイロットノズルの燃料流量はすぐ減少させることができ、ガス温度は低くなる。即ち、図3(A)に示すように、時間T1において、破線21で示すパイロットノズルによる拡散燃焼の出力が低下する。
しかし、メインノズルは、指令を受けてから点火を始めるので、燃焼までに時間がかかってしまう。この間パイロットノズルの燃焼温度は下がっているので、燃焼器全体では一時的に燃焼温度が下がり、合計出力が低下する状態となる。即ち、図3(A)に示すように、鎖線22で示すメインノズルによる予混合燃焼の出力は、時間T1からある程度の時間24を経過してから発生している。これにより、図3(B)に示すように、2つのノズルによる出力の合計出力23は、時間T1から一時的に低下してしまう。
しかし、メインノズルは、指令を受けてから点火を始めるので、燃焼までに時間がかかってしまう。この間パイロットノズルの燃焼温度は下がっているので、燃焼器全体では一時的に燃焼温度が下がり、合計出力が低下する状態となる。即ち、図3(A)に示すように、鎖線22で示すメインノズルによる予混合燃焼の出力は、時間T1からある程度の時間24を経過してから発生している。これにより、図3(B)に示すように、2つのノズルによる出力の合計出力23は、時間T1から一時的に低下してしまう。
そこで、本実施の形態においては、第1の燃焼モードから第2の燃焼モードへ切り替える際に、メインノズルの点火を確認してから、パイロットノズル燃料流量を減少させるように、ガスタービンの制御を行う。
続いて、本実施の形態に特有の構成について説明する。
続いて、本実施の形態に特有の構成について説明する。
本実施の形態における、燃焼モード切替の制御回路の概略構成図(ブロック図)を、図4に示す。なお、図4に示す制御回路は、図1に示したガスタービン制御装置18内に構成される。
図4に示す制御回路は、論理積ファンクションブロック(AND)51、第1のアナログスイッチファンクションブロック(ASW)52、第2のアナログスイッチファンクションブロック(ASW)53、を有する。
そして、この制御回路から、「パイロット燃料流量指令」、「メインノズル点火指令」、「メイン燃料流量指令」の3つの指令が出力される。
そして、この制御回路から、「パイロット燃料流量指令」、「メインノズル点火指令」、「メイン燃料流量指令」の3つの指令が出力される。
論理積ファンクションブロック51は、「燃焼モード切替」信号57と、「メインノズル点火確認」信号58が入力され、出力信号54を第1のアナログスイッチファンクションブロック52に入力する。
第1のアナログスイッチファンクションブロック52は、出力信号(パイロット燃料流量指令)として、論理積ファンクションブロック51からの出力信号54が1のときに「モード切替後パイロット燃料流量」信号55を出力する。また、論理積ファンクションブロック51からの出力信号54が0のときに「モード切替前パイロット燃料流量」信号56を出力する。なお、第1の燃焼モードから第2の燃焼モードに切り替えると、パイロットノズルの燃料流量は減少する。従って、「モード切替後パイロット燃料流量」信号55は、「モード切替前パイロット燃料流量」信号56のときよりも、パイロットノズルの燃料流量を減少させる指令の信号となる。
第2のアナログスイッチファンクションブロック53は、「燃焼モード切替」信号57が入力されることにより、出力信号(メイン燃料流量指令)を、0から「メイン燃料流量」信号59へと変化させる。
第1のアナログスイッチファンクションブロック52は、出力信号(パイロット燃料流量指令)として、論理積ファンクションブロック51からの出力信号54が1のときに「モード切替後パイロット燃料流量」信号55を出力する。また、論理積ファンクションブロック51からの出力信号54が0のときに「モード切替前パイロット燃料流量」信号56を出力する。なお、第1の燃焼モードから第2の燃焼モードに切り替えると、パイロットノズルの燃料流量は減少する。従って、「モード切替後パイロット燃料流量」信号55は、「モード切替前パイロット燃料流量」信号56のときよりも、パイロットノズルの燃料流量を減少させる指令の信号となる。
第2のアナログスイッチファンクションブロック53は、「燃焼モード切替」信号57が入力されることにより、出力信号(メイン燃料流量指令)を、0から「メイン燃料流量」信号59へと変化させる。
