JP3763610B2 - ガスタービンエンジン - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガスタービンエンジンに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のガスタービンエンジンとしては、例えば図15乃至図18に示すようなものがある(特開平2−238132号公報参照)。
【0003】
すなわち、ガスタービン1は、圧縮機2、燃焼器3、タービン4の基本コンポーネントから構成され、高温ガスによって駆動されるタービンロータ11と低温ガスを加圧する遠心式コンプレッサインペラ12とはシャフト13を介して同軸上に連結され、シャフト13は一対の転がり軸受け15を介して負荷を駆動する。
【0004】
タービン4から排出される高温排気ガスは、図中矢印で示すようにタービンハウジング26からディフューザ25を介してレキュペレータ(熱交換機)5に流入し、排気ガスの熱を吸収して燃料消費率を減らすようになっている。図17にも示すように、ディフューザ25はプレナムチャンバ27を介してタービンハウジング26に接続し、タービンハウジング26側に対する接合フランジ25Aは円形に、プレナムチャンバ27に対する接合フランジ25Bは四角形にそれぞれ形成されている。
【0005】
レキュペレータ5は、タービン4から送られる高温排気ガスを通過させる流路(図示せず)がシャフト13の回転方向に形成され、タービン4から排出される排気ガスの流れ方向に沿うように配置される。この排気ガス流路に対してコンプレッサ2から送られる低温圧縮空気を通過させる流路とが互いに伝熱壁を介して平行に対向して形成される。
【0006】
レキュペレータ5と燃焼器3は互いに並列に配置され、レキュペレータ5と燃焼器3を共に覆うチャンバ21が設けられ、コンプレッサ2から吐出する低温圧縮空気がこのチャンバ21内を通ってレキュペレータ5に導かれる。
【0007】
コンプレッサ12から圧送される低温圧縮空気は図中矢印で示すようにフランジ22に形成された環状流路23を取ってチャンバ21内に流入する。チャンバ21はフランジ22の外周端に複数のボルト24を介して締結されている。
【0008】
レキュペレータ5にはチャンバ21内に開口する低温圧縮空気の流入口5Aが形成され、この流入口5Aから流入してレキュペレータ5を通って加熱された圧縮空気は、ヘッダ5Cで曲げられた後、接合フランジ5Bを介して燃焼器に流入する。
【0009】
なお、本従来例では、対向式レキュペレータ5を用いたが、排気ガスと低温圧縮空気が互いに直行して交差する直行流式レキュペレータを用いても良く、その場合、燃焼器3に対する開口部が比較的に大きくなる。
【0010】
燃焼器3では、燃料噴射弁6から噴射された燃料が燃焼して高温ガスとなり、燃焼器3から流出する燃焼ガスはプレナムチャンバ27と断熱材33の間で画成される流路28で曲げられた後、タービンハウジング外周壁34の間で渦巻き状に画成される流路29を通ってタービンロータ11に導かれ膨張し、タービンロータ11に回転力を付与するようになっている。
【0011】
プレナムチャンバ27には、ディフューザ25に対する接合フランジ27Aと、燃焼器外側チャンバ34に対する接合フランジ27Bが夫々形成されている。
【0012】
断熱材33は、フランジ22側に接合して設けられ、タービンロータ11に導かれる燃焼ガスを断熱する。
【0013】
図18にも示すように、燃焼器3の端部に取り付けられるキャップ35には、燃料噴射弁6と点火栓7が取り付けられ、中空構造のキャップ35内に形成された流路36には入口37から配管を介してチャンバ21から取り出した低温圧縮ガスが流入し、複数の出口38から燃焼器外側チャンバ34内に流入させることにより、燃料噴射弁6と点火栓7を冷却するとともに、燃焼器3を断熱するようになっている。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来のガスタービンエンジンにあっては、上記各基本コンポーネントの接続部分に各部品の積み重ね寸法公差を吸収するために設けられた隙間からのガスの漏れにより、燃焼器をバイパスする流量が発生する。このバイパス分の流量は、量産品の場合、製品によってバラツキ幅をもつ。バイパス分の流量がばらつくと、実際に燃焼器3を通過する流量と燃料流量の比(A/F)が製品によってばらつくことになり、A/Fが大きいときに発生するハイドロカーボン(HC)の濃度が、燃料流量が少ないアイドル運転時に、ばらつくという問題があった。
