JP3761799B2 - 住宅減震用基礎構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、地震発生時に水平振動を軽減して住宅の破壊を防止するための住宅減震用基礎構造に関し、特に戸建住宅に適した安価な住宅減震用基礎構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
これまで、地震による建築物の破壊を防止するための手段としては、免震装置が知られている。例えば、ビルのような大型の建築物における免震装置としては、円盤状の鉄板とゴムとを重ね合わせて構成した積層ゴムが知られている。しかし、このような積層ゴムは、重量の大きな構造物には適しているが、戸建住宅のような、ビルに比べて軽量の構造物には適していない。
【0003】
そこで、戸建住宅用の免震装置として、例えばボールベアリング支承によるものが提供されている。これは、住宅とその基礎部との間に、ボールベアリングによる支承部を設けて構成される。ボールベアリングによる支承部は複数箇所に設けられる。基礎部にはボールベアリングにおける剛性の球体を受けるための受皿が設けられ、受皿の上面は通常、凹面状に形成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、球体は剛性を持つとは言え、一点支持であるため、欠けのような損傷を生じ易い。これを防ぐためには、ボールベアリングによる支承部1箇所当たりの荷重を減らす必要がある。これは、ボールベアリングによる支承部の数が増加することを意味する。
【0005】
一方、地震による建築物の破壊を防止するための他の手段として、制震装置が知られている。一例をあげると、シリンダ内に収容した鉛の塑性流動抵抗力を利用したものがある。これは、シリンダ内の鉛の中を動く突起を有するロッドの相対運動により、シリンダ内の鉛が塑性変形を起こし、振動エネルギーを吸収するものである。このような制震装置は、戸建住宅の場合であっても複数個必要となる。
【0006】
いずれにしても、上記のような構造の免震装置や制震装置は高価であり、住宅価格の上昇を招いている。
【0007】
そこで、本発明の課題は、戸建住宅のような構造物に適し、安価で提供できる住宅減震用基礎構造を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明による住宅減震用基礎構造は、住宅が構築される地盤に形成された地盤側基礎と、住宅の下部に構成され、前記地盤側基礎の上に置かれる住宅側基礎と、前記地盤側基礎と前記住宅側基礎との間に設けられた少なくとも1つの摩擦軽減機構とを含み、該摩擦軽減機構は、前記地盤側基礎に設けられた所定の面積を持つ板材と、前記住宅側基礎における前記板材に対応する箇所に設けられて前記板材の上を前記住宅側基礎と共にスライド可能な滑動部材とを含み、前記滑動部材は鋼材等の金属、セラミック、樹脂体のいずれか、あるいはそれらの下面の少なくとも一部に摩擦軽減用の樹脂材を固着または塗料を塗布したものであり、前記板材は鋼板等の金属板、セラミック板、樹脂板、石板、コンクリート板のいずれか、あるいはそれらの上面の少なくとも一部に摩擦軽減用の樹脂材を固着または塗料を塗布したものであることを特徴とする。
【0010】
また、前記滑動部材は更に、前記鋼材等の金属、セラミック、樹脂体のいずれかの上面側に減震部材を有することが好ましい。
【0011】
本住宅減震用基礎構造においては、前記住宅側基礎における前記滑動部材の設置箇所には前記滑動部材より大きな第1の貫通穴が設けられ、該貫通穴の下側の縁部には前記滑動部材を受けるための第1の受け部が設けられると共に、ジャッキの作動部を受けるための第2の受け部が設けられる。前記第1の貫通穴は前記板材より大きな開口面積を持つ穴である。
【0012】
本住宅減震用基礎構造においてはまた、前記住宅側基礎には更に、前記第1の貫通穴とは別の位置に第2の貫通穴が設けられ、該第2の貫通穴に対応する前記地盤側基礎には、地震に伴って前記住宅側基礎が所定距離以上移動した際に該第2の貫通穴の縁部と係合してその移動を阻止するためのストッパが設けられていても良い。
【0013】
前記地盤側基礎と前記住宅側基礎との間に更に、一方を前記地盤側基礎に固定し他方を前記住宅側基礎に固定した振幅制限機構を少なくとも1個設けても良く、前記振幅制限機構は、前記住宅側基礎に第3の貫通穴を設け、下端側に前記地盤側基礎に固定された第1の部材を有すると共に、上端側には前記住宅側基礎に固定された第2の部材を有する複数本の略螺旋形状の鋼棒を前記第3の貫通穴を通して設置するようにして構成される。
【0014】