図4に示す燃焼モード切替の制御回路のうち、論理積ファンクションブロック51と第1のアナログスイッチファンクションブロック52によって、パイロット燃料流量指令処理部50が構成される。
パイロット燃料流量指令処理部50は、「パイロット燃料流量指令」の信号、即ち、パイロットノズルの燃料流量を指令する信号を作成する処理を行う。
パイロット燃料流量指令処理部50は、「パイロット燃料流量指令」の信号、即ち、パイロットノズルの燃料流量を指令する信号を作成する処理を行う。
この制御回路により、以下の通り、燃焼モードを切り替える制御が行われる。
まず、パイロットノズルのみによる第1の燃焼モードでは、「燃焼モード切替」信号57の入力がない。従って、論理積ファンクションブロック51の出力信号54は0であり、これにより、第1のアナログスイッチファンクションブロック52の出力(パイロット燃料流量指令)は「モード切替前パイロット燃料流量」信号56となる。また、第2のアナログスイッチファンクションブロック53は、出力信号(メイン燃料流量指令)が0である。
即ち、第1の燃焼モードでは、パイロット燃料流量指令処理部50で作成される「パイロット燃料流量指令」の信号は、「モード切替前パイロット燃料流量」信号56である。
まず、パイロットノズルのみによる第1の燃焼モードでは、「燃焼モード切替」信号57の入力がない。従って、論理積ファンクションブロック51の出力信号54は0であり、これにより、第1のアナログスイッチファンクションブロック52の出力(パイロット燃料流量指令)は「モード切替前パイロット燃料流量」信号56となる。また、第2のアナログスイッチファンクションブロック53は、出力信号(メイン燃料流量指令)が0である。
即ち、第1の燃焼モードでは、パイロット燃料流量指令処理部50で作成される「パイロット燃料流量指令」の信号は、「モード切替前パイロット燃料流量」信号56である。
次に、第1の燃焼モードから第2の燃焼モードへ切り替える場合には、「燃焼モード切替」信号57が、論理積ファンクションブロック51及び第2のアナログスイッチファンクションブロック53に入力される。また、「燃焼モード切替」信号57が、そのまま「メインノズル点火指令」の信号として出力される。
このとき、第2のアナログスイッチファンクションブロック53に「燃焼モード切替」信号57が入ることにより、第2のアナログスイッチファンクションブロック53の出力信号が、「メイン燃料流量」信号59へと変化し、メインノズルの点火が始まる。また、パイロットノズルにおいては、メインノズルの点火が確認されると、「メインノズル点火確認」信号58が論理積ファンクションブロック51へ入力される。そして、論理積ファンクションブロック51の出力信号54が第1のアナログスイッチファンクションブロック52に入力される。これにより、第1のアナログスイッチファンクションブロック52の出力(パイロット燃料流量指令)が「モード切替後パイロット燃料流量」信号55となり、パイロットノズルの燃料流量が減少する。
即ち、第1の燃焼モードから第2の燃焼モードに切り替える際に、パイロット燃料流量指令処理部50で作成される「パイロット燃料流量指令」の信号は、「モード切替後パイロット燃料流量」信号55である。従って、「モード切替後パイロット燃料流量」信号55によって、パイロットノズルの燃料流量を減少させる指令がなされる。
このようにして、燃焼モードの切替が完了する。
このとき、第2のアナログスイッチファンクションブロック53に「燃焼モード切替」信号57が入ることにより、第2のアナログスイッチファンクションブロック53の出力信号が、「メイン燃料流量」信号59へと変化し、メインノズルの点火が始まる。また、パイロットノズルにおいては、メインノズルの点火が確認されると、「メインノズル点火確認」信号58が論理積ファンクションブロック51へ入力される。そして、論理積ファンクションブロック51の出力信号54が第1のアナログスイッチファンクションブロック52に入力される。これにより、第1のアナログスイッチファンクションブロック52の出力(パイロット燃料流量指令)が「モード切替後パイロット燃料流量」信号55となり、パイロットノズルの燃料流量が減少する。