【0015】
従来、この問題を解決するために、燃焼器の保炎領域下流に設けられた希釈口の面積を機械加工により1品1品チューニングすることにより、バイパス空気流量を調整していた。
【0016】
また、アイドル運転時にHC濃度に合わせて希釈口面積を設定すると、A/Fが小さくなる定格運転時には、カーボンが燃焼器壁面に付着しやすくなるという問題もあった。
【0017】
本発明は、このような従来の問題点に着目してなされたもので、量産品の寸法ばらつきに起因する、アイドル運転時のハイドロカーボン濃度のばらつきの調整を容易に行うことができ、しかも、エンジン投入負荷、回転数に応じて、燃焼器バイパス流量を制御することにより、負荷増大のときのA/Fの減少によるカーボンの発生を抑制することができるガスタービンエンジンを提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明は上述の課題を解決するために、タービンから排出される排気ガスと、圧縮機から燃焼器に送られる圧縮空気とをそれぞれ通して排気ガスの熱を回収する熱交換器を備えるガスタービンにおいて、圧縮機からの圧縮空気を熱交換器をバイパスして燃焼器下流とタービンとの間に導入するバイパス流路を設け、エンジンの運転条件に応じてこのバイパス流路の開口面積を調整可能な調量器を備えた構成とする。
【0019】
また、本発明は、調量器を、アクチュエータにより作動するバルブと、このバルブの初期位置を調整可能な調整機構とから構成する。
【0020】
また、本発明は、アクチュエータの駆動力として圧縮機出口圧力を用いることを特徴とする。
【0021】
また、本発明は、アクチュエータの駆動力として、燃料噴射弁に付与する燃料圧力を用いることを特徴とする。
【0022】
また、本発明は、アクチュエータの駆動力として、燃料噴射弁からの燃料戻り圧力を用いることを特徴とする。
【0023】
また、本発明は、バイパス流路が、圧縮機ディフューザプレートと、タービンプレナムと、プレナム内部に形成された流路を構成する薄板部材とで囲まれる空間に連通すると共に、薄板部材とプレナムとで構成される隙間にて燃焼器下流側通路に開口することを特徴とする。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0025】
なお、以下の記載においては、前記従来技術で説明した部品、部材等と同一の部品や部材等は同一の参照番号を付して説明する。
【0026】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態を図1および図2を参照して説明する。
まず構成を説明すると、図1の圧縮機(コンプレッサ)2と、レキュペレータ5の間と、燃焼器3とタービン4との間とを連通する図2に示す燃焼器バイパス流路40が、圧縮機ディフューザプレート41を貫通して形成されている。燃焼器バイパス流路40のシャフト13を中心とする周方向位置は、圧縮機ディフューザが、ベーン付きの場合、ベーン後流の位置とする。また燃焼器バイパス流路40の流路開口面積を調整する調量器42がフランジ22に支持部材52を介して取り付けられている。
【0027】
調量器42は、例えば、図2に示すように電動アクチュエータ43に締結された回転軸44の端面に締結された、穴45の開いた円盤状バルブ46、手動によって回転軸44を回転させバルブ46の初期位置を調整可能なハンドル90、圧縮機出口流路47からの空気の漏れを防止するシール材48より構成されている。また、電動アクチュエータ43を制御するためのコントローラ86が存在し、回転数検出装置87、エンジン負荷を代表するタービン出口温度検出装置88からの信号が入力される。
【0028】
