JP3540422B2 - ガスタービン制御装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、ガスタービンの排ガス温度を所定上限値に保ちながら、ガスタービンの燃料流量を調節制御するガスタービン制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ガスタービン発電プラントは、燃料と圧縮空気とを燃焼器に供給し、燃焼器で燃焼したガスをガスタービンに供給してガスタービンを駆動するようにしたものである。図23に、ガスタービン発電プラントの構成図を示す。
【0003】
入口空気案内翼1を介して取り入れられた空気は、空気圧縮機2にて高圧空気に圧縮され、その圧縮空気は空気流路3を通って燃焼器4に入り燃料の燃焼用空気として使用される。一方、燃料制御弁5を介して供給された燃料は、燃料バーナー6から燃焼器4に入り、ここで燃焼して高温高圧ガスとなる。この燃焼ガスはガスタービン7に入り、ガスタービン軸8を回転させ、同軸に結合されている発電機9を回転させて発電機出力を得る。
【0004】
ガスタービン7から排出された排ガスは、煙突に抜けていくか、あるいはコンバインドサイクル発電プラントの場合は、排熱回収ボイラの熱源として使用された後、同様に煙突に抜けていく。
【0005】
ガスタービン制御装置10は、軸端歯車11に近接して取り付けられた速度検出器12から得たガスタービン速度N、空気圧縮機2の吐出空気圧力検出器13からの吐出空気圧力PCD、ガスタービン排ガス温度検出器14からの排ガス温度TX及び発電機出力検出器15からの発電機出力MW等に基づいて、燃料制御信号FREFを燃料制御弁5に与えて燃料流量を調節している。
【0006】
図24に、ガスタービン制御装置10のブロック図を示す。ガスタービン制御装置10は、ガスタービン7の速度とガスタービン7に連結された発電機9の負荷とを制御するための速度負荷制御部16と、ガスタービン7の排ガス温度を所定上限値に制御するための排ガス温度制御部18と、速度負荷制御部16からの速度負荷制御信号FNと排ガス温度制御部18からの排ガス温度制御信号FTとのうち小さい方を選択し燃料制御信号として出力する燃料制御信号選択部17とを備えている。
【0007】
ガスタービン7の起動は、図示を省略している起動制御部にて燃料流量を調節して定格回転数まで昇速される。この時点では燃料流量が少ないので、排ガス温度TXは低い。したがって、速度負荷制御部16からの速度負荷制御信号FNは排ガス温度制御部18からの排ガス温度制御信号FTより小さいので、燃料制御信号選択部17では速度負荷制御信号FNが燃料制御信号FREFとして選択されている。つまり、起動制御部にて定格回転数まで昇速されたガスタービン7は、速度負荷制御部16にて定格回転数で保持されることになる。
【0008】
速度負荷制御部16は、ガスタービン7に連結された発電機8が無負荷であるときにはガスタービン7を定格回転数に維持し、電力系統に並入されたときは発電機9が負荷設定器24に設定された設定値を出力するように制御するものである。すなわち、速度設定器19には初期値として定格回転数が設定されており、ガスタービン7の回転数Nとの速度偏差NEが減算器20で演算される。その速度偏差NEは比例制御器21で比例演算され、信号発生器22からの無負荷定格速度バイアス信号が加算されて速度負荷制御信号FNとして出力される。無負荷定格速度バイアス信号は、無負荷状態のガスタービン7や発電機9を定格回転数に維持するために必要な燃料流量に相当する信号である。
【0009】
この状態で、発電機9が電力系統に並入されると、発電機9は系統周波数と同期して回転することになり負荷運転となる。負荷運転状態では、発電機出力MWと負荷設定器24の負荷設定値との発電機出力偏差MWEが減算器25で演算され、発電機出力偏差MWEが負であるときは、比較器26がスイッチ27をオンし、発電機出力偏差MWEが正であるときは、比較器29がスイッチ30をオンする。
【0010】
つまり、発電機出力偏差MWEが負であるときは、信号発生器28に設定された正の値が速度設定器19に入力される。速度設定器19は積分特性を持っており、その正の値に対応した変化率で速度設定器19の設定値を増加させ、発電機出力偏差MWEが零になるように速度負荷制御信号FNを変化させる。同様に、発電機出力偏差MWEが正であるときは、信号発生器31に設定された負の値に対応した変化率で速度設定器19の設定値を減少させ、発電機出力偏差MWEが零になるように速度負荷制御信号FNを変化させる。
【0011】
発電機9が電力系統に並入され、負荷を徐々に取り始める状態では発電機出力偏差MWEが負である状態であるので、比較器26がスイッチ27をオンし、信号発生器28に設定された正の値に対応した変化率で速度設定器19の設定値を増加させている状態である。これによって、発電機出力MWが徐々に増加していく。そうすると、排ガス温度TXが徐々に上昇していくので、排ガス温度制御部18からの排ガス温度制御信号FTが徐々に小さくなっていく。
【0012】
排ガス温度制御部18は、排ガス温度TXが空気圧縮機2の吐出空気圧力PCDの関数として定まる所定の上限値TXRになるように制御するものである。この所定上限値TXRは、ガスタービン7の高温部材料と冷却性能とから定まるもので、ガスタービン7の高温部材料に熱ストレスがかからないようにするためである。また、排ガス温度TXを所定上限値TXRで制御するのは、排ガス温度が高いほどガスタービン7の効率が高くなるからである。なお、本来ならば、ガスタービン7の高温部材料の熱ストレスの検出には、ガスタービン7のガス入口温度を検出するのが好ましいが、ガスタービン7のガス入口温度は千数百℃の高温であるため、排ガス温度TXにより等価的に入口ガス温度を監視制御するようにしている。
【0013】
図25は、空気圧力PCDに基づいて所定上限値TXRを演算する関数発生器32における特性の説明図である。図25の実線は所定上限値TXRを示し、点線は排ガス温度の警報値あるいはガスタービン7のトリップ値を示している。
【0014】
図25に示した特性曲線が右下がりに傾斜しているのは、空気圧縮機2の吐出空気圧力PCDの増加と共にガスタービン効率が高くなるので、入口ガス温度を一定に維持するためには排ガス温度TX、すなわち所定上限値TXRをタービン効率の上昇に応じて減少させなければならないことを表している。
【0015】
このようにして得られた所定上限値TXRは減算器33に入力され、排ガス温度TXとの排ガス温度偏差TEが算出される。排ガス温度偏差TEは比例積分制御器34に入力され、排ガス温度制御信号FTが得られる。
【0016】
したがって、燃料流量が増加していくにつれ、ガスタービン7の排ガス温度TXが上昇し、排ガス温度偏差TEが徐々に減少する。やがて、排ガス温度TXが所定上限値TXRに達すると、排ガス温度偏差TEは零となる。また、排ガス温度TXがこの所定上限値TXRを越えると、排ガス温度偏差TEは負となり、警報を発生したり、ガスタービン7をトリップさせたりする。
【0017】
排ガス温度制御信号FTが減少することにより、排ガス温度制御信号FTの値の方が速度負荷制御信号FNの値よりも低くなって、燃料制御信号選択部17では速度負荷制御信号FNに代わって排ガス温度制御信号FTが燃料制御信号FREFとなって燃料流量を調節してガスタービン7の排ガス温度TXを所定上限値TXRに一致するように制御する。