即ち、第1の燃焼モードから第2の燃焼モードに切り替える際に、パイロット燃料流量指令処理部50で作成される「パイロット燃料流量指令」の信号は、「モード切替後パイロット燃料流量」信号55である。従って、「モード切替後パイロット燃料流量」信号55によって、パイロットノズルの燃料流量を減少させる指令がなされる。
このようにして、燃焼モードの切替が完了する。
このように、ガスタービン制御装置18が、「燃焼モード切替」信号57が出されても、メインノズルの点火の確認をするまでは、パイロットノズルの燃焼比率を低下させる指令を行わないように制御すれば、両ノズルの燃料比率の変更が同時に行われる。
本実施の形態の場合の出力の時間変化を、図5に示す。なお、図5(A)及び図5(B)において、破線21と鎖線22と実線23の内容は、図2(A)及び図2(B)と同様である。
図5(A)に示すように、時間T1において第1の燃焼モードから第2の燃焼モードに切り替える指令が出て、メインノズルの点火が行われる。時間T1からある程度の時間24を経過して、メインノズルの点火が確認されると、破線21で示すパイロットノズルによる拡散燃焼の出力が低下すると共に、鎖線22で示すメインノズルによる予混合燃焼の出力が発生する。その後は、予混合燃焼の出力22が上昇していく。これにより、図5(B)に示すように、2つのノズルによる出力の合計出力23は、時間T1の前後もスムーズに増加させることができ、出力低下を防ぐことができる。
上述した制御を行うには、メインノズルの点火を確認する必要があるため、メインノズルの点火を確認する、即ち、メインノズルの火炎を検知する方法を考える必要がある。
ガスタービンにおいて、一般的な火炎の検知は、パイロットノズルについてのみ行うことが多い。燃焼器内の火炎は温度が非常に高く、温度検出器等で直接測定することが難しい。この理由により、排気温度が点火指令後に一定温度上昇したときに点火したと判断する、間接的な火炎検知方法が用いられている。
ガスタービンにおいて、一般的な火炎の検知は、パイロットノズルについてのみ行うことが多い。燃焼器内の火炎は温度が非常に高く、温度検出器等で直接測定することが難しい。この理由により、排気温度が点火指令後に一定温度上昇したときに点火したと判断する、間接的な火炎検知方法が用いられている。
本実施の形態では、ノズル別に火炎の検知を行う。メインノズルの火炎の検知は、既にパイロットノズルによる燃焼により燃焼器内に火炎が存在している段階で検知しなければならないため、火炎の検知の判断をより正確に実行する必要がある。
そこで、本実施の形態では、メインノズルの点火を確認する点火確認処理部の制御回路を、既に火炎が存在する状態でも、メインノズルの火炎の検知を行うことができるように構成する。
そこで、本実施の形態では、メインノズルの点火を確認する点火確認処理部の制御回路を、既に火炎が存在する状態でも、メインノズルの火炎の検知を行うことができるように構成する。
そして、本実施の形態では、特に、メインノズルの火炎の検知を行うための検知判断信号に、排気温度、ノズル部分メタル温度、メインノズル燃料流量調節弁の開度(以下、「燃料流量調節弁の開度」と略する)、のそれぞれに関する信号を用いる。「排気温度」は、排気ガスの温度である。「ノズル部分メタル温度」は、メインノズルのノズル部分に存在する、いずれかのメタル(金属部分)の温度である。
これらの信号を用いた、本実施の形態における点火確認処理部の制御回路を、図6に示す。
これらの信号を用いた、本実施の形態における点火確認処理部の制御回路を、図6に示す。
図6に示す点火確認処理部60の制御回路では、6種類の機能マクロを使用している。
即ち、入力値保持ファンクションブロック(HLD)61,65、減算ファンクションブロック(SUB)62,66、上側判定ファンクションブロック(UCK)63,67,71、オンディレイタイマーファンクションブロック(TP)64,68、下側判定ファンクションブロック(LCK)72、リセット優先フリップフロップファンクションブロック(FFR)74、の各機能マクロを使用している。
これらの機能マクロについて、以下に説明する。
即ち、入力値保持ファンクションブロック(HLD)61,65、減算ファンクションブロック(SUB)62,66、上側判定ファンクションブロック(UCK)63,67,71、オンディレイタイマーファンクションブロック(TP)64,68、下側判定ファンクションブロック(LCK)72、リセット優先フリップフロップファンクションブロック(FFR)74、の各機能マクロを使用している。
