JP3760736B2 - 助手席用エアバッグ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、助手席前方のインストルメントパネルに配置される助手席用エアバッグ装置に使用されるエアバッグに関する。
【0002】
【従来の技術とその課題】
従来、助手席用エアバッグ装置に使用されるエアバッグでは、展開膨張初期に、車両の前後方向に素早く展開し、上下方向に広く広がった角度で、後方へ移動できるように、整流布が、エアバッグ本体の内部で、膨張用ガスを流入させるガス流入口を覆って、車両の左右方向両側を閉塞し、車両の前後方向両側を開口させて、配設されていた(特開平11−278192号公報等参照)。この整流布は、左右方向に延びる帯状として、その左右両側が、ガス流入口の周縁における左右両側に結合される態様としていた。
【0003】
そして、このようなエアバッグでは、車両前方側に位置した乗員に対する押圧力を低減させるために、展開膨張初期にエアバッグ内部の車両後方側へ流れる膨張用ガスを、インストルメントパネルの表面に極力沿わせて、後方へ流すことが望ましい。この対処としては、整流布の車両前後方向の幅寸法を長く、特に、ガス流入口と対向する部位から、車両後方側に延びる長さ寸法を長くして、対処することが考えられる。
【0004】
しかし、このような対処では、整流布の布材が、余分に必要となるとともに、膨張用ガスを供給するインフレーターとして、高出力のものを使用するような場合には、整流布の後端側がめくれて、整流布の配設意義がなくなってしまう場合があった。
【0005】
本発明は、上述の課題を解決するものであり、整流布の材料使用量を極力抑えて、展開膨張初期に、インストルメントパネルの表面に沿って後方へ展開可能な助手席用エアバッグを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るエアバッグは、助手席前方のインストルメントパネルに配置される助手席用エアバッグ装置に使用され、
整流布が、ガス流入口から流入する膨張用ガスを車両の前後方向両側へ流すように、エアバッグ本体の内部で、前記ガス流入口を覆って、車両の左右方向両側を閉塞し、車両の前後方向両側を開口させて、配設されている助手席用エアバッグであって、
前記整流布が、前記膨張用ガスの流入時における前記ガス流入口と対向する車両前後方向の断面形状を、前記ガス流入口から離れる方向へ膨らむ曲線状としていることを特徴とする。
【0007】
前記整流布は、前端側の開口面積をSF、後端側の開口面積をSB、前後方向の中間部位の開口面積をSCとした際、SC>SF>SBとして、配設されることが望ましい。
【0008】
また、前記整流布は、前記エアバッグ本体のガス流入口の周縁に固着された状態として、固着部位から左右方向両側へ延びる端部相互を、車両前後方向で曲線状に結合させて、形成することが望ましい。
【0009】
【発明の効果】
本発明に係る助手席用エアバッグでは、展開膨張初期に、膨張用ガスがガス流入口から流入すると、膨張用ガスは、整流布と干渉して、車両の前方側と後方側とに分岐されて、流れることとなる。その際、整流布が、膨張用ガスの流入時におけるガス流入口と対向する車両前後方向の断面形状を、ガス流入口から離れる方向へ膨らむ曲線状としている。そのため、ガス流入口から流入した膨張用ガスが、整流布のガス流入口と対向する部位と干渉して、車両後方側へ流れる際、整流布の曲線に沿って、インストルメントパネル表面と平行ではなく、インストルメントパネル表面側へ向かう方向に変えられて、エアバッグ本体を展開させることとなり、その結果、エアバッグ本体が、極力、インストルメントパネル表面に沿って、後方側へ向かうこととなる。
【0010】
また、整流布は、車両後方側に長さ寸法を延ばすことなく、単に、膨張用ガスの流入時におけるガス流入口と対向する車両前後方向の断面形状を、ガス流入口から離れる方向へ膨らむ曲線状とするだけで形成できることから、材料使用量を極力少なくすることができる。
【0011】
したがって、本発明に係る助手席用エアバッグでは、整流布の材料使用量を極力抑えて、展開膨張初期に、インストルメントパネルの表面に沿って後方へ展開させることができる。
【0012】