【0018】
このように従来のガスタービン制御装置では、ガスタービン7の熱ストレスを回避しながらガスタービン効率の高いところで運転できるようにしている。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このような従来のガスタービン制御装置10では、電力系統に周波数変動があると、速度負荷制御部16は比例制御器21の高い比例ゲインを介して、系統周波数を回復させる方向に大きく応動するので、燃料流量が大きく変動し、ガスタービン7の排ガス温度TXが大きく変動することがある。排ガス温度TXの変動はガスタービン高温部の熱ストレスを増長させ、ガスタービン7の排ガスを熱源とする排熱回収ボイラのボイラ制御に大きな外乱を与える。また、ガスタービン7の排ガスをボイラへの押込通風用空気として利用する排気再燃式コンバインドサイクル発電プラントでも、ボイラ制御に大きな外乱を与えることになる。
【0020】
特に、ガスタービン排ガス温度TXが所定上限値TXRの近傍で運転されている場合に、系統周波数が変動すると、速度負荷制御部16の動作はガスタービン排ガス温度制御に大きな外乱を与える。たとえば、系統周波数が上昇した場合には、ガスタービン速度Nも上昇する。速度負荷制御部16は、これを修正する方向に動作するので、速度負荷制御信号FNはその直前の値から減少し、速度負荷制御信号FNの方が排ガス温度制御信号FTよりも低くなって、燃料制御信号選択部17では速度負荷制御信号FNが選択され、燃料流量が絞られる。これにより、燃料流量が減少し、それに伴いガスタービン7の排ガス温度TXが数秒の遅れをもって低下する。
【0021】
この状態で、系統周波数が急に回復すると、ガスタービン速度Nも定格回転数まで急に低下する。この場合のガスタービン速度Nの検出遅れは無視できるほど小さいので、速度負荷制御信号FNは急上昇することになる。燃料制御信号選択部17は、この状態では速度負荷制御信号FNを燃料制御信号FREFとして選択しているので、速度負荷制御信号FNの変化は燃料流量の変化となり、燃料流量は急増する。これは、ガスタービン速度Nの検出遅れは無視できるほど小さいのに対し、ガスタービン7の排ガス温度TXの検出遅れは数秒あることから、燃料流量の急増に応じた排ガス温度TXの上昇が遅れるからである。
【0022】
したがって、燃料流量の急増により、排ガス温度TXが所定上限値TXRに到達した時点ではすでに過剰な燃料流量が投入されていることになる。また、その時点で、燃料制御信号選択部17は燃料制御信号FREFとして速度負荷制御信号FNから排ガス温度制御信号FTに切り替えて、燃料流量を減少させることになるが、既に、過剰に燃料流量が投入されているので、排ガス温度TXは上昇を続けることになる。
【0023】
ガスタービン7の排ガス温度TXを極力高い温度で運転したいというガスタービン効率上の理由から所定上限値TXRと排ガス温度TXの警報値やガスタービン7のトリップ値は近接しているので、このような場合には過温度によりガスタービンとリップに至るという不都合が発生することもある。
【0024】
また、逆に、ガスタービン7の排ガス温度TXが所定上限値TXRより若干低い温度であって、燃料制御信号FREFとして速度負荷制御信号FNが選択されている状態で発電機出力MWを制御しているときに、系統周波数が急に下降した場合においても、速度負荷制御信号FNが急上昇するので、前述の場合と同様な不都合が発生する。
【0025】
本発明の目的は、ガスタービンの熱ストレスを回避しながら、ガスタービン効率の高いところで運転でき、しかも、系統周波数の変動があった場合においても、排ガス温度に与える影響を極力少なくしたガスタービン制御装置を得ることである。
【0026】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、ガスタービンの排ガス温度が所定上限値になるように制御するための排ガス温度制御信号を出力する排ガス温度制御部と、ガスタービンの速度とガスタービンに連結された発電機の負荷とが速度設定器に設定された設定値になるように速度負荷制御信号を出力する速度負荷制御部と、発電機の負荷を制限するための負荷制限制御信号を所定のレートで出力する負荷制限制御部と、排ガス温度制御信号と速度負荷制御信号と負荷制限制御信号とのうち最も小さい信号を選択しガスタービンへの燃料流量を調節するための燃料制御信号として出力する燃料制御信号選択部と、排ガス温度制御信号と負荷制限制御信号とのうち小さい方を選択する低値選択部と、速度負荷制御信号が低値選択部で選択された信号より所定の余裕値だけ高くなるように追従制御するための速度負荷追従制御部とを備えている。
【0027】
請求項2の発明は、ガスタービンの排ガス温度が所定上限値になるように制御するための排ガス温度制御信号を出力する排ガス温度制御部と、ガスタービンの速度とガスタービンに連結された発電機の負荷とが速度設定器に設定された設定値になるように速度負荷制御信号を出力する速度負荷制御部と、発電機の負荷を制限するための負荷制限制御信号を所定のレートで出力する負荷制限制御部と、排ガス温度制御信号と速度負荷制御信号と負荷制限制御信号とのうち最も小さい信号を選択しガスタービンへの燃料流量を調節するための燃料制御信号として出力する燃料制御信号選択部と、燃料制御信号選択部で排ガス温度制御信号が選択されているときは速度負荷制御信号が排ガス温度制御信号より所定の余裕値だけ高くなるように追従制御するための速度負荷追従制御部と、負荷制限制御信号が速度負荷制御信号より所定の余裕値だけ高くなるように追従制御するための負荷制限追従制御部とを備えている。
【0028】
そして、負荷制限追従制御部は、負荷制限制御信号が、速度負荷制御信号又は排ガス温度温度制御信号のうち小さい方より所定の余裕値だけ高くなるように追従制御するようにし、その余裕値は、発電機の負荷が低負荷時には大きい余裕値とし、高負荷時には小さい余裕値とする。又は、その余裕値を排ガス温度が所定上限値に近づくに従い小さくなるようする。
【0029】
一方、負荷制限追従制御部には、負荷制限制御部の所定のレートを変化させる手段を設け、排ガス温度が低いときは大きいレートを選択し、排ガス温度が所定上限値近傍では小さいレートを選択する。又は、所定のレートを排ガス温度が所定上限値に近づくに従い小さくなるようにする。
【0030】
また、必要に応じて、排ガス温度が所定上限値の近傍であるときは、速度負荷制御信号の増方向変化率を制限する変化率制限器を設ける。
【0031】
【作用】
請求項1の発明では、速度負荷追従制御部は、速度負荷制御信号が、低値選択部で選択された排ガス温度制御信号又は負荷制限制御信号より所定の余裕値だけ高くなるように追従制御するので、通常時においては、燃料制御信号選択部は排ガス温度制御信号又は負荷制限制御信号のうちいずれかを選択している。排ガス温度が低い状態では負荷制限制御信号を選択し、排ガス温度が所定上限値の近傍になると、排ガス温度制御信号を選択している。
【0032】
この状態で、系統周波数の上昇する変動があると、速度負荷制御信号が急激に下降するので、燃料制御信号選択部では、速度負荷制御信号が燃料制御信号として選択されることになる。その場合、速度負荷制御信号は排ガス温度制御信号又は負荷制限制御信号より所定の余裕値だけ高い位置にあるので、その余裕値分だけ高い位置から変動することになる。したがって、速度負荷制御信号が急激に変化しても、燃料制御信号としての変化は余裕値分だけ小さくなる。