前記地盤側基礎は上面に平坦部を持つベタ基礎、布基礎あるいはそれらの組合わせによる基礎であり、前記住宅側基礎は、前記地盤側基礎の平坦部と対応する箇所に平坦部を持つベタ基礎、布基礎あるいはそれらの組合わせによる基礎である。そして、前記地盤側基礎、前記住宅側基礎にはそれぞれ、少なくとも一方に補強部として地中梁、地上梁が一体的に形成されていることが好ましい。
【0015】
本住宅減震用基礎構造においては、前記摩擦軽減機構における摩擦係数を0.01〜0.2の範囲とすることにより、地震に起因して前記地盤側基礎が水平振動した時、この水平振動が前記住宅側基礎に軽減されて伝達され、しかも所定の最大片振幅以内で振動するようにできる。
【0016】
また、前記地盤側基礎と前記住宅側基礎との間にできる隙間は、前記住宅側基礎の外縁部においてシール材により塞ぐようにした方が好ましい。
【0017】
更に、前記地盤側基礎と前記住宅側基礎の間には更に、住宅への風圧による前記住宅側基礎のずれを防ぐために、風圧によるあらかじめ決められた値未満の横ずれ力では前記住宅側基礎のずれを阻止し、地震による前記あらかじめ決められた値以上の横ずれ力で前記阻止が解除される風圧トリガーを少なくとも1つ設けることが好ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明による住宅減震用基礎構造は、これまでのような免震装置や制震装置の考え方とは異なる形態で、地震発生時に想定される水平振動を減らすようにした点に特徴がある。特に、本発明による住宅減震用基礎構造によれば、地震発生時の加速度(Gal)があらかじめ定められた値を越えた時に、住宅部分が、減震されたうえで水平振動するようにすることもできる。
【0019】
以下に、本発明の第1の実施の形態について説明する。図1を参照して、第1の実施の形態による住宅減震用基礎構造は、住宅10が構築される地盤20に形成された地盤側コンクリート基礎30と、住宅10の下部に一体的に構成されて地盤側コンクリート基礎30の上に置かれる住宅側コンクリート基礎40と、地盤側コンクリート基礎30と住宅側コンクリート基礎40との間に設けられた複数の摩擦軽減機構50(図1では2個のみ図示)とを含む。住宅用減震基礎構造は、地震に起因して地盤側コンクリート基礎30が水平振動した時、この水平振動を住宅側コンクリート基礎40に軽減して伝達し、しかもあらかじめ定められた最大片振幅(例えば35cm)以内で振動するように構成したことを特徴とする。摩擦軽減機構50については、後で詳しく説明する。
【0020】
地盤側コンクリート基礎30について言えば、図1に示すようなベタ基礎の他、図2(a)に示すように、所定厚(例えば20cm)のコンクリートによるベタ基礎の下側に、補強部として複数の地中梁30−1を設けたものや、図2(b)に示すように、所定厚(例えば20cm)のコンクリートによるベタ基礎の下側に、井桁状に地中梁30−2を設けたものがある。しかし、上面の一部に平坦面があり、地盤側の基礎として要求される強度を満足するものであればその構造は問わない。例えば、後述されるような布基礎や、布基礎とベタ基礎との組合わせでも良い。ベタ基礎部分には鉄筋が組み込まれ、特に地中梁にはダブル鉄筋が組み込まれるのが好ましい。
【0021】
住宅側コンクリート基礎40について言えば、図3(a)に示すように、所定厚(例えば20cm)のコンクリートによるベタ基礎の上面側の周囲の部分に布基礎40−1を設け、この布基礎40−1内に更に補強部として井桁状の地上梁40−2を設けたものがある。また、図3(b)に示すように、ベタ基礎の部分に穴40−3を設けたものでも良い。つまり、この住宅側コンクリート基礎40についても、下面の一部に平坦面を持ち、住宅側の基礎として要求される強度を満足するものあればその構造は問わない。但し、住宅側コンクリート基礎40の下面側平坦面は、その少なくとも一部が、地盤側コンクリート基礎30の上面側平坦面と合わさるようにようにする必要がある。これは、地盤側コンクリート基礎30の上面側平坦面部と住宅側コンクリート基礎40の下面側平坦面部との間に、摩擦軽減機構50を設ける必要があるからである。住宅側コンクリート基礎40においても、ベタ基礎部分は勿論のこと、布基礎40−1及び補強部40−2にはダブル鉄筋が組み込まれるのが好ましい。
【0022】
住宅側コンクリート基礎40は、住宅10の下部に一体化されるが、これは、住宅側コンクリート基礎40を形成した後に、この上に住宅10が作られるという順序を経る。
【0023】