そして、整流布の前端側の開口面積をSF、後端側の開口面積をSB、前後方向の中間部位の開口面積をSCとした際、SC>SF>SBとして、整流布を配設させる場合には、整流布とエアバッグ本体とで構成される車両の前後方向両側の開口面積に関して、前方側開口が、後方側開口より、開口面積を広くしている。そのため、エアバッグの展開膨張時、車両前方側に流れる膨張用ガスが、車両後方側へ流れる膨張用ガスより、流量を多くすることから、車両前方側に流れる膨張用ガスによって展開膨張する部位が、インストルメントパネルから突出して、ウインドシールドに沿って素早く後方へ移動し、その結果、エアバッグの乗員側の面を、迅速に鉛直方向に配置させることができる。そして、エアバッグ本体の乗員側の面は、その後、鉛直方向に沿って配置された状態で、車両後方側へ移動することとなり、部分的に突出することなく、乗員と広い面で干渉することとなって、乗員への単位面積当りの押圧力を低減させることが可能となる。
【0013】
また、整流布のガス流入口と対向する部位を所定の曲線状に形成する際、整流布をエアバッグ本体のガス流入口の周縁に固着させた状態として、固着部位から左右方向両側へ延びる端部相互を、車両前後方向で曲線状に結合させて、整流布を形成すれば、ガス流入口周縁から延びる両部材の端部相互を、単に、平面的に、曲線状に結合させるだけで、整流布のガス流入口と対向する部位を所定の曲線状に形成することができる。そのため、整流布をエアバッグ本体内に設ける作業を、容易に行うことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
【0015】
実施形態のエアバッグ10は、図7に示すように、インストルメントパネル(以下、インパネと略す)1の表面における上面1a側に配置されるトップマウントタイプの助手席用エアバッグ装置Mに使用されるものであり、このエアバッグ装置Mは、折り畳まれたエアバッグ10と、エアバッグ10に膨張用ガスを供給するインフレーター34と、エアバッグ10及びインフレーター34を収納保持するケース36と、エアバッグ10をケース36に取り付けるためのリテーナ31と、折り畳まれたエアバッグ10を覆うエアバッグカバー47と、エアバッグカバー47をケース36に強固に連結するための二つの押え板45と、を備えて構成されている。
【0016】
エアバッグ10をケース36に取り付けるリテーナ31は、四角環状の板金製として、所定位置に下方へ延びる複数のボルト31aを備えて構成されている。リテーナ31は、各ボルト31aをエアバッグ10の後述する取付孔14に挿通させるとともに、ケース36や押え板45の後述する底壁部39や横板部45aに挿通させて、各ボルト31aにナット31bを螺合させることにより、ケース36に取り付けられることとなる。
【0017】
インフレーター34は、シリンダタイプとして、ケース36の後述する下部室41内に収納保持されている。
【0018】
エアバッグカバー47は、オレフィン系やエステル系等の熱可塑性エラストマー等から形成されて、インパネ1の長方形状に開口する開口2を塞ぐように配置される天井壁部48と、天井壁部48の下面から下方へ延びる略四角筒形状の側壁部49と、から構成されている。天井壁部48は、側壁部49に囲まれた内側に、周囲に薄肉の破断予定部48bを配置させて、二つの扉部48a・48aを、配設させている。破断予定部48bは、天井壁部48の上方から見て、略H字形状に配置されており、膨張時のエアバッグ10に押されて破断した際、扉部48a・48aを図7・8の二点鎖線で示すように、観音扉を開かせるように、車両の前後方向に開かせることとなる。また、天井壁部48の車両の前後の縁には、下方へ突出する複数の係止脚48cが形成されている。各係止脚48cは、インパネ1の開口2の周縁に段差を有して設けられたフランジ部3の下面側に、係止されている。側壁部49には、車両の前後方向の部位に、車両の前後方向に貫通する複数の係止孔49aが、形成されており、これらの係止孔49aと押え板45とを使用して、側壁部49がケース36の後述する上部室37に連結されている。
【0019】
押え板45は、板金から形成されるとともに、横板部45aと横板部45aの端部から上方へ延びる縦板部45bとを備えた断面L字形として、ケース36の車両の前後方向に部位に、それぞれ、配置されている。そして、各横板部45aには、リテーナ31の各ボルト31aを挿通させる貫通孔(図符号省略)が形成され、各縦板部45bの上端は、ケース36の後述する係止突起38aに挿通可能に形成されている。
【0020】
