JP3761137B2 - 送風装置およびそれを用いた冷蔵庫 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、送風装置およびそれを用いた冷蔵庫に関するものであり、特に、冷蔵庫内の冷気循環に用いられる送風装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
プロペラファンは製造が容易で、かつ小型でも風量が多く、さらに安価に製作可能という理由で幅広い用途で使用されている。しかし、そのほとんどは圧力負荷が比較的低い条件での使用である。そこで、プロペラファンを圧力負荷の比較的高い条件で使用可能とするために高静圧化することが行われている。ここで、静圧とは、流体の全圧(総圧)から運動エネルギーである動圧を差し引いたものであり、高静圧化とは、当該静圧を高めることをいう。プロペラファンを高静圧化することができれば、さらに用途を広げることができる。
【0003】
プロペラファンを高静圧化する従来の技術としては、たとえば、特公昭63−60240号がある。図11は、従来技術である送風装置の断面図である。図において、1はプロペラファン、2はファンを駆動するモータ、4は吹き出し前壁である。プロペラファン1から吹出された空気の流れは、まず、吹き出し前壁4により径方向に向けられる。つぎにこの流れが吹き出し前壁4とそれに対向する面で形成される風路に入るが、当該風路はプロペラファン1と吹き出し前壁4の間で最小となり、径方向に進むにつれて徐々に大きくなる、いわゆる遠心ディフューザ形状であるので速度エネルギーが静圧に変換されて高静圧を実現する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術のプロペラファンは、低圧力損失の動作点における特性を改善するために検討された形状の内で、高圧力損失の動作点における特性が比較的優れたものが選定され、使用されていた。そのため、上記プロペラファンは、比較的高圧力損失の動作点において、高い静圧を得られず、風量を増加することができなくなるという問題点があった。このことは、冷却能力を低下させ、冷却サイクル負荷の低減による省エネルギー性を高めることを困難にする原因となるものである。
【0005】
また、回転円筒の側面に複数の翼を有し、遠心力を利用して送風するタイプのシロッコファンを径方向への送風の容易化のために用いることが考えられるが、冷蔵庫に当該シロッコファンを用いると、着霜時に翼間が詰まってしまい、使用に耐えないという問題点もある。さらに、上記従来技術のプロペラファンを用いると送風装置の振動が要因で、騒音が大きくなるという問題点もあった。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、プロペラファンを用いて高静圧、低振動の送風装置、および、冷却能力が高く、省エネルギー性の高い冷蔵庫を得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、本発明にかかる送風装置は、プロペラファンと、プロペラファンの吹き出し方向に対向して近傍に位置する吹き出し前壁とを有する送風装置において、搭載されるプロペラファン回転軸と同軸な円筒によりファンを切断してできる3次元の翼断面から2次元的に展開してできる翼断面の反り角をボス部よりもチップ部において大きくしたものである。
【0008】
この発明にかかる送風装置のプロペラファンは、前述のようにチップ部における反り角をボス部における反り角よりも大きくしているので、チップ部側から流入する流れの向きを変えることにより回転する翼から見た相対速度を減少させ、静圧上昇を高めることができる。また、高圧力負荷のもとでは、チップ部から空気の流れが漏れることによって負圧面に逆流が生じ、その結果静圧上昇が得られない現象が起こる。しかし、本実施の形態ではチップ部付近の圧力が高くなるのでチップ部へ向かう流れを緩和することができる。これにより、チップ部から漏れる空気の流れを減少させることができ、高い静圧上昇を得ることができる。
【0009】
つぎの発明にかかる送風装置は、上記送風装置において、チップ部における反り角をボス部における反り角よりも15deg以上大きくしたものである。この反り角の値は、実験的に求めたもので、これを具現化した送風装置は、最適な静圧化を図ることができる。
【0013】
つぎの発明にかかる送風装置は、プロペラファンと、プロペラファンに対向して近傍に位置する吹き出し前壁とを有する送風装置において、搭載されるプロペラファン回転軸と同軸な円筒によりファンを切断してできる3次元の翼断面から2次元的に展開してできる翼断面の反り角をボス部よりもチップ部において大きくするとともに、当該翼断面の弦節比(L/T)をボス部よりもチップ部において小さくしたものである。