燃焼器バイパス流路40は、流路28を形成する薄板部材49と圧縮機ディフューザプレート41の間の空間50と連通しており、空間50と流路28との間は、薄板部材49端部の隙間51を介して連通している。
【0029】
次に第1の実施の形態の作用を説明する。
エンジン出荷前のエンジン調整の際、アイドル運転において、図2の燃焼器バイパス流路40の開口面積を調量器42ハンドル90を手動で回転させることによって調節し、HC濃度があらかじめ決められた許容範囲に収まるまで、開口面積を大きくする。
【0030】
これにより、アイドル運転時において、圧縮機2、燃焼器3、タービン4、レキュペレータ5の各基本コンポーネントの接続部分に設けられた隙間からのガスの漏れという形で発生する燃焼器をバイパスする流量を一定量に調整したことになる。すなわち、燃焼器バイパス流量の一つである燃焼器バイパス流路40を通過する流量を調整することにより、燃焼器バイパス流量の総量を一定にしているわけである。ここで、各基本コンポーネントの接続部分に隙間が必要な理由は、各部品の寸法公差内の寸法ばらつきの集積による、積み重ね寸法公差を吸収するためである。よって、量産品では、各製品で、積み重ね寸法公差がばらつき、接続部分の隙間の面積が異なるため、燃焼器バイパス流量もばらつくことになり、A/Fがばらつき、HC濃度がばらつく。燃焼器バイパス流量そのものを測定することは困難であるため、本実施の形態のような調整が必要となる。
【0031】
これまで、前述の調整は、燃焼器3の保炎領域下流に設けられた希釈口の面積を機械加工することにより、調整していた。そのため、調整の度に燃焼器3をエンジンから分解する必要があり、本実施の形態と比較して、大きな作業量を必要としていた。本実施の形態では、エンジンを分解せずに、しかも運転中にHC濃度をモニターしながら、調整を行うことができ、調整作業量を大幅に減少させた。
【0032】
調量器42のシャフト13に対する周方向位置を、圧縮機ディフューザのベーン後流位置とすることにより、調量器42の軸44による主流への影響の度合いを低減している。
【0033】
燃焼器バイパス流路40を通過した空気は、空間50を介して、薄板部材49端部の隙間51を通って、流路28に流れ込む。薄板部材49端部の隙間51は、薄板部材49全周にわたって存在するため、流路28内の流れには、ほとんど影響を与えない。また、空間50に低温空気を供給することにより、従来例図15に示す断熱材33と同等かそれ以上の断熱効果を果たし、加えて軽量となる。
【0034】
従来、アイドル運転時のHC濃度を小さくすべく、燃焼器3の保炎領域下流の希釈口面積を設定すると、燃料流量が大きくなり、A/Fが小さくなる定格運転時には、カーボンが燃焼器壁面に付着しやすくなるという問題があった。
【0035】
この問題を解決するために第1の実施の形態では、回転数、投入負荷に応じて、燃焼器をバイパスする流量を調量器42によって制御する。回転数、投入負荷と燃料流量、空気流量、圧縮機圧力比の関係を以下に説明する。
【0036】
ガスタービンエンジンにおいて、アイドル運転から定格負荷投入運転までの運転線は、図3、図4に夫々示す2種類が代表的である。図3は、燃料消費率を小さくするために、負荷投入に応じて回転数を上昇させる場合、図4は、負荷投入耐力を大きくとるために、アイドル運転時も回転数は定格回転数と同じで、回転数一定で定格負荷まで運転する場合である。
【0037】
図3(a)は、圧縮機の性能曲線であり、横軸は空気流量、縦軸は圧縮機圧力比であり、例として、回転数6万rpm、7万rpm、8万rpm一定のときの圧縮機流量特性が示されている。エンジン運転範囲は、図中に矢印で示されており、アイドル運転時は6万rpm側、定格負荷運転時は8万rpm側である。
【0038】
図3(b)は、横軸が投入負荷、縦軸が燃料流量であり、矢印で示した運転範囲のように、負荷に応じて、回転数、燃料流量を増加させている。
【0039】
図4(a)は、図3(a)と同じく圧縮機の性能曲線である。エンジン運転範囲は、図中に矢印で示された定格回転数8万rpm上の範囲であり、空気流量大、圧力比小側がアイドル運転時、空気流量小、圧力比大側が定格負荷運転時である。
