JP3762948B2 - 缶胴内面の静電粉体塗装方法 - Google Patents

缶胴内面の静電粉体塗装方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、缶胴内面の静電粉体塗装方法、特にネックイン缶の如く、一方の端部が縮径され両端が開口する缶胴の内面の静電粉体塗装方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、飲料缶やエアゾール缶としては、内外面に塗装印刷の施された金属板を円筒状に丸めて両端縁を重ね合わせて溶接し、次いで溶接継ぎ目を補正塗装し、その後に一端部をネックイン加工して得られるネックイン缶胴に蓋を巻き締したスリーピース缶が用いられている。例えば、ネックイン・エアゾール缶では、両端が開口した円筒状の缶胴の一方の端部が縮径されており、該縮径された開口端に、内容物を噴出させるバルブを備えたマウンテンカップが巻き締められると共に、他端に底蓋が巻き締められて閉蓋されるものがある。この様な缶胴の内面は内容物の保護及び内容物による缶の腐食防止のため、溶剤系塗料で塗装され、溶接継ぎ目部も同様に補正塗装されていたが、エアゾール缶の如く、腐食の激しい内容物を充填する缶にあっては塗装を厚くすることが必要であるにも拘らず、溶剤系塗料では厚塗りが困難である不都合があった。そのため、近年、無溶剤の粉体塗料を用いて、厚塗りが可能な静電粉体塗装を行うことが考えられている。前記の如きエアゾール缶を静電粉体塗装する場合には、一方の端部が縮径された缶胴をアースし、缶胴の一方の開口端から荷電した粉体塗料を缶胴内面に向けて吹付け、静電効果により粉体塗料を缶胴内面に塗着させて静電塗装することが考えられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記の静電粉体塗装方法においては、缶胴の両端が開口した状態で一方の開口端から缶胴内面に向けて粉体塗料を吹付けるため、吹きつけた粉体塗料が他方の開口端から流出してゆき、粉体塗料を缶胴内面に厚く均一に塗着させることが困難となるおそれがある。
【0004】
特に、ネックイン缶の如く、缶胴の一方の端部が大きく縮径された形状となっている場合には、この縮径された部分の傾斜が大きくなるので、この部分を塗装するためにはこの部分に集中的に粉体塗料を吹付ける必要がある。しかし、この縮径された部分を厚く塗装すると、その他の部分、特に縮径された端部の反対側の端部の開口端付近の塗装が薄くなり、逆に、該反対側の端部側から塗装すると、該縮径された端部の開口端付近の塗装が薄くなって、缶胴内面を均一に塗装することが困難となり易い。
【0005】
本発明は、前記不都合に鑑みて、缶胴内面を所望の厚さに均一に、且つ効率良く塗装できる缶胴内面の静電粉体塗装方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するため、本発明は、一方の端部が縮径され両端が開口する缶胴に、荷電された粉体塗料を缶胴の一方の開口端から缶胴内面に向けて吹付けると共に、他方の開口端から吸気して空気流を形成することにより、粉体塗料を缶胴内面に塗着させる静電粉体塗装方法であって、縮径された開口端の反対側の開口端から粉体塗料を吹付けて、缶胴内面の主として該反対側の開口端側の領域を静電塗装する第1工程と、該縮径された開口端から粉体塗料を吹付けて、缶胴内面の主として該縮径された開口端側の領域を静電塗装する第2工程とを順次行うことを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、開口端から缶胴内面に向けて粉体塗料を吹付けることにより缶胴内面を塗装するので、一缶毎に缶胴内にノズルを挿出入して缶胴内面を塗装する場合に比べて短時間で塗装できる。
【0008】
また、本発明では、缶胴内面を縮径された開口端側と反対側の開口端側との2つの領域に分けて、第1工程により主として該反対側の開口端側の領域を静電塗装し、第2工程により主として該縮径された開口端側の領域を静電塗装する。従って、一つの工程による塗装領域を小さくできるので、缶胴内面全体を所望の厚さで均一に塗装できる。
【0009】