【0014】
上記手段により、プロペラファンのチップ部を流れる空気の静圧を高めることができ、また、ファンの低振動化も促進することができる。
【0015】
つぎの発明にかかる送風装置は、上記送風装置において、搭載されるプロペラファンのボス部側面が吸い込み側から吹き出し側に向かい径が大きくなる形状を有するようにしたものである。
【0016】
上記送風装置は、上記手段により、翼前縁のボス部付近から翼後縁のチップ部付近への径方向へ広がる流れを促進させることができる。また、上記のボス部側面形状に加えて、翼形状をボス部の反り角よりもチップ部の反り角を大きくすることにより、静圧上昇を促進する効果が相乗される。さらに、翼形状をボス部の弦節比をチップ部の反り角よりも大きくすることにより、プロペラファンを高静圧化、低振動化することができる。
【0017】
つぎの発明にかかる送風装置は、上記送風装置において、プロペラファンに対向して位置する吹き出し前壁の形状を、プロペラファン回転軸線と交わる位置をほぼ中心としてプロペラファン側に凸となる凸形状としたものである。上記送風装置は、上記の手段によって、プロペラファンの吹き出し流れをより滑らかに径方向に向けることができる。
【0018】
つぎの発明にかかる冷蔵庫は、上記送風装置を備えるようにしたものである。したがって、高静圧化を可能とする送風装置を用いているので冷蔵庫内の冷気循環量を増やすことができる。そのため、冷蔵庫の冷却能力を高めることができる。また、冷気の庫内循環量を増やすことにより、冷却器特性を向上させることができる。また、低振動の送風装置を用いているので騒音源となる振動を小さくできる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、この発明にかかる送風装置およびそれを用いた冷蔵庫の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0020】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1にかかる送風装置の略断面図である。図において、1は羽根車であるプロペラファン、2は羽根車を駆動するモータ、3はファンリング、4は吹き出し前壁である。また、図2は、送風装置に配備されるプロペラファンを回転軸と直行する平面に投影したときのプロペラファン吸い込み側から見た投影図である。ここでは、例として3枚翼形状のものを示すが、翼の枚数は特に限定されない。また、その動作については、主に1枚の翼について説明するが、他の翼についても同様である。図において、5は3次元形状を有する翼、6は翼を取付けるボス部、7は翼外周端となるチップ部、8は吸い込み側でボス部とチップ部をつなぐ翼前縁、9は吹き出し側でボス部とチップ部をつなぐ翼後縁、10は回転方向である。吹き出し前壁4は、プロペラファン1近傍で、プロペラファン1からの吹き出し流れが当たる距離に位置し、その流れ方向を径方向に変えている。
【0021】
送風装置の性能は、搭載されるプロペラファンの形状により大きく左右される。このプロペラファンにおいて、翼5を構成する諸因子を明確にすることにより、当該翼5の3次元的曲面形状を具体的にすることができる。そこで、つぎに本発明にかかる送風装置に配備されるプロペラファンの構成因子を具体的に示す。
【0022】
図3は、上記翼5をプロペラファンと同軸な円筒で切断し、そのときにできる3次元の断面をボス部の中心と翼弦中心とを結ぶ直線に垂直な2次元平面に展開して得られる展開図である。また、図4は、上記展開の様子を模式的に示した図である。ここで、上記円筒は、図4に示すように、プロペラファンの中心と同心で、プロペラファンと交わる任意の半径Rを有し、その中心軸は、当該ファンの回転軸と平行なものである。
【0023】
図3に戻って、図中11は圧力面、12は負圧面である。また、θcは翼前縁8および翼後縁9における翼の反り曲線の接線に対して垂直な直線が交わりなす角で定義される反り角である。本実施の形態1ではチップ部における反り角θctをボス部における反り角θcbよりも大きくするものである。
【0024】
ここで、プロペラファン1を通過する流れの静圧上昇について説明する。上述の静圧上昇は二つの現象から実現される。一つは、空気の流れが径方向へ広がるときの遠心作用によるものである。そして、もう一つは、回転する翼5から見た空気の相対的な流れが、翼の反りに沿うように流れの向きを変えながら翼後縁9に向かうことにより相対速度が減少し、その減少分が静圧へと変換されるという作用によるものである。