なお、地盤側コンクリート基礎30と住宅側コンクリート基礎40とについていくつかの例をあげたが、これらはかならずしもコンクリート製である必要は無い。例えば、図3(b)に示されるような基礎の場合、鋼材、特にH形鋼のような材料でも良い。例えば、H形鋼を使用する場合、互いに平行な2枚の板部分の一方が下側、他方が上側になるように配置される。このような材料の使用は、後述される実施の形態でも同様に適用可能である。また、地盤側コンクリート基礎30、住宅側コンクリート基礎40はいずれも、図2、図3に示すような長方形の平面形状に限られるものではなく、住宅の平面形状に合わせて作られる。通常、地盤側コンクリート基礎40は、面積において住宅側コンクリート基礎40と同等以上の大きさにされる。
【0024】
図4、図5を参照して、本発明の第1の実施の形態による摩擦軽減機構50について説明する。地盤側コンクリート基礎30の複数箇所に板材52が設けられる。板材52は、鋼材、特に鋳物による板、セラミック板、機械的強度の大きな、例えばガラスエポキシ樹脂のような樹脂板、石板、コンクリート板のように機械的強度の優れたものであれば良く、これらの上面は所望の摩擦係数が得られるように研磨される。鋳物が好ましいのは、錆が発生したとしても内部まで浸透しにくいからである。また場合によっては、上記の材料の上面の少なくとも一部に、所望の摩擦係数を得るために、合成樹脂(例えば四フッ化エチレン、ナイロン)や熱硬化性樹脂を塗布固着または塗料として塗布したものでも良い。なお、ここでいう塗布固着というのは、熱硬化性樹脂のように塗布した後固化させる場合や、樹脂膜あるいは樹脂板を接着剤により接着することや板材に窪みをつけてはめ込むことを含むものとする。そして、合成樹脂や熱硬化性樹脂には、補強材、潤滑剤のようなものが混合されても良い。また板材52の大きさは、前に述べた最大片振幅を考慮して、例えば一辺が50cm程度の四角形状にされる。
【0025】
板材52に対応した住宅側コンクリート基礎40には板材52よりも大きな開口面積を持つ第1の貫通穴40aが設けられる。第1の貫通穴40aの大きさは、例えば一辺60cm程度の四角形状である。そして、第1の貫通穴40aの1つの開口縁の下部側には滑動部材53が取り付けられる。ここでは、第1の貫通穴40aの1つの開口縁の下部側に、滑動部材53を収容できる程度の凹部40bを設けることで、この凹部40bに滑動部材53を取り付けるようにしている。なお、滑動部材53はその下面側が所定厚分(通常、1cm以上)だけ住宅側コンクリート基礎40の下面から突出し、この突出部分が板材52の上に置かれるように構成されている。第1の貫通穴40aの他の開口縁の下部側にも、所定大の凹部40cが設けられている。この凹部40cの用途については後述する。
【0026】
なお、図3(b)に示すような住宅側コンクリート基礎40の場合には、穴40−3を第1の貫通穴40aとして利用することができる。
【0027】
滑動部材53の材料は、例えば金属、特に鋼材、セラミック、強化プラスチックのような樹脂体等が好ましい。滑動部材53の下端面は平坦になるように加工される。これは、板材52との間の摩擦係数を所望の値にするためである。したがって、滑動部材53についてもその下面の少なくとも一部に、所望の摩擦係数を得るために、合成樹脂(例えば四フッ化エチレン、ナイロン)や熱硬化性樹脂を塗布固着または塗料を塗布したものでも良い。前に述べたように、この場合の合成樹脂や熱硬化性樹脂にも補強材、潤滑剤のようなものが混合されても良い。滑動部材53の大きさは、前に述べた最大片振幅を考慮して、例えば一辺15cm程度の四角形状で厚さが2〜10cm程度である。また、滑動部材53と住宅側コンクリート基礎40との間は、必要に応じて接着剤により接着される。
【0028】
いずれにしても、上記の各部材は、所望の機械的強度を得られる材料であれば良く、またセラミックは特に、金属セラミックが好ましい。これは以降のすべての実施の形態にも当てはまる。
【0029】
本形態による摩擦軽減機構50は、以下のようにして組み込まれ、地震発生時には以下のように作用する。はじめに、戸建住宅の建設用地に地盤側コンクリート基礎30が作られる。地盤側コンクリート基礎30のコンクリートが固まったら、その上にビニールシートのようなものを敷き、住宅側コンクリート基礎40を作る。これは、周知の方法、例えば地盤側コンクリート基礎30上に型枠を形成すると共に鉄筋を組み込み、その中にコンクリートを流し込んで形成される。この時、凹部40b、40cを持つ第1の貫通穴40aも形成される。
【0030】
ビニールシートのようなものを敷くのは、地盤側コンクリート基礎30に住宅側コンクリート基礎40のコンクリートが固着してしまうのを防ぐためであるが、第1の貫通穴40aに対応する領域はあらかじめ切り取られているのが好ましい。住宅側コンクリート基礎40のコンクリートが固まったら、型枠を除去する。
【0031】
