JP3763583B2 - C型レクチン - Google Patents
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Description
発明の背景
レクチンによる糖の認識は、真核生物生理学の様々な面において重要な役割を果たしていることが見出されている。様々な動物及び植物レクチンのメンバーが存在するが、最近最も注目を集めているものはカルシウム依存性であるC型と呼ばれるレクチンである。例えば、カルシウム依存性レクチンのセレクチンファミリーによる内皮細胞または白血球のそれぞれについての糖残基の認識は、炎症部位に対する白血球の接近について著しく重要であることが見出されている。Lasky,L.,Ann.Rev.Biochem.,64 113-139(1995)。これらの接近相互作用の生物物理学的分析により、レクチン−糖結合はこの場合、白血球と内皮の間の接着を血管の高共有条件の下で許容するために展開したことが示唆されている。Alon等,Nature(1995)印刷中。それ故、該レクチンによる糖認識の割合に必要な即効性は、血管流の高共有の下で必要とされるリガンドの迅速な捕捉を許容する。この場合のC型レクチンの生理学的使用もまた、急性炎症の部位で生じることが観察されている白血球ローリング現象に必要とされるこれらの相互作用の比較的低アフィニティーにより支持されている。マンノース結合タンパク質の結晶構造(Weis等,Science 254,1608-1615[1991];Weis等,Nature 360 127-134[1992])及びE−セレクチンの結晶構造(Graves等,Nature 367(6463),532-538[1994])は、共に様々なミュータジェネシス分析を用いて(Erbe等,J.Cell.Biol.119(1),215-227[1992];Drickamer,Nature 360,183-186[1992];Iobst等,J.Biol.Chem.169(22),15505-15511[1994];Kogan等,J.Biol.Chem.270(23),14047-14055[1995])、C型レクチンは一般的にクラスター状糖の急速な認識に関与するという仮説に一致する。加えてこれらのデータは、C型レクチンが急速な、比較的低アフィニティーの等の認識を通じて、数多くの重要な生理現象を実施していることを示唆する。
様々なC型レクチンのファミリーのメンバーが知られている一方で、特に独特の群はマクロファージマンノース受容体(Taylor等,J.Biol.Chem.265(21),12156-62[1990];Harris等,Blood 80(9),2363-73[1992])、ホスホリパーゼA2受容体(Ishizaki等,J.Biol.Chem.269(8),5897-904[1994];Lambeau等,J.Biol.Chem.269(3),1575-8[1994];Higashino等,Eur.J.Biochem.225(1),375-82[1994])、及びDEC205受容体(Jiang等,Nature 375(6527),151-5[1995])によって表されるものである。C型レクチン群のメンバーのほとんどが単一糖結合ドメインのみ保持している一方で、これら3の受容体はそれぞれ8(マクロファージマンノース受容体及びホスホリパーゼA2受容体)または10(DEC205受容体)を保持し、これらのドメインはリガンド親和性を増大するために互いに協同しているようである(Taylor等,J.Biol.Chem.267(3),1719-20[1992];Taylor等,J.Biol.Chem.268(1),299-404[1993])。これらの分子の全ての3は、1型膜貫通タンパク質のようであり、それらは全て様々なエンドサイトーシス現象を介在しているようである。したがって、このファミリーは以後エンドサイトーシス性C型レクチンファミリーといわれよう(Harris等,上記参照;Jiang等,上記参照;Zvaritch等,J.Biol.Chem.271(1),250-7[1996])。該エンドサイトーシス機構は、マクロファージ及び肝内皮(Harris等,上記参照)で著しく発現されているマクロファージマンノース受容体の場合で、そして樹状細胞及び胸腺上皮細胞で特異的に発現されているDEC205受容体(Jiang等,上記参照)の場合で特に重要である。それ故これらの受容体の両者は、大きな粒子(即ち酵母のような病原菌)のエンドサイトーシスを(マクロファージマンノース受容体)、または高グリコシル化分子(DEC205受容体)複合体のエンドサイトーシスを介在するようである。両場合において、これらの受容体によるグリコシル化複合体のエンドサイトーシスは、粒子または糖タンパク質を分解するエンドソーム経路にそれらのそれぞれを輸送することに関与し、DEC205受容体の場合には、樹状細胞または胸腺上皮細胞による免疫系の細胞に十分に糖タンパク質を提示することに関与する(Jiang等,上記参照)。それ故これらの受容体の両者は、病原菌性生物に対する十分な応答をなすために、免疫細胞に対して高グリコシル化構造の提示に関与すると思われる。興味深いことに、ホスホリパーゼA2受容体もまた細胞外タンパク質のエンドサイトーシス性の取り込みに関与するようであるが、この場合にはそれは内生的なタンパク質、即ち一つ以上のホスホリパーゼのようである(Ishizaki等,上記参照;Lambeau等,上記参照;Higashino等,上記参照;Zvaritch等,上記参照)。ホスホリパーゼ結合の高アフィニティーメディエーターとして以外のこの受容体の正確な生物学的機能は明らかではなく、その組織発現パターンは、このファミリーの他の2の受容体のものよりかなり広範であるようである(Higashino等,上記参照)。加えてこの受容体に対するホスホリパーゼの結合は、タンパク質−糖相互作用によって介在されることは明らかではないが、この受容体は明らかにグリコシル化タンパク質を結合しうる(Lambeau等,上記参照)。要約すると、C型レクチンのこのファミリーの周知のメンバーの3全てが、細胞のエンドサイトーシス経路への大きな粒子または分子複合体のそれぞれの結合及び取り込みに関与するようであり、マクロファージマンノース受容体及びDEC205受容体の両者の場合には、これらの相互作用はタンパク質−糖認識を介しているようである。
発明の概要
本発明はエンドサイトーシス性C型レクチンのファミリーの新規なメンバーの同定、組換え生産及び特性指摘に基づく。さらに特異的には、本発明はE−セレクチンレクチンドメインの領域に対して少ない(〜23%)ホモロジーを示す領域を含む新規なポリペプチドに関する。ホモロジー配列モチーフを分析する過程において、我々は驚くべきことに、低い程度のホモロジーにも関わらず、E−セレクチンレクチンドメインにおける残基と同一である残基が、C型レクチンの大多数において保存されている一連のアミノ酸に含まれることを見出した。この観察及び以下に記載するであろうさらなる発見に基づいて、該新規なタンパク質はエンドサイトーシス性C型レクチンのファミリーの新たなメンバーであると同定した。該新規なタンパク質には、このレクチンファミリーの他のメンバーにおいて見出されるものとあまり関連しないが、全体の構造において相同であるドメインが含まれる。加えて、それは胚及び大人のある高内皮化領域で特異的に発現され、胚において活発に成育し分化している軟骨細胞によっても特異的に発現されているようである。これらのデータは、このレクチンが内皮によってと同様に軟骨形成の間の軟骨細胞によってもグリコシル化複合体のエンドサイトーシスと関与する、エンドサイトーシス性レクチンファミリーの新規なメンバーを表すことを示唆する。
一面として、本発明は、マクロファージマンノース受容体、ホスホリパーゼA2受容体及びDEC205受容体に緊密に関連する新規な単離されたC型レクチン、及び該新規なC型レクチンの機能的な誘導体に関し、C型レクチンのファミリーの全てのメンバーがエンドサイトーシスを介在する複数のレクチンドメインを含む。本発明の範囲内にある天然のポリペプチドは、シグナル配列、システインリッチドメイン、フィブロネクチンII型ドメイン、8のC型レクチンドメイン、膜貫通ドメイン及び短い細胞内ドメインを含むことによって特徴づけられる。本発明は特異的に該新たな受容体分子の可溶性形態を含み、それは活性膜貫通ドメインを欠いており、場合により細胞内ドメインの全てまたは一部を欠いている。
特定の実施態様として、本発明は以下のものよりなる群から選択された単離されたC型レクチンに関する:
(1)図2に示されているアミノ酸配列(SEQ.ID.NO:2)を含むポリペプチド;
(2)図9に示されているアミノ酸配列(SEQ.ID.NO:4)を含むポリペプチド;
(3)ポリペプチド(1)または(2)のさらなる哺乳動物ホモローグ;
(4)活性膜貫通ドメインを欠いたポリペプチド(1)−(3)のいずれかの可溶形態;及び
(5)ポリペプチド(1)、(2)または(3)の質的な糖認識性質を維持するポリペプチド(1)−(3)のいずれかの誘導体。
本発明の天然のC型レクチンは糖タンパク質である。本発明は天然のグリコシル化を伴わない変異体分子、または変異体グリコシル化パターンを持つ変異体分子を包含する。
さらなる実施態様として、本発明は本発明の新規なC型レクチンのアンタゴニストに関する。
本発明はさらに、本発明の新規なC型レクチンをコードする核酸分子、該核酸を含むベクター、及び該ベクターでトランスフォームされたホスト細胞に関する。該核酸分子は好ましくは、本発明の天然のまたは変異体C型レクチンの少なくともフィブロネクチンII型ドメイン及び最初の3のレクチンドメインをコードする。本発明にはさらに、本発明の天然のC型レクチンをコードする核酸、及びここでの天然のC型レクチンの質的な糖結合性質を維持するタンパク質をコードする核酸の相補体に対して、厳しい条件下でハイブリダイズする核酸が含まれる。
もう一つの面として、本発明はここに定義されるC型レクチンを生産する工程に関し、該工程には望ましいC型レクチンをコードする核酸を用いたホスト細胞のトランスフォーメーション、トランスフォームされたホスト細胞の培養、及びホスト細胞カルチャーから生産されたC型レクチンの回収が含まれる。
さらなる面として、本発明は、本発明のC型レクチンに特異的に結合しうる抗体、及び該抗体を生産するハイブリドーマ細胞系に関する。
またさらなる面として、本発明はイムノグロブリン配列に融合したここに記載される新規なC型レクチン配列を含むイムノアドヘシンに関する。該C型レクチン配列は好ましくはイムノグロブリン定常ドメイン配列に融合した天然のまたは変異体ポリペプチドの膜貫通ドメイン欠失形態であり、少なくとも本発明の天然のC型レクチンのフィブロネクチンII型ドメイン及び糖認識(レクチン)ドメインを含む。もう一つの好ましい実施態様として、イムノアドヘシンにおいて存在するC型レクチン配列は、本発明の天然のC型レクチンのフィブロネクチンII型ドメイン及び/または最初の3の糖認識ドメインの少なくとも一つと、少なくとも約80%の配列同一性を示す。該イムノグロブリン定常ドメイン配列は好ましくは、IgG-1,IgG-2またはIgG-3分子のものである。
本発明はさらに、製薬学的に許容されるキャリアーと混ぜ合わせた、ここに定義されるC型レクチンを含む製薬学的組成物に関する。
【図面の簡単な説明】
図1:E−セレクチンとESTの間の配列ホモロジー。E−セレクチンレクチンドメイン(SEQ.ID.NO:8)を用いた発現配列タグ(EST)データベースのサーチから由来するホモローグ配列(T11885)(SEQ.ID.NO:9)が示されている。ホモロジーの領域は、E−セレクチンレクチンドメインのアミノ酸10-67内に見出された。
図2:E−セレクチンホモローグネズミ配列をコードするcDNAのDNA配列及び由来するタンパク質配列。ネズミcDNAクローン及びプローブとしてT11885 DNA配列を用いて由来したRACE産物の完全なDNA配列(SEQ.ID.NO:1)及び由来するタンパク質配列(SEQ.ID.NO:2)が示されている。オリジナルESTに対する該領域のホモロジーは、アミノ酸995から1,061まで広がっている。
図3:新規なC型レクチン(SEQ.ID.NO:2)、マクロファージマンノース受容体(SEQ.ID.NO:5)、ホスホリパーゼA2受容体(SEQ.ID.NO:7)、及びDEC205受容体(SEQ.ID.NO:6)の間のタンパク質ホモロジー。エンドサイトーシス性C型レクチンファミリーの3のメンバーにおける保存された残基が示されている(囲み)。上部の線はシグナル配列、システインリッチ、フィブロネクチンII型、C型レクチン、膜貫通及び細胞内の各ドメインを示す。DEC205受容体の第9及び第10のC型レクチンドメインは、より明らかに並べられるように欠失された。
図4:新規なレクチン、マクロファージマンノース受容体、ホスホリパーゼA2受容体及びDEC205受容体の間のドメインホモロジー及び相対的パーセント保存。新規なC型レクチン及び他の3のエンドサイトーシス性C型レクチンファミリーのメンバーにおける様々なドメイン、及びこれらのドメインの間のパーセント保存が示されている。該ドメインは以下のものである:Cys-rich:システインリッチ、Fn II:フィブロネクチン2型、CRD:糖認識ドメイン(C型レクチン)、TM:膜貫通、CYTO:細胞内。
図5:新規な受容体cDNAを用いてプローブしたゲノムブロット、及び新規な受容体をコードする遺伝子のゲノム構造。A.様々な生物から単離され、EcoR1を用いて切断されたゲノムDNAを含む「ズーブロット」("zoo blot")を、心臓ライブラリー由来のPCRによって単離されたオリジナルEST断片を用いたプローブした。B.図の上部は新規なC型レクチンのドメイン構造及びそれぞれのイントロンに対するドットブロッティング及びPCR分析により決定されたおよその部位(矢印)を示す。下部は小さな箱として定義された各エクソンと共にゲノムローカスが示されている。
図6:新規なC型レクチンをコードする転写産物の発現のためのヒト及びネズミ組織そして細胞系のノーザンブロット分析。A.全ネズミ胎児RNA(左パネル)または成人ネズミ組織から由来するRNAのそれぞれを含む商業的なノーザンブロットを、ネズミ心臓cDNAライブラリーから単離された断片から由来するオリジナルESTを用いてプローブした。B.様々な成人または胎児ヒト組織から単離されたRNAを含む商業的なノーザンブロットを、ヒト心臓cDNAライブラリーから由来するオリジナルESTを用いてプローブした。C.以下のものから単離されたRNAを含む商業的なブロット:a.前骨髄球白血病-HL-60、b.ヒーラ細胞-S3、c.慢性骨髄性白血病-K-562、d.リンパ芽球白血病-MOLT-4、e.バーキットリンパ腫-Raji、f.大腸腺ガン-SW480、g.肺ガン腫-A549、及びh.メラノーマ-G361の各ヒト腫瘍細胞系を、ヒト心臓cDNAライブラリーから由来するオリジナルESTを用いてプローブした。
図7:選択的にスプライスされた胎児肝転写産物の5'プライムの特性指摘。該配列は、ヒトフルレングス(MRX)及び選択的にスプライスされた(FL)転写産物は、3'プライム領域から選択的にスプライスされた胎児肝クローンの核酸61位までと同一であったことが示されている。図の上部は、フルレングス転写産物(プライマー1)(SEQ.ID.NO:12)、または選択的にスプライスされた転写産物(プライマー2)(SEQ.ID.NO:13)のそれぞれに対して特異的な2のプライムプライマーを用いたPCR分析を説明する。3のプライムPCRプライマーが配列の末端に示されており、両方の場合で同一である(SEQ.ID.NO:14)。ハイブリダイゼーションのため用いられる内部オリゴヌクレオチドプローブが中央のプライマーとして示されており、これも両配列で同一である(SEQ.ID.NO:15)。上部パネルの1または2は、各組織に対するPCR反応に利用される5'プライムプライマーをいう。該パネルは比較的少量のPCR断片(2)が、選択的にスプライスされた転写産物に相当し、胎児肝にのみ見出され肺または心臓では見出されないことを示す。
図8:新規なC型レクチンを用いた新生児及び胚組織のin situハイブリダイゼーション分析。A.アンチセンスプローブとハイブリダイズする肺、B.センスプローブとハイブリダイズする肺、C.アンチセンスプローブとハイブリダイズする腎糸球体、D.アンチセンスプローブとハイブリダイズする脈絡叢、E.アンチセンスプローブとハイブリダイズする発達中の胸骨、F.センスプローブとハイブリダイズする発達中の胸骨、G.アンチセンスプローブとハイブリダイズする発達中の歯、H.アンチセンスプローブとハイブリダイズする咽頭の発達中の軟骨。
図9:新規なヒトC型レクチンのタンパク質配列(SEQ.ID.NO:4)。
発明の詳細な説明
A.定義
「新規なC型レクチン」及び「新規なエンドサイトーシス性C型レクチン」なるフレーズは互換的に用いられ、エンドサイトーシス性C型レクチンのファミリーの新たな天然のメンバー及び該天然ポリペプチドの機能的な誘導体をいい、該C型レクチンは胚及び成人のある高内皮化領域で、及び胚における活発に成育及び分化している軟骨細胞で特異的に発現されている。
この文書における「天然の(新規な)エンドサイトーシス性C型レクチン」及び「天然の(新規な)C型レクチン」なる語は、新規な天然で生じるエンドサイトーシス性C型レクチン受容体をいい、そこには天然のシグナル配列の有無に関わらず、システインリッチドメイン、フィブロネクチンII型ドメイン、複数のC型レクチンドメイン、膜貫通ドメイン及び細胞内ドメインを含み、及び開始メチオニンの存在に関わらず、天然で生じる該C型レクチン受容体の可溶性形態もいい、天然ソースから精製されているか、合成されたものか、組換えDNA法で生産されるか、またはこれらの及び/または他の方法の組み合わせによるものかを問わない。本発明の天然のC型レクチンには、図2に示されているアミノ酸配列(SEQ.ID.NO:2)を持つネズミC型レクチン、及び図9に示されているアミノ酸配列(SEQ.ID.NO:4)を持つヒトC型レクチン、及びこれらの天然の受容体のさらなる哺乳動物ホモローグが特異的に含まれる。本発明の新規な天然のネズミ及びヒトC型レクチンは、約1480アミノ酸長であり、シグナル配列(アミノ酸1-36)、システインリッチドメイン(およそアミノ酸37位からおよそアミノ酸174位)、フィブロネクチンII型ドメイン(およそアミノ酸175位からおよそアミノ酸229位)、8の糖認識(レクチン)ドメイン(CRD)(CRD1:およそaa234-360;CRD2:およそaa381-507;CRD3:およそaa520-645;CRD4:およそaa667-809;CRD5:およそaa824-951;CRD6:およそaa970-1108;CRD7:およそaa1110-1243;CRD8:およそaa1259-1393);膜貫通ドメイン(およそアミノ酸1410位からおよそアミノ酸1434位);及び細胞内ドメインでが異分子のC末端まで広がるものを含む。これらの分子の境界は、新規なネズミC型レクチン配列に対する図3に示されている。
「可溶性形態」、「可溶性受容体」、「可溶性C型レクチン」「可溶性エンドサイトーシス性C型レクチン」の各語、及びそれらの文法的な変異形は、機能的な膜貫通ドメインを欠失した本発明の天然の及び変異体C型レクチンの変異体をいう。可溶性受容体において、膜貫通ドメインは欠失され、または切りつめられ、またはさもなければそれらが細胞膜に埋め込まれないように不活性化されていよう。必要であれば本発明のC型レクチンの該可溶性形態は、完全にまたは部分的に欠失、さもなければ不活性化した細胞内ドメインをさらに持つであろう。
