JP3761702B2 - オートテンショナ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ベルト駆動機構のベルトの張力を自動的に適度に保つためのオートテンショナに係り、特に、テンションプーリがオフセット配置されているオートテンショナに関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のオートテンショナの従来例として、例えば特開平2−253035号公報などに示すようなものがある。
【0003】
この公報例のオートテンショナでは、ベルトの張力変動に応じたテンションプーリの動きを許容しつつ、ベルトからの振動や衝撃を減衰するようにテンションプーリの動きを規制する機能を有する構造になっている。なお、ベルトの張力変化は、環境の温度変化や経時的な伸縮変化等によって発生する。
【0004】
このような機能を実現するために、テンションプーリ支持用のアームのボス部の前端面と、アーム支持用の支軸の前端に一体的に取り付けられるガイド板との間に、環状の摩擦板を挟み、ねじりコイルバネの伸張復元力により摩擦板をボス部とガイド板とに圧接させるようにしている。この摩擦板は、例えばPEEK材などのポリアミド樹脂、クラッチフェーシング材、ブレーキライニング材あるいはブレーキパッド材などで形成される。
【0005】
また、アームのボス部と支軸との間には、アームの揺動動作を円滑にするためにすべり軸受としてブッシュが介装されている。このブッシュは、例えばPA46などのポリアミド樹脂、焼結金属などで形成される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来のオートテンショナのようにテンションプーリをオフセット配置した構造では、テンションプーリに作用するベルト荷重がアームを傾かせるモーメントとして働き、摩擦板やブッシュに対して過大な荷重が作用し、下記するような不具合が発生する。
【0007】
すなわち、摩擦板の円周上の所要角度領域に作用する荷重が過多となるため、その領域の摩耗が他の領域に比べて進展しやすい。これと同様に、ブッシュの軸方向先端側領域に作用する荷重が過多となるため、その領域の摩耗が他の領域に比べて進展しやすい。このようなことから、摩擦板やブッシュが早期に偏摩耗するなど、寿命が短くなっている。
【0008】
ちなみに、このような摩擦板やブッシュの偏摩耗や破損が発生すると、支軸に対するアームの傾きが発生しやすくなり、テンションプーリに巻き掛けられたベルトが外れやすくなったり、あるいはテンションプーリの揺動動作に支障を来たし、オートテンショナの本来の機能(ベルトの張力変動の吸収や振動・衝撃の減衰)を損ねることになりかねない。
【0009】
したがって、本発明は、オフセット構造のオートテンショナにおいて、アームの支持剛性を高めて、各部の耐久性を向上することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1のオートテンショナは、固定の支軸と、一端側が支軸に回動可能に支持された状態で他端側が一回転方向に付勢されるアームと、アームの他端側に支軸に対してオフセット配置された状態で回動可能に支持されるテンションプーリと、アームの一端側と支軸との間に配設されたアームに回動抵抗を付与する摩擦板とを備え、前記支軸とそれに支持されるアームの一端側部分とに、それらの外径側で互いに軸方向で所要隙間を介して対向する突片がそれぞれ設けられ、これら両突片間の対向隙間に、前記テンションプーリのオフセット配置に起因する荷重を受ける樹脂製の荷重負担部材が介装されているとともに、該荷重負担部材は、支軸の軸方向中央部よりも前記アーム寄りに配置され、前記荷重負担部材は、硬度がロックウェル硬さ〔HRR〕で100〜130、摩擦係数が0.1〜0.25に設定される。
【0011】
本発明の請求項2のオートテンショナは、固定の支軸と、一端側が支軸に回動可能に支持された状態で他端側が一回転方向に付勢されるアームと、アームの他端側に支軸に対してオフセット配置された状態で回動可能に支持されるテンションプーリと、アームの一端側と支軸との間に配設されたアームに回動抵抗を付与する摩擦板とを備え、前記支軸に、その固定側から自由端側へ向けて延出する突片が、当該支軸に支持されるアームの一端側部分の外径側に非接触に設けられ、前記アームにおいて支軸に支持される一端側部分に、径方向外向きに延出しかつ前記支軸の突片の自由端に対して軸方向で所要隙間を介して対向する突片が設けられ、前記両突片間の対向隙間に、前記テンションプーリのオフセット配置に起因する荷重を受ける樹脂製の荷重負担部材が介装されているとともに、該荷重負担部材は、支軸の軸方向中央部よりも前記アーム寄りに配置され、前記荷重負担部材は、硬度がロックウェル硬さ〔HRR〕で100〜130、摩擦係数が0.1〜0.25に設定される。
