JP3762804B2 - 座標位置入力装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、例えば、パーソナルコンピュータやワードプロセッサなどの情報機器の周辺機器として用いることが出来る座標位置入力装置に関するものである。
【0002】
【発明の属する技術分野】
以下に従来の座標位置入力装置について説明する。
【0003】
図9に示すように、51は基板、52はアナログスイッチ、53はA/Dコンバータ、54はMPU、55は操作者の指、56は端子、57は演算増幅器、58はサンプル&ホールド回路、59は電流検出抵抗器である。基板51上にはx軸(水平)方向にx1〜xnの帯状抵抗体(それぞれ抵抗R)が配置してあり、それぞれの一端はグランドに接続、残るもう一端はアナログスイッチ52に接続される。このアナログスイッチ52はMPU54の指令により、帯状抵抗体ただ1つを選択するものとする。なお基板51上の帯状抵抗体のそれぞれ両端は指を近接させない未使用部を設けている。この理由は帯状抵抗体の両端に近い部分に指が触れた場合には、帯状抵抗体と指の接触部容量で形成する時定数が小さくなってしまうため測定誤差が生じるためである。
【0004】
最初に、図示したように帯状抵抗体xnに絶縁体(図示せず)を介して操作者の指55が触れられた場合の、y軸(垂直)方向の指位置検出方法を以下に示す。
【0005】
まず、アナログスイッチ52で帯状抵抗体x1を選択し、端子56に電位Eを与えて帯状抵抗体に電流を流すと電流Ia1を検出する。続いてアナログスイッチ52を抵抗体x2、x3、・・、xnと順次切り替えて順次電流Ia2、Ia3、・・、Ianを電流検出抵抗器59の両端の電圧で検出してゆく。抵抗体xiを選択した時の電流Iaiは
Iai = E / R (1)
として検出され、その時間変化は図10のようになる(実際には浮遊容量で微小な過渡現象がみられるが図では省略する)。抵抗体では操作者の指55が触れられているため、指から人体を通ってグラウンドに至る経路が一種のコンデンサ(容量C)となる。この時の等価回路は図11のようになる。ここで、アナログスイッチ52から操作者の指55の触れた位置までの距離をy1i(図9中、上側)、抵抗をR1i、操作者の指55の触れた位置からグラウンドまでの距離をy2i(図9中、下側)、抵抗をR2iとすると次の関係が成り立つ。
【0006】
R = R1i + R2i (2)
y1i : y2i = R1i : R2i (3)
また、電流Iaiは、
Iai = E(SCR2i + 1) / [R1i(SCR2i + 1) + R2i] (4)
であり、この時間変化は図12のようになる。
式(4)より指の触れた時点(S = ∞)ではIai = E / R1iの電流が検出できることがわかる。ここでEは既知であるからR1iが求められ、続いて式(2)よりR2iが求められる。そして、指のy軸方向の位置は、式(3)の関係より求められる。実際に観測されるIaiの平坦部は過渡応答の十分に周波数の高い部分に対応している。
【0007】
電流Iaiの検出は、電流Iaiが流れる電流検出抵抗器59の両端の電圧によって演算増幅器57を動作させ、サンプル&ホールド回路58でピーク値(図12におけるIai = E / R1i)をホールドする。サンプルされたデータはA/Dコンバータ53を経て、MPU54へ入力する。
【0008】