続いて、第1の貫通穴40aの凹部40cに油圧ジャッキのようなジャッキの作動部を当てて住宅側コンクリート基礎40を持ち上げる。つまり、凹部40cはジャッキの作動部を受けるためのものであり、この凹部40cの周囲は、鉄筋の量を多くするというような手段で機械的強度を高くすることが好ましい。第1の貫通穴40aは複数個設けられるので、ジャッキも複数個用いられる。住宅側コンクリート基礎40を地盤側コンクリート基礎30の上面より所定距離(数cm程度)浮上させた状態で、第1の貫通穴40aを通して地盤側コンクリート基礎40上に板材52を置くと共に、凹部40bに滑動部材53を装着する。これを複数の摩擦軽減機構50のすべてについて行う。この後、ビニールシートを除去したうえで、ジャッキによる持ち上げを解除して住宅側コンクリート基礎40を降ろす。ジャッキはすべて取り外される。この結果、住宅側コンクリート基礎40及びこの上に構築される住宅は、住宅側コンクリート基礎40の下面が地盤側コンクリート基礎30の上面からわずかに浮き上がった状態で複数の滑動部材53により板材52上で支持されることになる。
【0032】
なお、ビニールシートについては、除去し易いように、地盤側コンクリート基礎30の大きさを持つ1枚のシートではなく、いくつかに分割したものを並べて敷くようにしても良い。一方、住宅側コンクリート基礎40は別場所、例えば地盤側コンクリート基礎30に隣接した場所で形成し、クレーン等で地盤側コンクリート基礎30上に配置する場合もあり得る。この場合はビニールシートは不要となる。
【0033】
上記のように、地盤側コンクリート基礎30と住宅側コンクリート基礎40との間に摩擦軽減機構50が介在していると、地震に起因して地盤側コンクリート基礎30が横揺れした場合、揺れが非常に小さければ住宅側コンクリート基礎40も小さく揺れる。これは板材52と滑動部材53との間に静摩擦があるからである。一方、横揺れがある一定範囲内では板材52が水平振動しても滑動部材53が板材52の上を滑ることで住宅側コンクリート基礎40側はほとんど揺れない。しかし、地震の加速度があらかじめ定められた値を越えると、横揺れの振幅が大きくなることで住宅側コンクリート基礎40が横揺れし始める。しかし、板材52と滑動部材53との間には滑りが生じるので、この横揺れは住宅側コンクリート基礎40に軽減されて伝達される。そして、地盤側コンクリート基礎30と住宅部分との総重量に基づいて摩擦軽減機構50における摩擦係数を選択することで、住宅側部分が所定の最大片振幅以内で振動するように構成することもできる。これを実現するための、摩擦軽減機構50における静摩擦係数の好ましい範囲は0.01〜0.2である。なお、動摩擦係数で言えば、通常、静摩擦係数より数十%小さくなる。
【0034】
本形態による摩擦軽減機構50は、住宅建築後であっても床板を外してジャッキをセットすれば、滑動部材53を持つ住宅側コンクリート基礎40を住宅部分と共にいつでも持ち上げ可能である。これにより、滑動部材53あるいは板材52の接触面に損傷が生じたり、板材52の上面にほこり等が溜まって滑りが悪くなった時に、滑動部材53あるいは板材52を交換したり、板材52の上面を清掃できる。
【0035】
ところで、上記の形態では、摩擦軽減機構50における摩擦係数を選択することで大地震の際の住宅側の振動幅を制限するようにしているが、地盤側コンクリート基礎30にストッパーを設けることで実現することもできる。これを、図6を参照して説明する。図6において、住宅側コンクリート基礎40における第1の貫通穴40aとは別の位置に第2の貫通穴40dを設ける。この第2の貫通穴40dの中心に対応する地盤側コンクリート基礎30には、住宅側コンクリート基礎40を形成する前に、ストッパーとしてのパイプ61をあらかじめ植設しておく。このパイプ61は十分な機械的強度を持つ、例えば金属材料で作られる。第2の貫通穴40dの大きさとパイプ61の径は、住宅側の振動幅の制限値に応じて決められることは言うまでもない。これは、大地震発生時に住宅側が水平方向に揺れた場合には、第2の貫通穴40dの縁とパイプ61とが衝突することで振動幅が制限されるからである。衝突時のショックを軽減するために、パイプ61の周囲にはクッション材62を巻いておくのが好ましい。
【0036】
ところで、本形態における基礎構造では、地震に起因して水平振動が生じると、住宅側コンクリート基礎40は住宅部分と共に、地盤側コンクリート基礎30に対して位置ずれが生じたままとなる場合がある。このような位置ずれは、特別な治具、例えば油圧ジャッキを用いて手動により復旧させることができる。
【0037】