これらの機能マクロについて、以下に説明する。
入力値保持ファンクションブロック(HLD)61,65は、基本的には入力された信号をそのまま出力するが、上部に信号が入ったとき、信号受信の瞬間の入力値を出力する機能を持つ。
減算ファンクションブロック(SUB)62,66は、1つ目の入力値と2つ目の入力値の差を計算して出力する。
上側判定ファンクションブロック(UCK)63,67,71は、入力された値が上側判定ファンクションブロック(UCK)63,67,71内の設定値より上回る場合、デジタル信号1を出力する。
オンディレイタイマーファンクションブロック(TP)64,68は、信号入力後にオンディレイタイマーファンクションブロック(TP)64,68内の設定時間を経過してから同じ値を出力することにより、設定時間の分だけ出力を遅らせる。
下側判定ファンクションブロック(LCK)72は、上側判定ファンクションブロック(UCK)63,67,71とは逆の機能を持ち、入力値が下側判定ファンクションブロック(LCK)72内の設定値を下回る場合、デジタル信号1を出力する。
リセット優先フリップフロップファンクションブロック(FFR)74は、リセット優先自己保持回路機能を有する。即ち、SET部分の入力値が1でRESET部分の入力値が0の場合、出力値は1である。この状態からSET入力が0になった場合は前回の値を保持し、1を出力する。出力値が0になるには、RESET入力に1が入る必要がある。仮にSET入力とRESET入力が共に1である場合、リセット優先であるので、出力値は0である。
これらのマクロ機能を組み合わせて、メインノズルの火炎の検知を行う。
減算ファンクションブロック(SUB)62,66は、1つ目の入力値と2つ目の入力値の差を計算して出力する。
上側判定ファンクションブロック(UCK)63,67,71は、入力された値が上側判定ファンクションブロック(UCK)63,67,71内の設定値より上回る場合、デジタル信号1を出力する。
オンディレイタイマーファンクションブロック(TP)64,68は、信号入力後にオンディレイタイマーファンクションブロック(TP)64,68内の設定時間を経過してから同じ値を出力することにより、設定時間の分だけ出力を遅らせる。
下側判定ファンクションブロック(LCK)72は、上側判定ファンクションブロック(UCK)63,67,71とは逆の機能を持ち、入力値が下側判定ファンクションブロック(LCK)72内の設定値を下回る場合、デジタル信号1を出力する。
リセット優先フリップフロップファンクションブロック(FFR)74は、リセット優先自己保持回路機能を有する。即ち、SET部分の入力値が1でRESET部分の入力値が0の場合、出力値は1である。この状態からSET入力が0になった場合は前回の値を保持し、1を出力する。出力値が0になるには、RESET入力に1が入る必要がある。仮にSET入力とRESET入力が共に1である場合、リセット優先であるので、出力値は0である。
これらのマクロ機能を組み合わせて、メインノズルの火炎の検知を行う。
火炎検知判断材料として優先度が強い信号は、燃料流量調節弁の開度に関する信号である。ある程度の燃料流量が無ければ火炎は発生しないため、第1の検知判断信号を、燃料流量調節弁の開度の信号とする。
図6の例では、燃料流量調節弁の開度が、上側判定ファンクションブロック(UCK)71内の設定値(X%)以上のときに、信号(sig1)が発生する。
図6の例では、燃料流量調節弁の開度が、上側判定ファンクションブロック(UCK)71内の設定値(X%)以上のときに、信号(sig1)が発生する。
第2の検知判断信号は、メインノズルのノズル部分メタル温度及び排気温度に関するものである。
ノズル部分メタル温度に関しては、燃焼モード切り替え操作が行われてからのメタルの温度の変化量を検知する。
ノズル部分メタル温度の信号として、メタルの温度を温度計等で測定した測定値の信号が、入力値保持ファンクションブロック(HLD)61と、減算ファンクションブロック(SUB)62の+入力(前述した1つ目の入力値)に入力される。
