JP3761218B2 - 燃料噴射ポンプの燃料噴射量調節施設 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、エンジン用の燃料噴射ポンプに装備されるガバナ装置において、ガバナ装置の調節ボルトを回転操作して燃料噴射量を変更調節する際の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
エンジン用の燃料噴射ポンプにおいては組み立てが終了すると、燃料噴射ポンプを燃料噴射量検出装置に設置して、燃料噴射ポンプのカム軸を所定の回転数で回転駆動し、燃料噴射ポンプの実際の燃料噴射量を検出して、設定燃料噴射量の燃料が噴射されているかどうかを検査する。
そして、燃料噴射ポンプから設定燃料噴射量の燃料が噴射されていなければ、燃料噴射ポンプに装備されるガバナ装置の調節ボルトを、作業者が工具により手動で回転操作して、燃料噴射ポンプの実際の燃料噴射量が設定燃料噴射量となるように調節する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前述のように検出された実際の燃料噴射量に基づいて、作業者がガバナ装置の調節ボルトを工具により手動で回転操作するのには、比較的時間が必要であり手間も掛かるものなので、作業性の面で改善の余地がある。
本発明はエンジン用の燃料噴射ポンプにおいて、ガバナ装置の調節ボルトの回転操作が作業性良く行われるようにすることを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明の特徴は、次のような燃料噴射ポンプの燃料噴射量調節施設を得ることにある。
〔1〕
燃料噴射ポンプのプランジャを進退駆動するカム軸を所定の回転数で回転駆動する駆動装置と、駆動装置によりカム軸が回転駆動されている状態で、プランジャからの実際の燃料噴射量を検出する燃料噴射量検出装置と、
前記駆動装置により回転駆動される前記カム軸の所定の回転数とこの回転数に対応して前記燃料噴射量検出装置で検出された燃料噴射量を記憶する検査用の制御装置と、
燃料噴射ポンプに備えられたガバナ装置における燃料噴射量の調節ボルトを保持し回転操作して、燃料噴射ポンプの燃料噴射量を変更調節するとともに、前記調節ボルトに備えた回り止め用の第1ロックナットと第2ロックナットを保持して回転操作して前記調節ボルトを回り止め固定するハンド装置とを備えると共に、
燃料噴射量検出装置によって検出された実際の燃料噴射量と事前に設定された設定燃料噴射量との噴射量差が設定範囲内となるように、前記検査用の制御装置からの情報を基にハンド装置を備え、前記ハンド装置により前記調節ボルトが回転操作されて燃料噴射ポンプの燃料噴射量が調節された後に、前記第1ロックナットが保持され回転操作されて締め付け固定され、その後再度噴射量差が検出され再検出された噴射量差が設定範囲内に入っていない場合は、ハンド装置により第1ロックナットを緩めて再度前記調節ボルトが回転操作されて燃料噴射ポンプの燃料噴射量が調節され、前記再検出された噴射量差が設定範囲内に入っている場合は、ハンド装置により前記第2ロックナットを締め付け固定するように前記ハンド装置を制御すべく制御装置を備えてある。
【0005】
〔2〕
前項〔1〕の構成において、第1ロックナットの回転操作による締め付けに伴い、調節ボルトが第1ロックナットと同じ方向に回転する際の変化角度において、第1ロックナットの締め付けトルクと調節ボルトの変化角度との相関関係を事前に設定しておき、ハンド装置により第1ロックナットを締め付け固定した際に、調節ボルトが回転して実際の燃料噴射量が設定燃料噴射量となるように、相関関係に基づいてハンド装置による調節ボルトの回転操作位置を設定するように制御装置を構成してある。
【0006】
【作用】
〔I〕
前項〔1〕のように構成すると、組み立ての終了した燃料噴射ポンプを所定位置に設置すれば、駆動装置によりカム軸が回転駆動されて、プランジャからの実際の燃料噴射量が燃料噴射量検出装置によって自動的に検出される。そして、検出された実際の燃料噴射量に基づき、ハンド装置が作動してガバナ装置の調節ボルトを自動的に回転操作し、検出された実際の燃料噴射量が事前に設定された設定燃料噴射量となるように調節される。