【0012】
本発明の請求項3のオートテンショナは、上記請求項1または2において、支軸とアームとの支持部位にすべり軸受が介装されている。
【0013】
本発明の請求項4のオートテンショナは、上記請求項1ないし3のいずれかにおいて、前記支軸の突片が、当該支軸およびそれに支持されるアームの一端側部分を非接触に外囲する状態で当該支軸の固定側から自由端側へ向けて延出形成される外筒部とされており、前記アームの突片が、当該アームにおいて支軸に支持される一端側部分に、径方向外向きに張り出すフランジとされており、前記荷重負担部材が、環状に形成されている。
【0014】
以上、本発明では、要するに、テンションプーリのオフセット配置に起因する荷重を摩擦板だけでなく新たに追加した荷重負担部材にも負担させることにより、アームの支持剛性を高めるとともに摩擦板単体に作用する荷重を軽減させるようにしている。これにより、摩擦板の早期摩耗が抑制されるようになる。
【0015】
特に、請求項3のように支軸とアームとの回動支持部位にすべり軸受を介装していれば、アームの動きを円滑化できるようになる他、前述した荷重を摩擦板、すべり軸受、荷重負担部材で負担するようになり、摩擦板やすべり軸受に作用する荷重を軽減できるようになる。
【0016】
また、請求項4のように荷重負担部材を環状とし、支軸の外筒部とアームの一端側部分のフランジとの軸方向対向隙間に介装させれば、荷重負担部材の組み付けが容易に行えるようになる。
【0017】
【発明の実施の形態】
本発明の詳細を図1ないし図5に示す実施形態に基づいて説明する。
【0018】
図1ないし図5は本発明の一実施形態に係り、図1は、オートテンショナの正面図、図2は、図1の(2)−(2)線断面の矢視図、図3は、荷重負担部材単体を示す縦断面図、図4は、支軸と摩擦板押さえ板との係合形態を示す分解斜視図、図5は、過大荷重作用領域を説明するために簡略化した平面図である。
【0019】
図中、Aはオートテンショナの全体を示しており、1は支軸、2はアーム、3はテンションプーリ、4はねじりコイルバネ、5は摩擦板、6は摩擦板押さえ板、7はすべり軸受としてのブッシュである。また、Bはテンションプーリ3の外周に巻き掛けられるベルトである。
【0020】
図例のオートテンショナAは、支軸1でのアーム2の軸支部の軸方向中心O1 に対してアーム2でのテンションプーリ3の軸支部の軸方向中心O2 がオフセットをもって配置された構造、換言すれば、テンションプーリ3が支軸1の先端よりも前方に突出した位置に配置された構造になっている。
【0021】
そして、このオートテンショナAは、ベルトBの張力変動に応じたテンションプーリ3の動きを許容しつつ、ベルトBからの振動や衝撃を減衰するようにテンションプーリ3の動きを規制する機能を有する構造になっている。
【0022】
つまり、ベルトBの張力が緩やかに減少した場合、ねじりコイルバネ4のねじり復元力(周方向の付勢力)によりアーム2およびテンションプーリ3が図1の左側に傾動して、ベルトBの張力を一定に保つ。一方、ベルトBの張力が緩やかに増加した場合、ねじりコイルバネ4のねじり復元力に抗してアーム2およびテンションプーリ3が図1の右側に傾動して、ベルトBの張力を一定に保つ。
【0023】
また、オートテンショナAに対してベルトBから激しい振動や衝撃が加わった場合、テンションプーリ3を支持しているアーム2のボス部21にその振動や衝撃が伝わるが、ねじりコイルバネ4の伸張復元力(軸方向の付勢力)によりアーム2のボス部21を摩擦板5に押し付けて摩擦抵抗を発生させているので、振動や衝撃が吸収、減衰されることになって、アーム2の不要な揺動を抑制する。これにより、テンションプーリ3の位置が実質的に変化しなくなり、ベルトBに対するテンションが一定に保たれる。
【0024】
以下、上記オートテンショナAの各構成要素について、具体的に説明する。
【0025】
