JP3761596B2 - ワンウェイクラッチの潤滑機構 - Google Patents

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芳男 木下
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Nskワーナー株式会社
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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、ワンウェイクラッチの潤滑機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
一方向の回転力のみを伝え、他方向には空転するワンウェイクラッチにおいて、内輪と外輪の間にスプラグまたはローラー等のクラッチ部材を配し、外クラッチ部材は両側面をエンドベアリングに案内され、回転力伝達時には外輪および内輪と噛み合い、空転時には滑りを生じるようにした、いわゆるスプラグ形またはローラー形のワンウェイクラッチは現在広く使われている。
【0003】
図4にワンウェイクラッチの基本的な構成を示して説明すると、10はワンウェイクラッチ、11はクラッチ部材、12はエンドベアリング、1は内輪、2は外輪、3、3’はワンウェイクラッチ内部に潤滑油を導入する潤滑油孔、4はワンウェイクラッチの軸方向位置を規制する押さえ板(スペーサ)、5は止め輪をそれぞれ示している。なおX−Xは回転中心軸線を示している。
【0004】
ワンウェイクラッチはクラッチ部材が内・外輪との噛み合い、空転による滑りを繰り返すため、充分な潤滑が行われないと発熱および摩擦が大きくなる。またエンドベアリングは通常滑り軸受のため、回転むらや焼き付きを起こさないためには、充分な潤滑油を供給してやらねばならない。
そのため図4に示すように、内輪または外輪に潤滑油孔3、3’を設けるなどしてワンウェイクラッチ組付け部分に特別の潤滑油経路を設けていた。
【0005】
しかし、このように潤滑油経路として複雑に入り組んだ動力伝達機構の内部に潤滑油孔を設けることはそのこと自体複雑な加工を要するとともに、油孔を設ける内・外輪等の部材の強度を低下させる。またワンウェイクラッチの噛み合い時には、クラッチ部材が軌道面に開口した油孔を高い面圧で踏みつけるために剥離や割れの進行の起点になるなど、軌道面を劣化させるという問題点があった。
【0006】
そのため内・外輪の肉厚を増したり、高価な材料を使用しなければならないことが多く、熱処理等における変形不良の要因ともなっており、複雑な処理・加工を強いられていた。
【0007】
そこで内・外輪等の周辺部材に潤滑油孔を設けるのではなく、内輪または外輪とエンドベアリングもしくは押さえ板が相対的に回転する対向面に開口するらせん潤滑油溝を設け、該らせん潤滑油溝によって相対回転によるポンプ作用を発生させ、ワンウェイクラッチ内部に潤滑油を導くようにすることが考案された。
【0008】
図5はその一例を示し、エンドベアリング12の内周面121にらせん潤滑油溝123を設けてある。124は溝の開口であって、内輪の外周面とエンドベアリング12の内周面121との相対的な回転により、潤滑油は開口124かららせん潤滑油溝123を通ってワンウェイクラッチの内部に流入する。(なお図で122はエンドベアリングの外周面である。)
【0009】
さらにまたワンウェイクラッチに供給される潤滑油が少量ですむように図6に示される例ではエンドベアリング12の内周面121に動圧発生用の溝125を設けてある。そのため内輪外周とエンドベアリング内周面の間の相対回転によりいわゆる動圧軸受の場合と同様にエンドベアリングの内周面と内輪の間に圧力が高まり強い油膜シール効果が発生する。また溝による油膜シール効果もあり、溝が油溜まり効果を発揮するため多量の潤滑油を送り込んだり、複雑な動力伝達機構の内部に多数の大きな油孔を設ける必要がなくなる。
【0010】
図6に示す動圧発生用溝125は相対回転運動がどちらに変わってもいいように円周方向にみて対称な形状(図示の例では菱形)をしている。また図7に示す例では同じ形状の溝126Aと126Bとが一つおきに反対方向を向いて配列されていて、やはり相対運動の方向が変わっても動圧発生効果を奏するようになっている。
【0011】
【発明が解決すべき課題】
エンドベアリングにらせん潤滑油溝を設けた場合、図3(回転中心軸線X−Xが図4とは反対に図の上方にある)に示すように潤滑油が内輪1の両側のAとBのどちらか一方から供給されるように切り替わるときは、従来のらせん溝1本のような一方向のみのらせん溝では、潤滑油の流れが切り替わったときに、らせん溝のポンプ作用が働かず潤滑作用に不具合を来すことがある。また自動車などの性能向上に伴い、ワンウェイクラッチの潤滑能力をさらに増加させる必要が生じている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この発明は前記の課題を解決するために、「ワンウェイクラッチ内部に潤滑油を導くための潤滑機構において、
スプラグはローラー等のクラッチ部材を案内するエンドベアリングの内周面は外周面に、
クラッチ部材と反対側の外側に潤滑油を流入および排出する開口を有し、クラッチ部材の内側に通じる軸方向に傾斜した潤滑油の流入および排出用の溝を設け、右ネジ方向に傾く溝と、左ネジ方向に傾く溝とを別々に設けるとともに、
上記の流入および排出用の溝に加えて動力発生用溝を形成し、その動圧発生用溝は略くさび状の部分を有し、かつ個々の溝か、円周方向にみて前後対称であるような形状を有するか、又は同じ形状であって、円周方向のどちらの方向からみても対称となるように配置されている複数の溝の組み合わせが、同じ形状のパターンの繰り返しとなるように配設されていることを特徴とするワンウェイクラッチの潤滑機構。」を得たものである。