ケース36は、板金製として、上方を開口させた直方体形状の上部室37と、上部室37と連通するように、ケース36の下部側に配置される下部室41と、から構成されている。
【0021】
上部室37は、略四角筒形状の周壁部38と、周壁部38の下部に配置される底壁部39と、から構成されている。周壁部38には、エアバッグカバー側壁部49の各係止孔49aに挿入される係止突起38aが、外側に突出するように形成されている。底壁部39には、リテーナ31の各ボルト31aを挿通させるための貫通孔(図符号省略)が形成され、車両の前後方向の部位の下面には、それぞれ、押え板45の横板部45aが当接して配置されることとなる。
【0022】
下部室41は、底壁部39の内側端部から下方へ延びるような略四角筒形状の周壁部42と、周壁部42の下端を塞ぐ底壁部43と、を備えて構成されている。底壁部43には、ケース36をボディ5に取り付けるためのナット43aが取り付けられている。底壁部43は、ボディ5側のリンフォース5aから延びるブラケット5bに取り付けられるものであり、ボルト6を、ブラケット5bに設けられた連結孔(図符号省略)を経て、ナット43aに螺合させることにより、ブラケット5bに取り付けられている。
【0023】
エアバッグ10は、図1・2に示すように、展開膨張時の形状を、車両の左右方向に軸心を有した略三角柱の袋状とするエアバッグ本体11と、エアバッグ10内に流入する膨張用ガスGの流れを変える整流布20と、を備えて構成されている。
【0024】
エアバッグ本体11には、車両の前方側となる側の下部に、膨張用ガスGを流入させる長方形状に開口したガス流入口12が、配設されている。ガス流入口12の周縁には、複数の取付孔14が貫通されており、これらの取付孔14には、リテーナ31の各ボルト31aが挿通されて、エアバッグ本体11が、ケース36の底壁部39に保持されることとなる。また、エアバッグ本体11には、余剰の膨張用ガスGを排気するベントホール15・15が設けられている。さらに、エアバッグ本体11の内周面側におけるガス流入口12周縁の取付孔14付近には、略四角環状のポリエステルやポリアミド等の糸から織成された補強布19が配設されている。
【0025】
そして、エアバッグ10がリテーナ31によってケース底壁部39に保持され、ケース36がボディ5に取り付けられて、エアバッグ装置Mが車両に搭載された際には、ガス流入口12の開口面は、開口周縁13の前縁13a側が後縁13b側より若干高くなって、略水平面に沿うように、配置されることとなる(図7・8参照)。
【0026】
さらに、エアバッグ本体11は、図3〜6に示すように、ポリエステルやポリアミド等の糸から織成された第1・2基布16・17を縫合して製造されており、第1基布16は、略正六角形状の布材を二つ(上側部16aと下側部16e)連結させた形状として、中央付近の左右両縁を凹ませた瓢箪形に形成され、第2基布17は、略正六角形状に形成されている。これらの基布16・17は、平面的な縫合作業によって立体的なエアバッグ本体11を縫製できるように、設定されている。
【0027】
整流布20は、図1〜5に示すように、エアバッグ本体11内でガス流入口12を覆い可能に、ガス流入口12の前後左右の寸法より大きな形状として、エアバッグ10の展開膨張時に、ガス流入口12の中央付近と対向する前後方向の断面形状を、ガス流入口12から離れる上方向へ膨らむ円弧状の曲線状としている。
【0028】
実施形態の場合、整流布20は、図3に示すように、エアバッグ本体11に取り付ける前の状態では、ポリエステルやポリアミド等の糸から織成された整流布素材20Pとして構成されており、整流布素材20Pは、ガス流入口12に対応した開口21を備えるとともに、開口周縁22の車両左右方向両側から延びる帯部23・24を備えて、構成されている。なお、整流布素材20Pには、取付孔14に対応する孔(図符号省略)も配設されている。そして、整流布20は、図4・5に示すように、整流布素材20Pの開口周縁22を、縫合糸18を利用して、エアバッグ本体11のガス流入口12の周縁に縫合し、さらに、帯部23・24の端部23a・24a相互を円弧状に縫合して、形成されている。なお、帯部23・24におけるガス流入口12周縁の縫合部位から端部23a・24a相互の結合部25までの車両左右方向の長さは、後端部28より前端部26が長く、前端部26より前後方向の中間部位27が長く設定され、整流布20によって構成される膨張用ガスGを流す開口に関して、前端部26側の開口面積をSF、後端部28側の開口面積をSB、前後方向の中間部位27の開口面積をSCとした際、SC>SF>SBとなるように、設定されている。
