JP3760615B2 - 樹脂成形品及びその成形方法 - Google Patents
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Description
【技術分野】
本発明は,樹脂流れの会合部分における筋状異色部の発生がなく,表面外観性に優れた,材着樹脂材料による樹脂成形品及びその成形方法に関する。
【0002】
【従来技術】
従来,樹脂成形品には,メタリック調,パール調等,表面外観性を向上させるために材着樹脂材料を用いて金型成形したものがある。この材着樹脂材料は,合成樹脂とそのマトリクス中に分散させた鱗片状光輝材とよりなる。かかる鱗片状光輝材としては,例えば鱗片状のアルミニウム等の金属箔,マイカ等が用いられる。
【0003】
【解決しようとする課題】
しかしながら,上記樹脂成形品が貫通穴或いは深い凹所を有する場合には,その貫通穴近くに筋状異色部が発生することがある。
このことを,樹脂成形品としての,自動車用の通風穴付きホイールキャップを例にとって,以下に説明する。
即ち,図7に示すごとく,上記ホイールキャップ900は,通風穴としての貫通穴91を有している。なお,同図の符号92は取付爪である(図5参照)。
そして,上記ホイールキャップにおいては,上記貫通穴91よりも外方に幅1〜5mmの筋状異色部95が発生している。
【0004】
このような筋状異色部95は,次の理由によって発生すると考えられる。
即ち,図8〜図10に示すごとく,上記ホイールキャップ900を成形するための金型8においては,そのキャビティ82内に,上記貫通穴91を形成するための突出した中子81が設けてある。そして,上記材着樹脂材料7は,ホイールキャップの中央部分に位置するゲートより射出される。そのため,材着樹脂材料7は,図8に示すごとく,ホイールキャップ成形用のキャビティ82内を,その外部方向へ向かって進んでいく。
【0005】
このとき,キャビティ82内には上記中子81があるため,ここで材着樹脂材料7の流れ75は左右に分かれ(図8),中子81の後方で再び合流し,会合部分77を形成する(図8〜図11)。
そして,上記材着樹脂材料7がキャビティ82内を前方へ進むとき,その樹脂流れの先端部分は,図9に示すごとく,突出したファウンテンフローを形成している。
【0006】
そのため,上記の会合部分77の近くにおいては,図10,図11に示すごとく,材着樹脂材料7中の鱗片状光輝材72は会合部分77の方向に沿って,即ち樹脂成形品9の表面と略直交する方向に配列する。
【0007】
一方,樹脂成形品9の大部分においては,上記鱗片状光輝材72は樹脂流れの方向に沿って,即ち樹脂成形品9の表面に沿って配列する。
そのため,図11に示すごとく,樹脂成形品9に光が入射したとき,樹脂成形品9の表面に平行に配列している上記鱗片状光輝材72に当たった光97は,同図に示すごとく,外部へ反射する。そのため,樹脂成形品9における大部分の表面は,美しいメタリック調等の表面外観性を呈する。
【0008】
しかし,上記会合部分77においては,鱗片状光輝材72は樹脂成形品9の表面と略直交する方向に配列している。そのため,この部分では,図11に示すごとく,入射した光98は,鱗片状光輝材72によって反射されない。それ故,この部分は黒色がかった筋状異色部95が発生する。
また,上記会合部分77においては,左右から材着樹脂材料が合流するため,表面部分には深さ約5〜10μmの筋状溝96が形成されることがある。そのため,上記筋状異色部95は更に表面外観性が低下する。
【0009】
本発明はかかる従来の問題点に鑑み,材着樹脂材料の流れの会合部分における筋状異色部の発生がなく,表面外観性に優れた,材着樹脂材料による樹脂成形品及びその成形方法を提供しようとするものである。
【0010】
【課題の解決手段】
請求項1の発明は,合成樹脂とその中に分散された鱗片状光輝材とよりなる材着樹脂材料を用いて金型成形してなる樹脂成形品において,
該樹脂成形品は,その表面が凹状の梨地を形成しており,また上記表面には上記梨地の深さよりも大きい凹状又は凸状の多数のシボを有しており,
隣り合う上記シボの間には平面部が形成されていると共に該平面部には上記梨地が形成されており,
また上記凹状シボの深さ又は凸状シボの高さは30〜1000μmであり,