ノズル部分メタル温度の信号として、メタルの温度を温度計等で測定した測定値の信号が、入力値保持ファンクションブロック(HLD)61と、減算ファンクションブロック(SUB)62の+入力(前述した1つ目の入力値)に入力される。
入力値保持ファンクションブロック(HLD)61では、ノズル部分メタル温度の信号が入力されると共に、マクロ上部にメインノズル点火指令の信号(図4の信号57に該当)が入力される。メインノズル点火指令の信号の入力がないときは、その時点のノズル部分メタル温度を出力する。一方、メインノズル点火指令の信号の入力があると、そのメインノズル点火指令の信号の入力時点のノズル部分メタル温度を保持して出力する。
減算ファンクションブロック(SUB)62では、+入力にノズル部分メタル温度の信号が入力され、−入力(前述した2つ目の入力値)に入力値保持ファンクションブロック(HLD)61の出力信号が入力される。そして、+入力と−入力の差の信号を出力する。メインノズル点火指令の信号の入力がないときは、+入力も−入力も共にその時点のノズル部分メタル温度の信号であるので、差の信号として0の信号が出力される。メインノズル点火指令の信号の入力があると、−入力はそのメインノズル点火指令の信号の入力時点のノズル部分メタル温度が保持されているのに対して、+入力は現時点のノズル部分メタル温度である。そのため、メインノズル点火後のメタル温度の変化に伴い、そのメタル温度の変化量に相当する差の信号が出力される。正常にメインノズルが点火した場合にはノズル部分メタル温度が上昇するので、差はプラスの値になる。
上側判定ファンクションブロック(UCK)63では、減算ファンクションブロック(SUB)62の出力信号が入力され、入力された値が上側判定ファンクションブロック(UCK)63内の設定値(A℃)より上回る場合、デジタル信号1を出力する。即ち、ノズル部分メタル温度の変化量(温度上昇量)が設定値(A℃)を上回ると、上側判定ファンクションブロック(UCK)63からデジタル信号1が出力される。なお、正常にメインノズルが点火した場合にはノズル部分メタル温度が上昇するので、上側判定ファンクションブロック(UCK)63内の設定値(A℃)は、温度上昇値としてプラスの値に設定する。
オンディレイタイマーファンクションブロック(TP)64では、上側判定ファンクションブロック(UCK)63の出力信号が入力される。その出力信号入力後に、オンディレイタイマーファンクションブロック(TP)64内の設定時間(B秒)を経過してから同じ値を出力することにより、設定時間の分だけ出力を遅らせる。即ち、設定値(A℃)を上回る状態が設定時間(B秒)以上続いた場合に、オンディレイタイマーファンクションブロック(TP)64から信号(sig2)が出力される。
排気温度に関しては、燃焼モード切り替え操作が行われてからの排気ガスの温度の変化量を検知する。
排気温度に関しても、ノズル部分メタル温度と同様の回路を構成する。
排気温度の信号として、排気ガスの温度を温度計等で測定した測定値の信号が、入力値保持ファンクションブロック(HLD)65と、減算ファンクションブロック(SUB)66の+入力(前述した1つ目の入力値)に入力される。
排気温度に関しても、ノズル部分メタル温度と同様の回路を構成する。
排気温度の信号として、排気ガスの温度を温度計等で測定した測定値の信号が、入力値保持ファンクションブロック(HLD)65と、減算ファンクションブロック(SUB)66の+入力(前述した1つ目の入力値)に入力される。
入力値保持ファンクションブロック(HLD)65では、排気温度の信号が入力されると共に、マクロ上部にメインノズル点火指令の信号(図4の信号57に該当)が入力される。メインノズル点火指令の信号の入力がないときは、その時点の排気温度を出力する。一方、メインノズル点火指令の信号の入力があると、そのメインノズル点火指令の信号の入力時点の排気温度を保持して出力する。
減算ファンクションブロック(SUB)66では、+入力に排気温度の信号が入力され、−入力(前述した2つ目の入力値)に入力値保持ファンクションブロック(HLD)65の出力信号が入力される。そして、+入力と−入力の差の信号を出力する。メインノズル点火指令の信号の入力がないときは、+入力も−入力も共にその時点の排気温度の信号であるので、差の信号として0の信号が出力される。メインノズル点火指令の信号の入力があると、−入力はそのメインノズル点火指令の信号の入力時点の排気温度が保持されているのに対して、+入力は現時点の排気温度である。そのため、メインノズル点火後の排気温度の変化に伴い、その排気温度の変化量に相当する差の信号が出力される。正常にメインノズルが点火した場合には排気温度が上昇するので、差はプラスの値になる。