支軸1は、図示しないベルト駆動機構が設けられる取付対象に固定されるもので、アーム支持部11と、外筒部12と、ボルト取付片13とを備えている。アーム支持部11は、先端側半分の外周面が截頭円錐形で、基端側半分の外周面が円筒形に形成されている。外筒部12は、アーム支持部11の基端側から径方向外向きに延びるとともに自由端側に延びてアーム支持部11の外周を囲むように形成されている。ボルト取付片13は、外筒部12の外周に径方向外向きに張り出し形成されている。この支軸1は、アルミニウム合金などを用いたダイカスト成形により製作されるものであり、前述のアーム支持部11の外周面の形状は、成形金型の抜き勾配に対応している。
【0026】
アーム2は、支軸1のアーム支持部11に回動可能に支持されるもので、一端にボス部21が、他端にプーリ支持部22が形成されている。ボス部21は、支軸1のアーム支持部11の外周にブッシュ7を介して回動可能に外嵌される。プーリ支持部22は、ボス部21の突出方向と逆向きに突設されている。このアーム2も、上記支軸1と同様、アルミニウム合金などを用いたダイカスト成形により製作される。
【0027】
テンションプーリ3は、アーム2のプーリ支持部22に転がり軸受9を介して回転自在に軸支されるもので、プレス材から製作されている。このテンションプーリ3は、アーム2のプーリ支持部22に螺着されたボルト8aにより取り付けられている。なお、前述の転がり軸受9は、テンションプーリ3の内周面とアーム2のプーリ支持部22の外周面とに対して圧入の状態で嵌合されており、この転がり軸受9に対して水分や異物がかからないようにするために、プーリ支持部22の先端に軸受保護カバー10が取り付けられている。
【0028】
ねじりコイルバネ4は、支軸1のアーム支持部11の外周面およびアーム2のボス部21の外周面と支軸1の外筒部12の内周面との間の環状空間にそれぞれの面に対して非接触でねじり圧縮された状態で配設されている。このねじりコイルバネ4は、そのねじり復元力によりアーム2を一回転方向(図1では反時計方向)に向けて付勢し、また、その軸方向の伸張復元力によりアーム2のボス部21を摩擦板5に押し付けてボス部21に対して摩擦抵抗を付与する。このねじりコイルバネ4の両端側には径方向外向きに屈曲された屈曲部41,42が一体的に設けられており、これらの屈曲部41,42が支軸1の底部に設けられたスリット状の切欠き14とアーム2のボス部21に設けられたスリット状の切欠き23とにそれぞれ係止されている。
【0029】
摩擦板5は、アーム2のボス部21の前端面と、支軸1のアーム支持部11の先端側にボルト8bにより固定される摩擦板押さえ板6との間に挟まれた状態で設けられており、ねじりコイルバネ4の伸張復元力によりボス部21と摩擦板押さえ板6とに対して所要圧力で押し付けられることによりアーム2のボス部21に対して回動抵抗を与えるものである。この摩擦板5は、従来技術で説明したものと同様、クラッチフェーシング材、ブレーキライニング材あるいはブレーキパッド材などで形成される。
【0030】
摩擦板押さえ板6は、例えば構造用圧延鋼板をプレス成形して製作される環状板からなり、支軸1のアーム支持部11に対して回り止め状態に固定されることによりアーム支持部11と一体になっている。この摩擦板押さえ板6の回り止め形態は、図4に示すように、その内周部分に形成されてある波状係止部6aと、支軸1のアーム支持部11の先端面に形成されてある波状係止部11aとを嵌合することによって実現している。なお、この実施形態では、摩擦板押さえ板6の円周数カ所に摩擦板5の摩耗粉を溜めて外部へ排出する凹部6bが設けられている。
【0031】
ブッシュ7は、支軸1のアーム支持部11の截頭円錐部分の外周面とアーム2のボス部21の内周面との嵌合部位に介装されるもので、截頭円筒状に形成されている。この実施形態では、図2に示すように、ブッシュ7の肉厚がアーム支持部11の基端側から先端側に向かうにつれて次第に厚くなるように設定されている。ここでは、軸心方向に対する内周面7aの傾斜角に対して外周面7bの傾斜角を小さくしている。7cは大径側端部に径方向外方に向けて一体的に突設されたフランジである。このブッシュ7は、例えば従来技術で説明した焼結金属材、あるいはポリアミド46(商品名46ナイロン)、ポリエーテルサルフォン(PES)などのエンジニアリングプラスチックで形成される。
【0032】
ここで、本発明の特徴を説明する。要するに、上記オートテンショナAのようにテンションプーリ3をオフセット配置している構造では、図5に示すように、テンションプーリ3に作用するベルトBの荷重がアーム2を傾かせるモーメントとして働くことが避けられないので、このモーメント荷重を、摩擦板5およびブッシュ7だけで負担させるのではなく、支軸1の外筒部12とアーム2のボス部22に形成の径方向外向きフランジ24との間の軸方向対向隙間に介装した荷重負担部材15にも負担させるようにしている。