かつ上記樹脂成形品の表面の内側には,上記鱗片状光輝材が多方向に分散している光散乱層を有し,
該光散乱層よりも内部には,上記燐片状光輝材が上記樹脂成形品の表面に略直交する方向に配列した部分が存在することを特徴とする樹脂成形品である。
【0011】
本発明において最も注目すべきことは,樹脂成形品の表面が梨地を形成していると共に,該梨地の深さよりも大きい多数のシボを有しており,また上記凹状シボ又は凸状シボの高さは上記特定の範囲にあり,かつ樹脂成形品の表面の内側には上記光散乱層を有していることである。
【0012】
次に,本発明の作用効果につき説明する。
本発明においては,まず樹脂成形品の表面が凹状の梨地を有しているため,該表面は光が乱反射する。更に,この梨地表面には,梨地の深さよりも大きい凹状又は凸状の多数のシボを有している。そのため,このシボの表面によっても光乱反射が生ずる。
また,上記凹状シボの深さ又は凸状シボの高さは上記特定範囲にあるため,上記光乱反射が有効に行なわれる。
【0013】
更に,上記表面の内側には,鱗片状光輝材が多方向に分散している光散乱層を有しているため,更に上記光乱反射が助長される。
そのため,上記の樹脂流れの会合部分においても,上記の梨地,特定深さ又は高さのシボ,更には上記光散乱層によって多くの光乱反射が生じる。それ故,会合部分において筋状異色部が発生することがなく,表面外観性に優れた樹脂成形品を提供することができる。
【0014】
本発明は,特に貫通穴或いは深い凹部を有する樹脂成形品に適用した時,その貫通穴,凹部の近くに筋状異色部の発生がなく,特にその効果が大きい。
【0015】
本発明において,上記凹状シボの深さ又は凸状シボの高さは,30〜1000μmである。
30μm未満では,光乱反射が充分行なわれず,一方1000μmを超えると凹状シボ,凸状シボの側面に筋状異色部が見えるという問題がある。
【0016】
また,上記合成樹脂としては,例えばポリプロピレン,ポリエチレン,ポリスチレン,AS樹脂,AES樹脂,ABS樹脂,AAS樹脂,SAS樹脂,PPO,ポリアセタール,PPO/PS,PET,PBT,アイオノマー,アクリル系樹脂,塩化ビニル系樹脂,ポリカーボネート,PA樹脂,またはこれら2種類以上からなるアロイ材等が挙げられる。
この中でもポリプロピレン,AES樹脂,ABS樹脂,AAS樹脂が,会合部における筋状異色部が目立たない,光輝感の優れた成形品を与える汎用性のある樹脂として好ましい。
【0017】
次に,上記鱗片状光輝材としては,アスペクト比5〜200のものが利用可能で,通常10〜100のものが好適に利用される。アスペクト比(A)=平均粒径(μm)/平均粒径厚さ(μm)である。
このような鱗片状光輝材としては,例えばアルミニウム粉末,マイカ製パール顔料,真鍮粉末,ガラス粉末,金属めっき粉末,金属コーティング粉末等が挙げられる。この中でもアルミニウム粉末が,会合部における筋状異色部が目立たない,光輝感の優れた成形面を与える汎用性のある鱗片状光輝材として好ましい。
【0018】
また,燐片状光輝材の平均粒径は,10〜100μmであることが好ましい。上記平均粒径が100μmより大きくなると,添加量を増やしても会合部分の筋状異色部の発生を解消する効果が少ない。また,10μmより小さくなると,樹脂成形品の外観がノッペリとして,平坦状の光輝感を呈する傾向にある。
【0019】
なお,本発明の樹脂組成物には,更に必要に応じてフタロシアニンブルー,シアニングリーン,インダスレン系,アゾ系,アンスラキノン系,ペリレン系,ペリノン系,キナクリドン系,イソインドリノン系,チオインジゴ系,ジオキサジン系等の有機顔料,フタロシアニン系,アンスラキノン系,ペリレン系,ペリノン系等の染料,酸化防止剤,紫外線吸収剤,カップリング剤等の添加剤,或いは金属石鹸,定分子量ポリオレフィン等の分散剤等を添加してもよい。
【0020】
また,上記樹脂組成物を用いて樹脂成形品を成形するに際しては,各成分が最終組成物中に必要な量になるように配合したものを直接成形してもよいし,押出し機でコンパウンドを作製した後,成形してもよい。
また,ドライカラーや高濃度マスターパッチを作製し,これを樹脂で希釈して成形することも可能である。
【0021】