また、本発明では、前記反対側の開口端から粉体塗料を吹付ける第1工程を行った後に、前記縮径された開口端から粉体塗料を吹付ける第2工程を行う。この順序を逆にして、第2工程を行った後に第1工程を行った場合には、後の第1工程の際に、吸気側の開口端が縮径されていることから空気流や粉体塗料の流れが強くなり、先の第2工程により縮径された開口端付近に塗着していた粉体塗料が剥離して塗膜が薄くなるおそれがあるが、本発明ではかかるおそれがない。
【0010】
本発明において、前記の第1工程は、前記反対側の開口端の外径よりやや大径の内径を有するスプレーノズル先端部を該反対側の開口端に近接させた状態で、缶胴内面に向けて粉体塗料を吹付けると共に、前記縮径された開口端から吸気して空気流を形成することにより、缶胴内面の主として該反対側の開口端側の領域に粉体塗料を塗着させ、前記の第2工程は、該縮径された開口端の外径よりやや大径の内径を有するスプレーノズル先端部を該縮径された開口端に近接させた状態で、缶胴内面に向けて粉体塗料を吹付けると共に、該反対側の開口端から吸気して空気流を形成することにより、缶胴内面の主として該縮径された開口端側の領域に粉体塗料を塗着させることが好適である。
【0011】
これによれば、第1及び第2工程のいずれにおいても、吸気側の開口端から吸気したとき、吹付け側の開口端とこれに近接させたノズル先端部との間から缶胴径方向へ空気が流入し、且つ空気の流入量が小さいので、吸気側の開口端へ向かう空気流は弱くなる。そのため、粉体塗料は主として吹付け側の開口端付近で拡散し、缶胴内面の主として該吹付け側の開口端側の領域に塗着する。また、開口端に近接させたノズルの内径が該開口端の外径よりやや大径であるが、反対側の開口端側からの吸気により、空気が該開口端の内側へ巻き込まれながら缶胴内面へ流入する。そのため、ノズルより吹付けられた粉体塗料が該吹付け側の開口端の内面に塗着すると共に、粉体塗料が缶胴外面に塗着するのを防止できる。
【0012】
本発明においては、前記の第1工程を行う前に、前記缶胴のいずれかの開口端から粉体塗料を吹付けて、缶胴内面の主として中央領域を静電塗装する工程を行うようにしてもよい。これによれば、缶胴長に応じて缶胴内面の主として中央領域を静電塗装する工程を別に設けることにより、缶胴長が長い缶胴についても缶胴内面を所望の厚さに均一に塗装できる。また、最初に缶胴内面の主として中央領域を静電塗装し、その後、第1工程により主として前記反対側の開口端側の領域を静電塗装し、最後に第2工程により主として前記縮径された開口端側の領域を塗装するので、各開口端に塗着された粉体塗装を剥離させて塗膜を薄くするおそれがない。
【0013】
本発明において、前記の缶胴内面の主として中央領域を静電塗装する工程は、一方の開口端の内径より小径の外径を有するスプレーノズル先端部を該一方の開口端に近接させた状態で、缶胴内面に向けて粉体塗料を吹付けると共に、他方の開口端から吸気して空気流を形成することにより、缶胴内面の主として中央領域に粉体塗料を塗着させることが好適である。これによれば、吸気側の開口端から吸気したとき、吹付け側の開口端とノズル先端部との間から空気が缶胴の軸方向に流入し、前記吸気側の開口端へ向かう空気流が形成されるので、該ノズルより吹付けられた粉体塗料は該空気流にのって缶胴内面の中央領域付近まで侵入し、缶胴内面の主として中央領域に塗着する。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の一の実施例を図を用いて説明する。図1はこの実施例の缶胴内面の静電粉体塗装方法の説明図であり、(a)は第1工程を示す説明図、(b)は第2工程を示す説明図である。図中、一点鎖線で示した中心線より下側には、該中心線を含む断面が記載されている。
【0015】
図1において、エアゾール缶の缶胴1は、両端2,3が開口した円筒状の金属製缶胴の開口端2側の端部を絞り加工して、一端2が縮径された形状に形成されている。4は缶胴1の内面を塗装するための粉体塗料であり、この実施例では、粒径が30〜40マイクロメートルの熱硬化型ポリエステル樹脂系塗料を使用した。これ以外の粉体塗料として、従来公知の熱硬化型、熱可塑型の粉体塗料用樹脂、例えば、熱硬化型ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂等を単独或いは併用し、所望によりその他の添加剤を配合したものも使用することができる。