【0025】
つぎに、プロペラファンを通過する空気流路と静圧上昇との関係について説明する。図5は、プロペラファン1を通過する空気の流れのイメージを示したものである。図において14a、14bは翼を通過する空気の流れを絶対場から見たイメージである。14aはボス部6側から流入する空気の流れであり、14bはチップ部7側から流入する空気の流れである。本発明の送風装置は、高圧力負荷の下で使用され、またプロペラファン1の吹き出し近傍に吹き出し前壁4が存在する環境で使用されるものである。このことにより、当該送風装置に流入する空気の内、ボス部6側から流入した流れ14aは、全体的に径方向へと流れる。したがって、ボス部6側から流入する流れ14aは、翼前縁8と翼後縁9を通過する際にボス部6中心からの半径が大きく異なる経路をたどることになり、遠心作用による静圧上昇が大きくなる。一方、チップ部7側から流入する流れ14bは翼前縁8と翼後縁9での半径差が小さく、遠心作用による静圧上昇は小さい。
【0026】
本実施の形態1にかかる送風装置のプロペラファン1は、前述のようにチップ部7における反り角θctをボス部6における反り角θcbよりも大きくしているので、チップ部7側から流入する流れ14bの向きを変えることにより回転する翼5から見た相対速度を減少させ、静圧上昇を高めることができる。
【0027】
また、高圧力負荷のもとでは、チップ部7から空気の流れが漏れることによって負圧面に逆流が生じ、その結果静圧上昇が得られない現象が起こる。しかし、本実施の形態ではチップ部7付近の圧力が高くなるのでチップ部7へ向かう流れを緩和することができる。これにより、チップ部7から漏れる空気の流れを減少させることができ、高い静圧上昇を得ることができる。
【0028】
したがって、本実施の形態1にかかる送風装置は圧力負荷の大きい環境の下でも高い静圧を得ることができる。
【0029】
なお、上記送風装置の翼の全体形状は、翼前縁8と翼後縁9の接線方向で決定される反り角によっておよそ特定されるものだが、翼前縁8と翼後縁9の形状、すなわち、接線方向を少しでも異なるものとすれば、翼全体の形状はそのままであるにも拘わらず、反り角の値が変化してしまい、反り角を助変数として翼の全体形状を特定しようとする意義が没却される可能性がある。本発明の実施の形態1では、チップ部側から流入する流れ14bを大きく転向させること等に意義を有するので、上記実施の形態1にかかる送風装置の翼形状と全く同一でなくとも、当該翼形状を包含する形状を有する翼を構成要件とする送風装置によっても高い静圧が得られると考えられる。
【0030】
ここで、本実施の形態1にかかる送風装置の翼形状の効果を実験的に調べたところ、ボス部6における反り角θcbとチップ部7における反り角θctとの差を15deg以上とするときに高い静圧が得られるという効果があることが認められた。
【0031】
実施の形態2.
図6は、本発明にかかる実施の形態2を説明するための概念図である。具体的には翼の1枚について図3と同様にして得られた展開図を便宜的に2枚並べたものである。図の中で、翼弦長Lは図3と同様にして得られる断面図の翼前縁8と翼後縁9との距離であり、翼間Tは3次元的に併設された隣合う翼同士の距離である。図面中の記号は翼1枚についてのみ記しているが、他の翼についても同様である。本実施の形態2では、翼間Tと翼弦長Lとの比(L/T)を弦節比σとし、ボス部6における弦節比σbとチップ部7における弦節比σtの関係をσb>σtとしている。
【0032】
高圧力負荷におけるプロペラファン1による静圧の上昇は、翼前縁8のボス部6付近から吸い込み、翼後縁9のチップ部7付近へ向かう流れ(図5の14a)の遠心作用によるものが大きい。
【0033】
本実施の形態2ではσb>σtとしているので、ボス部6付近において翼間Tに対する翼弦長を大きくとることができ、ボス部付近における仕事量をさらに高めることができる。これにより、静圧上昇を大きくすることが可能となる。また、ボス部における翼弦長を大きくとることは、翼5の剛性を向上することにつながり、振動を減少させることが可能となる。また、チップ部7での翼弦長Lを翼間Tに対して相対的に短くとることができるので翼5全体を軽量化でき、プロペラファン回転時のぶれを小さくすることができる。そして、その結果、振動を小さくすることが可能となる。
【0034】
したがって、本実施の形態2によれば、高静圧上昇が可能で、振動の少ない送風装置を得ることができる。なお、任意の半径位置における弦節比σのうち、チップ部7における弦節比σtを最小とすると翼の軽量化の効果が大きく、よって低振動化の効果も大きくなる。
【0035】
実施の形態3.