ポリペプチドの「機能的な誘導体」は、天然のポリペプチドに共通な質的な生物学的活性を持つ化合物である。それ故本発明の天然の新規なC型レクチンの機能的な誘導体は、該天然のレクチンに共通な質的な生物学的活性を持つ化合物である。「機能的な誘導体」には、いかなる動物腫(ヒトを含む)由来の天然のポリペプチドの断片、天然の(ヒト及び非ヒト)ポリペプチドの誘導体及びその断片、及び天然のポリペプチドのペプチド及び非ペプチド類似体が、それぞれの天然のポリペプチドに共通な生物学的活性を持つ範囲で制限されることなく含まれる。「断片」には成熟天然のポリペプチドの配列の範囲内の領域が含まれる。「誘導体」なる語は、アミノ酸配列及びグリコシル化変異体、及び天然のポリペプチドの共有結合修飾を定義するために用いられる。「非ペプチド類似体」は、天然のポリペプチドのペプチド類似体と同様の表面を実質的に提示する有機化合物である。それ故本発明の天然の新規なC型レクチンの比ペプチド類似体は、天然のC型レクチンのペプチド類似体と同様の表面を実質的に提示する有機化合物である。該化合物は、ペプチド類似体と同様の方式で他の分子と相互作用し、本発明のC型レクチンの生物学的性質をまねる。好ましくは本発明のアミノ酸配列変異体は、天然のC型レクチンの少なくとも一つのドメインを維持し、または本発明の天然のC型レクチンのドメインと少なくとも約60%のアミノ酸配列同一性、より好ましくは少なくとも約70%のアミノ酸配列同一性、さらにより好ましくは少なくとも約80%のアミノ酸配列同一性、最も好ましくは少なくとも約90%のアミノ酸配列同一性を持つ。アミノ酸配列変異体は好ましくは、フィブロネクチンII型ドメインまたはレクチン様ドメインと、好ましくは本発明の天然のC型レクチンの最初の3のレクチン様(糖結合)ドメインと最も高い程度のアミノ酸配列ホモロジーを示す。これらは本発明の新規なC型レクチンと、エンドサイトーシス性C型レクチンファミリーの他のメンバーの間で、最も高いパーセンテージのアミノ酸保存を示すドメインである。
「共有結合修飾」及び「共有結合誘導体」なる語は互換的に用いられ、有機タンパク質性または非タンパク質性誘導化試薬を用いた天然のポリペプチドまたはその断片の修飾、異種ポリペプチド配列の融合、及び翻訳後修飾を制限することなく含む。共有結合修飾は、選択された部位または末端残基と反応可能な有機誘導化試薬を用いてターゲットアミノ酸残基と反応することによって、または選択された組換えホスト細胞において機能する翻訳後修飾の機構を用いることによってありきたりの方法で導入される。特定の翻訳後修飾は、発現されたポリペプチドに対する組換えホスト細胞の働きの結果である。グルタミニル及びアスパラギニル残基は、相当するグルタミン及びアスパラギン残基をしばしば翻訳後で脱アミド化する。代わりにこれらの残基は、穏やかな酸性条件で脱アミド化される。他の翻訳後修飾には、プロリン及びリシンのヒドロキシル化、セリン、チロシンまたはトレオニン残基のヒドロキシル基のリン酸化、リシン、アルギニン及びヒスチジン側鎖のα−アミノ基のメチル化が含まれる[T.E.Creighton,Proteins;Structure and Molecular Properties,W.H.Freeman & Co.,San Francisco,pp.79-86(1983)]。共有結合誘導体/修飾は、イムノアドヘシンのような本発明の天然のC型レクチン配列及びそのアミノ酸配列変異体を含む融合タンパク質、及び異種シグナル配列へのN末端融合物を特異的に含む。
本発明の文書における「生物学的活性」なる語は、天延のポリペプチドに質的に共通した少なくとも一つの接着、調節またはエフェクター機能を所有するように定義される。本発明の範囲にある好ましい機能的誘導体は、本発明の天然のエンドサイトーシス性C型レクチンの質的な糖認識性質を維持することによって統一される。
天然のポリペプチド及びその機能的な誘導体の観点で「同一」または「ホモロジー」とは、最大のパーセントホモロジーを達成するために、もし必要であれば配列を並べたりギャップを導入した後で、相当する天然のポリペプチドの残基と同一である候補の配列におけるアミノ酸残基のパーセントとしてここで定義され、配列同一性の部分としていかなる置換をも考慮に入れない。N末端及びC末端の広がり、加えて挿入のいずれも、同一性またはホモロジーを減少するものとして解釈されない。並べるための方法及びコンピュータープログラムは本分野でよく知られている。
「アゴニスト」なる語は、本発明の天然のC型レクチンのペプチド及び非ペプチド類似体をいい、天然のC型レクチンの少なくとも一つの生物学的活性を維持する限りで該天然のC型レクチンを特異的に結合する抗体をいうために用いられる。好ましくは本発明のアゴニストは、天然のC型レクチンポリペプチドの質的な糖認識性質を維持する。
「アンタゴニスト」なる語は、本発明の天然のC型レクチンの生物学的活性を阻害する分子をいうために用いられる。好ましくはここでいうアンタゴニストは、本発明の天延のC型レクチンの糖結合を阻害する。好ましいアンタゴニストは、天然のC型レクチンがさもなければ結合する糖構造にそれが結合することを本質的に完全にブロックする。
普通、「アミノ酸」なる語は、天然に存在するL-α-アミノ酸をいう。しかしながらある実施態様においては、D-アミノ酸が構造的制限を緩和するために本発明のポリペプチドまたはペプチドにおいて存在するであろう。例えば、ジスルフィド結合形成及び安定性を容易にするために、Dアミノ酸システインが、本発明の天然のC型レクチンのペプチド機能的誘導体またはペプチドアゴニストの一つまたは両末端に提供されよう。アミノ酸はそれぞれ一文字または三文字の記号によって示される:
「アミノ酸配列変異体」なる語は、天然のアミノ酸配列と比較してそのアミノ酸配列にいくつかの差異を持つ分子をいう。
置換的変異体は、天然の配列において少なくとも一つのアミノ酸残基は除去され、同じ位置に代わりに異なるアミノ酸が挿入されているものである。
挿入的変異体は、天然の配列の特定の位置で一つのアミノ酸にすぐ隣接して一つ以上のアミノ酸が挿入されているものをいう。「一つのアミノ酸にすぐ隣接して」なる語は、該アミノ酸のα−カルボキシまたはα−アミノ官能基のそれぞれに結合していることを意味する。
欠失的変異体は、天然のアミノ酸配列において一つ以上のアミノ酸が欠失されているものをいう。
「抗体」(Ab)および「イムノグロブリン」(Ig)は同じ構造的特徴を持つ糖タンパク質である。抗体が特異的抗原に対する特異的な結合を示す一方、イムノグロブリンは抗原特異性を欠いた抗体と他の抗体様分子の両方を含む。例えば、後者の種類のポリペプチドはリンパ系によって低レベルでそしてミエローマによってより高レベルで生産される。
「天然の抗体およびイムノグロブリン」は通常約150,000ドルトンのヘテロ四量体糖タンパク質であり、二つの同一のL鎖と二つの同一のH鎖より成る。各L鎖は一つの共有結合のジスルフィド結合によってH鎖と結合しており、一方ジスルフィド結合の数は異なるイムノグロブリンアイソタイプのH鎖間で異なる。H鎖とL鎖のそれぞれも規則的に一定の間隔をあけた鎖内ジスルフィド架橋を持っている。各H鎖は一方の端に可変ドメイン(VH)をもち、それにたくさんの定常ドメインが続く。各L鎖は一方の端に可変ドメイン(VL)をもち、もう一方の端に定常ドメインをもつ;L鎖の定常ドメインはH鎖の最初の定常ドメインと一直線に並び、そしてL鎖の可変ドメインはH鎖の可変ドメインと一直線に並ぶ。特定のアミノ酸残基がL鎖とH鎖の可変ドメイン間の界面を形成していると考えられている(Clothia等,J.Mol.Biol.186:651(1985);NovotnyとHaber,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 82:4592(1985))。
いかなる脊椎動物種由来の抗体(イムノグロブリン)の「L鎖」も、その定常ドメインのアミノ酸配列に基づいて、カッパ(κ)及びラムダ(λ)と呼ばれる二つの明らかに別個のタイプの一つに割り当てられ得る。
H鎖の定常ドメインのアミノ酸配列に基づいて、イムノグロブリンは異なるクラスに割り当てられ得る。イムノグロブリンには、IgA,IgD,IgE,IgGそしてIgMという五つの主要なクラスがあり、これらのいくつかは、例えばIgG1,IgG2,IgG3,IgG4,IgA1そしてIgA2というサブクラス(アイソタイプ)にさらに分けられる。異なるクラスのイムノグロブリンに相当するH鎖定常ドメインは、それぞれα、δ、ε、γ及びμと呼ばれる。異なるクラスのイムノグロブリンのサブユニット構造および三次元構造はよく知られている。
「抗体」なる語は、最も広い意味で用いられ、単一のモノクローナル抗体(作用剤および拮抗剤抗体を含む)およびポリエピトープ特異性を持つ抗体構成物をも特にカバーする。
ここで用いられているような「モノクローナル抗体」なる語は、実質的に同質な抗体の集団から得られる抗体を示す、すなわち集団に含まれる個々の抗体が、少量存在するであろう自然に生じ得る突然変異を除いて同一なのである。モノクローナル抗体は高い特異性を持っており、単一の抗原部位に対して向けられている。それゆえ緩和した「モノクローナル」なる語は、実質的に同質の抗体の集団から得られたような抗体の性質を示し、いかなる特定の方法によって抗体を生産する必要があるとは解釈すべきではない。例えば本発明にしたがって用いられるモノクローナル抗体は、KohlerとMilstein,Nature 256:495(1975)によって最初に記述されたハイブリドーマ法によって得られ得るし、または組換えDNA法によっても得られ得る[米国特許第4,816,567号(Cabilly等)参照]。
ここでいうモノクローナル抗体は、H鎖および/またはL鎖の一部が特定の種から由来する、または特定の抗体のクラスやサブクラスに属する抗体における相当する配列と同一なまたは同種構造のものであり、一方で鎖(類)における残りの部分がもう一つの特定の種から由来する、またはもう一つの特定の抗体のクラスやサブクラスに属する抗体における相当する配列と同一なまたは同種構造のものである「キメラ」抗体(イムノグロブリン)をも特別に含み、また望ましい生物学的活性を示す範囲で、該抗体の断片も含まれる(米国特許第4,816,567号(Cabilly等;Morrison等,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,81:6851[1984])。
非ヒト(例えばネズミ)抗体の「ヒト化」形態とは、非ヒトイムノグロブリンから由来する最小限の配列を含む、特異的なキメライムノグロブリン、イムノグロブリン鎖またはそれらの断片(Fv,Fab,Fab',F(ab')2または他の抗体の抗原結合部分配列)である。ほとんどの場合が、ヒト化抗体は受容者の相補性決定領域(CDR)由来の残基が、望ましい特異性、アフィニティーそして力量を持つマウス、ラットまたはウサギのような非ヒト種(提供者抗体)のCDR由来の残基に置き換えられているヒトイムノグロブリン(受容者抗体)である。ある例では、ヒトイムノグロブリンのFvフレームワーク残基が、相当する非ヒト残基で置き換えられている。さらにヒト化抗体は受容者抗体にもインポートCDRまたはフレームワーク配列にも見出されない残基をも含み得る。これらの変形は、抗体の能力をさらに洗練し最適化するためになされる。一般的にはヒト化抗体は、少なくとも一つ、そして典型的には二つの可変ドメインの実質的にすべてを含むであろうし、可変ドメイン内には非ヒトイムノグロブリンのものに相当するCDR領域の全てまたは実質的にすべておよびFR領域の全てまたは実質的に全てが、ヒトイムノグロブリンコンセンサス配列のものである。ヒト化抗体はまた最適には、イムノグロブリンコンセンサス領域(Fc)の少なくとも一部を含み、それは典型的にはヒトイムノグロブリンのものである。さらに詳細には、Jones等,Nature 321:522(1986);Reichmann等,Nature 332:323(1988);1987年9月30日に印刷されたEP-B-239 400;およびPresta,Curr.Op.Struct.Biol.2:593(1992);及び1996年1月24日に印刷されたEP-B-451 216を参照。
本発明に関係して、発現「細胞」、「細胞系」および「細胞カルチャー」なる語は互換的に用いられ、全ての該表記は子孫を含む。全ての子孫は計画的なまたは偶然の突然変異のためDNA内容物において正確に同一ではないであろう。もともとのトランスフォームされた細胞においてそれからスクリーニングされたものと同じ機能および生物学的性質を持つ突然変異子孫も含まれる。
「複製可能発現ベクター」、「発現ベクター」及び「ベクター」なる語は、通常二本鎖であるDNAの断片をいい、外来DNAの一部をその内部に挿入しているものである。外来DNAは異種DNAと定義され、天然ではホスト細胞内に見出されないDNAである。該ベクターは適切なホスト細胞内に外来または異種DNAを輸送するために用いられる。一度ホスト細胞内へはいると、該ベクターはホスト染色体DNAとは独立に複製し得、該ベクター及びその挿入された(外来)DNAの数コピーが生産される。加えて、該ベクターはポリペプチド内で外来DNAを翻訳することを許容する必要なエレメントを含む。外来DNAによってコードされる該ポリペプチドの多くの分子がそれ故急速に合成され得る。
「コントロール配列」なる表現は、特定の宿主中で機能的に連結されたコード配列を発現するために必要なDNA配列を指す。原核生物に好適な制御配列は、例えばプロモータ、場合によりオペレータ配列、リボソーム結合部位及び可能性としてまだあまり理解されていない他のものを含む。真核性細胞は、プロモータ、ポリアデニル化シグナル、及びエンハンサーを使用することが知られている。
核酸は、他の核酸配列と機能的に関連して配置される場合に、「機能的に連結されている」。例えば、先行配列または分泌リーダーのDNAは、それがポリペプチドの分泌に関与する先行タンパク質として発現される場合にポリペプチドのDNAに機能的に連結され;またプロモータ若しくはエンハンサーは、それが配列の転写に影響する場合にコード配列に対して機能的に連結され;またリボソーム結合部位は、それが翻訳を促進するように位置する場合にコード配列に機能的に連結されている。一般的に、「機能的に連結」とは、DNA配列が連続し、分泌リーダーの場合には連続かつ読み取りの位相内に連結されることを意味する。しかしながら、エンハンサーは連続する必要はない。連活は、慣用の制限部位においての連結により達成される。そのような部位が存在しない場合には、合成オリゴヌクレオチドアダプタまたはリンカーが慣用の方法により使用される。
「オリゴヌクレオチド」は、周知の方法によって化学的に合成される[1998年5月4日に印刷されたEP266,032に記載されている固相法を用いるホスホトリエステル、亜リン酸塩、またはホスホルアミダイト化学のような、またはFroehler等,Nucl.Acids Res.14,4399(1986)に記載されているデオキシヌクレオシドH-ホスファネート中間体を介して]短い長さの、一本鎖または二本鎖ポリデオキシヌクレオチドである。
ハイブリダイゼーションは好ましくは、(1)例えば50℃で0.015塩化ナトリウム/0.0015Mクエン酸ナトリウム/0.1%ドデシル硫酸ナトリウムの洗浄のための体イオン強度及び高温を用いること、または(2)例えば42℃で0.1%ウシ血清アルブミン/0.1% Ficoll/0.1%ポリビニルピロリドン/750mM塩酸ナトリウム、75mMクエン酸ナトリウムを用いた50nMリン酸ナトリウムバッファー,pH6.5を用いる50%(vol/vol)ホルムアミドのような、ホルムアミドといった変性試薬をハイブリダイゼーションの間用いることを意味する「きつい条件」の下で実施される。もう一つの例としては、42℃で50%ホルムアミド、5×SSC(0.75M NaCl,0.075Mクエン酸ナトリウム)、50mMリン酸ナトリウム(pH6/8)、0.1%ピロリン酸ナトリウム、5×デンハルト溶液、ソニケートされたサケ精子DNA(50μg/ml)、0.1% SDS及び10%硫酸デキストランを使用し、42℃で0.2×SSC及び0.1% SDSで洗浄することがある。またもう一つの例として、55℃で10%硫酸デキストラン、2×SSC(塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム)及び50%ホルムアミドのバッファーを用いてハイブリダイゼーションし、引き続き55℃でEDTAを含む0.1×SSCより成る高厳格性洗浄を行う。
「イムノアドヘシン」または「C型レクチン−イムノグロブリンキメラ」とは、イムノグロブリン配列と結合タンパク質(通常、受容体、細胞−アドヘシン分子またはリガンド)の機能的ドメイン(類)を組み合わせたキメラ抗体様分子である。融合タンパク質のこのタイプの最も一般的な例は、特異的なリガンドを認識する細胞表面受容体のドメインと、イムノグロブリン(Ig)のヒンジ及びFc領域を組み合わせたものである。このタイプの分子は、それが「イムノ」及び「アドヘシン」を組み合わせたものであるため、「イムノアドヘシン」と呼ばれる;他の頻繁に用いられる名前は、「Ig−キメラ」、「Ig-」または「Fc-融合タンパク質」あるいは「受容体−グロブリン」である。
B.組換えDNA法による新規なC型レクチンの生産
1.新規なC型レクチンをコードする核酸の同定及び単離
本発明の天然のエンドサイトーシス性C型レクチンは、cDNAまたはゲノムライブラリーから単離しうる。例えば適したcDNAライブラリーは、望ましいC型レクチンを発現することが知られている細胞由来のポリアデニルかmRNAを得ることによって構築し得、二本鎖cDNAを合成するためにテンプレートとしてmRNAを用いる。mRNAの適したソースは、胚及び成人哺乳動物組織の高内皮化領域であり、及び胚において分化している軟骨細胞である。本発明の天然のC型レクチンをコードするmRNAは、例えばヒト胎児肺、腎及び肝組織;成人ネズミ心臓、肺、腎、脳及び筋組織;成人ヒト心臓、前立腺、睾丸、卵巣、腸、脳、胎盤、肺、腎、膵臓、脾臓、胸腺及び大腸組織において発現されている。本発明の新規なC型レクチンをコードする遺伝子は、ヒトゲノムコスミドライブラリーまたはマウス由来胚細胞(ES)ゲノムライブラリーのようなゲノムライブラリーからも得られうる。
それからcDNAでもゲノムでもライブラリーを、興味ある物またはそれによってコードされるタンパク質の遺伝子を同定するためにデザインされたプローブを用いてスクリーニングする。cDNA発現ライブラリーについては、適したプローブにはC型レクチン受容体を認識し、特異的に結合するモノクローナル及びポリクローナル抗体が含まれる。cDNAライブラリーに対して、適したプローブには、同種または異種由来のC型レクチンポリペプチドの周知のまたは疑いのある部分をコードする注意深く選択されたオリゴヌクレオチドプローブ(通常約20-80ベースの長さ)、及び/または同じまたは同様の遺伝子をコードする相補的または同種cDNAまたはそれらの断片が含まれる。ゲノムDNAライブラリーをスクリーニングするための適切なプローブには、同じまたは同様の遺伝子をコードするオリゴヌクレオチド、cDNA、またはそれらの断片、及び/または同種ゲノムDNAまたはその断片が含まれる。選択されたプローブを用いてcDNAまたはゲノムライブラリーをスクリーニングすることは、Sambrook等,Molecular Cloning:A Laboratory Manual,New York,Cold Spring Harbor Laboratory Press,1989の第10-12章に記載されている標準的な方法を用いて実施される。