以上のように、作業者は組み立てられた燃料噴射ポンプを所定位置に設置するだけでよく、これ以後は実際の燃料噴射量の検出から調節ボルトの回転操作までが、一連の作業として自動的に行われることになる。
【0007】
ガバナ装置の調節ボルトにおいては、回り止め用として第1ロックナットと第2ロックナットを調節ボルトに備えてあり、検出された実際の燃料噴射量に基づいて、ハンド装置によりガバナ装置の調節ボルトが自動的に回転操作され、次にハンド装置により自動的に第1ロックナットが締め付け固定される。その後再度噴射量差が検出され再検出された噴射量差が設定範囲内に入っていない場合は、ハンド装置により第1ロックナットを緩めて再度調節ボルトが回転操作されて燃料噴射ポンプの燃料噴射量が調節され、再検出された噴射量差が設定範囲内に入っている場合は、第2ロックナットが締め付け固定される。
従って、作業者は組み立てられた燃料噴射ポンプを所定位置に設置するだけでよく、これ以後は実際の燃料噴射量の検出から調節ボルトの回転操作及びロックナットの締め付け固定までが、一連の作業として自動的に行われることになる。
【0008】
〔II〕
前項〔2〕のように構成すると、前項〔1〕の構成の場合と同様に前項〔I〕に記載の「作用」を備えており、これに加えて以下のような「作用」を備えている。
前項〔1〕のようにガバナ装置の調節ボルトに第1ロックナット及び第2ロックナットを備えて、緩めた第1及び第2ロックナットのうち、第1ロックナットを締め付け固定すると、第1ロックナットの締め付けに伴って調節ボルトも第1ロックナットと同じ方向に少し回転する場合が多くある。これにより、実際の燃料噴射量が設定燃料噴射量となるように調節ボルトを回転操作した後に、第1ロックナットを締め付け固定すると、これに伴って調節ボルトが回転して、実際の燃料噴射量が設定燃料噴射量から外れることになる。
【0009】
そこで、前項〔2〕のように構成すれば、どれだけの締め付けトルクで第1ロックナットを締め付けると、調節ボルトがどれだけの角度だけ回転するか(変化角度)、と言うことが事前に実験で求められ、第1ロックナットの締め付けトルクと調節ボルトの変化角度とが相関関係として設定されている。
これにより、前項〔2〕のように構成するとハンド装置で調節ボルトを回転操作する場合、この後の第1ロックナットの締め付けに伴い調節ボルトが回転することを見越して、実際の燃料噴射量が設定燃料噴射量に一致する位置よりも、前述の相関関係から求められる変化角度の分だけ手前側の回転操作位置に、調節ボルトが回転操作される。
従って、調節ボルトを前述の回転操作位置に回転操作した後、第1ロックナットを所定の締め付けトルクで締め付け固定すると、これに伴って調節ボルトが回転操作位置から回転して、実際の燃料噴射量が設定燃料噴射量に一致する位置に達することになる。
【0010】
【発明の効果】
請求項1のように構成すると、組み立てられた燃料噴射ポンプを所定位置に設置するだけで、実際の燃料噴射量の検出から調節ボルトの回転操作並びに第1及び第2ロックナットの締め付け固定までが、一連の作業として自動的に行われるので、この作業に必要な時間を短縮し及び作業者の手間を省くことができて、作業性の向上を図ることができた。
【0011】
また、燃料噴射ポンプを所定位置に設置するだけで、実際の燃料噴射量の検出から調節ボルトの回転操作並びに第1及び第2ロックナットの締め付け固定までが、一連の作業として自動的に行われるので、作業性をさらに向上させることができた。
【0012】
請求項2のように構成すると、請求項1のように構成した場合と同様に前述の請求項1の「発明の効果」を備えている。
請求項2のように構成すると、ロックナットの締め付けに伴い調節ボルトが回転して、実際の燃料噴射量が設定燃料噴射量から外れる現象を未然に防止することができるので、燃料噴射量の調節精度を高いものにすることができる。