上側判定ファンクションブロック(UCK)67では、減算ファンクションブロック(SUB)66の出力信号が入力され、入力された値が上側判定ファンクションブロック(UCK)67内の設定値(C℃)より上回る場合、デジタル信号1を出力する。即ち、排気温度の変化量(温度上昇量)が設定値(C℃)を上回ると、上側判定ファンクションブロック(UCK)67からデジタル信号1が出力される。なお、正常にメインノズルが点火した場合には排気温度が上昇するので、上側判定ファンクションブロック(UCK)67内の設定値(C℃)は、温度上昇値としてプラスの値に設定する。
オンディレイタイマーファンクションブロック(TP)68では、上側判定ファンクションブロック(UCK)67の出力信号が入力される。その出力信号入力後に、オンディレイタイマーファンクションブロック(TP)68内の設定時間(D秒)を経過してから同じ値を出力することにより、設定時間の分だけ出力を遅らせる。即ち、設定値(C℃)を上回る状態が設定時間(D秒)以上続いた場合に、オンディレイタイマーファンクションブロック(TP)68から信号(sig3)が出力される。
図6に示すように、必須条件は信号sig1であり、信号sig2及び信号sig3は少なくともどちらか1つの信号が出力されていれば良い。
これらの信号の条件が揃ったとき、メインノズル点火が行われたと判断する回路となっている。即ち、OR回路69において、信号sig2及び信号sig3のOR信号sig4を出力し、AND回路73において、信号sig4と信号sig1のAND信号sig5を出力する。
これらの信号の条件が揃ったとき、メインノズル点火が行われたと判断する回路となっている。即ち、OR回路69において、信号sig2及び信号sig3のOR信号sig4を出力し、AND回路73において、信号sig4と信号sig1のAND信号sig5を出力する。
さらに、リセット優先フリップフロップファンクションブロック(FFR)74において、信号sig5をSET信号とし、下側判定ファンクションブロック(LCK)72からの出力信号をRESET信号として、リセットが行われる。
下側判定ファンクションブロック(LCK)72では、燃料流量調節弁の開度が下側判定ファンクションブロック(LCK)72内の設定値(Y%)以下のときに、上述したデジタル信号1が発生する。そして、このデジタル信号1がRESET信号となって、リセット優先フリップフロップファンクションブロック(FFR)74においてリセットが行われる。
図6の信号のうち、ノズル部分メタル温度に関する信号sig2を出力する過程のフローチャートを、図7に示す。
図7に示すフローチャートでは、まずステップS1において、メインノズル点火指令(図4の信号57に該当)がなされ、ステップS2に進む。これにより、メインノズルが点火される。
次に、ステップS2において、メインノズル点火指令後の温度上昇値を算出し、ステップS3に進む。この温度上昇値の算出は、図6の減算ファンクションブロック(SUB)62で行われる。
次に、ステップS3において、温度上昇値が設定値A℃以上であるかを判断する。この判断は、図6の上側判定ファンクションブロック(UCK)63で行われ、ステップS3の設定値A℃は、上側判定ファンクションブロック(UCK)63内の設定値である。温度上昇値が設定値A℃以上である場合には、次のステップS4に進む。温度上昇値が設定値A℃未満である場合には、ステップS2に戻る。
次に、ステップS4において、温度上昇値がA℃以上の状態の時間が設定値B秒以上経過したかを判断する。この判断は、図6のオンディレイタイマーファンクションブロック(TP)64で行われ、ステップS4の設定値B秒は、オンディレイタイマーファンクションブロック(TP)64内の設定値である。設定値B秒以上経過した場合には、次に進み信号Sig2を出力する。経過時間が設定値B秒未満の場合には、ステップS4の前に戻る。