もし本発明の酵素をコードするDNAが、様々な組織由来のcDNAライブラリーをスクリーニングするための注意深く選択されたオリゴヌクレオチド配列を用いることによって単離されたならば、プローブとして選択されたオリゴヌクレオチド配列は、偽のポジティブを最小化するのに十分な長さで十分に明白なものであるべきである。現実の核酸配列(類)は、少なくともコドン縮重を持つ領域に基づいて通常デザインされる。該オリゴヌクレオチドは、一つ以上の位置で縮重されている。縮重されているオリゴヌクレオチドの使用は、好ましいコドンの使用が未知である種からライブラリーをスクリーニングする場合、特に重要である。
該オリゴヌクレオチドはスクリーニングされるライブラリーにおいてDNAにハイブリダイズすることで検出し得るようにラベルされていなければならない。ラベルの好ましい方法は、該オリゴヌクレオチドの5'末端にラジオラベルするためにATP(例えばγ32P)及びポリヌクレオチドキナーゼを用いることである。しかしながら他の方法も該オリゴヌクレオチドをラベルするために用い得、それにはビオチン化または酵素ラベルが制限されることなく含まれる。
新規なC型レクチンをコードするcDNAはまた、直接発現クローニングまたは1987年7月28日に査定された米国特許第4,683,195号、Sambrook等,上記参照の第14章またはCurrent Protocols in Molecular Biology,Ausubel等,編,Greene Publishing Associates and Wiley-Interscience 1991の第15章に記載されているポリメラーゼ連鎖反応(PCR)のような組換えDNA法の他の周知の方法によって同定され単離されうる。ヒト心臓及びマウス心臓cDNAライブラリーを増幅するためのPCR法の使用は、実施例に記載されている。
一度一つの種から新たな天然のエンドサイトーシス性C型レクチンをコードするcDNAが単離されると、他の種由来のcDNAは種間交差ハイブリダイゼーションによって得られうる。このアプローチにしたがって、ヒトまたは他の哺乳動物cDNAまたはゲノムライブラリーを、他の基準に従って周知のヒトC型レクチン配列(ネズミまたはヒト配列のような)から選択されたラベル化オリゴヌクレオチド配列によってプローブされ、該他の基準とは該配列が偽のポジティブを最小化するために十分な長さで十分に明白であることである。典型的には、特にもし該オリゴヌクレオチドがメチオニンまたはトリプトファンに対する一つ以上のコドンを含むならば、約30から50ベースを持つ32Pラベル化オリゴヌクレオチドは十分である。単離された核酸は、核酸のソース由来の他のポリペプチドをコードする混ざり合った核酸から同定され分離されたDNAであろう。ハイブリダイゼーションは上記定義されているように「きつい条件」下で好ましくは実施される。一度配列がわかると、特定のC型レクチンをコードする遺伝子もまた化学的合成、引き続くEngels及びUhlmann,Agnew.Chem.Int.Ed.Engl.28,716(1989)に記載された方法の一つによって選られうる。これらの方法には、チオエステル、亜リン酸、ホスホルアミダイト及びH-ホスホネート法、PCR及び他の自己プライマー法、及び固相支持体によるオリゴヌクレオチド合成が含まれる。
2.新規なC型レクチンをコードする核酸のクローニング及び発現
一度新規なC型レクチンをコードする核酸が入手されると、それらさらなるクローニング(DNAの増幅)または発現のため複製可能な発現ベクター内にライゲートされる。
発現及びクローニングベクターは本分野で周知であり、ベクターを一つ以上の選択されたホスト細胞内で複製可能にする核酸配列を含む。適切なベクターの選択は、1)それがDNA増幅のためかDNA発現のためかいずれかの目的で用いられるか、2)ベクター内に挿入されるDNAのサイズ、3)該ベクターを用いてトランスフォームされるホスト細胞、に依存するであろう。それぞれのベクターはその機能(DNAの増幅またはDNAの発現)及びそれが適合可能なホスト細胞に依存して様々な構成要素を含む。該ベクター構成要素には以下のものの一つ以上を制限されることなく一般的に含む:シグナル配列、複製オリジン、一つ以上のマーカー遺伝子、エンハンサーエレメント、プロモーター、及び転写終結配列。上記挙げた構成要素、つまりコーディング配列及びコントロール配列のうち一つ以上を含む適したベクターの構築は、標準的なライゲーション法を用いる。単離されたプラスミドまたはDNA断片を必要とされるプラスミドを生産するために望ましい形態に切断し、操作し、再ライゲートする。構築されたプラスミドにおける正確な配列を確認するための分析については、ライゲーション混合物を例えば大腸菌K12株294(ATCC 31,446)といった大腸菌細胞をトランスフォームするために一般的に用いられ、成功したトランスフォーマントを適切であるアンピシリンまたはテトラサイクリンによって選択する。トランスフォーマント由来のプラスミドを調製し、制限エンドヌクレアーゼ切断によって分析し、及び/またはMessing等,Nucleic Acids Res.9,309(1981)の方法によって、またはMaxam等,Methods in Enzymology 65,499(1980)の方法によってシークエンスする。
本発明のポリペプチドは、様々な原核生物及び真核生物ホスト細胞で発現されよう。適した原核生物には、例えば大腸菌またはバチルスのようなグラム陰性またはグラム陽性生物が含まれる。好ましいクローニングホストは、大腸菌294(ATCC 31,446)であるが、大腸菌B、大腸菌X1776(ATCC 31,537)、大腸菌W3110(ATCC 27,325)、シュードモナス種、またはSerratia Marcesansのような他のグラム陰性またはグラム陽性原核生物も適している。
原核生物に加えて、糸状菌または酵母のような真核生物微生物もここでのベクターに対する適したホストである。Saccharomyces cerevisiae,または一般的なパン酵母は、低級真核生物ホスト微生物の中では最も一般的に用いられている。しかしながら、S.pombe[Beach及びNurse,Nature 290,140(1981)],Kluyveromyces lactis[Louvencourt等,J.Bacteriol.737(1983)];yarrowia(EP 402,226);Pichia pastoris(EP 183,070),Trichoderma reesia(EP 244,234),Neurospora crassa[Case等,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 76,5259-5263(1979)];及びA.nidulans[Ballance等,Biochem.Biophys.Res.Commun.112,284-289(1983);Tilburn等,Gene 26,205-221(1983);Yelton等,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81,1470-1474(1984)]及びA.niger[Kelly及びHynes,EMBO J.4,475-479(1985)]のようなAspergillusホストのような、数多くの他の属、種及び株も入手可能でありここで有用である。
適したホスト細胞はまた多細胞生物からも由来する。該ホスト細胞は、複雑なプロセッシング及びグリコシル化活性が可能である。原則として、脊椎動物でも無脊椎動物カルチャー由来でもいかなる高等真核生物細胞カルチャーでも作用可能であるが、ヒトのような哺乳動物由来の細胞が好ましい。無脊椎動物細胞の例として、植物細胞及び昆虫細胞が含まれる。多くのバキュロウイルス株及び変異体、そしてSpodoptera frugiperda(イモムシ)、Aedes aegypti(蚊)、Drosophila melangaster(ショウジョウバエ)、及びBombyx moriホスト細胞のようなホスト由来の相当する許容しうる昆虫ホスト細胞が同定されている。例えばLuckow等,Bio/Technolory 6,47-55(1988);Miller等,in Genetic Engineering,Setlow,J.K.等,編,Vol.8(Plenum Publishing,1986),pp.277-279;及びMaeda等,Nature 315,592-5945(1985)。例えばAutographa californica NPVのL-1変異体といった様々な該ウイルスが好適に入手可能であり、該ウイルスは特にSpodoptera frugiperda細胞のトランスフェクションのために、本発明にしたがってここでのウイルスとして用いられる。
綿、トウモロコシ、ポテト、エンドウ豆、ペチュニア、トマト及びタバコといった植物細胞カルチャーはホストとして利用しうる。典型的には植物細胞はバクテリアAgrobacterium tumefaciensの特定の株を用いてインキュベーションによってトランスフェクトされ、該バクテリアは前もってC型レクチンDNAを含むように操作されている。A.tumefaciensを用いた植物細胞カルチャーのインキュベーションの間、C型レクチンをコードするDNAは植物細胞ホストがトランスフェクトされるようにそれにトランスファーされ、適切な条件の下でC型レクチンDNAを発現するであろう。加えて、植物細胞と適合可能な調節配列及びシグナル配列は入手可能であり、それにはノパリンシンテースプロモーター及びポリアデニル化シグナル配列が存在する。Depicker等,J.Mol.Appl.Gen.1,561(1982)。加えて、T-DNA 780遺伝子の上流領域から単離されたDNA部分は、組換えDNA含有植物組織において植物発現可能遺伝子の転写レベルを活性化または増大しうる。1989年6月21日に印刷されたEP 321,196参照。
しかしながら、興味の対象は脊椎動物細胞で最も大きく、カルチャーにおける脊椎動物細胞の増殖(組織カルチャー)は本質的によく知られている。Tissue Culture,Academic Press,Kruse及びPatterson,編(1973)。有用な哺乳動物ホスト細胞系の例として、SV40(COS-7,ATCC CRL 1651)によってトランスフォームされたサル腎CV1;ヒト胚腎細胞系[293または懸濁カルチャーでの成育のためにサブクローン化された293細胞;Graham等,J.Gen.Virol.36,59(1977)];ベビーハムスター腎細胞(BHK,ATCC CCL 10);チャイニーズハムスター卵巣細胞/-DHFR[CHO,Urlaub及びChasin,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 77,4216(1980)];マウスセルトリ細胞[TM4,Mather,Biol.Reprod.23,243-251(1980)];サル腎細胞(CV1 ATCC CCL 70);アフリカグリーンサル腎細胞(VERO-76,ATCC CRL-1587);ヒト頸ガン腫細胞(HELA,ATCC CCL 2);イヌ腎細胞(W138,ATCC CCL 75);ヒト肝細胞(Hep G2,HB 8065);マウス乳腺腫瘍(MMT 060562,ATCC CCL 51);TRI細胞[Mather等,Annals N.Y.Acad.Sci.383,44068(1982)];MRC 5細胞;FS4細胞;及びヒト肝腫細胞系(Hep G2)がある。好ましいホスト細胞は、ヒト胚腎293及びチャイニーズハムスター卵巣細胞である。
本発明の実施において特に有用なものは、ここでの新規なC型レクチンをコードするDNAの哺乳動物細胞における一過的な発現を提供する発現ベクターである。一般的に一過的な発現は、ホスト細胞において効率よく複製可能な発現ベクターの使用が含まれ、該ホスト細胞は発現ベクターの大量のコピーを蓄積し、引き続いて該発現ベクターによってコードされる望ましいポリペプチドの高レベルを合成する。適切な発現ベクター及びホスト細胞を含む一過的系は、クローンDNAによってコードされるポリペプチドの簡便なポジティブな同定を許容し、同様に望ましい生物学的または生理的性質に対する該ポリペプチドの急速なスクリーニングを許容する。それ故一過的発現系はここでの天然のC型レクチンの類似体及び変異体を同定する目的に対して本発明において特に有用である。
組換え哺乳動物細胞カルチャーにおけるC型レクチンの合成への応用に適した他の方法、ベクター、及びホスト細胞は、Getting等,Nature 293,620-625(1981);Mantel等,Nature 281,40-46(1979);Levinson等,;EP 117,060及びEP 117,158に記載されている。C型レクチンポリペプチドの哺乳動物細胞カルチャー発現に対して特に有用なプラスミドは、pRK5(EP 307,247)またはpSV16B(PCT出願番号WO 91/08291)である。
様々なホスト細胞における本発明のC型レクチンの発現に適した他のクローニング及び発現ベクターは、例えば1991年11月27日に印刷されたEP 457,758に記載されている。大量の様々な発現ベクターが、現在商業的に入手可能である。商業的な酵母発現ベクターの例としてはpPIC.9(Invitrogen)であり、一方で大腸菌細胞のトランスフェクションに適している商業的に入手可能な発現ベクターはPET15b(Novagen)である。
C.ホスト細胞の培養
本発明のC型レクチンを生産するために用いる原核生物を、Sambrook等,上記参照に一般的に記載された適した培地で培養する。
哺乳動物細胞は、様々な培地で培養しうる。Ham's F10(Sigma),Minimai Essential Medium(MEM,Sigma),RPMI-1640(Sigma)及びDulbecco's Midified Eagle's Medium'DMEM,Sigma)のような商業的に入手可能な培地は、ホスト細胞を培養するために適している。加えて、Ham及びWallace,Meth.Enzymol.58,44(1979);Barnes及びSato,Anal.Biochem.102,255(1980),US 4,767,704;4,657,866,;4,927,762;または4,560,655;WO 90/03430;WO 87/00195;またはUS Pat.Re.30,985に記載されたいかなる培地も、ホスト細胞に対する培養培地として用い得よう。これらの培地のいずれもが、ホルモン及び/または他の増殖因子(インスリン、トランスフェリンまたは上皮増殖因子のような)、塩類(塩化ナトリウム、カルシウム、マグネシウム及びリン酸塩のような)、バッファー(HEPESのような)、ヌクレオシド(アデノシン及びチミジンのような)、抗生物質(GentamycinTM薬剤のような)、微量元素(マイクロモル範囲で最終濃度に通常存在する無機化合物として定義される)及びグルコースまたは同等なエネルギー源を必須のものとして補われる。いかなる他の必須のサプリメントもまた、当業者に周知であろう適切な濃度で含まれよう。温度、pHのような培養条件は、クローニングまたは発現に対して選択されたホスト細胞で以前に用いたものと同様であり、この場合には当業者に明白であろう。
ここで開示されるホスト細胞には、in vitroでの細胞カルチャーにおける細胞、同様にホスト動物または植物の範囲にある細胞も包含されよう。
本発明のC型レクチンは相同的な組換えによって、または特定のC型レクチンをコードするDNAを既に含む細胞内に導入されたコントロールエレメントを利用した組換え生産法を用いて、生産され得ることはさらに企図されている。
D.遺伝子増幅/発現の検出
遺伝子増幅及び/または発現は、例えばここで提供される配列に基づいて、適切にラベルされたプローブを用いて、例えば簡便なサザンブロッティング、mRNAの転写,を定量するためのノーザンブロッティング{Thomas,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 77,5201-5205(1980)]、ドットブロッティング(DNA分析)、またはin situハイブリダイゼーションで直接的にサンプルにおいて測定しうる。様々なラベルが用いられ得、最も一般的には放射性同位元素32Pが用いられる。しかしながら、ポリヌクレオチド内への導入に対するビオチン修飾ヌクレオチドを用いるよな他の方法もまた用いられ得る。そこでビオチンは、アビジンまたは抗体への結合に対する部位として機能し、それは放射性核種、蛍光色素、酵素等のような広い範囲のラベルを用いてラベルされよう。代わりに、DNA二本鎖、RNA二本鎖及びDNA-RNAハイブリッド二本鎖またはDNA−タンパク質二本鎖を含む特異的な二本鎖を認識しうる抗体をも用いられ得る。代わりに該抗体をラベルし、表面で二本鎖が形成されるように二本鎖を表面に結合し、二本鎖に結合する抗体の存在を検出し得るようなアッセイを実施し得る。
代わりに、遺伝子発現は、直接的に遺伝し産物の発現を定量するために、組織切片の免疫組織化学的染色及び細胞カルチャーまたは体液のアッセイのような免疫学適法法によって測定しうる。本発明の使用に適した特に感度のよい染色法は、Hse等,Am.J.Clin.Pharm.75,734-738(1980)に記載されている。
免疫組織化学的染色及び/またはサンプル液のアッセイに有用な抗体は、モノクローナルまたはポリクローナルのいずれでもよく、いかなる動物においても調製しうる。簡便には、該抗体は天然のC型レクチンポリペプチドに対して、または以下にさらに記載されるここで提供されるDNA配列に基づく合成ペプチドに対して調製され得る。
E.天然のC型レクチンのアミノ酸配列変異体
天然のC型レクチンアミノ酸配列変異体は、天然のC型レクチンDNA内への適切なヌクレオチド変化を導入することによって、または望ましいポリヌクレオチドのin vitro合成によって本分野で周知の方法によって調整される。アミノ酸配列変異体の構築には2の主要な変数が存在する:ミューテーション部位の位置及びミューテーションの性質である。天然のC型レクチンをコードするDNA配列の操作を必要としない天然で生じる対立遺伝子を除いて、C型レクチンのアミノ酸配列変異体は好ましくは、対立遺伝子に到達するかまたは天然では生じないアミノ酸配列変異体に到達するかはさておき、DNAをミューテートすることによって構築される。
ミューテーションの一つの群は、本発明の新規な天然のC型レクチンのフィブロネクチンII型ドメイン内で、または一つ以上のC型レクチンドメイン内(好ましくはレクチン様ドメイン1-3内)で作出される。これらのドメインは、機能的に重要であると考えられ、それ故これらの領域での非保存的な置換のような改変、挿入及び/または欠失は、天然の受容体分子の性質における真の変化を引き起こすことが予想される。新規なネズミ及びヒトC型レクチンの1451位のチロシン残基及び取り囲むアミノ酸は、このチロシンがC型レクチンで保存され、ホスホリパーゼA2受容体のエンドサイトーシスにとって重要であることが以前に見出されているので、機能的な重要性を持つと考えられる。したがって、この領域でのアミノ酸の改変も、相当する天然のポリペプチドとは有意に異なる性質を持つ変異体を引き起こすことが考えられる。これらの機能的に重要なドメイン内での非保存的な置換は、糖認識及びその天然カウンターパートの結合能をゆるめ、または相当する天然のタンパク質と比較して増大した糖認識性質または増大した選択制を持つ変異体を引き起こすであろう。