【0040】
図4(b)は、図3(b)と同じく、横軸が投入負荷、縦軸が燃料流量であり、矢印で示した運転範囲のように、負荷に応じて、回転数一定のまま燃料流量を増加させている。
【0041】
このように、回転数と負荷がわかれば、エンジンの運転点を特定することができる。よって、燃焼器バイパス流路40の開口面積は、図3の回転数一定の時、負荷に応じて図5のように制御される。
【0042】
なお、負荷に応じた最適な調量器開度は、実験により求められる。図4の負荷とともに回転数が上昇する場合は、各回転数ごとに図5に示す実験により求められたマップがあり、回転数検出装置87と負荷を代表するタービン出口温度検出装置88からの信号を送られたコントローラ86によって制御され、電動アクチュエータ43が駆動される。
【0043】
また、バイパス流路40の開口面積を連続的ではなく、図6に示すように、実験により求められた回転数、負荷の時に、アイドル時開口面積から全閉へとステップ状に制御することもできる。この場合、排気成分管理のきめ細かさでは、図5に劣るものの、調量器42を電磁弁等のより簡単なものに置き換えることができる。
【0044】
これまで述べてきたように、負荷に応じたバイパス流路40の開口面積制御により、アイドル運転時にA/Fが大きいことによるHC濃度の増加、定格運転時にA/Fが小さいことによるカーボンの発生といった相矛盾する問題を解決することができる。
【0045】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態を図7および図8を参照して説明する。
【0046】
第2の実施の形態の構成を説明すると、第1の実施の形態においては図2の調量器42は駆動力として電動アクチュエータを使用していたが、本第2の実施の形態では、代わりに圧縮機出口圧力を駆動力として使用できる調量器61を使用する。
【0047】
圧縮機出口圧力を駆動力として使用する調量器61としては、例えば図7に示すようなものがある。圧力によって弾性変形するダイアフラム52が中空円筒容器53の内周壁面に固定されており、空間54を形成している。ダイアフラム52の支持と弾性変形を調整する目的でダイアフラム52と中空円筒容器53は弾性体58で締結されている。空間54は圧力配管62を介して、圧縮機出口流路47と連通している。ダイアフラム52には、取り付け部材58を介してニードルバルブ59が取り付けられており、燃焼器バイパス流路60の開口面積を調整する。
【0048】
中空円筒容器53は、フランジ22に支持部材55を介して固定される。中空円筒容器53、支持部材55には、それぞれねじ56が切られており、中空円筒容器53に固定されたハンドル57を回転させることにより、中空円筒容器53が紙面の上下方向に移動する。
【0049】
次に第2の実施の形態の作用を説明する。
第2の実施の形態も、第1の実施の形態と同じように、エンジン出荷前のエンジン調整の際、アイドル運転において、図7の燃焼器バイパス流路60の開口面積を調量器61ハンドル57を手動で回転させることによって調節する。具体的には、ハンドル57を回転させることによって、中空円筒容器53を紙面の上下方向に移動させ、中空円筒容器53にダイアフラム52、取り付け部材58を介して取り付けられたニードルバルブ59が上下に移動することにより、ニードルバルブ59と燃焼器バイパス流路60とで形成される開口面積を調節し、HC濃度があらかじめ決められた許容範囲に収まるまで、開口面積を大きくする。本調整が必要な理由は、第1の実施の形態と同様である。
【0050】
また、本第2の実施の形態においては、第1の実施の形態に示したアイドル運転時から定格負荷運転時までの負荷の増加に応じた燃焼器をバイパスする流量の制御を、第1の実施の形態に示した図2の電動アクチュエータ43の代わりに、図7に示す圧縮機出口圧力を駆動力として使用する調量器61を使用することにより行うものである。
【0051】
本第2の実施の形態は、図3に示した、燃料消費率を小さくするために、負荷投入に応じて回転数を上昇させる運転の場合に特に有用である。