x軸方向の指位置検出は帯状抵抗体xiをスキャンして浮遊容量以上の過渡応答が存在するものを選びだす。指の触れた帯状抵抗体xiのうち設定した値以上の電流値Iai = E / R1iが検出できたもの(以下ONの抵抗体と略す)を選び出す。検出精度を高くとるため通常は指の接触幅に比較して十分に細かい間隔で帯状抵抗体を配置しているためONの抵抗体がただ1つであることはなく隣接してONの抵抗体が存在する。そして指の圧力やx軸方向の指の相対位置によって隣接のONの抵抗体の数は変化する。これらのx座標値は平均、あるいは指の形状を円形と仮定して中心位置などを求め指の触れたx軸方向の位置とする。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来の構成では、演算増幅器の周波数特性が悪いと過渡応答についていけず、出力が安定しないという問題点を有していた。
【0010】
本発明は、上記従来の問題点を解決するもので、従来に比べてより一層安定した出力を供給することが出来る座標位置入力装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
第1の本発明は、複数の帯状抵抗体を用いて物体に関する座標位置を入力する座標位置入力装置であって、
前記物体が接触または近接可能となるように、基板上に配設された複数の帯状抵抗体と、
前記複数の帯状抵抗体のいずれかに前記物体が接触または近接された際、そのいずれかの帯状抵抗体から前記物体を介してグラウンドとの間に形成される対地容量に対して、前記帯状抵抗体を介して充電するために電圧を印加する充電制御手段と、
前記複数の帯状抵抗体のそれぞれの一端及び他端を切換え且つ選択可能とする抵抗体選択手段と、
前記選択される帯状抵抗体の一端に前記抵抗体選択手段を介して接続され、前記充電制御手段による前記対地容量に対する充電をやめたあとの前記対地容量の放電電圧について積分処理を行う第1の積分手段と、
前記選択される帯状抵抗体の他端に前記抵抗体選択手段を介して接続され、前記充電制御手段による前記対地容量に対する充電をやめたあとの前記対地容量の放電電圧について積分処理を行う第2の積分手段と、
前記第1及び第2の積分手段の出力に基づいて、前記物体の前記接触または近接の座標位置を求める座標位置演算制御手段と、
を備えた座標位置入力装置である。
【0013】
また、第2の本発明は、前記帯状抵抗体の長軸方向の座標値については、前記座標位置演算制御手段が前記第1及び第2の積分手段の出力を演算して求めた前記座標位置から得られ、
前記帯状抵抗体の短軸方向の座標値については、前記帯状抵抗体をスキャンして選択した隣接帯状抵抗体相互の電圧変化を利用して得る上記第1の本発明の座標位置入力装置である。
【0014】
また、第3の本発明は、前記充電制御手段と、前記第1の積分手段および第2の積分手段とのそれぞれの間に接続され、可変抵抗を内部に有する出力電圧制御手段と、
前記第1の積分手段および第2の積分手段の出力を比較する比較手段とを備え、
前記出力電圧制御手段は、帯状抵抗体の長軸方向の座標値については、可変抵抗の抵抗値を増減して第1の積分手段および第2の積分手段の各々の出力電圧が同一電圧とする制御をおこない、その時の可変抵抗の抵抗値を比較して、前記帯状抵抗体に物体が接触または近接された座標位置を演算して求める上記第1の本発明の座標位置入力装置である。
【0016】
また、第4の本発明は、前記第1の積分手段および第2の積分手段において、1つの帯状抵抗体に対する積分を複数回おこなって加算平均し、
前記座標位置演算制御手段は、前記加算平均を利用して前記座標位置を求める上記第1の本発明の座標位置入力装置である。
【0017】
また、第5の本発明は、前記第1,第2の積分手段の入力側にそれぞれ並列にON/OFF可能な減算手段を更に備え、
この減算手段は、前記第1,第2の積分手段の内部容量による電圧変動分を減算してキャンセルする上記第1の本発明の座標位置入力装置である。
【0019】
この構成において、例えば、抵抗体選択手段で選択した帯状抵抗体に、充電制御手段によって前記帯状抵抗体に充電した電圧を積分手段で積分することで、積分手段の内部構成部分である演算増幅器の周波数特性が悪くても、積分手段の出力は安定する。