【0013】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
(1)
図1に燃料噴射ポンプ1の全体を示しており、ケース2に図1の紙面上下向きの4つのプランジャ3、プランジャ3を進退駆動する1つのカム軸4等が備えられ、燃料噴射量を制御するガバナ装置5が燃料噴射ポンプ1の横側面に連結されている。燃料噴射ポンプ1が連結されるエンジン6はディーゼル型式であり、図3に示すように、エンジン6の前部に駆動ギヤケース7を備えており、エンジン6の横壁から出た駆動ギヤケース7の部分に燃料噴射ポンプ1が連結される。
【0014】
(2)
次に、燃料噴射ポンプ1における実際の燃料噴射時期の検出、燃料噴射量の検出及び調節を行う施設について説明する。
図1に示すように、燃料噴射ポンプ1が設置固定される支持台9、及び支持台9の燃料噴射ポンプ1のカム軸4に連結される主軸10(駆動装置に相当)が備えられており、主軸10とベルト伝動機構11を介して接続される高速モータ12、主軸10とベルト伝動機構13及びクラッチ14を介して接続される低速モータ15、主軸10の回転数を検出する高回転用のロータリエンコーダ16、並びに、主軸10の角度を精密に検出する低回転用のロータリエンコーダ17が備えられている。
【0015】
燃料噴射ポンプ1の4つのプランジャ3の各々からの検出パイプ18が、燃料噴射量検出装置19に接続されて、1つの検出パイプ18に切換弁20が設けられ、切換弁20に燃料噴射時期の検出用の噴射センサー21が接続されており、検査用の制御装置22が備えられている。
燃料噴射ポンプ1の燃料噴射量の調節用として、図5に示すガバナ装置5の第1,2,3,4調節ボルト31,32,33,34(調節ボルトに相当)を調節操作するハンド装置23、及びハンド装置23用の制御装置24が備えられている。ハンド装置23の先端に軸芯P1周りに回転駆動自在な爪支持部26が連結され、一対の挟持爪27が図1の紙面上下方向にスライド自在に爪支持部26に支持されている。
【0016】
(3)
燃料噴射ポンプ1においては実際の燃料噴射時期の検出、燃料噴射量の検出及び調節を行い、この後に燃料噴射ポンプ1をエンジン6に連結する。先ず、実際の燃料噴射時期の検出について説明する(図8及び図9参照)。
図3に示すように、燃料噴射ポンプ1のカム軸4を駆動するエンジン6のクランク軸25において、所定のシリンダのピストン(図示せず)が上死点となる位置を基準位置A2として設定しており、クランク軸25が基準位置A2からどれだけの角度だけ回転すると、燃料噴射ポンプ1から燃料が噴射されるべきかの設定角度Bが、設計値として設定されている。
【0017】
これに対し燃料噴射ポンプ1のカム軸4にも、図2(イ)に示すようにケース2に基準位置A1(プランジャ3と同じ方向に向く位置)が設定され、この基準位置A1からカム軸4(キー溝4a)が前述の設定角度Bだけ回転すると、前述の所定のシリンダ(ピストン)に対応する所定のプランジャ3から燃料の噴射が行われるように、燃料噴射ポンプ1が組み立てられる。
しかし、燃料噴射ポンプ1の組立精度のバラ付きにより、カム軸4(キー溝4a)が前述の設定角度Bとは異なる角度に達すると燃料が噴射されるように、燃料噴射ポンプ1が組み立てられていることがある。
【0018】
図1に示すように、組み立てられた燃料噴射ポンプ1を垂直姿勢で支持台9に固定し、主軸10を燃料噴射ポンプ1のカム軸4にキー(図示せず)により連結する(ステップS1)。この場合、図1に示すように低速モータ15で主軸10をゆっくりと回転させて、図2(イ)に示すようにカム軸4のキー溝4aが垂直方向の上に向くように設定すると(ケース2の基準位置A1にキー溝4aが位置する状態)、カム軸4(キー溝4a)の位置がロータリエンコーダ17によって検出され、基準位置A1として制御装置22に記憶される(ステップS2)。
次に、図1に示す切換弁20を噴射センサー21側に切換操作し(ステップS3)、高速モータ12により主軸10をエンジン6の定格回転数(例えば、1500rpm)で回転駆動して(ステップS4)、所定のプランジャ3から噴射される燃料を噴射センサー21によって検出する。