代わりにまたは加えて、アミノ酸改変は、達成すべき目的に依存して、様々な種由来の新規なC型レクチンで異なる部位、または高く保存されている部位でなし得る。該位置での部位は、典型的には例えば以下の一連のもので修飾されよう;(1)第一に保存的な選択を用いて置換し、それから達成すべき結果に依存してより徹底的な選択を用いる、(2)ターゲット残基または残基類を欠失する、または(3)位置している部位の近傍に同じまたは異なるクラスの残基を挿入する、またはケース1-3を組み合わせる。一つの役立つ方法は、「アラニンスキャニング」と呼ばれるものである(Cunningham及びWells,Science 244,1081-1085[1989])。
本発明の変異体C型レクチンのまたさらなる群においては、一つ以上の機能的に非有用なドメインを欠失または不活性化する。例えば、膜貫通ドメインの欠失または不活性化は、天然のタンパク質の可溶性変異体を産する。代わりにまたは加えて、細胞内ドメインを欠失、切りつめ、またはさもなければ改変してもよい。
天然で生じるアミノ酸は、一般的な側鎖の性質に基づいて群に分割される:
(1)疎水性:ノルロイシン,met,ala,val,leu,ile;
(2)中性疎水性:cys,ser,thr;
(3)酸性:asp,glu;
(4)塩基性:asn,gln,his,lys,arg;
(5)鎖配向に影響する残基:gly,pro;及び
(6)芳香族:trp,tyr,phe。
保存的置換には、ある群の一メンバーを同じ群の他のメンバーへ交換することが含まれ、一方で非保存的置換にはこれらのクラスの一つのメンバーを他のものに交換することを伴うであろう。機能または免疫学的同定における置換的変化は、あまり保存的でないセレクチン置換によってなされる、即ち(a)例えばシートまたはヘリックス構造のような置換のエリアにおけるポリペプチドバックボーンの構造、(b)ターゲット部位での分子の電荷または疎水性、または(c)側鎖の容積を含むそれらの効果においてより有意に異なるであろう。一般的に本発明の新規な天然のC型レクチンの性質における最大の変化を生じることが期待される置換は、(a)セリルまたはトレオニルのような親水性残基を、例えばロイシル、イソロイシル、フェニルアラニル、バリルまたはアラニルといった疎水性残基に(またはそれらによって)置換する;(b)システインまたはプロリンをいかなる他の残基で(またはそれらによって)置換する;(c)リシル、アルギニルまたはヒスチジルといったプラス電荷の側鎖を持つ残基を、例えばグルタミルまたはアスパルチルといったマイナス電荷を持つものと(またはそれらによって)置換する;または(d)例えばフェニルアラニンのような大きな側鎖を持つ残基を例えばグリシンのような側鎖を持たないもので(またはそれらによって)置換するものがあろう。
本発明の新規なC型レクチンの置換的変異体にはまた、他のタンパク質の機能的に相同な(少なくとも約40-50%のホモロジーを持つ)ドメインが、新規なC型レクチン構造内の上記定義したドメインの一つ以上に対してありきたりの方法で置換する変異体が含まれる。例えば、本発明の新規なC型レクチンのシステインリッチドメイン、フィブロネクチンII型ドメイン、または一つ以上の最初の3の糖認識(CDR)ドメインを、マクロファージマンノース受容体、ホスホリパーゼA2受容体またはDEC205受容体の相当するドメインで置換しうる。
アミノ酸配列欠失は一般的に、約1から30残基、より好ましくは約1から10残基の範囲にわたり、典型的には連続している。典型的には、膜貫通及び細胞内ドメイン、または細胞内ドメインのみが欠失される。しかしながら天然のC型レクチンの生物学的活性または、免疫学的交差反応性を保存する、C末端から膜貫通領域に対する他のいかなるN末端までの欠失も適している。
本発明の置換及び/または欠失変異体の好ましいクラスは、新規なC型レクチン分子の膜貫通領域を含むものである。膜貫通領域は、細胞膜の脂質二重奏に埋め込まれるために正しいサイズである高い疎水性または脂質タンパク質ドメインである。それらは細胞膜にレクチンを埋め込むことが考えられ、ホモ−またはヘテロポリマー性複合体形成を許容する。典型的には膜貫通ドメインヒドロキシル化残基の欠失または置換による、膜貫通ドメインの不活性化は、その細胞または膜脂質アフィニティーを減少し及びその水溶性を改良することによって、回収及び処方を容易にするであろう。もし膜貫通及び細胞内ドメインが欠失されると、潜在的に免疫原性のエピトープの導入を避けることができ、潜在的に免疫原性である他の細胞内ポリペプチドにさらすことによってもなし得る。膜結合機能の不活性化は、この部位での実質的な親水性ハイドロパシープロフィールを産するように十分な残基を欠失することによって、または同じ目的を達成する異種残基を用いた置換によって達成される。
本発明のC型レクチンの膜貫通不活性化変異体の主な利点は、それらが組み換えホストのカルチャー培地内に分泌されることである。これらの変異体は血液のような体液において可溶性であり、細胞膜脂質に対する適切なアフィニティーを持たず、それゆえ組換えホスト細胞カルチャーからの回収がかなり単純化される。一般的な提案では、該可溶性変異体は、機能的な膜貫通ドメインを持たず、好ましくは機能的な細胞内ドメインも待たないであろう。例えば膜貫通ドメインは、例えばランダムにまたは約5から50のセリン、トレオニン、アルギニン、グルタミン、アスパラギン酸及び同様の親水性残基の所定の配列といったアミノ酸配列によって置換され、該配列は共に親水性ハイドロパシープロフィールを示す。欠失的(切りつめた)可溶性配列と同様に、これらの変異体は組換えホストのカルチャー培地内に分泌される。
アミノ酸挿入には、1残基から100以上の残基を含むポリペプチドまでの長さの範囲のアミノ−及び/またはカルボキシル−末端融合物が含まれ、同様に単一または複数のアミノ酸残基の配列内挿入が含まれる。配列内挿入(即ち新規なC型レクチンアミノ酸配列内への挿入)は、一般的に約1から10残基、より好ましくは1から5残基、最も好ましくは1から3残基の範囲である。末端挿入の例としては、N末端メチオニル基、細菌組換え細胞カルチャーにおける直接発現のアーティファクト、及び組換えホスト細胞から成熟C型レクチンの分泌を容易にするためのC型レクチン分子のN末端への異種N末端シグナル配列の融合が含まれる。該シグナル配列は一般的に企図されたホスト細胞種から得られ、及びそれ故その種と同種であろう。適した配列には、大腸菌に対するSTIIまたはIpp、酵母に対するアルファーファクター、及び哺乳動物細胞に対するヘルペスgDのようなウイルスシグナルが含まれる。
天然のC型レクチン分子の他の挿入的変異体には、ベータ−ラクタマーゼまたは大腸菌trpローカスによってコードされる酵素のような細菌ポリペプチド、または酵母タンパク質といった免疫原性ポリペプチドにC型レクチン分子のN-またはC-末端への融合物、及び1989年4月6日に印刷されたWO 89/02922に記載されているイムノグロブリン領域(好ましくはイムノグロブリン定常領域)、アルブミンまたはフェニリチンのような長い半減期を持つタンパク質とのC末端融合物が含まれる。
さらなる挿入変異体は、レクチン及び、新規なC型レクチンの免疫学的に活性な誘導体であり、それには免疫学的に適格な異質のポリペプチドのエピトープを含むポリペプチド、即ち融合物が投与された動物において免疫応答を引き出すことが可能な、または異質のポリペプチドに対して生産された抗体によって結合されることが可能なポリペプチドが含まれる。該免疫学的に適格なポリペプチドの典型的な例としては、アレルゲン、自己免疫エピトープ、またはtrpLE、β−ガラクトシダーゼ、ヘルペスgDタンパク質のようなウイルスポリペプチド等を含む、融合受容者において前に存在する抗体によって認識される他の潜在的な免疫源または抗原である。
免疫原性融合物は、in vitroでの交差結合によって、または免疫原性ポリペプチドをコードするDNAを用いてトランスフォームされた組換え細胞カルチャーによって生産される。免疫原性融合物は、免疫原性配列が新規なC型レクチン分子またはその断片内に、(a)ペプチド結合(類)によって結合または挿入される。それ故これらの産物は、C型レクチンエピトープ及び少なくとも一つのC型レクチンとは外来のエピトープを含む直鎖ポリヌクレオチドより成る。本発明のC型レクチン分子またはその断片内のいずれの位置かにエピトープを導入することは、本発明の範囲に含まれることは理解されよう。これらの免疫原性挿入物は、製薬学的に許容されるキャリアー内で処方され、C型レクチン分子に対して抗体を生じるために目的物に投与される場合特に有用であり、該抗体はその後診断用途、組織識別、または本質的に周知であるイムノアフィニティー法によって新規なC型レクチンの精製において有用である。代わりに本発明のC型レクチンの精製において、例えば抗体、受容体またはリガンドといった融合された外来ポリペプチドに対する結合パターンは、融合物が溶出された後の非精製混合物から融合物を吸着するために用いられ、もし必要であれば、新規なC型レクチンは、酵素学的な切断によって融合物から回収される。
変異体C型レクチンの性質を前もって予測することはしばしば困難であるため、いくつかのスクリーニングが最適な変異体を選択するために必要とされることは予想されよう。
望ましいミューテーション(類)を同定した後、C型レクチン変異体をコードする遺伝子は、例えば以前に記載されているような化学的合成によって得ることができる。より好ましくは、C型レクチンアミノ酸配列変異体をコードするDNAは、以前に調製された変異体または非変異体バージョンのC型レクチンをコードするDNAのサイトディレクトミュータジェネシスによって調製される。サイトディレクト(部位特異的)ミュータジェネシスは、望ましいミューテーションのDNA配列をコードする特異的なオリゴヌクレオチド配列の使用を通じてC型レクチン変異体の生産を許容し、同様に橋渡しされる欠失ジャンクションの両側で、安定な二本鎖を形成するために十分なサイズと配列複雑性のプライマー配列を提供するために、十分な数多くの側面ヌクレオチドの生産を許容する。典型的には長さにおいて約20から25ヌクレオチドのプライマーが好ましく、改変される配列のジャンクションの両側の約5から10残基を用いる。一般的に、部位特異的ミュータジェネシスの方法は本分野で周知であり、Edelman等,DNA 2,183(1983)のような出版物に例示されている。予期されるように、部位特異的ミュータジェネシス法は典型的には一本鎖及び二本鎖形態で存在するファージベクターを用いる。サイトディレクトミュータジェネシスで有用である典型的なベクターには、例えばMessing等,Third Cleveland Symposium on Macromolecules and Recombinant DNA,A.Walton,変,Elsevier,Amsterdam(1981)に開示されているM13ファージのようなベクターを含まれる。これ及び他のファージベクターは、商業的に入手可能であり、その使用は当業者によく知られている。M13由来ベクターを用いたDNA断片における部位特異的ミューテーションに向けられたオリゴデオキシリボヌクレオチドの構築についての万能で効率よい方法は、Zoller,M.J.及びSmith,M.Nucleic Acids Res.10,6487-650[1982])に印刷されている。また、複製のための一本鎖ファージオリジンを含むプラスミドベクター(Veira等,Meth.Enzymol.153,3[1987])は、一本鎖DNAを得るために用いられ得る。代わりに、ヌクレオチド置換は、in vitroで適切なDNA断片を合成し、及び本分野で周知であるPCR法によってそれを増幅することによって導入される。
PCR法はまた、新規なC型レクチンのアミノ酸配列変異体を創作する場合に用いられ得る。PCRミュータジェネシスの特異的な例として、テンプレートプラスミドDNA(1μg)を増幅すべき領域の外側でプラスミドDNAにおける独特な制限部位を持つ制限エンドヌクレアーゼを用いて切断することによって直線化する。この物質において、100ngをPCRバッファーを含むPCR混合物に加え、該PCRバッファーは4のデオキシヌクレオチド三リン酸を含み、GeneAmpRキットに含まれており(Perkin-Elmer Cetus,Norwalk,CT and Emeryville,CAから得た)、各オリゴヌクレオチドプライマーは50μlの最終濃度で25pmol含まれている。該反応混合物を35μlのミネラルオイルを用いて層状にする。該反応物を100℃で5分変性し、静かに氷上に置き、それからPerkin-Elmer Cetus,Norwalk,CT and Emeryville,CAから得た1μlのThermus aquaticus(taq)DNAポリメラーゼ(5ユニット/l)をミネラルオイル層の下に加えた。それから該反応混合物を、以下のようにプログラムされたDNA Thermal Cycler(Perkin-Elmer Cetusから購入した)内に挿入した。
2分、55℃
30秒、72℃、それから以下を19サイクル:
30秒、94℃
30秒、55℃、そして
30秒、72℃
プログラムの最後に、反応バイアルをサーマルサイクラーから離し、水層を新たなバイアルに移し、フェノール/クロロホルム(50:50vol)を用いて抽出し、エタノール沈殿し、そして標準的な方法でDNAを抽出する。この物質を引き続きベクターへの挿入のため適切な温度に受けさせる。
変異体を調製するためのもう一つの方法であるカセットミュータジェネシスは、Wells等[Gene 34,315(1985)]に記載の方法に基づく。
加えて、ファージミドディスプレー法と呼ばれるものが、天然のまたは変異体C型レクチンまたはその断片のアミノ酸配列変異体を作製するのに有用である。この方法には、(a)第一及び第二の遺伝子が異種である場合、ミューテートすべき受容体をコードする第一の遺伝子、天然のまたは野生型ファージコートタンパク質の少なくとも一部をコードする第二の遺伝子、及び第一と第二の遺伝子を実施可能にリンクした転写調節エレメントを含む複製可能な発現ベクターを構築し、それによって融合タンパク質をコードする遺伝子融合物を形成する;(b)第一の遺伝子内の一つ以上の選択された位置でベクターをミューテートし、それによって関連プラスミドのファミリーを形成する;(c)該プラスミドを用いて適したホスト細胞をトランスフォームする;(d)ファージコートタンパク質をコードする遺伝子を持つヘルパーファージを用いてトランスフォームされたホスト細胞を感染する;(e)該プラスミドの少なくとも一部を含み、該ホストをトランスフォームすることが可能な組換えファージミド粒子を形成するために適している条件の下でトランスフォームされた感染ホスト細胞を培養し、該条件をファージミド粒子の少量だけが該粒子表面に融合タンパク質の一コピー以上を展示しないように調節する;(f)ファージミド粒子の少なくとも一部が抗原を結合するように適した抗原を用いてファージミド粒子を接触させる;(g)結合したファージミド粒子を結合していないものから分離するという工程が含まれる。工程(d)から(g)は一度以上繰り返すことが可能である。特にこの方法において該プラスミドは、転写調節エレメントのきついコントロールの下に存在し、培養条件はその粒子表面に融合タンパク質の一コピーより多くを提示するファージミド粒子の量または数が、約1%より小さいように調節される。また好ましくは、融合タンパク質の一コピーより多くを展示するファージミド粒子の量は、融合タンパク質の単一コピーを展示するファージミド粒子の量の10%より小さい。最も好ましくはその量は20%より小さい。典型的にこの方法では、発現ベクターはさらに、ポリペプチドの適したサブユニットをコードするDNAに融合した分泌シグナル配列を含み、転写調節エレメントはプロモーター系であろう。好ましいプロモーター系は、lacZ、λPL、tac、T7ポリメラーゼ、トリプトファン、及びアルカリホスファターゼプロモーター及びそれらの組み合わせから選択される。また通常該方法は、M13K07,M13R408,M13-VCS及びPhi X174から選択されるヘルパーファージを用いるであろう。好ましいヘルパーファージはM13K07であり、好ましいコートタンパク質はM13 Phage遺伝子IIIコートタンパク質である。好ましいホストは大腸菌であり、大腸菌のプロテアーゼ欠失株である。
上述の及び同様のミュータジェネシス法のさらなる詳細は、一般的な教科書で見出され、例えばSambrook等,上記参照及びCurrent Protocols in Molecular Biology,Ausubel等,編,上記参照に記載されている。
F.グリコシル化変異体
グリコシル化変異体は本発明の範囲に含まれる。それらにはグリコシル化が完全に欠失した変異体(非グリコシル化)、天然の形態よりグリコシル化部位が少なくとも一つ以上少ない変異体(脱グリコシル化)が含まれ、同様にグリコシル化が変化した変異体も含まれる。脱グリコシル化及び非グリコシル化アミノ酸配列変異体、脱グリコシル化及び非グリコシル化天然C型レクチン、及び他のグリコシル化変異体が含まれる。例えば置換的または欠失的ミュータジェネシスは、本発明の天然のまたは変異体C型レクチンにおけるN-またはO-結合グリコシル化部位を除去するために用いられ、例えばアスパラギン残基をリシンまたはヒスチジンのような別の塩基性残基で欠失または置換することが含まれる。代わりに、グリコシル化部位として作出されるフランキング残基を置換または欠失してもよいが、グリコシル化認識部位を除去することによってグリコシル化を妨げるためにアスパラギン残基は非変化のままにしておく。
加えて、天然の分子のグリコシル化部位を持つ非グリコシル化C型レクチンを、原核生物はポリペプチド内にグリコシル化を導入することが不可能であるため、組換え原核生物細胞カルチャーにおいて生産してもよい。
グリコシル化変異体は、適切なホスト細胞を選択することによって、またはin vitroの方法によって生産しうる。例えば酵母及び昆虫細胞は、哺乳動物系のものとは有意に異なるグリコシル化を導入する。同様に、C型レクチンのソースとは異なる種(例えばハムスター、ネズミ、ブタ、ウシまたはヒツジ)または組織起源(例えば肺、肝、リンパ球、腸間膜または表皮)を持つ哺乳動物細胞は、例えば上昇したマンノースレベルまたはマンノース、フコース、シアル酸、及び哺乳動物糖タンパク質で典型的に見出される他の糖の変異体の割合によって、特性指摘されるような変異体グリコシル化を導入する能力に対してありきたりにスクリーニングされる。C型レクチンのin vitroプロセッシングは、酵素的な加水分解、例えばノイラミニダーゼ切断によって達成される。
G.共有結合修飾
本発明の新規なC型レクチンの共有結合修飾は、ここでの範囲に含まれる。該修飾は選択された側鎖または末端残基を用いて反応可能な有機誘導化試薬によりC型レクチンのターゲットアミノ酸残基を反応することによって、または選択された組換えホスト細胞において機能する翻訳後修飾の機構に則って、伝統的に導入される。結果として得た共有結合誘導体は、生物学的活性に対して、C型レクチンのイムノアッセイに対して、または組換え体のイムノアフィニティー精製に対する抗C型レクチン抗体の調製に対して重要な残基の同定に向けられたプログラムにおいて有用である。例えばニンヒドリンを用いた反応後の該タンパク質の生物学的活性の完全な不活性化は、少なくとも一つのアルギニルまたはリシル残基がその活性に対して重要であることを示唆し、その後選択された条件の下で修飾された個々の残基が修飾アミノ酸残基を含むペプチド断片の単離によって同定される。該修飾は当業者の範囲内にあり、過度の実験の必要なく実施される。