次に,請求項2の発明のように,上記梨地は,上記シボの表面にも形成されていることが好ましい。
この場合には,シボの表面においても更に細かい光乱反射が生じる。それ故,会合部分における筋状異色部の発生をより抑えることができる。
【0022】
次に,請求項3の発明のように,上記シボとシボの間のピッチは100〜1000μmであることが好ましい。
この場合には,上記光乱反射が有効に行われる。
即ち,上記ピッチが,100μm未満の場合には,光乱反射が不十分となるという問題がある。
一方,上記ピッチが,1000μmを超える場合には,ピッチが大きすぎて,光乱反射の発生が不十分なため,上記筋状異色部の発生を十分に解消することが困難である。
【0023】
次に,請求項4の発明のように,上記梨地の深さは,5〜800μmであることが好ましい。
この場合には,上記光乱反射の発生が有効に行われる。
即ち,上記梨地の深さが,5μm未満の場合には,光乱反射の発生が不十分なため,上記筋状異色部の発生を十分に解消することが困難である。
一方,上記梨地の深さが,800μmを超える場合にも,光乱反射の発生が不十分なため,上記筋状異色部の発生を十分に解消することが困難である。
【0024】
次に,請求項5の発明のように,合成樹脂とその中に分散された鱗片状光輝材とよりなる材着樹脂材料により,樹脂成形品を成形する方法において,
金型のキャビティ壁の表面に,凹状の梨地を形成するための梨地成形部を設けると共に,該梨地成形部の表面に上記梨地の深さよりも大きい凹状又は凸状のシボを形成するための多数のシボ成形部を設けておき,
隣り合う上記シボ成形部の間には平面成形部が形成されていると共に該平面成形部には上記梨地成形部が形成されており,
上記金型のキャビティ内に上記材着樹脂材料を射出して,表面に梨地を有すると共に凹状又は凸状のシボを有し,更に表面の内側には上記鱗片状光輝材が多方向に分散している光散乱層を有し,該光散乱層よりも内部には上記燐片状光輝材が上記樹脂成形品の表面に略直交する方向に配列した部分が存在する樹脂成形品を成形する方法であって,
かつ上記シボ成形部の凸状の高さ又は凹状の深さは30〜1000μmであることを特徴とする樹脂成形品の成形方法がある。
【0025】
上記成形方法によれば,以下のような樹脂成形品を容易に成形することができる。
即ち,表面が梨地を形成していると共に,該梨地の深さよりも大きい多数のシボを有しており,また上記凹状シボ又は凸状シボの高さは特定の範囲にあり,かつ表面には上記光散乱層を有する樹脂成形品を容易に成形することができる。
上記樹脂成形品は,上述のごとく,会合部分においても筋状異色部が発生することなく,表面外観性に優れている。
【0026】
従って,本発明にかかる成形方法によれば,表面外観性に優れた樹脂成形品を容易に成形することができる。
【0027】
本発明において,上記シボ成形部における,凸状の高さ又は,凹状の深さは,30〜1000μmである。30μm未満では,上記筋状異色部の発生を十分に解消することが困難であり,一方1000μmを超える場合にも光乱反射の発生が不十分なため,上記筋状異色部の発生を十分に解消することが困難である。
【0028】
次に,請求項6の発明のように,上記シボ成形部における凹状部又は凸状部の間のピッチは100〜1000μmであることが好ましい。
この場合には,上記光乱反射の発生が有効に行われる樹脂成形品を容易に成形することができる。
上記シボ成形部のピッチを上記特定の範囲にする理由は,上記シボにおけるピッチの理由と同じである。
【0029】
次に,請求項7の発明のように,上記梨地成形部における凸状部の高さは5〜800μmであることが好ましい。
この場合には,上記光乱反射の発生が有効に行われる。
上記梨地成形部における凸状部の高さを上記特定の範囲内とする理由は,上記梨地におけるピッチの理由と同じである。
【0030】
【発明の実施の形態】
実施形態例1
実施形態例1にかかる,樹脂成形品9及びその製造方法について,図1〜図5を用いて説明する。
本例に示す樹脂成形品9は,図5に示すごとく,自動車用ホイールキャップである。
上記ホイールキャップは,円板状体で,ホイールに取り付ける取付爪92を有する。本体部90には通気穴91を有する。
本例の樹脂成形品9は,図1に示すごとく,合成樹脂71とその中に分散された鱗片状光輝材72とよりなる材着樹脂材料7を用いて金型成形してなる。