【0029】
また、実施形態の場合、ガス流入口12の前後方向の幅寸法B0は61mm、結合部25の前後方向の幅寸法B1は300mm、結合部25の半径寸法Rは300mmとしている。
【0030】
実施形態のエアバッグ10の製造について述べると、まず、図3・4に示すように、第1基布16におけるエアバッグ10の内周面側となるガス流入口12の開口周縁13に、縫合糸18を利用して、補強布19と整流布素材20Pとを縫合する。ついで、図4・5に示すように、整流布素材20Pの帯部23・24の端部23a・24a相互を、縫合糸18を利用して円弧状に縫合し、整流布20を所定形状に形成する。
【0031】
その後、第1基布16におけるガス流入口12の近傍の左右両縁において、図6のA・Bに示すように、上側部16aと下側部16eとの間で左右方向に延びる第1基準線L1で折り返し、縫合糸18を利用して、基準線L1の近傍の上側・下側部16a・16eの一方の直線状の片縁部16b・16f相互を縫合するとともに、他方の直線状の片縁部16c・16g相互を縫合する。
【0032】
ついで、図6のB・Cに示すように、上側部16aの左右方向に膨出した位置の左右方向に延びる第2基準線L2で折り曲げて、上側・下側部16a・16eの縫合していない残部周縁16d・16hを相互に離隔するように広げる。これらの残部周縁16d・16hを広げた外形形状は、第2基布17の外形形状と同形状としている。そのため、第1基布16の上側・下側部16a・16eにおける残部周縁16d・16hを広げて平らに展開した状態では、周縁相互を重ねるように、第2基布17を重ねることができる。
【0033】
そして、第2基布17を重ね、図6のDに示すように、縫合糸18を利用して、重ねた外周縁相互を縫合すれば、エアバッグ本体11を袋状に形成することができる。
【0034】
さらに、各部位を縫合した縫い代が、エアバッグ10の外周面側に露出しないように、エアバッグ本体11を袋状に形成した後には、ガス流入口12を利用して、エアバッグ本体11を裏返す。
【0035】
なお、ガス流入口12を利用して裏返す作業が困難な場合には、整流布素材20Pの帯部23・24の端部23a・24a相互を縫合する作業を、エアバッグ本体11を裏返した後に、帯部23・24をガス流入口12から引き出して、行うようにしても良い。
【0036】
上記のように製造したエアバッグ10の車両への搭載を説明すると、まず、各取付孔14からボルト31aを突出させるように、内部にリテーナ31を配設させた状態で、エアバッグ10を折り畳み、さらに、折り崩れしないように、折り畳んだエアバッグ10を破断可能なラッピングシート32(図7参照)でくるんでおく。なお、エアバッグ10の折り畳みでは、エアバッグ10の下部10b側が、膨張展開時、インパネ1の上面1aから後面1bに沿い易いように、ガス流入口12の後部側を長くし、かつ、その部位を下面側に巻く逆ロール折りで折り畳んでおく(図7参照)。
【0037】
そして、ケース36の下部室41内にインフレーター34を収納させておくとともに、リテーナ31の各ボルト31aをケース36の各底壁部39から突出させるように、折り畳んだエアバッグ10を上部室37内に収納させるとともに、さらに、上方から、エアバッグカバー47の側壁部49を上部室37に外装し、側壁部49の各係止孔49aに周壁部38の係止突起38aを挿入させる。
【0038】
ついで、各縦板部45bの上端を、側壁部49から突出している係止突起38aに挿通させるとともに、各横板部45aにボルト31aを挿通させて、ケース36の前後部位に押え板45・45を配置させて、さらに、各ボルト31aにナット31bを螺合させれば、エアバッグ装置Mを組み立てることができる。
【0039】
そして、このように組み立てた助手席用エアバッグ装置Mは、車両に組み付けた状態のインパネ1の開口2から挿入させて、各係止脚48cをフランジ部3に係止させるとともに、ブラケット5bを経て、ナット43aにボルト6を螺合させ、ケース36をボディ5に連結すれば、車両に搭載することができる。
【0040】