このようにして、ノズル部分メタル温度に関する信号sig2が出力される。
本実施の形態において、図4に示した燃焼モード切替の制御回路の各ブロック51〜53や、図6に示した点火確認処理部の制御回路の機能マクロ又は回路61〜74は、コンピュータソフトウェア、もしくは、ハードウェアで実現することができる。
コンピュータソフトウェアで実現する場合には、ブロック51〜53や機能マクロ又は回路61〜74の機能を実現するプログラムを使用して、マイクロコンピュータ等のプロセッサがプログラムを解釈して、実行するように構成する。
ハードウェアで実現する場合には、ブロック51〜53や機能マクロ又は回路61〜74の一部又は全部を、図1に示したガスタービン制御装置18内に設けられた集積回路等のハードウェアで構成する。
なお、ブロック51〜53や機能マクロ又は回路61〜74の一部をハードウェアで構成して、残りをコンピュータソフトウェアで構成することも可能である。
なお、ブロック51〜53や機能マクロ又は回路61〜74の一部をハードウェアで構成して、残りをコンピュータソフトウェアで構成することも可能である。
上述した実施の形態によれば、図6に示したように、メインノズルの燃料流量調節弁の開度に関する信号sig1と、ノズル部分メタル温度に関する信号sig2と、排気温度に関する信号sig3の、3種類の信号を用いて、メインノズルの点火を確認している。これにより、1種類の信号のみを用いてメインノズルの点火を確認する構成や、2種類の信号を用いてメインノズルの点火を確認する構成と比較して、メインノズルの火炎の検知をより確実に行うことができる。
そして、メインノズルの火炎を検知したら、図4に示したように、パイロットノズルの燃料流量を減少させて、燃焼モードを切り替える。これにより、ガスタービンの起動から定格運転までの間に起こる一時的な出力低下を防ぐように制御することが可能になる。
そして、メインノズルの火炎を検知したら、図4に示したように、パイロットノズルの燃料流量を減少させて、燃焼モードを切り替える。これにより、ガスタービンの起動から定格運転までの間に起こる一時的な出力低下を防ぐように制御することが可能になる。
(変形例)
上述した実施の形態では、図6に示したように、検知判断信号として3種類の信号(sig1,sig2,sig3)を使用するように構成していた。
しかしながら、前述したように、3種類の信号のうち、必須条件は信号sig1であり、信号sig2及び信号sig3は少なくともどちらか1つの信号が出力されていれば良い。
そこで、例えば、図6に示したメインノズル火炎検知回路のうち、ノズル部分メタル温度に関する信号sig2を出力する回路、或いは、排気温度に関する信号sig3を出力する回路の、いずれか一方のみを使用することも可能である。なお、燃料流量調整弁の開度に関する信号sig1を出力する回路は、そのまま使用する。
上述した実施の形態では、図6に示したように、検知判断信号として3種類の信号(sig1,sig2,sig3)を使用するように構成していた。
しかしながら、前述したように、3種類の信号のうち、必須条件は信号sig1であり、信号sig2及び信号sig3は少なくともどちらか1つの信号が出力されていれば良い。
そこで、例えば、図6に示したメインノズル火炎検知回路のうち、ノズル部分メタル温度に関する信号sig2を出力する回路、或いは、排気温度に関する信号sig3を出力する回路の、いずれか一方のみを使用することも可能である。なお、燃料流量調整弁の開度に関する信号sig1を出力する回路は、そのまま使用する。
このように、信号sig1を出力する回路と、信号sig2を出力する回路或いは信号sig3を出力する回路との、2種類の信号を検知判断信号として使用する構成も、本発明の範囲に含まれる。
そして、このような2種類の信号を検知判断信号として使用する構成によっても、メインノズルの火炎の検知を確実に行うことができ、ガスタービンの起動から定格運転までの間に起こる一時的な出力低下を防ぐように制御することが可能になる。また、2種類の信号を使用することにより、1種類の信号のみを用いてメインノズルの点火を確認する構成と比較して、メインノズルの火炎の検知をより確実に行うことができる。