【0020】
【発明の実施の形態】
(実施例1)
以下本発明にかかる座標位置入力装置の一実施例について図面を参照しながら説明する。
【0021】
図1に示すように、操作者が指などで接触する基板1上にはx軸(水平)方向にx1〜xnの帯状抵抗体(それぞれ抵抗R)が配置してある。帯状抵抗体の上端には抵抗体選択手段2aが、帯状抵抗体の下端には抵抗体選択手段2bが接続し、抵抗体選択手段2aは充電制御手段3aに、抵抗体選択手段2bは充電制御手段3bに接続している。充電制御手段3aは演算増幅器とコンデンサCaで構成されている第1の積分手段4aにも接続し、充電制御手段3bは演算増幅器とコンデンサCbで構成されている第2の積分手段4bにも接続している。本発明の座標位置演算制御手段にほぼ対応する制御手段5の指令により前記抵抗体選択手段2aは、帯状抵抗体のただ1つを選択する。また、充電制御手段3aは第1の積分手段4aまたはリファレンス電圧(Vref)を切り替え、前記帯状抵抗体と接続する。前記抵抗体選択手段2bは、充電制御手段3bに接続した第2の積分手段4bまたはリファレンス電圧を切り替え、前記帯状抵抗体と接続する。第1の積分手段4aおよび第2の積分手段4bの出力は、比較演算手段6によって各々の出力電圧を比較演算し、制御手段5に入力する。なお基板1上の帯状抵抗体のそれぞれ両端は指を近接させない未使用部を設けている。この理由は帯状抵抗体の両端に近い部分に指が触れた場合には、帯状抵抗体と指の接触部容量で形成する時定数が小さくなってしまうため測定誤差が生じるためである。
【0022】
次に基板1の動作原理の詳細を説明する。図1に図示したように帯状抵抗体xnに絶縁体(図示せず)を介して操作者の指7が触れられた場合の、指位置検出方法を図2に示したフローチャートに従い以下に示す。
【0023】
y軸(垂直)方向の指位置検出は、まず、ステップ11で、帯状抵抗体を選択する変数iの初期値としてi=1とする。ステップ12では抵抗体選択手段2aおよび抵抗体選択手段2bで帯状抵抗体xiを選択し、ステップ13で充電制御手段3aおよび充電制御手段3bによりリファレンス電圧を帯状抵抗体に充電する。続いて、ステップ14で充電制御手段3aおよび充電制御手段3bにより抵抗体選択手段2aおよび抵抗体選択手段2bを、それぞれ第1の積分手段4aおよび第2の積分手段4bに接続し、ステップ15で帯状抵抗体と第1の積分手段4aおよび第2の積分手段4bを切り離す。ステップ14とステップ15が実行している間、第1の積分手段4aおよび第2の積分手段4bによって積分がおこなわれる。ステップ16で第1の積分手段4aの出力電圧Eoaiおよび第2の積分手段4bの出力電圧Eobiを検出する。続いてステップ17で帯状抵抗体が最後まで選択されたかどうかを判断して、最後まで選択されていないときにはステップ18で変数iを1つ増やし、抵抗体選択手段2aおよび抵抗体選択手段2bで帯状抵抗体x2、x3、・・、xnと順次切り替えて、第1の積分手段4aの電圧Eoa2、Eoa3、・・、Eoan、および第2の積分手段4bの電圧Eob2、Eob3、・・、Eobnを検出していく。最後にステップ17により帯状抵抗体が最後まで選択したら、ステップ19でx軸方向とy軸方向を計算する。
【0024】
次に、指位置検出の原理について説明する。y軸方向の指位置検出は、帯状抵抗体xiを選択した時の電圧EoaiおよびEobiは、帯状抵抗体にコンデンサが存在しないときにはリファレンス電圧が充電されずに
Eoai = Eobi = 0 (5)
となる。その時間変化は図3のようになる(実際には回路の内部容量で電圧変動がみられるが図では省略する)。
【0025】