【0013】
【実施例】
図1はこの発明の実施例を示し、エンドベアリング12の内周面を121、外周面を122としたとき、傾きが左右方向にそれぞれ異なるらせん潤滑油溝123A、123Bが内周面121に設けられている。
【0014】
図2でその作用を説明すれば、Eはエンドベアリング12からみて内側のクラッチ部材側、Fはその反対側の外側であって、矢印Rの如く潤滑油がエンドベアリングの外側に導かれたとき、エンドベアリング12からみて内輪が矢印Dの方向に回転しているとすれば、エンドベアリングの付近に溜まった潤滑油はスパイラル溝123Aをイからハへと流れ、クラッチ内部のE部へ流入する。しかしロからニへは相対回転が逆のため流れない。
クラッチ内部のE部に油が充分満たされると、内部の油はらせん溝123Bを通ってニからロに排出される。
【0015】
図3に示すように潤滑油が内輪1の両側のAとBの一方から供給されるように切り替わるときは、従来のらせん溝一本のものでは潤滑油の流れが切り替わったとき潤滑作用に不具合を来すことがある。
図3に示すこの発明のエンドベアリングを使用すれば潤滑油がAの方から供給されたときは図の左側のエンドベアリング12Aの内周面121Aに設けられたらせん潤滑溝(図2の123A、123B)が図2で説明したとおりの作用を行う。
【0016】
潤滑油の流れが図3のBで示す方に切り替われば、図3の右側のエンドベアリング12Bの内周面121Bに設けられたらせん潤滑油溝123A、123B(図2)がやはり同様な作用をし、エンドベアリング12Bの外側に溜まった油は、内輪との相対回転の向きに応じて一方のらせん溝から潤滑油がクラッチ内部へ流入し、(図2のFからEへ)、クラッチ内部へ油が充満すると外側へ排出される。
【0017】
潤滑油がA、Bの両方から供給される場合は、両サイドのエンドベアリング12A、12Bの内周面のらせん潤滑油溝が同様に作用し、油のクラッチ内部への流入ならびに内部からの排出を行う。
【0018】
以上の3つの場合の何れの場合でも潤滑油の排出のときは、一方のエンドベアリングの流入時のらせん溝の反対方向に傾いたらせん溝のみならず、反対側のエンドベアリングのらせん溝からも排出され、潤滑油はスムーズに循環され、冷却効果も上がることになる。
【0019】
この発明ではさらに潤滑能力を高めるために、エンドベアリングの内周面121に、互いに反対方向に傾くらせん潤滑油溝123A、123Bの他に、動圧発生溝125を設けている。この動圧発生溝は略くさび状の部分を有し、油圧上昇の効果を発生するとともに油溜まり効果も奏するもので、少量の潤滑油で十分な潤滑能力を達成できる。
動圧発生溝の形状が図1や図6に示されるように、何れの方向の回転に対しても対称であれば問題はないが、図7に示される形状のようにくさびの向きが一方向であるときは反対方向の回転のときは効果が発生しない。そのときは同一形状の動圧発生溝を反対向きに組み合わせるなどして、どちらの方向からみても対称となるように配置されている複数の溝の組み合わせが同じ形状のパターンの繰り返しとなるように配設する。
【0020】
この動圧発生溝を付加することにより、前記のらせん溝の効果に加えて、オイルシール効果もあり、ワンウェイクラッチの充分な潤滑能力を少量の油で達成することができる。
【0021】
【発明の効果】
(1)エンドベアリングの内周面または外周面に軸方向にみて反対向きに傾斜したらせん潤滑油溝を設けたので、エンドベアリングと内輪または外輪との相対的回転方向がどちらの方向であってもポンプ作用が生起し、ワンウェイクラッチ内部への油の流入およびそれからの排出を確実に行わせ、潤滑油を循環させ冷却と潤滑の能力を向上させることができる。
(2)またエンドベアリングに両方向に傾斜した溝を設けたので両サイドに使用するエンドベアリングを共通化できる。
(3)回転方向に対称な形状の動圧発生溝を付加することにより、前記のらせん溝の効果に加えて、オイルシール効果もあり、一層ワンウェイクラッチの潤滑能力を少量の油で達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例を示す図
【図2】らせん潤滑油溝の作用の説明図
【図3】ワンウェイクラッチの潤滑油の流れの説明図
【図4】ワンウェイクラッチの構成を示す図
【図5】従来の潤滑油溝を示す図
【図6】動圧発生溝の一例を示す図
【図7】動圧発生溝の別な配置の一例を示す図
【符号の説明】
1 内輪
2 外輪
3 油孔
4 スペーサ
5 止め輪
10 ワンウェイクラッチ
12 エンドベアリング
121 内周面
122 外周面
123 らせん潤滑油溝
124 潤滑油溝の開口
125 動圧発生溝
126A 動圧発生溝
126B 動圧発生溝

Claims (1)

  1. ワンウェイクラッチ内部に潤滑油を導くための潤滑機構において、
    スプラグ又はローラー等のクラッチ部材を案内するエンドベアリングの内周面又は外周面に、
    クラッチ部材と反対側の外側に潤滑油を流入および排出する開口を有し、クラッチ部材の内側に通じる軸方向に傾斜した潤滑油の流入および排出用の溝を設け、右ネジ方向に傾く溝と、左ネジ方向に傾く溝とを別々に設けるとともに、
    上記の流入および排出用の溝に加えて動力発生用溝を形成し、その動圧発生用溝は略くさび状の部分を有し、かつ個々の溝か、円周方向に見て前後対称であるような形状を有するのか、又は同じ形状であって、円周方向のどちらの方向からみても対称となるように配置されている複数の溝の組み合わせが同じ形状のパターンの繰り返しとなるように配設されていることを特徴とするワンウェイクラッチの潤滑機構。
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