理由は、図3(a)の圧縮機の性能曲線に示すように、圧縮機圧力比が負荷に応じて、大きく変化することによる。図3(a)の横軸は空気流量、縦軸は圧縮機圧力比であり、例として、回転数6万rpm、7万rpm、8万rpm一定のときの圧縮機流量特性が示されている。エンジン運転範囲は、図中に矢印で示されており、アイドル運転時は6万rpm側、定格負荷運転時は8万rpm側である。
【0052】
本第2の実施の形態では、アイドル運転時には、図7に示すようにニードルバルブ59と燃焼器バイパス流路60とで形成される開口面積は、第1の作用の調整で決められ、図7(a)の運転範囲に示すように負荷が高くなるにつれて、圧縮機圧力比、つまり圧縮機出口流路47の圧力が上昇する。圧縮機出口流路47は、圧力配管62を介して、中空円筒容器53内の空間54と連通しているので、空間54の圧力も上昇する。空間54の圧力が上昇すると、図8に示すように空間の体積が増加する方向にダイアフラム52が弾性変形し、ダイアフラム52に取り付け部材58を介して取り付けられているニードルバルブ59が、紙面の下方向に移動することにより、ニードルバルブ59と燃焼器バイパス流路60とで形成される開口面積が減少し、燃焼器バイパス流路60を通過する流量が減少する。
【0053】
(第3の実施の形態)
次に、第3の実施の形態を図9、図10、図11を参照して説明する。
【0054】
第1の実施の形態においては、図2の調量器42が駆動力として電動アクチュエータを使用していたが、本第3の実施の形態では、代わりに燃焼器3の燃料噴射弁6の上流の燃料圧力pin64を駆動力として使用できる図9に示す調量器63を使用する。
【0055】
燃焼器3の燃料噴射弁6の上流の燃料圧力とは、図11に示す構成の圧力噴射弁の場合、圧力pin64である。図11を説明すると、ポンプ65、ポンプ出口圧力を一定圧力p0 66に保つリリーフ弁67、調量器68である。圧力pin64は、燃料流量とは、図12に示すような関係にある。燃料流量と負荷の関係は、図3(b)、図4(b)に示すとおりとなっているので、アイドル運転時から定格負荷運転時までの負荷の増加に応じて、燃料圧力pinが増加する。
【0056】
燃料圧力pin64を駆動力として使用する調量器63としては、例えば図9に示すようなものがある。圧力によって弾性変形するダイアフラム69が中空円筒容器70の内周壁面に固定されており、空間71を形成している。ダイアフラム69の支持と弾性変形を調整する目的でダイアフラム69と中空円筒容器70は弾性体72で締結されている。空間71は圧力配管73を介して、図11の燃料圧力pin64部分と連通している。ダイアフラム69には、取り付け部材74を介してニードルバルブ75が取り付けられており、燃焼器バイパス流路76の開口面積を調整する。
【0057】
中空円筒容器70は、フランジ22に支持部材84を介して固定されている。中空円筒容器70、支持部材84には、夫々ネジ77が切られており、中空円筒容器70に固定されたハンドル78を回転させることにより、中空円筒容器70が紙面の上下方向に移動する。
【0058】
次に第3の実施の形態の作用を説明する。
第3の実施の形態においても、第1の実施の形態と同じように、エンジン出荷前のエンジン調整の際、アイドル運転において、図9の燃焼器バイパス流路76の開口面積を調量器63ハンドル78を手動で回転させることによって、調節する。具体的には、ハンドル78を回転させることによって、中空円筒容器70を紙面の上下方向に移動させ、中空円筒容器70にダイアフラム69、取り付け部材74を介して取り付けられたニードルバルブ75が上下に移動することにより、ニードルバルブ75と燃焼器バイパス流路76とで形成される開口面積を調節し、HC濃度があらかじめ決められた許容範囲に収まるまで、開口面積を大きくする。本調整が必要な理由は、第1の実施の形態と同様である。
【0059】
次に第2の作用を述べる。
本実施の形態は、第1の実施の形態に示したアイドル運転時から定格負荷運転時までの負荷の増加に応じた燃焼器をバイパスする流量の制御を、第1の実施の形態に示した図2の電動アクチュエータ43の代わりに、図11に示す燃焼器3の燃料噴射弁6の上流の燃料圧力pin64を駆動力として使用できる調量器63を使用することにより、行うものである。