図7は上記のストッパーのためのパイプ61を利用して復旧作業を行う場合の例を示している。図7において、パイプ61と第2の貫通穴40dの縁との間に、パイプ61に符合する凹部を持つ油圧ジャッキ用台座66と木材等による当板67とを介して油圧ジャッキ65を設ける。この構造によれば、住宅側部分を図7中の矢印方向に移動させることができる。
【0038】
図8は、住宅側コンクリート基礎40のベタ基礎部分に本形態による摩擦軽減機構と、ストッパーとを設置する場合の設置箇所の例を示した平面図であり、ここでは摩擦軽減機構のための第1の貫通穴40aを8箇所、ストッパーのための第2の貫通穴40dを2箇所に設けるようにしている。これらの個数は、住宅側コンクリート基礎の大きさや住宅部分の総重量に応じて異なることは言うまでもない。つまり、摩擦軽減機構50の設置個数は、その垂直方向の耐荷重特性により決まり、通常、1個当たり10トン程度の耐荷重性を持つように作ることができる。一方、ストッパーについては、摩擦軽減機構50の設置箇所の間に配置されるが、板材52との干渉を避け得るように設置できるのであれば第1の貫通穴40aを利用して構成されても良い。
【0039】
摩擦軽減機構50における構成要素について更に説明すると、樹脂板の場合、ベークライト材があげられる。金属の場合、鋼材に加えて、オイルレスメタルがあげられる。セラミックの場合、ガラスやレンガタイル等があげられる。塗料の場合、通常の塗料は、その摩擦係数が0.2〜1程度であるが、粒子状の摩擦軽減材(例えば、上記した四フッ化エチレン)を混合させることにより摩擦係数を0.1以下にすることができる。このような塗料は、ローラやはけ等で塗るだけでも良いし、更に熱処理を加えても良い。石材の場合、大理石や花崗岩等があげられる。これは、大理石や花崗岩等は表面を研磨することで摩擦係数を0.15以下にすることができるからである。勿論、このような板状のものに、上記した合成樹脂、熱硬化性樹脂材料を塗布固着したり、塗料として塗るようにしても良い。いずれにしても、摩擦軽減機構50は、特にその摩擦係数が0.01〜0.2の範囲内にあるように設計されれば良い。
【0040】
図9は、滑動部材53の例を示す。図9(a)は、上記した金属や樹脂性の板53−1の表面(板材52との接触面)に所定の摩擦係数を得るための表面処理部53−2を設けた例である。表面処理を熱硬化性樹脂材料による塗布固着により実現する場合、樹脂材料は、前に述べたように四フッ化エチレン、ナイロンのようなものの他、補強材、潤滑剤のようなものが混合されても良い。特に好ましい例をあげると、鋼板の表面に、熱硬化性樹脂、補強剤、潤滑剤、潤滑調整剤を組み合わせたものを塗布固着した場合、静摩擦係数0.157、動摩擦係数0.11が得られた。板材52もこのような表面処理部を持つが好ましい。図9(b)は、図9(a)の板53−1の上面側に更に、上下方向の振動を吸収するための上下振動防止板53−3を一体化した例である。上下振動防止板53−3の例としては、良く知られている減震用ゴム板がある。この上下振動防止板53−3の上面側に更に鋼板等の板が組み合わされるものもある。
【0041】
なお、住宅側コンクリート基礎40に凹部40bを設けずに、住宅側コンクリート基礎40の下面側に、図9(a)、図9(b)、更には図9(b)のものに板が組み合わされたものを直接取り付けるようにしても良い。
【0042】
ところで、これまでの説明は、摩擦軽減機構50における静摩擦係数が実質上0.1以上の場合を前提としている。勿論、静摩擦係数を0.1未満、例えば0.05程度に設定することもできる。静摩擦係数を0.05程度に小さく設定した場合には、小さな地震でも揺れが生じず、大地震の場合の減震作用が向上する反面、滑り易くなるので、風速の大きな風の風圧を受けた場合に住宅がずれてしまうようなことが起こり得るのでこの対策が必要となる。また、大地震時には、所定の振動幅を越える前に地震のエネルギーを徐々に吸収してゆくことが要求される。
【0043】
このような要求を満たす振幅制限機構の一例として、減震ダンパーについて図10を参照して説明する。図10において、減震ダンパー70は住宅側コンクリート基礎40に第3の貫通穴40eを設けることで構成される。減震ダンパー70は、複数本(ここでは4本)の略螺旋形状の鋼棒77を用いている。これら複数本の略螺旋形状の鋼棒77の上下両端にはそれぞれ上板78−1、下板78−2が取り付けられている。鋼棒77は約1周回分の長さを持ち、従って上板78−1と下板78−2に対する取り付け固定位置は、ほぼ対向し合う位置となる。上板78−1は住宅側コンクリート基礎40の第3の貫通穴40eより大きくして住宅側コンクリート基礎40にボルトやケミカルアンカー等で固定する。下板78−2は地盤側コンクリート基礎30にボルトやケミカルアンカー等で固定する。上板は棒状のものでも良い。このような減震ダンパー70によると、風圧による住宅のずれ防止機能に加えて、鋼棒77が弾性を呈することから地震発生時の横揺れのエネルギーを吸収する効果がある。