【0033】
また、燃料制御信号選択部で排ガス温度制御信号が選択されている状態で、排ガス温度制御信号の突変が生じても、速度負荷制御信号はその突変に対し所定のレートで変化するので、燃料制御信号選択部で速度負荷制御信号が燃料制御信号として選択されることになり、燃料流量の急激な変化を抑制できる。
【0034】
請求項2の発明では、速度負荷追従制御部は、燃料制御信号選択部で排ガス温度制御信号が選択されているときは速度負荷制御信号が排ガス温度制御信号より所定の余裕値だけ高くなるように追従制御し、また、負荷制限追従制御部は、負荷制限制御信号が速度負荷制御信号より所定の余裕値だけ高くなるように追従制御するので、この状態での通常時においては当然に排ガス温度制御信号が選択されている。
【0035】
この状態で系統周波数が上昇する変動した場合、請求項1の発明の場合と同様に、速度負荷制御信号が急激に下降するので、燃料制御信号選択部では、速度負荷制御信号が燃料制御信号として選択されることになる。その場合、速度負荷制御信号は排ガス温度制御信号又は負荷制限制御信号より所定の余裕値だけ高い位置にあるので、その余裕値分だけ高い位置から変動することになる。したがって、速度負荷制御信号が急激に変化しても、燃料制御信号としての変化は余裕値分だけ小さくなる。そして、負荷制限制御信号は速度負荷制御信号に追従して所定のレートで変化するので、系統周波数が正常な定格周波数に急激に回復し速度負荷制御信号が急激に上昇したときには、負荷制限制御信号が燃料制御信号として選択されるので、燃料流量の急激な変化を抑制できる。
【0036】
一方、燃料制御信号選択部で速度負荷制御信号が選択されている状態では、負荷制限追従制御部が負荷制限制御信号が速度負荷制御信号より所定の余裕値だけ高くなるように追従制御するので、負荷制限制御信号が速度負荷制御信号より所定の余裕値だけ高い位置にある。この状態で、系統周波数が上昇する変動した場合には、負荷制限制御信号にて燃料流量の急激な変化を抑制することになる。
【0037】
そして、負荷制限追従制御部は、負荷制限制御信号が、速度負荷制御信号又は排ガス温度温度制御信号のうち小さい方より所定の余裕値だけ高くなるように追従制御するようにした場合には、系統周波数が一旦上昇して下降した場合に生じる燃料流量の変動を抑制できる。また、その余裕値は、発電機の負荷が低負荷時には大きい余裕値とし、高負荷時には小さい余裕値とする。これによって、燃料流量の多い高負荷時において、負荷制限制御信号による負荷制限を早めにかけることができる。その余裕値を排ガス温度が所定上限値に近づくに従い小さくなるようした場合も同様である。
【0038】
一方、負荷制限追従制御部には、負荷制限制御部の所定のレートを変化させる手段を設け、排ガス温度が低いときは大きいレートを選択し、排ガス温度が所定上限値近傍では小さいレートを選択する。排ガス温度が所定上限値近傍では、小さいレートすることにより、燃料流量の多い高負荷時において、燃料流量の変動を小さく抑制することができる。所定のレートを排ガス温度が所定上限値に近づくに従い小さくなるようにした場合も同様である。また、必要に応じて、排ガス温度が所定上限値の近傍であるときは、速度負荷制御信号の増方向変化率を制限する変化率制限器を設ける。これによって、変化率制限器に設定された増方向変化率制限値以上の燃料流量の突変を防止できる。
【0039】
【実施例】
以下、本発明の実施例を説明する。図1は本発明の第1の実施例を示すブロック構成図である。図24に示した従来例と同一要素には同一符号を付し、その説明は省略する。この第1の実施例は、図24に示した従来例に対し、発電機の負荷を制限するための負荷制限制御信号FLLを出力する負荷制限制御部35と、排ガス温度制御信号FTと負荷制限制御信号FLLとのうち小さい方を選択する低値選択部41と、速度負荷制御信号FNが低値選択部41で選択された信号より所定の余裕値だけ高くなるように追従制御するための速度負荷追従制御部42とが追加して設けられている。そして、燃料制御信号選択部17には、排ガス温度制御信号FTと速度負荷制御信号FNと負荷制限制御信号FLLとが入力され、これらの信号のうち最も小さい信号が選択されて、ガスタービン7への燃料流量を調節するための燃料制御信号FREFとして出力されることになる。
【0040】
負荷制限制御部35の負荷制限器36は積分器として動作し、その積分値を負荷制限制御信号FLLとして出力する。したがって、信号発生器38又は信号発生器40に設定された設定値に基づいて所定のレートで変化する負荷制限制御信号を出力することになる。信号発生器38及び信号発生器40には、発電機9の負荷を制限するための設定値が設定される。信号発生器38には正の設定値が設定され、信号発生器40には負の設定値が設定される。
【0041】
負荷制限器36の積分値、すなわち負荷制限制御信号FLLは、外部の装置あるいは運転員の要求に応じて増加あるいは減少させることができる。増加要求に応じてはスイッチ37が閉じ、信号発生器38の正の設定値がスイッチ37を介して負荷制限器36の入力に送られる。この入力が与えられている間、負荷制限制御信号FLLは積分状に増加する。スイッチ37が開くとその増加は停止しその値が保持される。逆に、減少要求に応じてはスイッチ39が閉じ、信号発生器40の負の設定値がスイッチ39を介して負荷制限器36の入力に送られる。この入力が与えられている間、負荷制限制御信号FLLは積分状に減少する。スイッチ39が開くとその減少は停止しその値が保持される。
【0042】
排ガス温度制御信号FTと負荷制限制御信号FLLは、低値選択部41に入力される。低値選択部41は、排ガス温度制御信号FTと負荷制限制御信号FLLとのうち低い値の信号を選択して、信号LVAとして速度負荷追従制御部42に出力する。
【0043】
信号LVAは速度負荷追従制御部42の関数発生器43に入力され、ここで信号LVBに変換される。関数発生器43での信号LVAから信号LVBへの信号変換は、次式で求められる。
LVB=(LVA−B)/K+No
ここで、Bは信号発生器22により与えられる無負荷定格速度バイアス信号、Kは比例制御器21のゲイン、Noはガスタービン定格速度である。
【0044】
上式は、信号LVAを、同じ信号レンジの速度負荷制御信号FNに等しいと見なした場合に、速度負荷制御部16の上流の信号である速度設定NRに換算していることを表している。つまり、関数発生器43は、低値選択部41の出力信号である排ガス温度制御信号FT又は負荷制限制御信号FLLを、速度負荷制御信号FNと見立てた場合における速度設定(信号LVB)を算出する。このようにして、信号LVAは、速度設定NRと同じ信号レンジで比較できるような信号LVBに変換される。
【0045】
速度負荷制御部16の速度設定NRは速度負荷制御自動追従制御部42の減算器44に入力される。減算器44は信号LVBと速度設定NRとの偏差を演算し、その偏差は加算器45に加えられる。加算器45にて、その偏差には、信号発生器46から与えられる余裕値と呼称する追従バイアス設定値FBAが加算される。加算器45で得られた信号は上限リミッタ46及び下限リミッタ47で上限及び下限のリミッタが掛けられる。上限リミッタ46及び下限リミッタ47には、それぞれ上限設定値や下限設定値を内蔵しており、上下限設定値以内の信号はそのまま通過し、上下限設定値を越える信号に対しては上下限設定値に制限される。下限リミッタ47を出た信号はスイッチ48を介して、速度負荷制御部16の加算器49に入力される。