【0060】
本実施の形態では、アイドル運転時には、図9に示すようにニードルバルブ75と燃焼器バイパス流路76とで形成される開口面積は、第1の作用の調整で決められる。燃料圧力pin64は、燃料流量とは、図12に示すような関係にある。燃料流量と負荷の関係は、図3(b)、図4(b)に示すとおりとなっているので、アイドル運転時から定格負荷運転時までの負荷の増加に応じて、燃料圧力pin64が増加する。燃料圧力pin64部分は、圧力配管73を介して、中空円筒容器70内の空間71と連通しているので、空間71の圧力も上昇する。空間71の圧力が上昇すると、図10のように空間の体積が増加する方向にダイアフラム69が弾性変形し、ダイアフラム69に取り付け部材74を介して取り付けられているニードルバルブ75が、紙面の下方向に移動することにより、ニードルバルブ75と燃焼器バイパス流路76とで形成される開口面積が減少し、燃焼器バイパス流路76を通過する流量が減少する。
【0061】
(第4の実施の形態)
次に、第4の実施の形態を図13を参照して説明する。
【0062】
第4の実施の形態の第3の実施の形態との相違点は、燃焼器3の燃料噴射弁6形式であり、第3の実施の形態の図12の圧力噴射弁に対して、本第4の実施の形態では、図13に示すスピル噴射弁を用いる。
【0063】
図13を説明すると、ポンプ79、ポンプ出口圧力を一定圧力p0 80に保つリリーフ弁81、燃料戻り流路82にある調量器83である。燃料戻り流量圧力pout 85は、燃料流量とは、図14に示すような関係にある。燃料流量と負荷の関係は、図3(b)、図4(b)に示すとおりとなっているので、アイドル運転時から定格負荷運転時までの負荷の増加に応じて、燃料戻り流量圧力pout 85が増加する。
【0064】
本第4の実施の形態では、第3の実施の形態の図9に示す空間71の圧力配管73を介した連通先である図11の燃料圧力pin64部分の代わりに、燃料戻り流量圧力pout 85部分と連通している。
【0065】
次に第4の実施の形態の作用を説明する。
第3の実施の形態、図9に示す空間71の圧力配管73を介した連通先である図11の燃料圧力pin64部分の代わりに、燃料戻り流量圧力pout 85部分と連通しており、負荷の増加に対応した燃料戻り流量圧力pout 85の増加を燃焼器バイパス流路の制御に用いること以外は、第3の実施の形態と同様である。
【0066】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明によれば、その構成を、タービンから排出される排気ガスと、圧縮機から燃焼器に送られる圧縮空気とをそれぞれ通して排気ガスの熱を回収する熱交換器を備えるガスタービンにおいて、圧縮機からの圧縮空気を熱交換器をバイパスして燃焼器下流とタービンとの間に導入するバイパス流路を設け、エンジンの運転条件に応じてこのバイパス流路の開口面積を調整可能な調量器を備え、調量器は、アクチュエータにより作動するバルブと、このバルブの初期位置を調整可能な調整機構とから構成し、アクチュエータの駆動力として圧縮機出口圧力・燃料噴射弁に付与する燃料圧力・燃料噴射弁からの燃料戻り圧力を用いる構成としたため、量産品の寸法ばらつきに起因する、アイドル運転時のハイドロカーボン濃度のばらつきの調整を容易に行うことができる。
【0067】
また、本発明においては、エンジン投入負荷、回転数に応じて、燃焼器バイパス流量を制御することにより、負荷増大のときのA/Fの減少によるカーボンの発生を抑制することができる。
【0068】
また、本発明においては、圧縮機出口圧力を燃焼器バイパス流路の調量器駆動力及び制御パラメータとして使用することにより、得ることができる。
【0069】
また、本発明においては、燃料噴射弁の燃料圧力を燃焼器バイパス流路の調量器駆動力及び制御パラメータとして使用することにより、得ることができる。
【0070】