【0016】
先ず、缶胴1に対して第1工程が行われる。この第1工程では、図1(a)のように、スプレーノズル5の先端にフード6を装着したものを、缶胴1の反対側の開口端3に近接させて配置し、また、吸気ダクト7を缶胴1の縮径された開口端2に近接させて配置する。スプレーノズル5は、第1工程おいて、図示しない供給装置から供給される荷電された粉体塗料4を缶胴1の反対側の開口端3から缶胴1の内面に向けて吹付けるためのものである。スプレーノズル5は、円筒状の外形を有し、内径が中央付近から先端に向かって次第に拡径している。スプレーノズル5の先端にはフード6が装着されており、フード6の内径は先端部において急激に拡径され、フード6の先端の内径は缶胴1の反対側の開口端3の外径よりも僅かに大径に形成されている。缶胴1の反対側の開口端3とフード6の先端との間は僅かに間隙が設けられている。
【0017】
そして、缶胴1をアースして、荷電された粉体塗料4をスプレーノズル5により、反対側の開口端3から缶胴1の内面に向けて吹付けると共に、縮径された開口端2から吸気ダクト7により吸気して、反対側の開口端3から缶胴1の内部へ流入して縮径された開口端2へ向かう空気流を形成する。このとき、缶胴1内へ流入する空気は、反対側の開口端3とこれに近接したフード6の先端との間から缶胴径方向へ少量が流入することになるので、縮径された開口端2へ向かう空気流は弱い。そのため、スプレーノズル5から吹付けられた粉体塗料4は主として反対側の開口端3付近で拡散し、主として反対側の開口端3側の領域に塗着する。なお、缶胴1の内面に塗着しなかった余分な粉体塗料4は、吸気ダクト7に吸引されて回収される。また、フード6の内径が反対側の開口端3の外径よりやや大径であるため、空気が反対側の開口端3の内側へ巻き込まれながら缶胴1の内部へ流入する。そのため、吹付けられた粉体塗料4が反対側の開口端3の内面に塗着すると共に、粉体塗料4が缶胴1の外面に塗着するのを防止できる。
【0018】
次に、缶胴1に対して第2工程が行われる。この第2工程では、図1(b)のように、スプレーノズル8の先端にフード9を装着したものを、缶胴1の縮径された開口端2に近接させて配置し、また、吸気ダクト10を缶胴1の反対側の開口端3に近接させて配置する。スプレーノズル8は、第2工程において、図示しない供給装置から供給される荷電された粉体塗料4を、缶胴1の縮径された開口端2から缶胴1の内面に向けて吹付けるためのものであり、円筒状の外径を有し、内径が中央付近から先端に向かって次第に拡径している。スプレーノズル8の先端にはフード9が装着されており、フード6と同様に、フード9の内径は先端部において急激に拡径され、フード9の先端の内径は缶胴1の縮径された開口端2の外径よりも僅かに大径に形成されている。缶胴1の縮径された開口端2とフード9の先端との間は僅かに間隙が設けられている。
【0019】
そして、缶胴1をアースし、荷電された粉体塗料4をスプレーノズル8により縮径された開口端2から缶胴1の内面に向けて吹付けると共に、反対側の開口端3から吸気ダクト10によって吸気して、縮径された開口端2から缶胴1内へ流入して反対側の開口端3へ向かう空気流を形成する。このとき、第1工程と同様の理由により、反対側の開口端3へ向かう空気流が弱いので、吹付けられた粉体塗料4は主として縮径された開口端2付近で拡散し塗着する。従って、縮径された端部の大きな傾斜部分にも粉体塗料4を十分に塗着させることができる。なお、缶胴1の内面に塗着しなかった余分な粉体塗料4は、吸気ダクト10に吸引されて回収される。また、空気が縮径された開口端の内側に巻き込まれるようにして缶胴1内へ流入することにより、粉体塗料が縮径された開口端2の内面に塗着すると共に、缶胴1の外面に塗着するのを防止できる。
【0020】
本実施例では、缶胴1の内面の主として反対側の開口端3側を第1工程により静電塗装して、主として縮径された開口端2側を第2工程により静電塗装する。このように一つの工程による塗装領域を小さくすることにより、各塗装領域を所望の膜厚に均一に塗装できるので、缶胴1の内面全体を所望の膜厚に均一に塗装できる。また、一つの工程での粉体塗料4の吹付け量を少なくすることにより、粉体塗装としては薄膜に均一に塗装できる。更に、一つの工程での粉体塗料4の吹付け時間を短くすることにより、缶胴内面2全体の塗装時間を短くできる。