【0019】
これにより図2(イ)に示すように、カム軸4(キー溝4a)がケース2の基準位置A1からどれだけの角度だけ回転すると、所定のプランジャ3から燃料が噴射されるのかが、噴射センサー21及びロータリエンコーダ16によって検出され、この角度が回転角度B1として制御装置22に記憶される(ステップS5)。そして、設定角度Bと検出された回転角度B1との角度差Cが検出され、この角度差Cが制御装置22に記憶される(ステップS6)。
【0020】
(4)
次に、燃料噴射ポンプ1の燃料噴射量の検出及び調節について説明する。
前項(3)のようにして角度差Cが記憶されると(ステップS6)、燃料噴射量の検出に入るのであり、図1に示すように、燃料噴射ポンプ1を支持台9に固定した状態で、切換弁20を燃料噴射量検出装置19側に切換操作する(ステップS7)。
【0021】
次に、高速モータ12により主軸10を最高回転数(例えば、前述の定格回転数の108%)で回転駆動して、このときに4つのプランジャ3から噴射される燃料噴射量を燃料噴射量検出装置19で検出して、この検出値の平均をとることによって、最高回転数での1つのプランジャ3の燃料噴射量を検出する。
以下、これと同じ作業が前述の定格回転数、定格回転数の60%の回転数、及び最低回転数(例えば650rpm)の3種類の回転数においても同様に行われて、以上の4種類の回転数での1つのプランジャ3の燃料噴射量が制御装置22に記憶される(ステップS8,S9)。
【0022】
この場合、前述の4種類の回転数でのプランジャ3の燃料噴射量がどれだけの量であるべきかと言うことが、4種類の設定燃料噴射量(設計値)として事前に設定されている。これにより、前述のようにして検出された4種類の回転数での燃料噴射量と設定燃料噴射量とが比較され、前述の4種類の回転数において、設定燃料噴射量と検出された燃料噴射量との噴射量差Dが検出されて、制御装置22に記憶される(ステップS10)。
【0023】
(5)
前項(4)のようにして、4種類の回転数の噴射量差Dが検出されると、主軸10が停止操作されて、噴射量差Dが制御装置22からハンド装置23の制御装置24に送られる。
制御装置24では送られてきた噴射量差Dに基づいて、この噴射量差Dを零にするには、図5に示す第1〜第4調節ボルト31〜34を、組立時の角度(現在の角度)から、どれだけの角度だけ正側又は逆側に回転操作すればよいかと言う回転操作位置が設定され(ステップS11)、この回転操作位置に基づいてハンド装置23を後述のように作動操作する。前述の組立時の角度とは、燃料噴射ポンプ1が支持台9に固定される前の角度であり、制御装置24に事前に入力されている。
【0024】
これにより、図1に示すように挟持爪27が外側にスライド操作され、ハンド装置23が挟持爪27の先端を先ず最高回転数用の第1調節ボルト31の頭部に位置させ、挟持爪27が内側にスライド操作されて第1調節ボルト31の頭部を保持する。この後、爪支持部26が軸芯P1周りに回転操作され、最高回転数用の噴射量差Dに対応する回転操作位置に第1調節ボルト31が回転操作されるのであり(ステップS12)、コントロールラック(図示せず)を制御するリンク機構8において、最高回転数に対応する部分の位置が第1調節ボルト31により変更されて、最高回転数に対応する燃料噴射量の調節が行われる。
【0025】
図5に示すように、第1〜第4調節ボルト31〜34には固定用の第1ロックナット35(ロックナットに相当)、及び第2ロックナット36が備えられており、第1調節ボルト31の回転操作後にハンド装置23の挟持爪27が第1ロックナット35を保持して、所定の締め付けトルクで第1ロックナット35を締め付け固定する(ステップS13)。
このように第1ロックナット35を締め付け固定すると、この締め付けに伴って第1調節ボルト31も少し回転する。そこで、どれだけの締め付けトルクで第1ロックナット35を締め付け固定すると、第1〜第4調節ボルト31〜34がどれだけの角度だけ回転するか(変化角度)、と言うことが事前に実験で求められており、図10の4つ実線に示すように各第1ロックナット35の締め付けトルクと、第1〜第4調節ボルト31〜34の変化角度とが相関関係として求められている。