次に、帯状抵抗体に操作者の指7が触れられているとき、指から人体を通ってグラウンドに至る経路が一種のコンデンサ(容量C)となる。ここで、抵抗体選択手段2aから操作者の指7の触れた位置までの距離をy1i、抵抗をR1i、操作者の指7の触れた位置から抵抗体選択手段2bまでの距離をy2i、抵抗をR2iとし、コンデンサすなわち操作者の指7にかかる電圧をEc、第1の積分手段のコンデンサ容量をCa、第2の積分手段のコンデンサ容量をCbとすると、次の関係が成り立つ。
【0026】
R = R1i + R2i (6)
y1i : y2i = R1i : R2i (7)
また、電圧Eoaiは、
Eoai = - 1 / (R1iCa)∫Ecdt (8)
となり、この時間変化は図4のようになる。
電圧Eobiも同様に
Eobi = - 1 / (R2iCb)∫Ecdt (9)
となる。
【0027】
ここで第1の積分手段4aのコンデンサ容量Caと第2の積分手段4bのコンデンサ容量Cbを同一であるとき、式(8)および式(9)よりEoaiとEobiの比は、R1iとR2iによってのみ決まるため、指のy軸方向の位置は、式(7)の関係より求められる。
【0028】
x軸方向の指位置検出は、帯状抵抗体xiをスキャンして浮遊容量以上の過渡応答が存在するものを選びだす。指の触れた帯状抵抗体xiのうち設定した値以下の電圧値EoaiまたはEoaiが検出できたもの(以下ONの抵抗体と略す)を選び出す。検出精度を高くとるため通常は指の接触幅に比較して十分に細かい間隔で帯状抵抗体を配置しているためONの抵抗体がただ1つであることはなく隣接してONの抵抗体が存在する。そして指の圧力やx軸方向の指の相対位置によって隣接のONの抵抗体の数は変化する。これらのx座標値は平均、あるいは指の形状を円形と仮定して中心位置などを求め、指の触れたx軸方向の位置とする。
【0029】
なお、本実施例では、第1の積分手段4aおよび第2の積分手段4bの動作として積分を1回だけおこなった例を示したが、図5に示すように積分を多数回(図5では3回)おこなって加算平均することで、精度を上げることができる。
【0030】
また、本実施例では、第1の積分手段4aおよび第2の積分手段4bの構成を演算増幅器とコンデンサを用いたが、他の回路構成で積分手段を構成してもよい。
【0031】
なお、本実施例では操作者の指7で説明をおこなったが、帯状抵抗体間のピッチよりも大きい接触範囲を持つ導電性のペンを用いても同様の効果を有する。
【0032】
(実施例2)
以下本発明にかかる座標位置入力装置の第2の実施例について説明する。
【0033】
図6に示すように、本実施例は前述実施例1の構成に、内部に可変抵抗を有し第1の積分手段4aの出力を変化させる出力電圧制御手段21aおよび第2の積分手段4bの出力を変化させる出力電圧制御手段21bを設け、第1の積分手段4aおよび第2の積分手段4bの各出力を比較する比較手段22を設けた構成としている。
【0034】
次に、動作について図7のフローチャートに従い説明する。y軸(垂直)方向の指位置検出は、まず、ステップ31で、帯状抵抗体を選択する変数iの初期値としてi=1とする。ステップ32では抵抗体選択手段2aおよび抵抗体選択手段2bで帯状抵抗体xiを選択し、ステップ33で充電制御手段3aおよび充電制御手段3bによりリファレンス電圧を帯状抵抗体に充電する。ステップ34では出力電圧制御手段21aの可変抵抗の抵抗値Raおよび出力電圧制御手段21bの可変抵抗の抵抗値Rbを初期化する。初期値は、帯状抵抗体の抵抗値Rの半分が望ましい。続いて、ステップ35で充電制御手段3aおよび充電制御手段3bにより抵抗体選択手段2aおよび抵抗体選択手段2bを、それぞれ第1の積分手段4aおよび第2の積分手段4bに接続し、ステップ36で帯状抵抗体と第1の積分手段4aおよび第2の積分手段4bを切り離す。ステップ35とステップ36が実行している間、第1の積分手段4aおよび第2の積分手段4bによって積分がおこなわれる。