【0021】
また、各開口端2、3から缶胴1の内面に向けて粉体塗料4を吹付けて缶胴1の内面を塗装するので、一缶毎に缶胴1の内部にスプレーノズルを挿出入して缶胴1の内面を塗装する場合に比べて短時間で塗装できる。
【0022】
次に、本発明の他の実施例を図を用いて説明する。図2はこの実施例の缶胴内面の静電粉体塗装方法の説明図であり、(a)は缶胴内面の主として中央領域を静電塗装する工程の説明図、(b)は前記実施例の第1工程と同様の工程の説明図、(c)は前記実施例の第2工程と同様の工程の説明図である。
【0023】
図2において、エアゾール缶の缶胴11は、両端12,13が開口し、一方の開口端12側の端部が縮径された形状に形成されているが、前記の図1の缶胴1に比べて缶胴長が長くなっている。そこで、この実施例では、図2(a)(b)(c)の3つの工程を順に行って、缶胴11の内面を静電粉体塗装する。
【0024】
先ず、缶胴11の内面の主として中央領域14を静電塗装する工程を行う。この工程では、図2(a)のように、スプレーノズル15を缶胴11の縮径された開口端12に近接させて配置し、吸気ダクト16を缶胴11の反対側の開口端13に近接させて配置する。スプレーノズル15は外形が中央付近から先端に向かって先すぼまり状に形成されており、先端部の外径は缶胴11の縮径された開口端12の内径よりも小さい。また、スプレーノズル15の内径も外径に対応して先すぼまり状に形成されている。スプレーノズル15の先端と缶胴11の縮径された開口端12との間は僅かに間隙がある。
【0025】
そして、缶胴11をアースし、スプレーノズル15により荷電された粉体塗料4を縮径された開口端12から缶胴11の内面に向けて吹き付けると共に、吸気ダクト16により吸気して、縮径された開口端12から缶胴11の内部へ空気を流入させ、反対側の開口端13へ向かう空気流を形成する。このとき、スプレーノズル15の先すぼまり状の先端部と縮径された開口端12との間から空気が缶胴11の軸方向に流入し、反対側の開口端13へ向かう大きな空気流が形成される。そのため、スプレーノズル15より吹付けられた粉体塗料4は、この空気流にのって缶胴11の内面の中央領域14付近で拡散し、主として中央領域14に塗着する。余分な粉体塗料4は、吸気ダクト16に吸引されて回収される。
【0026】
次に、缶胴11に対して前記実施例の第1工程と同様の工程が行われる。この工程では、図2(b)のように、スプレーノズル17の先端にフード18を装着したものを、缶胴11の反対側の開口端13に近接させて配置し、また、吸気ダクト19を缶胴11の縮径された開口端12に近接させて配置する。スプレーノズル17、フード18、吸気ダクト19の構造は、夫々図1(a)のスプレーノズル5、フード6、吸気ダクト7の構造と同様である。
【0027】
そして、缶胴11をアースし、荷電された粉体塗料4をスプレーノズル17により反対側の開口端13から缶胴11の内面に向かって吹き付けると共に、吸気ダクト19により縮径された開口端12から吸気する。このとき、図1(a)の場合と同様に、縮径された開口端12へ向かう空気流は弱くなるので、スプレーノズル17より吹付けられた粉体塗料4は、主として反対側の開口端13付近で拡散し塗着する。余分な粉体塗料4は、吸気ダクト19により吸引されて回収される。
【0028】
最後に、缶胴11に対して前記実施例の第2工程と同様の工程が行われる。この工程では、図2(c)のように、スプレーノズル20の先端にフード21を装着したものを、缶胴11の縮径された開口端12に近接させて配置し、また、吸気ダクト22を缶胴11の反対側の開口端13に近接させて配置する。スプレーノズル20、フード21、吸気ダクト22の構造は、夫々図1(b)のスプレーノズル8、フード9、吸気ダクト10の構造と同様である。
【0029】
そして、缶胴11をアースし、荷電された粉体塗料4をスプレーノズル20により、縮径された開口端12から缶胴11の内面に向かって吹き付けると共に、吸気ダクト22により反対側の開口端13から吸気する。このとき、図1(b)の場合と同様に、反対側の開口端13へ向かう空気流は弱いので、吹付けられた粉体塗料4は主として縮径された開口端12付近で拡散し塗着する。余分な粉体塗料4は、吸気ダクト22により吸引されて回収される。