二官能試薬を用いた誘導化は、ポリペプチドを用いたC型レクチンの細胞内凝集を調製するために、同様にアッセイまたはアフィニティー精製においての使用のための不溶性支持マトリックスまたは表面にC型レクチンポリペプチドを架橋するために有用である。加えて、鎖内架橋の研究は、三次元構造に対する直接的な情報を提供しうる。一般的に用いられる架橋試薬には、1,1-ビス(ジアゾアセチル)-2-フェニルエタン、グルタルアルデヒド、N-ヒドロキシスクシンイミドエステル、ホモ官能性イミドエステル、及び二官能性マレイミドが含まれる。メチル-3-[(p-アジドフェニル)ジチオ]プロピオイミデートのような誘導化試薬は、光の存在下で架橋を形成することが可能な光活性化中間体を産する。代わりに、臭化シアン活性化炭化水素のような反応性不溶性物質、及び米国特許第3,959,642;3,969,287;3,691,016;4,195,128;4,247,642;4,229,537;4,055,635;及び4,330,440号に記載された該系の反応基質を、タンパク質の固定化及び架橋に用いることが可能である。
特定の翻訳後修飾は、発現されたポリペプチドに対する組換えホスト細胞の機能の結果である。グルタミニル及びアスパラギニル残基は、相当するグルタミル及びアスパルチル残基に頻繁に翻訳後脱アミド化される。代わりにこれらの残基は、穏やかな酸性条件の下で脱アミド化される。これらの残基のいずれの形態もが、本発明の範囲内にある。
他の翻訳後修飾には、プロリン及びリシンのヒドロキシル化、セリル、トレオニルまたはチロシル残基のヒドロキシル基のリン酸化、リシン、アルギニン、及びヒスチジン側鎖のα−アミノ基のメチル化が含まれる[T.E.Creighton,Proteins:Structure and Molecular Properties,W.H.Freeman & Co.,San Francisco,pp.79-86(1983)]。
ここでのC型レクチンのさらなる誘導体は、「イムノアドヘシン」と呼ばれるものであり、それはイムノグロブリン配列と、結合タンパク質(通常受容体、細胞接着分子またはリガンド)の機能的ドメイン(類)を組み合わせたキメラ抗体様分子である。融合タンパク質のこのタイプの最も一般的な例は、特異的なリガンドを認識する細胞表面受容体のドメインと、イムノグロブリン(Ig)のヒンジ及びFc領域を組み合わせる。このタイプの分子は「イムノ」及び「アドヘシン」を組み合わせたことから、「イムノアドヘシン」と呼ばれる;他の頻繁に用いられる名前は、「Ig-キメラ」、「Ig-」または「Fc-融合タンパク質」または「受容体−グロブリン」である。
今日では、50以上のイムノアドヘシンが本分野で報告されている。文献で報告されたイムノアドヘシンには、例えばT細胞受容体の融合物(Gascoigne等,Proc.Natl.AScad.Sci.USA 84,2936-2940[1987]);CD4(Capon等,Nature 337,525-531[1989];Traunecker等,Nature 339,68-70[1989];Zettmeissl等,DNA Cell Biol.USA 9,347-353[1990];Bym等,Nature 344,667-670[1990]);L−セレクチン(ホーミング受容体)(Watson等,J.Cell.Biol.110,2221-2229[1990];Watson等,Nature 349,164-1687[1991]);E−セレクチン[Mulligan等,J.Immunol.151,6410-17[1993];Jacob等,Biochemistry 34,1210-1217[1995]);P−セレクチン(Mulligan等,上記参照;Hollenbaugh等,Biochemistry 34,5678-84[1995]);ICAM-1(Stauton等,J.Exp.Med.176,1471-1476[1992];Martin等,J.Virol.67,3561-68[1993];Roep等,Lancet 343,1590-93[1994]);ICAM-2(Damle等,J.Immunol.148,665-71[1992]);ICAM-3(Holness等,J.Biol.Chem.270,877-84[1995]);LFA-3(Kanner等,J.Immunol.148,2-23-29[1992]);L1グリコプロテイン(Doherty等,Neuron 14,57-66[1995]);TNF-R1(Ashkenazi等,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 88,10535-539[1991]);Lesslauer等,Eur.J.Immunol.21,2883-86[1991];Peppel等,J.Exp.Med.174,1483-1489[1991]);TNF-R2(Zack等,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90,2335-39[1993];Wooley等,J.Immunol.151,6602-07[1993]);CD44[Aruffo等,Cell 61,1303-1313(1990)];CD28及びB7[Linsley等,J.Exp.Med.173,721-730(1990)];NP受容体[Bennett等,J.Biol.Chem.266,23060-23067(1991)];IgE受容体α[Ridgway及びGorman,J.Cell.Biol.115,要旨,1448(1991)];HGF受容体[Mark,M.R.等,1992,J.Biol.Chem.提出中];IFN-γRα−及びβ−鎖[Marsters等,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 92,5401-05[1995]);trk-A,-B及び-c(Shelton等,J.Neurosci.15,477-91[1995]);IL-2(Landolfi,J.Immunol.146,915-19[1991]);IL-10(Zheng等,J.Immunol.154,5590-5600[1995])が含まれる。
最も単純なそして最も直接的なイムノアドヘシンのデザインは、イムノグロブリンH鎖のヒンジ及びFc領域と、「アドヘシン」タンパク質の結合領域(類)を組み合わせる。一般的に、本発明のレクチン−イムノグロブリンキメラを調製した場合、望ましいC型レクチンポリペプチドをコードする核酸は、イムノグロブリン定常ドメイン配列のN末端をコードする核酸にC末端で融合されるが、しかしながらN末端での融合もまた可能である。典型的には該融合物において、コードされたキメラポリペプチドは、少なくとも機能的に活性なイムノグロブリンH鎖の定常領域のヒンジ、CH2及びCH3ドメインを含むであろう。融合は定常ドメインのFc部分のC末端、H鎖のCH1のすぐN末端または相当するL鎖の領域でもなし得る。融合物を作製するための正確な部位は重要ではない;特定の部位が周知であり、レクチン−イムノグロブリンキメラの生物学的活性、分泌または結合性質を最適化するために選択しうる。
好ましい実施態様として、天然の成熟レクチンポリペプチド、またはその可溶性(膜貫通ドメイン不活性化)形態の配列を、抗体のN末端部分またはC末端部分(特にFcドメイン)に融合し、それは例えばIgG-1といったイムノグロブリンのエフェクター機能を含む。レクチン配列に対して完全なH鎖定常領域を融合することが可能である。しかしながらより好ましくは、パパイン切断部位の丁度上流のヒンジ領域で始まる配列(化学的にIgG Fcを定義する;残基216から114までのH鎖定常領域の最初の残基[Kobet等,上記参照],または他のイムノグロブリンの類似部位)をこの方式において用いる。特に好ましい実施態様としては、C型レクチン配列(フルレングスまたは可溶性)をIgG-1,IgG-2またはIgG-3 H鎖のヒンジ及びCH2及びCH3、またはCH1,ヒンジ,CH2及びCH3ドメインに融合する。融合物を作製する正確な部位は重要ではなく、最適な部位は通常の実験で決定される。
ある実施態様においては、レクチン−イムノグロブリンキメラは複数物質として集合し、そして特にホモダイマーまたはテトラマーとして集合する(WO 91/08298)。一般的に、これらの集合したイムノグロブリンは、ユニット構造として知られている。基本的な4の鎖構造ユニットは、IgG,IgD及びIgEが存在する形態である。4のユニットは高分子量イムノグロブリンで繰り返される;IgMは一般的にジスルフィド結合によって共に結びついた4のユニットのペンタマーとして存在する。IgAグロブリン及び時にはIgGグロブリンは、血清においてマルチマー形態でも存在する。マルチマーの場合、各4のユニットは同じまたは相異するであろう。
ここの範囲に含まれる様々な例示的に集合したレクチン−イムノグロブリンキメラは、図式的に以下のように示される:
(a)ACL-ACL;
(b)ACH-[ACH,ACL-ACH,ACL-VHCH,or VLCL-ACH];
(c)ACL-ACH-[ACL-ACH,ACL-VHCH,VLCL-ACH,or VLCL-VHCH];
(d)ACL-VHCH-[ACH,or ACL-VHCH,or VLCL-ACH];
(e)VLCL-ACH-[ACL-VHCH,or VLCL-ACH];及び
(f)[A-Y]n-[VLCL-VHCH]2
ここで
各Aは同一または異なる新規なC型レクチンポリペプチドアミノ酸配列を表す;
VLはイムノグロブリンL鎖可変ドメインである;
VHはイムノグロブリンH鎖可変ドメインである;
CLはイムノグロブリンL鎖定常ドメインである;
CHはイムノグロブリンH鎖定常ドメインである;
nは1より大きい整数である;
Yは共有結合架橋試薬の残基を表す。
短いという興味の点において、上記構造物は鍵となる性質のみを示している;それらはイムノグロブリンの結合(J)ドメインまたは他のドメインを示していないし、ジスルフィド結合も示されていない。しかしながら上記ドメインが結合活性に必要な場合、それらはイムノグロブリン分子において占める通常の位置に存在して構築されるであろう。
代わりに、C型レクチンアミノ酸配列は、キメラH鎖を含むイムノグロブリンが得られるように、イムノグロブリンH鎖とL鎖配列の間に挿入されうる。この実施態様においては、C型レクチンポリペプチド配列はヒンジとCH2ドメインの間に、またはCH2とCH3ドメインの間のいずれかに、イムノグロブリンの各腕におけるイムノグロブリンH鎖の3'末端に融合される。同様の構築物は、Hoogenboom,H.R.等,Mol.Immunol.28,1027-1037(1991)に報告されている。
イムノグロブリンL鎖の存在は、本発明のイムノアドヘシンに必要はないけれども、イムノグロブリンL鎖は、C型レクチン−イムノグロブリンH鎖融合ポリペプチドに共有結合で関連して、またはC型レクチンポリペプチドに直接融合されて存在するであろう。前者の場合には、イムノグロブリンL鎖をコードするDNAは、C型レクチン−イムノグロブリンH鎖融合タンパク質をコードするDNAとともに典型的には発現される。分泌の過程で、ハイブリッドH鎖及びL鎖は2のジスルフィド結合イムノグロブリンH鎖−L鎖ペアを含むイムノグロブリン様構造を提供するように共有結合で会合するであろう。上記構築物の調製に適した方法は、例えば1989年3月28日に査定された米国特許第4,816,567号に開示されている。
好ましい実施態様として、本発明のイムノアドヘシンの構築に用いられるイムノグロブリン配列は、IgGイムノグロブリンH鎖定常ドメイン由来である。ヒトイムノアドヘシンに対しては、ヒトIgG-1及びIgG-3イムノグロブリン配列の使用が好ましい。IgG-1を用いる主な利点は、IgG-1イムノアドヘシンが固定化プロテインAを用いて効率的に精製されうることである。対照的に、IgG-3の精製はプロテインGを必要とするが、有意に万能性が低いものである。しかしながら、イムノグロブリンの他の構造的及び機能的性質が、特定のイムノアドヘシン構築物に対するIg融合パートナーを選択する場合、考慮されるべきである。例えば、IgG-3ヒンジはより長く可塑性に富むため、IgG-1に融合した場合、正しくホールディングせず機能しないであろうより長い「アドヘシン」ドメインを提供しうる。IgGイムノアドヘシンは典型的には一価または二価である一方で、IgA及びIgMのような他のIgサブタイプは基本的なIgホモダイマーユニットのそれぞれダイマーまたはペンタマー構造を形成するであろう。マルチマーイムノアドヘシンは、それらがIgGベースカウンターパートより高い親和性を持ってその関連するターゲットに結合しうるという点で有利である。上記構築物の報告された例としては、CD4-IgM(Traunecker等,上記参照);ICAM-IgM(Martin等,J.Virol.67,3564-68[1993]);及びCD2-IgM(Arulanandam等,J.Exp.Med.177,1439-50[1993])。
in vivo適用のためにデザインされたC型レクチン−Igイムノアドヘシンに対して、薬物生体反応学的性質、及びFc領域によって特定されるエフェクター機能は、同様に重要である。IgG-1,IgG-2及びIgG-4は全て21日間のin vivo半減期を持つが、完全な系を活性化するその相対的な能力は異なる。IgG-4は完全に活性化せず、IgG-2はIgG-1より完全な活性化について有意に弱い。さらに、IgG-1とは異なり、IgG-2は単核細胞または好中球上のFc受容体に結合しない。IgG-3は完全な活性化について最適である一方で、in vivo半減期はIgGアイソタイプのおよそ3分の1である。ヒトの治療薬として用いられるようにデザインされたイムノアドヘシンに対するもう一つの重要な考慮は、特定のアイソタイプのアロタイプ変異体の数である。一般的に、血清学的に定義されたアロタイプをほとんど持たないIgGアイソタイプが好ましい。例えば、IgG-1は4の血清学的に定義されるアロタイプしか持たず、そのうちの2(G1m及び2)はFc領域に位置する;そしてこれらの部位の一つのG1mは非免疫原性である。対照的に、IgG-3には12の血清学的に定義されるアロタイプが存在し、これら全てがFc領域に存在する;これらの部位の3のみ(G3m5,11及び21)が非免疫原性である一つのアロタイプを持つ。それ故、γ3イムノアドヘシンの潜在的な免疫原性は、γ1イムノアドヘシンのものより大きい。
C型レクチン−Igイムノアドヘシンは、Ig cDNA配列にフレーム中でC型レクチン部分をコードするcDNA配列を融合することによって最も簡便に構築される。しかしながら、ゲノムIg断片への融合もまた用いられ得る(例えばGascoigne等,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 84,2936-2940[1987];Aruffo等,Cell 61,1303-1313[1990];Stamenkovic等,Cell 66,1133-1144[1991])。融合の後者のタイプには、発現のためのIg調節配列の存在が必要とされる。IgG H鎖定常領域をコードするcDNAは、ハイブリダイゼーションによってまたはポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法によって、脾臓または末梢血リンパ球から由来するcDNAライブラリーから印刷された配列に基づいて単離されうる。
天然の分子より長い半減期を持つ本発明の新規なC型レクチンの他の誘導体には、非タンパク質性ポリマーに共有結合で結合したレクチンまたはレクチン−イムノグロブリンキメラが含まれる。非タンパク質性ポリマーは一般的に親水性合成ポリマー、即ち合成しないと天然では見出されないポリマーである。しかしながら、天然で存在し組換え法またはin vivo法で生産されるポリマーも、天然のソースから単離されるポリマーであるため有用である。例えばポリビニルアルコール及びポリビニルピロリドンといった親水性ポリビニルポリマーは本発明の範囲にはいる。ポリエチレングリコール(PEG)のようなポリアルキレンエーテル;ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、そしてポリオキシエチレン及びポリオキシプロピレンのブロックコポリマー(Pluronics)のようなポリエルキレン;ポリメタクリレート;カルボマー;糖モノマーD-マンノース、D-およびL-ガラクトース、フコース、フルクトース、D-キシロース、L-アラビノース、D-グルクロン酸、シアル酸、D-ガラクロウロン酸、D-マンヌロン酸(例えばポリマンヌロン酸またはアルギン酸)、D-グルコサミン、D-ガラクトサミン、D-グルコース及びラクトース、アミロペクチン、デンプン、ヒドロキシエチルデンプン、アミロース、硫酸デキストラン、デキストラン、デキストリン、グリコーゲンのようなホモポリサッカリド及びヘテロポリサッカリドを含むノイラミン酸、または例えばヒアルウロン酸といった酸性ムコ多糖のポリサッカリドサブユニット;ポリソルビトール及びポリマンニトールのような糖アルコールのポリマー;ヘパリン及びヘパロンが特に有用である。架橋前のポリマーは水溶性である必要はないけれどもそれが好ましいが、最終接合物は水溶性でなければならない。加えて、該ポリマーは接合形態で高く免疫原性ではなく、もしそれが静脈点滴または注射によって投与されることを企図するならば、上記経路に非適合的な粘度を持つべきではない。
好ましくは該ポリマーには、反応性である単一の群のみが含まれる。これはタンパク質分子の架橋を避ける助けになる。しかしながら架橋を減少するために反応条件を最適化すること、または実質的に均一な誘導体を回収するためにゲル濾過またはクロマトグラフィー精製を通じて反応産物を精製することは、ここでの範囲内にある。
該ポリマーの分子量は、約100から500,000、そして好ましくは1,000から20,000の範囲にあるのが好ましい。選択された分子量は、該ポリマーの性質及び置換の程度に依存するであろう。一般的に、該ポリマーの親水性が大きくなればなるほど、置換の程度は小さくなり、用い得る分子量は低くなる。最適な分子量はありきたりの実験によって決定されよう。
該ポリマーは一般的に、該ポリマーと、結合されるC型レクチンまたはレクチン−イムノグロブリンキメラの一つ以上のアミノ酸または糖残基と反応するマルチ機能的架橋試薬を通じて、新規なC型レクチンまたはレクチン−イムノグロブリンキメラに共有結合で結合されている。しかしながら、ハイブリッドと誘導化ポリマーを反応することによって該ポリマーを直接架橋することも本発明の範囲内にあり、逆もまた然りである。
C型レクチンまたはレクチン−Ig上の共有結合架橋部位には、N末端アミノ基及びリシン残基に見出されるイプシロンアミノ基、同様に他のアミノ、イミノ、カルボキシル、スルフィドリル、ヒドロキシルまたは他の親水性の基が含まれる。該ポリマーは、マルチ機能的(一般的に二官能)架橋試薬を用いることなく、該ハイブリッドに直接共有結合される。アミノ基への共有結合は、シアヌル酸塩化物、カルボニルジイミダゾール、アルデヒド反応基に基づいて周知の化学的反応によって達成される(PEGプラスブロモアセトアルデヒドのジエチルアセタール;PEGプラスDMSO及び無水酢酸、またはPEG塩化物プラス4-ヒドロキシベンズアルデヒドのフェノキシド、スクシンイミジル活性エステル、活性化ジチオカルボネートPEG、2,4,5-トリクロロフェニルクロロホルメートまたはP-ニトロフェニルクロロホルメート活性化PEG)。カルボキシル基は、カルボジイミドを用いたPEG−アミンのカップリングによって誘導化される。