そして、このような2種類の信号を検知判断信号として使用する構成によっても、メインノズルの火炎の検知を確実に行うことができ、ガスタービンの起動から定格運転までの間に起こる一時的な出力低下を防ぐように制御することが可能になる。また、2種類の信号を使用することにより、1種類の信号のみを用いてメインノズルの点火を確認する構成と比較して、メインノズルの火炎の検知をより確実に行うことができる。
11 燃料遮断弁、12 燃料流量調節弁、13 圧縮機、14 案内翼、15 燃焼機、16 ガスタービン、17 発電機、18 ガスタービン制御装置、50 パイロット燃料流量指令処理部、51 論理積ファンクションブロック(AND)、52 第1のアナログスイッチファンクションブロック(ASW)、53 第2のアナログスイッチファンクションブロック(ASW)、60 点火確認処理部、61,65 入力値保持ファンクションブロック(HLD)、62,66 減算ファンクションブロック(SUB)、63,67,71 上側判定ファンクションブロック(UCK)、64,68 オンディレイタイマーファンクションブロック(TP)、72 下側判定ファンクションブロック(LCK)、74 リセット優先フリップフロップファンクションブロック(FFR)
Claims (6)
- パイロットノズルとメインノズルとを備えたガスタービンを制御するガスタービン制御装置であって、
前記パイロットノズルのみによる第1の燃焼モードから、前記パイロットノズルと前記メインノズルを併用する第2の燃焼モードへ切り替える指令を受けた際に、前記メインノズルの点火を確認する点火確認処理部と、
前記パイロットノズルの燃料流量を指令する信号を作成する処理を行う、パイロット燃料流量指令処理部と、を備え、
前記パイロット燃料流量指令処理部は、前記第1の燃焼モードから前記第2の燃焼モードへ切り替える指令を受けた際に、前記点火確認処理部が前記メインノズルの点火を確認してから、前記パイロットノズルの燃料流量を減少させる指令を出力する
ガスタービン制御装置。 - 前記点火確認処理部は、前記メインノズルの燃料調節弁の開度に関する信号と、前記メインノズルの排気ガスの温度に関する信号又は前記メインノズルのノズル部分のメタルの温度に関する信号の少なくとも一方の信号とを用いて、前記メインノズルの点火を確認する、請求項1に記載のガスタービン制御装置。
- 前記点火確認処理部は、前記メインノズルの排気ガスの温度に関する信号及び前記メインノズルのノズル部分のメタルの温度に関する信号の両方の信号を用いて、前記メインノズルの点火を確認する、請求項2に記載のガスタービン制御装置。
- ガスタービンを制御するガスタービン制御方法であって、
前記ガスタービンは、パイロットノズルとメインノズルとを備え、前記パイロットノズルのみによる第1の燃焼モードと、前記パイロットノズルと前記メインノズルを併用する第2の燃焼モードを、切り替えることが可能な構成であり、
前記第1の燃焼モードから前記第2の燃焼モードへ切り替える際に、前記メインノズルの点火を確認する過程と、前記メインノズルの点火を確認してから前記パイロットノズルの燃料流量を減少させる過程が行われる
ガスタービン制御方法。 - 前記メインノズルの点火を確認する過程において、前記メインノズルの燃料調節弁の開度に関する信号と、前記メインノズルの排気ガスの温度に関する信号又は前記メインノズルのノズル部分のメタルの温度に関する信号の少なくとも一方の信号とを用いて、前記メインノズルの点火を確認する、請求項4に記載のガスタービン制御方法。
- 前記メインノズルの点火を確認する過程において、前記メインノズルの排気ガスの温度に関する信号及び前記メインノズルのノズル部分のメタルの温度に関する信号の両方の信号を用いて、前記メインノズルの点火を確認する、請求項5に記載のガスタービン制御方法。
Priority Applications (1)
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JP2018096251A JP2019200026A (ja) | 2018-05-18 | 2018-05-18 | ガスタービン制御装置、ガスタービン制御方法 |
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-
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