エアバッグ装置Mの車両への搭載後、インフレーター34から膨張用ガスGが吐出されれば、エアバッグ10が、膨張して、ラッピングシート32を破断するとともに、エアバッグカバー47の破断予定部48bを破断させて扉部48a・48aを図7・8の二点鎖線に示すように開かせることにより、ケース上部室37から、大きく突出することとなる。
【0041】
そして、実施形態のエアバッグ10では、展開膨張初期に、膨張用ガスGがガス流入口12から流入すると、膨張用ガスGは、整流布20と干渉して、車両の前方側へ流れるガスGFと後方側へ流れるガスGBとに分岐される(図1・5参照)。その際、整流布20が、膨張用ガスGの流入時におけるガス流入口12と対向する車両前後方向の断面形状を、ガス流入口12から離れる方向へ膨らむ曲線状としている。そのため、ガス流入口12から流入した膨張用ガスGが、整流布20のガス流入口12と対向する部位29と干渉して、車両後方側へ流れる膨張用ガスGBは、整流布20の曲線に沿って、インパネ上面1aと平行ではなく、インパネ1の上面1a側に向かう方向へ変えられて、エアバッグ本体11を展開させることとなる。その結果、図8の二点鎖線に示すように、エアバッグ本体11が、極力、インパネ1の上面1aから後面1bにかけての表面に沿って、後方側へ向かうこととなる。
【0042】
また、整流布20自体は、車両後方側に長さ寸法を延ばすことなく、単に、膨張用ガスGの流入時におけるガス流入口12と対向する車両前後方向の断面形状を、ガス流入口12から離れる上方へ膨らむ曲線状とするだけで形成できることから、材料使用量を極力少なくすることができる。
【0043】
したがって、実施形態の助手席用エアバッグ10では、整流布20の材料使用量を極力抑えて、展開膨張初期に、インパネ1の表面1a・1bに沿って後方へ展開させることができる。
【0044】
なお、実施形態の場合、整流布20のガス流入口12と対向する部位29における前後方向の中間部位27を、ガス流入口12の前後方向の中心より、後方へずらして、整流布20を配置させている。そのため、中間部位27をガス流入口の中心と一致させる場合に比べて、一層、後方側へ流れる膨張用ガスGBを、インパネ1の上面1aから後面1bにかけての表面に沿わせて、流すことが可能となって、エアバッグ下部10bを、極力、インパネ1の表面に沿って展開せることができる。
【0045】
また、実施形態のエアバッグ10では、整流布20の前端部26側の開口面積SFが、前後方向の中間部位27の開口面積SCより小さいものの、後端部28側の開口面積SBより、多く設定されている(SC>SF>SB)。そのため、エアバッグ10の展開膨張時、車両前方側に流れる膨張用ガスGFが、車両後方側へ流れる膨張用ガスGBより、流量を多くすることから、車両前方側に流れる膨張用ガスGFによって展開膨張するエアバッグ上部部位10aが、インパネ1から突出して、ウインドシールドWに沿って素早く後方へ移動し、その結果、エアバッグ10の乗員側の面10cを、迅速に鉛直方向に配置させることができる。そして、エアバッグ10の乗員側の面10cは、その後、鉛直方向に沿って配置された状態で、車両後方側へ移動することとなり、部分的に突出することなく、乗員と広い面で干渉することとなって、乗員への単位面積当りの押圧力を低減させることが可能となる。
【0046】
さらに、実施形態のエアバッグ10では、整流布20のガス流入口12と対向する部位29を所定の曲線状に形成する際、整流布素材20Pの開口周縁22をエアバッグ本体11のガス流入口12の周縁13に固着させた状態として、固着部位である開口周縁22から左右方向両側へ延びる帯部23・24の端部23a・24a相互を、車両前後方向で曲線状に縫合させて、整流布20を形成している。その際、ガス流入口周縁22から延びる両帯部23・24の端部23a・24a相互を、単に、平面的に、曲線状に縫合させるだけで、整流布20のガス流入口12と対向する部位29を所定の曲線状に形成することができる。そのため、整流布20をエアバッグ本体11内に設ける作業を、容易に行うことができる。
【0047】
なお、この点を考慮しなければ、整流布20を車両の左右方向に延びる帯状として、その左右両端をガス流入口12の周縁に縫合等を利用して結合させるとともに、ガス流入口12と対向する部位の前縁側と後縁側とに、左右方向の長さ寸法を短くするためのタックを設けて、ガス流入口12と対向する部位の車両前後方向の断面形状を所定の曲線状としても良い。
【0048】