ポリマーは、ビオチンまたはアビジンを用いたオリゴサッカリドのラベリングのために、Heitzmann等,P.N.A.S.,71,3537-41(1974)またはBayer等,Nethods in Enzymology 62,310(1979)に記載されているのと同様な方式で、ヒドラジドまたはアミノ誘導化ポリマーを用いた反応に引き続いて、例えばメタペリオデートといった化学物質、あるいは例えばグルコースまたはガラクトースオキシダーゼといった酵素を用いて参加することによって、オリゴサッカリド基に接合される。さらに、オリゴサッカリドを結合するために今まで用いられてきた他の化学的または酵素的方法は、一般的に誘導化のためのアミノ酸部位より少なく置換が存在し、それ故オリゴサッカリド産物がより均質になるであろうために、特に有利である。オリゴサッカリド置換物もまた、ポリマー誘導化の前に、例えばノイラミニダーゼ切断によって、糖を除去するために酵素切断によって場合により修飾される。
該ポリマーは、結合するポリペプチドのアミノ酸側鎖、あるいはNまたはC末端と直接反応する、さらにはマルチ機能的架橋試薬と反応する基を持つであろう。一般的に、上記反応基を持つポリマーは、固定化タンパク質の調製について周知である。上記化学物質をここで使用するために、水溶性ポリマー、さもなければタンパク質固定化のために以前に用いられている不溶性ポリマーと同様の方式で誘導化されたポリマーを用いるべきである。臭化シアン活性化は、ポリサッカリドを架橋する場合に用いられる特に有用な方法である。
スタートのポリマーの場合に「水溶性」とは、接合のために用いられるポリマーまたはその反応中間体が、誘導化反応において関与するように十分に水溶性であることを意味する。
ポリマー接合の場合に「水溶性」とは、該接合物が血液のような生理的液体に可溶性であることを意味する。
前記ポリマーを用いた置換の程度は、タンパク質の反応部位の数、タンパク質の全てまたは断片が用いられるか否か、タンパク質が異種タンパク質との融合物であるか否か(例えばC型レクチン−イムノグロブリンキメラ)、分子量、親水性の程度及び該ポリマーの他の性質、そして選択された特定のタンパク質の誘導化部位に依存するであろう。一般的に、該接合物は約1から10のポリマー分子を含み、一方でいかなる異種配列も、望ましい活性が有意に逆に影響しない範囲で、ポリマー分子の本質的に非制限的な数を用いて置換される。架橋の最適な程度は、時間、温度及び他の反応条件が置換の程度を変化するために可変的であり、その後望ましい方式で機能するための該接合物の能力が決められる、実験マトリックスによって容易に決定される。
該ポリマー、例えばPEGは、PEGのような非タンパク質性のポリマーを用いたタンパク質の共有結合修飾のために、広い範囲の本質的に周知の方法によって架橋される。臭化シアン化学物質は、タンパク質架橋を含む多くの副反応を導く。加えて、それは特に、スルフィドリル基を含むタンパク質の活性化を導くようである。カルボニルジイミダゾール化学物質(Beauchamp等,Anal.Biochem.131,25-33[1983])は、高pH(>8.5)を必要とし、タンパク質を不活性化しうる。さらに、「活性化」PEG中間体は水と反応しうるので、タンパク質に対する大変過剰モル量の「活性化PEG」が必要である。カルボニルジイミダゾール化学物質に対して必要とされるPEGの高濃度は、ゲル濾過クロマトグラフィー及び親水性インターラクションクロマトグラフィーの両者で逆に影響するため、精製において問題を生じる。加えて、「活性化PEG」の高濃度はタンパク質を沈殿し、本質的に以前に記載されている問題を生じる(Davis,米国特許第4,179,337号)。一方でアルデヒド化学物質(Royer,米国特許第4,002,531号)は、それがPEGの40倍の過剰モル量と1-2時間のインキュベーションを必要とするのみであるため、より効率的である。しかしながら、PEGアルデヒドの調製のためにRoyerによって示唆されたマンガンジオキシドは、「金属ベース酸化試薬と複合体を形成するPEGの顕著な傾向のため」、問題がある(Harris等,J.Polym.Sci.Polym.Chem.Ed.22,341-52[1984])。DMSO及び無水酢酸を用いるMoffatt酸化物の使用は、この問題を予防する。加えてRoyerによって示唆されたソディウムボロハイドライドは高pHで用いなければならず、ジスルフィド結合を減少する有意な傾向を持つ。対照的に、ソディウムシアノボロハイドライドは、中性pHで効率的でありジスルフィド結合を減少する傾向が大変小さいので、好ましい。
本発明の長期の半減期の接合物は、ゲル濾過によって非反応スタート物質から分離される。該接合物の異種は、同じ方法でお互いに精製される。該ポリマーはまた、親水性ゲルのように不溶性でもある。
新規なC型レクチンは、例えばコアセルベーション法または界面重合化によって調製されたマイクロカプセル内に、コロイド薬物輸送系(例えばリポソーム、アルブミンマイクロカプセル、マイクロエマルジョン、ナノ粒子及びナノカプセル)内に、またはマクロエマルジョン内に封入される。上記方法は、Remington's Pharmaceutical Science,第16版,Osol,A.,編(1980)に開示されている。
H.抗体調製
(i).ポリクローナル抗体
一般に本発明のC型レクチンのポリクローナル抗体は、C型レクチン及びアジュバントの複数回の経皮的(sc)または腹腔内的(ip)注射により、動物に生じさせうる。該レクチン及びターゲットアミノ酸配列を含む断片を、免疫されるべき種に対して免疫原性のタンパク質、例えばキーホールリンペットヘモシアニン、血清アルブミン、ウシチログロブリンまたはダイズトリプシンインヒビタ等と、二官能性または誘導化試薬、例えばマレイミドベンゾイルスルホスクシンイミドエステル(システイン残基を介しての接合)、N-ヒドロキシスクシンイミド(リジン残基を介して)、グルタルアルデヒド、無水コハク酸、SOCl2、またはR及びR1が異なるアルキル基であるR1N=C=NRを使用して接合させることは有用であろう。
動物は、1mgまたは1μgの接合体(それぞれウサギまたはマウス)を3体積のフロイント完全アジュバントと合わせ、該溶液を複数部位に皮内的に注射することにより、免疫原性接合体または誘導体に対して免疫される。1ヶ月後に動物は、フロイント完全アジュバント中の接合体の基の量の1/5ないし1/10を用い、複数部位の経皮注射により追加免疫される。7〜14日後に、動物は採血され、血清が抗C型レクチン抗体力価についてアッセイされる。動物は力価がプラトーにはいるまで追加免疫される。好ましくは動物は、同じC型レクチンの接合体であるが、異なるタンパク質に接合するか及び/または異なった交差結合試薬を介して接合する接合体にて追加免疫される。接合体は、タンパク質融合体として組み換え細胞培養においても調製されうる。アルム等の凝集剤も、免疫応答を向上するために好適に使用される。
(ii).モノクローナル抗体
モノクローナル抗体は、実質的に均質な抗体の母集団、即ち母集団に含まれる個々の抗体は、少量存在しうる自然に起こる可能性のある変異を除いて同等である母集団から得られる。従って、修飾語「モノクローナル」は、異なる抗体の混合物ではないものとしての抗体の特徴を示す。例えば本発明の抗C型レクチンモノクローナル抗体は、Kohler et al., Nature 256:495 (1975)によって最初に記述されたハイブリドーマ法を使用して作成されるか、または組換えDNA法[Cabilly等,米国特許第4,816,567号]によって作成されてもよい。
本発明のモノクローナル抗体をコードするDNAは、慣用方法により容易に単離され、配列決定される(例えばネズミ抗体のH鎖及びL鎖をコードする遺伝子に特異的に結合しうるオリゴヌクレオチドプローブの使用により)。本発明のハイブリドーマ細胞は、このようなDNAの好ましい供給源として働く。一旦単離されれば、DNAは発現ベクターに入れられ、これは次いで、霊長類COS細胞、モルモット卵巣(CHO)細胞、またはイムノグロブリンタンパク質を別途産生しないミエローマ細胞にトランスフェクトさせ、組換え宿主細胞においてモノクローナル抗体の合成を得る。DNAも同種的ネズミ配列に代えて、ヒトH鎖及びL鎖定常領域コード配列を置換することにより(Morrison et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 81:6851(1984))、あるいはイムノグロブリンコード配列に非イムノグロブリンポリペプチドの全てまたは一部のコード配列を共有的に結合することにより修飾されうる。この方法で、ここでのC型レクチンモノクローナル抗体の結合特異性を持つ「キメラ」または「ハイブリッド」抗体はが調製される。
典型的なこのような非イムノグロブリンポリペプチドは、本発明の抗体の定常領域を置換するか、またはそれらは抗体の一方の抗原結合部位の可変領域を置換して、C型レクチンに対して特異性を有する一つの抗原結合部位及び異なる抗原に特異性を有する他の抗原結合部位を有するキメラ性二価抗体を創生する。
キメラまたはハイブリッド抗体はまた、架橋試薬が関与することを含む、合成タンパク質化学で周知の方法を用いてin vitroで調製される。例えば、免疫毒素をジスルフィド交換反応を用いて、またはチオエステル結合を形成することによって構築できる。この目的に対して適した試薬の例としては、イミノチオレート及びメチル-4-メルカプトブチリミデートが含まれる。
診断の応用のために、本発明の抗体は典型的には検出可能な部分でラベルされよう。検出可能な部分は、検出可能なシグナルを直接または間接に生産可能ないかなるものでもある。例えば検出可能な部分には、3H,14C,32P,35Sまたは125Iのようなラジオアイソトープ、蛍光試薬イソチオシアネート、ローダミン、またはルシフェリンのような蛍光化合物または化学発光化合物;ビオチン;例えば125I,32P,14Cまたは3Hのような放射性活性アイソトープラベル、あるいはアルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼまたは西洋ワサビペルオキシダーゼのような酵素が含まれる。
検出可能な部分に対して該抗体を別々に接合するための本分野で周知のいかなる方法も用いられ、その方法にはHunter等,Nature 144:945(1962);David等,Biochemistry 13:1014(1974);Pain等,J.Immunol.Meth.40:219(1981);及びNygren,J.Histochem.and Cytochem.30:407(1982)に記載された方法が含まれる。
本発明の抗体は、競合的結合アッセイ、直接及び間接サンドイッチアッセイ、及び免疫沈降アッセイのようないかなる周知の方法ででも用いられる。Zola,Monoclonal Antibodies:A Manual of Techniques,pp.147-158(CRC Press,Inc.,1987)。
(iii).ヒト化及びヒト抗体
非ーヒト抗体をヒト化する方法はこの分野で周知である。一般に、ヒト化抗体は、非−ヒトである供給源から導入される1個以上のアミノ酸残基を有する。これらの非−ヒトアミノ酸残基は、しばしば“輸入”残基と称され、これは典型的には“輸入”可変領域から採られる。ヒト化は、基本的には齧歯類CDRまたはCDR配列を、対応するヒト抗体配列で置換することにより、Winter及び共同研究者の方法に従って行われうる[Jones et al., Nature 321:522-525(1986); Riechmann et al., Nature 332:323-327 (1985);Verhoeyen et al., Science 239:1534-1536(1988)]。従って、このようなヒト化抗体は、キメラ抗体(cabilly,上記参照)であり、実質的に身障の可変領域より少ない部分が非−ヒト種からの対応する配列により置換されている。実際的には、ヒト化抗体は典型的にはCDR残基のいくらか及び、たぶんFRのいくらかが、齧歯類抗体の類似部位からの残基により置換されている。
抗体が、抗原に対する高い親和性及び他の好ましい生物学的性質を保ってヒト化されることは重要である。この目的を達成するために、好ましい方法に従えば、ヒト化抗体は親及びヒト化配列の三次元モデルを使用して、親配列及び種々の概念的ヒト化生成物の分析工程により調製される。三次元イムノグロブリンモデルは、一般に利用可能であり当業者にはなじみがある。選択された候補のイムノグロブリン配列の可能な三次元配置構造を描いて映し出すコンピュータプログラムが利用可能である。これらのディスプレーを見ることは、候補のイムノグロブリン配列の機能における残基のそれらしい役割の分析、即ち候補のイムノグロブリンの抗原に対する結合能力に影響を与える残基の分析を可能とする。このようにして、FR残基が、標的抗原に対する増大した親和性等の所望の抗体特性が達成される様に、共通及び輸入配列から選択され、組み合わされる。一般的に、CDR残基は、抗体結合への影響において、直接的かつ最も実質的に関与するものである。さらに詳細は、1992年12月23日に印刷されたPCT出願WO 92/22653の一部継続出願である、1994年3月3日に印刷されたPCT出願WO 94/04679参照。
別法として、免疫により、内因性イムノグロブリン産生を伴わずに完全量のヒト抗体を産生しうるトランスジェニック動物(例えばマウス)の作成が可能である。例えば、キメラ及び生殖系列変異マウスにおける抗体H鎖結合領域(JH)遺伝子の同型接合的削除が、内因性抗体の産生を完全に阻害することが記述されている。このような生殖系列変異マウスへのヒト生殖系列イムノグロブリン遺伝子の並びの移送は、抗原の攻撃に対してヒト抗体の産生を生じるであろう。例えば、Jakobovits et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:2551(1993); Jakobovits et al., Nature 362:255-258 (1993)参照。
(iv).二重特異的抗体
二重特異的抗体は少なくとも2の異なる抗原に対する結合特異性を持つモノクローナル、好ましくはヒトまたはヒト化抗体である。この場合には、結合特異性の一つが本発明のC型レクチンに対するものであり、他の一つが、例えばエンドサイトーシス性C型レクチンファミリーのもう一つのメンバー、またはE-、L-またはP-セレクチンのようなセレクチンに対するものである。上記構築物はまた、二重特異的イムノアドヘシンともいう。二重特異的抗体(及び二重特異的イムノアドヘシン)の作成法は本分野で周知である。
全長二重特異的抗体の伝統的産生は、2種のイムノグロブリンH鎖−L鎖対の同時発現に基づき、ここにおいて2本の鎖は異なる特異性を有する(Milstein et al., Nature 305:537-539 (1983))。イムノグロブリンH鎖及びL鎖の無作為の寄せ集めのために、これらのハイブリドーマ(クォドローマ:Quadromas)は、1種のみが正しい二重特異性構造を有する10種の異なる異なる抗体分子の可能な混合物を生じる。通常アフィニティクロマトグラフィー工程により行われる正しい分子の精製は、かなり煩雑であり、また生成物の収率も低い。同様な手法は、PCT出願印刷物WO 93/08829(1993年3月13日印刷)及びTraunecker et al., EMBO J. 10:3655-3659 (1991)に開示されている。
別のより好ましい方法に従うと、所望の結合特異性を持った抗体可変領域(抗体−抗原結合部位)は、イムノグロブリン定常領域配列に融合される。融合物は、好ましくは少なくともヒンジの一部、そしてイムノグロブリンH鎖の第二及び第三の定常領域(CH2及びCH3)を伴う。L鎖結合に必要な部位を含む、融合物の少なくとも一つに存在する第一のH鎖定常領域を有することが好ましい。イムノグロブリンH鎖融合物、及び所望によりイムノグロブリンL鎖をコードするDNAが、別個の発現ベクターに挿入され、適当な宿主生物に同時インフェクションする。これは、構築に使用される3種のポリペプチドの異なる比が至適収率を与える場合に、実施態様において3種のポリペプチド断片の相対比の調節に大きな柔軟性を与える。しかしながら、少なくとも2種のポリペプチド鎖の同じ比率での発現が高収率をもたらす場合、または比率が重要でない場合には、2種または3種全てのポリペプチド鎖のコード配列を1個の発現ベクター中に挿入することも可能である。この方法の好ましい実施態様において、二重特異的抗体は、第一の結合特異性を一つのアームに有するハイブリッドイムノグロブリンH鎖、及び他方のアームのハイブリッドイムノグロブリンH鎖−L鎖対(第二の結合特異性を与える)からなる。この非対称構造は、二重特異的分子の半分のみにイムノグロブリンL鎖が存在することが分離に容易な方法を提供するため、所望の二重特異的化合物を望まれないイムノグロブリン鎖の組み合わせから分離することを容易にする。この方法は、1994年3月3日に印刷されたPCT出願WO 94/04690に開示されている。
二重特異的抗体の生成の更なる詳細は、例えば、Suresh et al., Methods in Enzymology 121:210 (1986)参照。
(v).異種接合抗体
異種接合抗体も、本発明の範囲内にある。異種接合抗体は2の共有結合で結合された抗体より成る。該抗体は例えば、非所望細胞に対して免疫系細胞をターゲット化するために(米国特許第4,676,980号)、及びHIV感染の治療のために(PCT出願印刷物WO 91/00360及びWO 92/200373;EP 03089)提案されている。異種接合抗体は、いかなる簡便な架橋法を用いても作製される。適した架橋試薬は本分野で周知であり、数多くの架橋法とともに米国特許第4,676,980号に開示されている。
I.ペプチド及び非ペプチド類似体
本発明のC型レクチンのペプチド類似体は、天然のポリペプチドの三次元構造に基づいてモデル化されている。ペプチドは、初めにMerrifield,J.Am.Chem.Soc.15,2149-2154(1963)に記載されておる固相合成法のような周知の方法によって合成されうる。他のペプチド合成法は、例えばBodanszky等,Peptide Synthesis,John Wiley & Sons,第2版,1976に記載されており、同様に当業者に容易に入手可能な他の参考文献にも記載されている。ペプチド合成法の要約は、Stuart and Young,Solid Phase Peptide Synthelia,Pierce Chemical Company,Rockford,IL(1984)にも見出される。ペプチドはまた、望ましいペプチドをコードするDNA配列を用いた組換え法によっても調製される。
ペプチド類似体に加えて、本発明はまた、本発明のペプチド類似体と実質的に同じ表面を提示し、それ故同様な方式で他の分子と相互作用する非ペプチド(例えば有機)化合物をも考慮する。
J.C型レクチンの使用
本発明の天然のC型レクチンのアミノ酸配列変異体は、そのリガンドに対する天然のタンパク質の通常の結合と競合するために治療上で用いられ得る。それ故、C型レクチンアミノ酸配列変異体は、天然のC型レクチンの生物学的活性の競合的阻害剤として有用である。