実施の形態3は、図3に示す反り角θcにおいてチップ部7における反り角θctとボス部6における反り角θcbとの関係をθcb<θctとし、かつ、図6に示す翼弦長Lと翼間Tとの比である弦節比σにおいてボス部6における弦節比σbとチップ部7における弦節比σtとの関係をσb>σtとするものである。即ち、実施の形態1の特徴に、実施の形態2の特徴を加え合わせたものである。
【0036】
本実施の形態3によれば、プロペラファン1のチップ部を流れる空気の静圧を高めることができ、また、ファン1の高静圧化、低振動化を促進することができる。したがって、本実施の形態3によれば、高静圧化、低振動化を促進可能とする送風装置を得ることができる。
【0037】
実施の形態4.
図7は実施の形態4にかかる送風装置に搭載されるプロペラファン1の側面図である。図の中で、αは回転軸と平行な直線とボス部6の側面とがなすボス傾斜角である。実施の形態4にかかる送風装置は、ボス部6の側面形状が吹き出し側に広くなるようなボス傾斜角αを有し、翼の形状を実施の形態1〜3のいずれかの特徴を有する形状としたものである。また、搭載されるプロペラファンのボス部側面形状は、上記のように傾斜角を有するようにしてもよく、また、滑らかに円弧やスプライン曲線等を用いて吸い込み側から吹き出し側に向かい径が大きくなる形状を有するようにしても良い。
【0038】
実施の形態4にかかる送風装置は、ボス部6の側面形状を上記のように吹き出し側へ広がる形状とすることにより、翼前縁8のボス部6付近から翼後縁9のチップ部7付近への径方向へ広がる流れを促進させ、プロペラファン1の静圧上昇を高めることができる。また、上記のボス部6側面形状に加えて、2次元翼断面の反り角θcについてθcb<θctとすることにより、静圧上昇を促進する効果が相乗され、より高静圧化が可能な送風装置を得ることができる。さらに加えて、翼形状の弦節比σをσb>σtとすることにより、プロペラファン1を高静圧化、低振動化することができ、全体として高静圧化、低振動化が可能な送風装置を得ることができる。
【0039】
なお、本実施の形態4にかかる送風装置では、ボス部6の側面を回転軸と平行にしないので、ボス部6付近の翼形状を把握しにくい。そこで、プロペラファン1の設計の際に、まずボス部6側面形状を回転軸と平行な円筒形状として、翼5の形状を設計する。つぎに翼前縁8とボス部6が交わる点から翼後縁9に向かってボス傾斜角αが付いたボス部6の形状を設計する。そして、その際、翼5のボス部6の内側に隠れる部分を取り除いてプロペラファン1の形状を決定すればよい。以上の手順により本実施の形態4にかかる送風装置のプロペラファン1の形状を決めることができる。
【0040】
実施の形態5.
図8は、実施の形態5にかかる送風装置の断面図である。この実施の形態5にかかる送風装置は、吹き出し前壁4をプロペラファン1側に凸となる凸形状とするとともに、プロペラファン1を上記各実施の形態に記載のいずれかの特徴を有する形状としたものである。吹き出し前壁4の凸形状は、図8(a)のように円錐形状とすることができ、また(b)のように曲面を組み合わせた形状とすることもできる。プロペラファン1に対向する位置の吹き出し前壁4は、そこを流れる空気に乱流を発生させないように滑らかな斜面となっていることが必要である。
【0041】
この実施の形態5にかかる送風装置は、上記のような構成を有することにより、プロペラファン1の吹き出し流れをより滑らかに径方向に向けることができる。このため、この実施の形態5にかかる送風装置は、実施の形態1〜4で述べたプロペラファン1の形状による静圧上昇効果をさらに高めることができる。
【0042】
実施の形態6.