【0030】
この実施例によれば、缶胴長が長い缶胴11についても、缶胴11の長さに応じて缶胴内面を3つの領域に分けて、各領域を3つの工程で夫々静電塗装することにより、缶胴内面を所望の厚さに均一に塗装することができる。また、最初に缶胴11の内面の主として中央領域14を静電塗装し、その後、主として反対側の開口端13側の領域を静電塗装し、最後に主として縮径された開口端12側の領域を塗装するので、両開口端に塗着された粉体塗装28を剥離させて塗膜を薄くするおそれがない。
【0031】
なおこの実施例では、缶胴11の内面の主として中央領域を静電塗装する工程を行う場合に、縮径された開口端12からスプレーノズル15により粉体塗料4を吹付け、反対側の開口端13から吸気ダクト16により吸気したが、これを逆にして、反対側の開口端13からスプレーノズル15により粉体塗料を吹付け、縮径された開口端12から吸気ダクト16により吸気するようにしてもよい。
【0032】
更に、本発明の他の実施例を図を用いて説明する。図3はこの実施例の缶胴内面の静電粉体塗装方法の説明図であり、(a)は缶胴内面の主として中央領域を静電塗装する工程の説明図、(b)は前記実施例の第1工程と同様の工程の説明図、(c)は前記実施例の第2工程と同様の工程の説明図である。
【0033】
図3において、エアゾール缶の缶胴30は、両端31,32が開口し、一方の開口端31側の端部が縮径された形状に形成されているが、前記の図1や図2の実施例の缶胴に比べて、縮径された端部の首部が長くなっており、縮径された端部の傾斜した肩部が缶胴30の中央寄りに位置している。この実施例では、缶胴30の内面を図3(a)(b)(c)の3つの工程を順に行うことにより静電粉体塗装する。
【0034】
先ず、缶胴30の内面の主として中央領域33を静電塗装する工程を行う。この工程では、図3(a)のように、スプレーノズル34を缶胴30の縮径された開口端31に近接させて配置し、吸気ダクト35を缶胴30の反対側の開口端32に近接させて配置する。スプレーノズル43及び吸気ダクト35の構造は図2(a)のスプレーノズル15及び吸気ダクト16の構造と同様である。
【0035】
そして、缶胴30をアースし、荷電された粉体塗料4をスプレーノズル34により縮径された開口端31から缶胴30の内面に向かって吹き付けると共に、吸気ダクト35により反対側の開口端32から吸気する。このとき、図2(a)の場合と同様に、反対側の開口端32へ向かう大きな空気流が形成されるので、この空気流にのって、吹付けられた粉体塗料4は主として中央領域33付近で拡散し塗着する。余分な粉体塗料4は吸気ダクト35により吸引され回収される。
【0036】
次に、缶胴30に対して前記実施例の第1工程と同様の工程を行う。この工程では、図3(b)のように、スプレーノズル36の先端にフード37を装着したものを、缶胴30の反対側の開口端32に近接させて配置し、また、吸気ダクト38を缶胴30の縮径された開口端31に近接させて配置する。スプレーノズル36、フード37、吸気ダクト38の構造は、夫々図2(b)のスプレーノズル17、フード18、吸気ダクト19の構造と同様である。
【0037】
そして、缶胴30をアースし、荷電された粉体塗料4をスプレーノズル36により反対側の開口端32から缶胴30の内面に向かって吹き付けると共に、吸気ダクト38により縮径された開口端31から吸気する。このとき、図2(b)の場合と同様に、縮径された開口端31へ向かう空気流は弱いので、粉体塗料4は主として反対側の開口端32付近で拡散し塗着する。余分な粉体塗料4は、吸気ダクト38により吸引されて回収される。
【0038】
最後に、缶胴30に対して前記実施例の第2工程と同様の工程を行う。この工程では、図3(c)のように、スプレーノズル39の先端にフード40を装着したものを、缶胴30の縮径された開口端31に近接させて配置し、吸気ダクト41を缶胴30の反対側の開口端32に近接させて配置する。スプレーノズル39、フード40、吸気ダクト41の構造は夫々図2(c)のスプレーノズル20、フード21、吸気ダクト22の構造と同様である。