また、本発明においては、燃料噴射弁の燃料戻り圧力を燃焼器バイパス流路の調量器駆動力及び、制御パラメータとして使用することにより、得ることができる。
【0071】
また、本発明においては、バイパス流路を、圧縮機ディフューザプレートと、タービンプレナムと、プレナム内部に形成された流路を構成する薄板部材とで囲まれる空間に連通すると共に、薄板部材とプレナムとで構成される隙間にて燃焼器下流側通路に開口するように構成した為、燃焼器下流側のガス流を乱すことがないので、タービン効率を低下させることを最小限に抑えることができる。
【0072】
また、本発明は、上記効果に加えて、従来の断熱材を廃止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の構成図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態の構成図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態のエンジン運転線例その1であり、(a)は圧縮機性能曲線を示す図であり、(b)は燃料流量VS負荷を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態のエンジン運転線例その2であり、(a)は圧縮機性能曲線を示す図であり、(b)は燃料流量VS負荷を示す図である。
【図5】調量器開度VS負荷その1を示す図である。
【図6】調量器開度VS負荷その2を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態のバルブ全開時を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態のバルブ全閉時を示す図である。
【図9】本発明の第3及び第4の実施の形態のバルブ全開時を示す図である。
【図10】本発明の第3及び第4の実施の形態のバルブ全閉時を示す図である。
【図11】本発明の第3の実施の形態の圧力噴射弁を示す図である。
【図12】本発明の第3の実施の形態の燃料圧力VS燃料流量を示す図である。
【図13】本発明の第4の実施の形態のスピル噴射弁を示す図である。
【図14】本発明の第4の実施の形態の燃料戻り圧力VS燃料流量を示す図である。
【図15】従来のガスタービンエンジンの構成図である。
【図16】従来のガスタービンエンジンの構成図である。
【図17】従来のガスタービンエンジンの構成図である。
【図18】従来のガスタービンエンジンの構成図である。
【符号の説明】
1 ガスタービン
2 圧縮機
3 燃焼器
4 タービン
5 レキュペレータ(熱交換機)
6 燃料噴射弁
Claims (6)
- タービンから排出される排気ガスと、圧縮機から燃焼器に送られる圧縮空気とをそれぞれ通して排気ガスの熱を回収する熱交換器を備えるガスタービンにおいて、
圧縮機からの圧縮空気を熱交換器をバイパスして燃焼器下流とタービンとの間に導入するバイパス流路を設け、
エンジンの運転条件に応じてこのバイパス流路の開口面積を調整可能な調量器を備えた
ことを特徴とするガスタービンエンジン。 - 調量器は、アクチュエータにより作動するバルブと、このバルブの初期位置を調整可能な調整機構とから構成する
ことを特徴とする請求項1に記載のガスタービンエンジン。 - アクチュエータの駆動力として圧縮機出口圧力を用いる
ことを特徴とする請求項2に記載のガスタービンエンジン。 - アクチュエータの駆動力として燃料噴射弁に付与する燃料圧力を用いる
ことを特徴とする請求項2に記載のガスタービンエンジン。 - アクチュエータの駆動力として燃料噴射弁からの燃料戻り圧力を用いる
ことを特徴とする請求項2に記載のガスタービンエンジン。 - バイパス流路は、圧縮機ディフューザプレートと、タービンプレナムと、プレナム内部に形成された流路を構成する薄板部材とで囲まれる空間に連通すると共に、薄板部材とプレナムとで構成される隙間にて燃焼器下流側通路に開口する
ことを特徴とする請求項1に記載のガスタービンエンジン。
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