ステップ37で比較手段22により第1の積分手段4aの出力電圧Eoaiおよび第2の積分手段4bの出力電圧Eobiを比較し、電圧Eoaiが電圧Eobiより低い場合にはステップ38で出力電圧制御手段21aの可変抵抗の抵抗値Raを上げ、出力電圧制御手段21bの可変抵抗の抵抗値Rbを下げる。また、電圧Eoaiが電圧Eobiより高い場合にはステップ39で出力電圧制御手段21aの可変抵抗の抵抗値Raを下げ、出力電圧制御手段21bの可変抵抗の抵抗値Rbを上げる。電圧Eoaiと電圧Eobiが同じである場合に、ステップ40で出力電圧制御手段21aの可変抵抗の抵抗値Raと出力電圧制御手段21bの可変抵抗の抵抗値Rbとの比を計算する。続いてステップ41で帯状抵抗体が最後まで選択されたかどうかを判断し、最後まで選択されていないときにはステップ42で変数iを1つ増やし、抵抗体選択手段2aおよび抵抗体選択手段2bで帯状抵抗体x2、x3、・・、xnと順次切り替えて、各帯状抵抗体での出力電圧制御手段21aの可変抵抗の抵抗値Raと出力電圧制御手段21bの可変抵抗の抵抗値Rbとの比を計算していく。最後にステップ41により帯状抵抗体が最後まで選択したら、ステップ43でx軸方向とy軸方向を計算する。
【0035】
次に、指位置検出の原理について説明する。y軸方向の指位置検出は、帯状抵抗体xiを選択した時の電圧EoaiおよびEobiは、帯状抵抗体にコンデンサが存在しないときには電圧が充電されずに
Eoai = Eobi = 0 (10)
となる。
【0036】
次に、帯状抵抗体に操作者の指7が触れられているとき、指から人体を通ってグラウンドに至る経路が一種のコンデンサ(容量C)となる。出力電圧制御手段21aの可変抵抗の抵抗値をRai、出力電圧制御手段21bの可変抵抗の抵抗値をRbiとすると、出力電圧制御手段21aと出力電圧制御手段21bは式(11)の関係式に従って制御する。
【0037】
Rai + Rbi = R (11)
さらに、抵抗体選択手段2aから操作者の指7の触れた位置までの距離をy1i、抵抗をR1i、操作者の指7の触れた位置から抵抗体選択手段2bまでの距離を y2i、抵抗をR2iとし、コンデンサにかかる電圧をEc、第1の積分手段のコンデンサ容量をCa、第2の積分手段のコンデンサ容量をCbとすると次の関係が成り立つ。
【0038】
R = R1i + R2i (12)
y1i : y2i = R1i : R2i = Rbi : Rai (13)
また、電圧Eoaiは、
Eoai = - 1 / [(R1i + Rai)Ca]∫Ecdt (14)
である。
電圧Eobiも同様に
Eobi = - 1 / [(R2i + Rbi)Cb]∫Ecdt (15)
となる。
【0039】
ここで第1の積分手段4aの積分定数Caと第2の積分手段4bの積分定数Cbは同一値であるとき
Eoai = Eobi (16)
となるように、式(11)、式(14)および式(15)を満たしながらRaiとRbiを変化させる。式(16)を満たすとき、式(13)よりRaiとRbiを比較することによって、指のy軸方向の位置は求められる。
【0040】
x軸方向の指位置検出は、帯状抵抗体xiをスキャンして浮遊容量以上の過渡応答が存在するものを選びだす。指の触れた帯状抵抗体xiのうち設定した値以下の電圧値EoaiまたはEoaiが検出できたもの(以下ONの抵抗体と略す)を選び出す。検出精度を高くとるため通常は指の接触幅に比較して十分に細かい間隔で帯状抵抗体を配置しているためONの抵抗体がただ1つであることはなく隣接してONの抵抗体が存在する。そして指の圧力やx軸方向の指の相対位置によって隣接のONの抵抗体の数は変化する。これらのx座標値は平均、あるいは指の形状を円形と仮定して中心位置などを求め、指の触れたx軸方向の位置とする。
【0041】