図9は、実施の形態6にかかる冷蔵庫の断面略図である。図において、15は冷却器、16は冷凍室、冷蔵室、野菜室などであり、ここではまとめて冷温室と称する。どの位置がどの温度帯の部屋であるかは、ここで問題とはならない。17は吹き出し口から吹出す冷気、18は前扉である。
【0043】
冷蔵庫の送風装置は、冷却器15にて温度を下げられた空気を各冷温室16に送り出す役割をする。プロペラファン1から吹き出した冷気は吹き出し前壁4に備えられた吹き出し口19から冷温室2へ吹出す。また、図示は省略するが、他にも冷蔵庫の壁面に沿って備えられた風路を経て各冷温室16へ吹出す。冷温室へ吹出された冷気は回収されて再び冷却器15にて冷やされる。
【0044】
このように冷蔵庫内の風路は複雑であり、圧力損失も大きい。本実施の形態6は高静圧化を可能とする送風装置を用いているので冷蔵庫の冷気の庫内循環量を増やすことができる。そのため、冷蔵庫の冷却能力を高めることができる。また、冷気の庫内循環量を増やすことにより、冷却器特性を向上させることができ、その結果、冷凍サイクルの負荷も低減させ、入力電力が低くて済む省エネルギー性の高い冷蔵庫とすることができる。また、冷蔵庫の送風装置は低温で使用されるので、材料の弾性が低下して振動が伝わりやすく騒音の原因となりやすい。本実施の形態6では、低振動の送風装置を用いているので騒音源となる振動が小さく、低騒音の冷蔵庫とすることができる。
【0045】
【実施例】
つぎに、本発明を実施した送風装置の試験結果について述べる。まず、試験を行った送風装置に搭載されたプロペラファン1の形状について説明する。以下、プロペラファン1のボス部6の半径をRbとし、ボス部6の中心からチップ部7までの半径をRtとする。また、翼の反り角θcに関しては、ボス部6での反り角をθcbとし、チップ部7での反り角をθctとして、半径Rにおける反り角θcを、
θc=θcb+(RーRb)×(θctーθcb)/(RtーRb)
で与え、θcb=10゜、θct=36゜とした。
【0046】
弦節比σに関しては、ボス部6での弦節比をσbとし、チップ部7での弦節比をσtとして、半径Rにおける反り角σを、
σ=σb+(RーRb)×(σtーσb)/(RtーRb)
で与え、σb=1.1、σt=0.9とした。ボス部6の側面形状を半径Rbと翼前縁8との交わる点を基準として、ボス傾斜角α=30゜にて吹き出し側に広くなる形状とした。翼の形状はボス傾斜角αがないものとして設計し、ボス傾斜角αをつけたときに、傾斜したボス部側面の内側になる翼は省略した。
【0047】
図10は、上記の形状をもつプロペラファン1を搭載した送風装置の特性と従来の送風装置の特性とを同一ファン回転数にて比較試験した結果をグラフに表したものである。図において、横軸が風量、縦軸が静圧である。また、実線が本発明にかかる送風装置、破線が従来の送風装置である。また、2点鎖線で挟まれた領域は、冷蔵庫に適用した場合の運転動作領域である。
【0048】
本発明にかかる送風装置では、全域にわたり、従来の冷蔵庫の送風装置よりも高静圧となることがわかる。特に冷蔵庫に適応した場合での運転動作領域においてその改善の度合いが大きいので、冷蔵庫の能力改善に対する効果が大きいことがわかる。したがって、本発明により高静圧の送風装置が得られることがわかった。さらに、本発明にかかる送風装置を冷蔵庫に適用した場合に改善の効果が大きいことがわかった。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明にかかる送風装置によれば、搭載されるプロペラファン回転軸と同軸な円筒によりファンを切断してできる3次元の翼断面から2次元的に展開してできる翼断面の反り角をボス部よりもチップ部において大きくしたので、吹き出す空気の高静圧化が可能となる。
【0050】
つぎの発明にかかる送風装置によれば、上記送風装置において、チップ部における反り角をボス部における反り角よりも15deg 以上大きくしたので、吹き出す空気の最適な高静圧化を図ることができる。
【0053】
つぎの発明にかかる送風装置によれば、プロペラファンと、プロペラファンに対向して近傍に位置する吹き出し前壁とを有する送風装置において、搭載されるプロペラファン回転軸を中心とした円筒によりファンを切断してできる翼断面を2次元的に展開してできる翼断面の反り角をボス部よりもチップ部において大きくするとともに、当該翼断面の弦節比(L/T)をボス部よりもチップ部において小さくしたので、静圧上昇を可能とし、かつ、振動を少なくすることができる。