また、整流布素材20Pとして、開口周縁22を備えた帯部23側の素材と開口周縁22を備えた帯部24側の素材との2枚の部材から構成して、それぞれ、開口周縁13に縫合等によって結合させて、端部23a・24a相互を結合させても良い。勿論、別途、補強布を使用すれば、これらの二枚の部材を、開口周縁22をどちらか一方に設け、あるいは、ともに設けずに、基布16の開口周縁13に結合させて、配設するように構成しても良い。
【0049】
さらに、実施形態では、立体的なエアバッグ10について説明したが、インフレーター34と乗員側との二枚の基布の周縁相互を縫合等で結合させてエアバッグ本体を形成する平面バッグに、本発明を適用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態のエアバッグを単体で膨張させた状態を示す車両前後方向の縦断面図である。
【図2】同実施形態のエアバッグを単体で膨張させた状態の斜視図である。
【図3】同実施形態のエアバッグを構成する部材を示す平面図である。
【図4】同実施形態のエアバッグの製造工程を示す図であり、エアバッグ本体に整流布素材を縫合した状態を示す。
【図5】同実施形態のエアバッグの製造工程を示す図であり、図4の後の工程を示す。
【図6】同実施形態のエアバッグの製造工程を示す図であり、図5の後の工程を示す。
【図7】同実施形態のエアバッグが車両に搭載された状態を示す断面図である。
【図8】同実施形態のエアバッグの膨張状態を説明する図である。
【符号の説明】
1…(インストルメントパネル)インパネ、
10…エアバッグ、
11…エアバッグ本体、
12…ガス流入口、
13…開口周縁、
20…整流布、
21…(固着部位)開口周縁、
23・24…帯部、
23a・24a…端部、
25…結合部、
26…前端部、
27…中間部位、
28…後端部、
29…対向部位、
SF・SC・SB…開口面積、
G・GF・GB…膨張用ガス、
M…助手席用エアバッグ装置。

Claims (6)

  1. 助手席前方のインストルメントパネルに配置される助手席用エアバッグ装置に使用され、
    整流布が、ガス流入口から流入する膨張用ガスを車両の前後方向両側へ流すように、エアバッグ本体の内部で、前記ガス流入口を覆って、車両の左右方向両側を閉塞し、車両の前後方向両側を開口させて、配設されている助手席用エアバッグであって、
    前記整流布が、前記ガス流入口から流入して前記整流布の少なくとも後方側に形成された開口から流れる前記膨張用ガスを、前記インストルメントパネルの表面に沿って、流すように、前記ガス流入口と対向する車両前後方向の断面形状を、前記ガス流入口から離れる方向へ膨らむ曲線状としていることを特徴とする助手席用エアバッグ。
  2. 前記整流布が、前端側の開口面積をSF、後端側の開口面積をSB、前後方向の中間部位の開口面積をSCとした際、SC>SF>SBとして、配設されていることを特徴とする請求項1に記載の助手席用エアバッグ。
  3. 前記整流布が、前記エアバッグ本体のガス流入口の周縁に固着された状態として、固着部位から左右方向両側へ延びる端部相互を、車両前後方向で曲線状に結合させて、形成されていることを特徴とする請求項1若しくは請求項2に記載の助手席用エアバッグ。
  4. 前記整流布における前記ガス流入口と対向する前後方向の中間部位を、前記ガス流入口の前後方向の中心より、後方へずらして、前記整流布が配設されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の助手席用エアバッグ。
  5. 展開膨張時の前記エアバッグの下部側が、前記インストルメントパネルの表面に沿って展開膨張するように、前記エアバッグにおける前記ガス流入口より後部側の部位が、前記エアバッグの下面側で巻くロール折りで折り畳まれていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の助手席用エアバッグ。
  6. 膨張完了時の後面を、略鉛直方向に沿って配置させて乗員側の面とするように、膨張完了時の形状を、車両の左右方向に軸心を有した略三角柱状として、前記インストルメントパネルの上面側に配置されるトップマウントタイプの助手席用エアバッグ装置に使用される構成とし、
    膨張完了時の前方側の下部に、前記ガス流入口が配設されていることを特徴とする請求項2に記載の助手席用エアバッグ。
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