【0033】
荷重負担部材15は、円筒部15aと、その軸方向一端側に径方向外向きに延出するフランジ部15bとを備えており、円筒部15aが支軸1の外筒部12に内嵌された状態で、フランジ部15bが支軸1の外筒部12とアーム2のボス部22に形成のフランジ24との間に挟まれている。この荷重負担部材15は、好ましくは比較的硬質で摩擦係数の低い材料、例えばポリアミド(PA)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ガラス繊維などを添加したフェノール樹脂などで形成される。ちなみに、荷重負担部材15は、その硬度がロックウェル硬さ〔HRR〕で100〜130好ましくは115に、また、摩擦係数が0.1〜0.25好ましくは0.2程度にそれぞれ設定される。なお、荷重負担部材15の特にフランジ部15bの肉厚は、初期よりボス部21と支軸1の間で圧縮を受けることのないよう、適宜設定される。
【0034】
ところで、荷重負担部材15に対する荷重作用領域は、アーム2のボス部21の回動中心P1とテンションプーリ3の回動中心P2とを結ぶ線M1を中心として図5の右半分の領域、つまり、アーム2のボス部21の回動中心P1と一方のボルト取付片13の中心P3とを結ぶ線M2を中心として時計方向および反時計方向に各々45〜90度の角度θを持つ範囲になり、この領域において図5の紙面側から奥側へ向かう方向に作用する。なお、摩擦板5やブッシュ7に対する荷重作用領域は、荷重負担部材15に対する荷重作用領域と反対、つまりアーム2のボス部21の回動中心P1とテンションプーリ3の回動中心P2とを結ぶ線M1を中心として図5の左半分の領域となり、この領域において図5の紙面側から手前側へ向かう方向に作用する。
【0035】
このように、テンションプーリ3のオフセット配置に起因するモーメント荷重を、摩擦板5、ブッシュ7ならびに荷重負担部材15と、従来例に比べて多くの部材で負担させているから、アーム2の支持剛性を高めることができるようになるとともに、摩擦板5やブッシュ7に対して作用するモーメント荷重を軽減させることができる。これにより、摩擦板5やブッシュ7に特別な工夫を施さなくてもそれらの偏摩耗や破損を効果的に回避できるようになり、アーム2の傾きを長期にわたって防止できるようになって、オートテンショナA本来の機能(ベルトの張力変動の吸収や振動・衝撃の減衰)を長期にわたって安定的に発揮させることができるようになる。この他、荷重負担部材15は、支軸1の外筒部12と、アーム2のボス部21のフランジ24との間の軸方向対向隙間を塞ぐことになるので、ねじりコイルバネ4やブッシュ7などを外部環境から密封することができるようになる。
【0036】
なお、本発明は上述した実施形態のみに限定されるものではなく、種々な応用や変形が考えられる。
【0037】
(1) 上記実施形態での荷重負担部材15は、その円筒部15aを支軸1側に取り付けるようにしているが、アーム2側に取り付けるようにしてもよい。また、この荷重負担部材15は、摩擦板5と同様に、アーム2に対して回動抵抗を付与するものとして積極的に利用することができる。その場合、荷重負担部材15のフランジ部15bをアーム2に対して常時当接させる状態に管理する必要がある。また、素材についても摩擦板5と同様のものとしてもよい。
【0038】
(2) 上記実施形態での荷重負担部材15の形状や大きさは特に限定されない。例えば、図示しないが、テンションプーリ3のオフセット配置に起因する荷重作用領域のみに部分的に設けるような形状としてもよい。これは、支軸1の外筒部12やアーム2のフランジ24についても同様であり、これらを環状とせずに突片などのように部分的に設けるようにしてもよい。
【0039】
(3) 上記実施形態では、ブッシュ7の肉厚を軸方向で可変した構成を例に挙げているが、肉厚を均一にしたものとしたり、あるいは単純に円筒形にしたりすることができる。また、このブッシュ7の素材についても、上述した焼結金属材以外の金属材や上述した合成樹脂材以外の合成樹脂材とすることができる。
【0040】
(4) 上記実施形態では、摩擦板押さえ板6に摩耗粉を溜めて排出するための凹部6bを設けた構成を例に挙げているが、この凹部6bを設けていないものも本発明に含まれる。
【0041】
【発明の効果】