【0044】
なお、この種の減震ダンパーは、通常、鋼棒77のサイズ、特に高さ方向のサイズが決まっているものが多い。このため、住宅側コンクリート基礎40の厚さが大きく、上板78−1が住宅側コンクリート基礎40の上端側に届かないような場合には、第3の貫通穴40eの内壁に補助板を水平方向に植設し、この補助板に上板78−1を固定するようにすれば良い。これとは別に、地盤側コンクリート基礎30と住宅側コンクリート基礎40との間に、凹部40b無しで図9 (b)に示すような厚さの大きい滑動部材53を介在させる場合には、地盤側コンクリート基礎30と住宅側コンクリート基礎40との間に、比較的大きい間隔ができることになる。このような場合には、減震ダンパー70を地盤側コンクリート基礎30と住宅側コンクリート基礎40との間に設けるようにしても良い。この場合、下板78−2の半分程度が第3の貫通穴40eの領域に出るようにして、この部分でボルトやケミカルアンカー等で下板78−2を固定地盤側コンクリート基礎30に固定し、上板78−1については、住宅側コンクリート基礎40における第3の貫通穴40eの縁部に補助板を設けてこの補助板に上板78−1を固定するようにすれば良い。
【0045】
風圧によるずれ防止の別の対策としては、風力トリガーとも呼ぶべきものがある。図11(a)を参照して、地盤側コンクリート基礎30に凹部30aを設け、この凹部30aには支持板81を介してボール受け82を設置する。ボール受け82は円錐形状の凹部による受け部を持ち、この受け部にボール83が載置されている。一方、これに対向する住宅側コンクリート基礎40には、貫通穴40hを設け、その壁部にボルト、ナットで取り付けられた取り付け板85を介してボール保持部84を設置する。ボール保持部84はボール83を収容可能な円柱状の凹部を持ち、ボール受け82の凹部とボール保持部84の凹部とでボール83を保持している。
【0046】
この風力トリガーは、風圧に起因するあらかじめ決められた値未満の横ずれ力ではボール83はボール受け82の凹部からは外れないが、大地震によりあらかじめ決められた値以上の大きな横ずれ力が作用した場合には、ボール83がボール受け82の凹部から外れて凹部30aに落下するように設計されている。このために、凹部30aは落下したボール83が地盤側コンクリート基礎30の上面からはみ出ないような大きさにする。
【0047】
勿論、大地震によりこの風力トリガーが作用した場合には、復旧後にボール83をボール受け82の凹部に戻す作業が必要となる。これは、ナットを外して取り付け板85を貫通穴40hから取り外すようにして行われる。なお、ボール保持部84の凹部側では、ゴム板のような減震部材を介してボール83を受けるようにしても良い。また、このような風力トリガーは前に述べた第1の貫通穴を利用して設置されても良い。
【0048】
図11(b)は風圧トリガーの別の例を平面図で示したものであり、図6で説明したストッパーと組合わせて用いられる例である。つまり、第2の貫通穴40dの壁部とパイプ61との間に、複数の角形のブロック材86を介在させている。このブロック材86は、発泡ウレタンやゴム等の材料を使用してあらかじめ決められた値以上の応力が加わると破断するように作られている。ここでは、4つのブロック材86を4方向に延びるように設けているが、パイプ61と第2の貫通穴40dの壁部との間にはまり込むような環状の形状であっても良い。このような風圧トリガーは、一旦作用したら破断してしまうので別のものと交換する必要があるが、住宅側コンクリート基礎40をジャッキで持ち上げる作業は必要無い。
【0049】
図12は、動摩擦係数が0.1前後及び0.05前後の場合に必要とされる、各要素の組み合わせを示している。動摩擦係数が0.1前後の場合には、上下振動防止板や減震ダンパーはあっても無くても良く、ストッパーは要、風力トリガーは不要である。一方、動摩擦係数が0.05前後の場合には、上下振動防止板はあっても無くても良く、ストッパー、減震ダンパー、風力トリガーはいずれも設置する必要がある。
【0050】
図13は摩擦軽減機構50の配置の別の例を示した図であり、ここでは住宅側コンクリート基礎の側縁から離れた中央寄りに3箇所、長手方向の側縁にそれぞれ3箇所配置する例を示している。この場合、前にも述べたように、住宅側コンクリート基礎に設けられる複数の第1の貫通穴のうち、40a´で示すいくつかの第1の貫通穴については前に述べたストッパーや減震ダンパーを設けるための穴としても兼用される。中央寄りの3箇所の摩擦軽減機構50については前に述べた通りの構造であるが、住宅側コンクリート基礎の側縁に配置する場合には、図14のような構造が好ましい。