【0046】
なお、スイッチ48は速度負荷追従制御の使用と除外を行うためのスイッチであり、運転員により選択される。スイッチ48が閉じているときが使用状態であり、スイッチ48が開いているときが除外状態である。速度負荷追従制御の使用状態のときは、下限リミッタ47を出た信号はスイッチ48を介して速度負荷制御部16の加算器49に入力される。加算器49は、スイッチ27、30と速度設定器19の間に新たに設けられたものであり、スイッチ27、30、48を出た信号を加算する。これらのスイッチ27、30、48が開いているときはいずれもスイッチを出た信号の値は零である。加算器49の出力は速度設定器19の入力となる。
【0047】
図2に、第1の実施例の運転チャートを示す。初期状態として、発電機9が電力系統に併入され、発電機出力MWが比較的低い低負荷域で運転されており、燃料制御信号選択部17では負荷制限制御信号FLLが燃料制御信号FREFとして選択されている場合を示す。
【0048】
一般に、速度負荷制御信号FNによらず、負荷制限器36の負荷制限制御信号FLLで発電機出力MWを調節する運転を負荷制限運転と称する。この負荷制限運転では、負荷制限器36からの負荷制限制御信号FLLが燃料制御信号FREFとなるので、この負荷制限器36からの負荷制限制御信号FLLによって燃料流量が決められる。したがって、電力系統に同期並入されたガスタービン速度N、すなわち系統周波数の影響を受けないという特徴がある。そのため、燃焼器4あるいはガスタービン7の排ガスを利用するボイラ側の特性が、燃料流量や排ガス温度TXあるいは排ガス流量の変動に敏感に応動して特性上不適合なプラントにおいて、この負荷制限運転は好適である。
【0049】
図2において、負荷制限制御信号FLLは実線で示されている。燃料制御信号FREFは、線が重ならぬよう、便宜上わずか下にずらして点線で記載されている。時点t1以前においては、排ガス温度制御信号FTは、まだ燃料量が少なく排ガス温度TXが比較的低いので高い値に飽和している。そして、速度負荷追従制御は使用状態に選択されており、スイッチ48は閉じているとする。
【0050】
速度負荷制御信号FNは、低値選択部41で信号LVAとして低値選択されている負荷制限制御信号FLLに対して、速度設定NRの信号レベルに換算して余裕値FBAだけ高い位置に自動追従制御されている。この動作は、信号LVBと余裕値FBAとの和に速度設定NRが一致するように加算器49を介して速度設定器19により調節されていることによる。
【0051】
時刻t1にて負荷制限制御部35のスイッチ37が閉じ、負荷制限制御信号FLLを所定のレートで増加させると、負荷上昇が再開する。負荷制限制御信号FLLの増加レートは信号発生器38の設定値と負荷制限器36の積分時定数とから決まる。低値選択部41では、信号LVAとしてまだ負荷制限制御信号FLLが選択されているので、負荷制限制御信号FLLの上昇にしたがって、速度負荷追従制御部42を介して速度設定NRが自動追従し上昇する。つまり、速度負荷制御信号FNが負荷制限制御信号FLLに追従して上昇する。この場合の速度設定NRの追従レートの最大値は上限リミッタ46の上限設定値により決まる。燃料制御信号FREFである負荷制限制御信号FLLの上昇にしたがって、燃料流量が増加し、排ガス温度TXと発電機出力MWも上昇する。
【0052】
排ガス温度TXの上昇に伴い、温度偏差TEが減少し排ガス温度制御信号FTも減少する。そして、排ガス温度TXが所定上限値TXRに達すると、温度偏差TEが零となり排ガス温度制御信号FTも零となる。時刻t2において、燃料制御信号選択部17にて、負荷制限制御信号FLLに代わって排ガス温度制御信号FTが燃料制御信号FREFとして選択されると、排ガス温度制御部18は排ガス温度TXが上限設定値TXRになるように制御する。それと共に、低値選択部41においても、負荷制限制御信号FLLに代わって排ガス温度制御信号FTが信号LVAとして選択される。その結果、速度設定NRは、負荷制限制御信号FLLから排ガス温度制御信号FTに自動追従するようになる。つまり、速度負荷制御信号FNは排ガス温度制御信号FTに自動追従するようになる。
【0053】
この状態で、図3に示すように、例えば、系統周波数FQが時刻t3にて急上昇した場合、速度設定NRは排ガス温度制御信号FTに自動追従していたので、速度負荷制御信号FNは余裕値設定FBAから決まる幅だけ高い位置から、速やかにガスタービン速度Nすなわち系統周波数FQに応動して、系統周波数FQの回復につとめようとする。また、常時の若干量の周波数変動に対しては、余裕値設定FBAを適切に選べば排ガス温度制御の外乱にはならない。図3は排ガス温度制御部18により燃料流量が調節されて排ガス温度制御が行われている高負荷域での例であるが、低負荷域では、図3における排ガス温度制御信号FTを負荷制限制御信号FLLに置き換えればその効果は同等である。すなわち、系統周波数FQの急上昇に速やかに応動しつつ、常時の若干量の周波数変動の影響を受けることなく安定した燃料量を供給することができる。
【0054】
また、図4に示すように排ガス温度制御信号FTにより燃料流量が調節されているときに、何等かの原因により排ガス温度制御信号FTが急上昇した場合、速度負荷制御信号FNは上限リミッタ46の上限設定値により決まる最大の追従レートでしか追従しないので、図示のように、緩やかに上昇する速度負荷制御信号FNが燃料制御信号選択部17において低値選択されて、燃料制御信号FREFすなわち燃料流量の急変が抑制される。余裕値設定値FBAを適切に選ぶことにより、排ガス温度の高警報や温度高によるガスタービントリップを回避して電力供給の安定化を図ることができる。
【0055】
以上述べたように、この第1の実施例によれば、通常時は、排ガス温度制御信号FT又は負荷制限制御信号FLLが燃料制御信号FREFとなり、速度負荷制御信号FNは、排ガス温度制御信号FT又は負荷制限制御信号FLLに対して余裕値FBAだけ高い位置で追従させるので、速度負荷制御信号FNは余裕値FBAだけ高い位置から下降し、燃料制御信号FREFとして選択された場合でも、急激な外乱にはならない。
【0056】
また、排ガス温度制御信号FTにより燃料流量が調節されているときに、何等かの原因により排ガス温度制御信号FTが急上昇した場合でも、速度負荷制御信号FNは上限リミッタ46の上限設定値により決まる最大の追従レートでしか追従しないので、緩やかに上昇する速度負荷制御信号FNにて燃料流量の急変が抑制される。
【0057】
次に、本発明の第2の実施例を説明する。図5は、本発明の第2の実施例のブロック構成図である。図1に示した第1の実施例と同一要素には同一符号を付し、その説明は省略する。この第2の実施例は、図1に示した第1の実施例に対し、負荷制限制御信号FLLが速度負荷制御信号FNより所定の余裕値FBBだけ高くなるように追従制御するための負荷制限追従制御部50を設け、低値選択部41を省略したものである。そして、速度負荷追従制御部42は、燃料制御信号選択部17で排ガス温度制御信号FTが選択されているときは、速度負荷制御信号FNが排ガス温度制御信号FTより所定の余裕値FBAだけ高くなるように追従制御する。