本発明の請求項1ないし4のオートテンショナでは、テンションプーリのオフセット配置に起因する荷重を負担する部材を従来よりも増やすことにより、アームの支持剛性を高めるとともに、摩擦板に対して作用する荷重を軽減させるようにしている。したがって、摩擦板の偏摩耗を抑制できるようになり、耐久性すなわち寿命を向上できるなど、ランニングコストの低減に貢献できる結果となる。また、アームの傾きを長期にわたって防止できるようになってオートテンショナ本来の機能(ベルトの張力変動の吸収や振動・衝撃の減衰)の長期安定化を達成できるようになる。
【0042】
特に、請求項3のように支軸とアームとの支持部位にすべり軸受を設けている場合には、アームの動きを円滑化できるようになる他、このすべり軸受にも前述したオフセット配置に起因する荷重を負担させることができるので、結果的に、摩擦板、すべり軸受、荷重負担部材でもって前述の荷重を負担することになり、摩擦板やすべり軸受の偏摩耗や破損をより効果的に防止できるようになる。
【0043】
また、請求項4のように、荷重負担部材を環状とし、支軸の外筒部とアームの一端側部分のフランジとの軸方向対向隙間に介装させるようにすれば、荷重負担部材の組み付けが容易に行えるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態のオートテンショナの正面図
【図2】図1の(2)−(2)線断面の矢視図
【図3】同実施形態の荷重負担部材単体を示す縦断面図
【図4】同実施形態の支軸と摩擦板押さえ板との係合形態を示す分解斜視図
【図5】同実施形態において過大荷重作用領域を説明するために簡略化した平面図
【符号の説明】
A オートテンショナ
B ベルト
1 支軸
11 支軸のアーム支持部
12 支軸の外筒部
2 アーム
21 アームのボス部
22 アームのプーリ支持部
24 ボス部のフランジ
3 テンションプーリ
4 ねじりコイルバネ
5 摩擦板
6 摩擦板押さえ板
7 ブッシュ
15 荷重負担部材
Claims (4)
- 固定の支軸と、一端側が支軸に回動可能に支持された状態で他端側が一回転方向に付勢されるアームと、アームの他端側に支軸に対してオフセット配置された状態で回動可能に支持されるテンションプーリと、アームの一端側と支軸との間に配設されたアームに回動抵抗を付与する摩擦板とを備え、
前記支軸とそれに支持されるアームの一端側部分とに、それらの外径側で互いに軸方向で所要隙間を介して対向する突片がそれぞれ設けられ、
これら両突片間の対向隙間に、前記テンションプーリのオフセット配置に起因する荷重を受ける樹脂製の荷重負担部材が介装されているとともに、
該荷重負担部材は、支軸の軸方向中央部よりも前記アーム寄りに配置され、
前記荷重負担部材は、硬度がロックウェル硬さ〔HRR〕で100〜130、摩擦係数が0.1〜0.25に設定される、ことを特徴とするオートテンショナ。 - 固定の支軸と、一端側が支軸に回動可能に支持された状態で他端側が一回転方向に付勢されるアームと、アームの他端側に支軸に対してオフセット配置された状態で回動可能に支持されるテンションプーリと、アームの一端側と支軸との間に配設されたアームに回動抵抗を付与する摩擦板とを備え、
前記支軸に、その固定側から自由端側へ向けて延出する突片が、当該支軸に支持されるアームの一端側部分の外径側に非接触に設けられ、
前記アームにおいて支軸に支持される一端側部分に、径方向外向きに延出しかつ前記支軸の突片の自由端に対して軸方向で所要隙間を介して対向する突片が設けられ、
前記両突片間の対向隙間に、前記テンションプーリのオフセット配置に起因する荷重を受ける樹脂製の荷重負担部材が介装されているとともに、
該荷重負担部材は、支軸の軸方向中央部よりも前記アーム寄りに配置され、
前記荷重負担部材は、硬度がロックウェル硬さ〔HRR〕で100〜130、摩擦係数が0.1〜0.25に設定される、ことを特徴とするオートテンショナ。 - 請求項1または2に記載のオートテンショナにおいて、支軸とアームとの支持部位にすべり軸受が介装されている、ことを特徴とするオートテンショナ。
- 請求項1ないし3のいずれかに記載のオートテンショナにおいて、前記支軸の突片が、当該支軸およびそれに支持されるアームの一端側部分を非接触に外囲する状態で当該支軸の固定側から自由端側へ向けて延出形成される外筒部とされており、前記アームの突片が、当該アームにおいて支軸に支持される一端側部分に、径方向外向きに張り出すフランジとされており、前記荷重負担部材が、環状に形成されている、ことを特徴とするオートテンショナ。
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