上記樹脂成形品9はその表面が,梨地2を形成している。該梨地2の深さは5〜800μmである。
また上記表面には上記梨地2の深さよりも大きい凹状の多数のシボ1を有している。そして,該シボ1の表面にも梨地2が形成されている。
【0031】
また上記シボ1の深さは30〜1000μmであり,かつ上記樹脂成形品9の表面の内側には,上記鱗片状光輝材72が多方向に分散している光散乱層3を有している。
一方,上記シボとシボの間のピッチは,100〜1000μmである。
【0032】
次に,上記樹脂成形品9の製造方法について図3,図4を用いて説明する。
即ち,まず金型3のキャビティ壁30の表面に,上記凹状の梨地2を形成するための梨地成形部32を設けると共に,該梨地成形部32の表面に上記梨地2の深さよりも大きい上記凹状のシボ1を形成するための多数のシボ成形部31を設けておく。
上記梨地成形部32の高さNは5〜800μmである。そして,該梨地成形部32は上記シボ成形部31の表面にも形成されている。
また,上記シボ成形部31の高さSは30〜1000μmであり,各シボ成形部31間のピッチPは100〜1000μmである。
【0033】
上記シボ成形部31及び梨地成形部32は,金型3の表面をホーニング或いは,エッチングすることにより形成する。
また,金型3のキャビティ内には,上記従来例で記したごとく,ホイールキャップ900の貫通穴91を形成するための中子が設けてある(図8)。
【0034】
次に,上記樹脂系製品9を製造するに当っては,上記金型3のキャビティ内に合成樹脂71とその中に分散された鱗片状光輝材72とよりなる材着樹脂材料7 を射出する。上記材着樹脂材料7 は,ホイールキャップの中央部から射出する。
これにより,上記樹脂系製品9が成形される。
そして,このとき,図3に示すごとく,上記金型3のキャビティ壁30の近傍においては,上記凸状のシボ成形部31の存在により上記材着樹脂材料7の流れに乱流を生ずる。そのため,樹脂成形品9の表面層においては上記材着樹脂材料7中の鱗片状光輝材72の配向が乱れ上記の光散乱層25が形成される(図1参照)。
【0035】
また,樹脂成形品9の表面には,上記梨地成形部32,シボ成形部31によって梨地2及びシボ1が形成される。
また,上記光散乱層25よりも内部には,ホイールキャップ900の貫通穴91(図2,図4)を形成するための中子(図8参照)の存在によって,会合部77が形成される。また,該会合部77の両側には,従来例と同様に樹脂成形品9の表面と略直交する方向に鱗片状光輝材72が配列している。また,樹脂成形品9のほかの大部分においては,鱗片状光輝材72は樹脂流れの方向に沿って,樹脂成形品9の表面に沿って配列している。また,筋状溝96も形成される。
【0036】
上記のごとく,本例においては,まず樹脂成形品9の表面が凹状の梨地2を有しているため,該表面は光が乱反射する。更に,この梨地2表面には,梨地2の深さNよりも大きい凹状又は凸状の多数のシボ1を有している。そのため,このシボ1の表面によっても光乱反射が生ずる。
また,上記凹状シボ1の深さS又は凸状シボ1の高さSは上記特定範囲にあるため,上記光乱反射が有効に行なわれる。
【0037】
更に,上記表面の内側には,鱗片状光輝材72が多方向に分散している光散乱層25を有しているため,更に上記光乱反射が助長される。
そのため,上記の樹脂流れの会合部分77においても,上記の梨地2,特定深さ又は高さのシボ1,更には上記光散乱層25によって多くの光乱反射が生じる。それ故,会合部分77において筋状異色部が発生することがなく,表面外観性に優れた樹脂成形品9を提供することができる。
【0038】
実施形態例2
本例においては,図6に示すごとく,実施形態例1におけるシボ1を,凸状のシボ13としたものである。その他は,実施形態例1と同様の構造である。
製造方法についても,実施形態例1におけるシボ成形部31を凸状にしたほかは,実施形態例1と同様である。
本例においても,実施形態例1と同様の作用効果を得ることができる。
【0039】
実施形態例3
次に,本発明を樹脂成形品としてのホイールキャップ900(図5)に適用した場合の具体例につき説明する。
本例においては,合成樹脂としてポリプロピレン樹脂を,鱗片状光輝材72として長さ40μmのアルミニウム粉末を用いた。