【0058】
図5において、負荷制限追従制御部50の減算器51は、速度負荷制御信号FNと負荷制限制御信号FLLとの偏差を演算し、その偏差は信号発生器52からの余裕値FBBと加算器53にて加算される。加算器53の出力信号は上限リミッタ54及び下限リミッタ55にて上限及び下限がかけられる。上限リミッタ54と下限リミッタ55には、上限設定値と下限設定値が内蔵されている。上下限設定値以内の信号はそのまま通過し、上下限設定値を越える信号に対しては上下限設定値に制限される。下限リミッタ55の出力信号はスイッチ56を介して負荷制限制御部35の加算器57に入力される。
【0059】
スイッチ56は負荷制限追従制御の使用と除外を行うためのスイッチであり、運転員により選択される。スイッチ56が閉じている時が負荷制限追従制御の使用状態であり、スイッチ56が開いている時が負荷制限追従制御の除外状態である。負荷制限追従制御の使用状態の時は、下限リミッタ55の出力信号はスイッチ56を介して負荷制限制御部35の加算器57に入力される。加算器57は、スイッチ37、39と負荷制限器36の間に新たに設けたものである。加算器57は、スイッチ37、39、56の出力信号を加算する。これらのスイッチ37、39、56が開いているときは、いずれもスイッチ37、39、56の出力信号は零である。加算器57の出力は負荷制限器36の入力となる。
【0060】
図6に、図5に示した第2の実施例を適用した場合の運転チャートを示す。初期状態として、発電機9が電力系統に併入され、発電機出力MWが比較的低い低負荷域で運転されており、燃料制御信号選択部17では速度負荷制御信号FNが燃料制御信号FREFとして選択されている状態を示している。負荷制限追従制御は使用状態に選択されており、スイッチ56は閉じているとする。
【0061】
負荷制限制御信号FLLは速度負荷制御信号FNに対して余裕値設定FBBだけ高い位置に自動追従制御されている。この動作は、速度負荷制御信号FNと余裕値FBBの和に、負荷制限制御信号FLLが一致するように加算器57を介して負荷制限器36により調節されていることによる。
【0062】
時刻t1にて、速度負荷制御部16のスイッチ27が閉じられると、正の設定値が速度設定器19に入力されることになるので、速度負荷制御信号FNが上昇し負荷上昇が再開する。速度負荷制御信号FNの増加レートは信号発生器28の正の設定値と速度設定器19の積分時定数から決まる。速度負荷制御信号FNの上昇にしたがって、負荷制限制御信号FLLが負荷制限追従制御部50を介して自動追従し上昇する。そのときの負荷制限制御信号FLLの追従レートの最大値は上限リミッタ54の上限設定値により決まる。負荷上昇に伴い燃料流量の増加し、排ガス温度TXと発電機出力MWと共に上昇する。
【0063】
排ガス温度TXの上昇に伴い、排ガス温度偏差TEが減少し排ガス温度制御信号FTも減少する。そして、排ガス温度TXが上限設定値TXRに達すると、温度偏差TEが零となる。いま、排ガス温度制御信号FTの減少によって、時刻t2おいて、排ガス温度制御信号FTが速度負荷制御信号FNに代わって、燃料制御信号選択部17において低値選択されると、排ガス温度制御部18は排ガス温度TXが上限設定値TXRになるように制御する。それと共に、図7に示したように、排ガス温度制御信号FTと燃料制御信号FREFとが比較器58で比較されて、排ガス温度制御信号FTが低値選択されていることが検出されると、スイッチ48を閉じて速度負荷追従制御部42を使用状態にする。
【0064】
これによって、速度負荷追従制御が開始されると、速度負荷追従制御部42の関数発生器43に排ガス温度制御信号FTを入力することになるので、速度負荷制御信号FNは排ガス温度制御信号FTに対して、余裕値設定FBAから決まる幅だけ高い位置に自動追従制御される。そして、負荷制限制御信号FLLは引き続き速度負荷制御信号FNに対して余裕値設定FBBだけ高い位置に自動追従制御される。したがって、図8に図示したように、速度負荷制御信号FNにより燃料流量を制御中に、速度負荷制御信号FNが急上昇したような場合においても、図示したように、負荷制限制御信号FLLの追従レートはゆるやかなので、燃料制御信号FREFの突変は抑止される。
【0065】
次に、図9のように系統周波数FQが変動した場合、速度負荷制御信号FNはガスタービン速度Nの変動に応動して図示のように減少する。負荷制限制御信号FLLは下限リミッタ55の下限設定値により決まる追従レートで降下しつつ自動追従制御が行われる。そして燃料制御信号FREFが減少するので、排ガス温度TXが若干減少するために温度偏差TEが正となって排ガス温度制御信号FTが上昇する。次に系統周波数FQが回復すると、それに応動して速度負荷制御信号FNは急上昇する。一方、負荷制限制御信号FLLは自動追従制御されているので、上限リミッタ54の上限設定値から決まる追従レートで緩やかに上昇し、速度負荷制御信号FNの突変による燃料量の過剰な供給を抑止する。排ガス温度TXの検出には数秒の遅れがあるので、排ガス温度制御に先行して負荷制限制御信号FLLで過剰な燃料供給を抑止することは、排ガス温度高警報と過温度によるガスタービントリップの回避に効果的である。
【0066】
以上述べたように、この第2の実施例によれば、通常時は、速度負荷制御信号FNが燃料制御信号FREFとして選択され、負荷制限制御信号FLLは、速度負荷制御信号FNに余裕値FBBを加算した値に追従しており、この状態で、周波数変化があり、速度負荷制御信号FNが急激に変化したときは、その速度負荷制御信号FNの急激な変化より負荷制限器36の追従レートが低いので、燃料制御信号FREFは負荷制限制御信号FLLで制限される。したがって、速度負荷制御信号FNの急激な変化があっても、燃料制御信号FREFの突変は抑制される。
【0067】
また、弁開度制御信号FREFが排ガス温度制御信号FTに切り替わると、速度負荷追従制御部42を起動するので、速度負荷制御信号FNは、弁開度制御信号FREFである排ガス温度制御信号FTに余裕値FBAを加算した値に追従し、負荷制限制御信号FLLは、速度負荷制御信号FNに余裕値FBBを加算した値に追従する。この状態で、周波数変化があると、図9に示すように、速度負荷制御信号FNは急激に変化するが、余裕値FBA分だけ、速度負荷制御信号FNが高い位置から変化するので、燃料制御信号FREFの突変は抑制される。
【0068】
そして、周波数が回復すると、速度負荷制御信号FNは急激に上昇するので、その上昇より緩やかに変化する負荷制限制御信号FLLが弁開度制御信号FREFとして選択されるので、燃料制御信号FREFの突変は抑制される。
【0069】
本発明の第3の実施例のブロック構成図を図10に示す。この第3の実施例は、第2の実施例に対し、負荷制限制御信号FLLを排ガス温度制御信号FT又は速度負荷制御信号FNのうち小さい方に追従させるようにしたものである。図5に示した第2の実施例と同一要素には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0070】
排ガス温度制御信号FTと速度負荷制御信号FNとのうち小さい方を選択する低値選択部59が設けられている。この低値選択部59の出力信号は負荷制限追従制御部50の加算器51に入力される。この第3の実施例の場合の運転は、低負荷域から高負荷域へ負荷上昇する過程は図6に示した特性と同等である。すなわち、負荷制限制御信号FLLは速度負荷制御信号FNに追従する。そして排ガス温度TXが上限設定値TXRに到達後は、排ガス温度制御信号FTが燃料制御信号低値選択部17で低値選択される。