【0051】
図14において、住宅側コンクリート基礎40の外縁に近い複数箇所において、地盤側コンクリート基礎30と住宅側コンクリート基礎40との間に板材52と滑動部材53とを配置している。ジャッキの作動部を挿入するための凹部40c´(図4の40cに対応するもの)は、図14に破線で示すように、住宅側コンクリート基礎40、地盤側コンクリート基礎30のいずれに設けられても良く、場合によっては両方の凹部で1つの凹部を形成するようにしても良い。また、滑動部材53を図4の凹部40bのような凹部を利用して住宅側コンクリート基礎40に装着する場合には、住宅側コンクリート基礎40の側縁に横穴を設け、そこに滑動部材53を取り付けるようにすれば良い。そして、これに対応する地盤側コンクリート基礎30の上には板材52を置けば良い。
【0052】
図15は、地盤側コンクリート基礎30と住宅側コンクリート基礎40との間にできる数cm程度の隙間を、住宅側コンクリート基礎40の外縁部において塞ぐようにするための例を示している。これは、最近では住宅側コンクリート基礎40の布基礎には換気用の貫通穴を設けないようにしている例が多いことに鑑み、この場合には地盤側コンクリート基礎30と住宅側コンクリート基礎40との間にできる隙間を塞いでしまった方が、ごみや水等の侵入を防ぐ上で好ましいことを考慮したものである。このようにすると、住宅側コンクリート基礎40内の空気が断熱作用も発揮するという副次的な効果も得られる。
【0053】
地盤側コンクリート基礎30の上面は、水はけを考慮して地盤20の面よりも高くされている。住宅側コンクリート基礎40の上端には、基礎パッキン11を介して住宅の床を構成するための床基礎部12が構築されている。地盤側コンクリート基礎30と住宅側コンクリート基礎40との間の隙間は、住宅側コンクリート基礎40の外縁部においてシール材15を詰めることで塞がれる。シール材15は、スポンジのようなものや、パテのようなものや、発泡して硬化するような樹脂材料等、様々なものが使用できる。要は、地盤側コンクリート基礎30と住宅側コンクリート基礎40との間の隙間を塞ぐことができるものであれば何でも良い。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、これまでの免震装置や制震装置に比べて安価なコストで、地震発生時の水平振動の減震を実現することができる。これにより、地震に対する安全性を確保した住宅を従来に比べて安価で提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による減震用基礎構造の概略を示す断面図である。
【図2】図1における地盤側コンクリート基礎を2つの例について下面側から見た図である。
【図3】図1における住宅側コンクリート基礎を2つの例について上面側から見た図である。
【図4】本発明による減震用基礎構造の要部である摩擦軽減機構の実施の形態を示す部分透視図である。
【図5】図4に示された摩擦軽減機構の縦断面図である。
【図6】図4に示された摩擦軽減機構に組み合わせて使用されるストッパーの設置構造を示した透視図である。
【図7】図6に示されたストッパーを利用して住宅側コンクリート基礎の位置ずれを元の位置に復帰させる作業を説明するための平面図である。
【図8】図4に示された摩擦軽減機構と図6に示されたストッパーの設置箇所の一例を示した平面図である。
【図9】図4に示された滑動部材を2つの例について示した断面図である。
【図10】図4に示された摩擦軽減機構に組み合わせて使用される減震ダンパーの設置構造を示した一部省略平面図及び側面図である。
【図11】図4に示された摩擦軽減機構に組み合わせて使用される風力トリガーの設置構造を2つの例について示した縦断面図である。
【図12】動摩擦係数が0.1前後及び0.05前後の場合に必要とされる、図6、図10、図11の各要素の組み合わせを示した図である。
【図13】本発明による摩擦軽減機構の配置の別の例を示した平面図である。
【図14】図13において住宅側コンクリート基礎の外縁側に配置される摩擦軽減機構の設置構造の例を示した断面図である。
【図15】本発明の基礎構造において、地盤側コンクリート基礎と住宅側コンクリート基礎との間にできる隙間を住宅側コンクリート基礎の外縁部で塞ぐようにした場合の例を示した断面図である。
【符号の説明】
10 住宅
11 基礎パッキン
15 シール材
20 地盤
30 地盤側コンクリート基礎
40 住宅側コンクリート基礎
50 摩擦軽減機構
52 板材
53 滑動部材
53−1 板