また,得られたホイールキャップ900における上記凹状シボ1の深さは300μm,梨地2の深さは7μmであった。
その結果,上記ホイールキャップは,上記筋状異色部は殆ど発生せず,外観性に優れているものであった。
【0040】
【発明の効果】
本発明によれば,材着樹脂材料の流れの会合部分における筋状異色部の発生がなく,表面外観性に優れた,材着樹脂材料による樹脂成形品及びその成形方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例1における,樹脂成形品の表層断面図。
【図2】実施形態例1における,樹脂成形品の表面斜視図。
【図3】実施形態例1における,キャビティ内壁及び樹脂流れの説明図。
【図4】実施形態例1における,キャビティ内壁表面の説明図。
【図5】実施形態例1における,樹脂成形品としてのホイールキャップの斜視図。
【図6】実施形態例2における,樹脂成形品の表層断面図。
【図7】従来例のホイールキャップにおける,貫通穴外方の筋状異色部を示す斜視図。
【図8】従来例の樹脂成形品における,樹脂流れの説明図。
【図9】従来例の樹脂成形品における,樹脂流れ会合寸前の状態における図8のA−A断面図。
【図10】従来例の樹脂成形品における,樹脂流れが会合した状態における図8のA−A断面図。
【図11】従来例の樹脂成形品における,会合部分付近の断面斜視図。
【符号の説明】
1...シボ,
2...梨地,
25...光散乱層,
3...金型,
31...シボ成形部,
32...梨地成形部,
7...材着樹脂材料,
71...合成樹脂,
72...鱗片状光輝材,
77...会合部分,
9...樹脂成形品,
91...貫通穴,
95...筋状異色部,
Claims (7)
- 合成樹脂とその中に分散された鱗片状光輝材とよりなる材着樹脂材料を用いて金型成形してなる樹脂成形品において,
該樹脂成形品は,その表面が凹状の梨地を形成しており,また上記表面には上記梨地の深さよりも大きい凹状又は凸状の多数のシボを有しており,
隣り合う上記シボの間には平面部が形成されていると共に該平面部には上記梨地が形成されており,
また上記凹状シボの深さ又は凸状シボの高さは30〜1000μmであり,
かつ上記樹脂成形品の表面の内側には,上記鱗片状光輝材が多方向に分散している光散乱層を有し,
該光散乱層よりも内部には,上記燐片状光輝材が上記樹脂成形品の表面に略直交する方向に配列した部分が存在することを特徴とする樹脂成形品。 - 請求項1において,上記梨地は,上記シボの表面にも形成されていることを特徴とする樹脂成形品。
- 請求項1又は2において,上記シボとシボの間のピッチは100〜1000μmであることを特徴とする樹脂成形品。
- 請求項1〜3のいずれか一項において,上記梨地の深さは,5〜800μmであることを特徴とする樹脂成形品。
- 合成樹脂とその中に分散された鱗片状光輝材とよりなる材着樹脂材料により,樹脂成形品を成形する方法において,
金型のキャビティ壁の表面に,凹状の梨地を形成するための梨地成形部を設けると共に,該梨地成形部の表面に上記梨地の深さよりも大きい凹状又は凸状のシボを形成するための多数のシボ成形部を設けておき,
隣り合う上記シボ成形部の間には平面成形部が形成されていると共に該平面成形部には上記梨地成形部が形成されており,
上記金型のキャビティ内に上記材着樹脂材料を射出して,表面に梨地を有すると共に凹状又は凸状のシボを有し,更に表面の内側には上記鱗片状光輝材が多方向に分散している光散乱層を有し,該光散乱層よりも内部には上記燐片状光輝材が上記樹脂成形品の表面に略直交する方向に配列した部分が存在する樹脂成形品を成形する方法であって,
かつ上記シボ成形部の凸状の高さ又は凹状の深さは30〜1000μmであることを特徴とする樹脂成形品の成形方法。 - 請求項5において,上記シボ成形部における凹状部又は凸状部の間のピッチは100〜1000μmであることを特徴とする樹脂成形品の成形方法。
- 請求項5又は6において,上記梨地成形部における凸状部の高さは5〜800μmであることを特徴とする樹脂成形品の成形方法。
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