【0071】
一方、第3の実施例においても、図7に示した条件により速度負荷追従制御部42が起動され、これにより速度負荷制御信号FNは排ガス温度制御信号FTに余裕値FBAだけ高い位置で追従する。また、負荷制限制御信号FLLは、低値選択部59により得られる排ガス温度制御信号FTと速度負荷制御信号FNとの低値に余裕値FBBだけ高い位置で追従する。従って、その動作は、図11に示すようになる。
【0072】
排ガス温度制御信号FTが燃料制御信号FREFとして選択され、運転されている状態であるとする。この場合、負荷制限制御信号FLLは排ガス温度制御信号FTに追従している。
【0073】
この状態で、系統周波数FQが上昇すると、その系統周波数FQの上昇に応動して速度負荷制御信号FNが降下する。速度負荷制御信号FNは排ガス温度制御信号FTに対し余裕値FBAだけ高い位置で追従しているので、その位置から速度負荷制御信号FNは下降することになるので、燃料制御信号FREFの変化は余裕値分だけ小さくなる。
【0074】
また、速度負荷制御信号FNが排ガス温度制御信号FTより低値となると、負荷制限制御信号FLLは速度負荷制御信号FNに追従することになる。したがって、系統周波数FQが急速に回復しても、負荷制限制御信号FLLは所定の追従レートで緩やかに上昇するので、過剰な燃料流量の供給を防止することができる。
【0075】
このように、この第3の実施例によれば、負荷制限制御部35の負荷制限信号FLLを排ガス温度制御信号FTと速度負荷制御信号FNとの低値に追従させているので、これら排ガス温度制御信号FTと速度負荷制御信号FNの急激な変化に対して、負荷制限制御信号FLLがその急激な変化を抑制することになるので、燃料制御信号FREFの突変を防止することができる。
【0076】
図12は、本発明の第4の実施例を示すブロック構成図である。この第4の実施例は、第2の実施例に対し、負荷制限追従制御部50の余裕値を低負荷時と高負荷時とで切り替えるようにしたものであり、低負荷時には余裕値を大きくし、高負荷時には余裕値を小さくする。図5に示した第2の実施例と同一要素には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0077】
図5に示した信号発生器52に代えて、大きい余裕値が設定される信号発生器60と小さい余裕値が設定される信号発生器61とが設けられている。信号発生器60はスイッチ62を介して加算器53に接続され、信号発生器61はスイッチ63を介して加算器53に接続されている。信号発生器60は低負荷域から中高負荷域にかけての域で使用され、信号発生器61より大きい値が余裕値として与えられる。信号発生器61は高負荷であって、排ガス温度TXが所定上限値TXRあるいはその近傍の温度であるときに使用され、信号発生器60より小さい値が余裕値として与えられる。
【0078】
スイッチ60及びスイッチ61の動作条件、すなわち負荷制限追従制御部50での余裕値の切替え条件を図13に示す。排ガス温度制御部18の排ガス温度偏差TEと所定の切換基準偏差とが比較器64にて比較され、排ガス温度偏差TEが切換基準偏差よりも小さいときには、排ガス温度TXが所定上限値TXRである近傍と判定し、スイッチ62を開きスイッチ63を閉じる。逆のときはスイッチ62を閉じスイッチ63を開く。
【0079】
この第4の実施例を適用した場合の運転チャートを図14に示す。負荷制限制御信号FLLは速度負荷制御信号FNに自動追従している。時刻t1にて排ガス温度偏差TEが切換基準偏差より小さくなると、スイッチ63が閉じられ余裕値が小さい信号発生器61側に切り換える。第2の実施例における系統周波数が変動した場合の特性図を示す図9からも分かるように、負荷制限制御信号FLLをできるだけ速度負荷制御信号FNに近付けた位置に自動追従させると、速度負荷制御信号FNが急上昇したときの負荷制限制御信号FLLによる頭打ちを早い時点で行えるので、過剰な燃料供給の抑止の効果が大きい。一方、排ガス温度TXが比較的低い域では排ガス温度の過温度に対する余裕があるので、通常の若干量の周波数変動に対しては速度負荷制御信号FNが応動できるように、余裕値をやや大きくしておくことが望ましい。
【0080】
以上のように、この第4の実施例によれば、低負荷時の排ガス温度の過温度に対する余裕がある場合には、大きい余裕値を選択して負荷制限制御信号FLLによる制限を緩和し、高負荷時の排ガス温度の過温度に対する余裕がない場合には、小さい余裕値を選択して負荷制限制御信号FLLによる制限をきき易くするので、適切な排ガス温度制御が可能となる。
【0081】
図15に、本発明の第5の実施例を示す。この第5の実施例は、第2の実施例に対し、負荷制限追従制御部50の余裕値を排ガス温度偏差TEに基づいて可変としたものであり、排ガス温度偏差TEが大きいときは余裕値を大きくし、排ガス温度偏差TEが小さいときは余裕値を小さくする。図5に示した第2の実施例と同一要素には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0082】
この第5の実施例では、図5に示した信号発生器52に代えて、排ガス温度偏差TEが大きいときは大きい余裕値を出力し排ガス温度偏差TEが小さくなるにつれて小さい余裕値を出力する関数発生器65が使用される。関数発生器16の特性を図16に示す。排ガス温度制御部18の温度偏差TEを入力として関数発生器65は、図16に図示される特性曲線にしたがって余裕値を出力し、加算器53に与える。
【0083】
図16において、横軸の排ガス温度偏差TEが零の点は、排ガス温度TXが所定上限値TXRに等しいときである。したがって、排ガス温度TXが所定上限値TXRに近づく状態とは、横軸の上で左向き即ち排ガス温度偏差TEが負の方向に向かって移行している状態を意味している。図16中の排ガス温度偏差TEAは、目安として排ガス温度の高警報値とすることができる。このように、排ガス温度偏差TEが零の点から若干遠い域では余裕を残し、排ガス温度偏差TEが零に近付くに従い、急激に余裕値設定を減らすようにしている。
【0084】
この第5の実施例によれば、速度負荷制御信号FNの系統周波数変動に対する応動を確保しながら、排ガス温度偏差TEが零の近辺では過剰な燃料供給を負荷制限制御信号FLLにより充分に抑止できるという効果がある。
【0085】
本発明の第6の実施例を図17に示す。この第6の実施例は、第2の実施例に対し、負荷制限追従制御部50に、負荷制限制御部35から出力される負荷制限制御信号FLLの所定レートを変化させる手段を設けたものである。そして、排ガス温度TXが低いときは大きいレートを選択し、排ガス温度TXが所定上限値TXRの近傍では小さいレートを選択するようにしている。この所定レートを変化させる手段は、第1の追従レートを設定するための信号発生器66とスイッチ68、及び第2の追従レートを設定するための信号発生器67とスイッチ69とから構成され、負荷制限追従制御部50の上限リミッタ54の設定値を低負荷時と高負荷時とで切り替えるようにしたものである。図5に示した第2の実施例と同一要素には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0086】