天然のC型レクチン及びそのアミノ酸配列変異体は、その天然のリガンドの同定及び精製において有用である。該精製は好ましくは、その天然の炭化水素リガンドを認識するために、本発明の天然のC型レクチンの性質的能力を維持したC型レクチンアミノ酸配列を含むイムノアドヘシンによって好ましくは実施される。
本発明の天然のC型レクチンはされに、それらを発現している組織の分子マーカーとして有用である。
さらに、本発明のC型レクチンは、天然のマンノース受容体、DEC205受容体、またはホスホリパーゼA2受容体のようなエンドサイトーシス性C型レクチンの他の天然のメンバー内で挿入または置換されうる重要な配列モチーフを提供する。本発明の新規なC型レクチン由来の配列の置換または挿入によるこれらの天然のタンパク質の改変は、リガンド結合アフィニティーまたはリガンド特異性のような、改変された生物学的性質を持つ変異体分子を産しうる。例えば、エンドサイトーシス性C型レクチンファミリーのもう一つのメンバーの一つ以上のレクチンドメインが、本発明のC型レクチン由来のレクチンドメイン配列によって完全にまたは部分的に置換されうる。同様に、ここでC型レクチン由来のフィブロネクチンII型ドメインは、他のC型レクチンのアミノ酸配列内で置換または挿入されうる。
本発明のC型レクチンをコードする核酸はまた、他のC型レクチンのコード配列に対するcDNA及びゲノムライブラリーを探索するためのハイブリダイゼーションプローブを提供する点でも有用である。
本発明のさらなる詳細は、以下の非制限的な実施例から明らかであろう。
実施例
新たなネズミ及びヒトC型レクチン
A.物質及び方法
1.ネズミ及びヒトレクチンをコードするcDNAの単離
EST配列にしたがって、2の33マー(5'CCG GAA TTC CGG TTT GTT GCC ACT GGG AGC AGG3'(SEQ.ID.NO:10)及び5'CCC AAG CTT GAA GTG GTC AGA GGC ACA GTT CTC3'(SEQ.ID.NO:11))を、テンプレートとしてヒト心臓cDNAライブラリー(Clontech)の5マイクロタイターを用いてPCR(94℃,1分,60℃,1分及び72℃,1分,35サイクル)を用いて合成した。260ベースPCR産物をクローン化し(TAクローニングキット,Invitrogen)そしてヒト心臓cDNAライブラリーをスクリーニングし、同様にNothern及びSouthernブロット(Clontech)をプローブするためにプローブとして用いた。同じペアのプライマーをまた、低アニリング温度(55℃)を用いてマウス心臓cDNAライブラリーを増幅するために用い、同じサイズ(260bp)を用いたマウス産物を得た。cDNAライブラリー由来のおよそ500,000プラークのスクリーニングを、ランダムにラベルされたDNAプローブを用いて標準的な方法で実施した。単一のポジティブファージクローンを、再スクリーニングの2より多い周の後単離した。該挿入物のサイズは、ラムダgt10ベクター由来の2のライブラリーを用いてPCRによって同定し、該挿入物をサブクローン化した。DNAシークエンシングをApplied Biosystems自動DNAシークエンサーで実施した。該転写産物の5末端領域をクローン化するために、5'RACE(rapid Amplification of cDNA Ends)を、周知の配列の最も5'末端を用いて実施し、製品(Marathon-Ready cDNAs,Clontech)によって提供される5'RACEが引き続いた。RACE産物をサブクローン化し、記載されているようにシークエンスした。
2.ノーザン及びサザンブロット分析
DNAプローブは好ましくは、アガロースゲル精製(Gel Extraction Kit,Oiagen)及びランダムラベリング(Pharmacia)によって調製した。ブロットハイブリダイゼーションを、商業的に提供されるブロット(Clontech)を用いて製品の説明書に記載されているように実施した。
3.胎児肝転写産物の特性指摘
テンプレートとしてヒト胎児肝マラソン-レディーcDNA(Clontech)を用いたRACE産物のスクリーニングにより、元々の心臓由来クローンで見出されない新規な5プライム領域が明らかにされた。この転写産物をさらに特性指摘するために、PCRを2の異なる上流プライマーによる共通の下流プライマーを用いて心臓、肺及び胎児肝で実施した。一つの上流プライマーはレクチン配列由来であり、それは胎児肝クローンには存在しないが、他のものは胎児肝独特の配列である。PCR産物をアガロースゲル上で分析し、両転写産物に共通なオリゴヌクレオチドによってハイブリダイズした。
4.ネズミレクチンをコードするゲノムクローンの単離
A129マウス由来肺細胞(ES)ゲノムライブラリーを、2のレクチンcDNA配列によるスクリーニングに対して用いた。一つはレクチンコード配列の5'末端由来であり、他の一つは該cDNAの3'末端由来である。500,000プラークのスクリーニングにより、3種のレクチンゲノムクローンが産された;5'末端プローブ、3'末端プローブ及び両者のそれぞれに対するポジティブである。組換えファージDNAはプレートライセート(Wizard Lambda Preps,Promega)から単離し、NotIで切断した。ゲノムDNA挿入物を、制限酵素の熱不活性化の後、Rapid DNA Ligation Kit(Boehringer Mannheim)を用いてNotI切断pBlueScript SKベクター内にサブクローン化した。イントロン及びエクソンのおよその位置を、特異的オリゴヌクレオチドをによるドットブロットハイブリダイゼーション及びエクソン特異的プローブを用いてラムダクローンのPCR分析を用いて同定した。レクチン遺伝子の物理的マッピングを、エクソン特異的オリゴヌクレオチドプローブを用いたサザンブロットハイブリダイゼーションが引き続くゲノムクローンの制限酵素切断を用いて実施した。
5.in situハイブリダイゼーション
in situハイブリダイゼーションを、本質的に以前に記載されているように(Lasky等,Cell 69(6),927-38[1992])実施した。略記すると、このクローンのアンチセンス及びセンスリボプローブを、後のin vitro転写のためのテンプレートを由来するためのポリメラーゼ連鎖反応(PCR)の使用によって作製した。ハイブリダイゼーションに対する調製において、一部を4%パラホルムアミド(10分)及びプロテイナーゼK(0.5mg/mL,15分)で処理し、それから2時間42℃で50mlのハイブリダイゼーションバッファーを用いてプレハイブリダイズした。ハイブリダイゼーションバッファーは、10%硫酸デキストラン、2×SSC(塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム)及び50%ホルムアミドより成った。プローブを106cpm/スライドの最終濃度で加え、該部分を55℃でオーバーナイトでインキュベートした。ハイブリダイゼーション後の洗浄は、リボヌクレアーゼ(20mg/mL)を用いた30分の処理の前後で、1mM EDTAを含む2×SSCより成る。EDTAを含む0.1×SSCより成る高い緊縮性の洗浄を、55℃で2時間大容量で実施した。それから一部を0.5×SSCで洗浄し、増大する濃度のエタノールで脱水し、それから真空下でデシケートした。スライドをNTB2核エマルジョンでカバー(Eastman Kodak,Rochester,NY)し、5週間以上さらした。該スライドが形成された後、それらをヘマトキシリン及びエオシンを用いて対比染色し、ポジティブハイブリダイゼーションに対して蛍光後顕微鏡で評価した。該組織の一連のセクションを、ネガティブコントロールとして機能するセンスプローブを用いてハイブリダイズした。
B.結果
発現シークエンスタグ(EST)データベースは、様々なライブラリー由来のランダムなcDNA配列の大集合体である。我々は、E-セレクチンのレクチンドメインを用いてin silicoでESTデータベースをプローブした。図1に見られるように、E-セレクチンレクチンドメインの領域に対する低ホモロジー(〜23%)を示す一つの配列(T11885)が同定された。このホモロジーは大変距離がある一方で、我々は、同一である該残基が、大多数のC型レクチンで保存されていることが以前に示されている一連のアミノ酸に含まれることを見出した(Drickhamer,J.Biol.Chem.263,9557-9560[1988])。加えて、新規なEST由来E-セレクチン関連配列を用いてGenBank-EMBLデータベースを検索することは、多数のこの大きなファミリーのタンパク質のメンバーである新規な配列との一致物に対して、C型レクチンのみのホモロジーを引き起こした(データは示されていない)。
新規なEST配列は、もともとヒト心臓cDANライブラリーから由来するので、同様なライブラリーがEST配列から推定されるプライマーを用いてPCR分析から用いられた。これはデータベース登録に対して見出されているのと同じ配列を含むDNA断片を引き起こし、この断片はヒト心臓ライブラリーをプローブするために用いられた。加えて、ネズミ断片はまた、同様の方法を用いて単離され、この断片はネズミ心臓ライブラリーからのcDNAの単離のために用いられる。図2はネズミcDNAクローンに対して得られたフルレングス配列を示す。この断片から見られるように、この大きな転写産物はおよそ167kDの分子量を持つ1,479残基のタンパク質をコードする。ヒト配列により、ネズミタンパク質とおよそ90%アミノ酸配列ホモロジーが明らかにされた。ネズミ配列に示されるATG翻訳開始コドンは、Kozak翻訳開始部位の内容物であり、このATGに対して2の終止コドン5プライムが存在する。推定のネズミタンパク質配列を用いたGenBankのサーチにより、この新規な配列はマクロファージマンノース受容体(32.5%同一性)(Taylor等,上記参照;Harris等,上記参照)、ホスホリパーゼA2受容体(34%同一性)(Higishino等,上記参照;Ishizaki等,上記参照;Lambeau等,上記参照)及びDEC205受容体(33%同一性)(Jiang等,上記参照)と最も緊密に関連があり、全てエンドサイトーシスを介在する複数のレクチンドメインを含むC型レクチンのファミリーのメンバーである(図3)。配列ホモロジーのこれらのレベルは、これら3のレクチン様受容体を互いに比較した場合見出されるものと同一であり、ここで記載される新規なcDNAがこのファミリーの新たなメンバーであるとする仮説と一致した。さらにドメインによるホモロジー分析により、これら4の関連タンパク質の間の最も高い配列ホモロジーが、フィブロネクチンII型及びレクチン様ドメイン1-3で見出され、これらのドメインが機能的に重要である可能性と一致した(図4)。加えて、新規なC型レクチンの細胞質ドメインの分析により、それが、ホスホリパーゼA2受容体のエンドサイトーシスに対して重要であることが以前に見出されているNSYYモチーフと同様な内容で保存されたチロシン残基(残基数1,451)を含むことが明らかにされた(Zvaritch等,上記参照)。要約すると、ここに記載される新規な受容体は、シグナル配列、システインリッチドメイン、フィブロネクチンII型ドメイン、8のC型レクチンドメイン(DEC205受容体においては10の上記ドメイン)、膜貫通ドメイン及び短い細胞質ドメインより成る全体の構造を持つ3の以前に記載されたレクチンと関連する(図4)。
C.新規なC型レクチンのゲノム構造の分析
新規なC型レクチンの小領域を用いたサザンブロット分析により、それは単一コピー、高保存的遺伝子によってコードされることが明らかにされ、ネズミとヒトのcDNAの間で高程度の配列ホモロジーと一致した。我々のライブラリーから単離され得なかったシグナル配列及びシステインリッチドメインを除いて、新規なC型レクチンのネズミ形態をコードする遺伝子は、サザンブロッティング、そしてヒト及びネズミマイクロファージマンノース受容体遺伝子構築物から予想されるエクソン特異的プローブを用いたラムダクローンのPCR分析の組み合わせを用いて特性指摘される(Kim等,Genomic 14(3),721-727[1992];Harris等,Biochem.Biophys.Res.Commun.198(2),682-92[1994])。図5から理解され得るように、該遺伝子は最小28のイントロンで分断され、DNAの少なくとも39kBに横たわっている。それ故、このゲノム構築物はヒト及びネズミマクロファージマンノース受容体から見出されるものを高く連想させ、その受容体の両者は同様の部位で同様の数のイントロンで分断されている。それ故これらのデータは、このファミリーのC型レクチンのメンバーが、異なる機能を持つこれら4の異なるタンパク質を産するために二重化され、ミューテートされるよりも、起源的な始原遺伝子から全て由来する予測と一致する。
D.新規なC型レクチンをコードする転写産物のノーザンブロット分析
ネズミ及びヒト組織の多様化集団を、新規なC型レクチンをコードする転写産物の発現について分析した。図6から解るように、該転写産物は調べられた早期のネズミ胚段階で発現され、その発現は胚発達の間継続した。ヒト胎児組織の分析により、該転写産物は肺及び腎で高く発現されていることが明らかとなった。興味深いことに切りつめられた転写産物は、胎児肝でプレドミナントに発現されていることが明らかとなり、この転写産物は以下により詳細に記載されよう。大人のネズミ組織の分析により、高レベルの発現が心臓、肺及び腎臓で検出され、より低レベルが脳及び筋肉で発現されることが明らかとなった。興味深いことに、ヒト及びネズミの両者での大人の肺での転写産物は存在しないことが明らかとなり、さらに胎児胚で選択的にスプライスされた転写産物の特異性を示唆した。ヒト組織における発現の分析により、心臓と同様に、前立腺、睾丸、卵巣及び腸でも高レベルの転写産物が存在し、脳、胎盤、肺、腎、膵臓、脾臓、胸腺及び大腸でも低レベルが存在した。様々なトランスフォームされた細胞の分析により(図6)、新規なレクチンは少なくとも2の異なる造血細胞系で転写され、ヒト末梢血リンパ球(PBL)での発現の明らかな欠如と対照的であった。加えて、様々な腫瘍由来のいくつかの他のトランスフォームされた細胞系でも、本レクチンの発現に対してポジティブであった。要約すると、新規なC型レクチンの発現の分析により、それは様々な組織において成長を通じて発現されているが、それは大人の肺では不存在であり、胎児肺では比較的少量ながら転写産物が見出される。上記記載した複雑なゲノム構造を持つヒト胎児肺における比較的少量の転写産物の発現は、このRNAが選択的スプライシングを通じて生産されるであろうことを示唆する。胎児胚から由来するRACEクローンの分析により、該比較的小量の転写産物は5プライム配列を持つようであることが明らかとなった。この転写産物のさらなる特性指摘のため、ヒト胎児肝ライブラリーをスクリーニングし、結果とするポジティブファージをシークエンスした。該比較的少量の転写産物に相当する部分的cDNAをコードすると思われる一つのポジティブファージが見出された。それ故図7からわかるように、結果とする配列は、もともとのヌクレオチド61までフルレングスレクチンと同一であり、多様化した配列はこのファージ内に含まれる該転写産物の5'末端に先行して見出される。これはマンノース受容体におけるイントロンナンバー18から見出される同一のスプライス部位であり(Kim等,上記参照,Harris等,上記参照)、それは第五レクチンドメインのカルボキシ末端における領域を遮り、選択的スプライシングに一致した。この転写産物の存在を示すために、その組織特異性を調べるのと同様に、特異的プライマーをもともとも転写産物からデザインし、同様に少量の選択的スプライシング転写産物からもデザインした(図7)。図7から解るように、肺、心臓及び胎児肝RNAの分析により、選択的スプライシングされた少量の転写産物は胎児肝に特異的であるが、この組織は同様にフルレングス転写産物を作製するようにも思われた。加えて、この転写産物における新規な領域に対して特異的な30マーオリゴヌクレオチドを用いた組織ノーザンブロットの分析により、少量のRNAに相当する胎児内のみでのシグナルが明らかにされた(データは示されていない)。ノーザンブロット上での転写産物のサイズが、この選択的にスプライスされた転写産物は、ここで単離されたラムダクローンに対して比較的短い距離の5'のみに対して広がっているであろうことを示唆するためである。
E.新規なC型レクチンをコードする該転写産物を発現する細胞のタイプを調べるために、in situハイブリダイゼーション分析を、ネズミ新生児及び大人組織を用いて実施した。図8から解るように、この転写産物は2の大変分岐した組織タイプで見出された。例えば、ネズミ大人組織と同様にヒト胎児組織のノーザンブロット分析(図7)は、肺における該転写産物の高レベルの発現を示唆し、図8はこのRNAが肺において明白な発現を見出されたことを説明する。肺の高く血管化した性質のため、in situ実験の結果で該転写産物の細胞の正確な細胞内位置をいうことは困難であるが、肺内皮によって発現されている可能性が存在する。該転写産物は、例えば脈絡叢及び腎糸球体(図8)を含む数多くの他の高く血管化された部位でも見出されたが、それは全ての内皮において検出可能なレベルで普遍的に発現されているわけではない。加えて、ネズミ卵黄嚢から由来する内皮細胞系のPCRによる実験ではまた、レクチンの発現が示された(データは示されていない)。該図はまた、該転写産物が活性な軟骨沈着の部位で軟骨細胞によって高く発現されていることが見出された。この図から解るように、胸骨の発達と同様に歯の発達を含む新生児における領域を形成する他の骨のように、咽頭のコラーゲン領域はこの転写産物を高レベルで生産した。これらのデータは、このファミリーの以前に報告されたメンバーの制限的な発現とは対照的に、ここに記載される新規なC型レクチンが、大人と同様に様々な肺における高く内皮化された領域及び骨形成部位で発現されているようであることを示唆する。
G.議論
様々なカルシウム依存性、またはC型レクチンによる等の認識は、数多くの生理現象の主要な面で最近知られている。これらには例えば、血管流の条件下で内皮に対する様々なリンパ細胞の接着(Lasky,Ann.Rev.Biochem.64,113*139[1995])、マクロファージによる病原生成物の結合及び取り込み(Harris等,上記参照)、ナチュラルキラー(NK)細胞によるトランスフォームされた細胞の認識(Bezouska等,Nature 372(6502),150-7[1994])及び循環からの脱シアル化糖タンパク質の除去が含まれる。これらのタイプの相互作用の重要性は、自然に生じうる、同様に誘導されたミューテーションの両者によって有意に強調されている。例えば、循環マンノース結合タンパク質において自然に生じうるヒトミューテーションは、影響する個人において様々な生理的感染に対する感受性を引き起こし(Lipscombe等,Immunology 85(4),660-7[1995])、様々なセレクチン遺伝子におけるミューテーションを持つ動物の生産は、リンパ球循環における深遠な欠陥を引き起こす(Mayadas等,Cell 74(3),541-554[1993];Arbones等,Immunity 1,247-260[1994])。天然で生じうるものも誘発されたミューテーションの両者は、エンドサイトーシス性C型レクチンのファミリーにおいてまだ報告されていない一方で、様々なin vitroデータは、これらのレクチンはまた広範囲の潜在的な重要な機能のため重要でもあるという論争を支持する。我々はここで、以前に記載されたメンバーの構造的性質の多くを含むが、潜在的な重要な機能的意味を持つ発現部位におけるいくつかの差異を明らかにするエンドサイトーシス性レクチンファミリーの新規なメンバーを記載する。ここで報告される新規な受容体の全体構造の比較は、それがエンドサイトーシス性C型レクチンファミリーの明らかにメンバーであることを示唆する。これは、新規なレクチンで見出されているものと比較して、このファミリーで見出されるタンパク質モチーフのそれぞれの明らかな保存に基づく。それ故、新規な受容体は、このレクチンファミリーの他の3のメンバーで見出されるシステインリッチ、フィブロネクチンII型、及び複数のレクチンドメインモチーフに同一な領域を含み、加えてシグナル配列及び1型膜貫通タンパク質として該受容体を廃校させる膜貫通ドメインをも含む。興味深いことに、細胞内ドメインはまた、このファミリーの他のメンバーと同一であり、このホモロジーはエンドサイトーシスに重要であるNSYYモチーフに同様な内容の範囲内でで保存されたチロシンを含む(Zvaritch等,上記参照)。それ故これらのファミリーのメンバーの間で保存のレベルが大変低い(〜30-35%)一方、ヒト及びネズミマンノースマクロファージ受容体に対する少なくとも遺伝子のその全体の予想されるタンパク質ドメイン構造と同様にエクソン構造(Kim等,上記参照,Harris等,上記参照)、そして同様にここで報告される新規な受容体は、それらが明らかに受容体の関連するファミリーであることを示唆する。それ故、この新規な受容体は、このファミリーの他のタンパク質に対して見出されているようなエンドサイトーシス反応の目的で、リガンドの取り込みに関与することを示唆する。