【0026】
これにより、ハンド装置23の挟持爪27で第1調節ボルト31を回転操作位置に回転操作する場合、第1ロックナット35の締め付けに伴い第1調節ボルト31が回転することを見越して、最高回転数用の噴射量差Dが零になる角度よりも、図10に示す相関関係から求められる変化角度の分だけ手前側に、第1調節ボルト31の回転操作位置が設定される。
従って、第1調節ボルト31を回転操作位置に回転操作した後、第1ロックナット35を所定の締め付けトルクで締め付け固定すると、これに伴って第1調節ボルト31が回転操作位置から回転して、最高回転数用の噴射量差Dが零になる角度に達することになる。
【0027】
以上の調節は、他の第2〜第4調節ボルト32〜34においても同様に行われるのであり(ステップS11〜S13)、第2調節ボルト32により定格回転数に対応する燃料噴射量の調節、第3調節ボルト33により定格回転数の60%の回転数に対応する燃料噴射量の調節、及び第4調節ボルト34により最低回転数に対応する燃料噴射量の調節が行われる。
【0028】
以上のようにして第1〜第4調節ボルト31〜34による調節が終了すると、前項(4)のように燃料噴射ポンプ1のカム軸4が4種類の回転数で再び回転駆動されて、4種類の回転数の噴射量差Dが再び検出される(ステップS14)。この場合、4種類の回転数の噴射量差Dの全てが設定範囲内に入っていると(ステップS15)、燃料噴射ポンプ1における燃料噴射量の調節が完了したと判断されて、ハンド装置23の挟持爪27により第2ロックナット36が保持されて締め付け固定される(ステップS16)。
逆に、ステップS15において噴射量差Dがまだ設定範囲内に入っていない回転数があると、その回転数に対応する第1ロックナット35がハンド装置23によって緩め操作され(ステップS28)、ステップS10に戻ってその回転数に対応する燃料噴射量が再調節される。
【0029】
(6)
次に、燃料噴射ポンプ1のエンジン6への連結について説明する。
以上のようにして燃料噴射ポンプ1における燃料噴射量の調節が完了すると、前項(3)において制御装置22に記憶されている角度差Cに基づき、図1に示す低速モータ15及びロータリエンコーダ17により、図2(ロ)に示すようにカム軸4(キー溝4a)が、ケース2の基準位置A1から角度差Cだけ回転操作され、その角度B2でカム軸4が停止操作される(ステップS17)。
【0030】
図2(ロ)に示すように、回転角度B1が設定角度Bの上手側(紙面反時計方向側)であると、カム軸4(キー溝4a)がケース2の基準位置A1から前述と同じ上手側(紙面反時計方向側)に回転操作されるのであり、逆に回転角度B1が設定角度Bの下手側(紙面時計方向側)であると、カム軸4(キー溝4a)がケース2の基準位置A1から前述と同じ下手側(紙面時計方向側)に回転操作される。
【0031】
このようにカム軸4が停止すると図2(ロ)及び図4に示すように、セットボルト28により、カム軸4(キー溝4a)をこの角度B2に固定して(ステップS18)、この後にカム軸4を主軸10から外して、燃料噴射ポンプ1を支持台9から取り外す(ステップS19)。
この場合、カム軸4の外周にローレット加工が施されて滑り止め部4bが形成されており、セットボルト28の先端をカム軸4の滑り止め部4bに当て付けることによって、セットボルト28による固定後にカム軸4が滑って角度B2から回転するようなことがない。
【0032】
図4に示すようにカム軸4の端部にベアリング29が外嵌され、支持板30及びビス37により、ベアリング29が燃料噴射ポンプ1のケース2に取り付けられている。これによりカム軸4をセットボルト28で固定した後、図4及び図2(ハ)に示すように、カム軸4の端部にキー38によって第3駆動ギヤ39を固定する(ステップS20)。
【0033】