この第6の実施例では、上限リミッタ54の上限設定値を外部から与えられるようにする。信号発生器66は第1の追従レート設定値を与えるものであり、また、信号発生器67は第2の追従レート設定値を与えるものである。そして、スイッチ68とスイッチ69の動作条件は、負荷制限追従制御部50での余裕値の切替え条件を示す図13と同等のロジックで得るようにしている。排ガス温度TXが所定上限値TXRの近傍のときには、スイッチ68を開きスイッチ69を閉じるようにする。逆のときは、スイッチ68を閉じスイッチ69を開くようにする。すなわち、排ガス温度TXが比較的低い領域では、スイッチ68が閉じスイッチ69が開くので、信号発生器66の第1の追従レート設定値がスイッチ68を介して上限リミッタ54の上限設定値として与えられる。また、排ガス温度が所定上限値TXRの近傍のときには、スイッチ68を開きスイッチ69を閉じるので、信号発生器67の第2の追従レート設定値がスイッチ69を介して上限リミッタ54の上限設定値として与えられる。
【0087】
低負荷域から中高負荷域にかけては、負荷上昇と負荷降下の運用上の負荷変化率等から第1の追従レートはあまり小さくすることは出来ない。一方、排ガス温度TXの高い所定上限値TXRの近傍では、排ガス温度TXの過温度を回避しながら極力高い排ガス温度に保持して効率の高い運転をすることが目標とされる。従って、負荷制限追従制御部50の追従レートを小さくすることにより過剰な燃料量の供給を抑止できる。前述した第2の実施例で系統周波数が変動した場合の特性を示す図9を参照すれば、系統周波数FQが回復したときに、速度負荷制御信号FNの急上昇による燃料制御信号FREFの急上昇を負荷制限制御信号FLLが抑制している様子が分かる。そして、増方向の追従レートをさらに小さくすれば、燃料流量急増の抑制はより早い時点に行われ、その小さい追従レートにしたがって燃料流量の増加はより緩やかに行われるので、過剰な燃料量の供給は抑止できる。
【0088】
このように、この第6の実施例によれば、排ガス温度TXの高い所定上限値TXRの近傍で運転されている状態で系統周波数が変動した場合、負荷制限制御信号FLLは小さい追従レートにしたがって出力されるので、燃料流量の増加はより緩やかに行われる。これにより過剰な燃料量の供給を抑制できる。
【0089】
次に、本発明の第7の実施例を図18に示す。この第7の実施例は、上述の第6の実施例と同様に第2の実施例に対し、負荷制限追従制御部50に、負荷制限制御部35から出力される負荷制限制御信号FLLの所定レートを変化させる手段を設けたものであり、その所定のレートを排ガス温度TXが所定上限値TXRに近づくに従い小さくなるようにしものである。この第7の実施例における所定レートを変化させる手段は、排ガス温度偏差TEに基づいて可変の設定値を出力する関数発生器70で構成され、負荷制限追従制御部50の上限リミッタ54の設定値を排ガス温度偏差TEに基づいて可変としたものである。図5に示した第2の実施例と同一要素には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0090】
すなわち、この第7の実施例では、排ガス温度偏差TEに基づいて可変の設定値を出力する関数発生器70が使用される。関数発生器70は、排ガス温度制御部18の温度偏差TEを入力として上限リミッタ54の可変設定値を出力し、追従レート設定値として上限リミッタ54に出力する。この追従レート設定値は上限リミッタ54の上限設定値となる。図19に関数発生器70の特性図を示す。
【0091】
図19において、横軸の排ガス温度偏差TEが零の点は、図16の場合と同様に、排ガス温度TXが所定上限値TXRに等しいときである。したがって、排ガス温度TXが所定上限値TXRに近づく状態とは、横軸の上で左向き即ち排ガス温度偏差TEが負の方向に向かって移行している状態を意味している。図16中の排ガス温度偏差TEAは、目安として排ガス温度の高警報値とすることができる。このように、排ガス温度偏差TEが零の点から若干遠い域では追従レート設定値は余り小さくしないで、排ガス温度偏差TEが零に近付くに従い急激に追従レート設定値を小さくするようにしている。
【0092】
この第7の実施例によれば、速度負荷制御信号FNの系統周波数変動に対する応動を確保しながら、排ガス温度偏差TEが零の近辺では、過剰な燃料供給を負荷制限制御信号FLLにより充分に抑止できるという効果がある。
【0093】
図20は、本発明の第8の実施例のブロック構成図である。この第8の実施例は、速度負荷制御部16の速度負荷制御信号FNの増方向変化率制限値を発生する関数発生器72と、この関数発生器72からの増方向変化率制限値に基づき速度負荷制御信号FNに制限をかける増方向変化率制限リミッタ71とを設けたものである。この場合の増方向変化率制限値は排ガス温度偏差TEに基づいて定められる。すなわち、排ガス温度偏差TEが大きいときは制限値も大きくし、小さいときは小さくする。これにより、排ガス温度が所定上限値の近傍であるときは、速度負荷制御信号の増方向変化率を制限する。
【0094】
増方向変化率リミッタ71は加算器23と燃料制御信号選択部17との間に設けられ、加算器23の出力信号の変化率が増方向変化率制限値より小さいときは、その信号をそのまま通し、大きいときは増方向変化率制限値に制限される。その増方向変化率制限値は関数発生器72により得られ、関数発生器72は排ガス温度偏差TEを入力として、図21に示すような出力を増方向変化率リミッタ71に与える。
【0095】
図21において、横軸の排ガス温度偏差TEが零の点は、図16の場合と同様に、排ガス温度TXが所定上限値TXRに等しいときである。したがって、排ガス温度TXが所定上限値TXRに近づく状態とは、横軸の上で左向き即ち排ガス温度偏差TEが負の方向に向かって移行している状態を意味している。図16中の排ガス温度偏差TEAは、目安として排ガス温度の高警報値とすることができる。ここで、排ガス温度偏差TXが大きいときは、増方向変化率制限値として大きな値が設定されているので、増方向変化率リミッタ71は変化率リミッタとして動作しない。つまり制限を加えずに信号を通す。排ガス温度偏差TEが零の近傍に達すると増方向変化率制限値が急激に小さくなり増方向変化率リミッタ71は動作する。つまり、制限を加えることなる。
【0096】
この第8の実施例の特性を図22に示す。系統周波数FQの回復時の速度負荷制御信号FNの変化を、前述の第2の実施例で速度負荷制御信号が急上昇した場合の特性を示す図9と比較してみると、排ガス温度偏差TEが零に近付いたときの速度負荷制御信号FNの変化が緩やかになっており、図9の例に比べ燃料制御信号すなわち燃料流量の過剰な供給が良好に抑制されていることが分かる。
【0097】
このように、第8の実施例によれば、排ガス温度偏差TEが零近傍であるときに、系統周波数の変動があったときは、速度負荷制御信号FNの変化が緩やかになるので、燃料流量の過剰な供給が抑制され、ガスタービンに過大な熱ストレスを与えることがなくなる。