以上のように本実施例によれば、前述実施例1と同様の効果が得られる。
【0042】
なお、本実施例では前述実施例1と同様に、第1の積分手段4aおよび第2の積分手段4bの動作として積分を1回だけおこなった例を示したが、積分を多数回おこなって加算平均することで、精度を上げることができる。
【0043】
(実施例3)
以下本発明にかかる座標位置入力装置の第3の実施例について説明する。なお、図8に示す実施例3は、図1に示した実施例1または図6に示した実施例2の構成に、第1の積分手段4aの入力側にアナログスイッチ46aと減算手段47aを設けた構成としている。アナログスイッチ46aは充電制御手段3aと連動し、帯状抵抗体が第1の積分手段4aと接続している間、すなわち帯状抵抗体に充電した電圧が第1の積分手段4aに入力している間、第1の積分手段4aと減算手段47aを接続する。減算手段47aは、回路の内部容量による第1の積分手段4aの電圧変動分を減算してキャンセルするものである。
【0044】
一般に、回路を構成すると回路には内部容量が存在するが、通常の回路では内部容量を無視して考えても差し支えない。しかし積分手段のように容量によって出力が変化する回路においては、前記帯状抵抗体の一部を迂回して近接する物体の対地容量が小さい場合に無視できなくなることがある。この場合に、本実施例のように対地容量以外の容量を減算する減算手段47aを設けることで、前記物体の対地容量が小さくても検出が可能となる。
【0045】
なお、図示していないが、第2の積分手段4bにも第1の積分手段4aと同様にアナログスイッチおよび減算手段を設けている。
【0046】
以上のように本実施例によれば、上記実施例1および実施例2よりもさらに感度よく安定した出力を得て、それを供給することができるという効果を有する。従って、指の接触位置の座標位置がより精度良く検出でき得る。
【0047】
上記実施例によれば、基板上に設けた帯状抵抗体と、前記帯状抵抗体を選択する抵抗体選択手段と、前記帯状抵抗体に電圧を加える充電制御手段と、前記帯状抵抗体に加わった電圧を積分して出力する前記帯状抵抗体の両端に接続した第1の積分手段と第2の積分手段と、比較演算手段とを設けた構成により、周波数特性の悪い演算増幅器でも安定した出力を得て、それを供給することができるという優れた座標位置入力装置を実現できるものである。
【0048】
尚、本発明の充電制御手段は、上記実施例では、指の接触位置の座標位置がより精度良く検出できるようにとの趣旨から、抵抗体選択手段2aに接続された充電制御手段3aと、抵抗体選択手段2bに接続された充電制御手段3bとを使用し、双方からリファレンス電圧を印加する場合について説明したが、これに限らず例えば、リファレンス電圧は、何れか一方の抵抗体選択手段から、帯状抵抗体に対して印加される構成でもかまわない。又、リファレンス電圧の印加が行われる場所については、要するに、帯状抵抗体に対してその電圧が印加されさえすれば、どこの場所から印加が行われてもよい。
【0049】
又、上記実施例では、帯状抵抗体のただ1つを選択する抵抗体選択手段2a,2bを使用する場合について説明したが、上記抵抗体選択手段は、なくてもかまわない。この場合、第1及び第2の各々の積分手段は、帯状抵抗体の数と同じ数だけ、各帯状抵抗体に接続されている必要がある。このようにしても上記と同様の効果が得られる。
【0050】
【発明の効果】
以上の説明からも明らかなように本発明は、従来に比べてより一層安定した出力を供給することができるという長所を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における一実施例の座標位置入力装置の動作説明のための略示構成図
【図2】本発明の座標位置入力装置のフローチャート
【図3】本発明の座標位置入力装置の無接触時の検出原理図