これに対して、図3及び図4に示すように駆動ギヤケース7の蓋部7aを開放した状態で、エンジン6のクランク軸25(第1駆動ギヤ41が固定されている)を基準位置A2に仮固定し(ステップS21)、駆動ギヤケース7に第2駆動ギヤ40を支持する(ステップS22)。第2駆動ギヤ40には、180°位相が異なる一対の合いマーク40aが刻印されており、第1駆動ギヤ41に刻印された合いマーク41aに、一方の合いマーク40aが一致するように第2駆動ギヤ40を第1駆動ギヤ41に咬合させる。
【0034】
次に図3及び図4に示すように、駆動ギヤケース7の開口部7bに燃料噴射ポンプ1の支持板30及び第3駆動ギヤ39を挿入しながら、第3駆動ギヤ39の合いマーク39aが第2駆動ギヤ40の他方の合いマーク40aに一致するように、燃料噴射ポンプ1のケース2をカム軸4周りに正逆に傾斜させながら(図3に示す構成では紙面時計方向)、第3駆動ギヤ39を第2駆動ギヤ40に咬合させて、燃料噴射ポンプ1のケース2を駆動ギヤケース7に当て付ける(ステップS23)。
【0035】
図4に示すように、駆動ギヤケース7の開口部7bの周囲に3つのボルト孔7cが形成され、図2(イ)に示すように燃料噴射ポンプ1のケース2において、駆動ギヤケース7のボルト孔7cに対向する位置に3つの長孔2aが形成されている。
これにより、図3に示すように第3駆動ギヤ39の合いマーク39aが第2駆動ギヤ40の他方の合いマーク40aに一致するように、燃料噴射ポンプ1のケース2を、カム軸4周りに正逆に傾斜させながら駆動ギヤケース7に当て付けた状態において、図3及び図4に示すようにボルト42をケース2の長孔2aから駆動ギヤケース7のボルト孔7cに挿入し、ボルト42により燃料噴射ポンプ1を駆動ギヤケース7に連結固定する(ステップS24)。
【0036】
図2(イ)に示すように、燃料噴射ポンプ1のケース2の所定位置に合いマーク2bが事前に刻印されており、図3に示すようにボルト42で燃料噴射ポンプ1を駆動ギヤケース7に連結固定すると(ステップS24)、ケース2の合いマーク2bに対応する駆動ギヤケース7の部分に、位置決めマーク7dを刻印する(ステップS25)。
以上の操作が終了すると、駆動ギヤケース7の蓋部7aを閉じ操作し(ステップS26)、燃料噴射ポンプ1のセットボルト28を外し操作して、エンジン6のクランク軸25の仮固定を外すのであり(ステップS27)、これによって1つの燃料噴射ポンプ1のエンジン6への連結が完了する。
【0037】
前述のようにしてエンジン6への燃料噴射ポンプ1の連結が完了すると、以下の説明のようにして、第1〜第4調節ボルト31〜34に封印を施して、一般の使用者が第1〜第4調節ボルト31〜34の調節を行えないようにする場合がある。
図6及び図7に示すように、一対の切り込み43aが入れられた金属性で円筒状のパイプ43を用意して、パイプ43を第1〜第4調節ボルト31〜34に第1ロックナット35の首部35a(断面円形)まで被せ、パイプ43における切り込み43aから奥側の部分をペンチ等の工具によって押し潰し、この部分を第1ロックナット35の首部35aに押し付ける。
これにより、パイプ43によって第1〜第4調節ボルト31〜34が覆われて第1〜第4調節ボルト31〜34の調節が行えないのであり、切り込み43aの部分が第1ロックナット35に引っ掛かってパイプ43は抜けない。
【0038】
〔別実施例〕
前述の実施例では、燃料噴射ポンプ1のカム軸4とエンジン6のクランク軸25とを第1〜第3駆動ギヤ41,40,39を介して連動連結するように構成しているが、燃料噴射ポンプ1のカム軸4の端部と、エンジン6側の駆動軸(図示せず)の端部とを、突き合わせて1つのキー(図示せず)により連結するように構成してもよい。
【0039】
尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を便利にする為に符号を記すが、該記入により本発明は添付図面の構成に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 燃料噴射ポンプの燃料噴射時期の検出、燃料噴射量の検出及び調節を行う施設の全体を示す図
【図2】 燃料噴射ポンプにおいて、実際に燃料が噴射されるカム軸の回転角度の検出から、カム軸の固定及び第3駆動ギヤの取り付けまでの流れを示す図