【0098】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、ガスタービンの負荷上昇運転からガスタービンの排ガス温度制御運転への移行に際してスムーズに切換わり、いずれの運転領域においても、系統周波数変動に応動しつつ、燃料流量や発電機出力等の諸量の突変を抑制することができる。また、ガスタービンの排ガス温度を所定上限値に制御して効率の高い運転を維持しつつ、過剰な燃料供給を抑制することができる。したがって、系統周波数の変動による燃料過剰投入が避けられ、過温度によるガスタービントリップを回避することができ、電力供給信頼度を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示すブロック構成図
【図2】本発明の第1の実施例の運転チャートを示す特性図
【図3】本発明の第1の実施例で系統周波数が急上昇した場合の特性を示す特性図
【図4】本発明の第1の実施例で排ガス温度制御信号が急上昇した場合の特性を示す特性図
【図5】本発明の第2の実施例を示すブロック構成図
【図6】本発明の第2の実施例の運転チャートを示す説明図
【図7】本発明の第2の実施例における速度負荷追従部の軌道条件の説明図
【図8】本発明の第2の実施例で速度負荷制御信号が急上昇した場合の特性図
【図9】本発明の第2の実施例で系統周波数が変動した場合の特性図
【図10】本発明の第3の実施例のブロック構成図
【図11】本発明の第3の実施例で系統周波数が変動した場合の特性図
【図12】本発明の第4の実施例を示すブロック構成図
【図13】本発明の第4の実施例における負荷制限追従制御部の余裕値の切換え条件の説明図
【図14】第4の実施例の運転チャートを示す説明図
【図15】本発明の第5の実施例を示すブロック構成図
【図16】本発明の第5の実施例における関数発生器の特性図
【図17】本発明の第6の実施例のブロック構成図
【図18】本発明の第7の実施例のブロック構成図
【図19】本発明の第7の実施例における関数発生器の特性図
【図20】本発明の第8の実施例のブロック構成図
【図21】本発明の第8の実施例における関数発生器の特性図
【図22】本発明の第8の実施例で系統周波数が変動した場合の特性図
【図23】ガスタービン発電プラントの構成図
【図24】従来例のブロック構成図
【図25】排ガス温度の所定上限値を演算する関数発生器の特性曲線の説明図
【符号の説明】
1 入口空気案内翼
2 空気圧縮機
3 空気流路
4 燃焼器
5 燃料制御弁
6 燃料バーナー
7 ガスタービン
8 ガスタービン軸
9 発電機
10 ガスタービン制御装置
11 軸端歯車
12 速度検出器
13 空気圧縮機吐出空気圧力検出器
14 排ガス温度検出器
15 発電機出力検出器
16 速度負荷制御部
17 燃料制御信号選択部
18 排ガス温度制御部
19 速度設定器
20 減算器
21 比例制御器
22 信号発生器
23 加算器
24 負荷設定器
25 減算器
26 比較器
27 スイッチ
28 信号発生器
29 比較器
30 スイッチ
31 信号発生器
32 関数発生器
33 減算器
34 比例積分制御器
35 負荷制限制御部
36 負荷制限器
37 スイッチ
38 信号発生器
39 スイッチ
40 信号発生器
41 低値選択部
42 速度負荷追従部
43 関数発生器
44 減算器
45 加算器
46 上限リミッタ
47 下限リミッタ
48 スイッチ
49 加算器
50 負荷制限追従制御部
51 減算器
52 信号発生器
53 加算器
54 上限リミッタ
55 下限リミッタ
56 スイッチ
57 加算器
58 比較器
59 低値選択部
60 信号発生器
61 信号発生器
62 スイッチ
63 スイッチ
64 比較器
65 関数発生器
66 信号発生器
67 信号発生器
68 スイッチ
69 スイッチ
70 関数発生器
71 変化率リミッタ
72 関数発生器
Claims (8)
- ガスタービンの排ガス温度が所定上限値になるように制御するための排ガス温度制御信号を出力する排ガス温度制御部と、前記ガスタービンの速度と前記ガスタービンに連結された発電機の負荷とが速度設定器に設定された設定値になるように速度負荷制御信号を出力する速度負荷制御部とを備え、前記排ガス温度制御信号と前記速度負荷制御信号とのうち小さい方に基づいて前記ガスタービンへの燃料流量を調節するようにしたガスタービン制御装置において、前記発電機の負荷を制限するための負荷制限制御信号を所定のレートで出力する負荷制限制御部と、前記排ガス温度制御信号と前記速度負荷制御信号と前記負荷制限制御信号とのうち最も小さい信号を選択し前記ガスタービンへの燃料流量を調節するための燃料制御信号として出力する燃料制御信号選択部と、前記排ガス温度制御信号と前記負荷制限制御信号とのうち小さい方を選択する低値選択部と、前記速度負荷制御信号が前記低値選択部で選択された信号より所定の余裕値だけ高くなるように追従制御するための速度負荷追従制御部とを備えたことを特徴とするガスタービン制御装置。
- ガスタービンの排ガス温度が所定上限値になるように制御するための排ガス温度制御信号を出力する排ガス温度制御部と、前記ガスタービンの速度と前記ガスタービンに連結された発電機の負荷とが速度設定器に設定された設定値になるように速度負荷制御信号を出力する速度負荷制御部とを備え、前記排ガス温度制御信号と前記速度負荷制御信号とのうち小さい方に基づいて前記ガスタービンへの燃料流量を調節するようにしたガスタービン制御装置において、前記発電機の負荷を制限するための負荷制限制御信号を所定のレートで出力する負荷制限制御部と、前記排ガス温度制御信号と前記速度負荷制御信号と前記負荷制限制御信号とのうち最も小さい信号を選択し前記ガスタービンへの燃料流量を調節するための燃料制御信号として出力する燃料制御信号選択部と、前記燃料制御信号選択部で前記排ガス温度制御信号が選択されているときは前記速度負荷制御信号が前記排ガス温度制御信号より所定の余裕値だけ高くなるように追従制御するための速度負荷追従制御部と、前記負荷制限制御信号が前記速度負荷制御信号より所定の余裕値だけ高くなるように追従制御するための負荷制限追従制御部とを備えたことを特徴とするガスタービン制御装置。
- 前記負荷制限追従制御部は、前記負荷制限制御信号が、前記速度負荷制御信号又は前記排ガス温度温度制御信号のうち小さい方より所定の余裕値だけ高くなるように追従制御するようにしたことを特徴とする請求項2に記載のガスタービン制御装置。
- 前記負荷制限追従制御部は、前記発電機の負荷が低負荷時には大きい余裕値を選択し、高負荷時には小さい余裕値を選択するようにしたことを特徴とする請求項2に記載のガスタービン制御装置。
- 前記負荷制限追従制御部は、前記所定の余裕値を前記排ガス温度が前記所定上限値に近づくに従い小さくなるようにしたことを特徴とする請求項2に記載のガスタービン制御装置。
- 前記負荷制限追従制御部に、前記負荷制限制御部の前記所定レートを変化させる手段を設け、前記排ガス温度が低いときは大きいレートを選択し、前記排ガス温度が前記所定上限値近傍では小さいレートを選択するようにしたことを特徴とする請求項2に記載のガスタービン制御装置。
- 前記負荷制限追従制御部に、前記負荷制限制御部の前記所定レートを変化させる手段を設け、前記所定のレートを前記排ガス温度が前記所定上限値に近づくに従い小さくなるようにしたことを特徴とする請求項2に記載のガスタービン制御装置。
- 前記排ガス温度が前記所定上限値の近傍であるときは、前記速度負荷制御信号の増方向変化率を制限する変化率制限器を設けたことを特徴とする請求項2に記載のガスタービン制御装置。
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