【0039】
そして、缶胴30をアースし、荷電された粉体塗料4をスプレーノズル39により縮径された開口端31から缶胴30の内面に向かって吹き付けると共に、吸気ダクト41により反対側の開口端32から吸気する。このとき、図2(c)の場合と同様に、反対側の開口端13へ向かう空気流は弱いので、粉体塗料4は主として縮径された開口端31付近で拡散し塗着する。余分な粉体塗料4は、吸気ダクト41により吸引されて回収される。
【0040】
この実施例では、縮径された端部の首部の長い缶胴30についても、缶胴内面を3つの領域に分けて各領域を3つの工程で夫々静電塗装することにより、所望の厚さで均一に塗装することができる。
【0041】
本発明はエアゾール缶の缶胴の例を挙げて説明したが、スリーピース溶接缶の飲料缶、食缶の缶胴内面塗装方法としても適用できることは勿論である。一般に、溶接缶胴は、溶接継ぎ目部を補正塗装しなければならず、従来、缶胴内部に塗装ノズルを配置し溶接継ぎ目部の内面を塗装していた。そのため、製造できる溶接缶胴も溶接ノズルを挿入できる缶胴径の大きなものに限定されていた。しかし、本発明によれば、缶胴の外部から内面塗装ができるので、従来、塗装ノズルが配置できなかったために、用いることができなかった小径缶でも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一の実施例の説明図である。
【図2】本発明の他の実施例の説明図である。
【図3】本発明の更に別の実施例の説明図である。
【符号の説明】
1、11、30・・・缶胴、 2、12、31・・・縮径された開口端、 3、13、32・・・反対側の開口端、 4・・・粉体塗料、 5、8、15、17、20、34、36、41・・・スプレーノズル、 9、18、21、37、40・・・フード、 7、10、16、19、22、35、38、41・・・吸気ダクト、 14、33・・・中央領域

Claims (4)

  1. 一方の端部が縮径され両端が開口する缶胴に、荷電された粉体塗料を缶胴の一方の開口端から缶胴内面に向けて吹付けると共に、他方の開口端から吸気して空気流を形成することにより、粉体塗料を缶胴内面に塗着させる静電粉体塗装方法であって、縮径された開口端の反対側の開口端から粉体塗料を吹付けて、缶胴内面の主として該反対側の開口端側の領域を静電塗装する第1工程と、該縮径された開口端から粉体塗料を吹付けて、缶胴内面の主として該縮径された開口端側の領域を静電塗装する第2工程とを順次行うことを特徴とする缶胴内面の静電粉体塗装方法。
  2. 前記の第1工程は、前記反対側の開口端の外径よりやや大径の内径を有するスプレーノズル先端部を該反対側の開口端に近接させた状態で、缶胴内面に向けて粉体塗料を吹付けると共に、前記縮径された開口端から吸気して空気流を形成することにより、缶胴内面の主として該反対側の開口端側の領域に粉体塗料を塗着させ、
    前記の第2工程は、該縮径された開口端の外径よりやや大径の内径を有するスプレーノズル先端部を該縮径された開口端に近接させた状態で、缶胴内面に向けて粉体塗料を吹付けると共に、該反対側の開口端から吸気して空気流を形成することにより、缶胴内面の主として該縮径された開口端側の領域に粉体塗料を塗着させることを特徴とする請求項1記載の缶胴内面の静電粉体塗装方法。
  3. 前記の第1工程を行う前に、前記缶胴のいずれかの開口端から粉体塗料を吹付けて、缶胴内面の主として中央領域を静電塗装する工程を行うことを特徴とする請求項1又は2記載の缶胴内面の静電粉体塗装方法。
  4. 前記の缶胴内面の主として中央領域を静電塗装する工程は、一方の開口端の内径より小径の外径を有するスプレーノズル先端部を該一方の開口端に近接させた状態で、缶胴内面に向けて粉体塗料を吹付けると共に、他方の開口端から吸気して空気流を形成することにより、缶胴内面の主として中央領域に粉体塗料を塗着させることを特徴とする請求項3記載の缶胴内面の静電粉体塗装方法。
JP22966996A 1996-08-30 1996-08-30 缶胴内面の静電粉体塗装方法 Expired - Lifetime JP3762948B2 (ja)

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