【0054】
つぎの発明にかかる送風装置によれば、上記送風装置において、搭載されるプロペラファンのボス部側面が吸い込み側から吹き出し側に向かい径が大きくなる形状を有するので、静圧上昇を可能とすることができる。
【0055】
つぎの発明にかかる送風装置によれば、上記送風装置において、プロペラファンに対向して位置する吹き出し前壁の形状が、プロペラファン回転軸線と交わる位置をほぼ中心としてプロペラファン側に凸となる凸面としたので、静圧を上昇させることができる。
【0056】
つぎの発明にかかる冷蔵庫によれば、上記送風装置を備えたので、冷却能力および省エネルギー性を高めることができ、また、振動を減少させ、その結果、騒音を減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1にかかる送風装置の構成を示す略断面図である。
【図2】 送風装置に配備されるプロペラファンを回転軸と直行する平面に投影したときのプロペラファン吸い込み側から見た図である。
【図3】 翼を円筒で切断し、そのときにできる断面をボス部の中心と翼中心とを結ぶ直線に垂直な2次元平面に展開して示す展開図である。
【図4】 3次元断面を2次元に展開する様子を模式的に示した図である。
【図5】 プロペラファンを通過する空気の流れのイメージを示した図である。
【図6】 本発明の実施の形態2にかかる送風装置の構成を示す概念図である。
【図7】 本発明の実施の形態4にかかる送風装置に搭載されるプロペラファンを示す側面図である。
【図8】 本発明の実施の形態5にかかる送風装置を示す断面図である。
【図9】 本発明の実施の形態6にかかる冷蔵庫を示す断面図である。
【図10】 本発明に係る送風装置の特性と従来の送風装置の特性とを同一ファン回転数にて比較試験した結果を示すグラフである。
【図11】 従来技術である送風装置の断面図である。
【符号の説明】
1 プロペラファン、2 モータ、3 ファンリング、4 吹き出し前壁、5翼、6 ボス部、7 チップ部、8 翼前縁、9 翼後縁、10 回転方向、11 圧力面、12 負圧面、14a ボス部側から流入する流れ、14b チップ部側から流入する流れ、15 冷却器、16 冷温室、17 吹き出し口から吹き出す冷気、18 目扉、19 吹き出し口、R 半径、θc 反り角、T翼間、L 翼弦長、σ 弦節比、α ボス傾斜角。
Claims (6)
- プロペラファンと、プロペラファンの吹き出し方向に対向して近傍に位置する吹き出し前壁とを有する送風装置において、搭載されるプロペラファン回転軸と同軸な円筒によりプロペラファンを切断してできる3次元の翼断面から2次元的に展開してできる翼断面の反り角をボス部よりもチップ部において大きくすることを特徴とする送風装置。
- 前記チップ部における反り角をボス部における反り角よりも15deg以上大きくしたことを特徴とする請求項1に記載の送風装置。
- プロペラファンと、プロペラファンに対向して近傍に位置する吹き出し前壁とを有する送風装置において、搭載されるプロペラファン回転軸と同軸な円筒によりファンを切断してできる3次元の翼断面から2次元的に展開してできる翼断面の反り角をボス部よりもチップ部において大きくするとともに、当該翼断面の弦節比(L/T)をボス部よりもチップ部において小さくしたことを特徴とする送風装置。
- 搭載されるプロペラファンのボス部側面が吸い込み側から吹き出し側に向かい径が大きくなる形状を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の送風装置。
- プロペラファンに対向して位置する吹き出し前壁の形状が、プロペラファン回転軸線と交わる位置をほぼ中心としてプロペラファン側に凸となる凸面としたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の送風装置。
- 請求項1〜5のいずれか一つに記載の送風装置を用いたことを特徴とする冷蔵庫。
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