【図3】 図2の状態後に燃料噴射ポンプをエンジンに連結した状態を示す図
【図4】 燃料噴射ポンプにおけるカム軸の端部及び第3駆動ギヤ付近の断面図
【図5】 燃料噴射ポンプにおけるガバナ装置付近の断面図
【図6】 第1〜第4調節ボルトの封印用のパイプを示す斜視図
【図7】 第1〜第4調節ボルトに封印用のパイプを取り付けた状態を示す断面図
【図8】 燃料噴射ポンプのエンジンへの連結の流れの前半を示す図
【図9】 燃料噴射ポンプのエンジンへの連結の流れの後半を示す図
【図10】 第1ロックナットの締め付けトルクと第1〜第4調節ボルトの変化角度との相関関係を示す図
【符号の説明】
1 燃料噴射ポンプ
3 燃料噴射ポンプのプランジャ
4 燃料噴射ポンプのカム軸
5 ガバナ装置
10 駆動装置
19 燃料噴射量検出装置
23 ハンド装置
24 制御装置
35 ロックナット
31,32,33,34 調節ボルト
Claims (2)
- 燃料噴射ポンプ(1)のプランジャ(3)を進退駆動するカム軸(4)を所定の回転数で回転駆動する駆動装置(10)と、前記駆動装置(10)により前記カム軸(4)が回転駆動されている状態で、前記プランジャ(3)からの実際の燃料噴射量を検出する燃料噴射量検出装置(19)と、
前記駆動装置(10)により回転駆動される前記カム軸(4)の所定の回転数とこの回転数に対応して前記燃料噴射量検出装置(19)で検出された燃料噴射量を記憶する検査用の制御装置(22)と、
前記燃料噴射ポンプ(1)に備えられたガバナ装置(5)における燃料噴射量の調節ボルト(31),(32),(33),(34)を保持し回転操作して、前記燃料噴射ポンプ(1)の燃料噴射量を変更調節するとともに、前記調節ボルト(31),(32),(33),(34)に備えた回り止め用の第1ロックナット(35)と第2ロックナット(36)を保持して回転操作して前記調節ボルト(31),(32),(33),(34)を回り止め固定するハンド装置(23)とを備えると共に、
前記燃料噴射量検出装置(19)によって検出された実際の燃料噴射量と事前に設定された設定燃料噴射量との噴射量差(D)が設定範囲内となるように、前記検査用の制御装置(22)からの情報を基に前記ハンド装置(23)を作動操作するハンド装置制御用の制御装置(24)を備え、
前記ハンド装置(23)により前記調節ボルト(31),(32),(33),(34)が回転操作されて燃料噴射ポンプ(1)の燃料噴射量が調節された後に、前記第1ロックナット(35)が保持され回転操作されて締め付け固定され、その後再度噴射量差(D)が検出され再検出された噴射量差(D)が設定範囲内に入っていない場合は、ハンド装置(23)により第1ロックナット(35)を緩めて再度前記調節ボルト(31),(32),(33),(34)が回転操作されて燃料噴射ポンプ(1)の燃料噴射量が調節され、前記再検出された噴射量差(D)が設定範囲内に入っている場合は、前記第2ロックナット(36)を締め付け固定するように前記ハンド装置(23)を制御すべく前記制御装置(24)を構成してある燃料噴射ポンプの燃料噴射量調節施設。 - 前記第1ロックナット(35)の回転操作による締め付けに伴い、前記調節ボルト(31),(32),(33),(34)が前記第1ロックナット(35)と同じ方向に回転する際の変化角度において、前記第1ロックナット(35)の締め付けトルクと前記調節ボルト(31),(32),(33),(34)の変化角度との相関関係を事前に設定しておき、
前記ハンド装置(23)により前記第1ロックナット(35)を締め付け固定した際に、前記調節ボルト(31),(32),(33),(34)が回転して前記実際の燃料噴射量が前記設定燃料噴射量となるように、前記相関関係に基づいて前記ハンド装置(23)による調節ボルト(31),(32),(33),(34)の回転操作位置を設定するように、前記制御装置(24)を構成してある請求項1記載の燃料噴射ポンプの燃料噴射量調節施設。
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