53−2 表面処理部
53−3 上下振動防止板
61 パイプ
62 クッション材
65 油圧ジャッキ
66 油圧ジャッキ用台座
67 当板
70 減震ダンパー
77 鋼棒
81 支持板
82 ボール受け
83 ボール
84 ボール保持部
85 取り付け板
86 ブロック材
Claims (12)
- 住宅が構築される地盤に形成された地盤側基礎と、
住宅の下部に構成され、前記地盤側基礎の上に置かれる住宅側基礎と、
前記地盤側基礎と前記住宅側基礎との間に設けられた少なくとも1つの摩擦軽減機構とを含み、
該摩擦軽減機構は、前記地盤側基礎に設けられた所定の面積を持つ板材と、前記住宅側基礎における前記板材に対応する箇所に設けられて前記板材の上を前記住宅側基礎と共にスライド可能な滑動部材とを含み、
前記滑動部材は鋼材等の金属、セラミック、樹脂体のいずれか、あるいはそれらの下面の少なくとも一部に摩擦軽減用の樹脂材を固着または塗料を塗布したものであり、
前記板材は鋼板等の金属板、セラミック板、樹脂板、石板、コンクリート板のいずれか、あるいはそれらの上面の少なくとも一部に摩擦軽減用の樹脂材を固着または塗料を塗布したものであることを特徴とする住宅減震用基礎構造。 - 請求項1記載の住宅減震用基礎構造において、
前記滑動部材は更に、前記鋼材等の金属、セラミック、樹脂体のいずれかの上面側に減震部材を有することを特徴とする住宅減震用基礎構造。 - 請求項2記載の住宅減震用基礎構造において、
前記住宅側基礎における前記滑動部材の設置箇所には前記滑動部材より大きな第1の貫通穴が設けられ、該貫通穴の下側の縁部には前記滑動部材を受けるための第1の受け部が設けられていると共に、ジャッキの作動部を受けるための第2の受け部が設けられていることを特徴とする住宅減震用基礎構造。 - 請求項3記載の住宅減震用基礎構造において、
前記第1の貫通穴は前記板材より大きな開口面積を持つ穴であることを特徴とする住宅減震用基礎構造。 - 請求項1〜4のいずれかに記載の住宅減震用基礎構造において、
前記住宅側基礎には更に、前記第1の貫通穴とは別の位置に第2の貫通穴が設けられ、
該第2の貫通穴に対応する前記地盤側基礎には、地震に伴って前記住宅側基礎が所定距離以上移動した際に該第2の貫通穴の縁部と係合してその移動を阻止するためのストッパが設けられていることを特徴とする住宅減震用基礎構造。 - 請求項5記載の住宅減震用基礎構造において、
前記地盤側基礎と前記住宅側基礎との間には更に、一方を前記地盤側基礎に固定し他方を前記住宅側基礎に固定した振幅制限機構を少なくとも1個設けたことを特徴とする住宅減震用基礎構造。 - 請求項6記載の住宅減震用基礎構造において、
前記振幅制限機構は、前記住宅側基礎に第3の貫通穴を設け、下端側に前記地盤側基礎に固定された第1の部材を有すると共に、上端側には前記住宅側基礎に固定された第2の部材を有する複数本の略螺旋形状の鋼棒を前記第3の貫通穴を通して設置するようにして構成したことを特徴とする住宅減震用基礎構造。 - 請求項7記載の住宅減震用基礎構造において、
前記地盤側基礎は上面に平坦部を持つベタ基礎、布基礎あるいはそれらの組合わせによる基礎であり、
前記住宅側基礎は、前記地盤側基礎の平坦部と対応する箇所に平坦部を持つベタ基礎、布基礎あるいはそれらの組合わせによる基礎であることを特徴とする住宅減震用基礎構造。 - 請求項8記載の住宅減震用基礎構造において、
前記地盤側基礎、前記住宅側基礎にはそれぞれ、少なくとも一方に補強部として地中梁、地上梁が一体的に形成されていることを特徴とする住宅減震用基礎構造。 - 請求項9記載の住宅減震用基礎構造において、前記摩擦軽減機構における摩擦係数を0.01〜0.2の範囲とすることにより、地震に起因して前記地盤側基礎が水平振動した時、この水平振動が前記住宅側基礎に軽減されて伝達され、しかも所 定の最大片振幅以内で振動するようにしたことを特徴とする住宅減震用基礎構造。
- 請求項1〜10のいずれかに記載の住宅減震用基礎構造において、前記地盤側基礎と前記住宅側基礎との間にできる隙間を、前記住宅側基礎の外縁部においてシール材により塞ぐようにしたことを特徴とする住宅減震用基礎構造。
- 請求項1〜11のいずれかに記載の住宅減震用基礎構造において、前記地盤側基礎と前記住宅側基礎の間には更に、住宅への風圧による前記住宅側基礎のずれを防ぐために、風圧によるあらかじめ決められた値未満の横ずれ力では前記住宅側基礎のずれを阻止し、地震による前記あらかじめ決められた値以上の横ずれ力で前記阻止が解除される風圧トリガーを少なくとも1つ設けたことを特徴とする住宅減震用基礎構造。
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