【図4】本発明の座標位置入力装置の接触時の検出原理図
【図5】本発明の実施例2の座標位置入力装置の接触時の検出原理図
【図6】本発明の実施例2の座標位置入力装置の動作説明のための略示構成図
【図7】本発明の実施例2の座標位置入力装置のフローチャート
【図8】本発明の実施例3の座標位置入力装置の減算手段の説明のための略示構成図
【図9】従来例における座標位置入力装置の動作説明のための略示構成図
【図10】従来例の座標位置入力装置の無接触時の検出原理図
【図11】従来例の座標位置入力装置の位置検出の等価回路図
【図12】従来例の座標位置入力装置の接触時の検出原理図
【符号の説明】
1 基板
2a,2b 抵抗体選択手段
3a,3b 充電制御手段
4a 第1の積分手段
4b 第2の積分手段
6 比較演算手段
Claims (5)
- 複数の帯状抵抗体を用いて物体に関する座標位置を入力する座標位置入力装置であって、
前記物体が接触または近接可能となるように、基板上に配設された複数の帯状抵抗体と、
前記複数の帯状抵抗体のいずれかに前記物体が接触または近接された際、そのいずれかの帯状抵抗体から前記物体を介してグラウンドとの間に形成される対地容量に対して、前記帯状抵抗体を介して充電するために電圧を印加する充電制御手段と、
前記複数の帯状抵抗体のそれぞれの一端及び他端を切換え且つ選択可能とする抵抗体選択手段と、
前記選択される帯状抵抗体の一端に前記抵抗体選択手段を介して接続され、前記充電制御手段による前記対地容量に対する充電をやめたあとの前記対地容量の放電電圧について積分処理を行う第1の積分手段と、
前記選択される帯状抵抗体の他端に前記抵抗体選択手段を介して接続され、前記充電制御手段による前記対地容量に対する充電をやめたあとの前記対地容量の放電電圧について積分処理を行う第2の積分手段と、
前記第1及び第2の積分手段の出力に基づいて、前記物体の前記接触または近接の座標位置を求める座標位置演算制御手段と、
を備えた座標位置入力装置。 - 前記帯状抵抗体の長軸方向の座標値については、前記座標位置演算制御手段が前記第1及び第2の積分手段の出力を演算して求めた前記座標位置から得られ、
前記帯状抵抗体の短軸方向の座標値については、前記帯状抵抗体をスキャンして選択した隣接帯状抵抗体相互の電圧変化を利用して得る請求項1記載の座標位置入力装置。 - 前記充電制御手段と、前記第1の積分手段および第2の積分手段とのそれぞれの間に接続され、可変抵抗を内部に有する出力電圧制御手段と、
前記第1の積分手段および第2の積分手段の出力を比較する比較手段とを備え、
前記出力電圧制御手段は、帯状抵抗体の長軸方向の座標値については、可変抵抗の抵抗値を増減して第1の積分手段および第2の積分手段の各々の出力電圧が同一電圧とする制御をおこない、その時の可変抵抗の抵抗値を比較して、前記帯状抵抗体に物体が接触または近接された座標位置を演算して求める請求項1記載の座標位置入力装置。 - 前記第1の積分手段および第2の積分手段において、1つの帯状抵抗体に対する積分を複数回おこなって加算平均し、
前記座標位置演算制御手段は、前記加算平均を利用して前記座標位置を求める請求項1記載の座標位置入力装置。 - 前記第1,第2の積分手段の入力側にそれぞれ並列にON/OFF可能な減算手段を更に備え、
この減算手段は、前記第1,第2の積分手段の内部容量による電圧変動分を減算してキャンセルする請求項1記載の座標位置入力装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP23946995A JP3762804B2 (ja) | 1995-09-19 | 1995-09-19 | 座標位置入力装置 |
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