新規な受容体によるリガンド認識に関して、以前の研究によりC型レクチンがこのファミリーの他のメンバーの結合活性に対して必須であることが示されている。例えば、マクロファージマンノース受容体(Taylor等の論文,上記参照を参照)及びホスホリパーゼA2受容体(Ishizaki等,上記参照)の両者の様々な欠失分析により、C型レクチンモチーフが、糖タンパク質を含む高マンノース(マクロファージマンノース受容体)またはホスホリパーゼA2(ホスホリパーゼA2受容体)のそれぞれに対する結合に関与することが明らかにされている。興味深いことに、後者の受容体の場合には、ホスホリパーゼの結合は糖依存的ではないが、この受容体はまた、マンノース−BSAのような高グリコシル化ネオ糖タンパク質に対して有意なアフィニティーを持って結合するであろう(Lambeau等,上記参照)。グリコシル化タンパク質に対するマクロファージマンノース受容体のアフィニティーは、一つより多いモチーフが切りつめられた受容体の内容に発現されている場合増大されるという発見により、複数の糖認識モチーフに対する必要性が強調されている(2のTaylor等の論文,上記参照)。DEC205受容体もまた、樹状細胞及び胸腺内皮による抗原提示を増大する目的で、グリコシル化抗原を結合するようであるために(Jiang等,上記参照)、それもまた高アフィニティーリガンド結合に対するレクチンモチーフの多様性を利用している可能性が大きいように思われる。結局、マンノース結合タンパク質及びマンノース(2のWeis等の論文,上記参照;Drickhamer等,上記参照)(K.Drickamer-個人的会話)の共結晶構造に見出されるものを用いた、新規な受容体におけるC型レクチンモチーフの配列の比較分析により、カルシウムのライゲーション及びそれぞれマンノースまたはガラクトースの認識に関与する多くのアミノ酸が、新規なタンパク質の最初の2のレクチンモチーフに見出されることが示され、糖認識におけるこれらのモチーフについての役割と一致する。興味深いことに、これはマクロファージマンノース受容体と対照的であり、その場合第4レクチンタイプドメインが糖認識に最も重要であるもののようである(2のTaylor等,上記参照)。要約すると、それ故これらのデータはここで報告された関連するレクチンもまた、エンドサイトーシス性取り込みを介在するために、高グリコシル化リガンド(類)の認識に関与するという議論をサポートする。ここで報告されるデータは、新規なエンドサイトーシス性C型レクチンによるリガンド認識の機構が、他のファミリーのメンバーについて以前に記載されているものと関連することが示唆する一方、この新たなタンパク質の発現パターンの分析が、それが潜在的に新規な機能(類)を実施することを示唆する。エンドサイトーシス性レクチンファミリーのメンバーの2、マクロファージマンノース受容体及びDEC205受容体の発現パターンが、マクロファージ及び肝内皮細胞における(マクロファージマンノース受容体)、あるいは樹状細胞及び胸腺内皮における(DEC205受容体)これらのタンパク質の高く制限された転写を明らかにし、これらのパターンは免疫系機能におけるこれらのタンパク質の周知の機能と相関する。より広い発現パターンが、ホスホリパーゼA2受容体に対して観察される。このエンドサイトーシス性受容体は、大人のマウスにおける心臓、肺、腎臓、骨格筋及び肝臓そして肺のヒトにおける腎臓を含む、様々な肺及び大人の組織で発現される。このパターンはここに記載される新規な受容体を幾分か連想させ、特に大人の心臓、肺及び腎臓での発現においてそうである。しかしながら、これら2の受容体の間にはいくつかの差異が存在し、それらには大量の転写産物として胚の肺において新規な受容体が発現されることが含まれ、ホスホリパーゼA2受容体とは対照的である。発現パターンにおけるこれらの差異は、これら2より多く発現されたレクチン様受容体の間での機能的な差異と一致する。
新規なエンドサイトーシス性レクチンを発現する細胞タイプは、その考え得る機能としていくつかの手がかりをも与える。大人の組織での比較的広範囲の転写は内皮発現と一致し、in situハイブリダーゼーション分析もこの推論をサポートする。それ故、これらの実験の解答が、新規なレクチンを発現する細胞タイプを正確に同定するには不十分であるといえども、例を挙げれば肺、腎臓糸球体、脈絡叢及び骨髄を副無効血管か部位でもしばしば見出された。それ故これらのデータは、新規なレクチンが血管糖結合タンパク質として機能するであろうことを示唆する。対照的に、マクロファージマンノース受容体及びDEC205受容体を含むこのファミリーの他のメンバーは、免疫系のメディエーターとして機能するようであり、それらは大人の免疫系細胞の少量で発現されている。しかしながら、胚の無菌環境のため、現在記載されているレクチンがこのタイプに機能に関与していることは想定しがたく、著しくはそれがマウスの発生の7日目と同じくらい早く胚の発生が開始することを通じて発現されるためである。このレクチンが血管系において果たしうる一つの考え得る機能は、血管基底を横切って高グリコシル化タンパク質を輸送することであろう。これは血管のルーメン側から血管外空間に対するものとその反対の方向で生じ得よう。もしレクチンがルーメン側に向いていたならば、それ故高グリコシル化タンパク質を血管流から血管外空間に輸送するように機能するであろう。胚から由来する様々な内皮細胞系での同定は、内皮でのその発現と一致する。それ故、このタイプの考え得る機能は、肝臓の内皮細胞で発現されるマクロファージマンノース受容体に対して仮説立てられたものと同様である。この場合には、この受容体は血流からの脱シアル化タンパク質のクリアランスを介在するようである。この仮説の研究は、この新規なレクチンに対して向けられた抗体の生産を待ち、その抗体は胚及び大人におけるこのタンパク質の現実の細胞内局在のより高い解決の分析を許容するであろう。軟骨細胞における新規なレクチンの高レベルの発現はまた、興味深い可能性を示唆する。内皮細胞とは対照的に、これらの細胞は血液流には直接はさらされず、そのため該レクチンはこれらのマトリックス堆積細胞の場合においてリガンドを同定するために結合するようではない。該レクチンの発現は、胸骨及び歯の領域のようなミネラル化領域で検出され、同様に層(layrnx)のような軟骨堆積の部位でも検出される。これらのデータは該レクチンが、軟骨細胞によって生産される軟骨または他のタイプの細胞外マトリックスの合成に関与するであろうことを示唆する。もしここで記載される新規なレクチンが、エンドサイトーシスに関与することが実際に見出されたならば、それから軟骨細胞における一つの考え得る機能は、細胞外マトリックス生産に対して分解及び利用される高グリコシル化前駆体タンパク質の取り込みであろう。対照的な可能性は、軟骨細胞が高グリコシル化タンパク質のエンドサイトーシスによって細胞外マトリックスの再モデル化のためにこのレクチンを利用するというものであろう。
結局、ヒト胎児肝に特異的な選択的スプライシング転写産物の同定は、潜在的な血管形成の意味を持つ大変興味深い結果であるが、現在のクローンにおいて開始コドンの欠落により、この転写産物がタンパク質をコードしていると我々には予想できない。この転写産物のPCR分析により、それは心臓及び胚では完全に不存在であることが示され、そしてノーザンブロット分析により、大人肝においてこれまたはフルレングス転写産物に対するシグナルが滑落していることが明らかとなった。胎児肝は胚における血管形成のわかりやすく重要な部位であるために、この結果はこの転写産物が、胎児血管形成にある方法で関与していることを示唆する。該転写産物の考え得る内皮局在は、以前の研究が内皮細胞が胚における始原細胞の増殖に関与するようであることを示唆しているために、血液細胞生産に関与する可能性をも示唆する。興味深いことに、スプライスされた転写産物は、マンノース結合タンパク質と配列ホモロジーによって、糖認識に関与すると思われる最初の2のレクチンドメインを欠いている。それ故、もしこの転写産物がタンパク質産物をコードするのであれば、該レクチンのこの形態は新規な受容体−リガンド相互作用に対する該タンパク質の細胞外部分の他の領域を利用しているであろうという可能性がある。
要約すると、ここで報告されるデータは、エンドサイトーシス性C型レクチンファミリーの新規なメンバーに対する証拠を提供する。この糖タンパク質は、胚及び大人における広い範囲の組織において発現されているようであり、それは軟骨細胞、及びもしかしたら内皮細胞によって転写されている。
本明細書を通じて引用された全ての書類、同様にここに引用された参考文献は、参考としてここで明らかに取り込まれる。本発明は特異的な実施態様を参考として説明される一方で、本発明は制限されない。さらなる実施態様及び変異型が、本発明の全体の概念から離れることなく可能であることは理解されよう。全ての上記修飾は、本発明の範囲内にあることが企図される。
配列表
(1)一般情報
(i)出願人:Genentech,Inc.
(ii)発明の名称:C型レクチン
(iii)配列の数:15
(iv)相当する住所
(A)住所:Genentech,Inc.
(B)通り:460 Point San Bruno Blvd
(C)都市名:South San Francisco
(D)州:California
(E)国名:USA
(F)郵便番号:94080
(V)コンピューターが読み込むことのできる形態
(A)媒体腫:3.5インチ、1.44Mbフロッピーディスク
(B)コンピューター:IBM PC互換機
(C)オペレーティングシステム:PC-DOS/MS-DOS
(D)ソフトウェア:WinPatin(Genentech)
(vi)現出願の情報
(A)出願番号
(B)出願日
(C)分類
(viii)代理人の情報
(A)名前:Dreger, Ginger R.
(B)登録番号:33,055
(C)委託/事件番号:P1019PCT
(ix)通信情報
(A)テレフォーン:415/225-3216
(B)テレファックス:415/952-9881
(C)テレックス:910/371-7168
(2)配列番号(SEQ ID NO):1の情報:
(i)配列の特徴
(A)長さ:4588ベースペアー
(B)型:核酸
(C)ストランド:シングル
(D)トポロジー:直鎖状
(xi)配列:SEQ ID NO:1:
(2)配列番号(SEQ ID NO):2の情報:
(i)配列の特徴
(A)長さ:1479アミノ酸
(B)型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(xi)配列:SEQ ID NO:2:
(2)配列番号(SEQ ID NO):3の情報:
(i)配列の特徴
(A)長さ:4771ベースペアー
(B)型:核酸
(C)ストランド:シングル
(D)トポロジー:直鎖状
(xi)配列:SEQ ID NO:3:
(2)配列番号(SEQ ID NO):4の情報:
(i)配列の特徴
(A)長さ:1479アミノ酸
(B)型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(xi)配列:SEQ ID NO:4:
(2)配列番号(SEQ ID NO):5の情報:
(i)配列の特徴
(A)長さ:1455アミノ酸
(B)型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(xi)配列:SEQ ID NO:5:
(2)配列番号(SEQ ID NO):6の情報:
(i)配列の特徴
(A)長さ:1449アミノ酸
(B)型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(xi)配列:SEQ ID NO:6:
(2)配列番号(SEQ ID NO):7の情報:
(i)配列の特徴
(A)長さ:1487アミノ酸
(B)型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(xi)配列:SEQ ID NO:7:
(2)配列番号(SEQ ID NO):8の情報:
(i)配列の特徴
(A)長さ:67アミノ酸
(B)型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(xi)配列:SEQ ID NO:8:
(2)配列番号(SEQ ID NO):9の情報:
(i)配列の特徴
(A)長さ:67アミノ酸
(B)型:アミノ酸
(D)トポロジー:直鎖状
(xi)配列:SEQ ID NO:9:
(2)配列番号(SEQ ID NO):10の情報:
(i)配列の特徴
(A)長さ:33ベースペアー
(B)型:核酸
(C)ストランド:シングル
(D)トポロジー:直鎖状
(xi)配列:SEQ ID NO:10:
(2)配列番号(SEQ ID NO):11の情報:
(i)配列の特徴
(A)長さ:33ベースペアー
(B)型:核酸
(C)ストランド:シングル
(D)トポロジー:直鎖状
(xi)配列:SEQ ID NO:11:
(2)配列番号(SEQ ID NO):12の情報:
(i)配列の特徴
(A)長さ:29ベースペアー
(B)型:核酸
(C)ストランド:シングル
(D)トポロジー:直鎖状
(xi)配列:SEQ ID NO:12:
(2)配列番号(SEQ ID NO):13の情報:
(i)配列の特徴
(A)長さ:29ベースペアー
(B)型:核酸
(C)ストランド:シングル
(D)トポロジー:直鎖状
(xi)配列:SEQ ID NO:13:
(2)配列番号(SEQ ID NO):14の情報:
(i)配列の特徴
(A)長さ:30ベースペアー
(B)型:核酸
(C)ストランド:シングル
(D)トポロジー:直鎖状
(xi)配列:SEQ ID NO:14:
(2)配列番号(SEQ ID NO):15の情報:
(i)配列の特徴
(A)長さ:30ベースペアー
(B)型:核酸
(C)ストランド:シングル
(D)トポロジー:直鎖状
(xi)配列:SEQ ID NO:15:
Claims (20)
- (a)図2(SEQ.ID.NO:2)または図9(SEQ.ID.NO:4)のアミノ酸配列の37から1393の残基を含むポリペプチド;
(b)図2(SEQ.ID.NO:2)または図9(SEQ.ID.NO:4)のアミノ酸配列の一つまたは複数のアミノ酸の欠失、付加、または置換を有するポリペプチド;及び
(c)図2(SEQ.ID.NO:2)または図9(SEQ.ID.NO:4)のアミノ酸配列の最初の3のレクチンドメイン(234から360残基、381から507残基、及び520から645残基)及びフィブロネクチンII型ドメイン(175から229残基)の一つまたは複数のアミノ酸の欠失、付加、または置換を有するポリペプチド;
(但し、前記ポリペプチドは、糖残基を認識するカルシウム依存性レクチンの活性を維持することを条件とする)
より成る群から選択された単離されたC型レクチン。 - 図2(SEQ.ID.NO:2)または図9(SEQ.ID.NO:4)のアミノ酸配列の一つまたは複数のアミノ酸の欠失、付加、または置換を有するポリペプチド請求項1のC型レクチン。
- 図2(SEQ.ID.NO:2)または図9(SEQ.ID.NO:4)のアミノ酸配列の活性膜貫通ドメイン(1410から1434残基)及び/または細胞内ドメイン(1435から1479残基)を欠いた請求項1のC型レクチン。
- 天然のグリコシル化を伴わない請求項1のC型レクチン。
- 変異体グリコシル化を持つ請求項1のC型レクチン。
- 請求項1のC型レクチンをコードする核酸分子。
- 図2(SEQ.ID.NO:2)または図9(SEQ.ID.NO:4)に示されたアミノ酸配列を持つC型レクチンの少なくともフィブロネクチンII型ドメイン(175から229残基)及び最初の3のレクチンドメイン(234から360残基、381から507残基、及び520から645残基)をコードする請求項6の核酸分子。
- 図2(SEQ.ID.NO:2)または図9(SEQ.ID.NO:4)のアミノ酸配列の活性膜貫通ドメイン(1410から1434残基)及び/または細胞内ドメイン(1435から1479残基)を欠いたC型レクチンをコードする請求項6の核酸分子。
- ベクターを用いてトランスフォームされたホスト細胞によって認識されるコントロール配列と実施可能にリンクした請求項6の核酸分子を含むベクター。
- 請求項9のベクターを用いてトランスフォームされたホスト細胞。
- 哺乳動物細胞である請求項10のホスト細胞。
- チャイニーズハムスター卵巣細胞系である請求項10のホスト細胞。
- 請求項6から8のいずれか一項に記載の上記C型レクチンをコードする核酸を用いてホスト細胞をトランスフォームし、トランスフォームされた細胞を培養し、そして該細胞カルチャーから上記C型レクチンを回収することを含む請求項1のC型レクチンを生産する工程。
- 上記C型レクチンがカルチャー培地内に分泌され、該カルチャー培地から回収される請求項13の工程。
- 請求項1のC型レクチンに特異的に結合することが可能な抗体。
- 請求項15の抗体を生産するハイブリドーマ細胞。
- イムノグロブリン配列と融合した請求項1記載のC型レクチンのアミノ酸配列を含むイムノアドヘシン。
- 図2(SEQ.ID.NO:2)または図9(SEQ.ID.NO:4)に示されたアミノ酸配列を持つポリペプチドの少なくともフィブロネクチンII型ドメイン(175から229残基)及び糖認識ドメイン(234から360残基、381から507残基、520から645残基、667から809残基、824から951残基、970から1108残基、1110から1243残基、及び1259から1393残基の領域からなる群から選択される少なくとも一つの領域)を含む請求項17のイムノアドヘシン。
- 上記イムノグロブリン配列がイムノグロブリンH鎖定常ドメイン配列である請求項17のイムノアドヘシン。
- 上記イムノグロブリン配列がIgG-1,IgG-2またはIgG-3の定常ドメイン配列である請求項19のイムノアドヘシン。
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